2025年5月31日土曜日

2nd EP 『WARMiNG』 Release Tour “Revenge Shangrila” Final (2025-05-07)

2025年5月7日(火)。ただの平日ではない。カレンダー上ではゴールデン・ウィーク(四連休)明けの初日。一年の中でも最上級に都合をつけづらい。もちろん人にはよるだろう。それぞれに固有の事情があるので。だが一般的には人が集まりにくい日だったのは間違いない。LiVSの場合、支持層に占める遠征民の割合が大きい。そういう紳士たちの場合、仕事終わりにフラッと立ち寄るというわけにはいかない。本日の千穐楽で下北沢シャングリラを満員にするのがこのツアーの目標だった。そもそもの会場規模が普段よりも大きいのに加え、日程面の条件は厳しかった。

BLUEGOATSは五日前に新宿ロフトでコンサートを開催した。新宿ロフトの収容人数は約500人。LiVSが今日埋めようとしている下北沢シャングリラは約600人(ソース:Google検索)。片やゴールデン・ウィーク直前、片やゴールデン・ウィーク直後。この二集団が奇しくも近い日程で、似た規模の会場でコンサートを決行した。結果は対照的だった。BLUEGOATSは新宿ロフトをほぼ満員にした。LiVSは下北沢シャングリラを埋めることが出来なかった。(チケットが実際に何枚売れ、何人が来場したのか、私は知らない。前回よりも少なかったと聞く。)同じような条件(日程、会場)でコンサートを開催した場合、BLUEGOATSとLiVSとでこのような差がつくのは仕方がない。動員規模という基準で見ると今のBLUEGOATSはLiVSの一歩も二歩も先を行っている。BLUEGOATSでさえ500人の会場でチケット完売までいかなかったのだから、LiVSが600人の会場を埋めきれないことに驚きはない。瞬間風速でもLiVSの動員がBLUEGOATSを超えるには学徒動員のような形で百人単位の人々を強制連行する必要があった。「知らない顔が少なすぎる」。開演前に歓談した紳士はフロアを見渡して言った。挨拶を交わすかは別にして、ほぼ見たことのある顔しかいないのがLiVS現場の現状である(よくも悪くも)。

私のチケットはA19(人間チケット)。JPY3,000。その前にはSS(超最高チケット JPY31,500)が30番くらい、S(最高チケット JPY10,000)が28番くらいまでいた。(名古屋のときと同様、コチャキンTVさんの脱退に伴う返金対応があったため、欠番がある。)入場時間が過ぎて、私の番号が呼び出された時点で、後ろを振り返ってみると、20人くらいしかいなかった。18時10分すぎに私がフロアに入った時点で100人もいなかった。3列目の左側に立つことが出来た。十分に近い。フロアの立ち位置だけを考えるとJPY31,500やJPY10,000を払う意味をほとんど感じない。(右側はもうちょっと混んでいた。)もちろん18時半の開演までまだ時間はある。今日に関しては最初の30分はゲストの時間。LiVSが出てくるのは19時からである。仕事で遅れて来る人もいるだろう。これからフロアに人は増えていく。とはいえ、これから一気に何百人も増えるという展開は考えづらい。フロアを人でいっぱいにする。もしそれが本日の至上命題だとするならば、もう勝負はついているのではないか? だとすると今日のこれって消化試合?

そもそも私はツアー・タイトルになっている“Revenge Shangrila”にさほどピンと来ていない。昨年8月にこの会場を埋められなかったときのリヴェンジと言われても、そのとき私はLiVSの存在すら知らなかった。今日に至るまでのストーリーに関与していない。下北沢シャングリラには行ったこともない。どういう会場なのかも分かっていない。検索すれば収容人数も分かるし画像も出てくるけど、そうやって情報として目にしたとしてもこのツアー・タイトルに込められたLiVS側の思いを私は知る由がない。そしてこのツアーに関して言えば、私は四日前の名古屋公演で満足していた。超最高チケット(JPY31,500)で入場し、最前で観て、すべてを出し切ったと思えるほどに公演を楽しんだ。終演後には通常の特典会に加え、超最高チケット所持者だけの特別な特典会にも参加した。これ以上を望むべくもない濃い時間だった。自分の中での“Revenge Shangrila”ツアーはもう終了済みで今日はおまけくらいの気分だった。

18時半に開演してはじめの30分はトップ・シークレット・マンのしのだくんという青年(『僕の声、跳ね返る』という素晴らしい楽曲をLiVSに提供してくださった方)によるDJタイム。本編の前にDJタイムがあるのは #KTCHAN で経験済み。だからそれ自体に大きな違和感はない。ただ何のために彼を呼んでこの時間を設けたのかがよく分からなかった。LiVSの登場に向けてフロアを温めることなのか、それとも集客のため(しのだくんさんのファンをこの公演に連れて来る)なのか。そこが最後までふわっとしていた。依頼を受けたから淡々と自分の業務をこなしている雰囲気のしのだくんさん。あまりフロアのヘッズとコミュニケーションを取る意思が感じられない。これが #KTCHAN 登場前のDJ YANATAKEさんであれば何度も我々に手を挙げさせたりコール・アンド・レスポンスをやってみたりするところである。音楽自体は聴いていて心地がよかった。目を瞑って聴くとトリップする感覚があった。しかし、あの音を、LiVSのコンサートが始まる直前のフロアで流す意図については計りかねた。LiVSの音楽とはノリが別物すぎて、ウォーミング・アップには向いていなかった。ゲストを呼んで集客をドーピングしているという印象を与えることでツアーのコンセプトにケチをつけた上に、その集客効果もさほどなかったとすると悪手だった気がしてならない。

コンサートの後半だったかな。下北沢シャングリラを埋められなかったことについて、集団を代表してミニ・マルコさんから談話があった。一気に重苦しくなるフロアの空気。彼女は涙ながらにフロアに向けて頭を下げた。「ごめんなさい」。これは本当に私が見たくない姿、聞きたくない言葉だった。謝ってほしくなかった。謝る理由はない。少なくともフロアにいた我々に対しては。頭を下げてほしくなかった。胸を張ってほしかった。ウチらはこんなにイケてる。来ない方が悪い。知らない方が悪い。それくらいの態度でいてほしかった。それくらい今日のLiVSは輝いていた。開演前にはまったく予期していなかったのだが、私がLiVSを観るようになってから、今日が一番心を掴まれた。嘘みたいに楽しくて、一人でケラケラ笑っている時間があった。アンコール前最後の曲“ONE”では泣いた。耳栓(KsGearのEvo2)をつけているのを完全に忘れるほど音楽に没入し、腹の底から声を出した。ひとつのコンサートの中で様々な感情の波が押し寄せてきた。LiVSを好きになって、LiVSを観てきて本当によかったと心の底から思った。ミニ・マルコさんとLiVSに出会ってから、この時間、この空間は私にとって生きる理由になっている。だから、数値目標だけを基準に成功と失敗を判断しないでほしい。動員目標の未達という事実だけで、今日の公演、このツアー、日頃の活動を否定しないでほしい。私にとってLiVSは数字以上の意味を持っている。

2025年5月28日水曜日

2nd EP 『WARMiNG』 Release Tour “Revenge Shangrila” 名古屋公演 (2025-05-04)

また名古屋。また遠征。前回から二ヶ月も経っていない。言うまでもない。遠征は交通費が馬鹿にならない。何の考えもなしにポンポン行くわけにはいかない。冷静な判断が必要。理由が必要。今回の理由:ゴールデン・ウィークの四連休に何の予定もなかった。厳密に言えば後ろに有給休暇を一日追加してLiVSの下北沢シャングリラ公演(ツアー千穐楽)を観に行くわけだが、本体(?)の四連休にも何か一つ楽しみがほしい。それで行くことを決定。超最高チケットなるものを初購入。最高(3150)だからJPY31,500という悪ノリの価格設定。特典が「最優先入場、全員集合チェキ、終演後デコチェキ会、感謝の10秒動画、感謝の手紙、サイン&コメント入りチェキ券」。今回のツアーではすべての公演で発売されている。自分がこれに手を出す日が来るとは思わなかった。通常のチケットはJPY3,000。新規客なら無料。既存客でも新規客を招待すれば相手も自分も無料で入れる。それを知った上で買うJPY31,500のチケット。もう完全にお布施じゃねえか。新興宗教じゃねえか。決済の瞬間は少し緊張した。しかし私に迷いはなかった。数か月前の私が見たら正常ではないと言うだろう。狂いが加速している。『定額制夫の「こづかい万歳」~月額2万千円の金欠ライフ』の世界観ではあり得ない消費行動。交通費とチケット代で五万何千円も出している経済的な余裕は私にない。それが正常な思考である。一方で、やるなら今しかねえという思考も私の頭にある。機は熟した。一度“あっち側”に足を踏み入れてみるべきだ。どんな景色が見えるのか知りたい。景色というのは単にフロアからステージがどう見えるかという意味ではない。諸々の特典も含め、超最高チケットの世界を体験したら自分がどういう心境になるのか、それを知りたい。

新幹線。10時すぎに名古屋駅。今日は12時からタワ・レコ名古屋店でrelease party。17時半から新栄DAYTRIVEで公演。最初は14時頃に名古屋に着くバスを予約していた。Release partyに参加するとなると新幹線を使わないといけない。当然release party自体にも費用がかかる。高いチケットを買っている分、少しでも出費を抑えたい。だからrelease partyは回避するつもりだった。だが各地で参加していくにつれ、あえて名古屋でrelease partyに行かない選択肢はないなと思うようになった。そりゃお金はかかるけど、しゃーないやん。名古屋に来ると決めた以上、腹を括るべきだ。バスの予約はキャンセルした。新幹線の中で読む『アイドルだった君へ』(小林早代子)。アイドルをテーマにした短編集。リアル。陳腐さ、嘘臭さを感じない。あのしょうもない『推し、燃ゆ』とは比較にならない。それにしてもLiVSを観始めてから本を読む時間がほとんどなくなってしまった。フル・タイムで働いて、スタジアムにマリノスを観に行って、ライブハウス(和製英語)に今の頻度でLiVSを観に行って、ブログを書いていたら、他に何かをする時間は残らない。でもこういう時期があっていい。この熱がずっと続くわけではない。夢中になれるうちはなっておこう。狂えるうちは狂っておこう。運良くそのまま死ねたら素敵やん。

名古屋駅前のセヴン・イレヴン。ホット・コーヒー(R)と、ご愛顧五目ごはん。東海限定のおにぎり。結構おいしい。名古屋近鉄パッセ9階。タワ・レコ。既に入場整理券は完売したと顔見知りの紳士に知らされる。販売開始時点で15-20人並んでいたらしく。用意されていた整理券は80枚(本release party各地共通)。最初の人たちが何周か購入すれば券は枯れる計算。お店の人に聞くとイヴェント参加者向けのコンパクト・ディスクは屋上で販売しているという。せめてLiVS券だけでもゲトろうと屋上に行くと、タワ・レコの人間にこれからリハーサルが始まるからここにいるなと言われ追い返される。LiVS券もゲトらせてくれないしリハーサルも見せてくれない。名古屋の陰湿な仕打ち。結局、入場前に某紳士経由で某紳士が余らせていた42番の整理券をいただく。それで入場。二列目の右側に行くことが出来た。私にとって屋外の自然光でLiVSを観るのは初めてだった。音響に関してはライブハウス(和製英語)の閉鎖された地下空間のほうが好き放題できるのだろうが、光に関しては晴れた野外に勝る条件はないのだろう。私は専門的なことは分からないが、光の量が多いからなのか、iPhone 14で何気なく撮ったLiVSの写真がパキッとしていた。明らかにライブハウス(和英英語)の照明下で撮った写真と違う。写メもいい感じに撮れた。ただ、天気がいいのは結構なんだけど、急に暑くなりすぎている。半袖teeで十分。まだこの気候に身体が慣れていない。T.M. Revolutionが言うところの「カラダが夏にナル」(“HIGH PRESSURE”)という状態になっていない。絶好のrelease party日和ではあったものの、身体は消耗した。気分もちょっと落ちてしまった。

栄に移動。前に中島さん、森川さんと入って大当たりだったインカ飯を再訪。(無料のrelease partyだけでも来てもらえればと思っていたが、お二人には会えずじまいだった。)Lomo Saltado (L) JPY2,200。生ビールJPY600。一人で入るとお得感がない。Lomo Saltadoはこの値段ならもっと量が欲しい。ファミリー・マート東新町店でなごやん(パスコ社)というご当地の饅頭JPY174を買ってみる。脂質1.4g。カフェ・ヴェローチェ栄四丁目広小路店でレーコーを飲んで涼む。京都に転勤になった享平くんを呼び出してみるが来てくれない。京都から名古屋なんてすぐですやん。ジョルダンで検索したらのぞみ28号で33分。苦情のあった客先にはすぐにすっ飛んでいくクセに。ノリ悪いな~。

私のチケット番号はSS12番。チケットの購入日時は3月16日(日)21時4分。発売開始から4分。ちょっと出遅れてますやんと思うかもしれないがアクセスの集中でサイトが重く、21時になった直後から購入手付きを始めてこの時間になった。12番目だと最前には行けないだろうなと思っていた。新栄DAYTRIVEは小さめの会場なので。結果としては行けた。どういうわけか1-11番の間で呼び出されても不在の番号がいくつもあった。JPY31,500のチケットを買ったら普通は多少の無理をしてでも来るだろう。なんでいなかったんだろうと思っていた。後から知ったが、不在だったのはコチャキンTVさんの脱退に伴い返金対応を受けた人々だった説が有力である。本日のチケットは3月16日(日)に発売された。3月21日(金)にコチャキンTVさんの当日付けでの脱退が発表された。そしてそれに伴うチケットの購入取り消しと返金対応は3月31日(月)まで受け付けられた。この時系列を鑑みると上記の説は信憑性が高い。いずれにせよ、結果として私の整理番号は実質的に繰り上がり、本来よりも良い位置で観ることが出来た。識者によると超最高チケットは各メンバーさんあたり三人くらいの枚数が売り出されるのが通例らしい。メンバー六人(コチャキンTVさん在籍時)であれば18枚。五人(現在)であれば15枚。今回、SSチケットが20番くらいまであったので、その差分がおそらくコチャキンTVさん支持者の返金分。

前回この会場で行われた公演で、次にここでやるときは二階にも人が入るくらいいっぱいにしたいと言っていたのがコチャキンTVさんだった。(二階席と言えるほどガッツリあるわけではないが、部分的にせり出した空間がある。)前よりも来場者は多かった。二階から観ている人もいた。チケットは完売間近だったとのこと(ソース:後日のササガワカンタ氏のツイートかInstagramのストーリー)。つまりほぼ満員だったわけで、コチャキンTVさんの願いは叶ったと言っても差し支えない。氏はこの光景を見たかったはずだ。もし氏がまだLiVSにいて今日ステージに立っていたら、どういう反応をしていたのだろうか。

He Meets”を初めて聴いたときはピンと来なかった。ツアー初日の時点ではふーんという感じだった。その後、YouTubeでヴィデオ・クリップを何度か観ていくうちに映像自体の出来の良さもあってこの曲にはまっていった。癖になる瞬間があった。そこから何度も何度も繰り返しYouTubeとSpotifyで聴いている。今年に入ってからだと特定の曲にここまでずっぽりとはまって抜け出せないのは #KTCHAN の『キャp@い』以来だ。今のところ2025年に私が最も多く再生することになる曲は『キャp@い』と“He Meets”の一騎打ちである。“He Meets”は曲調的にLiVSのフロアで好まれるノリ(ケチャとかコールとか)の枠にはまりづらい。沸く曲というよりは聴く曲。それがまたいい。実際のところ、何でもかんでもミックスとかケチャばかりだと私は疲れる。そうじゃない定番曲がひとつ増えたのは嬉しい。ぜひ聴いてみてほしい。“He Meets”はLiVSのリスナー層を広げるポテンシャルのある名曲だと思う。

スピーカーが近いけどあえて耳栓をつけずに挑んだ。鼓膜を損傷してでもすべての音をそのままで受け止める覚悟。開演。身体を動かし、声を出し、音楽を感じていると、数分もしないうちに身体が熱くなってきた。心に火がついてきた。これはイケるなと感じた。もしこれがマリノスの試合だったらスタンドからWe are Marinosの合唱が沸き起こるくらいには勝利を確信した。先ほどのrelease partyで落ちた気持ちは完全に盛り返した。ネガティヴな気持ちも疲れもすべて吹き飛んだ。一日に二公演(二現場)あるときは二つ目の方が盛り上がるといういつものアレとはまた違う気がする。ウォーミング・アップというより、回復。開演前にフロアで流し込んだ缶ビールによる軽微な酔いも功を奏した。出し尽くした感、燃え尽きたがある。終演後はしばらく呆然として何も考えられないくらい。全員写メのときに凄く楽しくて燃え尽きたと言ったらシャングリラまで(元気を)取っておいてね的なことをランルウさんに言われた。実際のところ、そのときの正直な気持ちとしてはシャングリラは半ばどうでもよくなっていた。もちろんシャングリラの方が今日より大きな会場で、LiVSにとってはもっと大切なコンサートなのかもしれないが、私個人の体験としてシャングリラがこれを超えるはずがない。

2025年5月19日月曜日

BLUEGOATS 5th ワンマンライブ『青春謳歌』(2025-05-02)

誰がどう見ても豪雨。ギリ傘が壊れない風量。濡れてくるデニム・パンツ。萎える。この雨と風でウーバー・イーツの配達員もほとんどいないらしい(ソース:F君のツイート)。頭をよぎる帰宅の選択肢。そもそも俺ってそこまでこれを観たかったんだっけ。チケットを買ったときの自分と今の自分との温度差。でももう新宿歌舞伎町まで来ちまった。ゴールデン・ウィーク(といってもカレンダー上は四日だけ。私は後ろに有給休暇を一日くっつけて五日にしたが)前、最後の労働日。バタバタしながらも早めに切り上げる。18時開場、19時開演。新宿ロフト。近くのコンヴィニエンス・ストアに入ると目につく、インディー・アイドルかコン・カフェ嬢のいずれかとおぼしき女。適当な場所で雨宿りをしながらスマ・フォを取り出す。即座に「お兄さん、何系でお探しッすか?」と話しかけてくる、いわゆるキャッチの青年。この街は雨宿りもさせてくれない。苦笑をして立ち去る私。何もお探しじゃないよ。新宿ロフトに下りる階段の上には人だかりが出来ている。見るからにBLUEGOATSの支持者たち。その中に入る。17時50分になると係員が出てくる。ここは通路なので外の歩道に移動せよというお達し。いやいやそうは言ってもさ、この雨だとここに溜まらざるを得ないのは分かるでしょあんちゃんという気持ちが半分。開場の10分前まで眼を瞑ってくれたのは温情なんだろうな、ありがとうという気持ちが半分。

バチボコ傘にぶつかってくる雨粒。聞き取れない整理番号の呼び出し。自分の番号になる頃には何となく把握。A60。Aの前にVIPチケットが何十人か。18時14分くらいにはフロアに到達。まだ端っこの方がスカスカで、最前に近い場所が空いている。なるべく前に行こうと思い、右端付近の3列目くらいを確保。した途端、ふと冷静になる。俺はあと45分くらいここで待つのか? そもそも前に行く必要があるのか? 俺はBLUEGOATSに対してそこまでの熱意があるのか? いや、ない(反語表現)。フロアを離れ、後ろのバー・カウンターへ。ジン・ライムをオーダー。ちびちびやっているとアルコールが効いてくる。情緒不安定になってくる。俺は何を求めてここに来たんだ。これを最後まで観たってマルコは出てこない。だったら意味がないじゃないか。そんなことよりマルコを観たい。マルコに会いたい。ちょっと泣きそうになる。胸が虚しさでいっぱいになる。さっきキャッチの青年に聞かれた質問を思い出した。俺が探してるのは何系とかではなく、マルコただ一人だった。マルコ、マルコってお前。つい数か月前まで彼女の存在すら知らなかったんだぞ。もうここまで来てしまったのか。取り返しがつかないんじゃないか。開演するまでちょっと苦しかった。BLUEGOATSの大事な公演を観ることに対するモチベーションはほぼゼロまで落ちた。

ここ数ヶ月の私のBLUEGOATSに対する熱意の低下(=LiVSに対する熱意の増加)、ここに来るまでの豪雨、ジン・ライムが呼び覚ましたセンチメンタリズム。BLUEGOATSにとっては不利な条件が重なった。どうなることかと思われたが、開演するとすぐに持っていかれた。やっぱすげーなBLUEGOATS。やっぱいいなBLUEGOATS。やっぱ特別だなBLUEGOATS。やっぱ楽しいなBLUEGOATS。ポジティヴなヴァイブスで自分自身が満たされていくのを感じた。今度はBLUEGOATSの音楽と繋がってちょっと泣きそうになった。右のちょっと外れた位置で観たんだけどさ。BLUEGOATSの凄いところって、別に前に行けなくても(行かなくても)いいと思えるんだよね。後ろでも同じように楽しめる。メンバーさんがあんまり見えなかったとしても、この音楽に浸って、一緒に歌って、肩を組んで揺れるだけで満たされる。いわゆるアイドルにカテゴライズされる集団の現場でこれはなかなか稀有なことだと思う。実のところ私は“YOLO”(3月15日リリース)以降のBLUEGOATSの新曲を一度も聴いていなかった。ここに来る途中に初めて聴いた。だからぜんぜん身体には入っていなかった。それでも置いて行かれている感じはしなかった。もちろん私がぶち上がるのは『君の唄で生きていたい』、『夢で逢えたら』、『東京タワー』といった、私がよく聴いていた頃の曲たちだ。でも新曲を知らなくてもそれはそれで不便を感じなかった。そういう意味じゃ、本当に初見さんにお勧め出来る現場だと思う。BLUEGOATSは一度、観に来る価値がある。オタクの練度や規律(この曲ではこうするとか、ここでこのコールを入れるとか)に依存せず、地下アイドルの定型的なノリ(ミックスやコールなど)を明確に拒否しながら、独自のノリを作り上げ、輪を広めていくことに成功している。(輪を広げるということに関してはLiVSの一歩も二歩も先を行っている。もはやLiVSが対バンを出来るような相手ではなくなりつつあるのかもしれない。)公演中に私の近くにいた紳士が泣きじゃくっているのを見て本当に最高だなと思った。肩を回して、無言で頷きたかった。ダイナマイト・マリンさんが、自分が素直になれる場所をひとつ見つけてそこを大切にしよう(彼女にとってはそれがステージ)というようなことを言っていて、それが印象に残った。私には今、時間やお金を極力LiVSに集中する意向がある。BLUEGOATSはどうしようかな…と考え始めていた。だが今日これを体験して、観るのをやめることは出来ないと思った。通いまくるということはないにせよ、一定の頻度で観に来る必要がある。なお、開演前にはマルコじゃなきゃ意味がないと思っていた私だが、終演後の特典会で満面の笑みでチャンチーさんと二人で大きなハートを作ってチェキに収まったのはここだけの話である。やっぱチャンチーさんは可愛いし(金髪が似合いすぎ)、お話をすると優しさが伝わってきて癒されるし、いいですね。

2025年5月18日日曜日

2nd EP 『WARMiNG』 Release Tour “Revenge Shangrila” 東京公演/LiVS ミニアルバムリリースイベント (2025-04-26)

今日からストリーミングに解放されたLiVSの新EP“WARMiNG”。これまで池袋、渋谷、新宿、川崎、横浜、池袋(二度目)のタワ・レコで何枚も予約し昨日はじめて実物を手にしたコンパクト・ディスクは正式に不要となった。円盤を経由して音楽を聴くという習慣はもう私にはない。私にとってはSpotifyがすべて。とはいえ世の中にはSpotifyにない音楽は存在するし、実際に私も所持している。過去にはそういうコンパクト・ディスクをコンピュータでiTunesに取り込んでからiPhoneに入れていた。約三年前にそれをやらなくなった。引っ越してからそのコンピュータを使わなくなったからだ。まだ段ボールから出していない。前よりも狭い家に越してきたので単純にデカいコンピュータを置くだけの空間がない。アーティストへの収益還元率の低さなど問題は多々あるのだろうが、ストリーミングの台頭により音楽を聴くこととソフトウェアの物理的な所有とが無関係になっている潮流を私は歓迎している。コンパクト・ディスクのコレクションを家の中に作る空間的余裕はない。百歩譲って同じコンパクト・ディスクを一枚ずつなら所持している意味はあるかもしれない。何かの理由でその音楽がストリーミングから引き上げられることもあるからだ。たとえばある時期を境にKICK THE CAN CREWの曲は一部を除きストリーミングで聴くことは出来なくなった。アルバム“VITALIZER”とかたまに聴きたいのにさ。LiVSの場合、たとえばササガワさんが麻薬で逮捕されるとか、株式会社ALL Inc.が倒産するとかになればどうなるか分からない。こういうインディー・レーベルのコンパクト・ディスクは保険として一枚を持っておく価値がある。複数枚は要らない。

日付が変わると同時にYouTubeに公開された“He Meets”のヴィデオ・クリップ。そこでメンバーさんが纏っているのが新衣装。実物のお披露目となるのが今日の公演。LiVSの衣装は初期から紺と赤が基調だが今回のはメンバーさん全員が並ぶと赤が目立つ。チェキを撮るときにマッチするだろうと思い、私は赤のteeシャツを着て行った。

下北沢251。私のチケットはA15。A(人間チケットJPY3,000)の前にSS(超最高チケットJPY31,500)とS(最高チケットJPY10,000)がある。SSが20人くらい、Sが15人くらいいた模様。私がフロアに入った時点で主要なポジションは埋まっていたが、右端に行くと二列目をとることが出来た。フロア全体としては後ろ半分は埋まっておらず、ゆとりがあった。ツアー初日の東京公演にしてはちょっと寂しいなというのが正直なところだ。だが仮にこの会場が満員になるくらい人が入った場合、特典会の時間は足りなくなるだろう。公演をコンサートだけでなく特典会までを含めたパッケージと考えると、過剰な待ち時間なしに楽しめる今の動員数がある意味では最適なのだ。実際、今でもツアー・ファイナルなど普段よりも大きな会場でやるときは公演終了から個別チェキが始まるまで90分くらい待たないといけない(メンバーさんが準備するための20-30分の待ち時間に加え、高額チケットや手錠チケット購入者の全員チェキ、グループ・チェキ、全員握手の執行時間)。もしLiVSが本当に活動の規模を拡大し定常的に数百人を動員する場合、今の集金システムでは成り立たない。特典会に依存しないやり方に変える必要が出てくる。具体的にはチケットの値段を上げて、特典会の頻度やサーヴィス・レヴェルを落とすことである。我々サイドがそれを本当に心から望んでいるのかという問題がある。

最近はrelease partyや対バンが多く、各メンバーさんが名前だけをアンジェ・ポステコグルー監督のフットボールにおけるパス回しのように素早くポンポン繋いでいく簡易版の自己紹介ばかりを目にしてきた。今日は単独公演なので、一人ずつがたっぷりと時間を使うお決まりのフォーマットに戻っていた。いつもの形。ルーティン。形式美。安心感。ミニ・マルコさんのは「いつだって忘れない 新衣装 紐が長い」だった。

公演中、私は途中から昼メシのことを考えていた。11時半に始まる公演ではよくあることだ。途中から腹が減ってくる。正直なところ公演に没頭するには至らなかった。これはLiVS側がどうというよりも自分の体調の問題が大きい。万全ではない。今日に関しては夜のrelease partyまで何とか乗り切ることが出来ればよしとせねばならない。フロアの端っこを選んだのはメンバーさんをなるべく前で、近くで観たかったというのもあるし、中央寄りに行って動き回るだけの気力がなかったというのもある。実際、今日の私はケチャをしなかった。出来なかった。新衣装とか、“He Meets”とか、見どころはいくつもあったとは思うが、私がそれらを吸収しきれたとは言い難い。何かを感じ取るというよりは目に見えたもの、聞こえたものを認識するのが精いっぱいだった。

LiVSの特典会に参加するにはLiVS券が必要であり、LiVS券を得るためにはコンパクト・ディスクを買う必要がある。(対バン時にはやり方が異なり、チェキ券と写メ券をそのまま売っている。)前までは特典券の付与対象となる商品がアルバム“Don't Look Back”JPY3,300だった。ついてくるLiVS券が三枚。個別チェキ(一人のメンバーさんとのチェキ撮影+お話)を撮るのに必要なのがLiVS券二枚。つまりアルバム一枚を買うだけではLiVS券が一枚余る。LiVS券一枚で全員握手が出来るのでそれで消費することも可能。もしくはグループ・チェキといってLiVS券を一枚増やす毎に撮るメンバーさんを一人増やすことが出来るので、メンバーさん二人との(自分も合わせて三人の)チェキを撮ることで三枚を使い切ることも可能。ただ全員握手やグループ・チェキの需要はそこまで高くない。我々が求めるのはあくまで個別チェキ(写メ)。なのでアルバムJPY3,300=LiVS券三枚単位でしか買えないのは不便だった。今回からLiVS券の付与対象が新EP “WARMiNG” JPY2,200=LiVS券二枚に変わった。これで券を余らせずにチェキ一枚だけを撮って帰るということが出来るようになった。

例えばLiVSのことをよく知らない人を初めて現場に連れて来ることが出来たとして、特典会に参加するには最低でもJPY3,300を払わないといけないとなったら尻込みするだろう。気軽に出せる金額ではない。一般的なインディー・アイドルの相場と比べても高い。よっぽど特定のメンバーさんにゾッコンにならない限り初見客がLiVSの特典会に参加するまでの壁は高かった(対バンに限れば初見客は無料写メ券を貰える)。この最低金額が今回JPY2,200に下がったことで、前よりは新規の客も参加しやすくなったのは間違いない。

コンパクト・ディスクを一枚だけ買う(つまりチェキを一枚だけ撮る)ことにした。早く昼メシを食いたい。それに今日という日は長い。このあと某氏とコン・カフェに行くし、その後にまたLiVSのrelease partyを観に行く。コンパクト・ディスクはRelease partyでも買う。出費を抑えるに越したことはない。一枚でいいという理性的な判断に至ったのは、公演にそこまで心を動かされなかった(そうなれるだけの心身の状態になかった)からというのも作用している。めちゃくちゃよかったら冷静な判断は出来なくなる。いつも通り三枚買っていたと思う。ただ、一枚でも撮ってミニ・マルコさんとお話が出来たのは結果としてよかった。ミニ・マルコさん曰く新衣装はとても汗をかきやすい。特にとある箇所がやばいとのことで、そこを絶対に見ないでねと念を押された。これから氏を観る上で視野を広げてくれる情報だった。これを聞けたのは非常によかった。

近い位置で公演を観ていた某氏と下北沢のThe Pizzaで昼メシを摂ってから、池袋のコン・カフェに移動。某氏行きつけの店で、なんでもミニ・マルコさんに似たキャストさんが数日前に加入したのだという。私にとっては人生初のコン・カフェだった。ミニ・マルコさんに似ているというそのキャストさんに接客してもらった。たしかにサイズ感とか、髪の長さとかは近い。似ているといえば似ているかもしれない。私は他を知らないので比較は出来ないが、案内してくれた某氏曰くこの店の価格設定は良心的。30分毎にJPY1,100が基本料金。飲み放題が含まれる。キャストさんとのチェキはJPY1,100。他店だと半強制的キャストさんに飲み物をおごらされるがここはおごらなくてOK。一時間滞在し、ニセ・マルコさんとチェキを撮る。一人JPY3,300。

錦糸町駅に移動。タワ・レコでrelease party。今日から物販卓で5月7日(水)のツアー・ファイナル公演の紙チケットを販売するようだ。買うと全員写メ券が貰える。私はその頃はまだLiVSを観ていなかったが、昨年の8月にも下北沢シャングリラで公演を開催している。そのときにフロアを満員に出来なかった。そのリヴェンジをしたいというのが今日開幕したコンサート・ツアー名“Revenge Shangrila”の趣旨である。4月24日(木)だったかな、チケットの売れ行きがとても悪いことをスズカス・テラさんがツイ・キャス配信で吐露していた。私はてっきりリヴェンジが出来る具体的な勝算がはじめからあるのかと思っていた。ある意味、出来レースなのかと思っていた。必ずしもそうではなかったっぽくて、ちょっと怖い。今日のrelease partyから急に物販で紙チケットを売り始めた。買うとメンバー全員との写メが撮れる。焦りが見えるし、ゴールがブレているようにも見える。今回の施策がシャングリラ公演の動員数に直結するとは思えない。Release partyにわざわざ来るような面々はほぼ全員が(当日の都合がつく限り)シャングリラのチケットは購入しているはずだ。つまり既にチケットを購入済みの人たち向けにJPY3,000で全員写メ券を売っているのと変わらないのではないか。たしかにチケットの売り上げ枚数は増えるかもしれない。でも今回のキャンペーンで紙チケットが何十枚か売れたとして、実際の動員は何人増えるんでしょうね、という話。要はゴールが売上枚数や金額なのか、当日の物理的な動員数なのか。極端な話、フロアはスカスカでもチケットが完売していればいいのか、新規チケットで入った無料客が大半でも満員になればいいのか。メンバーさんの口ぶりから、今回におけるリヴェンジとはフロアを物理的に埋めることを指していたように私は受け取った。そうだとすると全員写メを餌に紙チケットをさばくやり方が本当にとるべき施策だったのか、疑問である。見当違いだったらすみません。

タワ・レコ。もう私を含めここに来ている誰も必要としていないコンパクト・ディスクを購入。一回目で27番を引く。これでよしとする。周りには数回やってもっと後の番号しか出ていない紳士もいた。たまに諦めきれず五回、六回とクジを引き続ける紳士がいるが、ギャンブルにはまらない理性的な私は、射幸心を煽るこの売り方にいちいち釣られない。店内の床に整理番号が書いてあり、そこに並ぶようになっているのが面白かった。三列目の左側。ちょうどよかった。仮に最前に行ける番号が取れたとしてそれを受け止めきれるだけのキャパシティが今の自分にない。まったりと鑑賞。

ミニ・マルコさん列のチェキ撮影をご担当されているササガワ氏にLiVS券と写メ券を渡すと「全通ッすか?」と聞かれ、まるでおまいつのような扱いを受ける。たしかに言われてみればこれまでのすべてのpartyに来ている。「今のところは。でも仙台と大阪は行きません」というと氏はなるほどという感じで頷いていた。“He Meets”の印象的な振りでチェキを撮った。フックで人差し指と中指を唇に二回つけてから前に出す箇所。ミニ・マルコさん曰く、チュッ、チュッ、あげなーい! という意味なのだという。練習しているときもチュッ、チュッ、あげなーい! と言いながらやっていたというようなことを言っていた。

池袋のコン・カフェに案内してくれた紳士はこの後さらに秋葉原のコン・カフェに行かれたようだ。私は体調的にご一緒する余裕がないのでお別れする。錦糸町駅といえば平井駅が近い。であれば行くしかない。マサラ・キング。マトン・ビリヤニ定食。カレーはほうれん草マトンを選択(+JPY100)JPY1,650。私にとって行きやすい場所ではないのだが、月一くらいで来たい。食事も含めてコッテリした一日だったがなんとか乗り切った。

2025年5月6日火曜日

LiVS ミニアルバムリリースイベント (2025-04-25)

コンパクト・ディスクのフラ・ゲ日。今日のrelease partyから予約ではなくフィジカルなブツを購入する形になる。LiVSにとって初となる全国流通。記念すべき日。祝福すべきこと。とはいえ今回のEPに採用されているのが一般的なプラスティック・ケース。紙ジャケットだった前作の“Don't Look Back”に比べかさを取る。荷物になる。ナウなヤングである現代っ子の私。もはやコンパクト・ディスクを再生機器に入れて音楽を聴くことはない。Spotifyがすべて。Spotifyにない音楽は存在しないのと同じ。世の中全体がそうなっている。大手メーカーはポータブル・コンパクト・ディスク・プレイヤーの生産から軒並み撤退している。前に池袋のヤマダ電機で探したことがある(当時ストリーミングに解放されていなかったコンパクト・ディスクを聴きたくて)。置いてあるのは語学学習者がターゲットのダッセーの一機種だった。ネットで探してもほぼ皆無。今日、音楽を聴く手段としてコンパクト・ディスクを必要としている人はほぼいない。いるとすれば未だにサブスク(ストリーミング)って何?とか言ってる一部の老紳士くらいである。冗談かと思ったがこういう紳士たちは本当に存在する。(音楽を聴く習慣がないならまだしもアイドル・オタクで、である。)

再生機器は市場から淘汰されつつあるのに、なぜソフトウェアは未だに発売され続けるのか。なぜ我々はそれを買い続けるのか。言うまでもない。特典会商法のアリバイである。表向きにはコンパクト・ディスクを売る(買う)のが目的。あくまで付随する特典/サーヴィス/おまけとしてチェキや写メを撮ったりお喋りをしたりしている。そういうロジックを成立させるための方便としてコンパクト・ディスクは存在している。同じコンパクト・ディスクを一枚、二枚なら記念品として所持してもいいが、何十枚にもなると本当に邪魔でしかない。十枚あれば十倍聴ける/楽しめるわけではないので。コンパクト・ディスクじゃなくて保存の効く食品にしてくれたらどれだけありがたいことか。缶詰め。いずれ来る大地震への備えにもなる。

前から気になっていた酥肉坊(スーローファン)。辛口若鳥の混ぜそば JPY1,080。いつも中国人で混んでいるだけあっておいしい。たまたま空いているタイミングでスルッと入店できた。給仕の紳士に日本語で注文するとなぜか英語でchicken noodleと言ってきた。Yeah, chicken noodleと返す。その後もSpicy OK? と英語で聞いてきた。

コンパクト・ディスクを二回購入。店頭の棚にもブツが並んでいるが、release party参加希望者はそこから取らずにレジで直接注文する。整理番号が48番と32番。うーん、あと一押し。と言いたいところだが三回目は行かない。二回が自分の中で決めた上限。分別、節度のある人間。

前回の池袋よりも入場者が少なかった。やはりあのときは初回。女のコの初めてを観たい紳士たちが多かったのだろう。今日に関しては階段に待機列さえ形成されなかった。集合時間になんとなく会場の近くに溜まって呼び出しを待てば事足りた。

安定の二列目。「この間は勝ち点3ありがとうございました!」とニヤニヤしながら煽ってくる、前にいた浦和レッドダイヤモンズ支持者の紳士。甦ってくる、試合の記憶。私が手を出さずに済んだのは(前に書いたように)LiVSのおかげでストレス耐性が増し、精神的に安定しているからだ。イライラしていたらどうなっていたか分からない。彼は命拾いをした。

LiVSにとって初めてのrelease party巡業。レコード店という普段の現場と異なる環境。普段と違う雰囲気、普段と違うルール(ジャンプ、モッシュ禁止等)。今日で10回中6回目となり、来場者たちの練度が高まっている。最初の新鮮さは薄れた分、安定したノリが出来上がっている。

沈黙は金。黙っておくのが正しいのだろうと思う。でも、あえて書くことにした。最近ミニ・マルコさんの衣装に乗っかるようになったお腹のお肉を見る度、可愛い、愛おしいと私は心から思っている。ちなみに私も2024年の1月に数キロ増えたのだが、そのときトレーナー(ボディ・ビルディングで日本トップ級の実績を出している)に言われたのが洋菓子はやめたほうがいいということ。和菓子はOK。洋菓子と和菓子では含まれる脂質量に圧倒的な差がある。実際、彼も減量期に甘いものが欲しいときは和菓子を食べているそうだ。私は彼にそう言われてからの一年と数ヶ月、洋菓子をほぼ口にしていない。和菓子は食べる(だからといってバクバクは食べないよ)。饅頭、羊羹、団子。カロリーだけじゃなくて脂質を気にする。ストイックな制限をしなくてもこの原則を守るだけで一定の成果は出た。人間の身体は脂肪を貯め込むように出来ているからね。

これから数ヶ月と経ち家にあるコンパクト・ディスクの山が積み上がっていくにつれうんざりしていくのが目に見えているが、最初は物珍しさでコンパクト・ディスクを開封し、中を見る。ディスクを取ったところにダブル・ピースをしているコンニチハクリニックさんの写真。おそらくここは全メンバーさんがランダムで映っているのだろうと思っていたら周囲の紳士たちもコンニチハクリニックさんしか出てこない。特典会でコンニチハクリニックさんにこのことを言うと、自分でも実物を見るまで知らず、びっくりしたという旨のことを言っていた。勝ち取ったんだねというと、勝ち取ったと言っていた。

“業 TO HEAVEN”で前に屈み、頭の横で両手をクルクル回しながら身体を回転させる印象的な振り。前の池袋でのrelease partyで初めて観たときからあのポーズでチェキを撮りたいと思っていた。あのときは特典会でミニ・マルコさんがおでこを出していたので断念した(前に屈むとおでこが見えなくなるので)。本日、撮影を実現できた。これまで撮ってきた中でもオキニ度の高いチェキになった。

2025年5月5日月曜日

LiVS ミニアルバムリリースイベント (2025-04-21)

地元民が言う横浜とはみなとみらいではなく横浜駅周辺を指すというトゥイートがトゥイッターのオススメ欄に流れてきた。これは実家の市外局番が045、横浜生まれヒップホップ育ちで知られる私の感覚と一致する。みなとみらいも横浜であることに変わりはないが、いわば狭義の横浜は横浜駅付近である。中高大の十年間、私が毎日のようにウロウロしていたエリア。「ここからそこ エリアからエリア そこからここ エリアからエリア」(OZROSAURUS, “AREA AREA”)。駅から徒歩数分の商業ビルヂングであるVIVREはまさにそんな思い出の場所の一つである。5階にある衣料店でよく服を買っていた。(もっともその頃は今のようにお洒落ではなかった。何をどう組み合わせればよいのかもわかっていなかった。長い試行錯誤の中にいた。)あと一番下の階に昔はHMVがあって。そこで日米ヒップホップのコンパクト・ディスクをディグるのが学校帰りの日課だった。ブート・レグのミックス・テープを見つけたりして。HMVはいつの間にかタワ・レコに変わり、そのタワ・レコも上の階に移転し売り場面積を縮小していた。HMVとタワ・レコのあった場所はユニ・クロとジー・ユーになっていた。中身は変われど名称は昔のまま商業施設自体は残っている。かつて私がブラブラ見に来ていた頃の面影もある。そんな懐かしい場所に、アイドルさんのrelease partyを観るために足を運ぶ。ニヤニヤして通り過ぎる一般人の好奇の視線を浴びつつ、レコ屋店内の特設ステージで歌って踊る若くてマブいナオンたちに熱狂し、名前を叫ぶ中年男性。こんなはずじゃなかった私の人生。私がこうなることを望んで育てたわけがない両親。痛む良心。なるはずだったのはこっち側ではなく向こう側(ニヤニヤしながら通り過ぎる一般人)。しかし今の生き様こそが私のリアル。「自分が自分であることを誇る そういう奴が最後に残る」(K DUB SHINE, 『ラストエンペラー』)。映画『アート・オブ・ラップ』でICE-Tと誰かが言っていた:歌詞に人生のB面を感じないラッパーはフェイク。その意味で私が体現しているのが人生のB面、あるいはB面の人生。これが私のヒップホップであり、ストリート・ライフである。家庭を築くA面の人生は、弟が担ってくれている。

前日に埼玉スタジアム2002で浦和レッドダイヤモンズ対横浜F・マリノスを観た。3-1だっけ? スコアは忘れた(ググりたくもない)が負けた。2-2に追いつけそうな場面もあった。すべてが悪かったわけではない。しかし大局的に見れば、ひとまず守備だけは固いというスティーヴ・ホランド前監督のフットボールの長所を捨て去り、過去の成功体験にとらわれ、選手たちにとって、そして我々ファンにとって居心地の良い、陳腐化された戦い方に逆戻りしつつある。それが川崎フロンターレ戦以降の流れである。仮に強かった頃と同じことが出来たとしても今では各チームの対策が進み、もう同じように通用しない。そもそも選手の質が落ちているので劣化版にしかならない。今のマリノスにはチアゴ・マルチンス選手も岩田智輝選手も前田大然選手も高丘陽平選手も仲川輝人選手もいない。(ジェイソン・キニョーネス選手とジャン・クルード選手はいるけど。)今シーズンの横浜F・マリノスには多大なストレスを与えられている。心身を病んでもおかしくない。しかし今の私は至って健康である。なぜなら常に頭の中にいるLiVSがマリノス由来のストレスを和らげてくれるからだ。頭をLiVSで埋めることでマリノスに対するネガティヴな感情が入り込む余地が少なくなっている。最近は本当に、常にLiVSのことを考えているような脳の状態になっている。この調子でいけば、仮にマリノスが明治安田J2リーグに落ちたとしても耐えられそうな気がする。それは現実味を帯びつつある。

マリノスといえば、ユニちゃんがマリノスのファンであることを4月19日(土)に某紳士が教えてくれた。2024年にマリノスの試合を33試合スタジアムに観に行った身としては聞き過ごせない情報。なんでも松原健選手がユニちゃんのオキニらしい。私は同選手のユニフォームを持っている(2019年のスペシャル・ユニフォーム)。一度それを掲げてチェキを撮らねばと思っていた。なので今日、27番 KENのシャツをカバンに入れてきた。身に着ける用に2022年のアジア・チャンピオンズ・リーグ用シャツ(28番 YAMANE)も。タワ・レコでコンパクト・ディスクの予約を二回して、整理番号は49番?と57番。冴えない。某紳士が34番と交換してくださる。一旦、離脱して近くの吉野家。牛丼アタマの大盛り(つゆぬき)JPY674、豚汁JPY250、玉子JPY118。計1,041。千円超えるのかよ。しばらく来ていないが前はJPY900くらいだった記憶。だが出来は非常によかった。おいしかった。コメが見えないくらい肉がちゃんと入っていた。VIVREに戻る。ワイ・シャツからYAMANEのシャツに着替える。二列目を確保。所定の入場時間で一通り整理番号の呼び出しが終わった時点で二列が埋まっている。結局のところ整理番号が何番であろうと大体二列、多くて三列が初期に埋まる人数。整理番号が80番まで発行されていても80番目の入場者になることはあり得ない。ある程度固定化された二、三列分の面々が80枚のパー券をゲトり、位置をシャッフルし合っている。最初はだいぶ寂しい客入りに見えたが、パーティ開始時にはちょうどいい具合に埋まってきた。タワ・レコ横浜店のイヴェント・スペースはこれまでの池袋、渋谷、新宿に比べて小さい。狭い会場ならではの一体感と盛り上がりがあった。言うてもそこまで通行人はおらず、公衆の視線に開かれているとはいえ適度な閉鎖性もあった。恥の概念を捨てて盛り上がることが出来た。特典会ではユニちゃんとマリノスの話を少しすることが出来た。(ステージに)出てきたとき(マリノスのシャツを)着てるなと思ったと、私が着ていたYAMANEシャツに言及してくれた。マツケンが好きなんでしょと聞くと健君が一番好きと言っていた。これはユニちゃんにも言ったが、私の本名のニック・ネームも健である。(だから健君が一番好きと言われちょっとドキッとした。でもごめんね。気持ちは嬉しいんだけど俺が好きなのはマルコなんだ。ちなみに私はマリノスのシーズン・チケット保持者である。この数年間、バック・スタンドの同じ席で観ている。ここに私の席番号を書いて、隣に来ていいよユニちゃん…とでも冗談で書こうかと思ったが、ユニちゃんが来てくれる可能性よりもユニちゃん支持者が来て首根っこを掴まれる可能性が高そうだからやめておく。)横浜出身者として中華街以上のオススメがあるんだけど…ハングリー・タイ…とミニ・マルコさんに言うと食い気味にハングリー・タイガー! 知ってる! 行ったことはないけどハンバーグのお店でしょ! と反応してくれた。是非いつか一度行ってみてほしいものだ。このrelease partyにはスタンプ・カードがある。5回来た特典で特別衣装チェキ券をもらえる。私は5回とも来ているので券をもらった。特別衣装って何だろうと思っていたらタワ・レコのエプロンだった。タワ・レコを出て下りのエスカレーターに向かい通路を歩く。ステージの左端にいたミニ・マルコさんがちょうどお手隙な状態。すぐ横にいる。こちらを見てくれる。軽く会釈する。ニコーっとしてくれる。ステージで見せるのとはまた違う表情。思わぬ甘美なデザート。もしかするとミニ・マルコさんのことがちょっと好きになってきたかもしれない。気のせいであればいいが……。

横浜駅周辺のおすすめスポット
  • カプセル・プラス・ヨコハマ:スカイ・スパより空いていて安価な風呂・サウナ施設(女性は宿泊のみ)。平日だとJPY4,000くらいで宿泊も可能。たまに公衆浴場の入り方も知らない紳士たちがちんちんも洗わずに初手で浴槽に浸かるのが難点
  • ハングリー・タイガー(モアーズ8階):ハマッ子のソウル・フード。横浜FCのスポンサーになるという失態には目を瞑ってでも食べるべき
  • きそば 鈴一:立ち食いそば。ここのを食べると富士そばのまずさが分かる

2025年5月1日木曜日

武蔵野音楽祭 (2025-04-19)

なんかもうよく分からなくなってきている。行く/行かないの線引き。自分のポリシー。行けそうな日程でLiVS関係のチケットが発売されたらとりあえず買うという感じになりつつある。お金のことも特に考えていない。LiVSに限らず対バンにはあまり興味がないはずだったが、気付けば武蔵野音楽祭のチケットを買っていた。7月30日(水)のクリトリック・リスさんとLiVSの対バンもチケットを申し込んである(これを書いている今では当選が確定している)。そうそう、今日のチケットを買ったのもクリトリック・リスさんを観てみたいというのが大きな動機だった。何度かTwitterに動画が流れてきたことがあって。Release partyも川崎とかの遠い場所は避けて池袋、渋谷、新宿あたりの近場に行ければいいかなと思っていた。蓋を開ければ仙台と大阪以外はすべて行くことになりそうである。もはやLiVSに人生を操られている。この集団が私の人生における最優先事項になっている。この勢いだとそのうちマリノスを干してLiVS現場に行きかねない。

新大久保のサルシーナ・ハラル・フーズでチキン・タワ・カバブ JPY1,800、シュベールでレーコー二杯。今日の対バンに出演するクリトリック・リスさんの最新アルバムを聴いておく。『アイドルジャンキー』には笑った。あと『老害末期症状』。リリックが面白くて聞き取りやすい。もっと破天荒でめちゃめちゃな音楽なのかと思っていた。一緒にすンなと支持者は抗議するかもしれない(一緒だとは言っていない)し、この喩えが適切なのかは分からないが、嘉門達夫さんのエッセンスを感じる。Twitterを見ていたらG君から連絡が入る。吉祥寺で会うことに。前にもどこかで書いたが、私は2007年の7月から同じ美容師さんに髪を切ってもらっている。最初は表参道。その後、吉祥寺、吉祥寺の別店舗、代官山(現在)と異動を繰り返す同氏について行っている。この約18年(!)で吉祥寺が一番長い。だからあの駅で降りると懐かしい気持ちになる。懐かしいけど、好きではない。総じてクソな街である。なぜなら数年前(まだコヴィッド対策の茶番が隆盛だった頃)に武蔵野文庫というスカしたカフェにG君と入ったところ、鼻を出してマスクをつけているキモい男性店員にマスクをつけろと注意されたからだ。まずお前がちゃんとつけろや。開いた口が塞がらない。普通に殴りたい。

北口のコイン・ロッカーに荷物を預けて、G君と合流。この後の対バンに来ないか誘ってみたが用事があるとのこと。ヴェローチェでチルした後、G君おすすめの古着屋に。ほぼteeシャツ。おまいつらしき客。これ買いますんで。マジっすか。18万すよ。ぜひ(笑)と応じる店主。他の店の話のようだったったがJPY25,000,000の古着がネットで売れたらしい。私も同じ疑問を抱いたが、その金額をどうやって決済するのだろうかと店主が言っていた。時間がなくて寄れなかったけどその店のすぐ近くにCANTERBURY OF NEW ZEALANDの路面店があった。

G君と別れ、会場の吉祥寺SHUFFLEへ。お馴染みの紳士たちが待ち構えている安心感。「大体 毎回 同じメンバーと再会」(RIZE, “Why I'm Me”)。入り口付近で待っているとクリトリック・リスさんがぬるっと我々を通り過ぎて中に入っていく。LiVS支持者の某氏が話しかける。氏のツイートを受け、ここで着替えてくださいよとか、「麦! 芋! 蕎麦! 胡麻! 栗! しょーちゅー!」というオリジナルのミックスがあるんですよねとか。あとでクリトリック・リスさんがそれをMCでいじる。さっきLiVSの客に話しかけられた。(中略)話しかけてくんなや!!みたいな感じで笑いにしていた。

私のチケットはA25番。階段で並んでいるとLiVSのメンバーさんたちが表でビラ配りをするために下から上がって来る。二人が通るのがやっとの幅しかない。緊張する。目が合わないように背中を向けて、気付いていないような感じでやり過ごす。

スパンコールグッドタイムズ→LiVS→MAPA→クリトリック・リスという順番。開演直前の時点ではフロアのLiVS率が高かった。演者毎の撮影ルールとかフロアでの禁止事項やらの説明はなく、ぬるっと始まる。開演前に周りの目撃者(LiVS支持者の総称。いつまでこの注釈をつけようか?)との雑談で聞いたところによると、どうやらスパンコールグッドタイムズさんとMAPAさんは撮影禁止。クリトリック・リスさんはなんでもあり。(LiVSは静止画も動画もOK。)

対バンで他のマブい女たちを観ることで私は次のマルコchan(マルコchanの次のマルコchan的存在)を見つけてしまうのではないかという不安が頭の片隅にあった。そもそも私はマルコchanを対バンで見つけた。BLUEGOATS支持者として、LiVSに『マジ興味ねぇ』(DJ OASIS feat. K DUB SHINE)状態で入った対バンで初めて見たマルコchan。今ではもう見事なまでにマルコchanとLiVSに陥落してしまった。あのときはBLUEGOATSの客として、対バン相手のLiVSを仕方なく観る立場だった。今ではどちらかというとBLUEGOATSが『マジ興味ねぇ』(DJ OASIS feat. K DUB SHINE)対象になりつつある。あのときBLUEGOATSには何の不満もなかった。むしろ大好きだった。マルコchanという一人のゲーム・チェンジャーがすべてをひっくり返してしまったのである。

スパンコールグッドタイムズのリコchanが可愛かった(後で調べたら天野りこchan)。大原優乃chan系の健康的な美女。素敵な笑顔。氏を目で追ってしまった。写メかチェキを撮りたいと思った。しかし終演後の特典会ではこの集団だけがアイドルさんとオタクの間にビニールを設置していた。それを見てやめた。ビニールは遠目でも分かるくらい汚れていた。こんなのを2025年4月に目にすることになるとは思わなかった。救いようがない。病的。こいつらはまだあの悪夢の中に生きているのか。一切かかわりたくない。これで私がリコchanと対面することはなくなった。さようなら。この集団の音楽は私にはとっつきやすかった。ディスコ感。読者諸兄はご存じのように私はパーティ・ピーポーとは正反対のタイプの人間である。ディスコのような場所に行くことはない。しかしディスコ・サウンドは好きである。(これはスポーツはしないのにスポーティな服は好むというオタク特有のファッション嗜好に通ずる捻じれである。)後で最新アルバム『SPANCALL NUMBER~今夜のヒッツ!~』を聴いてみた。現場で聴いたときよりもさらに印象がよくなった。グッド・ミュージック。今後もSpotifyで聴くと思う。だが今回のような対バンは別として、私がこの集団を観に行くことはない。あのビニールの衝立を今でも立てているような人たちには近寄りたくない。

LiVS。私は二列目のほぼど真ん中というこれまで一度も立ったことのない最前線中の最前線から参加した。普段の公演にも増して盛り上がった。対バン特有の高揚感。目撃者の中に、そしてメンバーさんの中にも、どこかに対抗意識があったのだと思う。もちろん敵意は一切ないけどこういう場だと多少は意識せざるを得ない。横浜F・マリノスのチャントに「見せつけろ 横浜を この胸の 誇りを」というのがあるが、横浜をLiVSに置き換えると我々の(少なくとも私の)気持ちだった。結果として普段よりも更にLiVSらしいフロアになった感じがする。あとは35分と普段の公演に比べて時間が短い。その短い時間にすべてを出し尽くす気持ちでやっていたからあれだけ熱かったんだと思う。そしてそんな我々のノリはおそらくスパンコールグッドタイムズやMAPAの支持者たちから見ると野蛮で下品だったはずである。今日の四組をフロアのノリで大きく分けるとスパンコールグッドタイムズとMAPAが同類、LiVSとクリトリック・リスさんが同類だった(クリトリック・リスさんはLiVSよりもさらに激しかった)。その意味でLiVSとクリトリック・リスさんがツー・マン(和製英語)の対バンをやるのは納得がいく。

LiVSの出番が終わるとぐわっと前方に押し寄せてくるMAPA支持者たち。やり切った表情で位置を譲り後方に捌ける我々。今日の出演者だとMAPAが人気・動員面で格上のようである。終演後にフロアとステージで特典会が行われたのだが、MAPAはステージを使用していた。人の並びもたしかに段違いに多かった。(その分、LiVSのスペースは異常に狭かった。その分メンバーさんとの距離がいつもより近かった。三密になっちゃうね。いつもより距離が近いねとマルコchanに言われ、好きになった。)ドリンク・カウンターでゲトッたジン・トニックをちびちびやりながら後方で見物。正直言ってこの集団の曲はまったくいいとは思わなかった。何度か観たり聴いたりしたら印象は変わるのかもしれない。初見の正直な感想を言わせてもらえば私にはまったく引っかかる要素がなく、眠たくなる音楽だった。後半は飽きてきた。私の記憶では歌が全体的にユニゾンで、各メンバーさんのソロの見せ場がほとんどなかった(記憶違いだったらごめんなさい)。平坦に聞こえた。それも私が惹かれなかった一因かもしれない。

一曲目に『アイドルジャンキー』を持ってくることでアイドル支持者の多いフロアの心を掴むクリトリック・リスさん。氏が披露したすべての曲が、知らなくても言葉が聞き取れる。内容が理解できる。それを音源だけでなく現場でも実現できるのは凄い。全体を通してフロアとの一体感やコミュニケーションにおいて、エンターテイナーとして格の違いを感じた。終盤になるにつれ段々と激しくなるフロアのノリ。フロアに下りてくるクリトリック・リスさん。オジサンたちのぶつかり合い。上裸になる紳士たちも続出。あの中心部に入るとメガネが壊れてしまうかもしれない。割と初めの方からコンクリchan、ユニchan、マルコchanがフロアで観客として楽しんでいた。三人ともだいぶノリノリで飛び跳ねたり手を挙げたりしていた。7月30日(水)のLiVSとの対バンが怖さ半分、楽しみ半分である。もし上を脱ぐことになっても多少なりとも見苦しくならないよう、筋トレをやったほうがいいかもしれない。