今日からストリーミングに解放されたLiVSの新EP“WARMiNG”。これまで池袋、渋谷、新宿、川崎、横浜、池袋(二度目)のタワ・レコで何枚も予約し昨日はじめて実物を手にしたコンパクト・ディスクは正式に不要となった。円盤を経由して音楽を聴くという習慣はもう私にはない。私にとってはSpotifyがすべて。とはいえ世の中にはSpotifyにない音楽は存在するし、実際に私も所持している。過去にはそういうコンパクト・ディスクをコンピュータでiTunesに取り込んでからiPhoneに入れていた。約三年前にそれをやらなくなった。引っ越してからそのコンピュータを使わなくなったからだ。まだ段ボールから出していない。前よりも狭い家に越してきたので単純にデカいコンピュータを置くだけの空間がない。アーティストへの収益還元率の低さなど問題は多々あるのだろうが、ストリーミングの台頭により音楽を聴くこととソフトウェアの物理的な所有とが無関係になっている潮流を私は歓迎している。コンパクト・ディスクのコレクションを家の中に作る空間的余裕はない。百歩譲って同じコンパクト・ディスクを一枚ずつなら所持している意味はあるかもしれない。何かの理由でその音楽がストリーミングから引き上げられることもあるからだ。たとえばある時期を境にKICK THE CAN CREWの曲は一部を除きストリーミングで聴くことは出来なくなった。アルバム“VITALIZER”とかたまに聴きたいのにさ。LiVSの場合、たとえばササガワさんが麻薬で逮捕されるとか、株式会社ALL Inc.が倒産するとかになればどうなるか分からない。こういうインディー・レーベルのコンパクト・ディスクは保険として一枚を持っておく価値がある。複数枚は要らない。
日付が変わると同時にYouTubeに公開された“He Meets”のヴィデオ・クリップ。そこでメンバーさんが纏っているのが新衣装。実物のお披露目となるのが今日の公演。LiVSの衣装は初期から紺と赤が基調だが今回のはメンバーさん全員が並ぶと赤が目立つ。チェキを撮るときにマッチするだろうと思い、私は赤のteeシャツを着て行った。
下北沢251。私のチケットはA15。A(人間チケットJPY3,000)の前にSS(超最高チケットJPY31,500)とS(最高チケットJPY10,000)がある。SSが20人くらい、Sが15人くらいいた模様。私がフロアに入った時点で主要なポジションは埋まっていたが、右端に行くと二列目をとることが出来た。フロア全体としては後ろ半分は埋まっておらず、ゆとりがあった。ツアー初日の東京公演にしてはちょっと寂しいなというのが正直なところだ。だが仮にこの会場が満員になるくらい人が入った場合、特典会の時間は足りなくなるだろう。公演をコンサートだけでなく特典会までを含めたパッケージと考えると、過剰な待ち時間なしに楽しめる今の動員数がある意味では最適なのだ。実際、今でもツアー・ファイナルなど普段よりも大きな会場でやるときは公演終了から個別チェキが始まるまで90分くらい待たないといけない(メンバーさんが準備するための20-30分の待ち時間に加え、高額チケットや手錠チケット購入者の全員チェキ、グループ・チェキ、全員握手の執行時間)。もしLiVSが本当に活動の規模を拡大し定常的に数百人を動員する場合、今の集金システムでは成り立たない。特典会に依存しないやり方に変える必要が出てくる。具体的にはチケットの値段を上げて、特典会の頻度やサーヴィス・レヴェルを落とすことである。我々サイドがそれを本当に心から望んでいるのかという問題がある。
最近はrelease partyや対バンが多く、各メンバーさんが名前だけをアンジェ・ポステコグルー監督のフットボールにおけるパス回しのように素早くポンポン繋いでいく簡易版の自己紹介ばかりを目にしてきた。今日は単独公演なので、一人ずつがたっぷりと時間を使うお決まりのフォーマットに戻っていた。いつもの形。ルーティン。形式美。安心感。ミニ・マルコさんのは「いつだって忘れない 新衣装 紐が長い」だった。
公演中、私は途中から昼メシのことを考えていた。11時半に始まる公演ではよくあることだ。途中から腹が減ってくる。正直なところ公演に没頭するには至らなかった。これはLiVS側がどうというよりも自分の体調の問題が大きい。万全ではない。今日に関しては夜のrelease partyまで何とか乗り切ることが出来ればよしとせねばならない。フロアの端っこを選んだのはメンバーさんをなるべく前で、近くで観たかったというのもあるし、中央寄りに行って動き回るだけの気力がなかったというのもある。実際、今日の私はケチャをしなかった。出来なかった。新衣装とか、“He Meets”とか、見どころはいくつもあったとは思うが、私がそれらを吸収しきれたとは言い難い。何かを感じ取るというよりは目に見えたもの、聞こえたものを認識するのが精いっぱいだった。
LiVSの特典会に参加するにはLiVS券が必要であり、LiVS券を得るためにはコンパクト・ディスクを買う必要がある。(対バン時にはやり方が異なり、チェキ券と写メ券をそのまま売っている。)前までは特典券の付与対象となる商品がアルバム“Don't Look Back”JPY3,300だった。ついてくるLiVS券が三枚。個別チェキ(一人のメンバーさんとのチェキ撮影+お話)を撮るのに必要なのがLiVS券二枚。つまりアルバム一枚を買うだけではLiVS券が一枚余る。LiVS券一枚で全員握手が出来るのでそれで消費することも可能。もしくはグループ・チェキといってLiVS券を一枚増やす毎に撮るメンバーさんを一人増やすことが出来るので、メンバーさん二人との(自分も合わせて三人の)チェキを撮ることで三枚を使い切ることも可能。ただ全員握手やグループ・チェキの需要はそこまで高くない。我々が求めるのはあくまで個別チェキ(写メ)。なのでアルバムJPY3,300=LiVS券三枚単位でしか買えないのは不便だった。今回からLiVS券の付与対象が新EP “WARMiNG” JPY2,200=LiVS券二枚に変わった。これで券を余らせずにチェキ一枚だけを撮って帰るということが出来るようになった。
例えばLiVSのことをよく知らない人を初めて現場に連れて来ることが出来たとして、特典会に参加するには最低でもJPY3,300を払わないといけないとなったら尻込みするだろう。気軽に出せる金額ではない。一般的なインディー・アイドルの相場と比べても高い。よっぽど特定のメンバーさんにゾッコンにならない限り初見客がLiVSの特典会に参加するまでの壁は高かった(対バンに限れば初見客は無料写メ券を貰える)。この最低金額が今回JPY2,200に下がったことで、前よりは新規の客も参加しやすくなったのは間違いない。
コンパクト・ディスクを一枚だけ買う(つまりチェキを一枚だけ撮る)ことにした。早く昼メシを食いたい。それに今日という日は長い。このあと某氏とコン・カフェに行くし、その後にまたLiVSのrelease partyを観に行く。コンパクト・ディスクはRelease partyでも買う。出費を抑えるに越したことはない。一枚でいいという理性的な判断に至ったのは、公演にそこまで心を動かされなかった(そうなれるだけの心身の状態になかった)からというのも作用している。めちゃくちゃよかったら冷静な判断は出来なくなる。いつも通り三枚買っていたと思う。ただ、一枚でも撮ってミニ・マルコさんとお話が出来たのは結果としてよかった。ミニ・マルコさん曰く新衣装はとても汗をかきやすい。特にとある箇所がやばいとのことで、そこを絶対に見ないでねと念を押された。これから氏を観る上で視野を広げてくれる情報だった。これを聞けたのは非常によかった。
近い位置で公演を観ていた某氏と下北沢のThe Pizzaで昼メシを摂ってから、池袋のコン・カフェに移動。某氏行きつけの店で、なんでもミニ・マルコさんに似たキャストさんが数日前に加入したのだという。私にとっては人生初のコン・カフェだった。ミニ・マルコさんに似ているというそのキャストさんに接客してもらった。たしかにサイズ感とか、髪の長さとかは近い。似ているといえば似ているかもしれない。私は他を知らないので比較は出来ないが、案内してくれた某氏曰くこの店の価格設定は良心的。30分毎にJPY1,100が基本料金。飲み放題が含まれる。キャストさんとのチェキはJPY1,100。他店だと半強制的キャストさんに飲み物をおごらされるがここはおごらなくてOK。一時間滞在し、ニセ・マルコさんとチェキを撮る。一人JPY3,300。
錦糸町駅に移動。タワ・レコでrelease party。今日から物販卓で5月7日(水)のツアー・ファイナル公演の紙チケットを販売するようだ。買うと全員写メ券が貰える。私はその頃はまだLiVSを観ていなかったが、昨年の8月にも下北沢シャングリラで公演を開催している。そのときにフロアを満員に出来なかった。そのリヴェンジをしたいというのが今日開幕したコンサート・ツアー名“Revenge Shangrila”の趣旨である。4月24日(木)だったかな、チケットの売れ行きがとても悪いことをスズカス・テラさんがツイ・キャス配信で吐露していた。私はてっきりリヴェンジが出来る具体的な勝算がはじめからあるのかと思っていた。ある意味、出来レースなのかと思っていた。必ずしもそうではなかったっぽくて、ちょっと怖い。今日のrelease partyから急に物販で紙チケットを売り始めた。買うとメンバー全員との写メが撮れる。焦りが見えるし、ゴールがブレているようにも見える。今回の施策がシャングリラ公演の動員数に直結するとは思えない。Release partyにわざわざ来るような面々はほぼ全員が(当日の都合がつく限り)シャングリラのチケットは購入しているはずだ。つまり既にチケットを購入済みの人たち向けにJPY3,000で全員写メ券を売っているのと変わらないのではないか。たしかにチケットの売り上げ枚数は増えるかもしれない。でも今回のキャンペーンで紙チケットが何十枚か売れたとして、実際の動員は何人増えるんでしょうね、という話。要はゴールが売上枚数や金額なのか、当日の物理的な動員数なのか。極端な話、フロアはスカスカでもチケットが完売していればいいのか、新規チケットで入った無料客が大半でも満員になればいいのか。メンバーさんの口ぶりから、今回におけるリヴェンジとはフロアを物理的に埋めることを指していたように私は受け取った。そうだとすると全員写メを餌に紙チケットをさばくやり方が本当にとるべき施策だったのか、疑問である。見当違いだったらすみません。
タワ・レコ。もう私を含めここに来ている誰も必要としていないコンパクト・ディスクを購入。一回目で27番を引く。これでよしとする。周りには数回やってもっと後の番号しか出ていない紳士もいた。たまに諦めきれず五回、六回とクジを引き続ける紳士がいるが、ギャンブルにはまらない理性的な私は、射幸心を煽るこの売り方にいちいち釣られない。店内の床に整理番号が書いてあり、そこに並ぶようになっているのが面白かった。三列目の左側。ちょうどよかった。仮に最前に行ける番号が取れたとしてそれを受け止めきれるだけのキャパシティが今の自分にない。まったりと鑑賞。
ミニ・マルコさん列のチェキ撮影をご担当されているササガワ氏にLiVS券と写メ券を渡すと「全通ッすか?」と聞かれ、まるでおまいつのような扱いを受ける。たしかに言われてみればこれまでのすべてのpartyに来ている。「今のところは。でも仙台と大阪は行きません」というと氏はなるほどという感じで頷いていた。“He Meets”の印象的な振りでチェキを撮った。フックで人差し指と中指を唇に二回つけてから前に出す箇所。ミニ・マルコさん曰く、チュッ、チュッ、あげなーい! という意味なのだという。練習しているときもチュッ、チュッ、あげなーい! と言いながらやっていたというようなことを言っていた。
池袋のコン・カフェに案内してくれた紳士はこの後さらに秋葉原のコン・カフェに行かれたようだ。私は体調的にご一緒する余裕がないのでお別れする。錦糸町駅といえば平井駅が近い。であれば行くしかない。マサラ・キング。マトン・ビリヤニ定食。カレーはほうれん草マトンを選択(+JPY100)JPY1,650。私にとって行きやすい場所ではないのだが、月一くらいで来たい。食事も含めてコッテリした一日だったがなんとか乗り切った。