2025年1月3日金曜日

SHOOTS YOUR SHOUTS LIVE / LiVS 2024 FINAL (2024-12-28)

下北沢駅前の三省堂。貼り紙によるとビルヂングの建て替えに伴い閉店するそうだ。駅前の貴重な書店、そして貴重な公衆お手洗いがひとつ、無くなる。これから我々はどこで用を足せばいいのだろうか? 人生で数度しか訪れたことのなかったこの町に、私はBLUEGOATSを観るようになってから定期的に来るようになった。そして今日はLiVS。下北沢MOSAiC。BLUEGOATSで何度も来ている。もう場所は覚えている。任せろ。Google Mapを開く必要はない。12月28日(土)と1月5日(日)に開催されるLiVSのコンサート。二公演ずつ。計四公演のチケットを確保済み。前のwwwxは新規無料チケットで入った。今回、初めてチケットを普通に購入。人間チケットJPY3,000。新規を連れてくれば二人とも無料になるチケット(その代わり二人は手錠で繋がれる)もある。それ狙いでD氏をお誘いしてみたが、両日ともお仕事があって無理とのご回答。

12月28日(土)と1月5日(日)の四公演とも、私が買ったチケットの整理番号がA30番付近だった。その前のVIPチケット(最高チケット)購入者と私の後に一般チケット(人間チケット)を買った人、あと新規も合わせて20-30人いるとして、おそらくこの集団が平場で見込める固定客数は50-60人くらいなのだろう。

昼公演。入場。アルバム1枚(JPY3,300)と半袖tee(JPY3,500)を購入。特典券三枚(アルバムを買うとついてくる)と写メ券一枚(会計がJPY6,000を超えたときにゲトれる)を獲得。胃カメラドリンクというオリジナル・カクテルが販売されていることに、注文したラム・トニックを受け取ってから気付く。(夜公演のオリジナル・カクテル「歳忘れる 若返りドリンク」は飲んだ。)

フロアに入った瞬間、wwwxのときとは異なるヴァイブスを感じ取る。会場の規模が小さい分、ヘッズの濃度もグッと凝縮されている。ほぼ全員が着用する黒の公式tee。威圧感すらある光景。カルト宗教や秘密結社の集会に紛れ込んでしまったような感覚。LiVSのロゴが印字された黒tee、それはさながらこの集会のドレス・コード。たとえばドナルド・トランプさんの支持者たちが揃って赤いMAGAキャップを被るように。何も知らずにGAPのアノラック・パーカ(90年代の古着)でウロウロしている自分が場違いに感じた。wwwxのときは私を含め、一見さん風な人が後方にはそれなりにいた。言うなればあのときには傍観者も混じっていたが今日は正真正銘の目撃者(LiVS支持者の総称)だけが集まっていると感じた。

フロアのノリは想像を超えていた。呆気にとられるくらいの熱量。フロア内でヘッズが動き回るタイプの現場。私はこういうのを経験してこなかった。自分の立ち位置を決めたら基本的にそこから動かないタイプの現場で育ってきたから。ついていけないのではないかと思った。圧倒され、しばらくタジタジになってしまった。

そしてコンサートはめちゃくちゃな展開に。この公演は特別企画として、我々の撮影が禁止。その代わりにメンバーさんがステージから我々を各々のスマート・フォンで撮影する。そこまではちょっと変則的で面白いなくらいだった。問題は『RとC』。フロアに降りてくるメンバーさんたち。小池百合子もびっくりの三密状態。歌いながら、顔見知りのヘッズを見つけては個別にアプローチし、セルフィーを撮るメンバーさんたち。楽しくはあったけど、私はメンバーさんと顔見知りではないので少し気まずさがある。それを救ってくれたのがコンニチハクリニックさん。楽しんでますか~? と私の耳元で聞いてくる。頷くと、セルフィーで二人を収めてくれる。仲間にいれてくれた感じがして嬉しかった。コンニチハクリニックさんの優しさが染みた。それで終わりではなかった。私の左袖を引っ張って、フロア中央の空いたスペースに私を引きずり出すコンニチハクリニックさん。え、え? という感じになる私の耳元で、おんぶできる? と聞いてくる。中年とはいえ週に三、四回のジョギング、隔週のパーソナル・トレーニング、隔週の鍼、月に一度の整体で身体のケアに余念がない私。高確率で腰をやっている同年代の紳士たちとは一線を画する存在。おんぶくらい出来ないわけがない。コンクリ氏をおんぶする私。それをスマート・フォンで撮影するメンバーさん。(後日、メンバーさんたちが撮った写真がDropboxに公開された。私がコンニチハクリニックさんにおんぶされているのを撮ってくださったのはユニセックスさんだった。)私はコンニチハクリニックさんの熱心な支持者に嫉妬から刺されてもおかしくない。今後LiVS現場での振る舞いには気を付けるようにする。

私がLiVSで最も好きな曲のひとつとして広く知られる“Shall Weeeee Dance???”が披露された。例の独特の動き(コンクリ・ダンスというらしい)を会場全体で。コンニチハクリニックさんによる指導。曰く、死んだ顔で、口を半開きにするのが大事。顔が生きている人が何人かいますよーなぞと指導が入って可笑しかった。過去のコンサートをYouTubeで観る限りではコンクリ・ダンスをやるのは冒頭だけなのだが、今回は曲を通してずっとやっているのがシュールで特別感があった。

特典会までの待ち時間。コンクリの新規魅了スキルが凄い。そこから推し変する人もいる、と近くの紳士たちが話しているのが聞こえてきてちょっとドキッとする。ぼ、ぼくはミニ・マルコchanから推し変しないからネ…。

LiVSの特典会は待ち時間が長いとwwwxで学んだので、今日は昼公演の後に所持している券をすべて使い切ることにする。すべて、といっても先述の通りLiVS券三枚と写メ券一枚だけなのだが。今日は全員握手(所持している券の枚数が奇数の場合、ここで使わないと余ってしまう)、コンニチハクリニックさんとチェキ、ミニ・マルコさんと写メという使い方にする。全員握手で一人目のミニ・マルコさんが私を見てこう言う。また来てくれたの? はまっちゃった?
たとえば女にはめるとはまるとの違い
俺たちに常識を求める それはお門違い
(漢 a.k.a. GAMI、“M.M.I.”)
他のメンバーさんにはBLUEGOATSから来た旨をお伝えする。さっきのおんぶは重くなかったかと聞いてくるコンニチハクリニックさん。変なライブでごめんね、とユニセックスさん。チェキではコンニチハクリニックさんの提案でLiVSのポーズ。自分のこめかみに銃をつきつけるポーズ。BLUEGOATSさんの曲が大好き。カッコいい。ロックが好きだから的なことを熱弁してくださる。公式teeが一枚欲しかったので今回はアルバムとteeという買い方をしたが、wwwxのとき物販の婦人が提案していたように、アルバムを二枚(JPY6,600)買ってチェキを三枚+写メを一枚撮るのが正解なのだろう。ミニ・マルコさんとは固定で撮るとして、いずれ一度は全員と撮ってみたい。(次に撮ってみたいのがユニセックスさん。あとランルウさんも気になる。)LiVSの接触は強度が高い。LiVSを明治安田J1リーグとすると、BLUEGOATSは明治安田J2リーグか明治安田J3リーグ。Hello! Projectは地域リーグ、下手するとフットサル。それくらいに接触強度の差がある。

夜公演前に先ほど買った黒teeに着替える。昼公演は外で過ごすそのままの格好で観ていたらめちゃめちゃ暑かった。汗をかいた。あそこまで暑く(熱く)なるとは思っていなかった。脱いだ上着は壁際に置く。会場がギューギューにはならないし、荷物を後ろやサイドに置くのは文化として問題なさそう。次からはごみ袋を持ってきてその中に入れるのがよさそう。昼公演がめちゃくちゃ楽しくてウォーミング・アップが完了したのに加え、皆さんと同じ黒teeに着替えたことで自分も目撃者なんだゾッて感じの気持ちになれた。人がわちゃわちゃ動き回るエリアを避け、端っこでそこそこステージに近い位置を確保。端っこではあったが要所で隣の紳士と肩を組んだりして盛り上がりの輪に入ることは出来た。

ミニ・マルコさんの自己紹介における可変部分は、昼公演が「UTカムが一番盛れる」、夜公演が「ミニ・マルコ正月は絶対寝て過ごす」だった。ミニ・マルコさんと言えば、私は根が紳士に出来てるので、まーるこ! まーるこ! と氏に向けて曲中に叫ぶとき、間違えてまんこと言わないように細心の注意を払う。実際、紙一重である。最初のまに力を入れすぎると、るの部分が弱くなるからだ。まんこと言えば(?)YouTubeで過去のコンサートを観ていたらコンニチハクリニックさんがクリちゃん! とコールされていてびっくりした。クリちゃん…それってありなんだ。なしだったから今のコンクリに変わったのだろうか。

EGO”(これも私が非常に好きな曲として知られている)のフックでヘッズが輪になってイヤイヤと駄々をこねる子どものような動きをしながら左右に揺れるやつ。はじめはオイオイ勘弁してくれよ(苦笑)と思っていたが、実際に何度かやって慣れてくると楽しくなってくる。

夜公演はLiVSの現場として2024年最後だった。終演後、マネージャーのササガワ氏がヘッズに向けての感謝と、来年はリキッド・ルームとゼップに行きたいんでよろしく的なことを言って締める。盛り上がるフロア。発生したサッサガワ! サッサガワ! というヘッズのチャントに私も交じり、あたかも丸一年をLiVSと共に駆け抜けたような気分を味わった。素晴らしい音楽、熱狂的で面白い現場、強度の高い接触。ここに来てまた新たな集団にはまるとは思わなかった。フットボールを含め色々な現場に顔を出し、それぞれを楽しみ、それでいてどこのコミュニティにも属しきらない感覚が、私にとっては心地よい。