10月10日(土)からの三連休。LiVSは10日(土)に富士急の野外フェス、11日(日)にツアーの東京公演。私はいずれにも行かなかった。10月2日(金)と3日(土)にめいめい、4日(日)と6日(火)にLiVS、7日(水)にマリノスを観に行くという過密日程だったぶん、ここで一休みできるのが嬉しかった。メリハリをつけるのが大切。公演やイヴェントの開催や商品発売の報せをすべて自分に向けられていると勘違いすることから苦しみは始まる。行くことや買うことをデフォルトの状態と認識し、行かないことや買わないことに理由を求めるという思考は倒錯している。自分が行きたいと思う現場に行く。その金額を出すに値すると思うものだけを買う。脊髄反射的に買うのをやめる。少し大袈裟かもしれないが人生の選択を自分の手に取り戻さないといけない。この三日間で唯一入れた予定が11日(日)11時半からのソウル整体院。全身整体マッサージ60分。JPY3,500。それ以外はAbema de DAZNでマリノスの試合を観て、他の試合も覗いて、サテンをハシゴして、『孤独への道は愛で敷き詰められている』を読んで、“The Weirdest People in the World”を読んで、お花茶屋のヒマラヤンで素晴らしい料理を食べて、新しい飲食店も開拓した。
実のところ、私の予定が過密であろうがなかろうが今回のツアーには行くつもりがなかった。クラブ・クアトロ公演をひとつの区切りにしてLiVSとは少し距離を取りたいと考えていたからだ。ツアー恒例の超最高チケット(JPY31,500)が販売されているのも行かない選択を後押しする要因のひとつだった。冷静に考えて、普段の定期公演や対バンでJPY3,000程度で最前かそれに近い場所で観ることが出来る。なぜツアーという名目になった途端それがJPY31,500になるのか。特典があるのは分かるが、無理やり下品な値段(最高だから31,500というのが下品じゃなかったら何なんだ)をつけてその価値があるかのようにこじつけているだけ。差分の価値がない。食べ物に金粉をふりかける飲食店のようなもの。ただこれは買う人がいるから成立しているのも確かである。普段あまり高頻度でLiVSの現場に行くことが出来ないから行ったときにはパーッと大盤振る舞いをしたいという欲求を一定数の紳士たちが持っているようなのである。大金を払うこと自体から快楽を得ているというか。人それぞれ。否定はしない。私にはそのような欲求はない。東京で定期公演や対バンに普段から行けるならあえてツアーで高額チケットを買う必要はない。それが今の私の冷静な判断である。価値観の問題だが、たまにしか行けないから高額チケットを買うというやり方でオタクをやるくらいなら、私だったら別のことにお金と時間を使うのを選ぶ。繰り返すが超最高チケット(JPY31,500)を購入している紳士たちを悪く言う意図はまったくない。おそらく彼らから得る売上がなければツアーが費用的に成り立たない。スポンサーのようなものである。
ツアー東京公演の感想がタイムラインにいやでも流れてくる。マルコがフロアにダイヴしたのだという。自分がそこにいなかったことへの悔しさがこみあげてくる。いや、私の判断は間違っていなかった。金曜と土曜にめいめいを観て、日曜の昼と夜にLiVSを見てまた火曜にLiVSを観て、水曜にマリノスを観ている。それで日曜にLiVSのツアー、二日後のまた定期公演というのはやり過ぎだ。せっかくよくなりかけているのにまた疲労の沼にはまってしまう。それに行かなかったことが悔しいという気持ちを味わうことも今の私には必要なのではないか。あらゆる依存性の物質がそうであるように、過剰に摂取すると喜びを感じにくくなる。……と、自分に言い聞かせるも、拭いきれないショック。2022年の『灼熱』つばきファクトリーの灼熱で『私がオバさんになっても』をやったと知ったときの感覚に近い。転職したばかりだった当時の私には、平日の山梨に行くのは難易度が高すぎた。あれで私はつばきファクトリーに対する気持ちがぷつっと切れた。
行くべきだったのはおとといのツアーであって今日じゃなかったのではないか。おととい行かずに今日の定期公演には行くというのは間抜けな選択だったのではないか。そしてメンバーのモチベーションもおとといの方が高いのではないか。客もおとといの方が多い。CLUB CRAWLがパンパンになっていたらしい。今日は30人前後といういつもの定期公演の客入りだろう。何と言い表せばよいのか、バシッとはまる言葉が咄嗟に出てこないんだけど、気まずさ(肝心のツアーに来なくて今日は来るんかい)、落ち着かなさ(自分はここにいていいんだろうか)、ちょっとした不安(出遅れたような状態の私が今のLiVSについていけるんだろうか)、開演するまでは、そういった気持ちが、自分の中に渦巻いていた。
ところがどっこい。めちゃめちゃ楽しかったんだこれが。来てよかった。終演後、某紳士がいい顔で「いい日ですね」と言っていた。まさしくその通りだと思った。この公演までの時間がどうだったかにかかわらず、今日という日をいい日にしてくれる、それだけの楽しい時間だった。開演前にハート・ランドを飲んだら公演中の運動で汗だくになった。息が切れた。ツアーに行かなかった引け目は、あまりの楽しさで完全に吹き飛んだ。マルコの様子を見て安心した。今日の彼女は、私が見てきた中では最近の中で飛び抜けて表情が柔らかかった。あんなに余裕があって優しい表情をしている彼女を見るのは本当に久し振りな気がする。今日の彼女は精神的なゆとりから来るチャーミングさがずば抜けていた。私がこれが本当に嬉しくて、心が癒された。救われた。マルコが元気だと、私も元気になる。マルコの精神状態は私の精神状態と連動している。
“Colorful”の新録versionの編曲は、意図的にミックスを入れづらくしているような気がする。邪推だが。最近の曲ではLiVS側が主導してフロアのノリを作り上げることで、放っておくとフロアに生まれる地下的なテンプレのノリが発生するのを防ごうとする意図を感じる。
今日の企画(イントロ・クイズ対決)は音楽と連動していたのがよかった。対決後に少し歌ってくれたのでこちらも声を出して参加でき、中弛みせずに楽しめた。私が前に書いた“ハイドレーション・ブレーク問題”は起きなかった。メンバーさんが三人ずつのチームに分かれ、一対一の対決を三回やる。フロア上で我々は左右に分かれることで勝つチームを予想する。自分が予想したチームが勝ったらご褒美を貰える。一対一で迎えた最終戦でランルウさん対マルコが引き分けたことで来場者全員にご褒美をくれることに。列に並ぶ我々。一人一人、順番にメンバーさんがオススメの曲を挙げてくれる。私にはマルコが『業TO HEAVEN』を授けてくれる。チケット販売会での思い出が刻まれた、私にとって大切な曲。