これは暴論だが、身体に良さそうな食事を提供する飲食店の客は大概ちっちゃくて弱そうだ。健康意識が高いとは、身体によい習慣や食事を普通の人以上に意識しなければ健康に近づけないということだ。心身が脆いから人一倍労わらないとやっていけないのだ。これは個人差の問題でもあるし、一人の人物についても言える。若い頃には暴飲暴食や長時間労働をしても平気だったのが歳を重ねるにつれ段々と無理が効かなくなってくる。ちゃんと寝て、お酒はほどほどにして、浴槽に浸かって、運動をして、冷たい飲み物を控えて、揚げ物を控えて、野菜を食べて……等々、健康に良いことをしないと健康でいられなくなる。ファスト・フードでもなんでも好きなものを食べて、お酒も好きなだけ飲んで、短時間睡眠で、好きなことをやり続けて、死ぬまでずっと元気なのが一番いいに決まっている。もちろん私はそうはいかない。弱い部類に属する。身体のケアとメンテナンスにお金と時間をかけている。二週間に一度の鍼、月に一度の整体、週に三回のジョギング、二週間に一度のパーソナル・トレーニング、サボっていたけど最近またやるようになった家での筋トレ。毎日自分でお灸を据えている。一年に365日外食しているとはいえ、こう見えて食事にも気を付けている。家で自炊するときに使うスパゲッティは全粒粉である。iHerbで仕入れたアメリカのマルチ・ビタミンを飲んでいる。今日も朝にパーソナル・トレーニングを受けた。そして昼メシには魚を選んだ。恵比寿のなかよしでさばのみりん干し定食JPY1,220、唐揚げ(2個)JPY350、生玉子JPY80。唐揚げを食べているのはご愛嬌。揚げ物はたまに食べる程度に抑えている。唐揚げ定食は何年も食べていない。元横浜F・マリノスの仲川輝人選手も揚げ物を食べたら翌日の練習で身体のキレが落ちたのを感じ、以降は食べなくなったのだという。さて、魚を食うために恵比寿に来たわけではない。今日の会場がこっちにあるからだ。晴れたら空に豆まいて、という一癖ある名前の箱。地下二階なのだが、なんと同じ建物の二階に私がいつも髪を切ってもらっている美容室がある。私がめいめいを観ている最中にも四つ上の階でHさんが誰かの髪を切っているかもしれないと思うとちょっと変な気持ちである(もっともこの日はHさんが休みだったような気がする)。数十人しか入れないこじんまりした会場だった。ほとんど隙間なく敷き詰められたスツール。座る前から既に窮屈。私の席はなんと最前。ほとんどないステージとの距離。めいめいが自分のために歌ってくれているような、彼女を私が独占しているような気分。すぐ目の前に立っているめいめい。ステージ上には彼女と、伴奏のピアノ演奏者のみ。物凄い席。近すぎて抜けない緊張。一回限りの公演。90分、めいめいの歌声を存分に堪能。贅沢。至福。私は歌手としてのめいめいが大好きなんだと再認識した。残念ながら今のめいめいは一時期に比べ歌手活動のギアは落としている。何かの配信で彼女が言っていたと思うけど、コロナ騒ぎで活動に色々と制約が出た時期に、本当は歌手としての活動を精力的に行うつもりだったはず。その後もポツ、ポツと何曲かはドロップしているけど、アルバムでいうと2020年4月8日(水)の『無花果』が最後。実に五年半以上。定期的にコンサートをするわけでもない状態で、これまでにリリースされた曲を何年も同じ熱量で聴き続けるのは難しい。どうしてもめいめいの曲を聴く時間は減っていく。公演中に本人が語っていたところによると、もう少しで“SIX”のロンドン公演に出演するために日本を離れてしまう。なかなかこうやって日本のファンの前で歌う機会が少ないからということで、この公演をねじ込んでくれたらしい。実際、めいめいだけの歌をこうやって近い距離で、ここまでの長尺でたっぷり聴かせてもらえる機会となると本当に稀少。次にいつあるか分からない。素晴らしい位置から、歌手としてのめいめいを、耳で、目で、存分に味わわせてもらった。彼女の佇まい、声、滑舌、息の使い方。持って行かれる。すべてがクセになる。今日思ったのが、たとえば…られ、のようにラ行が続くときの、めいめいの発声の仕方が凄く好きだ。ファンの皆さんが一番の宝物。これまでは甥っ子が一番大切だったけど反抗期・思春期になって誕生日プレゼントが欲しいときやどこかに連れて行ってほしいときだけに連絡を寄越すようになった。貢ぐだけになっている。赤ちゃんじゃなくなった。だから今の私にはファンの皆さんしかいない。という趣旨のことを言っていたのが可笑しかった。