2025年1月13日月曜日

LiVS 2025 FiRST (2025-01-05)

もうやめにしませんか。お年玉っていう、この因習。子どもからすりゃ、正月の集まりで会う大人なんて誰が誰だか分からないわけじゃん。大きくなったねえなんて言われてもさ。というかお前、誰ってのが子どもの本音。数千円なり一万円なりをくれたところでその相手をまともに認識していない。誰かからお年玉をもらったという漠然とした記憶は残ったとしても、特定個人への恩は残らない。普段から何かしらの交流があるならまだ分かるよ。それが皆無なのにただ親戚だというだけで、なんで金銭の授与が発生しなきゃいけないんだろう。私に関して言えば、最もバブリーな年だとJPY50,000くらいもらったことがある気がする。金銭を受け取ることについてラッキーとは思っても相手に感謝の気持ちは特になかった。金額が少ないときは何だこいつ少ねえなと思っていた。イヤなガキだったな。JPY5,000でも少ないと思っていた。なんでお金をもらってもありがたく思うことが出来なかったのか。それは働いたことがなかったからだ。お金を稼ぐ苦しさを知らなかったからだ。衣食住を親に保証され、最低限の生活をするためのお金を銀行口座に継続的に入れることでさえ楽ではないことを知らなかったからだ。お金の価値を知らないのに、誰かが次々に封筒に入れたお札を渡してくれる。教育にいいはずがない。

悪い報せは、私がお年玉をあげる側になったこと。よい報せは、その相手がまだ二人しかいないこと。JPY1,000ずつしか渡していない親に歩調を合わせ、私も同じ金額でお茶を濁している。コレが通用するのも今だけだ。そのうち(働いてもいないのに)金銭感覚だけいっちょ前になってくるとJPY1,000なんて彼らに鼻で笑われるだろう。数年後にはJPY10,000は渡さないと舌打ちでもされかねない。その金額でも学校で同級生に愚痴るかもしれない。想像するだけで頭が痛くなる。私は別にお金を余らせているわけではない。なんで正月にしか会わない、働いてもいないガキに私がお金を払わないといけないんだ。本来ならJPY1も渡す義理はない。

お金にはもっと有意義な使い方がある。就業経験のない子どもには分かるはずがない。平日の朝から夜まで拘束され、常に上司から周囲から値踏みされ、心身のストレスに耐えながら手に入れた貴重な賃金。正しい使い方を俺が見せてやるよ。ということで、開演前の物販で特典おみくじを10回引きました(10回分の購入特典で1回おまけがつく。計11回)。JPY10,000。いや、コレくらいポンと出すだろ的な感じで書いてますけど、高すぎます。私の感覚では一日の特典会で使う金額ではない。まあ、正月だし、特典の内容も特別だしってことで自分を納得させる。不思議なもので、あの列に並んでいざ自分の番が来ると、3-4枚に抑えておこうなぞという理性的な考えをもつのが難しい。10枚としか言えない。他に選択肢がないような気がする。なんとなくそういう空気がある。分かる? なんか飲み会でジョッキを手にイッキ、イッキって言われてるような。そこでちびちび飲まないでしょっていう。粋じゃない、男じゃないみたいな。同調圧力があるわけではないけど、なんか勝手にその気になってしまうというか。で、11回引いて、当たったのが写メ券3枚、没チェキだかランダム・チェキだかを計7枚、そしてデス・ソース券1枚。来たね。デス・ソース。これは引きたかった。メンバーさんの前でからいものを平気で食べてイキってみたかった。しかもコレってたぶん指定したメンバーさんに食べさせてもらえるんでしょ。最高じゃん。プライスレスな体験じゃん。分かったか、キッズよ。お金の価値ってのはこういうことなんだよ。え、何? 親が泣くぞって? 親が泣くだの親の顔が見てみたいだの親孝行だの、私たちは儒教に毒されすぎだ。親は関係ない。自分の人生を生きろ。

オーディション動画を観た後なので認識できたのだが、物販で対応してくれたのはSuzuki女史だった。思い返すと11月30日(土)に新規無料写メ券を物販で受け取ったのもSuzuki女史からだった。氏はLiVSのプロデューサーであられるはず。一昔前のHello! Projectでいえばつんくさん、AKBであれば秋元氏が物販で注文を受けて商品やお釣りのやり取りをしているようなもんでしょ。役職的には。コレが大企業と中小企業の違い。小さな会社だと一人一人の業務範囲が広くなる。組織がどうのというよりは個人の馬力が肝心になる。ササガワさんの多岐に渡る奮闘ぶりを見てもそれは顕著。氏はマネージャーということになっているが、おそらく同業大手における同職種では考えられないくらいに色んなことをやられている。『僕の声、跳ね返る』(超ドープな曲)のヴィデオ・クリップでは監督を務めている。餅つきLiVEと銘打った今日の一部公演では曲を演りながらステージ上でメンバーさんが餅をつく。その餅つきの補助をしていたのがササガワさん。餅や道具の準備などもほぼ一手に担っていたようである。そしてメンバーさんがついた餅は、スタッフさんたちによって切り分けられ、振舞われる。しかも単に切り分けるだけでなくきなこ餅と海苔+醤油の二種類の味付けまで施される。この作業もおそらくササガワさんを筆頭にスタッフ総出でやっていたのだろう。

好きなこと、心から情熱を注げること、公私を分ける必要がないくらいに自分を表現できることで、そういう働き方を出来れば、それは幸せなことだと思う。目先の高収入や貯金などよりもずっと価値のあることだと思う。最近思うのだが、私の人生における根本的な問題はお金を稼ぐために週七日のうち五日の朝から晩まで、好きでもないことを、好きでもない人たちと一緒に(実際には一緒にというほど助け合っているわけではない。常に個人としての技量を値踏みされている)やっていることによる心身へのストレスを、刺激の強い食べ物と娯楽で散らすというサイクルである。そうではない人生を送っている人たちは眩しく見えるし、憧れるし、尊敬する。コンニチハクリニックさんミニ・マルコさんのインタビュー記事を読むと、自分の意志で、自分のやりたいことをやっている人たちの魅力に引き込まれる。いわゆる地下アイドルと括られる活動規模の比較的小さい集団を追うことの醍醐味はそこにある気がする。

他の紳士たちを見ていても、おみくじを10回分(11回分)購入するのは標準的な行為だった。前述したようにJPY10,000。チケットが一般(人間チケット)でJPY3,000、優先入場や全員チェキなどの特典がつく最高チケットでJPY10,000。私は一部と二部ともに人間チケットなのでおみくじと合わせてJPY16,000。ドリンク代(JPY600×2公演)も加えるとJPY17,200。特典券は一部と二部で分けて販売され、それぞれで使い切らないといけない。もし両部で特典会に参加するならさらにお金が必要になる。仮に特典会に参加しなかったとしても両部で最高チケットを購入すればJPY20,000。いずれにしてもちょっとした風俗くらいの出費。それを当たり前のように毎回支払う目撃者(LiVS支持者の総称)。おまいつとなるとそれを月に何回もやっているわけでしょ。このお金の使い方。アディクションではないか。精神的には、ストレスを散らすために強いお酒を飲むのと同じではないか。
アディクションとは、それがどういうものであったとしても、当人が最初の生きづらさを緩和しようとして発見した「セルフ緩和ケア」であると思う。[…]世界と折り合うために、セルフ緩和ケアによって「クッション」あるいは「緩衝帯」をつくる(赤坂真理、『安全に狂う方法』) 
アディクションとは、アルコールや薬物や大麻などの物質を使用するしないには関係ない。[…]物質や行為へのアディクションの核心は、「その方法を用いなければ楽になれない」などと思いつめる思考である(赤坂、前掲書)

アディクテッドな状態とは、素面の部外者から見れば狂っている。目を覚ませ、と彼ら(我々)は思う。しかし目を覚ませと言われてもアディクションの最中にいる人々には何も響かない。素面の論理で正論を言われたところで、私たちには響かない。なぜならコレは宗教だからだ。Johan Hariに言わせると人が何かの中毒になる真の原因はその物質や行為ではなくストレスと孤独。必要なのは愛。繋がり(“Chasing the Scream”)。アイドル現場は愛と繋がりを提供する宗教である。アディクションは信仰と言い換えることが出来るのかもしれない。宗教を論理的に否定されたところで、信者にとっては意味がない。宗教は外部では通用しない論理(ひとつの例を挙げると恋愛禁止)を内在している。その宗教こそが自分に救いを与えてくれる。そして、産業としてのアイドルは宗教ビジネスである。

一部。『RとC』を演りながらの餅つき。臼の左右からメンバーさんが二人ずつ。交代して六人全員がつく。以前の公演でもフロアに下りてくるときの曲がコレだった。何か特別なことをやるときの定番曲なのだろうか。LiVSについて調べていく中でデビュー公演のセットリストを見たところこの曲を前半と後半でそれぞれ三回連続でやっていた。つまり計六回。あと別の公演では13回連続で演ったらしい。ミニ・マルコさんにとって杵が重かったのかちゃんと持ち上げられておらず、片方の手は先端に近い部分を持っていて可愛かった。餅は、どうせ適当に切り分けただけだろうと舐めていたら前述のように味付けまでされていた。おいしかった。私に回ってきたのは海苔+醤油だった。

Shall Weeeee Dance???”はコンクリ・ダンスを最初から最後まで貫いた先日とは違って本来のダンスで披露された。この曲が放つ独特のグルーヴがたまらない。

入場時間を過ぎてから入った。番号の呼び出しは終わっていた。右端後方。やや見づらかったので序盤に人がグチャっと崩れた頃合いで少し前に進んだ。そうるうといい感じにステージが見えた。混みすぎない程度ではあったが、前回より人が多かったように感じた。一部では最高チケットの購入者が32人いたようだ。(二部では20人程度だった。)私のチケット番号は30番くらいだった。フロアにいたのはおそらく70-80人程度だったろうか。

ミニ・マルコさんの自己紹介は
いつだって忘れない 鏡餅食べ忘れる そんなの常識
だった。

特典会
私:コレ(デス・ソース券)っていま出すんですか?
スタッフ氏:はい。写メ券と組み合わせると、デス・ソースをやりながら写メが撮れます
私:それいいっすね(いいのか?)
(デス・ソース券+写メ券二枚を出す)
(前の人が終わって、私の番になるまでのちょっとした待ち時間で、私を見たミニ・マルコさんがあー! ありがとー!って感じで目を合わせて手を振ってくれるという、本接触の前のプレ接触。いい感じに支持者として認識されてきた。)
スタッフ氏に実行内容を告げられるミニ・マルコさん。えー! デス・ソースいくのー?! と大きな反応。大丈夫? と聞いてくる。俺、からいの得意だから。デス・ソースがその場になく、探すミニ・マルコさん。BLUEGOATSはこんなの(デス・ソースの特典会)ないでしょ? と悪戯っぽい笑みを浮かべるミニ・マルコさん。じゃあいっちゃっていいのね? と何度も確認しながら瓶からプラスティックの小さなスプーンにソースを注ぐ。口を開ければいいの? うん。私の口内にスプーンを入れるミニ・マルコさん。私のiPhone SE (2nd generation) で二枚の写真を撮るスタッフ氏。デス・ソースの影響をほとんど感じない私を見て驚くミニ・マルコさん。別に私は強がっているわけではなく、実際にあまりからさを感じない。それよりも酸味が強い。そして後から喉がちょっと熱くなる感じ。これくらいのからさと酸味は(毎食とは言わないが)一回の食事で摂っていると思う。帽子を被っていないのが珍しいね、とミニ・マルコさん。たしかに私がLiVS現場に帽子を被っていないのは初めて。髪型があまり気に入ってなくて、それを隠すために帽子を被っていたんだ。そうなんだ。伸ばしてたんだね。という話の流れで今日髪を切ったんだと言うと、似合ってるよと言いながら私の頭をそっと撫でてくれた。好きになった。今日は他のメンバーさん二名とも写メを撮ったんだけど、やっぱ私にはマルコchanしかいないと確信した。彼女は声優出身だけあって弱者男性の取り扱いには手慣れているのだろう、私みたいなのにも凄く優しくしてくれる。(氏の声優時代の配信アーカイヴをYouTubeで見つけた。今一つずつ視聴しているところだ。)

二部における私の整理番号は一部と同じくらいだったが、私が入った時点では一部よりもフロアがだいぶ空いていた。理由は二つあって、一つが最高チケット購入者が10人くらい少なかったこと。二つ目は入場時間通りに並び、番号通りの順番に会場入りしたこと。何度かLiVS現場に通うことで、フロアの中で私がいるべき場所が分かってきた。基本的には左右いどっちかの端もしくは端から二番目くらいが心地よい。比較的前のほうに行けるに越したことはないが、真ん中は避けたほうがいい。真ん中は流動的に人が入れ替わる。いわゆるケチャと呼ばれる、オキニのメンバーさんがステージ中央でソロ・パートを歌っているときに前方に密集していく動きも頻繁に発生する。(ケチャに関しては私もそのうちやるかも。)二部では一部とは逆の左端を確保。四列目くらい。一部よりもステージとメンバーさんの近さを楽しむことが出来た。

この集団の公演に複数回入ることで、少しずつ現場における立ち回りの要領がつかめてきた。たとえば荷物はフロアの最後方に置いていい。(会場にもよるのだろうが。)

コンニチハクリニックさんのスピーチにジーンと来た。曰く、お母様はデビューしてすぐの定期公演に来てくれた。そのときは目撃者がわずか五人程度。そこから一年以上経ち、最近の公演に来てくれた。公演中にお母様を見ると泣いていた。なぜ泣いていたのかを後から聞いたら、最初のときと違ってたくさんの目撃者に囲まれ、LiVSが笑って踊っている姿を見て、前に観たときと全然違って楽しそうでよかったと思って泣いていたのだという。私(コンニチハクリニックさん)は女優になると言い親の反対を押し切って福岡から上京した。LiVSはまだまだステップ・アップしないといけないが、少しでも親孝行が出来たのかなと思った。

二部ではミニ・マルコさんの自己紹介は
いつだって忘れない お正月だらけすぎた そんなの常識
だった。

私にとって11連休という、ちょっと近年に取得した記憶がないくらいの長期連休、その最終日だった。

2025年1月4日土曜日

THIS IS BLUEGOATS "2024" (2024-12-29)

なんか見覚えのある風景。たぶん前に来たことがある。会場は駅から徒歩一分。ということはここから見えるんじゃないか? Google Mapを開くまでもないかも。立ち止まる。見まわそう 360度上下確認 今日の状況(キングギドラ、『見まわそう』)。あ、あそこだ。分かった。思い出した。KissBee関係で来たよ。後から調べたらゆいのの。2023年8月6日(日)。2024年末、三日連続の現場。その最終日。 #KTちゃんLiVS、そして締めのBLUEGOATS。この三日間を最後まで楽しみ切れるかどうか。自分との戦い。しかも今日は長丁場。まずYouTubeのメンバーシップ登録者限定のトーク・ショウ。それが開場13時半、ショウが14時から15時半まで。そのまま15時45分開場、16時半開演でコンサート。ほぼ全曲と銘打った長尺。公演時間は3時間を予定。そこから打ち上げ(?)、特典会。帰れるのは21時~22時頃になる見込み。会場はずっと同じ四谷ロータス。私にとっては11連休の四日目だがあまり休んでいる感じがしない。ハードな日程を乗り切っているという感覚がある。13時頃に四谷駅に到着。この時点で10人くらいだったかな。すぐに列に加わる必要はない。急がない。早い段階で並ぶ利点は椅子に座れることだが、私は立ち見でいい。むしろ立っている方が楽。会場近くのファミリー・マートでモカ・ブレンド(S)。店の前で一息。13時10分頃に列に入る。『悪意のきれっぱし』(生島治郎)を読む。どんどん長くなっていく入場列を眺め、BLUEGOATS売れたな、横アリ埋まったな、と軽快な冗談を飛ばすおまいつの紳士。定刻の13時半を過ぎても始まらない入場。13時40分過ぎ、申し込みよりめっちゃ人が多い! 申し込みフォームに記入しましたよね? と焦った様子でヘッズに尋ねながら駆けずり回る運営のHさん。結局、無事に全員が入れた模様。

フロアとは別室のバー・スペースに入ろうとすると、入り口付近に見たことのあるお顔が。LiVS運営のS氏だ。昨日行きましたって言おうかと思い近寄ると向こうから声をかけてくださる。あれ、昨日来られてましたよね? その場にいたBLUEGOATS運営のHさんが、この人はこの間の対バンで初めてLiVSを見て…と少し説明してくれる。あの対バンで初めて観て、で曲聴いたらはまって、それで23日行って、28日も行きました。と私が言うと嬉しそうに顔を綻ばせるS氏。昨日も行ったんですよとHさんに補足説明すると氏は笑っていた。誰推しですか? とS氏。マルコです(即答)。ああ、マルコいいですよね~と目を細めるS氏。マルコを推すのはロリコンである的なコメントを差し挟むHさん。はっきり言わないでくださいと苦笑する私。BLUEGOATSでは誰推しですか? ソナ? いや、チャンチーです。チャンチーとマルコは近しいものがあるよね。二人ともバブ系で、と東大出身ならではの学術的な分析を披露するHさん。5日のチケットも取りましたとS氏にお伝えし、その場を離れる。

トーク・ショウの題材は、1.アオヤギ・チャンネルの2024流行語大賞の決定と、2.メンバーシップでやってほしいことの意見募集の二本柱。1.に関しては、ほんま・かいなさんが競馬で27万円勝った回におけるダイナマイト・マリンさんの「なんでだよー」に落ち着く。妥当な結果。私が極めて個人的に推したかったのは「マジで胸あったら結構、抜いちゃうかも。たぶん」である。これは24時間ライブの配信中、休憩時間にチャンチーさんが発したパンチラインである。「ちんちんを??!」と確認するほんま・かいなさん。私はかなり笑った。その部分を何度も繰り返して聞いた。(なおチャンチーさんは脂肪を抜いて胸を小さくするかもという意味で言っていた。)他に何かある人はいますかと司会の三川さん(社長)がフロアに呼びかけてくれたが、下ネタなので言わない方が賢明だと判断し黙っていた。根が紳士に出来てるので。2.に関しては、参加者からはグッズの販売などの案が出た。私は何も思いつかなかった。私の場合はファンクラブの会費、なんなら一般公開されているいつものYouTube動画の視聴料くらいの感覚で払っている。だから追加で何かをやってほしいというのはほとんどない。そもそも現時点でメンバーさんも運営さんも過重労働なのは重々承知している。既にやってくれている登録者限定の配信や動画、そして今回のようなトーク・ショウを観させてもらうだけで十分。月JPY500程度でこれ以上を要求するのも憚られる。

一旦、ヘッズは会場外へ。そのままコンサートの入場列を作る。コレってオシッコする時間と場所がないのでは? 最悪、最後まで我慢することも覚悟。膀胱の状況的に、いけなくはなさそう。ただ尿意は既にある。結果としては、入場してから中のお手洗いを使うことが出来た。そこでちんちんからたくさん出して空っぽにした。

2025年1月11日(日)にBLUEGOATSとMAPAという集団の対バンがある。私はチケットを買ったのだが、その後にLiVSがコンサートをやることが発表された。時間も被っているから回すのは不可能。チケットの購入を取り消せないかサイトで確認した。もし数クリックで手軽にキャンセルできるのであればそうしていた。決済済みなので主催者に確認してくださいと書いてあった。面倒なのでやめたが、それくらいにはLiVSに気持ちが傾いている。この約一ヶ月、相変わらずLiVSばかり聴いている。BLUEGOATSはほとんど聴いていない。だから今日のコンサートに対してもさほど高いモチベーションを持っていなかったのが正直なところだ。横浜F・マリノスにとっての2024明治安田J1リーグ最終節の名古屋グランパス戦(日産スタジアム)くらいの。

そんな煮え切らない気持ちは、開演するや否や吹き飛ばされた。心に火をつけられた。凄まじい圧。熱気。ステージで、フロアで、会場全体でほとばしる感情。のっけから全力で飛ばしまくる。アンジェ・ポステコグルー監督時代の横浜F・マリノスのよう。試合開始直後から猛烈な勢いで攻めまくる。支配する。圧倒する。ペース配分という概念なし。そう、これこそが2019年にマリノスがやっていたアタッキング・フットボールだ。みんな大丈夫? 後半になってバテちゃうとかないよね? 的な言葉を我々に投げかけるソンソナさん。ノリでイエーイみたいに反応してはみるものの、実際にはバテるのが見えている。というより既にバテつつある。これを三時間は絶対に無理。30分で燃え尽きるくらいの熱量。ステージからフロアに乗り出すメンバーさん。勢い余ってフロアにダイヴするほんま・かいなさん(おそらく意図したダイヴではない。直前にかいなさんがやばい、やばいと言っていたように聞こえた)。メンバーさんも我々も、鬱積した日々の怒り、恨み、イライラ、悲しみ、さまざまな感情をすべて解き放って音楽にぶつけているようだった。チケット完売、満員のフロア。要所要所、ヘッズがどんどんステージに寄って行く。それはフロアにいる奴らが目立ちたくて暴れている(いわゆるお客様自身による過度のパフォーマンス)のでは決してなく、そこにいる全員が音楽でひとつになっている証だった。私が2月に初めてBLUEGOATSの現場に来たときは、この集団の現場がここまで熱くなるとは微塵も想像出来なかった。あのときのまばらなフロアと静かな鑑賞スタイル。今やパンパンに詰まったフロアで、全体を通して一緒に歌う、肩を組む、拳を上げる、ステージに寄るなど、仕上がりまくっているノリ。BLUEGOATSの音楽そのものも大きく変わっている。驚くばかりの変化、発展。そのスピード。11月30日(土)の対バンの記事で、2024年で一番熱くて楽しい現場だったと書いた。訂正。2024年の最高は今日でした。

今の私にとってここまで自由に感情を解放できる場所はほかにない。フットボール現場では熱くなって声を出すと近くに子供や女がいた場合、こわがって振り返ってくる。ちょっと叫んだだけでキチガイのオジサンになってしまう。初めてサッカーを観に行ったら近くのオジサンが叫んでいてこわかったですなんてソーシャル・メディアに書かれた日にはこっちに勝ち目はない。あなたの言動が初心者をスタジアムから遠ざけているんですよ(怒)なぞと訳知り顔のアカウントに説教されかねない。あまりその傾向が強くなっていくようだと私がスタジアムに行く意味はなくなるかもしれない。試合中に中指を立てただけで観客が無期限で入場禁止になるなど、Jリーグが推し進める無菌室的なクリーンさ(その割に選手に暴行をした指導者は簡単に復帰させるご都合主義。笑わせてくれる)。好ましくないと当局が判断する感情表現をする観客は排斥される。そんな未来はひとつのシナリオとしてあり得る。

特典会。普段は一枚。今日は二枚買う。トーク・ショウを無料(ドリンク代だけ)で観させてもらったし、コンサートが長かったし、年内最後だし、という複合的な理由。たまにはチャンチーさん以外とも話してみる。まずチャンチーさん。今年の一月にBLUEGOATSを知って約一年。今年を一緒に駆け抜けた感じがする。もうそんななるんだ、的な反応。続けてくれてありがとう、改めて。こちらこそ的な反応。月見ル君想フで話したのをすごい覚えている、とチャンチーさん。なお私はその公演には行っていない。初めて来たのはいつかという話になる。新宿Marbleの投げ銭ライブと答える。あれなんだ! という反応。二枚目はほんま・かいなさん。長蛇の列。30人くらい? もっといたかも。おまいつの紳士たちも驚く並び。抜きありなのかと思うくらいに進まない。かいな氏と対面。前に話したことある? 一回だけ赤チェキを撮ったことがある。じゃそれかな。俺、友達に競馬雑誌で連載を持っている競馬ライターがいるんだけど、そいつ借金300万で、家賃踏み倒して、松屋でウヰスキーを持ち込んで勝手に水割りを作って、あと一番凄いのが面接で、面接官にディスられて角瓶で面接官の頭を殴ったんだって。といったエピソードたちを、都度大きく笑いながら、ガチのクズだ…とかそこまで行ったら終わりだ…なぞと言いながら聞いてくれるかいなさん。それに比べたら(かいなさんは)全然まともだよ。働けてるし。と言うと、あたしは捕まってないのが取り柄だから。(中略)友達のことはいいからあんたのこと聞かせてよ。というかそれあんたっていうオチじゃないよね? 今日どうだった? という感じで感想を求められた。いやめっちゃ楽しくて、二月から観てるけどどんどん変わっていって…みたいに言うと、お前そんな前からいたのかという感じの目で見てきた。書いていて気付いたけど、たぶんこのやり取りは所定の時間(1分間)を優に超過している。かいなさんの列が長くて進みが悪いように思えたのは人気メンバーなのもあるがご本人の裁量で時間を伸ばしていたんだと思う。実際に話してみて、かいなさんの賢さを肌で感じた。ブック・スマートではなくストリート・スマート。機転。

2025年1月3日金曜日

SHOOTS YOUR SHOUTS LIVE / LiVS 2024 FINAL (2024-12-28)

下北沢駅前の三省堂。貼り紙によるとビルヂングの建て替えに伴い閉店するそうだ。駅前の貴重な書店、そして貴重な公衆お手洗いがひとつ、無くなる。これから我々はどこで用を足せばいいのだろうか? 人生で数度しか訪れたことのなかったこの町に、私はBLUEGOATSを観るようになってから定期的に来るようになった。そして今日はLiVS。下北沢MOSAiC。BLUEGOATSで何度も来ている。もう場所は覚えている。任せろ。Google Mapを開く必要はない。12月28日(土)と1月5日(日)に開催されるLiVSのコンサート。二公演ずつ。計四公演のチケットを確保済み。前のwwwxは新規無料チケットで入った。今回、初めてチケットを普通に購入。人間チケットJPY3,000。新規を連れてくれば二人とも無料になるチケット(その代わり二人は手錠で繋がれる)もある。それ狙いでD氏をお誘いしてみたが、両日ともお仕事があって無理とのご回答。

12月28日(土)と1月5日(日)の四公演とも、私が買ったチケットの整理番号がA30番付近だった。その前のVIPチケット(最高チケット)購入者と私の後に一般チケット(人間チケット)を買った人、あと新規も合わせて20-30人いるとして、おそらくこの集団が平場で見込める固定客数は50-60人くらいなのだろう。

昼公演。入場。アルバム1枚(JPY3,300)と半袖tee(JPY3,500)を購入。特典券三枚(アルバムを買うとついてくる)と写メ券一枚(会計がJPY6,000を超えたときにゲトれる)を獲得。胃カメラドリンクというオリジナル・カクテルが販売されていることに、注文したラム・トニックを受け取ってから気付く。(夜公演のオリジナル・カクテル「歳忘れる 若返りドリンク」は飲んだ。)

フロアに入った瞬間、wwwxのときとは異なるヴァイブスを感じ取る。会場の規模が小さい分、ヘッズの濃度もグッと凝縮されている。ほぼ全員が着用する黒の公式tee。威圧感すらある光景。カルト宗教や秘密結社の集会に紛れ込んでしまったような感覚。LiVSのロゴが印字された黒tee、それはさながらこの集会のドレス・コード。たとえばドナルド・トランプさんの支持者たちが揃って赤いMAGAキャップを被るように。何も知らずにGAPのアノラック・パーカ(90年代の古着)でウロウロしている自分が場違いに感じた。wwwxのときは私を含め、一見さん風な人が後方にはそれなりにいた。言うなればあのときには傍観者も混じっていたが今日は正真正銘の目撃者(LiVS支持者の総称)だけが集まっていると感じた。

フロアのノリは想像を超えていた。呆気にとられるくらいの熱量。フロア内でヘッズが動き回るタイプの現場。私はこういうのを経験してこなかった。自分の立ち位置を決めたら基本的にそこから動かないタイプの現場で育ってきたから。ついていけないのではないかと思った。圧倒され、しばらくタジタジになってしまった。

そしてコンサートはめちゃくちゃな展開に。この公演は特別企画として、我々の撮影が禁止。その代わりにメンバーさんがステージから我々を各々のスマート・フォンで撮影する。そこまではちょっと変則的で面白いなくらいだった。問題は『RとC』。フロアに降りてくるメンバーさんたち。小池百合子もびっくりの三密状態。歌いながら、顔見知りのヘッズを見つけては個別にアプローチし、セルフィーを撮るメンバーさんたち。楽しくはあったけど、私はメンバーさんと顔見知りではないので少し気まずさがある。それを救ってくれたのがコンニチハクリニックさん。楽しんでますか~? と私の耳元で聞いてくる。頷くと、セルフィーで二人を収めてくれる。仲間にいれてくれた感じがして嬉しかった。コンニチハクリニックさんの優しさが染みた。それで終わりではなかった。私の左袖を引っ張って、フロア中央の空いたスペースに私を引きずり出すコンニチハクリニックさん。え、え? という感じになる私の耳元で、おんぶできる? と聞いてくる。中年とはいえ週に三、四回のジョギング、隔週のパーソナル・トレーニング、隔週の鍼、月に一度の整体で身体のケアに余念がない私。高確率で腰をやっている同年代の紳士たちとは一線を画する存在。おんぶくらい出来ないわけがない。コンクリ氏をおんぶする私。それをスマート・フォンで撮影するメンバーさん。(後日、メンバーさんたちが撮った写真がDropboxに公開された。私がコンニチハクリニックさんにおんぶされているのを撮ってくださったのはユニセックスさんだった。)私はコンニチハクリニックさんの熱心な支持者に嫉妬から刺されてもおかしくない。今後LiVS現場での振る舞いには気を付けるようにする。

私がLiVSで最も好きな曲のひとつとして広く知られる“Shall Weeeee Dance???”が披露された。例の独特の動き(コンクリ・ダンスというらしい)を会場全体で。コンニチハクリニックさんによる指導。曰く、死んだ顔で、口を半開きにするのが大事。顔が生きている人が何人かいますよーなぞと指導が入って可笑しかった。過去のコンサートをYouTubeで観る限りではコンクリ・ダンスをやるのは冒頭だけなのだが、今回は曲を通してずっとやっているのがシュールで特別感があった。

特典会までの待ち時間。コンクリの新規魅了スキルが凄い。そこから推し変する人もいる、と近くの紳士たちが話しているのが聞こえてきてちょっとドキッとする。ぼ、ぼくはミニ・マルコchanから推し変しないからネ…。

LiVSの特典会は待ち時間が長いとwwwxで学んだので、今日は昼公演の後に所持している券をすべて使い切ることにする。すべて、といっても先述の通りLiVS券三枚と写メ券一枚だけなのだが。今日は全員握手(所持している券の枚数が奇数の場合、ここで使わないと余ってしまう)、コンニチハクリニックさんとチェキ、ミニ・マルコさんと写メという使い方にする。全員握手で一人目のミニ・マルコさんが私を見てこう言う。また来てくれたの? はまっちゃった?
たとえば女にはめるとはまるとの違い
俺たちに常識を求める それはお門違い
(漢 a.k.a. GAMI、“M.M.I.”)
他のメンバーさんにはBLUEGOATSから来た旨をお伝えする。さっきのおんぶは重くなかったかと聞いてくるコンニチハクリニックさん。変なライブでごめんね、とユニセックスさん。チェキではコンニチハクリニックさんの提案でLiVSのポーズ。自分のこめかみに銃をつきつけるポーズ。BLUEGOATSさんの曲が大好き。カッコいい。ロックが好きだから的なことを熱弁してくださる。公式teeが一枚欲しかったので今回はアルバムとteeという買い方をしたが、wwwxのとき物販の婦人が提案していたように、アルバムを二枚(JPY6,600)買ってチェキを三枚+写メを一枚撮るのが正解なのだろう。ミニ・マルコさんとは固定で撮るとして、いずれ一度は全員と撮ってみたい。(次に撮ってみたいのがユニセックスさん。あとランルウさんも気になる。)LiVSの接触は強度が高い。LiVSを明治安田J1リーグとすると、BLUEGOATSは明治安田J2リーグか明治安田J3リーグ。Hello! Projectは地域リーグ、下手するとフットサル。それくらいに接触強度の差がある。

夜公演前に先ほど買った黒teeに着替える。昼公演は外で過ごすそのままの格好で観ていたらめちゃめちゃ暑かった。汗をかいた。あそこまで暑く(熱く)なるとは思っていなかった。脱いだ上着は壁際に置く。会場がギューギューにはならないし、荷物を後ろやサイドに置くのは文化として問題なさそう。次からはごみ袋を持ってきてその中に入れるのがよさそう。昼公演がめちゃくちゃ楽しくてウォーミング・アップが完了したのに加え、皆さんと同じ黒teeに着替えたことで自分も目撃者なんだゾッて感じの気持ちになれた。人がわちゃわちゃ動き回るエリアを避け、端っこでそこそこステージに近い位置を確保。端っこではあったが要所で隣の紳士と肩を組んだりして盛り上がりの輪に入ることは出来た。

ミニ・マルコさんの自己紹介における可変部分は、昼公演が「UTカムが一番盛れる」、夜公演が「ミニ・マルコ正月は絶対寝て過ごす」だった。ミニ・マルコさんと言えば、私は根が紳士に出来てるので、まーるこ! まーるこ! と氏に向けて曲中に叫ぶとき、間違えてまんこと言わないように細心の注意を払う。実際、紙一重である。最初のまに力を入れすぎると、るの部分が弱くなるからだ。まんこと言えば(?)YouTubeで過去のコンサートを観ていたらコンニチハクリニックさんがクリちゃん! とコールされていてびっくりした。クリちゃん…それってありなんだ。なしだったから今のコンクリに変わったのだろうか。

EGO”(これも私が非常に好きな曲として知られている)のフックでヘッズが輪になってイヤイヤと駄々をこねる子どものような動きをしながら左右に揺れるやつ。はじめはオイオイ勘弁してくれよ(苦笑)と思っていたが、実際に何度かやって慣れてくると楽しくなってくる。

夜公演はLiVSの現場として2024年最後だった。終演後、マネージャーのササガワ氏がヘッズに向けての感謝と、来年はリキッド・ルームとゼップに行きたいんでよろしく的なことを言って締める。盛り上がるフロア。発生したサッサガワ! サッサガワ! というヘッズのチャントに私も交じり、あたかも丸一年をLiVSと共に駆け抜けたような気分を味わった。素晴らしい音楽、熱狂的で面白い現場、強度の高い接触。ここに来てまた新たな集団にはまるとは思わなかった。フットボールを含め色々な現場に顔を出し、それぞれを楽しみ、それでいてどこのコミュニティにも属しきらない感覚が、私にとっては心地よい。

2025年1月1日水曜日

@ LABEL 1.99 Starting Party (2024-12-27)

チケット代が破格のJPY199。いざ買うとなったらサービス料JPY110。システム利用料JPY330。イー・プラスでの決済額はJPY639。それでも安い。ドリンク代が前人未到のJPY700。チケット代と手数料と合わせてJPY1,339。それでもまあ安い。物販で #KTちゃん から買ったteeシャツ(黒、サイズM)がJPY4,000。さっきのJPY1,339と足すとJPY5,339。JPY199というほぼ無料のチケット代から始まって、結局まあまあ普通な金額を払っている。最初は無料で思考停止させ、客を引き付けてから集金に繋げるという、一昔前にビジネス書の世界で流行ったFREEMIUMに近い。たしかにteeシャツを買わないという選択肢もなくはなかった。ちゃんと見ていないがもっと安い商品もあったのかもしれない。だからもっと安く済ませることも可能は可能だった、のかもしれない。でもいいんだ。あの黒のteeは前から欲しかった。先日のソロ・コンサートでは売っていなかった。それに、あそこまで来て何も買わないという選択肢はなかった。ちなみに、パーティと銘打っているように、終演後にはバーのあるフロアで本当に演者さんとヘッズが乾杯し合う場が設けられていたようだ。人間の類型としてパーティ・ピーポーとは対極の位置にいる私にとっては完全アウェイ。怖すぎる。私は物販で #KTちゃん とお喋りをさせてもらい、スタッフさんに二人の写真を撮ってもらうとペコペコと頭を下げながらお礼を述べ、階段を降り、ドリンクを交換せず、そそくさと恵比寿BATICAから立ち去った。まるで次の約束があって急いでいるかのような足取りで。 #KTちゃん とお酒で乾杯が出来るかもしれないチャンス。それよりも、あの場から逃げることを選んだ。基本的にあらゆるパーティは私にとっての悪夢である。

どういうイヴェント構成なのか露知らず。どこかにタイム・テーブルが公開されていたのだろうか? 私の見落としかもしれないが、少なくとも #KTちゃん のTwitterとInstagramには載っていなかったはず。当日、 #KTちゃん のツイート。曰く20時からライブをやる。このイヴェントの開演時間は19時。19時からライブの打ち間違い? それとも19時からしばらくDJタイムや前座があるのか? どういう仕組み、仕掛け? 分かっていないのは私だけ? その可能性はある。というのが #KTちゃん が姿を現す前にSAMさん、さらにその前にMANONさんという女性がそれぞれの曲を披露する時間帯があったんだけど、SAMさん目当ての若者たちは氏がステージにいるときは最前やその付近を確保し、氏の出番が終わると後ろの方に捌けていったんだ。SAMさんがいつからいつまで出るのかというある程度の流れを分かっていないと出来ない立ち振る舞いだった。私は #KTちゃん 以外には『マジ興味ねぇ』(DJ OASIS feat. K DUB SHINE)というスタンス。彼らはSAMさん以外には『マジ興味ねぇ』(DJ OASIS feat. K DUB SHINE)というスタンス。全員がMANONさんには『マジ興味ねぇ』(DJ OASIS feat. K DUB SHINE)というスタンス(ごめん、言い過ぎました。そんなことはないよね)。だったら会場も小さいことなんだし #KTちゃん だけのイヴェントにできなかったんだろうか? まだ単独ではこの箱でも十分に集客できないんだろうか。とはいえSAMさんはよかった。バトル以外で氏のラップを聞くのは初めてだった。曲を聴いてみようと思った。SAMさんが地元の後輩と紹介した恰幅のよいラッパーがいかにもオタクをいじめていそうな不良という感じの風体(違ったらごめんなさい)でカッコよかった。 #KTちゃん は20時過ぎに登場。この会場はステージ側から楽屋に繋がっていないようで、演者さんがフロアを経由してステージに上がるつくりになっている。 #KTちゃん が私のすぐ右、私のちんちんに氏の左手が触れてしまうのではないかと心配するくらいのスレスレを通った。“imagination”、“BaNe Bane”(DOTAMAさんのヴァースもカヴァー)などの持ち曲、他にはSAMさんと一緒に“Do The Rhyme Thing”(DOTAMAさんのヴァースを #KTちゃん がカヴァー。先日のソロ・コンサートではDOTAMAさんを迎え、SAMさんのヴァースを #KTちゃん がカヴァーしていた)。あと新曲『距離ガール』の世界初披露。まだどこにも流れていない曲を先行して生で聴けるのは特別感があった。 #KTちゃん の出番は約30分。

スマート・フォンと共に生まれ育った若い世代が多いからか、ヒップホップの現場はヘッズによる撮影に大らかだ。撮るのが当たり前。みんなとにかく動画を撮り続けている。最初に出てきたMANONさんのときは誰も撮らない。撮影禁止なのかと思った。ところがSAMさんが出てくるとなった瞬間から場が色めき立つ。フロアにいる若者たちが一斉にスマート・フォンを取り出す。向けられるカメラ(iPhone)の数がそのまま関心度を表す。アイドル現場におけるペンライトの色のように。まだMANONさんにはそこまでファンがついていないのだろう。社交辞令的に(?)軽く撮る素振りすらない。見せられる残酷な現実。これは今日のイヴェント全般について感じたことだが、ヘッズが撮るのに夢中すぎて、目の前の現場を盛り上げるのが二の次になっている。ヒップホップの現場が全般的にこうなのか、たまたま今日がそうだっただけなのか、それは分からない。音楽の現場としてまだまだ未成熟だと感じた。撮ることと、この場を盛り上げて楽しむこと、その匙加減がうまく出来ていない。せっかく近距離で観ているのに、自分のiPhoneストレージの中に動画を残すことにほぼ全振りしてしまっている。撮影が自由であったとしてももうちょっとやりようはある。実際、畑は違うがLiVSは撮影自由なのにあれだけ現場が盛り上がる。これは #KTちゃん 現場におけるこれからの課題と言える。氏の現場におけるノリはこれからみんなで作り上げていくものなのだろう。そしてそのみんなの中心にいないといけないのは若者たちだ。私ではない。 #KTちゃん 現場において私は一歩引く立場だと思っている。ここは私のホームではない。SAMさんが捌けて彼のフォロワーも後方に撤退した瞬間、最前に行こうと思えば行けた。私はあえて行かず、二列目の端っこを維持した。そのタイミングで私とは別のオジサンが最前に移動していた。横幅が五人くらいしかないフロアで、最前にオジサンが二人いるべきではない。それは #KTちゃん の現場に相応しくない。最前に若者男性数名ががっつくのを好ましく思っていたが、彼らがやることと言えば突っ立ってスマート・フォンで動画を撮り続けるだけだったのでガクッと来た。たぶん声らしい声も出していなかったのは動画のノイズになるからだろ? そもそも音楽の現場に慣れていなくて振る舞い方が分からないのもあるかもしれないが。大体、そんなに動画ばっかり撮ってどうするのか。帰ってからそれを観てシコるのだろうか? ソーシャル・メディアにアップロードして #KTちゃん の布教に使うなら理解できる。なお、かくいう私もしっかり動画を撮ったクチである(撮ったんかい)。つくづく人間とは矛盾に満ちた存在である。人の発言や意見を額面通りに受け取ってはいけない。

(終演後、フロア後方。物販で購入者がいないタイミングで覗くと、こっち来て~的な身振りで私に笑顔を向けてくれる #KTちゃん )
(黒のTシャツを指さす)コレをください
4,000円です
はい(肩にかけているBAICYCLON by bagjackのCombo Shoulderから千円札を四枚取り出す)。
(お洒落なメガネですね、的なことを言ってくれる)
あ、ありがとうございます。僕あの、 #KTちゃん が
はい
Spotifyで2024年に3番目に長く聴いたアーティストです
えーっ! マッジで~??! ちょー嬉しいんだけどー! 一番どの曲が好きですか?
choma!
choma!”(この後に何か言ってくれたけど忘れた)
あと“MAI MAI
MAI MAI”。結構ノリノリの曲が好きなんですね
そうかも
的な会話をさせてもらった。出口に向かう私。あ、よろしければお写真お撮りしますよとわざわざ引き留めてくれる優しい男性スタッフさん(ありがとうございます)。 #KTちゃん は最近の動画でおじさんが得意と自ら言うだけあって、抜群の接触対応。地下アイドル顔負け。絶妙なポジショニング。ヒップホップの世界にしっかりと足場を築き、質の高い音楽を創出しつつ、アイドル的な要素もありつつ。私はアイドルではないとご本人は以前に動画で言っていたが、売り方は確実にアイドルが入っている。帰り道に聴く彼女の曲。生で観て、対面してお喋りもさせてもらって、写真まで撮ってもらった直後だと、もう鳴りが違う。1月13日(月・祝)に渋谷のマンハッタン・レコードで行われるリリース・パーティを、私はパスするつもりだった。優先入場のために買わされるトート・バッグが欲しくなさすぎる。それに高すぎる(送料込みでJPY5,690)。JPY5,690を払ってレコード店内のリリース・パーティを観るのか? しかし、購入してしまった。