2025年11月19日水曜日

BLUEGOATS LIVE TOUR 『青春を、もう一度』 (2025-10-05)

2024年に私がSpotifyで最も長く聴いたアーティストはBLUEGOATSだったが、同年11月30日(土)のミニ・マルコchanとの運命的な出会いを契機にLiVSばかり聴くようになった。2025年の一位はLiVSが当確。二位は #KTCHAN だろう。BLUEGOATSは五位以内に入らないかもしれない。LiVSにはまりすぎて、なんかこう聴く気にならないというか、BLUEGOATSの耳ではなくなってしまっていたのだ。新曲が出たら一応、再生はするけど、一、二回聴いてふーんって感じで終わり。元々BLUEGOATSに関しては常軌を逸した通い方はしていなかったものの、今年に入ってからの私は明確な意思を持ってこの集団に割く時間とお金を減らし、LiVSに注力してきた。もっともこれはBLUEGOATSに限った話ではなく、田村芽実さんのミュージカルも申し込むのをやめていた。直近でBLUEGOATSの単独公演を観たのが6月22日(日)、その前が3月2日(日)、その前は2024年12月29日(日)。昔読んだ『グルメの嘘』(友里征耶)という本によると飲食店では月に一回以上行っていると常連と認識される可能性が高いらしい。インディー・アイドルの世界はそんなに甘くない。月に一度だとたまに来る人だろう。今年に入ってから三ヶ月に一度程度しか来ていない私はBLUEGOATSにとって、たまに来る人ですらない。もはや来ていないようなもの。こんな中途半端なことを続けることに意味があるのだろうかと疑問に思うし、いっそのこと行くのをやめてしまったほうがいいのではないかという考えも頭に浮かぶ。なぜ今日のチケットを買ったのかも覚えていない。さすがに最近BLUEGOATSに行っていなさすぎる。LiVSの予定が入っていないし、ここらでいっちょ行っておくか。おそらくそんな感じだったような気がする。9月8日(月)の対バンでは新曲の多いセット・リストについていけず、BLUEGOATS支持者としてのブランクを感じた。だから今日も若干の不安はあった。自分はまだBLUEGOATSを楽しめる身体なのかどうか。それを確かめたいという思いはあったかもしれない。

渋谷CYCLONE。入場前、付近をうろつき、適当に目についた次世代という飲み屋に入る。店名が少しひっかかる。私自身はとっくに次世代といえる年齢ではなくなっているからだ。枝豆もフライド・ポテトも焼き鳥も塩がしっかりまぶしてあって、好みの味だった。私は塩が大好きなので。(血圧は高くない、むしろ低めである。)JPY2,380。チケットは一般の12番だったけど、その前に一般抽選、さらにその前にVIPチケットというのがあったので、別に良番というわけではなかった。既にまあまあ埋まっている。右側に位置をとる。なんとなく癖で右側に行きがちである。LiVSにおいて右側がなんとなくミニ・マルコ支持者たちの定位置になっているというのもあるだろうし、LiVSに出会う前から右側を好む傾向があったような気もする。

始まってみると、番号が良いとか悪いとか、前にいるとか後ろにいるとか、そんなことはほとんど関係なかった。これぞBLUEGOATS。9月8日(月)の対バンとはまったく異なる満足度。音楽で繋がるとはこういうこと。ひとつひとつの言葉、それはリリックもそうだし、曲間のトークもそうなんだけど、とにかくそれらが違和感なく沁み込んでくる。心の隙間をぴったりと埋めてくれる。言葉で人の心を掴む能力、それが同業者の比ではない。「ボクシングじゃあり得ねえ 言葉のウェイトに差がありすぎる」(呂布カルマ)。音楽で、メンバーさんの言葉で、胸がスカッとする。カタルシス。この空間にいられることの幸せを嚙みしめる。ちょっとうるうるしてくる。明日からも生きていこうと思わせてくれる。こんな感情にさせてくれる集団がほかにどれだけあるだろうか。BLUEGOATSの運営とメンバーが中心となってファンと一緒に作り上げてきたフロアのノリ。もはや他の追随を許さないくらいに完成度が高い。正直、私はフロアのノリに限って言えばLiVSよりもBLUEGOATSの方が居心地はいいかもしれない。一般的なインディー・アイドルのノリを全面的に否定し、異なる思想とやり方で唯一無二の熱さを実現している。個人崇拝ではなく、全員の意思があくまで音楽と言葉に向かっている。フロアの我々もBLUEGOATSの一員として一緒に歌う。久し振りに声が枯れた。セット・リストが絶妙だった。最近の曲を追い切れていない自分でもついていけた。置いて行かれなかった。『東京タワー』を久し振りに聴けて嬉しかった。『君の唄で生きていたい』、『解散』、『IWGP』といった曲であれば私でもある程度は習熟していた。そこまで聴いていない最近の曲もうろ覚えながら歌える箇所は歌った。気持ちのよいメロディ。胸のすく言葉。

ほんま・かいなさんのヴァイブスがどんどん半端なくなっていく。目にする度に思う。彼女はスタア。アンコールを受けて出てきた際に、アンコールはチケット代に含まれていない。だからやる権利(と言っていたが義務のことだと思う)はない。このまま帰ってもいいと言うなど、かいな節を連発していた。そしてチャンチーさん、やっぱり可愛い。今日のビジュは特に良かった。特典会でチャンチーさんに会いに行くと、シーテキ! と呼んでくれた。ちょっとびっくりした。名前を憶えてくれているとは思わなかったからだ。最初に会ったときに名乗りはしたけど、おそらくその後に思い出せなくなって、名前なんだっけ…と聞くタイミングを逃しているうちに私があまり来なくなってうやむやになっているような気がしていた。まあいいよ、私にはミニ・マルコchanがいるし…と思っていた。だから今日、おそらく初めて特典会に行ったとき以来に名前を呼んでもらえて、チャンチーさんと出会い直したような気持ちになった。

もしBLUEGOATSがこれからビッグになって、インディー・アイドルの枠組みを抜け出す日が来るとするのであれば、それを示す大きなマイル・ストーンは特典会の廃止だろう。毎回の公演後に一枚JPY2,500(サイン、日付、メッセージの書き込み、交流付)かJPY1,000(撮って終わり)でチェキを撮るというビジネス・モデルからの脱却。実際、たとえば1,000人規模の観客を集めてあれをやるのは無理がある。その規模になるとHello! Projectのように独立した別のイヴェントにするか、簡易なお見送り会だけにするとかになるだろう。実際のところ収益的にも客のニーズ的にも特典会ありきなのがインディー・アイドルである。本当に売れるというのはそこから抜け出す(それが出来なくなるくらい活動規模が大きくなる)ことだと思う。BLUEGOATSだったらそこを目指せるんじゃないか。現時点で特典会に行かなくても満足できるくらいBLUEGOATSのコンサートは満足度が高い。実際、コンサートだけを観て帰っている人も普通にいる。

一昨日のきゃらめるもんすたーずも今日のBLUEGOATSも新鮮な気持ちで心から楽しめた。正直なところ、最近の私がLiVSを毎回同じような気持ちで楽しめているかというと微妙なところである。ある話を思い出す。田村芽実さんはアヴォカドが大好きで毎日一個を食べていたら突如としてアレルギーを発症し、食べられなくなったそうだ。どうやら人間は一生の間に特定の食物を摂取できる上限というのが決まっているらしいのだ。もしかすると今の私は異常な頻度でLiVSに通った結果、もう一生分のLiVSを摂取してしまったのではないだろうか。もうLiVSを100%は楽しめない身体になってしまったのではないだろうか。そんな考えが頭をよぎる。実際、BLUEGOATSだってLiVSのような頻度で通っていたら今日のようには楽しめていなかっただろう。とりあえず気分転換のためにLiVS以外をもう少しは観た方がいいのかもしれない。

2025年11月14日金曜日

きゃらめるもんすたーず 2nd Anniversary Band Live!! ~2OOM CRUSH~ (2025-10-03)

2025年9月16日(火)19時過ぎ

出社日。退勤後、新大久保でメシを食って、池袋。猛暑は去ったがまだじっとりしている。ときおり眼鏡を外し、首にかけたタオルで顔を拭く。いつものようにサンシャインのふるさと広場で半額の餅か団子か玄米おにぎりでも物色してタリーズかヴェローチェに入ろう。交差点の前。何やらインディー・アイドルっぽい女のコたちがいる。少し足を止めてみる。俺は別にオタクじゃないしアイドルには興味ないんだゾって感じでそのまま横断歩道を渡ろうとする。アイドルの一人が私の進路を遮るように近づいて軽く触れてきて、行かないで聴いて行ってくれと訴えてくる。ちょうどこれから曲をやるらしい。きゃらめるもんすたーずという集団。彼女(後で知ったが芹沢あかりさん、別名キャサリン)の熱意に押され、聴いてみることに。興味があるかないかで言えばそりゃあったけど、まあしゃーないから聴いてやるかというくらいの気持ち。完全に冷やかしだった。どうせ大したことないんだろ、俺の目(耳)は誤魔化せないゾと思いながら、まあTwitterのネタになるかと思って動画を回す。するとこれが。あれ、意外といいのでは? 特に一人のメンバーさんの力強い歌声に思わず聴き入ってしまった。ちゃんと最後まで見届けた聴衆は私を含め五、六人だったかな。一人一人に個別にポーズをとって写真を撮らせてくれる、手厚いサーヴィス。

メンバーさん:何かポーズある? 公式ポーズはないの?
私:俺の?

赤羽ReNYで行うワン・マン(和製英語)公演に向けた販促で、池袋に連日出没しているらしい。歌声が魅力的だった金髪のコが、インターネットやってる~? と聞いてくる。やってるよ。(Twitterに動画を)上げとくわ。分かった。探しに行くね。すぐに #きゃらめるもんすたーず をつけて投稿する。22時18分にリプが来る。ももはらみのりさんという淑女だった。Twitterでいいねでも稼げればいいかと思って撮った動画を、後から何度も自分で観返してしまう。とても良い曲。Spotifyで検索してみる。『僕を流るる』。繰り返し聴く。

2025年9月1?日(?)(いつだったか忘れた)

公式Twitterを見てもメンバーさんが池袋のどこにいるのかがぼんやりとしか書いていないので、探し出すのが困難。ハッシュタグを追い、オタクのどなたかが上げていた画像から場所を特定する(池袋には土地勘があるので)。ももはらみのりさんがビラを配っている。頃合いを見て話しかける。みのりせんせー!(氏の愛称)。えーっと何さんだっけ…読み方が難しい…。今日は歌わないのと聞いたら、警備員さんがいるから歌うことが出来ないの。だから急遽、ここに来たの。というようなことを言っていた。そういうことか。場所や時間をはっきりと書けないのはグレーなことをやっているからだ。インディー・アイドルにはこれくらいの精神が必要。なんでもかんでもコンプラ、コンプラでインディーが大手に勝てるわけがない。私が前にいた会社の元CEOが「法律の塀の上(適法と違法の境目)を歩け」とよく言っていたという話を思い出す。

2025年9月19日(金)

みのりせんせーを発見。今日はもう一人のモンスター(メンバーのことをモンスターというらしい)が来ているとのことで、紹介してくれる。佐藤ららchan。はじめましてのご挨拶。16日(火)にはいなかったらしい。(いたような気がしたが、それは流川るぅさんだった。まだ個々のモンスターさんの識別が出来ていない。)Twitterアカウントはこれだと教える。それ(アイコン)誰なの? 尾見茂。好きなの? いや、好きじゃない。好きな人をアイコンにすると、自分の愚かな発言でその人の印象も悪くなる可能性があるでしょ。だから嫌いな人をアイコンにしてるの。その思想好き、と言ってくれるららchan。だってイヤでしょ? 自分の顔をアイコンにして変なこと言ってる人がいたら。イヤ! と首を振るららchan。ワン・マン(和製英語)なんだけどさ、ちょっと考えてるんだよねと言うと前のめりになるお二人。手売りチケットをその場で購入する流れに。チケットの裏にサインと落書きをしてくれるらしい。ペンを持って来ていなかったらしく、私が貸す。書いてもらっている最中、なんでせんせーなの? とももはらみのりさんに聞く。いつかビッグになると決めてるから。あとみんなの心の担任なの。これは事実。そうなんだ…と私は相槌を打ちながら怪訝な表情で首を傾げる。「眉をひそめない!」とららchanに注意される。写真を撮らせてくれる

2025年10月3日(金)

赤羽にはたまに来る。グレイト・カルカッタというインド料理店にドン・ビリヤニ・セットJPY1,100とチキン・ティッカ(2pc)JPY550を食べに行ったり、友路有というサテンに入ったり。以前は駅から逆方向にある別の店でマトン・ビリヤニをよく食べていた。そのビリヤニが一番好きだった。ただクオリティが安定せず。2024年の12月に行った際、大幅に味が落ちていると感じた。それ以降は一度も行っていない。グレイト・カルカッタに行く途中にある書店にもたまにふらっと入ることがある。今日の会場、赤羽ReNYがどこにあるのかと思ったらその書店の地下だった。私がストリートでみのりせんせーとららchanから買った手売りチケットはLivepocketで売っている一般チケットよりも入場順が先だった。VIPの後が手売りチケットだったかな。今日のためにデザインされた(前面の絵はキャサリンこと芹沢あかりさんが描いたとのこと)L/S tee JPY5,000と、チェキ券4枚を購入。チェキ券は新規限定で何枚買っても半額、次回以降も使えるらしい。それを売り場の婦人に聞く際「あの、新規なんですけど…」と切り出すと「うん」と馴れ馴れしく応じてきた。うんじゃねえよてめえ誰に口聞いてんだ殺すぞと思ってしまった。殺すのはやめておいた。トイレで着替える。買ったばかりのL/S tee。今着ないでいつ着る。なかなかええやん。開演前にジン・トニック。この時点ではまだ行こうと思えば2-3列目には行けた。が、どういうフロアなのか勝手が分かっていないので今日は後ろからおとなしく見物することにした。段差の一番前、右寄りの位置を確保。4-5人も入ればいっぱいになるくらいの女性エリアのすぐ後ろ。Hello! Projectの無銭release partyで有馬岳彦さん(通称サムライ)がよく使うことで知られる手法。女性は男性よりも背が低いので、女性エリアに人が埋まったとしても見晴らしがよくなる。(結局女性エリアには二人しか来なかった。)

今日は生バンド。まず出囃子から生演奏。この時点で笑ってしまうくらいカッコよかった。私のオキニでお馴染みの『僕を流るる』が一曲目だった。最高の立ち上がりであると同時にこの曲を最初に済ませてしまうのは勿体なかった。アンコール明けにもう一回やってくれないかなと密かに期待していたが、実現しなかった。いずれまた生で、願わくば生バンドで聴いてみたい。生演奏の効果もあって、思っていたよりもロックで、こう言うと失礼だが思っていたよりもちゃんと音楽をやっていた。おそらくいいものを見せてくれるだろうというのは池袋のストリートで観て分かってはいたが、ちゃんとステージで観るまでは半信半疑だった。実際に体感してみると、期待を上回る心地よさの音楽空間だった。今日が来るまでは曲を聴いたりYouTubeを観たりしてみのりせんせーの声と歌とキャラクターに魅了されていたが、今日のコンサートでは佐藤ららchanに目が釘付けになった。私がきゃらめるもんすたーず内でいわゆる“推し”を選ぶのであれば、それは佐藤ららchan(通称ららもん、ららお、ららたん)だと言わざるを得ない。ごめんね、せんせー…。でも、せんせーのことも好きだよ…。

次回からはもっと前に行っても大丈夫そう。インテンシティはそこまで高くない。モッシュやリフトやサークルは起きない。ミックスも数人がやっている程度。それぞれが好きなように観ている感じ。治安がよい。平和。女性や子どもでも安心して楽しめるフロア。フットボールのゴール裏のように男くさくて熱いフロアも、人が前に前に圧縮してみんなで拳を上げるフロアもいいけど、こういうちょっと緩い感じもこれはこれでいいなと思った。熱狂的すぎない。気を張る必要がない。何というか、こちらサイドがそこまで試されていない。演者サイドと勝負をしなくていい。

終演後の特典会ではみのりせんせーとららchanとチェキを撮った。きゃらめるもんすたーずはチェキの値段が安い(定価JPY1,000)かわりに交流時間が30秒のようだ。せんせーには(これからも)たくさん来てね! と言われたが、既に体力と財力の限界を超えてLiVSの予定が入っていてミニ・マルコchanに本気な私は返事に困り、口ごもる。その反応を見て氏は察したのだろう、笑っていた。ららchanは私がかけている眼鏡を見て、今後もそれをかけるよう要求してくる。1-2回しか会っていないくらいのアイドルさんは私を眼鏡の色や特徴で覚えようとしてくる傾向があるが、私はそれに迎合しない。4種類の眼鏡、4-5種類の帽子、毎回のように異なる服装で攪乱していく。キャサリンこと芹沢あかりさんと、流川るぅさんにもご挨拶しようと思ったが芹沢さんの列に並んだところで田舎のヤンキーっぽい髪形の運営らしき紳士にもう締め切っていると言われる。いつ何が終わったんだよ。インディー・アイドルあるあるだがとにかく説明やアナウンスが不足している。よく分からない。

余らせた二枚のチェキ券を使わないといけないし、またそのうちきゃらめるもんすたーずを観に来たい。とはいえ彼女たちの活動は対バンが主。さすがに彼女たち目当てで対バンに行くほどガチ勢にはなれない。そう思っていたら11月22日(土)に再びワン・マン(和製英語)公演が行われることが決まった。販売開始と同時にチケットを買った。場所は横浜。そういえばYouTubeで配信のアーカイヴを観ていたら、ららchanの出身が横浜だと言っていた。俺もだよ、ららchan。

2025年11月8日土曜日

人間最高ツアー (2025-09-28)

とんぼ返りするつもりだったので泊まった場合に必要になるものを何も持っていなかった。服に関しては昨日の物販でLiVSのL/S tee(JPY4,500)を購入。いずれ買おうとは思っていた。最近、L/S teeにはまっている。これまで軽視していた。イケていないと思っていた。不要だと思っていた。L/S tee一枚でちょうどいい季節などほとんど存在しない。夏には暑いし、秋冬はS/S teeの上にスウェット・シャツでも着た方がええやん。そう思っていたが最近はL/S teeを着こなす方向に意識が変わった。整髪料は昨晩コンヴィニエンス・ストアでGATSBYのちっちゃいやつを買った。使い慣れていないのもあって、これが全然よくない。ただ乾かすだけのほうがよかったくらい。(セットを失敗しているのがこの日の写メを見ると分かる。GATSBYは家に帰ってから捨てた。ふざけんなよ、株式会社マンダム。)久々の外泊。いつもと違う場所で朝を迎えるのはいい気分転換になる。大浴場を堪能してからチェック・アウト。また利用したい。JPY5,000で名古屋に泊まれるなら今後の遠征の選択肢が広がってくる。

矢場町(9:34)→金山(9:40)
金山(9:54)→大垣(10:34)
大垣(10:34)→米原(11:17)
米原(11:50)→大阪(13:13)

在来線でJPY3,620。昼メシ。あんまり呑気に吟味する時間はない。(いや、時間そのものはあるんだが既に昼メシにしては時間が遅い。食事のリズムをなるべく崩したくない。)梅田食道街。適当に決めたステーキ屋。といってもとても庶民的なプライシング。ステーキ定食(肉大盛り)JPY1,500。多くを期待するのは間違っている。それは承知。にしても肉が少ない。入院患者の食事かと思った。物足りない。喫茶アリサ。『完全版 ブラック・マシン・ミュージック 下』を読む。ヒップホップやR&Bの陰に隠れて見過ごされがちな、ブラック・ミュージックとしてのテクノに光を当て、歴史を辿る。上下巻を通し、音楽ジャンルやアーティストがアンダーグラウンドであることの意味や当事者たちが持つ誇りがテーマとして興味深い。インディー・アイドルと重ね合わせながら読んでいる。インディーはメジャーに劣る、規模の大きさこそが価値であるといった刷り込みから、我々は自由にならなければならない。必要なのは「アンダーグラウンドが一番タフ」(般若)の精神だ。
有名なDJが二五〇〇〇人の前でプレイしたら、それは実験的にはなり得ないだろう。[…]たった三〇人だったらとてつもないことが可能だぜ。そこにいるだけで全員が狂っているんだからな。そういうやつらにこそ、おれの音楽を聴いてほしい。
(野田努、『完全版 ブラック・マシン・ミュージック 下』)

福島県ではない福島駅。徒歩数分で今日の会場。LIVE SQUARE 2nd LINE。ファミリー・マートでモカ・ブレンド(S)をしばいてから向かう。ぱらつく小雨。昨日、急遽買った(といってもタダ)チケット。66番。開場時点で後ろには数人しかおらず。箱の従業員とおぼしき中年男性が整理番号を呼び出しながら「我こそはという方は!」なぞと言ってオモロさを醸し出している。大阪を感じる。ほぼ最後に入場。当然、フロアには大方ヘッズが入り切っている。とは言ってもそこまで混んでいるわけではなく。ほどよく空間のある中、後ろの方でまったり観ようと思っていたら某紳士がどういうわけか場所を空けてくださって真ん中の四列目くらいに行かせていただいた。この公演は17時半開演。18時から横浜F・マリノスの大事な試合がある。対FC東京。味の素スタジアム。明治安田J1リーグ残留に向けて崖っぷち。負けていい試合はひとつもない。そわそわするが、マリノスの健闘を祈ってLiVSに集中する。考えてみると私がセンターで観ることってほとんどない。いつもと違う感覚。なかなか新鮮な体験。マルコchanの目線をたくさん貰った。メンバーさんがデフォルトで見るのは真ん中なので自ずとそうなる。端っこの最前に行くよりは2-3列目でも真ん中に行った方がいいというのがF君の持論だが、たしかに一理ある。それくらい真ん中には価値がある。ただしF君が言っているのはHello! Projectの話。必ずしもLiVSに100%適用できるわけではない。LiVSのフロアは特に前方中央が流動的で人が頻繁に入れ替わる点に留意が必要。今日の公演を自分がどう感じたのか、詳しく覚えてはいない。たぶん良かったと思う。ただ昨日の名古屋公演には個人的体験としては劣っていたと思う。セットリストが昨日と一緒ではなかったのは覚えている。そもそも公演はその場、その場で感じ取るものであって、言葉にするのが難しい。言葉になる前のプリミティヴな何かはその都度、頭に浮かぶのだが、時間が経過すると細かく覚えていない。それを無理やり感想にしようとすると可愛かったとか、楽しかったとか、毎回同じようで決まり文句になってしまう。であれば別に無理に言葉にしなくていいのではないかと思う。

終演後、特典会までの待ち時間。ジョルダンで帰りの電車を検索。大阪から東京が意外と遠いことに気付く(どおりで関西の方々はなかなか東京まで遠征してこないわけだ)。なんか新幹線で三時間くらいかかるじゃないか。明日は出社日。サクッとチェキ、写メを撮って早く帰らないと。マルコchan列に早く並ぶ。本当は来る予定なかったんだけど急遽、来ることにしたんだ。着替えもなかったから昨日物販でロンT買って。あ、そういうことなんだ。でもこれいいよね。気に入った。着こなしもいい。これ入れてる(タック・インしている)のがポイント。ね。お昼ごはん何か食べたの? なんか食道街でステーキ食べたんだけど、肉を大盛りにしてもめっちゃ量が少なくて。病院の食事かって思った。それはヤダね。夜は何かちゃんとしたもの食べれるのかな。そうだね。駅弁でも買うかな。駅弁のお勧めはね…。鮭とイクラの入ったやつ。名前は分からない。551は20時くらいまでかな。551は食べたことある? あるけど、普通かな。それを以前、大阪出身の人に言ったらめっちゃ根に持たれた。数年後、あのとき551のことを普通って言ってましたよねって。心の柔らかいところを突いてしまったんだろうね。大阪出身の人に551のことは悪く言わないほうがいいっぽい。私は551が冷めてるほうが好き。皮の食感が少し硬くなるの。アメリカでもピザが冷めてるほうが好きな人がいるらしいよ。感性が同じなんじゃない? えー、ピザは暖かいほうがいいよね。チーズが伸びなくなっちゃうよね。ピザの具は何が好き? アンチョビとマッシュルームかな。なるほど…アンチョビって何? え、知らない? 知らない。食べたことない。食べたことないんだ。カタクチイワシで、しょっぱいの。スーパーとかに売ってる? 売ってる。高そう。そうでもないよ。私、マッシュルームは食べられないの。キノコが苦手。エノキ以外のキノコは食べられない。だからアンチョビとエノキだったら食べられる。でもアンチョビ食べたことないんだったら分からないじゃん。何これ、食べられないってなるかもしれないじゃん。たしかに。でも魚でしょ? でしょっぱいんでしょ? だったら食べられると思う。というような会話(記憶。概要。正確な書き起こしではない)をして、そそくさと会場を出る(マルコchanの食べられないものが次々に判明して驚く)。iPhoneのABEMAアプリを開く。何とマリノスが2-0で勝ち越している! 観始めた数分後、ジョルディ・クルークス選手のクロスを谷村海那選手がヘディングで決めて3-0! 思わず会場と福島駅の間のストリートで飛び跳ねる。前の人が振り返る。マリノス勝ちを確信するがそこから二点を返され最後の最後までハラハラドキドキ。薄氷の勝ち点3。

急ぎ足の帰途。何か食うものを買わないと。マルコchanのお勧めを無視するわけにはいかず。鮭とイクラが入っているという情報だけで弁当を探し出す難度の高いミッション。検索してもそれらしきものが見つからず。いくつかの店を回った結果、おそらくこれのことであろうとおぼしき弁当を新大阪駅で見つける。が、売り切れ。マルコchanという一人の女にとことん振り回される私。置いてある弁当がどれもピンと来ない。納得はいかないと鯖寿司とアサヒ・スーパー・ドライを購入。新幹線、混んでいる。デッキで立ち食い。そのまま東京まで立ちっぱなし。今日、8時間くらい移動している。疲れる。23時半くらいに池袋。この街が落ち着く。

2025年11月3日月曜日

人間最高ツアー (2025-09-27)

ひょんなことから自炊を再開した。9月4日(木)に東池袋エー・ラージで食べたサマー・フェスティバル・スイカ。すいかチキン、すいかサンバル、すいかラッサム、すいかライタ、すいかトック、すいかライス、すいかプーリー、すいかアイスクリーム。スイカ・ライスはインドにあるが、それを除けばラージさんの創作料理なのだという。これがJPY4,398もした。もちろん値段を知った上で注文したわけだが、平日に一人で食う昼飯にこの金額を出してしまうとさすがに罪の意識に苛まれた。少しは節約をしないと。しばらくは家で余っているツナ缶を使って塩と胡椒だけで味付けたスパゲッティを作っていた。当然ながらまったくおいしくない。あるいは卵かけご飯と梅干と納豆と魚の缶詰めという献立も試したが、長く続けられる気がしない。形式的に腹を満たすことは出来ても侘しい。この記事とは前後するが10月2日(木)にファビオ飯というYouTubeチャンネルでガーリック醤油のパスタの作り方を学んで以来、そればかり作っている。(基本的に私の自炊においては何かの作り方を覚えたら同じものを作り続けることしか出来ない。そして何品も用意するのは無理。その一品だけで食事を完結させる。)この料理ではナスを炒める際にオリーヴ・オイルを多く消費する。残りが少なくなってきた。近所のスーパー・マーケットに行ったら値段を見て目を疑った。2024年の1月(前回購入時)にJPY800くらいだったはずのエクストラ・ヴァージン・オリーヴ・オイル(456g)。同一商品がJPY1,402になっているのだ。とてもじゃないて手が出ない。背に腹は代えられない。トップ・ヴァリュのフェイクなシット(682gでJPY798)を購入して今でも使っている。明らかに風味が劣るが、ドバドバ使う炒め物の油としては不満はない。

チケット代。物価高騰に喘ぐ私のような庶民にとってそれは大きな問題。たかだかJPY3,000からJPY5,000。ガタガタ抜かすな。そう言われるとその通りなのだが、どういう頻度でその出費が発生しているかを考えてみてほしい。ジャブのように効いてくるんだ。(と言っても私はジャブを食らったことがない。それどころかボクシングをまともに観たこともない。だからジャブが効くというのが実際にどういうことなのかよく分かってはいない。)ストリート・ファイターⅡでも必殺技を一度も食らわなくても小キックや小パンチをひたすら受け続けたら体力ゲージはゼロに近づくだろう。今回のツアーはチケット代が無料。超最高チケット(JPY31,500)、最高チケット(JPY10,000)も販売される。それらのチケット所持者には優先入場をはじめとする特典がついてくる。JPY0とJPY10,000あるいはJPY31,500を誤差と言えるくらい経済的に恵まれていれば有料チケットを買えばいいが、オリーヴ・オイルの値上げに耐えられずトップ・ヴァリュで手を打つ私にとってはおいそれと払える金額ではない。実際のところ東京は別として地方公演であればそれぞれのチケットで得られる経験に決定的な違いはない。ざっくりした目安で言うと超最高チケット(JPY31,500)で最前、最高チケット(JPY10,000)で二列目、無銭の若い番号で三列目くらいには行ける。一、二列目と、三、四列目の差。そこにどこまでこだわるか。そもそも最前と言ってもLiVSのフロアでは開演時点にいた人たちが最初から最後まで占有するわけではない。最前の特に中央付近はケチャが起きる度に人が入れ替わるのが暗黙の了解。ベースの立ち位置が崩れてゴチャッとしてくればくるほどフロアがいい具合に仕上がっている証拠。まあ超最高チケットの場合は優先入場以外にもいくつかの手厚い特典がついてくる。一番中途半端なのが最高チケットで(超最高チケットの次の)優先入場+メンバーとの集合チェキ(or写メ)+サインとメッセージ入りのチェキ券一枚。これにJPY10,000は値段に見合っていないと私は感じる。ということでこのツアーは有料チケットは買わず、無銭チケットだけで入ることにした。そもそも有料チケットを買ったところでどうせ特典券も買うので、出費がそれだけで済むわけではない。おそらくは新規の人たちにも気軽にたくさん来てほしいというのがチケット代をタダにする本来の趣旨なのだろう。だとすると私はターゲットから外れているのかもしれないけど、甘えさせてもらう。結局は特典会でお金を落とす。それでもチケット代の分が安く上がるのはありがたいことである。

行きはバス。8時10分新宿発、13時40分名古屋着。の予定だったが名古屋に着いたのが14時57分。序盤に交通渋滞。到着が大幅に遅れる旨が車内にアナウンスされたときは最悪の結果も覚悟したが、結果としては17時開場に十分に間に合った。サーヴィス・エリアに到着する度にお勧めグルメ情報を教えてくれる、サーヴィス精神に溢れる運転手氏だった。足柄サーヴィス・エリアのZETTERIAでパテが二枚入ったバーガーを食った。プレミアム感は皆無で、期待を下回るクオリティだった。浜松サーヴィス・エリアでおでんを食べた。値段を見ずに適当に取っていたらしぞーかおでんハンバーグというのが小さいのに一つでJPY387もするという罠が仕掛けられていて、思っていたよりも高くついた。名古屋は何度も訪れてはいるものの土地勘があると言えるほどではない。何も考えずGoogle mapを見ながら会場まで歩いていたら1時間くらいかかった。会場の場所を確認するために近くまで行ったら数十メートル先に見覚えのある金髪ボブの後ろ姿を観測。もしかして…と思い一旦立ち止る(入り待ちとかストーカーのようなことをしたくないので)。歩道の端にそれて様子を伺おうとすると、金髪ボブと一緒にいる誰かが私に向けて手を振っている。ランルウさんじゃないか。ということはやっぱりあの金髪ボブはコンニチハクリニックさんだ。会釈をして退散。16時12分、ベローチェ。時間調整。入場時間間際。会場前に集う同志の皆さん。軽くサツアイ(挨拶の業界用語)。私は今日の名古屋公演を観たら東京に帰るつもりだったが、明日の大阪公演も観るよう某紳士に説得され、気持ちが傾く。私の整理番号(無料の人間チケット3番)を聞いた大阪在住の紳士が、絶対に東の方が時計が早い。チケット発売時刻になるのが5秒くらい早いから東の人はみんな整理番号が早いという説を唱えていて、視点が面白かった。

公演はこれまででトップ級と言っていいくらいに熱く楽しめた。私の位置から最前まで通りづらい場面も多々あったのだが、その難度が却って私の気持ちを搔き立てた。これでくじけてたまるか、これを乗り越えてマルコの前に行ってやるんだっていう。気持ちのこもった納得の行くケチャを何回も遂行することが出来た。凄くしっくりくるセットリストだった。新旧バランスよく。“EGO”を聴ける貴重な機会だった。土曜日に早起きして8時10分から15時までバスに乗り、そこから1時間歩いて無銭公演を観に来るという異常行動は報われた。池袋に住む私が渋谷や下北沢の会場に行っても味わえない何かが、地方遠征にはある。観光がどうのではなく公演そのものがちょっと別の味がする。ような気がする。かといってそう頻繁に観に行くわけにはいかない。交通費、宿泊費がマジで馬鹿にならない。

特典会でマルコchanが、私が着ていた横に茶色の線が入った黄色のL/S tee(quiksilver。古着)を見てチーズのかかったホット・ドッグのようだと言った。映画館とかで食べるのが好き。あ、チーズ・ソースみたいな? うん。好きなんだ…そこは合わないかも。俺はチーズ嫌いなんだ。ピザは好きなんだけどね。子どもの頃ニュージーランドに住んでいて、酪農国だからスーパーに行くとチーズがたくさん置いてあって。それで匂いでイヤになった。たしかにピザはチーズの匂いはそんなにないよね。子どもの頃の思い出でずっと食べられなくなることってあるよね。私は納豆が食べられないんだけど、小さな頃に犬がたくさんいる施設に行ったら匂いが納豆みたいで…そこから食べられなくなった。この彼女のエピソードがスゴく可笑しくて、笑ってしまった。(このときマルコchanには言わなかったけど、私の母親は子どもの頃に学校で飼っていた鶏の成長過程を見たことで鶏が食べられなくなった。ウチでは食卓に鶏肉が出てきたことは一度もない。)今日はランルウさんが凄く印象に残ったので氏の列にも並んだ。彼女の口ぶりからすると今日のセットリストは彼女が考えたようだった。

大阪まで夜行バスで移動しようと思ったが、男性が予約できる空きがなんとひとつもない(女性限定の席はひとつだけ空いていた)。名古屋の(に限らないが)宿を楽天トラベルで検索すると冗談でしょと言いたくなるような価格しか出てこない。二万、三万当たり前。ウェブで栄 サウナで検索。近くにサウナフジというのがある。ホームページには宿泊がJPY5,000と書いてある。もしここに泊まれなければ大阪公演は諦めて家に帰ろう。サウナフジに飛び込み、ダメ元で聞いてみたら上の段なら宿泊の空きはあるとのこと。一泊を予約する。チェック・イン。すぐに外出。近くを散策。晩メシの店を物色。南陽倶楽部という台湾料理店に決める。瓶ビールダイ(サッポロ)JPY825、ニラ玉子炒めJPY715、台湾酢豚JPY968、スパイシー・ポテトJPY528。なかなか良い店。味仙のように混んでいないし。サウナフジに戻る。。個性的な大浴場。メインのお湯が30度くらいのぬるま湯。湯の種類が多く、比較的空いている。色々と入り比べるだけで楽しめる。リフレッシュできた。

2025年11月1日土曜日

Counter FES (2025-09-26)

9月20日(土)にもLiVSの現場に行くはずだった。武蔵野音楽祭。チケットは購入済みだった。後から発表されたタイム・テーブルを見るとLiVSの出演時間が夜だった。日産スタジアムで行われる横浜F・マリノス対アビスパ福岡と完全に被っている。誤算。昼の時間にやるものとばかり思い込んでいた。というか常識的に考えてタイム・テーブルがない状態でチケットを売るなよ。買う方も悪いのだが。悩んだ。アビスパ福岡との試合は確実につまらない。これまで面白かった試しがない。ただマリノスの置かれている状況が状況。もしこの試合に負けるのであれば明治安田J2リーグ行きを覚悟しなければならない。それくらい崖っぷちに立たされている。どんな試合になろうが、どんな結果になろうが、見届けにいかなくてはならない。一方、今日のLiVS現場は異常な頻度で出演している対バンの中の一つに過ぎない。もちろん今日を最後にマルコchanが突然LiVSを脱退する可能性がゼロとは言い切れない。何の保証もない。でもそんなことまで考えたらしょうもない。マリノスを選んだ。というわけでLiVSを観るのが、マルコchanに会うのが、9月13日(土)以来。13日ぶりとなった。こんなに空いたのはいつが最後だろう。月に10回前後も会うのが当たり前になっていた。それは異常である。これをずっと続けることは出来ない。これがずっと続くことはない。何よりも経済的に持続可能ではない。その意味で、一時的であったとしてもこうやって間隔が空くのは自分の身のためでもある。今回は13日だったが、いつかはこれが永遠になる。私にお金にいくら余裕があったとしても、いくら時間があったとしても、ミニ・マルコchanが会える相手ではなくなる日が来る。二度と彼女の姿を見られなくなる。その時がいずれ訪れる。この13日間は、そのための予行演習をしているような気分だった。マルコchanのいない生活。LiVSのない生活。それを想像してみる。あれは幻だったのだろうか? 夢だったのだろうか? マルコchanとLiVSが私の生活から消えたら、私の感情はどう反応し、どうやって埋め合わせようとするのだろうか? どうしても埋めることが出来なくて苦しい思いをするのだろうか? それとも案外シレッと別の何かに熱中し、忘れ去るのだろうか? その日はいつ来るのだろうか? 私がマルコchanとLiVSに背中を向けるのだろうか? それともマルコchanとLiVSが先に私の前からいなくなるのだろうか? 
Everything will eventually come to an end
So try to savor the moment, 'cause time flies don't it
The beauty of life, you gotta make it last for the better
Cause nothing lasts forever
(Nas, “Nothing Lasts Forever”)

LiVSの出番が19時10分から。18時半くらいにクラブ・クアトロに入る。通路で特典会をやっていたアイドルさんに声をかけられる。ホタループという集団。全員と新規無料写メを撮らせてくれるとのこと。アイドルになる前は現場監督をやっていたという淑女(熊野りりさん)がいてびっくりした。アイドル歴よりも現場監督歴が長いらしい。メンバーさんと話しているとそこをLiVS(+スズキさん)が通りがかる。ちょっと気まずい。悪戯っぽくじーっと見てくるランルウさん。近くの壁に出演集団のポスターが貼ってある。そこにサインを入れに来たようだ。私が見ると、こちらを向いて笑顔をくれるマルコchan。愛おしい。私はいま入場したばかりなのでどの集団のライブも観ていない。なので当然ホタループも見ていない。その状態で写メを撮ってお喋りをさせてもらった。倒錯しているがこれはこれで楽しい。ホタループの写メで印象的だったのが、撮影係の方がスマ・フォの上に同じくらいの大きさのライトを置いて撮ってくれたこと。これで写りが全然違う。感心した。LiVSも見習ってほしい。ソーシャル・メディアにオタクが投稿する写メはその集団やメンバーさんの広告のようなもの。少しでも写りを良くするに越したことはない。LiVSの一個前のcowolo(18:40-)から観た。その後、LiVS(19:10-)、Finally(19:35-)、SOMOSOMO(20:00-)、にっぽんワチャチャ(20:25-)、ゆるめるモ!(20:50-)。どの集団も興味深かった。今日に関してはFinallyが一番良かった(個人の感想です)。特典会でAoiチャン(本名:今井あおい)にもそう伝えたら喜んでくれた。まあ全部は観てないんだけど…。何で全部観なかったの(ほっぺを膨らませる)? だって疲れるじゃん、最初からいたら。俺、疲れるのイヤなんだよね。というようなやり取りをした。Finallyのフロアで私がスゴいと感じたのが、盛り上がりのバランス。アイドルのコンサートにおける熱狂は、雑に分けると1.メンバー個人に向けられるもの、2.音楽や曲に向けられるもの、3.そのいずれにもあまり関係なくとにかく形式としてのノリの三つに分けられると思う。インディー・アイドルというジャンルの性質上、得てして1.と3.に偏りやすい気がする。Finallyの場合、何が何でも推しにケチャをしに行こうとか推しの名前を叫ぼうというよりも先に、全体としてフロアがしっかりと音楽を聴いて音に乗っている印象を受けた。3.がまず大前提で、状況によっては1.も発生して、3.はそこまで頻繁に起きない感じ。これが心地よく、メンバーさん一人一人にそこまで思い入れがない(どころかAoiチャン以外はいまだに顔と名前が一致しない)私でも楽しむことが出来た。

緊急開催!! LiVS FREE LiVE SHOW (2025-09-13)

大成功に終わった(と私は確信している)8月18日(月)のLIQUIDROOMぶりとなる単独公演。これまでLiVSはほぼすべての公演チケットをLivePocketで販売してきたが今回は唐突にTicket Dive。慣れない操作方法。発売から1分以内に申し込みは済ませたものの、最初になんか電話番号の認証か何かをさせられ、それで失った20秒くらいが命取りだったのか、整理番号は35番。叩いたとは言えないような番号になった。久々の単独公演を待ちわびていた勢力と、無料だからとりあえずチケットを抑えておこう(行かなかったとしてペナルティがあるわけでもないし)という勢力による相乗効果だと思うけど、通常の単独公演に比べて明らかに申し込みの勢いは強かった。この公演の開催が発表されたのが9月6日(土)で、チケット発売が23時。当日まで一週間を切っている。だから緊急開催ということなのだろうが、この日に何かをやること自体は前から公式サイトのカレンダーに表記されていた。LiVSに限った話ではなく、エンタメ界隈における緊急という言葉の使い方には首を傾げることが多い。単に段取りが悪くて発表が遅くなっただけでも緊急と言えば格好がつくような感じになっている。本来なら急なお知らせになってしまい申し訳ありませんと謝るような話でも緊急!と言っておけば何かの外的要因でそうなってしまったような雰囲気になる。私の言語感覚では緊急という言葉には何か不測の事態が発生して急な対応を迫られている、その対応をしなければ大きな問題が起きる、といったコノテーションがある。ただ一般的に仕事において緊急という言葉で誰かのミスを誤魔化すのはよくあることである。割を食うのはいつでも後工程。

結果として、いい番号をゲトれなかったのはむしろ好都合だった。仮に最前に行けたとしてその喜びを受け止められるキャパシティが自分になかった。不思議なくらい気分が乗らなかった。35番とは言っても実際には空き番号(チケットを取るだけ取って来ない)が多く、ガッつけば前の方には行けた。でも今日に関してはその気になれず、むしろ自分から後方の端っこを選んだ。今日は後方彼氏面をしよう、ケチャもやめておこうと決めた(結局、我慢が出来ず何度かケチャはすることになった)。朝からずっと安らかすぎるくらいに安らかな気分が続いている。理由を考えると、現場で発散するべきストレスや鬱憤が身体から抜けきっているからな気がする。昨日は朝にジョグ30分、夕方に筋トレ(パーソナル・トレーニング)45分。筋トレ直後はテストステロンが増えて人を殴りたい気分だったが、一晩寝ると一転して禅(ZEN)の精神状態となった。まったくイライラしない。攻撃性がゼロ。それだけならいいがこうやって熱くなるべきLiVSの現場でもほとんど感情が高ぶらない。瞑想でキマッたような状態。煩悩を捨て、悟りを開いたような状態。前もそうだった。8月30日(土)の対バン。あの前日にも同様にジョギングと筋トレをやっていた。(後日このことをトレーナーに話したら、筋トレで交感神経優位になった反動で副交感神経優位に振り切れ過ぎているのかもしれない。公演の前にライブで流れるであろう曲を聴きながら口で呼吸をすると心拍数が上がって交感神経が優位になるのでお勧めだと言っていた。)月曜日水曜日にあれだけぶち上がっていたのに。波が大きい。

先日のFinallyの無銭で出会った紳士がお見えになっていた。お話しすると氏が横浜FCのサポーターであることが判明。私がカバンから11 YAN MATHEUSのシャツを取り出して見せると、うわ! という反応。横浜FC? そんなクラブあるんですか? と私が軽口を飛ばすと、それよく言われるんだよ、マリサポから! と言っていた。その場で連絡先を交換(Twitterを相互フォロー)。私にとって氏が初めてフォローする横浜FCサポーターとなった。11 YAN MATHEUSのシャツを持参していたのはこの後に試合を観に行くため。川崎フロンターレとの試合。新横浜。川崎フロンターレを支持する旧友と再会。もうだいぶ会っていなかった。最後はいつだったろうね。少なくとも私が2022年7月に転職してからは会っていない。たまーにLINEで連絡を取り合ってはいたけど。向こうは結婚して子供がいる。試合に奥さんと子どもを連れて来ていた。とにかく友人に子どもが出来るとそれまでと同じ感じで会ったり連絡を取り合ったりというのは難しくなる。他にもそれまで親友だったけど子どもが出来てからはほとんど親交のなくなった奴がいる。子どもが出来るというのは人生における大きな分岐点であり、分かれ道である。彼が子どもを奥さんに預け、手に入れた束の間の自由。スタ・グル。私のお勧め、コルポデラストレーガを案内。彼はポルケッタ(ご飯付き)JPY1,200、私は仔羊うで肉のロースト(ご飯付き)JPY1,500。おいしかったが、肝心の試合は3-0で川崎が勝利。マリノスは酷い負け。一失点目は角田選手のパス・ミス、二失点目は喜田選手がもたついて囲まれてからの目を覆いたくなるボール逸が発端。両方とも痛恨ではあったが、角田選手のミスはチャレンジした結果である一方で喜田選手のミスは試合中にその萌芽がいくつも転がっていた。相手に狙われていたし、そのうちそうなるよね…というミスだった。単なる偶発的な事故というよりは再現性があるというか。喜田選手はここ数年のさまざまな変化(チーム・メイトの入れ替えであったりJリーグ全体のフットボールの潮流であったり)に取り残されて長所よりも短所が目立つ試合が多くなった。試合終盤、マリノスが負けている状態でのGKとDFの煮え切らないパス回しに、マリノスのゴール裏からブーイングが起きた。私はとてもいいブーイングだと思った。帰途、最悪の気分。私を気遣ってか(単純に忙しかったのかもしれないが)試合後の旧友はいっさい連絡をしてこなかった。かつてオタクだった彼も立派になった。これが人生の正規ルートに乗り家庭を支えるようになった男の成熟度である。