2025年10月28日火曜日

カイジューバイミー主催 Special 4 MAN「拡張戦線」 (2025-09-08)

疲れが抜けない。土日はFinallyの無銭を除けば予定らしい予定を入れなかった。極力ゆっくり休んだつもりだった。実際には活動を減らして睡眠時間を増やしても元気になっていくわけではないのが難しいところ。蓄積した夏の疲れもあるだろうし、もっと慢性的な問題としてLiVS現場に行っている頻度が自分の体力的なキャパシティを超えている。私は他の人より体力があるタイプでも、無理が効くタイプでもない。RPGのように一晩寝ればHPが全回復すればどんなに楽か。目撃者(LiVS支持者の総称)の中にはほぼすべての公演を地方から遠征してくるバケモンのような紳士たちが何人もいる。無限に湧き出てくるお金、時間、体力。私には無理。尊敬を通り越して、私から見るともはやホラーの域に達している。

BLUEGOATS、LiVS、きのホ。、カイジューバイミー。ビッグ・ネーム四組が一堂に会する対バン。豪華極まりない。カルピスの練乳割りくらい濃い(ⓒくりぃむしちゅー上田晋也)。チケットは完売必至だろう。インテンシティの高いフロアになること請け合いだ。気軽に行って適当にチルするような場ではない。楽しみだけど、月曜の夜からコッテリしすぎてはいないか。しかしこの面子で行かないという選択肢はない。後悔する可能性が高い。つい先日、私はBLUEGOATSとLiVSを同じステージで見るチャンスを逃したばかりだった。今回は絶対に行かないといけない。

渋谷近未来会館。前に一度だけ(たぶん)来たことがある。2023年9月18日(月・祝)。ゆいのののrelease party(今思うと結構おおきな会場でやっていたんだな)。私がLivepocketで買った3枚目のチケット。ちなみに最初が2023年5月15日(月)の谷藤海咲KissBee卒業ライブ。二年前なのでどういう会場だったかはよく覚えていないが、場所は何となく覚えていた。駅からちょっと外れたところ。坂を上がったところ。適当にメシを食おうと吉野家に入ったが適当にも程があった。まずすぎる。この牛丼チェインは店によってクオリティに大きなばらつきがある。渋谷のこの店舗は二度と利用しない。

BLUEGOATS、LiVS、きのホ。、カイジューバイミーという順番。私の整理番号はA35。BLUEGOATSのときは3列目の真ん中付近(やや右寄り)に入った。気持ちの準備は出来ていたのだが、セット・リストに新しい曲が多くてついていけなかった。やや消化不良感がある。もちろん最近のリリースを追い切れていない私が悪いのだが、聴き込めていない曲をその場で瞬時に理解して一緒に歌うのは難易度が高い。迷いが出てしまう。後日、LiVS現場でお会いしたBLUEGOATSおまいつの紳士にこのことを話すと、ウチらもついていけないときがあるんですよ、ちょっと目を離すと分からなくなると言っていた。対バンではもっと分かりやすい曲をやった方がいいのではないかと議論になっているらしい。そう、私も『東京タワー』や『戦う日々』を聴きたかったよ。というか歌いたかったよ。最近はサボり気味とはいえ、今日フロアにいたBLUEGOATS以外のファンの中では、私はBLUEGOATSの曲を比較的チェックしている方ではあったはずだ。私くらいの層がもっと躊躇なく乗れるセット・リストにしてくれていれば、それが周りにも波及してもっといいヴァイブスのフロアになったのではないだろうか。

BLUEGOATSが一組目(「トッパー」と言っていた。明らかに和製英語だ)に選ばれたことを、ほんま・かいなさんがしきりに悔しがっていた。ただ、朝から晩までやっているような、何十組も出る対バンなら分かるけど、今日の対バンに関しては一組目だろうと三組目だろうと(四組目は主催のカイジューバイミーで固定として)、そこまで扱いに差があるようには思えない。下に見られているとか舐められているとか、そういうことではないと思うけど。かいなさん自身が「トッパー」を下に見ていることを露呈する発言になったと思う。ただかいなさんに悪意はなかったと思うし、その素直さが彼女らしかった。

LiVSでは最前の左側に潜り込んだ。群衆が前に押し寄せる際には柵に押し付けられて身体が圧迫された。人が密集しすぎてスマ・フォを取り出す余裕がない。なので、盛り上がることに専念した。とにかくやられないように。負けないように。飲まれないように。他の集団の支持者たちにLiVSがどんなモンなのか見せつけてやるという気概で。普段LiVSを観ていないとおぼしき紳士たちが前方右側にいて、モッシュ(後ろから人が押し寄せてくる)の激しさに戸惑っているように見えた。ただ前に行けるからというだけで知らない集団を最前付近(特に中央)で観ることにはそれなりのリスクがあると理解する必要がある。ただ、対バン特有の集団的な高揚感があって、いつも以上に激しいフロアだったのは事実。LiVSの出番が終わると他集団の支持者とおぼしき紳士がお仲間に「これくらいでヒーヒー言ってちゃダメだよ。もっと激しいところもあるから」と言っていた。

LiVSが終わると私は後方に下がった。ドリンク・カウンターでジン・トニックをゲトッて、ちびちびやりながらきのホ。を見物。私はこの集団を観たことはなかったし、曲もまったく聴いたことがなかった。名前はたまに聞く。yumegiwa last girl、RAYと並びE氏のオキニ集団のひとつでもあった。メンバーさんの容姿もスキルも洗練されていて、好感を抱いた。変な話だが、すべての面で水準を満たす、ちゃんと見るに堪える、聴くに堪える集団だった。また観てみたい。この渋滞は誰のせい、だったかな、そんなフレーズをヘッズ側に歌わせる曲があって、印象的だった。フロアも平和な感じでとっつきやすそうだった。ちなみにきのホ。の最後の。はモーニング娘。の。と同じ扱いで読まないのかと思ったら半濁点記号が下に落ちている扱いで、きのぽと読むらしい。

右端の前方が空いていたのでカイジューバイミーはそこで観た。曲は聴いたことがある。BLUEGOATSのソンソナさんがこの集団をお好きで、前にメンバーさんを一人招いてYouTubeで対談していた。たしかそれでこの集団を知ったのだと思う。ひときわ目立つ超ハスキー・ヴォイスを持つ淑女の歌声は音源で聴く以上にソウルフルで迫力があった。圧倒される。私が今観ているのはアイドルのステージなのか? 彼女はアイドルなのか? そもそもアイドルとは何なのか? よく分からなくなってきた。私が目撃していたのはアイドル云々の前に紛れもないグッド・ミュージックであり、クオリティが高くソウルフルなパフォーマンスだった。それはカイジューバイミーだけではなく、BLUEGOATS、LiVS、きのホ。にも共通していた。『純白少女』が始まったときにフロアのギアが一段階上がる感じがたまらなかった。初めて聴いたときにドクター・ペッパーと電光石火で韻を踏んでいるのが印象的な曲だった。

ステージ上のクオリティとフロアの熱さを全集団が高いレヴェルで兼ね備えていた。いわゆる地下アイドルと呼ばれる界隈(の一部)をこれまで観てきてよかった。LiVSがこのような対バンで真っ向勝負する現場に居合わせることが出来、自分もフロアの構成要素になれたのはファン冥利に尽きる。そう心から思えるほどに素晴らしい対バンだった。LiVSが人の埋まったLIQUIDROOMのステージでパフォームするのを観たときも嬉しくて心が震えたけど、それとはまた違う感動があった。応援するチームがチャピオンズ・リーグに出ている感覚。2025年の個人的ベスト級。

特典会でLiVSに行く前にチャンチーさんに会いに行った。久し振りだよねと言うので6月以来、二ヶ月半ぶりだと答えると、やば、と彼女は言った。LiVSの公式teeを着ている私を見た彼女に「LiVSさんも好きなんだ。初めて知った」と言われた。いやまあ、その……。“も”というか、ね……。いくつかの言葉の塊が頭に浮かんだが余計なことを言うのはやめておこう。私は曖昧に頷いてやり過ごした。しかし色々なインディー・アイドルを見るようになって相場が分かった今となってはBLUEGOATSのチェキ券の高さが改めて身に染みる。一枚JPY2,500はちょっとね…。ただこの価格によって一旦、正気に戻るので、買う枚数が一枚だけになって、結果として出費が抑制されるかもしれない。たとえばこれがJPY1,500だったら三枚、四枚と買ってしまうかも。売上を最大化させるためには、客をギリギリで狂わせたままにしておく価格設定や、一定金額を買ったらおまけをつけるといった仕掛けが必要である。BLUEGOATSの値付けはある意味で良心的と言える。

ミニ・マルコchanに、彼女を見つけた初期からずっと気になっていたことを聞いてみた。Twitterのユーザー名における、ミニとマルコのあいだの「・」のことである。よく見ると「・」が狭いのだ。普通に打ってもその「・」は出てこない。今これを書いているコンピュータでは変換候補に表示されない。なぜ「・」が狭いのだろうか? 何か理由やこだわりがあるのだろうか? 真相を彼女に尋ねてみた。すると明快な回答が得られた。曰く、今Twitterの「・」が狭いのはスズキさんの打ち間違いで、それをそのまま使っている。本人としては広い「・」の方がいい。「改名しました」と言って広い「・」に変えようかと考えたこともある。次に衣装を変えるタイミングで変えようかとも考えている。いつか突っ込んでくる人がいるんじゃないかと思っていた。