満足出来なかったらチケット代を返金するという。ただ、そもそも常連しか来ていない。常連にとっては返金を要求することで得られる利益よりも不利益が大きい。利益は返ってくるチケット代JPY3,000。不利益は要注意人物として運営側からマークされること。「あのとき返金手続きをさせられた、冗談の通じない要注意人物」という一生剥がれることのないレッテル。目先のJPY3,000を得る代わりに今後のLiVS現場での立ち回りが難しくなる。嫌がらせとして自分だけ特典会での時間を所定よりもシレッと短くしてくるかもしれない。チェキを撮るときにわざと微妙に手ブレさせてくるかもしれない。返金を求めるならその場で立ち去ってもう二度とLiVS現場に来ないくらいの覚悟がないと釣り合わない。公演に不満だったからとチケット代を返還してもらった直後にヘラヘラと特典会に参加していたら示しがつかない。その意味で、何も恐れることなく返金を求めることが出来るのは初見さんくらいであろう。来場者の中に初見さんなど下手すると一人もいなかったかもしれない。どういうわけか今日は特に来場者が少なめで「大体 毎回 いつも同じメンバーと再会」(RIZE, “Why I'm Me”)状態だった。常連客は運営側とある程度の友好的な関係を維持する必要がある。だから返金は実質的には出来ないに等しかった。もし『リアルにやる』(キングギドラ)のならチケット代を無料にした上で投げ銭方式にした方がよかったんじゃないだろうか? 誰がいくら入れているかを分からないようにしてさ。
まあそんなことはどうでもいい。そんなことよりも、今日の会場よ。下北沢Flowers Loft。忘れもしない。2024年11月30日(土)。私が初めてLiVSを観た場所。初めてミニ・マルコさんを見て、お話をした場所。私の狂いが加速し始めた場所。今思えばいくつもの偶然が重なっていた。体調を崩し前の週末のBLUEGOATSの単独公演を干していた。そこを逃すとしばらく期間が空きそうなので、近々に観ておきたいと思い急遽、申し込んだのがLiVSとの対バン。そもそも私は対バンに興味がなかった。お目当ての集団だけをじっくり観たかった。興味のない他の集団に時間を割きたくなかった。私が買ったチケットはA90番。完売になる数人手前だった。もしあのとき私が体調を崩さずに11月24日(日)にBLUEGOATSを観に行っていたら。もしやっぱ対バンだから行くのはやめようと判断していたら。もし私が買う前にチケットが完売になって買えなくなっていたら。おそらく私は一生、LiVSを観ることはなかった。そう考えるとちょっと涙が出そうになる。チケット完売の判断を遅らせることで救われる命がある。ここにある。私はあの日に、新たな生きる理由を見つけた。あの日、会場前で記念撮影をしていたLiVSのファンたち。随分と仲が良さそうだなと思った。あれから三ヶ月半が経ち、多くのLiVS支持者たちと顔見知りになった。その始まりの始まりが下北沢Flowers Loft。本当に思い入れのある場所。
満足しないわけがない。楽しくないわけがない。返金が頭をよぎるわけがない。前に来たときはほぼ一番最後にフロアに入り、段差のある後方から一人で観ていたが、今日は整理番号6番で入り、最前で同志の紳士たちと一緒に楽しんだ。あのときとはまったく異なる体験で、まったく異なる景色だった。私にとっては単なる一公演ではない、特別な感情を伴う時間だった。初めてライブハウス(和製英語)で観る“業 TO HEAVEN”。レコ屋はレコ屋でいいが、音楽のために作られた箱の中で観るのは格別。迫力、臨場感。照明、音響、ステージ。横に長く見やすい会場。コンサートをレコ屋内で観るのとまともなライブハウス(和製英語)で観るのとでは、映画を家庭で観るのと映画館で観るくらいの差がある。2nd EP “WARMiNG”収録の新曲はこれからライブハウス(和製英語)で披露される回数が増えていくにつれ、よくも悪くも曲が育っていくことになる。悪くもって何だよと思うかもしれない。フロア側の練度が上がってくると当然コールが増えていくことになる。それはある意味では元の曲をスポイルする行為でもある。「よくも」だけで括っていいのかという疑問が私にはある。その意味で、まだ手垢がつく前の、初期の“業 TO HEAVEN”に居合わせるのは貴重な体験である。
最初にご対面したときの会話を再現していいかと特典会で聞いたら、ミニ・マルコさんはちょっと呆れたような顔をしつつも(?)いいよと言って付き合ってくれた。
下北沢 The Pizza。店内満席。ペパロニとアンチョビ&ブラック・オリーヴをテイクアウェイ(JPY1,350)。近くのストリートで立ち食い。うまい。14時キックオフのアビスパ福岡対横浜F・マリノス。iPhone 14で観る。ストリートで観る。後半は美容室内で観る。久しぶりにパーマをかけてもらう。このために伸ばしていた。スティーヴ・ホランド監督就任当初の堅守はどこへやら。攻められ放題。当たり前のように耐えきれない。負ける。今シーズンになってからマリノスの試合から与えられるストレスは増えたが、視聴体験のストレスはAbema de DAZNに切り替えてから劇的に減った。普通のDAZNを使っている人は絶対に次からAbema de DAZNにしたほうがいい。新大久後ラト・バレでダル・バートと生ビールセットを食って、新宿タワ・レコへ。
日程が発表された時点で、私はそこまでrelease partyに乗り気ではなかった。LiVSがタワ・レコという一般的に名の知れたレコード店で、彼女たちを知らなかった人々の目に入るチャンスのある場所でイヴェントを行う。それに対する祝福の気持ちはもちろんあった。じゃあ自分がどうするかというと、行きます行きますという感じではなかった。私にとってはかつて通ってきた道だからだ。そしてもう通らないつもりだった道だからだ。私はHello! Projectのつばきファクトリーを追っていた時期にこういうrelease partyに何度も参加してきた。その記録はすべてこのブログに残っている。各地のショッピング・モールで通行人たちから好奇の視線を向けられながら美女の集団に性的な視線を送っていた。Hello! Projectというカルト村を脱会したのを契機にアイドル・オタクという恥ずべき生き方からは身を引いたはずだった。たしかにその後もジャンルとしてはアイドルに分類される集団をいくつか観てきた。KissBeeとかBLUEGOATSとか。Hello! Project出身の田村芽実さんのことも引き続き追い続けていた。何も知らない部外者から見れば追う演者が変わっただけでやっていることは変わってへんやんと思うかもしれない。だが自分の中では明らかな変化があった。アイドルというものに対して醒めた見方をするようになった。いい歳をしてアイドルというシステムに依存しながら若い女を追いかける。そのために自分のお金、時間、生活を捧げる。人として成熟度が低いのではないか。見てみろよ。50歳を超えてHello! Projectへの高すぎる熱量を維持している著名なオタクたちを。揃いも揃って精神年齢の低さが滲み出ているじゃないか。自分はジジイになってきているのに10代のコからのレスがどうのとかでキャッキャして。自分はそうなってはいけない。麻薬のようにアイドルに頼り続け、自分の生活や仕事の問題から目を逸らし続けるのには限界がある。アイドルに限らず趣味というのはまず自分の人生ありきで、自分の食い扶持(仕事)を優先しつつ、息抜きとして、ほどほどに楽しむべきなのである。しかしながら2024年11月30日(土)にミニ・マルコさんを発見してしまってから、私がHello! Projectから離れて以降、アイドルという存在との間に築いてきた壁がガラガラと崩れ始めた。ミニ・マルコさんがすべての元凶なのである。このrelease partyに関しても4月7日(月)の池袋、4月10日(木)の渋谷と参加するとスイッチが入ってしまい、今日も当然のように新宿のタワ・レコに足を運ぶこととなった。
パー券をゲトる。一回目で14番を引く。二列目。今日は熱かった。私も周囲の目撃者たちも遠慮なく全力で声を出した。同じ日に二度現場があると、結果的に一度目がウォーミング・アップ(LiVSの2nd EPが“WARMiNG”だけに)になって、二度目が更に熱くなる。昼夜公演で夜の方が盛り上がるという、よくある現象。今日に関しては公演が11時半から、release partyが19時半からと間は空いたが効果は持続していた。“Colorful”のコンニチハクリニックさんのソロ・ライン中の「あ! あ! あー! コンクリ! どるっちぇへいへい! どるっちぇへいへい! おーれーの! コンクリ!!」というコール(和製英語)が私はとても好き。どるっちぇへいへいの意味は分からないが、シャウトしていて気持ちいい。(もっともこういうコールはメンバーさんの歌声を打ち消しているという罪悪感、ディレンマが私にはある。)先ほど美容室でカットとパーマを施し髪型を変えた私と同様に、ミニ・マルコさんも昼の公演から髪型を変えていた。ミニ・マルコさんになる前の声優さんのときを思い起こさせるような髪型だった。