昔AFN(日本の米軍関係者向けのAMラジオ)を聴いていたら、いつも同じ時間帯に同じ場所を通るなど固定した行動パターンをとっているとテロリストに狙われやすいから通勤経路をあえて変えるなどの工夫をしろという注意喚起が流れていた。だからというわけではないが、たまにはいつものケバブではなく別のものを食うことにした。とはいっても渋谷でKEBAB CHEFS以外となると候補は限られる。というかあそこしかない。そう、いんでぃらである。(正確な店名がいんでぃらなのかいんでいらなのか分からない。便宜上いんでぃらとする。)ベンガル・チキン・カレー大盛JPY920。瓶ビールJPY480。(加算される物価上昇代 JPY100。)これがこの店の正解。完璧な注文の仕方。『それが答えだ!』(ウルフルズ)。容赦なく辛いんだけど、イヤな辛さじゃなくて。爽快。食べたことないけど静岡の某ハンバーグ・ステーキよりもさわやかだと思う。変な感じで身体に残らない。こんなにビールに合うカレーを私は他に知らない。別世界に連れて行かれる。無心で食べるあまり福神漬けを入れるのを忘れたことがある。
開場前。会場前。何人かの同志たちと歓談していると、某氏は昨日の20時だか20時半だかにチケットを買って整理番号が13番、別の紳士は23時半に買って17番とのことだった。日付が変わると締め切られる前売り券の販売。駆け込みで入場券をゲトる紳士たちによる熾烈な整理番号争い。平日で(開催している期間は)毎週やっていることもあって、そのときの各人の状況によって行けたら行く(行かないの婉曲表現ではなく本当に行く)というスタンスで直前に買う人が多いようである。(最終的にはフロアに二十数名いた。)私はといえば行ける行けないに関係なくチケットの発売直後に7月末の公演(現在発売されている分)まで購入済み。先にチケットは押さえておいて、あとは何とかする。全部行くつもりで。開場が5分遅れ、10分遅れ、17時40分に。理由の説明はなし。ちょっと前からLiVSの物販では現金が使えなくなっているのだが、こちらも理由の説明はなかった。基本的にインディー・アイドル業界ではあらゆることに関して説明の文化がない。顕著なのが特典会。何も知らない一般人の存在は想定されていない。お前ら分かってるよな、分かってるからここにいるんだもんなっていう感じが滲み出ている。よくも悪くも少数の常連相手の商売。内輪の世界。何も知らない人が外からポンと入るのは結構むずかしい。すべてを手ほどきしてくれる知り合いでもいないと。新規無料、新規客を招待すれば二人とも無料という魅力的なシステムをもってしても、毎回の定期公演で来る新規客は平均して二、三人。極端な話、既存客でも異なる新規客を毎回連れてくれば常に無料で入ることが可能。みんながそれをやればフロアは新規客だらけになるはずだが、現実はそうなっていない。
私はHello! Projectという大手のアイドルをずっと観てきた。Hello! Projectとインディーでは都会と田舎、チェーンの飲食店と一人で回している個人店くらい違う。インディー・アイドルを嗜む上で、Hello! Projectで身につけた常識は役に立たないどころか仇にさえなる。正直言うと、今でもインディーの定番の乗り方のひとつであるミックス(ファイヤー・タイガー的な連続的奇声)に対する軽い蔑視は私の中に残っている。(だからミックスを禁止し否定するBLUEGOATSには共感が出来た。)念のため言っておくとミックスをやっている人たちを悪くは思わない。ただ自分でやろうとは思わない。ミックスはまだいいが、フロアでオタクが輪になってグルグル回ったりオタク同士で向き合ってステージを見ずに何かをやるやつ。あれだけは今でもきつい。出来れば関わりたくない。他人がやっている分には勝手だが、関与したくはない。(まあ輪になるやつはLiVS現場ではごく稀にしか発生しないけど。)
BLUEGOATSはそういういわゆる地下アイドルのフロアでよくあるノリを明確に否定し、そうではない自分たちのノリを作り上げることに成功した。ミックスはもちろん、コール(曲中にメンバーさんの名前を叫ぶ)さえしない。とにかく会場全体で一緒に歌う。この歌のこの箇所をみんなで歌う、ではなくいつでもみんなで歌う。フロアで肩を組む。ミックス、ケチャ、コール中心のLiVSよりもBLUEGOATSのほうが公演の乗り方についていえば私との親和性が高いはずだった。ところが今年に入ってからというもの私はほぼLiVSにしか行っていない。最大の理由は何といってもミニ・マルコさんである。ミニ・マルコさんを観たい。ミニ・マルコさんに会いたい。とにかく、何が何でも、絶対に。その思いが強かった。もう一つの大きな理由は、素晴らしい目撃者(LiVS支持者の総称)先輩諸氏に恵まれたことである。2025年1月28日(火)の定期公演で、それまで後方や端っこで静かに観ていた私にケチャというものを教えてくれた彼らの優しさとフレンドリーさに感動した。目撃者の皆さんはとにかく接していて気持ちのいい人が多い。彼らと熱く盛り上がるフロアは居心地がいい。LiVSのフロアでは最前の中央付近をケチャ時に譲り合う風土がある。フロアにいるみんなが楽しむことをみんなが望んでいる。メンバーさん含め、そう思っているように感じる。権益を独占する最前管理がいない。これは本当に最高なことだと思う。だからこそ私のように途中から入ってきた人間が疎外感なくここまで心から楽しめるんだと思う。
新規ファンにその時点での推しを聞き、指名されたメンバーさん同士で戦い、勝った方がその新規ファンを強制的に自分のファンにする企画。今日は手押し相撲対決。ランルウさん対ミニ・マルコさん。体幹が特に強い二人というだけあって好試合。接戦。ミニ・マルコさんの勝利。(ちなみにコンニチハクリニックさんとスズカス・テラさんは対照的に体幹が弱く、スズカスさん曰く「よわよわコンビ」とのことである。ちなみに私はスズカス・テラさんのちょっと癖のある笑い方が好きである。ツイ・キャスの配信で聞いていると癒される。)