2015年9月12日土曜日

ニューワンマン(2015-09-11)

突然すぎて最初は何が起きたのか分からなかった。想像を超える唐突さと激しさでゲリラ豪雨が襲来した。渋谷ハチ公前。18時15分過ぎ。幸いにもすぐ近くに東急百貨店の入り口があったのでそちらに避難した。友人Aが合流したときには10分もたっていなかったが、だいぶ小降りになっていた。彼が傘を持っていたので入れてもらった。会場に向かった。途中にあった「ラーメン王」という店に入った。飯を食うだけではなくコンサート前に一杯引っかけておきたかった。Aも同意見だった。私は肉味噌炒め定食670円。友人Aはレバニラ炒め定食670円。二人で500mlの瓶ビール500円を分けたが、足りなくてもう一本頼んだ。豪快な味付けで元気が出る飯だった。Aはレバニラに途中から七味唐辛子をかけて食うという悪趣味さを発揮していたが私が彼を火鍋に連れて行って以来彼はこういう病気になったのだ。辛い料理にはまると辛くない料理では満足できなくなるのだ。

店を出ると雨はほぼ止んでいた。500mlのビールが私を楽しい気分にさせていた。公演を観るのがどんどん楽しみになってきた。19時頃に渋谷O-NESTに着いた。友人Bと合流した。今日は開場19時、開演20時なのでもう入ることが可能だ。私が買った3枚のチケットに印字されている整理番号は4番から6番だ。仮にハロプロのコンサートでこんな整理番号を引き当てたら問答無用で一番前に行ってがっつくが、今日のコンサートはちょっと違う。DOTAMAというヒップホップMCのソロ公演だ。DOTAMAがソロのコンサートをやること自体が初めてだ。どういうノリで臨めばよいのかがつかめない。いきなり最前線に突っ込むのではなく少し引いた位置から様子を見たかった。だからあえて19時半まで待った。Aは会場横のコンビニでビールを一缶買った。3人で立ち話をしながら彼はそれを飲み干した。

DOTAMAのことはMCバトルで知った。CDはすべて買った。彼のアルバムはどれも個性的で、単なる曲の寄せ集めではなく一枚毎にコンセプトが練られている。特にハハノシキュウとQuviokalとの合作アルバム『13月』は他に類を見ない独創的なラップ・アルバムである。『ニューアルバム』という新しいアルバムの発売(8月12日)とそれを記念しての『ニューワンマン』というソロ公演の開催(9月11日)が、6月22日に発表された。その日のうちにアルバムを予約して友人AとBをコンサートに誘った。彼らは快諾してくれた。このコンサートに確実に参加するために友人Bは有休を取った。私は仕事の関係者に今日は17時に会社を出なくてはいけない旨を事前に伝えた上でその通りに実行した。

19時半過ぎに会場入りしたら拍子抜けするほどガラガラだった。最前に10人ほど張り付いているくらいで、後はポツポツ。DOTAMAはUMB2014でR-指定と当たったときにお前のライブは会場がガラガラだったというようなことを言って攻撃していたのだが、このままでは次にバトルでR-指定と当たったときにまったく同じことを言い返されてしまうのではないかと心配になった。会場は凄く快適で、円卓っていうのかな、ドイツのソーセージ屋台で立ち食いするときのあのテーブルみたいなのが二つ設置されていた。その片方に私たちは陣取った。ドリンクチケットと引き替えたジンライムで、私はいい感じに仕上がっていた。

15分遅れの20時15分にDOTAMAが登場した。サラリーマン出身であることをアイデンティティにしているDOTAMAなので時間はきっちり守るのではないかと私は予想していたが、フレックス出勤したと考えれば15分の遅れの説明はつく。開演した頃には客入りはだいぶマシになっていた。少なくともバトルでR-指定にお前のライブこそガラガラだったやんけと意趣返しされないくらいには埋まっていてホッとした。最後には電車の乗車率で言うと100%近くにはなっていた。身体がぶつかるまでは行かないストレスのない程よい混み方だった。たぶんヒップホップのヘッズには開演時間までにきっちり入場しておくという習慣がないのだろう。DOTAMAも「オープニングからのご来場」をTwitterで呼びかけていた。そのために先着100名にステッカーを配っていた。私も一枚もらってカバンに入れたが、なくした。見つけたら来年のタワレコ手帳に貼りたい。客は私たちやDOTAMAと同年代くらいの会社員(見るからに仕事帰りというスーツ姿の男性も何人かいた)や若い男女などさまざまだった。ガラの悪さがなくて、安全な客層だった。以前K DUB SHINEのコンサートを観に行ったときにはダボダボの服を着た坊主頭が客の大半で威圧感があった。見間違いでなければ私たちのすぐ近くにカクニケンスケがいた。

DOTAMAはだいぶ緊張しているように見えた。表情がこわばっているように見えた。彼がどれだけ気合いを入れて今日に臨んでいるかはTwitterの投稿で十分すぎるほど分かっていたが、それにしてもおちゃらけた感じがなかった。ただ、歌声は安定していて音源と変わらなかった。『ニューアルバム』のジャケット写真の衣装だった。『HEAD』から始まって『名曲の作り方』など、前半は『ニューアルバム』の曲が多かった。曲を1コーラスだけ歌って次の曲につないでいく形が多かった。中だるみせずsmoothな展開だったが、欲を言えば『音楽ワルキューレ』はfull chorusで聴きたかった。イントロだけで終わっちゃったんですよ。めちゃくちゃ盛り上がったので、そこでぶった斬って『音楽ワルキューレ2』に移ってしまったのは惜しかった。

「セイホー」「ホー」というヒップホップの定型のやり取りは二回だけあったが、それ以外にDOTAMAが客に同じことを叫ばせたり同じ動きをさせたりして一体感を演出することはなかった。各々が自由に酔いしれて音楽に乗っていた。それが凄く心地よかった。みんながDOTAMAの音楽を大好きで、この瞬間を楽しんでいるんだという空気が充満していた。平和で楽しく気持ちのよい音楽空間だった。The Telephonesのドラム担当者とベース担当者が助っ人として参加して3曲くらいやった後、説明がないまま出演者が引っ込んで、しばらく間があった。まだ時間がそれほどたっていなかったし、登場が予告されていたハハノシキュウもまだ出ていなかった。まだ終わりではないとみんな分かっていたと思うが、アンコールが起こった。客に軽妙なノリのよさがあって雰囲気がよかった。偽アンコールの後に出てきたハハノシキュウとDOTAMAのフリースタイルによる掛け合いが自由で面白かった。ハハノシキュウと同じステージに立つとDOTAMAがまともな常識人に見える。ハハノシキュウ最高。Tシャツ、パーカー、キャップと「8x8=49」の完全コーディネートだった。

DOTAMAのトークでは『ニューワンマン』という公演名を付けた理由の説明が一番印象に残った。曰くこの公演名は「常に新しいものに挑戦するのがヒップホップ。新しいフロー、新しいラップのやり方、新しいテーマ、新しいトラック…」というヒップホップ観に基づいているのだという。これはDOTAMAというヒップホップ・アーティストを理解する上で重要な発言だと思う。本人の口から聞くことが出来てよかった。私は正直『ニューアルバム』というアルバム名も『ニューワンマン』という公演名も好きではなかった。『無題』のような誰もが思いつく面白くない奇のてらい方だと思っていたからだ。しかしこれらの題名が上述したDOTAMAのヒップホップ観から来ているのだと知って非常に腑に落ちた。この公演を通して彼が一曲一曲に意味と思いを込めて真摯に音楽を作っているのを再認識した。どこまでも生真面目なMC。DOTAMAの話を聞きながら、私のヒップホップ観は何だろうと考えた。

22時3分に終演。これだけ楽しませてくれたコンサートのチケット代がわずか2,000円(終演と2,000円のえんで踏んでいる)。数十万円の売上にしかならないのが不憫である。利益となるとほぼゼロなのではないかと想像する。次回の公演では是非DOTAMAの顔がでかでかと印字された「DOTAMAのドタマTシャツ」を売り出してmake moneyしてほしいものである。OBAMAとDOTAMAで韻を踏めるのを利用して、OBAMAの顔のTシャツを引用したデザインに出来ないですかね。

2015年8月30日日曜日

MISSION 220 (2015-08-16)

7時半くらいに目が覚めた。今日はJuice=Juiceさんのコンサートを2公演観るために山口県の周南に移動しないといけない。正直なところ昨日のハロコンで大満足してお腹いっぱいなので、motivationは下がっている。3日間で4公演のコンサートを鑑賞するのは決して楽ではない。今日行くのは駅でいうと徳山というところだ。電車代節約のため行きは新幹線ではなく在来線で行くので、あまりもたもたしていられない。とはいえ大浴場での朝風呂は欠かせない。ホテルの近くにヤマト運輸があるのに昨日気付いていた。大きなカバンを家に送ることが出来れば、旅の残りがだいぶ楽になるだろう。incaseのバックパックに必要な物を入れて、karrimorの車輪付きカバンを明日の20時~21時着で家に送った。1,520円。その価値はある。最近読んだ小説『男たちは北へ』(風間一輝)で主人公が旅先から荷物を宅配便で家に送る場面があったのが印象に残っていて、自分もやりたいなと思っていた。

今日は1回目が12時半開場、13時開演。2回目が15時半開場、16時開演。会場の周南チキータまで徳山駅から徒歩で20分。11時半頃には徳山駅に着いていたい。昨日の晩にジョルダンのアプリで検索して下記の電車に乗ることを決めていた。

9時26分広島発
10時19分岩国着
(乗り換え)
10時20分岩国発
11時28分徳山着

路面電車を乗り間違えて余計な時間を食ったが、9時26分の数分前に広島駅に着いた。朝の目覚ましアラームも付けていなかったので、こんなにぴったりの時間に広島駅に着いたのは偶然である。1,660円の切符を買って9時26分の電車に乗るまでは予定通りだった。途中から様子がおかしくなってきた。電車が遅れたのではない。昨日食べた辛すぎるカレーの影響で胃腸が暴れ始めた。端的に言うとうんこがしたくて仕方がなくなったのである。私のこれまでの人生経験が、このまま我慢していたら漏らしてしまうという確信をもたらしてくれた。しまった。長時間の移動を伴う日の前日はもっとおとなしい物を食べておくべきだった。どこかで途中下車しなくてはならない。とはいえ岩国の前で下りると電車の本数が少ないのでJuice=Juiceの公演に間に合わなくなるかもしれない。それは避けたい。ジョルダンで検索すると10時20分の次の岩国発は10時43分でそれに乗ると11時50分に徳山に着くことが分かった。何とか岩国まで我慢した。本来乗るはずだった向かい側の電車を完全に無視しして階段を上がってトイレの印がある方の階段を下りると「50メートル先」という表示があって恨めしかった。幸いにもトイレ個室はすべて空いていて、難を逃れた。

11時50分に徳山駅に着いた。12時半開場とはいえ、その前に写真を買ったり、荷物を預けたりする必要があるし、開場時間の前から入場列を作り始めるのはよくあることなので早めに着いていたい。しかも初めての土地で道が分からない。ホームページには駅から徒歩20分と書いてあったが迷わずに20分でたどり着ける保証はない。だからタクシーを使った。運転手さんが親切ないい人で、彼との会話は先ほどまでの便意との戦いで殺伐とした心境になっていた私に安堵を与えてくれた。870円。コンサート会場前にタクシーで乗り付けるのは何だかVIP気分であった。誰も並んでいないグッズ列で日替わり写真の宮崎さん、宮本さん、金澤さん各500円を買った。写真をアルバムに収めた。前と後ろに大きく宮崎と印字されたピンクの研修生風Tシャツを、着ているColumbiaのTシャツの上からかぶった。財布を入れたTHE NORTH FACEのwaist bagは装着したままにして、incaseのバックパックを500円払って預けた。

1回目の整理番号は106番だったが番号の割には見やすい位置に立つことが出来た。4列目くらいだったかな。

金澤「グループの中で私がよく食べると思われがちだが最近ほかの4人の食欲が半端ない。一皿の料理がテーブルに運ばれると皆ハイエナのように食いつき1分以内になくなる。昨日も食べる前に済ませようとブログを打っていたらどんどん食事がなくなっていった。しかも同じ料理をもう一度頼む」
高木「ホルモンの味噌いためもう一つ!って」
金澤「同じ物をもう一皿ではなく二皿頼もうとする。(計)二皿にしようか、三皿にしようかと相談し合っている」
宮崎「一皿が30秒くらいでなくなる。塩ミノ(?)がおいしくって…(食べ過ぎで体型に)気を付けないといけないかな…(由加は大丈夫だよと金澤)」
金澤「ハロコン後の打ち上げでJuice=Juiceのテーブルは食べ物がすぐになくなるのでスタッフさんが(Juice=Juiceが遠慮して注文していないんだと思って)『頼んでいいんだよ?』と言ってくれるが、来てもすぐになくなっているだけ」

宮本「今は夏休みな訳ですが」
宮崎「ここにいる人たち(客)に夏休みがあるか分からないけどね」
宮本「夏休みの宿題って読書感想文が苦手か自由研究が苦手かに分かれる気がする」
宮崎、植村「?」
宮本「私はどちらかというと読書感想文が得意で自由研究が苦手」
宿題をちゃんとやらないだろうという嫌疑をかけられた植村。そんなことはない、一日でやると弁明。漢字や計算のドリルが苦手。「30ページとか何で?」
宮本「漢字ドリルを早く終わらせるために木偏だけを一気に書いて…」
宮崎「やったことはあるけどそれをやるとちゃんと覚えられないのでやめた(客から拍手)」
宿題をちゃんとやる人とやらない人が登場しますという振りで金澤と高木が合流。
金澤「私は意外とちゃんと提出しない。むしろ言い訳ばかりを考えていた。(家に忘れましたとか、と植村)家に忘れただと次の日に持ってこないといけないからダメ。何かに食べられたとか…」

高速握手会。一人目の金澤朋子さんに「俺も埼玉から来たよ」と言うと「ワオ、遠いのに!」と返してくれた。それを聞いていた二人目の高木紗友希が被せるように「ださいたま」と満面の笑みでディスってきたのが楽しかった。

2回目の整理番号は94番と1回目よりも少しよかったが、1回目よりもやや後ろでの鑑賞となった。それでも視界はそんなに悪くはなかった。宮崎由加さんがいつでも完璧だ。私の目に入るどの瞬間を切り取っても圧巻の美しさだ。宮崎さんをはじめとするJuice=Juiceメンバーの方々の輝かしいお姿を至近距離で目に焼き付けることが出来る幸せ。目と耳でJuice=Juiceの可憐で輝かしい姿と歌声を味わいながら鼻では発狂したようにフリコピする隣の紳士の体臭を嗅いでいると、脳がオタクの体臭とJuice=Juiceを関連付けて記憶してしまうのではないかと不安だった。

夜公演に関してはTwitterにもiPhoneにもほとんどメモが残っていないし、細かいことを覚えていない。周南チキータのスピーカーから出る音が大きすぎて、頭が痛くなっていた。昼公演の途中からややきつかったが、夜公演になると本格的につらくなっていた。耳栓をすればよかった…。しかも起きてからもみじ饅頭三つと水しか口にしていなかったので、力が出なかった。iPhoneに残っているメモとしては、宮崎さんの言葉として、
・今朝牛乳を300ml飲んだ。
・1回目と2回目の間にフルーツをたくさん食べた。
・今までは台風や体調不良があって全員でこの会場に立てなかったが今日は5人で立ててよかった。5人で立てるのは当たり前ではない。皆さんに来てもらえるのも当たり前ではない。
あとこれを書きながら思い出したが、終盤に宮本佳林が「今日は皆さんの熱気が凄くて汗をかいていて、会場も汗をかいてエアコンからポタポタ水がこぼれていて…」と言っていたのが遠回しに会場へのディスになっていて(もちろん本人に悪意はないだろうが)面白かった。1回目には客から見て左側の天井からケーブルが垂れ下がっていて、メンバーが台に上がって手を上げるとケーブルに手が触れていた。高木さんや植村さんはそれを気にしているのが分かった。おそらくメンバーの誰かがカイゼン要望を出したのだろう、2回目には天井にしっかり貼り付けられていた。老朽化が進んだ会場のようだ。

2回目に関しては体調のせいで途中から私の態度が怠惰になっていた。音がキンキン響く度に周南チキータの音を管理する担当者への憎悪が募っていた。ところが、最後の最後。終演後の高速握手会で最後の宮崎由加さんが私の宮崎Tシャツに気付いてくれて「わああ!」、一瞬間を置いて「ありがとう!」と、数秒のあいだ私を見て大きく喜んでくれたので、すべてが帳消しどころかいい思い出となった。つまり、宮崎由加さんが一番なのである。

2015年8月29日土曜日

DISCOVERY (2015-08-15)

8月15日に広島でハロコンが開催されるという事実を知ったのは4月4日だった。終戦記念日、広島、ハロコン。相当ドープな組み合わせだ。しかも今年は原爆ドーム(の元の建物)が出来て100周年らしい。広島を訪れるのにこれ以上のタイミングはないだろう。そう思ってチケットの先行申し込みに応募し無事に当選した。元々広島のことは好きだった。過去に二度来ていた。だから最初は広島旅行を兼ねてハロコンを観に行くかという軽い気持ちだった。しかしながらアップフロントが8月14日に広島でカントリー・ガールズのコンサート、8月16日に隣の山口県でJuice=Juiceのコンサートをぶち込んできたせいで、8月14日、15日、16日と三日連続でハロプロのコンサートに足を運ぶ羽目になった。気が付いたら三日分のチケットが手元にあったのである。旅行のついでのハロプロというつもりだったのが、ハロプロのための遠征のようになってしまったのである。

本当は大久野島に行くつもりだったんだよ、昨日。戦時下に毒ガスを製造していた島。『広島おさんぽマップ』によると当時は地図から消されていたらしい。今ではうさぎがたくさんいてうさぎ島と呼ばれている。非常に興味があった。ところが一昨日ジョルダン乗り換え案内で検索した結果、夕方までに広島市に戻ってくるのを考えると無理があることが分かった。不可能ではないがほぼ移動だけになってしまいそうだったので、断念した。次に広島に来たときは必ず大久野島に上陸したい。

ホテルの朝風呂が最高だった。風呂は夜に入るよりも朝に入る方が好きだ。これ以上ないくらいリラックス出来る。普段は夜に入るけど、旅先では夜は歯磨きだけを済ませて風呂は朝に入ることが多い。ホテルの大浴場で時間を気にせずゆっくりと朝風呂に浸かるのが旅行中の楽しみの一つだ。ホテルから歩いて平和記念公園。広島平和記念資料館。さすがに終戦記念日とあって資料館は混みすぎていて、落ち着いて見ることが出来なかった。小倉豊文『絶後の記録』823円を買った。原爆ドーム前の日陰に腰掛けて、水を飲みながら、しばらくぼーっとした。「茶の環」で抹茶満月1,620円を買った。抹茶満月というのは3年くらい前に人から貰って初めて食べて以来、非常に気に入っている抹茶バターケーキだ。東京だと日本橋の三越で売っている。昨日もこの店に来て「15周年・抹茶満月セット」という詰め合わせを友人夫妻に送っていた。2-3週間前に故郷の桃を14個送ってくれたお礼だ。2年前に広島に来たとき「南大門」という焼肉屋のランチが大当たりだったので再訪したが、開店時間の11時半に店に入ったところ既に満席だった上に何人も待っていたので諦めた。付近をさまよったところ気になる店がいくつかあった。「オンドルバン」という韓国料理店に入った。チョンゴル定食1,000円。辛味噌スープの中に豚肉、キムチ、キャベツ、卵、春雨など。

広島文化学園HBGホールまで歩いた。会場に着くといつもの安心する光景があった。様々な色のTシャツを着たオタクたちがたむろしている。グッズ列に並び、日替わり写真の田村さん、岡井さん、宮崎さん各500円を購入した。14時32分。A5写真専用のアルバムに納めた。会場付近でうんこ座りをしてカップラーメンをすすっているオタクがいた。そんなのばっか食うから体臭がきつくなるんだよと思いながら通り過ぎた。外にはアンオフィの露店があって、広島でも売っているのかと感心した。田村さんの写真を買った。ハロコンは15時半開場、16時半開演。会場に併設されているカフェ&レストラン「RIVERS GARDEN」のドリンクバー510円で14時44分から1時間くらい時間を潰した。入場口が見える席だったが、15時半ぴったりに入場が始まっていた。席は決まっているし入場はサクサク進んでいるので、早く入っても意味はない。

私の席は16列目の通路側だった。右には工藤遥ファンの女の子と母親らしき女性。前にいた紳士が開演前からなぜか汗だくで嫌な予感がしていたのだが、開演するや否やサトウのご飯がレンジで温まるくらいの早さで臭いを発するようになった。何かアボカドのようなスメルだった。16列目は前方の通路を挟んで4列目だった。恒例となったメンバーによる通路へのいわゆる降臨によって、相川、福田、中島を近くで見ることが出来た。相川さんの動きがふにゃふにゃしていて面白かった。

司会のまこと氏が登場したとき、そうか、まこと氏もこの仕事のためにわざわざ地方に遠征しているのか、と失礼ながら思った。

今ツアーが最後のハロコンとなるアンジュルム福田が、岡井、矢島の二人とトークするセグメントがあった。
福田「ハロコンの風物詩といえばリハーサル。先輩の前で新曲を披露するのが緊張する。私は℃-uteさんをキッズの頃から応援してきたアイドルオタク。先輩同士が私を見てこちょこちょ喋っていると『何こいつ、顔赤くてキモい』とか言われているんじゃないかと気になってさらに赤くなる。地獄」
岡井「ZYXの頃は松浦亜弥さんがいたんだよ(福田、悶絶)。それに比べれば℃-uteなんてまだ緊張しない」
矢島「これからも後輩のリハーサルを見ていきたい」
福田「見守ってやってください(観客、温かい拍手)」

℃-uteと一緒に踊ろうという唐突なセグメントは滑っていた。最初は何となく乗っていている人もいたが途中からほとんど誰もやっていなかった。

コンサートの感想を一言で表すと、くそ楽しかった。今まで自分にとってハロコンはどちらかというと一歩引いて観察するタイプのコンサートだったが今日の公演に関しては℃-uteの単独コンサート並に熱くなった。後半の盛り上がる曲の畳み掛けが最高だった。『大器晩成』で飛んだときに踏み外して前の列に一瞬はみ出してしまった。ハロプロの構成員たちが総勢56人(たしかまこと氏がそう言っていた)でこれでもかというくらい代わる代わる攻めてくる。先週中野で観たCHALLENGER公演も楽しかったが、広島のDISCOVERY公演に関しては単に楽しいを通り越して完全燃焼した感さえある。終戦記念日に広島でハロコンを楽しむという旅の目的を、最高の形で達成できた。これ以上の平和式典はない。

夜は「ナーナック」というインド料理店に入った。パンジャビセット2,138円。タンドリー料理とナンとカレー(たしか選択肢が三つあって、チキンマサラを選んだ)とラッシー。激辛を頼んだら、痛みを伴う辛さだった。辛いのは好きだが、辛ければ辛いほどいいという訳ではない。辛すぎると他の味が分からなくなる。何とか完食。
「思ったより辛かったです」
「そうでしたか?」
「でもおいしかったです」
「よかったです。コックさんが『水無しで激辛を食べてる』ってびっくりしてました」
若い女性の店員だった。旅の記念にレシートを貰った。コンビニで水と200円くらいのチョコレート味アイスを買って、ホテルに戻った。

2015年8月27日木曜日

カントリー・ガールズ コンサートツアー2015 (2015-08-14)

週末に池袋の四川料理屋「楊」で汁なし担々麺800円を食べることを生き甲斐の一つにしている私が、同料理が広島のご当地グルメの一つに数えられていると聞いて黙っていられるはずがなかった。広島旅行の間に絶対に一度は口にしなくてはならない。この旅のために買ったガイドブックである『広島おさんぽマップ』680円でもお好み焼き同様に見開きで大々的に取り上げられている。「キング軒」というのがホテルから近そうだ。ここにしよう。意気込んで乗り込んだところ、16日まで休みであるという知らせが貼ってあった。来た道を戻って、20-30分歩いて「中華そば くにまつ」という店にたどり着いた。10人くらいの行列が出来ている。ガイドブックによるとこの店が広島における汁なし担々麺流行の火付け役らしい。並んでいると後ろで男が女になぞなぞを立て続けに出していた。私も答えを考えたのだがほとんど分からなかった。頭が固くなったのだろうか? 子供の頃はもう少し出来た気がする。

「くにまつ」は食券制だった。辛さは基本1辛~4辛で、その上下に辛さゼロと激辛がある。四川料理愛好家である私は辛さへの耐性にある程度は自信があったので3辛にした。それなりに空腹だったので大盛りにした。660円。結構安い。実際食べてみると、思っていたよりもmildでパンチが弱い味だった。テーブルの唐辛子をドバドバかけた。それでも普段食べている「楊」の汁なし担々麺の方が辛かった。隣の客は同伴者に「1辛でも辛い」と言っていた。店を出たのが大体13時半だった。並んで食べるほどのものではない。

今日はカントリー・ガールズのコンサートを観に行く。彼女たちは昼間に広島駅前でシングルの販促イベントをやっていたのだが、私はアイドルオタクではないのでそちらには顔を出さずコンサートのみを鑑賞する。会場の広島クラブクアトロはPARCOの中だった。念のため、エレベーターでその階まで上がって場所を確認した。18時会場、18時半開演だからまだ時間に余裕はあるが、それまでに色んなところを動き回ることはしない。昨日、宮島の弥山を登って消耗したので今日は軽めの日にしたいのだ。ブログを更新したくてしょうがなかった。PARCO近くのサンマルクカフェでホットのベトナム珈琲345円を飲みながら書いた。8月9日に中野で観たハロコンの記事だ。ポメラで書いて、QRコードをiPhoneで読みとって、Bloggerのアプリから記事を投稿した。よく集中できた。すがすがしい気分だ。音楽を聴いたり映画を観たりすることで同じ気持ちを得ることは出来ない。自分で何かを作ることでしか得られない満足感がある。自己満足だが仕事ではないのでそれでいい。

15時半くらいにサンマルクを出た。Twitterを見るとグッズ販売が既に始まっている模様だったので、会場に向かった。一つ前の記事で書いたように私は8月9日に中野で観たハロコンで、カントリー・ガールズの中では稲場さんを推すことに決めたので、日替わり写真の稲場さん500円と、2L写真part. 1の稲場さん500円を購入した。17時前にロッカーが開放されたのでカバンを預けた。同じPARCO内にあるタワレコを物色した。収穫としてはGoGo Penguinという集団を知った。ジャズに根を張ったプログレッシブな音楽という私の最近の嗜好に合致していそうなのである。1st album “Fanfare”を買った。fox capture planが好きな人にお勧め!という売り文句を店の棚に書かれるとこっちは弱い。商品に貼ってある値札は1,700円台だったが店員氏がバーコードをスキャンしたところ2,500円台の値段が出てきてそのまま黙っていたら高い方の値段で会計を済まされるところだった。指摘したら安い方でレジを打ってくれた。油断出来ない。

17時45分すぎになると、客同士で番号を確認し合って2列で番号順に並べという雑な指示がクアトロ人員から下された。クアトロ人員というよりは、正確に言うとCANDY PROMOTIONという会社の従業員だった。社名の入った何かを身に付けていた。ネットで調べたところこの会場の収容人数は800人らしいがもしこんな指示で800人が勝手に整然と並んでくれるなら日本人は規律正しいにも程がある。と思ったがさすがにそれで投げっぱなしということはなくて、係員が番号を呼び上げて細かく列を作っていた。非常階段に客を並ばせていた。18時には列が200番台になっていた。私は272番だった。いまいちな番号だなと思っていたが、さっき近くでオタクがもう一人のオタクに「300番台のチケットが2万円で出ているらしいよ」(おそらくオークション)と話しているのを聞き、この番号でチケットを取れているだけでも恵まれているのかもしれない、と認識を改めた。18時17分頃に入場した。周りのオタク同士の会話によるとチケットは300番台くらいまでしか出ていなかったようだ。

公演を通して何にも増して印象に残ったのは、小関舞だ。彼女は喉の調子が悪く声が出せないため、歌も喋りもなしだった。それでもいっさい申し訳なさそうでもつらそうでもなく、むしろ普段以上に(そんなに普段を知らないが)堂々としているように見えた。過去に怪我や体調不良で十分な力を発揮できない子は何人か見てきたが、ここまで悲壮感のないパフォーマンスと立ち居振る舞いの子は初めて見た。この子はamazingだ。感銘を受けた。

嗣永曰く、今日メンバーの昼食はあなご飯だった。一昨日カントリー・ガールズとスタッフのLINEに「突然ですが皆さんはあなごは食べられますか?」という質問。仕事のアレルギー調査だと思って「お疲れさまです。あなごの件ですが嗣永は大丈夫です。何卒宜しくお願いします」と返した嗣永。山木はあなごを食べたことがないので分かりませんと回答。食べてみたらおいしかった。今日は山木のあなご記念日だねと嗣永。苦笑して何だそれと首を傾げる山木。

森戸知沙希が冒頭で意気込みを語る際、コンサートがうまくいったらご褒美にもみじ饅頭を食べたいですと言った。その後にスタッフが買いに行ったことを嗣永桃子さんに知らされて飛び跳ねて喜んでいる森戸さんを見て、何のご褒美でもないのに昨日一日で4個食べた私はやや罪悪感を覚えた。

嗣永桃子がいることでトークがとことん円滑で愉快になる。面白かった場面を思い返すとほとんど嗣永が絡んでいる。森戸がもみじ饅頭を食べたことがないと言うと「買ってあげるよという人は?」と客に投げかける。当然、はーいと大半のオタクが手を挙げる。「教育上よくないから」と笑いを誘う。終盤のMCでも客に「皆さんずっと楽しそうにニヤニヤしていて」と言って稲場らから「ニコニコですよ」という突っ込みを引き出す。

夕飯は「若貴」でお好み焼きスペシャル1,200円。ハイボールとライチサワーを飲んで、2,052円。ほろ酔いで、いい気分だ。コンビニで水と濃密ギリシャヨーグルトを買ってホテルに戻った。念のため会社のiPhoneを持って来ているのだが、会社のメールなんてどうでもいいわという気になっていて、旅行に出てから一度も仕事のメールを確認していない。それだけリフレッシュ出来ているということだし、これが大事なんだろうと思う。

今日から2泊するホテルは、立地が最高なのだがやたらと宿泊客が多そうだ。エレベーターはボタンを押しても一向に来ない。あてにしていたコインランドリーは洗濯機と乾燥機が4台ずつあるのだがすべて埋まっているし1台だけ空きそうな洗濯機はふくよかな淑女が先にブロックしていて「次は私です」と牽制してきた。「そうですか」と言って私は引き返した。歯だけ磨いて、風呂には入らずに寝た。

2015年8月14日金曜日

CHALLENGER (2015-08-09)

汗ばまない程度の陽気。夏はこれくらいが上限であって欲しい。来週の広島旅行でもこれくらいの気候であればかなり動き回れるのだが。13時過ぎにハロコン会場の中野サンプラザに着いたところ、グッズ列が思ったより短くて、会場内の階段に収まっていた。日替わりA5写真の田村さん500円と、コレクション生写真2枚1,000円を購入。生写真はこぶしファクトリー井上とJuice=Juiceの植村が当たった。どっちも「暑中お見舞い申し上げます」と書いてあったような気がする。気がするというのは一瞥してすぐに袋にしまったからだ。田村芽実の写真と交換することしか頭にない。会場近くのテントがオタク同士の交換場所になっていた。入るや否やすぐに体格のいい紳士に声をかけられた。
「何かお探しですか?」
「はい。コレクション生写真の田村さんが欲しくて、持っているのがこぶし井上とJuiceのうえむー」
井上玲音は名字で呼び捨てたのに対して植村あかりのことはうえむーと愛称で呼んだ。こぶしファクトリー単独の現場には(ミュージカル“Week End Survivor”を除けば)一度も行ったことがないし井上氏のことはおはスタに出ているらしいという程度の知識しかないのに対して、Juice=Juiceに関してはイベントや単独コンサートを何公演か観に行ったことがあるしラジオ番組“We are Juice=Juice”を毎週聴いているという差が自然と私の態度に表れているのである。
「めいめいですよね?」
「はい」
私が田村芽実のことをめいめいではなく田村さんと言ったのは彼女に対する気持ちの相当部分が敬意であって、簡単に愛称で呼ぶことがはばかられるからである。とは言ってもコンサート中にめいめいと叫ぶことにためらいはない。
その紳士が奥で商品を管理している部下のような男に確認させると、あまり芳しくない反応。どうも田村さんの写真は数が少ないらしい。
「最悪2枚1枚でもいいですか?」
「いいっすよ」
結局、私が先ほど買った2枚と、田村さんの写真1枚との交換になった。強いトレーディング・カードを手に入れた気分。

L判のコレクション生写真はビニールのスリーブと折れ曲がりを防ぐ厚紙が付いてくる。だからそのままカバンに入れても問題ない。日替わりA5写真はA4の半分という大きさにも関わらず厚紙を付けてくれない。取り扱いに失敗すればすぐに折れ曲がってしまうだろう。私の今日のカバンには入らない。A5写真を買う度に、保護する入れ物を持ってくればよかったと思うのだが、私はアイドルオタクではなくライトなファンであり写真の購入頻度が低いため、忘れてしまうのだ。田村氏の写真を入手した時点で13時半すぎだった。喫茶店に入ることも考えたが、開場が14時、開演が15時(私は3公演やるうちの真ん中の公演だけを観る)だったので本屋をぶらぶら見るだけで時間は潰れた。開演前に、近くの席にいた女性がA4サイズのプラスチックで出来た硬い入れ物に写真類を収納していた。私に必要なのはあれだ、と思った。

私の席は1F17列の中央付近だった。一つ前の16列に所謂アンオフィ(コンサート会場の近くで非公式の業者が販売している出所の謎な写真。8枚組で1,000円。公式の写真より質が高く値段も良心的)の撮影者とおぼしき不審な紳士がいた。黒いパンツに黒いSTUSSYのTシャツにTHE NORTH FACEのウエストポーチ。短髪に黒いキャップ。50歳くらいか。公演前から何か変な雰囲気を漂わせていた。明らかにコンサートそのものにもハロプロにも興味がなさそうだった。何かの布ですっぽり覆っていたけど明らかにキャメラで写真を撮っていた。別に私はアンオフィの業者を糾弾するつもりはなく、高品質な写真を良心的な価格で提供し続けて欲しいとしか願っていない。私からすると正直彼らのおかげで助かっている側だし、鑑賞の妨げになっている訳ではないので積極的に咎める理由はない。

実のところ、目の前の席でSTUSSYが撮影しているのに途中まで気付かないほど私の意識はステージに釘付けになっていた。眼が二つだけでは追いきれない情報量の多さがハロコンの魅力だ。ステージ中央で曲を披露するユニットがいれば、横のひな檀で思い思いのやり方で曲に乗ったり隣の子とふざけ合ったりじゃれ合ったりする子たちがいる。カントリーガールズの『わかっているのにごめんね』の最初と最後の台詞部分を真似し合う岡井千聖と鈴木愛理。岡井が「若いっていいわねえ」のくだりを前にいた研修生の子に向かって言っていた。一部の曲ではメンバーが通路に現れることもある。いくらでもある見所の中から、その場その場で自分なりに焦点を絞ってじっくりと観察する。飽きない。

ハロプロ研修生の中に加賀楓と一岡伶奈を見つけたときの「君たちはまだここにいたんですね」感。他の研修生たちが続々とデビューする中、取り残されてしまった感。これから加賀さんと一岡さんがデビュー出来る可能性はおそらく低いだろう。どうするのか。そんなことを考えると研修生たちの歌唱や踊りに身が入らなかった。研修生はこぶしファクトリーとつばきファクトリーが抜けたことでだいぶ小粒になった。他のユニットとはだいぶ差がある。こぶしの面々がまだいた頃はオールスターという感じで凄かった。

こぶしファクトリーの『ラーメン大好き小泉さんの唄』が事前に“The Girls Live”で観ていた通りに癖になる面白い曲で、楽しかった。「麺上げて! 湯を切って! ラーメン大好き小泉さん!」とこぶしたちが唄って観客が同じ言葉を繰り返すというのが2回続けてあるのだが、2回目は1回目に比べて歌唱のリズムをずらしてあって、いきなりやるには少し難しい。2回目に私たち観客はどっちのリズムで返すのか。おそらく歌唱と同じリズムで返すのが正解なんだろうが、みんなが付いてこられるリズムではない。

今日確信したのは、今ハロプロのユニットで一番旬なのはJuice=Juiceであるということだ。アイドル集団は、ただ新鮮なだけでは表現に深みが出ないし、熟練しているだけでは面白味がない。その両方をどれだけ兼ね備えているかが大事だ。今のJuice=Juiceは、新鮮さと円熟味を掛け合わせたときに現在のハロプロで最も点数が高い集団だ(実際に点数を出して計算した訳ではない)。びっくりするくらい華があった。思わず乗せられてしまう宮本佳林の力強く迷いのない煽り。可愛すぎる宮崎由加。自信と喜びに満ちたパフォーマンス。デビューしたばかりで新鮮なのはこぶしファクトリー、カントリーガールズ、つばきファクトリー。一方で圧倒的な熟練を誇るのが℃-ute。℃-uteは、今日に限っては何だかつまらなかった。

途中のトーク。金澤と和田。二人とも耳フェチ。金澤は薄くて女性らしい耳、和田は福耳が好み。それぞれ画像をスクリーンに写して解説。
金澤:ハロプロで一番理想に近い耳を持っているのが宮本佳林。自分にあの耳が欲しい。
和田:理想の耳を持つのは仏像。前のめりになって仏像の耳の特徴や魅力を語り始めるが「仏像の話はまた後で・・・」とまことに遮られ終了。

最後に、個人に着目すると、今節最大の発見は、稲場愛香である。引き付けられた。仕草、表情、声。何と言っても、踊り。ハロプロダンス部ではバッキバキの動きで振り付けにも分かりやすい派手さがあったが、『ためらいサマータイム』のゆっくりしたテンポの控えめな振り付けでもこんなに存在感を示せるのか!と驚いた。とにかく目を離せなかった。来週、広島でカントリーガールズのコンサートを観るが、まなかん推しで行くことに決めた。

2015年7月25日土曜日

COVERMIND 360° SESSION (2015-07-12)

遅めの昼食と待ち合わせまでの時間潰しを兼ねて「らんぶる」に入った。新宿を訪れたら高確率で利用する喫茶店だ。ピザトーストのセットを頼んだ。セットという言葉を日本では定食のような意味で使うが英語圏ではこの用法は通じない。先日Twitterを見ていたら英語圏でハンバーガーのsetを頼んだらハンバーガーが二つ来たという話が回ってきた。日本語でいうセットのことはmealと言うらしい。それはともかく「らんぶる」のピザトーストは高く評価できる。具は少ないけどね。サラミでも乗っていたら完璧なんだけど。タバスコをこれでもかとかけて食べる。串カツがソースを味わうためにあるのと同様、ピザトーストはタバスコを味わうためにある。食後のコーヒーを飲みながら入り口の方に目をやると何人かが並んでいた。950円の会計を済ませて新宿ロフトに向かった。fox capture plan、日本語にするとキツネ捕獲計画という名前の集団のライブ演奏を聴きに行くのだ。今日は大学時代からの友人と一緒だ。

このブログにはほぼハロプロの現場に行った記録しか書いていないのでまるでアイドルオタクのように見えるかも知れない。それは大きな誤解で、私は音楽愛好家なのである。以前の記事にも書いた通りである。いつでもドープな音楽を探し続けているんだ。2014年の12月だった。私が信頼しているTwitterの某アカウントがbohemianvoodooという集団の新しいアルバムを勧めていたので買ってみた。気に入ったので過去作をディグっていったところ、同じPlaywrightというレーベルの仲間であるfox capture planと共同で出したcolor & monochromeというミニアルバムに出会った。それがきっかけでfox capture planの虜になった。彼らが出してきたアルバムをすべて揃えた。もっとも7月8日に発売したCOVERMINDは7月15日に発売するJuice=Juiceの“First Squeeze!”と一緒にタワレコから届くのでまだ持っていない。

普段、新宿は好きで来る場所ではない。むしろ苦手だ。新宿ロフトを探し当てるまでに歌舞伎町をうろうろしている間、サイレンを鳴らしたパトカーが私の横を通ってからラブホテルの前で止まったし、目の前に人が飛び出してきたと思ったらベロンベロンに酔っぱらった女だった。ホストクラブの従業員らしき男が介抱していた。普通に歩いているだけでそういう光景に出くわすので疲弊する。Google Mapの力を借りたにも関わらず新宿ロフトを見つけるのには難儀した。女性が客として来るタイプの水商売の店やガールズバーばかりが入居したビルヂングの地下2階だった。まさかここだとは思わなかった。凄い場所にあるなというのが率直な感想だ。おかしいな…この辺りのはずなんだけど、と思いながら付近を何周もしていた。新宿ロフトのすぐ側には「客引きは詐欺の手先です! 料金システムの何十倍も取られます」という新宿警察署による看板が立っていた。この周辺の空気を肌で感じたことによって、以前YouTubeで見たMCバトルで晋平太がGOLBYに向けた「そこどうだよ新宿ロフト お前はただの韻踏むホスト」というフレーズの味わいが理解できた気がする。歌舞伎町のど真ん中にあるホストクラブだらけの建物の地下に新宿ロフトがあるという事実を知らないとあれはただの韻のための韻に聞こえてしまう。

事前にメールでチケットを確保してある。当日に前売り料金(3,300円/1枚)で引き替えることになっていた。16時半頃に会場に行ったら引き替えは開演30分前からだとスタッフの男性に言われたので17時まで待った。コンビニに入ろうとしたらラッパーの輪入道のような風体の紳士が出てきて気が抜けなかった。店内にレッドブルが大量に陳列してあるのに土地柄を感じた。そろそろ17時かなというタイミングで、もうチケット引き替え出来ますよと先ほどのスタッフが声をかけてくれた。6,600円を払って二人のチケットを入手。整理番号58番と59番だった。17時半開場、18時半開演のはずだったが実際にはそれより前に入場が始まっていた。17時29分になってもまだ友人が来ないので電話をかけた。近くまで来ているが少し迷っているとのことだった。水商売の店ばかりが入ったビルだと言うと程なくして到着した。既に前売り券の所持者は全員が入れるようになっていた。当日券組の入場が始まる前に何とか滑り込むことが出来た。

こういう会場で必ず強制的に買わされる500円のドリンクチケットは大抵の場合は水と交換するか、使わないことが多い。大体、ギッチギチに客が入った立ち見会場でゆっくり何かを飲む余裕なんてない。でも今日は違った。会場がやたらと素晴らしいんだ。どう素晴らしいかっていうと、中心にフォックスキャプチャーたちの演奏場所が設置されていて、それを客が取り囲む。段差がないし柵もない。驚くほどに近い。最前列なら手を伸ばせば届く。警備員もいないのでナイフがあれば襲撃して刺すことも可能な距離だ。今回は“COVEREMIND 360°SESSION”といってfox capture planの周りを客が360°取り囲むというコンセプトだとは読んでいたが、どんなもんなのか想像がつかなかった。しかも客を無理に詰め込んでいなくて、ゆとりがある。私たちの整理番号58と59が前売りのほぼ最後で、当日券はそんなにたくさん出さなかったはずだからおそらく100人以下。少人数の観客で、物凄い近さで、最高の集団による演奏を楽しめる。開演前から既に最高の時間になることが保証されていた。話をドリンクに戻すと、私はジンライムを注文した。友人はビールを頼んだ。一番後ろ(と言っても十分に近い)でちびちびやりながら友人と色んな話をした。アルコールが少しずつ回ってきて気分がよくなってきた。

奴ら(fox capture plan)が12分遅れの18時42分に登場した頃にはジンライムで私の頭がいい感じに麻痺していた。ハロプロの現場では出演者たちのダンスと表情、ふともも等を脳裏に焼き付けるのが極めて重要だが、fox capture plan相手ではそこに神経を使う必要がないので、多くの時間帯で目をつぶってただ音に身を任せた。気持ちよすぎた。酒がちょっと入った状態で聴く音楽ってのがまた別格なんだよね。(別格と言えば、別格希少珈琲という220円もするKIRINの缶コーヒーは期待外れだった。)出来ればハロプロの現場でも少し酒を飲んで臨みたいと思った。最高すぎた。当たり前だがiPodで聴くのとは臨場感が違いすぎた。まだ聴いていない“COVERMIND”の曲群を先にライブ演奏で堪能するという贅沢。浸った。MCで主に喋っていたピアノ氏をはじめとして、MCで垣間見るfox capture planの人間性に好感を持った。彼らは私と同年代であることを知り親近感を覚えた。「これが最後の曲です」と言うと観客はお約束のエーイング。すると即座に「えーじゃねえよ!!」とピアノ氏がキレたのが面白かった。どうやら恒例のネタっぽい。今日はアットホームな会場のつくりだとfoxの構成員たちは何度か口にしていた。タイトで熱い演奏とほのぼのとした喋りの緊張と緩和が、心地よかった。客に取り囲まれているので出るに出られないということで、アンコールの拍手を受けると一度裏に引っ込んでからの再登場ではなく、その場で追加演奏をしていた。

新宿歌舞伎町で私が知る唯一のリアルな飲食店である四川料理屋「川香苑」で友人と夕食。もしかすると入れないかもと思ったが意外と空いていた。麻婆豆腐、豆腐と豚肉と野菜の炒め物、ワンタンを頼んだ。360° SESSIONの感想戦の他、音楽の話をたくさんした。これだけ詳しく音楽の話を出来る友人は彼しかいない。fox capture planが好きなら、ということでquasimodeとJazztronikを勧めてくれた。いずれ聴く。quasimodeというのは名前だけ印象に残っていた。というのがMadlibの変名であるQuasimotoのアルバム2枚は聴き込んだからだ(3枚目は数回しか聴いていない)。何か似た名前のグループがあるんだな程度には気になっていた。

fox capture planは非常にドープな人たちなので皆さんも是非チェックしてみてください。まず一枚聴くなら“BRIDGE”というアルバムを勧めます。

2015年6月17日水曜日

Future Departure (2015-06-11)

昼食を摂るために横浜駅近くにあるお気に入りの店に入った。いつも混んでいる人気店。平日なのに入るまで40分ほど待たされた。案内された席に腰掛けて注文を済ませると、近くの席にいた男女の会話が嫌でも耳に入ってきた。男が女の恋愛遍歴について詳しく聞き出していた。女曰く前の彼氏は某有名企業に勤める30代の男だったが、社員かと思っていたらアルバイトであることが付き合い始めてから半年で発覚し、それが別れる一つのきっかけとなった。何か夢があってアルバイトをしているなら許せる。例えば芸人を目指しているけど今はそれだけでは食えないからバイトをしているということであれば問題ない。でも彼にはそういう目標がなかった。バイトをやめて正社員の働き口を探すからそれが決まったら結婚しようと言ってきたが、アタシには結婚願望がないので乗り気にならなかった。しかも就活がうまく行かなかったらしく、一ヶ月後にはまた週6でバイトをやり始めた。は? あり得ない。就活するって決めたんならちゃんとやれよって思った。そういったいくつかのすれ違いが重なって別れた。というところで電話が鳴って女は席を立った。男はその間に会計を済ませた。食事を平らげてホットコーヒーを優雅に飲み干した私は、店を出て新横浜に向かった。今日、私が有休を取得したことで自分を含めて8人の出張日程が変更になった。そこまでしてでも絶対に行かなければならない現場がそこにはあったのである。℃-uteにとって初めての横浜アリーナ公演だ。

この横浜アリーナ公演はツアーの千秋楽だったが、私が観に行った川口公演と比べるとセットリストが大幅に変更されていた。開演するとモニターに最新シングルから新しい順に今までのシングルのビデオクリップが数秒ずつ流れて、インディーズの2nd(『即 抱きしめて』)...と来たところで℃-uteが登場し、最初のシングル『まっさらブルージーンズ』を歌い出すという始まり方が、熱すぎた。涙が出てきた。何かのアニメのキャプチャ画像で緑のサイリウムを持って泣いているおっさんの画像を見たことがあるが、私がまさにあんな感じだった。入場前に喫茶店を探して新横浜の町を歩いていたときに、一曲目が『まっさらブルージーンズ』だったらいいなという考えが唐突に頭に浮かんでいた。Twitterにもそう書いていた。それが現実になったときの感情の高ぶりといったら、もう。そのままMCを挟まず、リリース順に、メジャーデビュー曲の『桜チラリ』までの5曲が披露された。曲が切り替わる度に会場はどよめきと高揚感に包まれた。おー、そう来るかって感じだった。

The Future Departureという、過去との決別を思わせるツアー名でありながら、その千秋楽にて冒頭から昔の曲をこれでもかと畳み掛けてきた。しかも2012年にセルフカバーしたときの新しい編曲ではなく、元の編曲だったんだ。10年やってきたけど私たちは変わらないんだという力強さを感じた。2015年6月11日は℃-ute結成10周年の日なんだ。普段はそこまでセットリストのことを気にしないのだが、今日に関しては選曲にあたってメンバーたちやスタッフが込めたであろう思いについて考えざるを得なかった。変わり種としては“Flash Dance”のカバーが面白かった。彼女たちは英語がしゃべれる訳ではないのでつぶさに聴けばpronunciationは危なっかしそうだが、日本語で歌うときと同じように堂々としていた。What a feeling...のユニゾンがとてもきれいで、たまらなかった。私はこの歌をニュージーランドに住んでいた頃に音楽の授業で歌っていたので、懐かしく、嬉しくなった。

これまでの彼女たちの人生で一番の晴れ舞台だったが、℃-uteさんは落ち着いているように見えた。実際には普段以上に緊張していたのだろうが目に見えてパフォーマンスが乱れることはなかった。横浜アリーナが初めてとはいえ、武道館を何度も経験しているのである。何かの曲で歌のタイミングを外した萩原舞の後に完璧にテンポを取り戻す鈴木愛理の技術と落ち着きに感嘆。本編最後の『たどりついた女戦士』では中島早貴を筆頭にみんな完全に泣いていた。その光景はただ美しかった。極めつけは最後に全員が泣きじゃくりながら肩を組んで歌い上げた『我武者LIFE』。「もう誰一人も欠けないで」と岡井千聖が心の叫びをあげたところは名場面として語り継がれるであろう。何列か前にいた女オタクも号泣していた。

岡井千聖はいつもながら具体的な金額や数字を出して言いたいことを伝えるのが面白い。本編中のトーク。

萩原「ハロプロに入った頃アイドルの掟みたいな紙が配られた。例えばタンクトップは着てはいけません(露出が多いので)とか、アクセサリーは高校生になってからとか、MDプレイヤーを買ってくださいとか」
岡井「当時MDプレイヤーは一番安くて1万5千円くらいした。そんな高いものうちでは買えないと思った」
萩原「ビデオテープに名前を書いて『お願いします!』と会社の人に渡していた」
岡井「ビデオテープは1本300円、それを毎日。破産するかと思った。家の水道止まった」
記録媒体の進化でテープ持参が不要になったときは出世したと思ったと岡井。

岡井千聖はアンコール後のトークでも金額を出して話をしていた。「最近妹と弟がバイトを始めた。夜勤とか大変。それでも時給は900円とか800円。℃-uteのチケットは7,000円くらい。皆さんはそんなお金を℃-uteのチケット1枚に使ってくれている。働いている人はもう少し(時給が)高いかもしれないけど。このコンサートに来るために有休を取ってくれたり、無理矢理来てくれたり。℃-uteがそんな存在になれているのが凄い。(もう嫌だ...と言って泣きじゃくる。頑張れとメンバーが励ます)普段泣かないのに。千聖のことを泣かすのはパパと皆さんくらいですよ」

「私たちは℃-uteを好きで、℃-uteを応援してくれる皆さんのことが好きだからここまでやって来られている」という岡井千聖のしみじみとした語り口。一時的な高揚感やアイドルとしての職業意識から生まれる「みんな大好き」とは違う重みがあった。
「私たちは℃-uteのことが好きで、℃-uteのことを応援してくれる人のことも好きだからここまでやって来られている」という彼女の言葉には嘘がないと感じた。

「℃-uteにはまだまだ夢があります。最近、色々なことがあって不安な方もいると思いますが、まだまだ突っ走って行きます。置いて行かれないように付いてきてください」というようなことを、矢島リーダーが言った。色々なことというのは主にBerryz工房の活動停止を念頭に置いているのだろう。ずっしり来る決意表明だった。℃-uteはまだまだ続く。オタクはそれに付いて行く。2015年6月11日は、℃-uteとオタクの間でその契りが交わされた重要な一日であった。

私の席はアリーナのEブロックだったのだが、周りのオタクたちは公演中にほとんど声を出しておらず、調子が狂った。アンコールも声を出していたのは一部だけだった。私は今ではある程度、現場慣れしているのだが、最初の頃は現場でどう振る舞っていいのかがいまいち分からなかったし、声を出すのは恥ずかしかった。たぶんそういう人がたくさん来ていたんだと思う。会場がいつもより大きくなると、普段あまり来ていない人たちが来るんだということに気付いた。今後横浜アリーナで年に数回やるのが当たり前になっていけば、そういう人たちも現場慣れしていって、会場の一体感は確実に増すと思う。ただ、現場慣れしていない人をもっと巻き込んで、横浜アリーナ級の会場を最高潮に盛り上げ続けるには、仕掛けや演出にもう一工夫が必要なのではないかと思った。ラベンダーのギター担当者が二人登場し何曲か演奏していたのだが、曲にいつものオケとは違うgrooveが生まれ、非常によかった。『都会っ子 純情』冒頭の爆発にも興奮した。あともう一つか二つ、分かりやすいスパイスが欲しかった。今後さいたまスーパーアリーナ等のもっと大きい会場でやることを念頭に置くと、常連以外のオタクに現場慣れしてもらうだけでは不十分だ。曲をそれほど聴き込んでおらず、℃-uteのコンサートを初めて観に来た人でも思わずうわっと声を出して、帰り道に凄かったねと感想を言い合えるような工夫がもっとあればいい。℃-uteであればそんなコンサートが出来ると思うし、ハロプロでそれを出来るのは℃-uteしかいない。