2016年9月17日土曜日

℃-Fes!Part1 9月5日も℃-uteの日 at日本武道館(2016-09-05)

最近どうも体調が悪くてだるくて疲れが取れない。本を読んでも長く集中できず寝てしまう。夜中によく目が覚める。休日の外出を押さえて家で横になっていたらますますヘロヘロになって弱っていく。マッサージを受けても効果は薄かった。喉まで痛くなってきたときには風邪薬を飲んだら症状は和らいだ。だが、根底にある疲労感は風邪薬では治らなかった。ジムで走ったら幾分か楽になった。フットサルに参加して友人と絶品のインド料理をいただいたらもっとよくなった。心地よい筋肉痛が不調を忘れさせてくれている感覚がある。「売上はすべてを癒す」ならぬ「筋肉痛はすべてを癒す」である。今でもなるべく週に一度はジムで走っているが、筋肉痛がするくらいの運動も定期的にやっていかないといけないなと痛感している。

『筋トレが最強のソリューションである:マッチョ社長が教える究極の悩み解決法』という本がある。私は読んでいないのだが、著者のTwitter accountは前からフォローして見ている。本の題名と同様、とにかく筋トレをしろ、そうすればすべての問題は解決するというのを手を変え品を変え面白おかしく書いている。筋トレを「筋肉痛がするくらいの運動」と置き換えれば、あながち極論やジョークではないのかもしれない。ここ数年の私はあらゆる自己啓発書から距離を置いているので『筋トレが…』にも手は出していないのだが、読んでみようかな。

ブログの執筆が現場の2週間くらい後になることは今までもあったのだが、それは週末に現場が立て続いたため書く時間が捻出できなかったのが主な理由だった。今回の場合は、月曜の9月5日に現場があって、週末に予定はなかった。一度ベローチェに入ってまとまった時間を取ったのにあまり筆が進まなかった。書くということに入り込めなかった。乗ってこなかった。スウィングしなかった。自己満足の零細ブログとはいえ、一つ一つの記事には産みの苦しみがある。一定の時間、喫茶店にいれば最初はうまく書けないが途中からスイスイ進むいうのは過去に何度もあった。降りてくる瞬間というのがある。先週末は最後までその瞬間が訪れなかった。

執筆だけではなく、コンサートを観てそれをどう消化できるかも心身の調子にかかっている。コンサートは目で観るだけではない。耳で聴くだけでもない。身体全体で感じるものなんだ。それを実感した。コンサートやイベントやミュージカルや舞台を観てそれについてブログやTwitterに書くという行為は、その公演に関する感想や報告であると同時に、自分の心身が置かれている状態の告白でもある。同じ公演を同じ会場のほぼ同じ位置から観ていても、心身ともに良好な状態な人はさまざまな楽しさ、美しさ、愛しさを見出すことが出来る一方、激しい頭痛、腹痛と下痢に襲われている人にはそういったことはぼんやりとしか感じられないだろう。それどころかいつ抜け出してトイレに行こうかとか、早く終わってしまえというような考えで頭がいっぱいになっているかもしれない。9月5日(月)には有休を取っていた。土日と合わせると3連休だったので放っておいても元気満タンになっているだろうと、楽観的でいた。しかし前日からうっすらと頭が痛かった。

以下に記す内容は、先週末にベローチェで書いていたものの最後まで乗ってこなかった作りかけの文章をもう一度ひっぱり出して調理し直したものである。ジムでのジョグとフットサルを経ていない、今(9月17日)よりも弱っていて刺々しい状態の私が考えた、機嫌の悪い文章である。しかしながら、私の人生における9月5日の思考記録としては今の状態で書くよりもずっとリアルなのである。私はこのブログでなるべくそのときの主観的な気持ちや考えを残したいと思っているから、後知恵による大幅な修正は加えない。

2016年8月20日に解散を発表した℃-uteは、9月3日に広島で同グループとしては最後となるハロコンへの出演を果たした。現場で観ていた方々の声をTwitterで見るかぎりでは、感動的なコンサートだったようだ。開演前には℃-uteの『忘れたくない夏』が(℃-uteにも秘密で)流れ、本編の最後には通常のセットリストに含まれていない『がんばっちゃえ!』がハロプロメンバー全員で披露され、数多くのハロプロ構成員やハロプロ研修生たちは泣いていたらしい。終演後にモーニング娘。の工藤遥から手紙、アンジュルムからは写真アルバムが贈られたことが、℃-uteメンバーのブログには記されていた。私は現場にいた訳ではない。そんな人間の戯言であるのを承知の上で正直に言わせてもらえば、最後のハロコンの様子を知った私の胸には違和感が残った。もっとはっきり言えば、スポーツ新聞を通して解散を世の中に発表してからの℃-uteには少し白けている。解散という決断そのものについては、℃-uteとアップフロントの意向を尊重したいとしか思わない。こちらには知り得ない事情も多々あることだろう。それに関して外野から野次を飛ばすつもりはない。では、腕を組んで首を傾げたくなるこの感じの正体は何なのか?

第一に、決断の重さに対する、その後の展望の耐えられない軽さ。「女優」(矢島舞美)、「キャスターとかマルチタレント」(鈴木愛理)、「旅番組を持ちたい」(中島早貴)、「全力でバラエティーで生き残りたい」(岡井千聖)、「アパレル業界にかかわれたら」(萩原舞)というのが8月20日のスポーツ新聞に載った解散後の「夢」である。メンバーによって個人差はあれど、何なんだ、このふわっとした感じは。結成11年のグループの解散という衝撃的な発表と添えて発表するには、あまりにも生煮えで、ぼんやりしてはいないか。一つ一つに突っ込みを入れるのはやめておく。メンバーたちが独力で明確な展望を描けないのは仕方ない。それ以上に、彼女たちに次の具体的なポストを用意できない事務所がふがいない。奇跡のような存在である彼女たちをこれからどう生かしていくか会社としてまともな見識がなさそうだ。未来の展望がこれだけ軽いと、決断まで軽く感じられてしまうのだ(実際には軽い訳がないのだが)。

第二に、解散の宣言から終わりまでの長すぎる期間。最後の℃-uteの日を迎える前にファンに伝えたかったというのは理解できるが、まだ9ヶ月もあるのにもう終わっているような雰囲気を強く感じるのだ。最後のハロコンでの演出や後輩たちの涙、手紙、アルバムも、もう来月くらいに解散するのであればしっくり来る。解散が来年の6月となると、これからが消化試合のように思えてしまうのだ。もちろんご本人たちは私のような泡沫会社員とは違う次元にいるプロなので残りの活動を軽く流すというようなことは一切ないだろう。でも8月20日に℃-uteは解散を発表したのではなく、解散したんだと今の私は受け止めている。もちろんこれからも最後までコンサートを観に行かせてもらうつもりだし諸々のDVDや音源も引き続き買わせてもらう。だが、8月20日の前と後では、同じグループとして℃-uteを見ることは出来ない。

℃-uteの辞め方からは、若手会社員の退職に近いものを感じる。道重さゆみさんのようにアイドル(モーニング娘。)としてやれることをすべてやり切って、もう悔いがないから辞めるというのとは少し違う気がするのだ。もちろん℃-uteがハロプロに人生を捧げてきたことに変わりはないし、彼女たちがさまざまな偉業を成し遂げてきたことは言うまでもない。十分に長い間やってきたとも思う。でも、まだまだ上を目指す(その「上」が何を意味するかは不明瞭にしても)グループだと私は認識していたので、ここで走り終えちゃうんだという拍子抜け感はある。下書きのような軽い未来設計しか言えない状態で、9ヶ月前に解散を発表するという姿勢から強く伝わってくるのは、とにかく辞めたいという固い意志だ。20代後半の会社員が、部署の仕事を一通り覚えて仕事を一人で回せるようになってきたけど、一生この会社で終わりたくないし、この会社で課長や部長になりたいと思わないし、このままでは成長しないし、業界や職種を変えるなら年齢的に今が期限だし、というような理由で会社を辞めるのと雰囲気が似ている。で、そういう奴に何の業界で何の仕事をしたいのかと聞いても明確な回答は持っていないんだ。道重式と℃-ute式の、どちらがいいか悪いかの問題ではない。でも℃-uteの最後のコンサートは道重さゆみさんのときに比べてよくも悪くもあっさりした公演になると予想する。

℃-uteは常に、今まで出来なかったことを達成しようとするグループだった。コンサート・ツアー毎に新しい試みを取り入れてきた。今までに発売した全シングルを歌うという9月5日のセットリストは、それとは真逆を行くコンセプトだった。今まで積み上げてきた資産で、無難なコンサートを作り上げようという意図が感じられた。すべてのシングルを歌えば、大当たりでもなければ大外れでもないコンサートになるのは見えている。もちろん℃-uteの日というのはコンサート・ツアーとは別だから単純に比べることは出来ないが、℃-uteは早くも思い出づくりの段階に入っている、もうこのグループは明確に終わりつつあるんだな、と実感した。終わりつつあるというのは単に時期の問題ではなく、である。序盤にオリンピックのレスリング日本代表の吉田沙保里、伊調馨、登坂絵莉の三選手が登場したのも、(曲順は別として)事前に公表されたセットリストの驚きのなさを補いたいんだなと思った。(驚きと言えば、開演前に関係者席を見ていたらワンピースをお召しになった牧野真莉愛さんが席に向かうのが見えた。隣にいた同行者に伝えるために普段は牧野さんと言うのに不意に「まりあちゃん!」と言ってしまった。)吉田沙保里さんが登場した瞬間、私の頭にはMC松島さんの“I am Yoshida Saori”が流れた。(MC松島さんが吉田沙保里さんについて歌った曲だけを集めたミックステープ『#日本の宝』、無料で落とせるので聴いてみてください。)

以上はコンサートを観させてもらいながら、リアルタイムでは6年くらい前から見ている℃-uteというグループそのものの現状について、すぐれない体調で考えたことである。9月5日の℃-uteのパフォーマンスやコンサートそのものに否定的な見方をしているわけではない。それどころか、彼女たちの体型や容姿の仕上がり具合、歌唱とダンスの水準、過酷なセットリストをものともしない体力とコンサートを通しての安定感は巧の域だった。すべての曲がシングルだったので欠けるメンバーがいない。つまり彼女たちからすると休む暇がない。にも関わらず2時間45分の長丁場を完璧な笑顔で走り抜けた。ステイジ上の全員が本当に楽しそうだった。演出は比較的シンプルだったが、上から落ちてくる大量の風船をバンバン叩いて上に戻すのが童心に戻ったようで心が躍った。中島早貴さんがトークのときに客席に向かって「ちょっとみんな風船で遊ぶのやめて話を聞いて」と言っていたのには笑った。正直なところ序盤は曲がぶつ切れすぎて(『江戸の手毬歌II』の短さには客席がどよめいた程だった)あんまりよくないなと思ったが、中盤からはいつもの℃-uteコンサートらしい熱い空気になってきた。

2016年8月21日日曜日

Sunshine Parade (2016-08-20)

午前3時頃:またか。この時間に目が覚めた。枕元のiPhone 6sでTwitterを開くとよく話す人から@が来ていた。つい30分ほど前だ。ここでやり取りを始めると完全に覚醒して眠れなってしまうので、返事はしないでおく。ただ、どうもその人の様子が普通ではないのでTLを遡ってみた。「℃-ute解散」の文字が目に飛び込んできた。心臓がバクバクした。解散そのものはまったくの想定外ではない。むしろ最近の℃-uteからは終わりの始まりを何となく感じていた。でもこんな時間に何気なく開いたTwitterで、いきなりスポーツ新聞の画像が投下されて知らされるとは思いもよらなかった。不意打ちすぎた。記事には20日のハロコンでファンに発表すると書いてあった。

午前7時すぎ:二度目の目覚め。Twitterでは℃-ute解散の報道に気付いた人たちがどんどん増えていく。私は一度の睡眠を挟んでいるので、少し落ち着いている。今日のハロコンで発表するということは、最初の朝公演か。私が入るのは昼公演(14時45分開演)だ。発表の場に居合わせたいという気持ちが湧いてきた。HP(Hello! Project)の公式HP(Homepage)のハロコン日程を見たところ、今日は朝公演がなく、昼公演(14時45分~)と夜公演(18時半)の2回だけであることが分かった。つまり、私が観に行かせてもらう回こそが、今日の1公演目であり、℃-uteが解散を発表する公演なのだ。

午前8時すぎ:公式の発表文「℃-uteに関するお知らせ」を読む。2016年8月20日付けで、株式会社アップフロントプロモーションの代表取締役・西口猛と、℃-uteの名前で別々の文章が掲載されている。真っ先に思ったのが、会社としても℃-uteとしても、ファンにしっかりと向き合い、誠実に説明しているということだ。もちろん、この一つのページに書いてある文章ですべてのファンを納得させるのは無理だ。というか、どんな手段を使っても全員を納得させるのは無理だ。公式の発表としては必要十分な分量と内容だと私は感じた。広島「茶の環」で買った抹茶満月を少し食べて、シャワーを浴び、布団を畳み、部屋に掃除機をかけて、マイクロファイバーの雑巾でフローリングの床を拭いた。

午前11時半すぎ:電車でKダブシャインさんの『ザ ジャッジメントデイ』を聴く。「イエローモンキー→見栄も呑気→家六本木」「何もかもすべてが自動的→にうまく行ってると思い込み思考停止」「将来の給料で払わす商売→クレジットに縛られてく生涯→これって最初から決まってる勝敗」といった韻にしびれた。数年ぶりにケーダブのラップを聴いていいと思った。池袋「四季海岸」で火鍋をいただく。西武地下のTHE GARDENでコンサート前に飲む用の「マウントレーニア リッチカフェラッテ砂糖不使用」と、コンサート中に飲む用の「冴えるハーブと緑茶」を買う。

午後12時55分頃:中野サンプラザ前に着く。グッズ列の左に人の塊。いつもは入場列が出来ている場所。係員が当日券の抽選列だと言っている。当日券にこんなに人が並んでいるのは初めて見た。入場列はまだ出来ていないのかと聞くと、まだという答え。裏の本屋に入って、少し時間を潰す。列に並ぶ間と開演前に読むために山崎ナオコーラさんの『人のセックスを笑うな』432円を買う(結局、開かないまま終わった)。MC松島さんの『すごいぞテープvol.1 #春ディスコ』に収録されている『逆に大丈夫か?』を繰り返し聴く。100円をくれないあなたはケチ野郎、守銭奴、銭ゲバ、馬鹿。人類みな兄弟なのにおっぱいを揉ませてくれないあなたは差別主義者、人でなし、悪人だと罵る歌詞が大好きだ。

午後1時15分頃:中野サンプラザ前に戻ると既に入場列が出来ていた。近くにいた女性たちが「女性アイドルのコンサートに行くのを(話の雰囲気からして会社の人から?)気持ち悪いと言われた。女が安室奈美恵のコンサートに行ってもいいし、男がミスチルのコンサートに行ってもいい。それと同じだから気持ち悪がられる筋合いはない」ということを言っていて、正論だと思った。

午後1時50分頃:会場内のグッズ列。早めに入場列に並んで中のグッズ列に並ぶといういつもの作戦が成功。思惑通り。日替わりの宮崎由加さん、宮本佳林さん、岡井千聖さん、中島早貴さん、牧野真莉愛さんを購入。なっきぃのは本当はここにいたかったであろう友人の分だ。1998年のサッカーW杯日本代表を落選したときの三浦知良さんのように、彼女の魂はここに置いてあるのだ。すぐに席には着かず、階段近くのベンチへ。日替わり写真をアルバムに収納するのと、席の交換を打診してくる奴らを避けるためだ。今日もとんでもない良席だ。1列(実質4列目)の中央寄り通路席。この夏ハロコンの中でもとりわけ大事な意味を持つ公演をこんな場所で観させてもらえるのは本当にありがたい。

午後2時40分:席に座った私の横に来て「すみません、小関舞のオタクなんですけど…」と話しかけてくる小僧が続きを言うのを「すみません。ごめんなさい」と遮った。「ダメですか?」「はい。ごめんなさい」。2時半頃(開演15分前)まで席に着かなかったにも関わらず、虫が沸いてきた。席の交換交渉は近くで行われているのは何度か見たことはあるが、実際に自分が持ちかけられた(持ちかけてくる前に断ったが)のは初めてだ。

午後2時45分:開演。一曲目がハロー!プロジェクト全員による『Good bye 夏男』(松浦亜弥)。曲が始まった割にはステイジに演者が出てこない。周りの観客が後ろをチラチラ見てそわそわしている。どうやら通路から現れるようだ。2016年の夏ハロコンを観させてもらうのはこれで3回目だが、今までの2回はともにRainbow Carnivalだった。Sunshine Paradeに入るのは初めてだからどうなるのかが分かっていない。私の横の通路にも誰かが通るのだろうか? とよく分からないまま後ろを見るといきなり野生の宮崎由加さんが現れてこちらに接近してきた。頃合いを見計らってゆかにゃと呼びかけて手を振ったら一瞬こちらを見て手を振ってくださった。私の前を通過するのに要した時間は一秒ないくらいだったと思うんだけど、その一瞬にやられた。麦わら帽子が似合いすぎていたし、帽子から出ている前髪、目、表情、いくら宮崎さんとはいえ、可愛いにも程がある。加減というものを知らないのか、この方は? 時が止まり、我に返ったときには植村あかりさんが前を通り過ぎていた。そのときになって初めて、宮崎由加さんが後ろに他のJuice=Juiceメンバーを引き連れていたことに気が付いた。宮崎さんと植村さんの間の記憶がまったくないのだが、その間に宮本さん、金澤さん、高木さん(順番不明)もいたはずだ。さっきの野郎に耳を貸さなくてよかったと、心から思った。宮崎由加ファンの特等席じゃねえか。何が小関舞のオタクなんですけど、だよ。ただ良席に潜り込みたかっただけだろ。せめて万札を10枚くらいちらつかせながら寄って来いよ。

8月6日と7日のハロコンでは、宮崎さんが本調子ではなさそうな印象を私は受けていた。今日の宮崎由加さんは絶好調に見えた。完全復活どころか、今までに目撃してきた宮崎さんの中で一番かわいかった。『Dream Road~心が踊り出してる~』は静かな曲調と内省的な歌詞に合わせるようにメンバーの皆さんは真顔なのだが、最後のフックにさしかかるときに宮崎さんはスイッチを一気に切り替えて笑顔になっていた。一辺倒な表情の豊かさではなく、曲による、また曲の展開による表情の使い分けが見事だった。歌、ダンス等、メンバーによって得意とする表現の分野があるが、宮崎さんの場合は表情を中心に見るのが正しいのだと思う。『KEEP ON 上昇志向!!』のintroでトラックの中に「カモーンナッ!」的なフェイクが入っているのだが、それに合わせて口を動かしていた。

話が前後するが、『Good bye 夏男』の後に℃-uteからの解散報告があった。℃-uteから発表がありますとまことに差し向けられて一列に並ぶ5人の目が、涙で満たされていくのが分かった。まず矢島舞美さんがグループを代表して来年の6月に埼玉スーパーアリーナ(たまアリと略している記事をネットで見たんだが、その略し方はちょっと卑猥じゃないか?)でコンサートを行うことが決まった旨、そのコンサートを最後に℃-uteは解散する旨を発表した。みんなでよく考え、話し合った上で決めたことだ、というようなことを付け加えていた。それから残りの4人が、涙で声を詰まらせながら一言ずつコメントを発した。他のハロプロメンバーたちが神妙な面持の中、嗣永桃子さんは、℃-uteを元気づけるかのように温かい笑顔で見守っていた。私はメンバー一人一人が言ったことは細かく覚えていない(というよりあまり頭に入ってこなかった)が、至近距離から℃-uteの表情、目に浮かべた涙を見て、これは本当なんだな、もう決まったんだなと、事実を受け入れた。会場全体がしんみりと神妙な心情で受け入れている印象だった。少なくとも、断末魔の叫びや悲鳴は聞こえてこなかった。先にネットで広まってみんな既に知っていたというのが大きかったと思う。

そこからステイジから人が捌けて各グループの紹介映像に移った。さすがにあの発表の後すぐに切り替えることは出来なかったが、実のところ私はそこまで悲しい気持ちにはならなかった。第一に、既に朝の3時に一旦ショックを受けてそこから一寝入りしていた。ここに来るまでの間に、自分の中である程度は消化が出来ていた。第二に、冒頭に宮崎由加さんがすぐ目の前をお通りになった上にいわゆるレス(反応)をくださったことで、脳内がやばい物質でいっぱいになってしまった。第三に、℃-uteを含むハロプロメンバー全員が目の前で繰り広げる大迫力の『Good bye 夏男』に圧倒され、ポジティブな気持ちが心の大部分を占めていた。

研修生を除けばハロプロのメンバーは一通り広く浅く知っているはずなのに一人見慣れないメンバーがいて、誰だこれは?と思ったら相川茉穂さんだった。前髪パッツンの髪型に変えていた。そういえばTwitterで誰かが相川さんが前髪パッツンにしたと書いていた。一気に化けて大人っぽくなっていて、びっくりした。以前いわゆるアイドルとおぼしき方々が「オタクはパッツンが好きらしい」と言っていたのを盗み聞きしたのを思い出した。私はオタクではないのだが、相川さんのパッツンには目を奪われた。

トーク・セグメントは「家でゆっくりしていたら宅配便が来た。どんな人だったか」的なお題に、中島早貴さん、植村あかりさん、嗣永桃子さんの三人が前に出て来て答えた。これが何を意味するかをスクリーンに映すのでメンバーの皆さんは目をつむってくださいとまことさんが言うと、宮崎さんはただ目をつむるだけではなく両手で目を覆い被せて、さらに下を向いていた。もういいですよとまことさんが言うと、2秒くらい時間を置いてから元の体勢に戻ったのだが、そのときに驚いたような表情を見せていた。中島さんは「年齢は行っているんだけど、会社の中では新人のおじさん。うまく仕事の段取りが出来なくてあたふたしている。DVDのことをデーブイデーと言う」的な答え。植村さんは「しゃべらなかったらいい人なんだけど、しゃべったらチャラい」的な答え。三人目の嗣永桃子がしゃべり出す前に我々から「おー?!」という期待の声が挙がり、嗣永さんは「おーはやめて」と我々をいなしていた。「これといって特徴もない、可もなく不可もない、凡人」的な回答。それぞれの回答が自分の第一印象を示すというのを知った上で聞くと聞くと三人とも内容がドンピシャだったので、客席から何度も大きな笑いが起きた。その度に中島さん・植村さん・嗣永さんは戸惑っていた。追加で当てられた工藤遥さんは「ヤンキーぽい感じ」(この回答のときの盛り上がりと「え?」という工藤さんの顔も見物だった)、宮本佳林さんは「帽子をかぶって顔を隠している。詐欺師」と答えた。種明かしをされた上で回答の内容がぴったりだとまことさんに言われた植村さんは、えー?そうですか??と微笑みながら困惑し「このコーナーをやる度に(自分の)印象が悪くなる」と愚痴った。「そうだよね」と同調する嗣永さん。このときの植村さんの反応は私にとって少し意外で、どちらかというとこういう場面ではキレて「おい、どういうことだよ」と客席に毒づく印象を持っていた。Juice=Juiceの単独現場ではないからおとなしくしているのか、それとも大人になってきたのか。

昔のハロプロの楽曲を掘り起こしてパフォームするセグメントでは、2001年の2曲が選ばれた。井上玲音さん・佐々木莉佳子さんによる『トロピカ~ル恋して~る』(松浦亜弥)と、牧野真莉愛さん・和田桜子さんによる『悔し涙ぽろり』(中沢裕子)。『悔し涙ぽろり』で牧野さんを見ていたらどうも途中から本当に涙を浮かべているようだった。牧野さんはコンサートの始めから最後までキラキラに輝いていて、本当にリアルで完璧なアイドルだなと改めて思った。

こぶしファクトリーの浜浦彩之さんの顔が小さくて脚が長い。一般の水準に比べたら顔も小さく脚も長いであろう他のメンバーと比べてもちょっと浮いている。脚が頭ひとつぶん短くなってもまったく違和感がなさそう。

司会のまことさんと、つばきファクトリーに加入が決まった3人、アンジュルムに入った笠原桃奈さん、こぶしファクトリーの広瀬彩海さんが話すセグメント。つばきファクトリーへの加入が決まった小野瑞歩さんの趣味はウォーキング。知らない道を歩くのが好き。川のあるところが好き。川が分岐していて、見渡せるのがいい。小野さんはほのぼのとしていて、優しそうな雰囲気。なお、私は8月6日の公演におけるまことさんの司会をひどいとディスったが、今日のまことさんはだいぶよかった。

私の見るかぎりTwitterではRainbow Carnivalの方がSunshine Paradeよりも評判がよさそうだが、私はSunshine Paradeの方がずっと好きだ。セットリストや構成が、比較にならないくらい好きだ。完璧なコンサートだった。既存グループが他のグループの曲をカバーするセグメントがたまらない。Rainbow Carnivalのぶつ切れメドレーより100倍いい。Juice=Juiceの『臥薪嘗胆』はハツラツ感と活力に溢れていた。最後の曲がハロプロ総出演の『泡沫サタデーナイト』だというのが極めつけだった。モーニング娘。単体よりも楽しさが数倍。Rainbow Carnivalのワックなサンバ曲とは比較にならない。今日はDJ役を石田亜佑美が担当した。煽りの台詞が途中から何を言っているのか分からなかった。音源だったらいいのかもしれないが、コンサート会場で言うには台詞が長すぎる。

泡沫サタデーナイト』前の最後の挨拶でまことさんは、「今日は℃-uteから動揺する発表があった。Berryz工房活動休止のときにも言ったと思うが、ハロプロはこうやって月のように満ち欠けを繰り返して輝きを放つ大きな存在だ」というようなことを言っていた。

午後4時58分:退場。特別な意味を持つ公演だったが、私にとっては楽しかった、最高のコンサートだったという気持ちが他のすべての気持ちを上回った。いつものPIZZERIA BAR NAPOLI。ハッピーアワー。カンパリビア。カプリチョーザ。池袋のストリートでスイカと桃を買って、帰宅。

2016年8月14日日曜日

Rainbow Carnival (2016-08-07)

失業者が給付を受け取るためには月ごとに指定される日時にハロー・ワークに足を運び、求職活動の履歴を更新した紙を提出しないといけない。一ヶ月に三回以上、企業の選考に応募するか試験を受けなければならない(厳密にはそれ以外でも求職活動に数えてもらえる行動があった気がする)。無職期間に豊島区民だった私にとって、最寄りのハロー・ワークは池袋のサンシャイン・シティ内にあった。一般的には商業施設として知られているが、色んな会社の事務所が入居している棟もある。いくつか頭にこびりついている光景がある。一つ目は、エスカレーターですれ違うスーツ姿の会社員たち。彼らは私のことを馬鹿にしているだろうと想像した。ハロー・ワークに入るところを彼らに見られたくなかった。二つ目は、ハロー・ワークの施設内で求人票を眺めるシングル・マザーらしき女性。一人の子供を背負って、足元で走り回るもう一人の子供を見ながら、壁に貼り出された最低賃金近辺の仕事を物色していた。三つ目は、サンシャイン・シティ内のTULLY'S COFFEEで時間を潰す有閑マダムの皆さん。平日のTULLY'S COFFEEは、意外と混んでいた。夫が仕事をしている間、ママ友同士で喫茶店で他愛もない話に花を咲かせている彼女たちを見ると無駄に消耗させられた。話の内容を聞いた訳ではないがどうでもいい話なのは彼女たちの弛緩しきった面構えで分かった。

私は今、TULLY'S COFFEEのエールエール広島駅前店でAphex Twinの“Drukqs”を聴きながらポメラのキーボードを叩いている。職がなかった頃の私には、二つのハローがあった。ハロー・ワークと、ハロー・プロジェクトだ。職がある今の私には、一つのハローしかない。ワークじゃない方のハローに集中できる状態がずっと続くのが人として好ましい。8月6日に続き、翌日の7日にも夏ハロコンのRainbow Carnivalを鑑賞する機会に恵まれた。今日もグッズ列は長蛇の列だったので、昨日と同じ作戦を取って入場列に並んだ。入場は定刻の13時45分よりも数分はやく始まった。昨日よりも中野に着くのが遅くなったが、タイミングは絶好だった。中に入ってからほとんど並ばずに日替わり写真を入手できた。宮崎由加さん、高木紗友希さん、牧野真莉愛さん、中島早貴さんの計4枚。昨日はJuice=Juiceメンバーのしか買わなかったのだが、せっかくハロコンに来たのだからJuice=Juiceの単独現場と同じ買い方をするのも能がない。宮崎さんは外せないとして、他の3人についてはJuice=Juiceでもなかなか日替わりを買うことが少ない高木さんと、他のグループでいま気になっている牧野さんと中島さんにした。

高木さんはここ数ヶ月で私の中での順位が急上昇している。昨日のRainbow CarnivalでもMVPだった。牧野さんの『まりあんLOVEりんですっ』は最高のラジオ番組だ。最近見た夢の話をし始めたり、小学四年生のときに学校で書いた作文を読み上げ始めたりと、とにかくドープなんだ。道重さゆみさんの『今夜もうさちゃんピース』のように長く続いてほしい。中島さんは昨日、間近で見させてもらったときの美しさが印象的だった。今の彼女の仕上がり具合は完璧だと思う。そう思ったのを何かしら形にして残しておきたかった。

最近どうも疲れが抜けない。ここ数日では本がじっくり読めるくらいには回復している。とはいえ、まだ万全ではない。席に着くと目をつむって、うとうとした。前方の席にいる紳士による「さくらちゃーん!さくらちゃーん!さくらちゃーん!」という絶叫で起きた。時間を見たら14時45分。ちょうど開演時間だ。いい目覚ましになった。2列という絶好の位置だった昨日とは打って変わって、今日は29列という後ろから4列目それも一番左端という、ジャパネットたかたの高田明氏も良席と強弁して売るのに戸惑うような席だ。当然、双眼鏡(VixenアトレックライトBR 6x30WP)を持ってきた。私は与えられた席によって明確に鑑賞方法を変える『置かれた場所で咲きなさい』的なスタンスを取る。今日はほとんど声を出さず、身体も動かさず、ひたすら双眼鏡でステイジ上の星々を観察した。

シャッフルの一曲目『ドットビキニ』で一番星の宮崎由加さんが登場したのに不意を突かれた。昨日は同曲をパフォームする一員だった金澤朋子さんがいない。宮崎さんの代打だったようだ。もしかすると宮崎さんが本調子ではないというきのう私が抱いた印象が合っていて、今日は幾分かマシになってきたのかな。だとするとよかった。でもやっぱり、双眼鏡越しに見える宮崎さんの様子はいつもの絵文字スロットマシーンではなかった。彼女がステイジにいるときにはずっと見ていたけど、親知らずでも痛んでいるような感じに見えた。いや、まったく的外れかもしれないし、そうであってほしいけど。

まことさんとアンジュルム新メンバー笠原桃奈さんの絡みは昨日よりはよくなっていた。笠原さんが自己紹介のときに好きな戦国武将が石田三成だと言って、何で石田三成が好きなんだと聞くまことさんに、明智光秀に身を捧げたから的なことを答えていた。理由を聞き出せただけで、昨日と比べてまことさんの司会がだいぶ進歩している。

『明日やろうはバカやろう』『KEEP ON 上昇志向!!』のときに金澤さんのおへそが少しだけ見えた。もしかしてこれは歴史的瞬間? 過去に記憶がない。いや、どうだろう、以前も拝見したことがあったかな? まあ初めてではないとしても、少なくともレア(金澤さんの口癖で彼女がブログでも多用する言葉)なのは間違いない。しかしJuice=Juiceのヘソ出しがレアであるという状況は深刻な文化的損失であり、早期に是正されなければならない。衣装をプロデュースしている奴らは自分の仕事の重みを知れ。もう一度『おへその国からこんにちは』から聴け。

田村芽実さんのものだった『恋ならとっくに始まってる』冒頭の台詞は、彼女の退団後、和田彩花さんが受け継いだ。昨日も思ったが、違う。これじゃない。田村さんじゃないとダメだ。この台詞だけではない。田村さんのいないアンジュルムは何かが足りない。私にとってアンジュルムの魅力の大部分は田村さんだったのだと、彼女がいなくなってから分かった。アンジュルム主演ミュージカルの10月8日公演のチケットが当選して既に支払いも済ませてあるのだが、後から同じ日にJuice=Juiceの滋賀公演が発表された。Juice=Juiceを申し込んだ後に、Robert Glasperばりに“Double Booked”であることに気付いた。Juice=Juiceが当選したらそちらを優先するつもりだ。誰か代わりにアンジュルムのミュージカルを観に行ってブログを書いてくれないかな。

今日のトーク・セグメントは、無人島に二人きりで行っても頼りになりそうなメンバーは?的なお題だった。5位:石田亜佑美。料理も出来るしスーパーで安い食材を探してくるのも得意なので、無人島に行ってもうまくやれそうだし「利用できそう」と生田衣梨奈。4位:山木梨沙。スクリーンには「山本」と表示され、やま・き・りさですと名前を訂正する山木さん。お金持ちなので自家用ヘリを派遣して助けてくれそうという小関舞さんに、「クルーザーも用意するよ」と乗っかる。3位:生田衣梨奈。岸本さんだったかな、守ってくれそう的なコメントを発し、生田さんが守るよ的な返しをしていた。2位:矢島舞美。私の周囲では「え、1位じゃないの?」的な反応の観客が多かった。私も矢島さんが1位だと思っていた。1位:岡井千聖。植村あかりが投票していたことを知った岡井さんが「こんな美人が」と言い、植村さんが笑った。「こんな美人が指名してくれるんだから守ってあげなきゃですよ」的に補足した。面白いから一緒にいて楽しそうだし、食べられそうなものを取ってくれそう的なことを言った山岸理子さんに「動きのろそうだもんね」と岡井さん。竹内朱莉さんも岡井さんを選んだ。「タケちゃんは守れない」「何でですか!」。

まだ発売されて間もない曲や、まだ発売もしていない曲が多く、我々はいま一つ乗り切れていなかった。この夏ハロコンはこれからも公演があるので、これから徐々に馴染んでいって乗り方が確立されていくのだろう。『KEEP ON 上昇志向!!』は周りの客席では「へえそう来るのか。面白い」的な空気だった。初めて聴く人が多そうだった。実際、私も昨日はじめて聴いたばかりだ。つばきファクトリーの新曲がいわゆるプラチナ期のモーニング娘。っぽいと思った。『しょうがない 夢追い人』的な印象。路線としては私の好みである。こぶしファクトリーのサンバの新曲はワックだ。たしかにお祭りっぽいしハロコンには相応しいのだろうが、子供騙しの曲に思える。これで弾ける気にはなれない。

2016年8月12日金曜日

Rainbow Carnival (2016-08-06)

VIE DE FRANCEというパン屋で、私が高校生くらいの頃に母親がパート・タイムで働いていた。仕事の帰りによく店のパンを買って来てくれた。お好み焼きパンなぞというのが割とおいしかったのを覚えている。どこがFRANCEなんだと言いたくなる実験的な総菜パンだったが、好きだった。(たぶんいま食べてもおいしいとは思わないだろう。)これを書いている今、私はVIE DE FRANCEの羽田空港店にいる。豆乳アイスロイヤルティー370円を飲みながら、広島行きの飛行機の時間までこのブログ記事を書く。指先で叩いているのは先ほど箱から出したばかりのピカピカのポメラDM100。ポメラとしては通算3台目、DM100としては2台目だ。本ブログにある53本の記事のほぼすべてを書いてきたDM100が今日8月12日にQDT(急に電源が付かなくなった)という悲劇に襲われた。仕方なくビックカメラで新しいのを買った。2万3千円くらい+ポイント10%だった。アマゾンでは20,220円だったが、今すぐに手元にないと困るので店舗で購入した。故障したDM100は、お盆休み明けにキングジムに問い合わせて、修理代金によっては直してもらうつもりだ。予備の機体があってもいい。私にとってそれくらいに代わりの効かない道具であり相棒である。使い始めてから1年半だった。3年くらい持ってほしかった。

8月6日。3回観に行く夏ハロコンの1回目。10時から12時過ぎまで映画『シン・ゴジラ』を観た。「厄介者、学会の鼻つまみ者…」というナレーションが流れるくだりで厄介と学会で韻を踏んでいるのに興奮した。何人かの人たちが石原さとみさんの英語を褒めているのをTwitterで見ていた。私は、英語をよく勉強したというよりはメリケンぽいしゃべり方を体得したという方が正確だろうと思った。あの英語は地味で地道な知識の積み重ねに裏打ちされているというよりは、ひたすら対人で練習を重ねてそれっぽく仕立て上げたというのが私の見立てである。実生活ではカタギの役者が、映画ではヤクザの言葉遣いをしているのと同じだ。実のところ米国人は彼女の英語を字幕なしで理解できるのだろうか? ちょっと怪しいんじゃないかと思う。ただそう思っても言わないだろうけど。外国人の英語をアメリカ人が表立って批判するのは政治的に正しくない。最悪の場合、人種差別主義者として叩かれるだろう。まあ、この話はどうでもいいんだけど。『シン・ゴジラ』もそうだが、Twitterがなければ出会わなかったかもしれない本、映画、音楽はたくさんある。例を挙げるとCharles Bukowski、西村賢太、樋口毅宏、根本敬、Milan Kundera、園子温、fox capture plan…。

13時過ぎ(15分くらい?)に中野サンプラザに着いたところ、会場前は人の塊で埋まっていた。グッズ列だ。見た瞬間に無理と悟って、並ぶのを諦めた。どうやらまだグッズの販売は始まっていないようだ。私が観させてもらう公演は13時45分開場、14時45分開演なのだが、仮に並んだとすると開演にすら間に合わないかもしれなかった。それくらいに人が多かった。そこで作戦変更。グッズ列ではなく入場列に並ぶ。まだ人が少ないうちに会場に入ることが出来れば中のグッズ売場では短い待ち時間で買えるのを経験から知っている。真夏だ。炎天下で延々と待った。これでは観客が多少は臭くなるのは仕方ない。頭にタオルを被せている人がちらほらいた。開場は10分遅れた。途中から日陰に入れたからまだよかったが、後ろの人たちはずっと陽に晒されていた。誰も言わない文句。荷物検査。チケットもぎり。すぐにグッズ売場へ。サクサク進んだ。作戦通りのサクセス・ストーリー。買ったのは宮崎由加さん、宮本佳林さん、金澤朋子さんの日替わり。そしてコレクション写真を6枚。コレ生の取れ高を確認。浜浦彩乃さん、牧野真莉愛さん、佐藤優樹さん、小田さくらさん、中西香菜さん、佐々木莉佳子さん。全員の書き込みが「私の思う夏の風物詩と言えば」というお題に答えていた。浜浦:「冷凍桃」、牧野:「わらびもち」、佐藤:「アイスクリーム」、小田:「水ようかん」、中西:「コンサート」、佐々木:「風鈴」。浜浦さんと牧野さんを残して、残りの4枚を元手に後で宮崎さんと宮本さんを狙いに行こう。

今日のチケットを受け取ったときは声が出た。何せ2列目、中央寄りの通路席である。まあ、2列目といっても中野サンプラザは0列というのが3列あるので実質5列目ではあるが、良席に変わりはない。14時5分頃には写真の購入が終わっていたが、あんまり早く席に着いて席交渉の隙を与えたくなかったので、14時半すぎまで時間を潰してから席に向かった。ももちの旦那さんが3列前にいた。彼はTwitterで席番号を公開していたので近くなのは知っていた。前回にお見かけしたとき(2月の中島早貴さんのバースデーイベント)から髪がだいぶ伸びていた。0列でも当然のように双眼鏡をフル活用していた。

私が最後に足を運んだハロプロの現場は6月26日のJuice=Juice横浜Bay Hall公演だった。1ヶ月半の間ハロプロの現場から遠ざかっていたが、特に欠乏感はなかった。まったり過ごす週末も悪くなかった。でも注意事項の映像の後に客席の照明が落ちて、音楽が流れて、歓声が挙がって、各グループの紹介映像が音に合わせて切り替わっていくと、思わず顔がほころんだ。これだよ、これ。私の休日にはこれが必要なんだ。このワクワクは他には代え難い。ずっとなかったらおそらく耐え難い。それを再認識。2016夏ハロコン、最新式。

ハロプロ研修生の新曲で始まった。花火がどうのという、夏のために作られたような曲だった。途中でスクリーンに花火が上がる演出があった。加賀楓さんの髪型が一段と可愛かった。表情が前よりも柔らかくなった気がする。研修生の中ではひときわ目を引いた。小野瑞歩さんはたしか5月のJuice=Juiceの前座で見たときにちょっとふっくらしたと思ったが、そのときよりもさらにふっくらしていた。もちろんこれは年齢的に当然ではあるのだが、近い将来にどこかのグループに加入をしたいのであればもう少し状態を整えないと厳しいでしょう。新グループの結成と既存グループへの加入によって、残された研修生たちの顔ぶれはだいぶ地味になった。まことさんから岡井千聖さんの手術によるパフォーマンス制限、和田桜子さんと船木結さんの欠場が発表された。稲場愛香さんのカントリー・ガールズ脱退には触れていなかった。

広島に着いて、空港の「つけ麺本舗 辛部」でつけ麺大950円と麦焼酎ロック500円をいただいて、呉に向かうバスの中だ。焼酎が思ったよりも多かった。いい気分だ。いい身分だ。『初恋サイダー』で中島早貴さんが向かい合った(6月26日のJuice=Juiceのコンサートで植村あかりさんが使った言い方だと「シンメになった」)尾形春水さんの髪の毛を直していた。尾形さんが付けていたうさぎのカチューシャの後ろから前に回ってきた毛を、中島さんが後ろに戻すと、尾形さんは照れたような嬉しそうな表情を見せた。私の位置から中島さんが0ずれになる時間が数秒だけあって、ハッとするほどきれいだった。

まことさんの司会の下手さが際だっていた。こんなに下手だったか? 私は氏の司会にそこまで批判的な意見は持っていなかったが、今日はひどかった。アンジュルム新メンバー笠原桃奈さんを呼んで二人で話すセグメントがあった。せっかく彼女をフィーチャーする絶好の機会だったのに自己紹介をさせてそこから話をいっさい広げることなく次の曲に移ったときには本当に唖然とした。

モーニング娘。はヘソ出し衣装が素晴らしかった。一曲だけで着替えてしまったのが惜しい。PRISMツアーのときの衣装かな? 牧野さんは客席から見て右端にいることが多く、私の席からはあまり見えなかった。衣装といえば…ちょっとバスの揺れがひどいからここでいったん書くのをやめよう(といっても次の段落まで既に書いてある)。高木紗友希さんのシャッフル時の衣装が印象的だった。チューブトップの上に透けた紺色のセーラー服。下はたしか白い短パン。高木さんは誰よりも自信と喜びに溢れていた。今日のMVPは彼女だ。

金澤さんがシャッフルに引っ張りだこだった。2016年冬のハロコンでは病気があって休み休みの参加だった。Blu-rayに収録されているのは2016年1月10日の17時半開演の公演のはずなのだが、このときに金澤さんは冒頭にちらっと出ただけで残りは欠場していた。でもBlu-rayを観ると欠場していない。欠場していた曲については別の公演の映像をつぎはぎしている。あのBlu-rayには前方の席で後ろに宮崎と大きく印字されたTシャツを着ている私の後ろ姿が映っている。病気とはまだ戦っているのだろうが、今日は客席から観ている分にはその影響を感じさせない笑顔。大活躍だった。喜ばしい。

金澤といえば、全裸と字面が似ていることでお馴染みだ。私は裸眼での視力が0.1程度なので、メガネをかけていなければ全裸朋子と書いてあっても見過ごす可能性が高い。つまり金澤さんは実質的に全裸と言っても過言ではない。金澤朋子さんの全裸を見たいか見たくないかのニ択を突きつけられたら、見たいというのが私の答えだ。でもその願いは叶わないので、自分が全裸になってホテルでこれを書いているのが現実だ。

今回のハロコンでは毎回「○○なメンバーは?」というお題にメンバーたちが投票した結果を発表するセグメントがあるようだ。今日は「毎晩、鏡を見て微笑んでいそうなメンバー」だった。5位は生田衣梨奈。誰かは忘れたが「えりどうやったらもっと可愛くなると?」と言っていたというエピソードを披露した。生田さんはご本人曰く『彼と一緒にお店がしたい!』というモーニング娘。に加入して半年後くらいの曲の頃がいちばん可愛かったという。4位は嗣永桃子。「3年前だったら1位だったと思う。自分はもっと後に来るなと思って油断していた。メンバーの入れ替わりと時代の変化を感じる」というようなことを嗣永さんは言っていた。3位は宮本佳林。「そんなに見てないですけどね…」と困惑気味な宮本さんに「嘘だね!」とすぐさま突っ込みを入れる嗣永さん(ひな壇で一つ後ろの列にいた)。携帯のカバーの鏡は最近ではペラペラのタイプを使っていると弁明。金澤さんがそれを笑って否定し、いつも鏡の前で決め顔をしていると暴露。いや、それは化粧をしているだけであって顔を決めている訳ではないと宮本さん。佳林ちゃんはメンバーの中でいちばん化粧品を持っている印象があるとまことさんが言うと、チーク三つ、アイシャドー三つくらいは持っているのが女子として当たり前だと釈明する宮本さん。ざわめき立つひな壇。最前列で口をあんぐりさせる和田彩花さん。2位は和田桜子(今日は欠場)。広瀬彩海曰く、投票した7人の大半はこぶしファクトリーのメンバーだという。和田さんは食事中でも鏡で自分の顔を見ながら食べているという。1位は小関舞。ついに私の時代が来たといつものラッパー的セルフボーストをかまし、「4位でしたっけ?」と嗣永さんを挑発する小関さん。美意識が高く、それに比例して自意識も高いとうまいコメントを放つ梁川奈々実さんに複雑な表情を浮かべる小関さん。「3年前なら桃に入れていたんですけどね、今は小関ちゃんの時代ですね」と嗣永のコメントをなぞる矢島舞美さん。「おい! リーダー! どういうことだ!」と抗議する嗣永さん。

宮崎由加さんがどうも本調子ではないように見えた。いつもの表情の変幻自在さ、底抜けの笑顔が今日はなかった。何かこう調子が悪いのを表に出すまいと我慢しているように見えた。宮崎さんは何とシャッフルに一つも参加していなかった。Juice=Juiceとしての出場のみだった。一番観たいメンバーなのに限られた場面でしか出てこなかった。深夜まで起きて観たペルージャの試合に中田英寿が出場していないような感覚だった。

モーニング娘。の『泡沫サタデーナイト』を初めて生で聴いた。理屈抜きで、ただ楽しいだけの曲だ。イントロのうーたかた!うーたかた!の手の動きをやるのが楽しかった。サンフレッチェ広島のエース・ストライカーはピーター・ウタカだ。ベンチ要員なのは浅野拓磨と佐藤寿人のお二方。野中美希さんの笑顔の笑顔度が凄かった。今日のベスト・スマイル賞を贈呈する。以前わたしは笑顔が素敵な社員にステッカーをあげていちばん多くのステッカーを集めた社員がベスト・スマイル賞を贈呈されるという気持ちの悪い会社に所属していたことがある。自分で言っておいてなんだがベスト・スマイル賞という言葉からそのクソみたいな記憶が掘り起こされた。

Juice=Juiceの新曲を三つとも初めて聴いた。第一印象では『Keep on 上昇志向!!』が一番好きだ。初めて聴くにも関わらず自然と馴染んできた。Michael Jacksonぽかった。ダンスにムーンウォークぽい動きがあったし、曲のフックが“Thriller”のようだった。家に帰ってから“Thriller”を聴いてみたらやっぱりオマージュと言っていいほどに似ていた。ラジオ番組“We are Juice=Juice”で高木さんと金澤さんがこの曲のレコーディング時にマイケルっぽくやってくれと言われた等のエピソードを披露していたことを知った。Michael Jacksonを明確に意識した曲だったのだ。

もちろんハロコンが最高で今日も楽しかっという前提の上での比較だが、今までに観てきたハロコンの方が好きだ。私にとってハロコンの魅力を一言で言うと、それは二つの眼で拾いきれないくらいの情報量である。ステイジで歌い踊るメンバーたちがいれば、両脇のひな壇で思い思いにふざけたり乗ったりしているメンバーたちがいる。ハロプロ全員が一気に登壇して曲を披露する。どう頑張っても見所のごく一部しか把握することが出来ない豪華さ、贅沢さ。お祭り感。今日はパフォーマンス中のひな壇がなかった。夏にまつわるメドレーのセグメントではグループが代わる代わる出てきたが、あまりにもぶつ切れすぎた。細切れのメドレーをやるなら全員でやってほしかった。

16時43分頃に終演。水分補給を怠っていた。喉がとても渇いた。すぐにでも何かを飲みたかったが、まずはコレ生の交換だ。テントに入って右奥の紳士と取引。佐藤→宮崎。小田+中西→宮本。無事に宮崎さんと宮本さんのコレ生を手に入れた。上出来。まだ東京の初日が始まったばかりなので交換の胴元に在庫が揃っていないようだった。特に宮本さんのは胴元の紳士が1枚しか持っていなかったらしく、だいぶ渋っていた。中野サンプラザから徒歩数分のPIZZERIA BAR NAPOLI。15-18時のHAPPY HOUR。カンパリビア。ナポレターノ。カンパリビア。1,180円。ほろ酔い。帰宅。

2016年7月13日水曜日

MISSION 220 (2016-06-26)

目が覚めたときの感触で、前泊することを決めた。というのも明日からドイツに出張なんだ。9日前までのアメリカ出張の時差ぼけがまだ完全には解消していなくて、早起きするのがつらい。金曜日に帰国して、月曜日には寝坊して午前休を使った。夜中まで眠れない。明日は10時半の飛行機なので成田空港に8時半に着く必要がある。となるとまあ6時には起きないといけない。ただでさえ時差ぼけでその時間に起きるのはきつい。もっと言うと時差ぼけがなくても十分に注意しなければ寝過ごしかねない。時差ぼけに2日で4回のコンサートを鑑賞した疲労を足すと、目が覚めて時間を見て青ざめる可能性は十分にある。2日4公演のうち半分を終えて目が覚めたときの疲労から数学的に考えて、明朝の目覚めは成田で迎えた方が賢明であるという結論に至った。起きて間もなくコンピュータを起動し、楽天トラベルを開いた。成田空港に近くて、禁煙室で、大浴場があって、安いホテルを探した。京成成田駅前のアパホテル5,500円を予約した。これで今日は明日の心配なく存分に楽しめる。

2日連続で横浜モアーズのハングリー・タイガーに入った。昨日は11時半くらいに来て40-50分待った。今日は開店の11時ちょうどくらいに行ったら数分で入れた。起床が遅かったのとホテルの予約や荷造りでバタバタしていたので朝飯は食っていなかった。腹が減っていたし、疲れていたのでダブルハンバーグステーキのレギュラーセット2,470円を頼んだ。ダブルだとハンバーグが440gもある。至高の一皿である。昨日は時間がギリギリだったので駆け足になった食後のコーヒーを今日はゆっくり(といっても中東のサッカーチームの遅延行為のような見苦しさはなく普通に飲む程度のスピードで)いただいた。横浜駅の東横線乗り場の近くにあるコインロッカーに車輪付きのカバンを預けて身軽になった。

無事にホテルを押さえ明日は(派手に寝坊しないかぎり)寝過ごす心配がない。ハングリー・タイガーでハンパないハンバーグを半分かける4つまり2個もいただいてニコニコ。でかい荷物はコインロッカーに預けた。開場前に会場に着いた。すべては順調で気分上々だった。しかし…いつものようにグッズ売り場に日替わり写真を買いに行ったところ宮崎由加さんの写真だけが売り切れていてパニックになった。今まで宮崎さんというかJuice=Juiceの日替わり写真の売り切れに遭遇したことがなかったので、にわかに信じられなかった。だってまだ今日の1公演目が始まる前だし、そもそもグッズ列には誰も並んでいなかったので購入希望者が殺到したというのが想像しにくい。「宮崎さんのは売り切れてるんですよね?」と販売者に念のため確認したところ、売り切れているという血も涙もない回答だった。よりによって一番欠かしたくない宮崎さんの写真だけが売り切れているとは…精神的ダメージを受けた私は、日替わりの宮本さんと、コレクション生写真を2枚買って引き下がった。

昨日は昼公演でも夜公演でも聞こえなかった整理番号の呼び出しが、今日はちゃんと聞こえた(夜公演のときにはまた聞こえなくなっていた)。マイクを良品に変えたようだ。私の整理番号は250番台だった。200番以降は10番ごとのざっくりした呼び出しになったことから分かるように、終盤の雑魚番号だった。昨日の夜公演のときと同様、一番後ろのやや左寄りという、バスでいうと三浦知良さんの定位置(三浦さんほど左ではなかった)に行った。普通のライブハウス(和製英語)だと前か後ろかなんだけど、この会場は段差が三つもあるので前方に行けなくても位置の狙いどころがいくつもある。だから私はこの会場が好きだ。

影アナは金澤さんの当番かと思いきやそこからKICK THE CAN CREWばりのマイクリレーが繰り広げられた。ウグイス嬢口調の宮崎さん。携帯をマナーモードにしてくれというくだりを歌う高木さん。変な声で読み上げる宮本さん。植村さんは割と普通だった気がする。最後にまた金澤さんに戻った。注意事項を読み上げるというルーティン業務をここまで楽しそうにやって我々のことも楽しませてくれるJuice=Juiceの皆さん。

高木紗友希さん・植村あかりさん・宮崎由加さんのおしゃべり。「何かいっぱいいるね」とフロアの埋まり具合にゴキゲンな宮崎さん。小学生の頃のエピソードを話そうということに。話し始める植村さんに「そのときから生意気な子だった?」と茶々を入れる高木さん。「どこから見たらそうなるんだ」と抗議する植村さんに「どの角度から見てもそう見えるけど?」とのけぞって別の角度から見る仕草をしながらおどける高木さん。子供の頃は「奥ゆかしかった」という植村さん。クラスに嫌いなガキ大将がいて、その子がいる間は特にそうだった。ガキ大将が転校してからは…と言ったところで「うえむーがガキ大将になった?」と高木さん。「何でやねん」という植村さんの返答が笑い声にかき消され気味だったのを見て「いま盛り上がりすぎて聞こえなかったかもしれませんが、何でやねんって言いました」と高木さん。

ソロ歌唱は、金澤さんがあぁ!の『正夢』。宮本さんが昨日の昼公演に続いてモーニング娘。の『Memory 青春の光』半音上げバージョン。私はあぁ!をちゃんと聴いたことがない。『正夢』はいま検索してみたところ2003年に出た“FIRST KISS”というシングルのカップリングだったらしい。あぁ!名義でのアルバムは出ていないらしく、このシングルの他にはハロプロの総集編的なアルバムに何曲か収録されているだけのようだ。2008年頃から追いかけている新参としてはこういった曲のひとつひとつまで押さえるのは難しい。

夏といえば祭りで、かき氷だという宮本さん。味なしのかき氷(つまり氷だけ)が好きだという宮本さんに「それ嘘だと思う」と高木さん。何の味が好きかという話に。前の方の客がぼけて答えようとしたら「そっち(客側)? けっこう時間かかるよ」とJuice=Juiceの誰か。「(コンサートの時間が)終わっちゃいそう」と宮崎さん。桃味が好きだと答えた高木さんは、でもかき氷はシロップが違っても実は味が一緒だと言った。そうだと認める宮本さんに「じゃあ聴かないで」と高木さんが抗議すると、「それオチにしようと思ったの。オチ先に言ったから後でフルボッコだからね」と宮本さん。やってしまったーという感じの顔をする高木さん。金澤さんがいちご味が好きだと言うと「いちご似合わない朋子。朋子がいちご練乳ですよ? さっき足音を立ててた怪獣が(ステイジに登場する前に袖で歩く金澤さんの足音がうるさかったらしい)」と高木さん。「祭りでみんなにおごりますよ」という宮本さんに、太っ腹!的な反応を見せるメンバーたちと客。「100円くらいだよね?」もっと高いというメンバーや客の反応を見て「じゃやっぱやめた」と宮本さん。
「今日は前半も後半も自分たちのやろうとしているサッカーが試合を通して表現出来なかった。この敗戦は、負けたという事実も悔しいですが、それ以上に自分たちが自分たちのサッカーを表現出来なかったことが一番悔しい」
長谷部はそう振り返り、肩を落とした。
(フットボールチャンネル編集部、『Football Channel vol. 3 代表23人が語る 敗北の真実』、2014、p.34)
「自分たちのサッカー」という言葉は、日本のサッカーファンの脳裏に2014年W杯の苦い記憶を呼び覚ます。あのときのサッカー日本代表チームは「自分たちのサッカー」さえ出来ればどんな相手にでも勝てるという過信に満ちていた。大会前には優勝すると豪語した選手もいた。結果は、3試合を戦って1分け2敗。優勝どころか1勝すら出来ずにブラジルを去った。「守備にしても攻撃にしても、全く同じやり方であらゆる相手をねじ伏せられるほど、W杯は甘くない(中略)相手との駆け引きに勝たなければならない。キャッチフレーズにはしていなくても、対戦相手にも“自分たちのサッカー”がある」(前掲書、p.11)。

対戦相手を無視した「自分たちのサッカー」が自分たちよりも強いチーム相手では破綻するのと同様、会場・他の観客・演者・催し事の趣旨・自分の位置を無視して「自分たちのコンサート鑑賞スタイル」を貫こうとするのも間違っている。昨日と今日の4公演で、1公演目は整理番号が8番。2-4公演目は200番前後。前には前の楽しみ方があって、後ろには後ろの楽しみ方がある。というより、その席なり位置なりで出来る限りの楽しみ方をしなければ損なのだ。ということで、私はある実験を行った。普段は忌み嫌ういわゆるマサイ(公演中に飛びまくる観客のこと。部族の名前から取っている。秀逸な名付けではあるがマサイ族の人たちに失礼な気がして私はあまり積極的には使いたくはない用語ではある)に、自分がなってみた。宮崎由加さんが歌う度に、私はメガネがずれる本気のジャンプを繰り返した。一番うしろなので、後ろの人の迷惑になるのを気にする必要はない。最近はハロプロ現場でマサイに対する風当たりが強い。ジャンプそのものが完全に禁止されるまでは行かないまでも、過剰なジャンプや連続ジャンプは規制される流れになりつつある。私は基本的にその流れを歓迎している。前方でピョンピョン跳ねられるとステイジが見えづらくなって本当に邪魔で仕方がないからだ。だが本来は、ちゃんと観たい人と飛び跳ねたい人が共存するのが望ましい。さいきん嗣永桃子さんが飛びたい人は後ろで飛べとコンサート中に言ったらしい。実際、後方にジャンプ自由のエリアを決めてそれ以外の場所では基本的に禁止するというのも解決策としては有効かもしれない。まあ、何でもルールにするのが好ましいわけではないが。

最後のコメントで、高木さんが『如雨露』のときに自分以外がお立ち台に乗らなかったと抗議すると他のメンバーたちから一斉に逆襲を食らった。彼女たちが指摘するには、今日はハロステの収録があったので『如雨露』のときにはお立ち台に乗らないという約束だったということだ。

金澤さんは、もうこのツアーは170回以上もやっている。その度に最後のコメントをしている。次第に言うことがなくなる。でもいつも同じことを言うわけにはいかないし…と素直な心情を吐露した。

トークのセグメントで話しそびれたので、ということで最後のコメントがてら宮崎さんが小学校一年生のときの思い出を開陳した。ある子といつも給食の早食い競争をしていた。勝つために少なめによそってもらっていた。

今日はピンクの宮崎Tシャツを洗濯中のためBattenwearの普通にファッショナブルなTシャツで来たのだが、終演後の高速握手会では高木さんが私のTシャツを見て「名無し」、二人くらい先に進んでから「昨日はピンク?」と声をかけてくださった。私がびっくりして振り返ると彼女は私の二人くらい後の客と握手しながらこちらをちらっと見て笑った。何という記憶力と情報処理能力。

横浜Bay Hallと元町・中華街駅の中間にあるコンビニに入って、スミノフアイスを買って、店の外で飲んだ。弱すぎる。大人は上がらねえ(参照:UMB2014のR-指定対呂布カルマ)。学生の練習用だ。酔いの入り口にすら到達していない。こんなのは酒じゃない。というわけでもう一回店に入って角ハイボール。身体に回ったアルコール。コレクション生写真を開けたら金澤さんと宮崎さんが当たった。大抵の奴は持ってない。でも2枚だけ買って宮崎さんが当たる私は、持ってる(参照:中島卓偉、『おまえは持ってる』、アルバム『煉瓦の家』)。

この土日の4連戦の締めは16時45分開場、17時半開演。開場直後にグッズ売り場を覗いてみたら全員の日替わり写真が売り切れていた。お気に入りの一番うしろに行った。近くから「昨日から同じ人間しかいない」という声が聞こえた。
『奇跡の香りダンス』でキックする振り付けがある。近くの紳士たちがメンバーの脚の上がり具合に付いて論評を交わしていた。
「金澤、脚あがんないの?」
「上がんない。上がんないというか、遠慮している」
分かる。

さっきよりも酒が回ってきた。セブン-イレブン、いい気分(酒を買ったのはファミリーマート)。一番後ろの壁にもたれて座り込んで、Twitterを眺めた。開演の直前まで私は立ち上がらなかった。「みんな元気ですか?」という高木さんの第一声から始まる影アナを聞きながら、私は禁止事項を二つ破ってるなと思って、可笑しかった。まず、飲酒してのご観覧。次に、過剰なジャンプ(これから思う存分やる)。もちろん、飲酒については泥酔していたわけではなく、あくまでほどよいほろ酔い程度だ。ジャンプについても後ろに人がいないから誰の視界も遮らない。空いているから誰にもぶつからない。飲酒に関してもジャンプに関してもルールの趣旨には反していない。つまり私は紳士なのである。影アナ中の、「握手会に関してお知らせです」→「なになに?」(宮崎さん)、「握手会は、終演後に行います」→「なんで?」(宮崎さん)という茶々には笑った。

高木紗友希さん・金澤朋子さん・宮本佳林さんによるおしゃべり。高木さん、咳き込む。水を飲む。
宮本さん「横浜やでー」
高木さん「しゃべってもいい? コブクロさんのインスタにコメントをするといいねをしてくれるんだけど、紗友希できないじゃん。ファンの人が紗友希の画像を載せて、この子は高木紗友希です。コブクロのファンなんですという説明をしてくれたの。そうしたら黒田さんがいいねしてくれたの! 嬉しい。だってあんな大きい人にいいねされたことある? 握手会で大きい人に身長を聞くと183センチくらい。黒田さんは193センチくらい」
宮本さん「紗友希は黒田さんにいいねと言われた女だから」
高木さん「いい女ということだから」
「いい女ということで」と話を締める金澤さん。「皆さん苦笑いですけど」

ソロ歌唱は、植村あかりさんが『満月』(昨日の昼公演と同じ)、宮崎さんが『赤い日記帳』(昨日の夜公演と同じ)。宮崎さんの歌唱中(そもそも飛ぶような曲ではない)で前の方で飛び続ける金澤オタ。キチガイか。

「Tシャツにはまっている。ユニクロさんのサンリオキャラクターもの。着ていると中学生みたいと言われる。最近もマネージャーさんから赤ちゃんみたいと言われた」と宮本さん。
「だって赤ちゃんなんだもん」と金澤さん。「触ったことないから分かんないか」と、羨ましいでしょとでも言わんばかりにフロアに目を向ける。
宮本さんは赤ちゃんみたいに頭が熱い、と宮崎さん。
「赤ちゃんの匂いがする」という金澤さんに「そう、汗かいたときが一番あかちゃんの匂いがする」と同調する宮崎さん。
「どうしても佳林ちゃんの匂いが嗅ぎたい人はベビーパウダーで代用して。間違っても握手会で本人の匂いは嗅がないで」と金澤さん。
「逮捕だから。もう来れなくなっちゃうから」とメンバーの誰かが言うと「そうしたら私がひっぱたくから」と金澤さん。大喜びで歓声を上げる観客。

「アイコンタクトを由加とばっかりやっていると握手会で指摘された」という植村さん。そんなことはないという顔と仕草の宮崎さん。ファンは嫉妬しているようだがシンメになるから(ダンスで向き合うから)仕方なくやっているだけだと説明する植村さんに、そうそうという感じで頷く宮崎さん。今日はファンを見るようにしたら、色んな人が来ていることを改めて認識できたという植村さん。

宮本さんは、回数を重ねるにつれてコンサートが進化してきて、一年前にはなかった“GIRLS BE AMBITIOUS”の乗り方が出てきている。なかなか大人の色気は私では出ないみたい。マライヤ・キャリー、ビヨンセとかを見てセクシー!と思うだけじゃなくて、佳林の色気を出したいけど、とうぶん時間がかかります、と言った。

「本当に楽しい。ライブ中みんな私たちのことを見てくれて」と言った高木さんは「大人の色気は19歳だから出てるので佳林は見習ってほしい」と先ほどの宮本さんのコメントにアンサーを返した。
「紗友希は見習いたくない。ともなら分かるけど」と宮本さん。
「なんで私のところなのにともの名前を出すの」と高木さん。
「でも紗友希の歌は見習いたい」と宮本さんがほめ出すと、急に照れ出す高木さん。

金澤さん「Juice=Juiceはそれぞれみんなバラバラの個性がある。ファンも同様。由加ちゃんのファンは優しそう(得意げな宮崎さん)。紗友希のファンは微笑ましい笑顔で紗友希を見てる。赤ちゃんを見つめるような、動物を見るような。佳林ちゃんのファンはサイリウムを静かに持っている。暴れない。私のファンは騒がしい(金澤さんのファンが喝采)。うえむーのファンはスタイリッシュ。色んなサイリウムがあって、それぞれで面白い」

宮崎さんは横浜での2日間が本当に一瞬に感じるほど楽しかった(同じことをコンサート中に何度も何度も言っていた)、コードスリーが終わるのが残念だと言っていた。

このコンサートで私は今までで一番たくさん飛んで、一番たくさん声を出した。ふくらはぎが張っているのを感じていた。心地よい疲労感だった。連戦の締めに相応しく、思う存分、好きなように楽しませてもらった。すべてを出し切った。成田のアパホテルに着くと、空き部屋の関係で予約していたのよりもいい部屋にしたというようなことを受付の紳士は言った。部屋に入るとベッドにマッサージ機能が付いていた。

2016年7月10日日曜日

MISSION 220 (2016-06-25)

テレビ朝日のサッカー中継における「絶対に負けられない戦いが、そこにはある」には何の真実味もない。その試合に負けても日本代表チームの選手は変わらず高給を得続けているしサッカー関係者やわれわれ視聴者の生活は普通に続いているからだ。負けたら選手たちが鞭打ちの刑に処されるなら分かる。そこまで行かなくとも、せめて負けたら監督が即クビになるくらいの状況でもないかぎり、絶対に負けられないという煽り文句は空虚に響く。今日、明日と、私は横浜Bay HallでJuice=Juiceのコンサートを計4公演観させていただく。4回のうちの1回目である今日の13時45分開場・14時半開演の部は、私にとって紛れもなく「絶対に開場時間に遅れてはいけない公演」だ。ここにテレビ朝日的な誇張はいっさい含まれていない。なぜなら私の整理番号は8番だからだ。最前列(と言っても席がないので厳密には列はないが)に行けることが確実。宝くじに当選したようなものだ。ライブハウス(和製英語)の一番前でJuice=Juiceのコンサートを鑑賞させていただくというプライスレスな経験が出来る千載一遇の好機だ。

何度も書いているが、基本的に私はライブハウス(和製英語)がそんなに好きではない。前の方に行けないかぎり、ステイジ上の演者が見えづらいからだ。もちろん音楽や催し事の種類によっては演者があまり見えなくとも支障はないかもしれないが、ハロプロのコンサートを観に来てメンバーたちが見えなくてもいいという訳にはいかないんだ。さすがに。西川口Heartsでは後方からJuice=Juiceの皆さんがほとんど見えなかった。もちろん、良席でないとイヤだという寝言を言うつもりはない。恵まれない状況でもコンサートを楽しめるかどうかは自分次第だ。ただ、それもある程度は演者が見えるのが前提だ。ライブハウス(和製英語)のコンサートは整理番号が運に左右されるので、積極的には申し込まない。ただ横浜Bay Hallは3月に来て、後ろの方でもステイジがよく見える珍しいライブハウス(和製英語)であることを知っていた。つまり整理番号に関わらずコンサートを楽しめるということだ。なので6月25日(土)と26日(日)の4公演すべてに申し込んで、すべてに当選した。この週末がすべてJuice=Juiceに割かれることとなった。で、1回目が8番というとんでもない番号だったんだ。残りの3回はいずれも200番前後だった。

横浜モアーズのハングリー・タイガーでオリジナルハンバーグと野菜のブロシェットのレギュラーセット2,240円をいただいてから元町・中華街駅へ。会場に着くと、見覚えのある職員がいた。3月に整理番号が121番だったのに400番くらいになるまで会場に入れなかった原因の、あの小僧だ。まあ、結果として後方で楽しい思いが出来たので、別に根に持っているわけではない。誰も並んでいないグッズ売場で日替わり写真の宮崎さん、宮本さん、高木さん各500円を買った。駅のロッカーに空きがなくて少し焦っていたが、開場前に会場のクロークに預けることが出来て(500円)、ホッとした。近くのおめかししたオタクお嬢さんがオトモダチのオタクおじさんに「私の凱旋だからチケットを交換して」とおねだりしているのが聞こえてきた。おじさんが持っている整理番号がどうやら一桁らしい。私も横浜育ちなので凱旋だ。開場を待つファンの中にラッパーの崇勲を思わせる風貌の紳士がいて二度見した。あの髪型にすると誰しも崇勲に見えるのかなとはじめは思ったが、頭の形も似ているように見えた。

ボーッとしていたら整理番号の呼び出しが始まっているっぽいことに気付いた。拡声器が壊れているのか担当者の声が小さいのか分からないが、耳を澄ませば何かを言っているのが認識できる程度だった。5メートルくらいしか離れていなかったのに内容は聞こえてこなかった。慌てて入り口に行くと6番が呼び出されていたのでギリギリ間に合った。iPhoneを見たら13時44分。危なかった。開場はもっと大々的にやれ。地味に始めすぎだ。

階段を上り、チケットをもぎられて、500円のドリンクチケットを購入。係員に導かれてゆっくりと開場の中へ。この会場は気が利いていて、我々の進路にペットボトルを持った女性が何人か待ちかまえていて、カウンターに行かなくてもドリンクチケットを水と交換させてくれた。まだ先頭には係員がいる。フロアに目をやると、誰も人がいない。もうすぐであそこにたどり着ける。絶好の位置につけるのが保証されていた。誰にも遮られず、あり得ない近さでコンサートが観られる。人生でそう何度もあるものではない。手が震えた。おそらく私の前にいた7人も、後ろにいた人たちも、同じ心境だったはずだ。みんなこれから手に入る悦楽を想像し興奮しながらも平静を装い、あそこにたどり着くのをおとなしく待っている。つまり、これは風俗店の待合室なのである。

最前ほぼ真ん中のやや左寄りに立つことに成功した。右寄りと左寄りではどちらかというと左寄りの方が好ましかった。なぜなら宮崎由加さんはこちら側に来ることが多いからだ。理想と言っていい場所だった。ついにここに来た。6月20日(月)の℃-ute日本武道館公演でも最前列で観させてもらったが、ステイジとの距離は今日の方が圧倒的に近い。いま思えば2010年3月20日(土)に初めてハロプロのコンサート(モーニング娘。)を観たときには、最前や良席はおろか1Fでコンサートを観るのも想像がしづらかった。13時50分頃には最前付近の入場は完了していた。残りの40分は会場内に流れる“Walk this Way”や、有名だけど曲名を克明に分からないロックや、知らない曲に、適当に身体を揺らしながらやり過ごした。

開演前のいわゆる影アナは植村あかりさんが担当した。お断りを「おとこわり」と言い間違えていた。お酒のようだな。男割り。男梅。『フリースタイルダンジョン』のT-PABLOW戦で足下に男梅サワーを置いていた黄猿。「お前が飲んでる男梅 居場所見つけました音の上」と当意即妙にいじったT-PABLOW。それはともかく、植村あかりさんは急性扁桃炎のため先週末に行われた盛岡と秋田でのコンサートを休んでいたので、心配するファンに復帰を知らせる意味も込めて影アナ担当を彼女にしたのだろう。

金澤朋子さん・宮崎由加さん・高木紗友希さんの3人によるおしゃべりのセグメントでは、宮崎さんがGirls Night OutというYouTube番組の収録時の裏話を披露した。番組では3回に渡って料理をしていた。観てくれた人?と宮崎さんが問いかけると当然ながら大半の客がはーいと手を挙げるのだが、私は3回のうち1回しか観ていないので後ろめたかった。(YouTubeの無料番組が多すぎて、手が回らない。ハロステを追うので精一杯だ。私は無職だった頃にはハロプロメンバーが出演するラジオ・テレビ・YouTube番組をほぼすべて視聴していたが、無職にとっても楽でなかった。ハロプロの映像・音源・番組をすべて消化するという作業の負荷はフルタイムの仕事に近いと当時、思った。)収録中に、宮崎さんは油の匂いで酔う体質だったことが発覚した。レンコンのはさみ揚げから気持ち悪かった。大学芋のときには限界だった。台に手を置いて何とか立っていた。少し休んだら楽になった。大学芋を食べて「目が覚めました」と言ったところ視聴者からは体調が悪かったのではなくて眠かったのだと誤解された。まあいいかと思っていたが、番組を観ていた母から「フラフラして具合悪そうだった」と心配するメールが来た。見抜いてくれた母は凄いと思ったという宮崎さんに、ファンは拍手。「これからあぶらとり紙用意する」という高木さん。いやいや大丈夫というジェスチャーの宮崎さん。握手会のときにファンのあぶらはどうなのかという問いかけに大丈夫だという宮崎さん。「皆さんのあぶらは大丈夫ですよ」と金澤さんがニコニコしながら言ったのが面白くて私は思いっきり笑った。高木さんが「皆さんのあぶらは神秘的な…」と何かうまいことを言おうとしたが「いややめておこう」と諦めた。

ソロのセグメントでは宮本佳林さんがモーニング娘。の『Memory 青春の光』(ご本人曰く半音上げバージョン)、植村あかりさんが藤本美貴の『満月』を歌った。『Memory 青春の光』は当然として、『満月』も同曲が収録されている藤本美貴さん唯一のソロ・アルバム『MIKI 1』を好んで聴いていたことがあるので、私は知っていた。Juice=Juice全体では松浦亜弥の『奇跡の香りダンス』をカバーしていた。私にとってコールとは誰か一人のメンバーの名前を呼ぶものだったので、この曲で全員が歌うときに「ジュース!」というコールが起きているのが自分にとっては新しかった。

私はライブハウス(和製英語)の前方とそれ以外でいちばん違うのは迫力だと思っていたが、より正確には生々しさなのだと、気付いた。1-2メートルの距離からじっくり見ると、宮本さんの脚にあざのようなものがあるなとか、金澤さんの左膝付近に虫に刺されたような湿疹がいくつかあるなとか、普通はまず見ない・見えないようなところばかりが目に飛び込んできた。見てはいけないものを見ているような気がした。5人の中で、肌の質感という点に絞れば脚が一番きれいなのは宮崎さんだった。傷とかあざとか湿疹とかそういうのがいっさい見当たらなかった。手元の記録には3位まで順位が書いてあるのだが、甲乙つけがたいので2位以下の順位は省略する。私はケミカル・ライトを高く掲げず、飛ばず、何なら少し身を屈めるくらいの姿勢で後ろの方々の視界を妨害しないように気を付けながら、夢のような近さを堪能した。

Juice=Juiceの皆さんは、声がよく聞こえてきたと我々をほめてくださった。「『スクランブル』のときは強烈だった」、「会場のつくりだけじゃないと思うんですけど、皆さんとても盛り上がっていて、今日のために一週間がんばってくれたんだなと感じました」と高木さん。「皆さん熱くて、水がぬるくてホットドリンクかと思うほどだった」と宮崎さん。

終演後の高速握手会は、超高速というほどでもなく、意志を持てば一言のやり取りは出来るくらいの速さだったので、かえって困った。有無をいわさず剥がしてくる、速すぎて会話ができない握手会の方が(腹は立つが)楽なのだ。金澤さんが「見えました」と言ってくださった。「僕も(金澤さんのことが)見えてました」とでも言えればよかったのだが、何も言えなかった。コンサートを鑑賞して、数日後に数千文字の文章で語ることは出来るのだが、終演直後に演者の方々を目の前にして一瞬で感想を言うのが難しすぎる。

会場を出ると16時半だった。次の公演が17時半開場なのでどこかの店でゆっくりするほどの時間はない。ファミリーマートに入ってビールと辛口チキンを買った。これが夕食だ。握手会でうまく立ち回れないな。必要なのはアドバイザー。ファミマで買ったバドワイザー。商品名を出したけど別にアドバタイザーじゃない。このまま進歩がなければ後がないな。350mlを飲み干してもほとんど酔えなかった。この容量では物足りない。でも500mlにすると太るのが心配だという乙女心。結果、飲んだ意味がないような中途半端な仕上がりのまま、夜公演に臨んだ。

横浜Bay Hallはフロアに段差が三つ設けられている。私は一番後ろの段の一番前に立った。3月に来て気に入った場所。影アナは宮崎さんだった。素のしゃべり方から始まり、ウグイス嬢、早口と転調していった。短期間で数多くの公演をこなし、客もリピーターが多いのでこういう遊びが生まれる。注意事項の台本があるとはいえ担当者が毎回ちがう上にアドリブがあるので、聞き流してしまうのはもったいない。

開演の直前によく言えば元気の良さそうな、悪く言えば厄介そうな二人組の青年が目の前に来て、マジかよと思った。私の横にいた紳士は彼らを避けて前に移った。それで空いた空間に二人組の片方が入ってきた。私との段差なしでダンサーのように彼は飛び跳ねた。ステイジが見づらくなった。Juice=Juiceの姿をよく見るために一番上の段に来た私の目論見は外れた。しかし、ここでへこたれて後から文句を言って終わりではない。伊達じゃないようちの現場経験は。下記のステップを踏むことで私はこの困難を乗り越えた。

ステップ1:彼らを「ぎょうざの満州」の店員だと思う
私は昨日、「ぎょうざの満州」で豪遊した。メンマ、紹興酒(熱燗)、焼きそば、焼き餃子をいただいて、1,133円だった。こんなに安いのに接客には適当さがなかった。店員たちに気を抜く暇はなさそうだった。一部の社員を除けば最低賃金に毛の生えた時給で働くアルバイトだろう。この店に来る客層は必ずしもお上品とは言えない。数年前、ある店舗で飯を食っていたらおばさんが小さな子供と一緒にテーブルに座っていた。何か異常な空気を感じたので目をやると、子供がゲロを吐いていた。おばさんは店員に謝る様子はなくただ子供を叱りつけていた。後始末をするのは店員だ。そんなことが毎日あるとは思わないが、こんな仕事をしていたらたまの休日には羽目を外したくなるのは当然だ。ガス抜きは必要だ。彼らを責めることは出来ない。

ステップ2:彼らのスタイルから学ぶ
すぐ近くにいると視界がふさがれて邪魔になることもあるが、彼らがとびきり楽しんでいるように見えるのもたしかだ。つまり彼らのスタイルにはコンサートを楽しむための秘訣が隠されているかもしれない。そう思った私は彼らのやり方を真似してみた。彼らの一人が金澤朋子さんの歌割で飛んだのと同様に、私も宮崎由加さんの歌割で飛んだ(私の後ろには誰もいないことを確認の上)。自分がじっくり見ようとしているのに目の前で飛ばれるとうっとうしいが、いっそのこと自分も彼らと同じように飛ぶと楽しくなってきた。途中から2人の青年たちが盟友のように思えてきた。

金澤朋子さん・宮本佳林さん・植村あかりさんの三人によるおしゃべり。アンジュルム(5月30日)、モーニング娘。(5月31日)、℃-ute(6月20日)の日本武道館公演を観に行ったときの話。「アンジュルムさんとモーニング娘。さんは人数が多いけど℃-uteさんは私たちと同じ5人。5人だとこんなに少なく見えるのかと思った」と宮本さん。「℃-uteさんは人数が少ないけどステージを広く使っていた」と言う植村さんにそうそう、という感じで同調する宮本さんは、℃-uteの圧倒的なパフォーマンスを目にしてから食欲がなくなって、その日は家に帰っても夜ご飯が食べられなかったそうだ。℃-uteの階段の下り方が格好よかったと金澤さん。こんな感じと実演する。客はフーと冷やかす。ホールコンサート中の私たちの階段の上り方はダサくて、後半から会場のモニターに映らなくなったと明かす宮本さん。℃-uteさんはこういう感じと植村さんが真似。客、フー。

ソロ歌唱。宮崎由加さん、『赤い日記帳』(あか組4)。高木紗友希さん、『Forever あなたに会いたい』(つんく)。2曲ともワーワー合いの手を入れるというよりは、じっくり聴く感じの曲だった。私はどっちの曲もちゃんと聴いたことはなかった。

高木さんは「普通に暮らしていたら皆さんみたいな年代のお友達はたくさん出来ないじゃないですか。だからこの仕事をやってきてよかったな、と。これからももっと若い人やおじいちゃんおばあちゃんにまで応援してもらえるように頑張る」というユーモアと真面目さの混じった高木さんらしいコメントを残した。

「今日は外が暖かくて…暑いか。今日も半袖で来たんですけど…(客、フー)見えてるの二の腕だけだよ?(客、フー)」という宮本さんのコメントは、内容といい間合いといい、我々の「フー」を誘いに来ており、それに全力で釣られるのが非常に楽しかったし、我々の「フー」の後の表情がアイドルアイドルしていて素晴らしかった。

終演後の高速握手会では、以前にTwitterで誰かが「お疲れさまでした」で通しているのを見たことがあったので、それを試してみた。するとかなり楽だった。高速握手会を無難に乗り切る有用な技を一つ手に入れた。
私「お疲れさまでした」
宮本「ありがとう」
私「お疲れさまでした」
高木「ありがとう」
私「お疲れさまでした」
植村「ありがとう」
私「お疲れさまでした」
金澤「ありがとう」
最後の宮崎さんにだけは「影アナ面白かった」と申し上げたところ、口を丸くして驚いた顔を作ってから目を見て「ありがとう!」と言ってくださって、私はブータン国民並に幸福になった。よく思うのだが、宮崎さんの表情はコロコロ変わって、分かりやすくて、絵文字のようだ。会場を出ると、20時2分だった。

2016年7月3日日曜日

℃ONCERTO (2016-06-20)

℃-uteさんのコンサート・ツアー“℃ONCERTO”の千秋楽を観に行かせてもらいました。日本武道館という特別な会場でのコンサートでしたが、開演前の私には高揚感がありませんでした。なぜなら特別なコンサートだとは考えられなかったからです。というのも、彼女たちにとって武道館は何度も踏んできた舞台です。それどころか、去年にはもっと大きな会場でコンサートをやっています。もちろん武道館でコンサートを出来ることの偉大さには変わりはありませんし、ツアーの千秋楽というのはそれ自体が特別ではあります。しかしながら、今までの流れを踏まえると、2016年の春ツアーが武道館どまりなのはよくて足踏み、場合によっては一種の後退にすら思えました。

2013年は℃-uteさんにとって飛躍の年でした。4月3日(水)に、池袋サンシャイン・シティでのイベントにて、9月10日(火)に単独での武道館公演を行うことが発表されました。イベントで披露する最後の曲『Crazy完全な大人』が始まると見せかけて、つんくさんが音声のみで登場しました。メンバーさんたちも知らず、劇的でした。当時、ゴミのような会社に属していた私は仕事の後にTwitterを開いて知りました。発表の模様は当日中にYouTubeに公開されました。私は繰り返し再生しました。涙腺が緩みました。つんくさんからは同時に6月30日(日)のパシフィコ横浜での公演がファンクラブの先行受付の時点でキャパを超えている、7月5日(金)にはフランスでの公演が決まったという発表がありました。

パシフィコ横浜でのコンサートを観させてもらったときには、私はゴミのような会社を辞めて、無職で金髪になっていました。それまでは収容人数2,200人の中野サンプラザが埋まるかどうかも怪しかった℃-uteさんは5,000人の観客で満員になったパシフィコ横浜のステイジに立ち感激していました。ファンクラブ会員向けに販売されたソロ・アングルDVDでは、コンサートの始めに出てきた中島早貴さんの目が潤んでいるのを確認できます。パシフィコ横浜では9月9日(月)に武道館での追加公演が行われることが発表されました。あと、くだらないことですが9月10日が℃-uteの日として日本記念日評議会という謎の組織から認定されたという発表もありましたね。

引き続き無職だったので、9月9日(月)と10日(火)は両日とも日本武道館に行くことが出来ました。10日(火)はファンクラブ先行で落選したのですが、娯楽道でチケットを買いました。9日(月)に一曲目の『Kiss Me愛してる』が始まった瞬間のあの感覚は、今でも思い出すことが出来ます。℃-uteさんがあれだけ口にし続けていた武道館でのコンサートが今、こうやって現実になったんだという興奮。子供の頃にヴィデオ・ゲイムをやって最後のボスにたどり着いたような、達成感と恐さが入り交じったような気持ちでした。とにかく、この年はめでたいことばかりが続いて、押せ押せ、イケイケの空気でした。

2014年は、その余熱が残っていました。11月11日(火)の日本武道館でのコンサートで℃-uteさんは、前年よりも成熟したパフォーマンスを見せてくれました。二年連続で武道館でのコンサートを成功させたことで、彼女たちは一発屋ではないことを証明しました。この日には、2015年6月11日(木)に横浜アリーナでコンサートを行うことが矢島舞美さんの口から知らされました。このときに武道館のアリーナ席にいた私は無職でも金髪でもなく、今でも勤めているまともな会社で働いていました。激動の2013年に比べると℃-uteさんの動きは控えめでしたが、翌年の横浜アリーナ公演の発表があったことで、拡大路線を進んでいるという喜びをみんなで共有することが出来ました。みんなというのはメンバー・裏方とファンが一体となったTeam ℃-uteのことです。

Team ℃-uteという言葉は、℃-uteさんの拡大路線と切り離すことが出来ません。日本武道館を目指すとなったときからメンバーさんたちが急に多用するようになりました。日常業務のような場面でこの言葉が持ち出されることはあまりなくて、大きな会場や外国でコンサートをやるというときに主に使われます。『ザ・チーム 日本の一番大きな問題を解く』(齋藤ウィリアム浩幸)という本によると、多様な人々が課題を解決するために集まったのがチームです。つまり、年齢や性別その他の属性に関係なく同じことを成し遂げたい人たちの総称です。今までよりも大きな会場や未踏の土地でコンサートを実現させたいという夢をメンバー・裏方・ファンが一緒になって追い続けてきたのが、Team ℃-uteです。

Team ℃-uteのプロジェクトは、2015年6月11日(木)の横浜アリーナで頂点を迎えました。2013年に勢いに乗る前には2,000人級の会場が満足に埋まらないどころか、単独でのコンサート・ツアーの継続的な開催さえ危うい時期がありました。そこから一気にプロップスを得て、平日に17,000人の観客を熱狂させたのです。2015年3月3日(火)には℃-uteさんと同時期にハロプロに加入したBerryz工房さんが解散(活動停止)しました。℃-uteも近いうちに解散してしまうのではないかという憶測を打ち消すかのように矢島舞美さんは「℃-uteにはまだまだ夢がある」「まだまだ突っ走っていく」と力強く言い切りました。℃-uteはこれからも活動を続け、ファンはついて行く。2015年6月11日(木)はその熱い契りが交わされた日でした。

そのときには私はそう受け止めました。しかしあれから一年がたっても、矢島さんがそのときに宣言された夢が何だったのか、どこに向かって突っ走っているのか、分からないというのが正直なところです。私は℃-uteさんが発信する情報のすべてを観たり聴いたり読んだりしている訳ではないので、もしかすると重要な何かを見落としているのかもしれません。しかし、Team ℃-uteが武道館を目指していた頃のような明確なゴールが現在では存在していないように私には見えます。『ザ・チーム 日本の一番大きな問題を解く』にはチームの特徴として、目的を達成したら解散するということが書いてありました。パシフィコ横浜、日本武道館、フランス、台湾、横浜アリーナ。Team ℃-uteはこれまでに数々の目標を達成してきました。次のゴールを更新できなければ、チームという言葉の定義上、Team ℃-uteは有名無実化してしまうし、実際にしつつあると言っていいでしょう。

一ファンとしての個人的な意見を言わせてもらえば、これ以上の規模の拡大は単純に喜ぶことは出来ません。会場が大きくなって純粋に喜ぶことが出来るのは日本武道館までです。会場は大きければ大きいほど客席とステイジが遠くなり、見にくくなります。一方、小さなライブハウス(和製英語)だと距離は近いけど整理番号に恵まれないかぎりステイジは見にくい。しかも座席がなくて立ちっぱなしだから鑑賞環境としてはよくない。損益分岐点のグラフのように会場の大きさと見やすさ・鑑賞環境のよさを二つの線で表したときに、線が交わるのが日本武道館なのです。もちろん横浜アリーナでのコンサートは武道館では味わえない感情的な高ぶりがありましたが、℃-uteの皆さんのお姿は小さかったですし、あの遠さが普通になってしまうと私の足は現場から遠ざかりそうです。

あのまま拡大路線が続いて、もっと大きな会場、例えば日産スタジアムでやりますと、仮に発表されていたとします。私は祝福はしていたでしょうが、ぜひ行きたいとは思えなかったかもしれません。そこまで大きくなってしまうと、後でBlu-rayを買って観た方がよさそうです。もちろんそれは想像にすぎず、もしかしたら実際に体験したら違うのかもしれません。ただ、サッカーを観ていても遠いと感じるスタジアムで、サッカーよりも細部を見たいアイドルのコンサートを観て、満足できるとは到底おもえません。

もちろん、観客動員が足りなくてグループの存続に関わるようだとファンも困ります。ですので、ある規模までの拡大路線は、メンバーさんたちとファンの利害が一致しています。でも、ある閾値を超えた拡大については、ファンの側にそれほど利点があるようには考えられないのです。ですので、私は一ファンとして、日産スタジアムを目指しますとか、東京ドームを目指しますというのを大々的に掲げて一致団結を求められていたとしても、乗り気にはなれなかったと思います。

℃-uteさんの素晴らしさはもうみんなが十分に分かっているというのが実際のところです。ファンからも、ハロプロ内の他グループからも、ハロプロ外の同業者からも、既に十分なプロップスを得ています。何万人も入る会場でコンサートを開催するという形を取らなくても、実力は証明済みなのです。ハングリータイガーのハンバーグが、全国展開しているファミレスのハンバーグと比較するのがおこがましいほどおいしいのと同じです。

2002年のサッカーW杯は、多くの日本代表選手たちにとって人生をかけた戦いでした。何年も前に読んだある本で、ある選手がこんなことを言っていました(たぶんこの本で、この選手だろうというのは頭にあるのですが、現物を確認できないのでぼかします)。曰く、W杯が終わってから、燃え尽きて抜け殻のようになった。サッカーに身が入らなくなった。人間というのはどうも、これが手に入れば死んでもいいという夢を持ってそれを叶えてしまうと、それ以降の人生に意味を見いだせなくなって苦しむようです(残念ながら私はそんな夢を叶えたことがないので経験からは語れないのですが…)。それがそのまま℃-uteさんに当てはまるというのは完全に言い過ぎですが、もしかすると武道館にたどり着いて以来、ちょっと近いことが起きているんじゃないかな、と思うことはあります。もちろん彼女たちは私のようなしょうもない会社員とは次元の異なるプロ中のプロですから、目に見えてパフォーマンスの質が落ちるということはありません。それどころか歌もダンスも質は向上する一方です。しかしながら、萩原舞さんが文春のウェブ版に彼氏とデートしている姿を掲載されたのは、ちょっとした緩みの表れのような気がします。こじつけかもしれませんが。

岡井千聖さんが喉を手術するため、翌日のバースデー・イベントを最後にしばらく休養することが決まっていました。その間は℃-ute全体での活動は出来なくなります。岡井さんは2016年6月14日放送のテレビ番組『人気者から学べ そこホメ!?』で℃-uteの活動期間についてあと2-3年と発言しました。このように、数年単位で見るとゴールの不明確さ、数ヶ月単位で見ると萩原さんの文春砲と岡井さんの手術・休養決定、岡井さんによるグループ解散時期に関する発言があって、℃-uteを取り巻く直近の状況はそれほど明るいとは言えませんでした。夢が次々続々トントン拍子で決まっていった2013年とは違い倦怠感すら漂います。それらに加えて、私は今回の℃ONCERTOツアーを思うように楽しめていません。6回観させてもらっていますが、どうもよく分からない違和感が残っていました。楽しくて仕方がない、という感じではなかったのです。6回目には何かが変わって、見違えるように楽しむことが出来ましたが、そのドンデンガエシを除けば、今回のツアーにはあまりいい印象がありませんでした。そういう訳で、会場に入るまではワクワクしていなかったのです。会場に入る18時手前まではそうでした。

3時間後には、楽しすぎて泣きそうでした。それが最後の曲『JUMP!』で飛びまくって、恒例の「℃-ute最高!」チャントにちゃんと参加してから出口に向かう私に浮かんできた、嘘偽りのない気持ちでした。冒頭に述べたように、今日は特別なコンサートではないはずでした。誰かが卒業するわけでもありませんでした。6回も参加してそれほど好きではないツアーの千秋楽に過ぎないはずでした。でも、あまりにも楽しかった。本当に涙が出てきてもおかしくないほどでした。今日のコンサートを総括すると、楽しすぎて泣きそう、それに尽きると言っていいほどです。とはいえ「楽しすぎて泣きそう」だけでブログの記事を終わらせるわけにはいきません。どう書けばよいのか分かりませんでしたし、今でもよく分かっていません。

私の席は、アリーナA7ブロックの一桁でした。この番号を見て、ブロックの中で一列目であることは予想が出来ました。ブロックの配置は当日その場に行くまで分かりません。会場で確認したところ、A1からA8ブロックがメイン・ステイジの前に配置されていました。そして10番までが一列目でした。つまり、私の席は日本武道館の客席全部の中で、最前列だったのです。前方の席にいさせてもらうからには、先陣を切ってコンサートを盛り上げるというノブレス・オブリージュを果たさないといけません。今日の公演はBlu-rayにもなるでしょうから、なおさら盛り上げないといけません。今までの6回でセットリストは身体に染みついているので、迷いなく、精一杯、声を出し身体を動かしました。最前線にいすぎて、当事者でありすぎて、会場全体がどれだけ盛り上がっているのかを気にする余裕がありませんでした。今までの6回を観ていなければここまで存分にコンサートに入り込めなかったと思います。つまり、人生に無駄な経験はないんです。

メイン・ステイジの他に、アリーナの真ん中にステイジが設けられていました。今までに観た武道館公演ではメイン・ステイジと通路でつながっていたのですが、今回は通路が見当たりませんでした。どうやってステイジ間を移動するのだろうと思いましたが、メンバーさんたちはアリーナのブロック間の隙間を縫うように電動トロッコで移動していました。これは喜びに満ち溢れた演出でした。移動する際にメンバーさんたちが非常に近くて、私も周りの観客も笑顔になりました。

人生はSTEP!』のイントロで℃-uteさんが身体を重ねて動くのですが、そのときの中島早貴さんのふとももが私の眼球と脳に激しい衝撃を与えました。私のいた右寄りの最前線はイントロの中島さんのふとももの躍動が一番よく見える場所だったので、無理がないというか、私は完全に被害者としか言いようがないのですが、しばらく頭がクラクラしました。私は℃-uteさんの中では岡井さんが一番好きなはずなのですが、推し変しそうになりました。これはあくまで音楽的な観点から論じているのであって、中島さんをいやらしい目で見ていたわけではありません。

特に後半はみんな盛り上がってガンガン飛び跳ねていたのですが、隣の少女が私の領域にはみ出してきて私とくっつきそうになりました。コンサートの途中で逮捕されるのは勘弁願いたかったので、加齢臭を発して追い払おうとしましたが、どうも私はいい匂いしか発することが出来ない紳士らしく、失敗しました。

6月20日は、岡井さんが22歳になる前日でした。ハロプロ研修生が着替え中の岡井さんに内緒でケーキを運んできて、岡井さんが登場すると同時に会場全体で祝いました。みんなでハッピーバースデイを歌いました。打ち合わせがゼロだったので、名前のところがちっさーなのか千聖なのか確信が持てませんでした。鈴木愛理さんの提案で、岡井さんがカメラに向かって「ニャンニャン」とやることになりました。岡井さんが本気で嫌がっていて本当に笑いました。やる前に観客がフー!と冷やかしたところ「千聖のファンは一人もフー!って言ってないじゃん」と言っていました。今日はアンコールが「千聖!千聖!」でしたが、単に次の日が誕生日ということだけではなく、無事に手術を終えて復帰してほしいというファンの気持ちも込められていたと思います。

「毎年、武道館でやれるグループになりたい」、岡井さんはそう言いました。これは立派なビジョンだと思いました。メンバー全員の意志がそれで統一できているのであれば、ひとまずゴール問題は解決したと思います。ただ直線的に規模を大きくするだけが成功ではないので、これは一つの答えとして賛同できます。また、一回達成したら終わりのゴールだと2002年W杯の後の某選手のような燃え尽きた状態になってしまいますから、一度達成してもなくならないゴールを設けることは賢明です。ただ、毎年、武道館でやると聞いたときに、そもそも℃-uteさん自体はあと何年やるのか? という疑問・心配が私の頭には浮かんできます。解散するまでのグループとしてのビジョン、解散した後の個々のビジョンが見えてこないというのが、何となくファン全体にモヤモヤが残っている部分かもしれません。

ただ、これから℃-uteさんが活動を続けるのがあと何年にせよ、毎年こんなに楽しくて完璧なコンサートを体験させてくれるのであれば、私はそれ以上は望みません。℃-uteっていつまで続けるの? そんな疑問を、圧倒的な質で黙らせる。問答無用で楽しませる。満足させる。それも℃-uteさんらしいと思います。とにかく今日は、何と言えばいいのか分からないくらいに楽しかったです。℃-uteの皆さんには、これまで活動を続けてくれてありがとうと言いたいです。