昨日は食いすぎた。夜に会社の忘年会があると分かっていたのに昼もしっかり食ってしまった。池袋の四季香で回鍋肉定食JPY980。取り放題の副菜セクションで煮卵を二つ。もたれ気味な胃。リカヴァリーのために朝食は食物繊維の多いものを軽く。ローソン・スリーエフ。たっぷり食物繊維が摂れる梅しそごはんおにぎり(国産もち麦入り)。食物繊維8.6g。最近amazonで箱買いしたIFココナッツ・ウォーターを手に、家を出る。新幹線。高い。池袋から名古屋。JPY10,560。行きはバスでもよかった。後から考えるとその方が賢明だった。だが私には昼時に名古屋に着きたい理由があった。気になっていた南インド料理店。マドライ・キッチン。なんとなく栄駅付近だと思っていたが思い違い。駅付近で起動したGoogle Mapによると徒歩49分。名鉄瀬戸線。栄町駅から森下駅。6分。駅から徒歩5分くらいかな。あった。ビリヤニ・プレート JPY1,300。チキン65 JPY1,000。今日のビリヤニは海老。人生で二度目の海鮮ビリヤニ。色んなスパイス。手の込んだ味。でもじゃあ結果としておいしいのかと言われるとなんとも言いがたい。分かる人にはたまらないのかもしれない。私にはピンと来ないタイプのビリヤニ。チキン65は分かりやすく濃い味付けの唐揚げ。こっちはおいしかった。客は女性中心。インド料理店らしからぬお洒落感。駅の周り。これといってなさそうな目ぼしい商業施設。南インド料理店とメンタル・クリニックはある。もしこの町に私が一人で住んだら精神を病むだろうか。きっと病むだろうな。そんな気がする。栄方面行きのプラットフォームから見える景色。眺めながら想像。この前、東京の船堀を歩いていたときにも何かゾワっと来た。自分はここに長く居ちゃいけないという感覚。土地土地に染み付いた何かがある。その何かとの相性が、たぶん人それぞれにある。
セブン・イレブン名古屋栄森の地下街店。チケットを発券。現地で発券することの利点。チケットを忘れるとかなくすとかのリスクがなくなる。生活の知恵。受け取ったチケットを確認。なんと、二列! 東京に続いて良席。いいこともあるもんだ。時間調整。名古屋でやたらと見るカフェ・ド・クリエは敬遠。イタリアン・トマト系列の、聞いたことがない店名のカフェ。レーコー JPY380。私が立ち上がって上着を着ている最中、まだ席を離れてもいないのに椅子にタオルか何かを置いてくるオジサン。間近で犬にションベンでマーキングされてる気分。きめえ。イラッとする。置かれたそれを投げ捨てたくなる。私はそれを実際にやりかねない人物。
愛知芸術劇場。栄駅から徒歩数分。好立地。Hello! Project支持者時代に身についた、良席のときは早く入場しすぎない癖。チーム友達が来るから。あのお、その席って連番ですか? もし一人だったら代わってくれませんか? 友達が近くにいてえ。ってやつ。もちろん上原ひろみさんのコンサートでその手合いは来ない。(今のHello! Projectでもそういうのが横行しているかどうかは知らない。)高齢男性の多さという点では客層は似通っているとも言えるが、現場におけるノリは大きく異なる。私は横浜F・マリノス、田村芽実さん、 #KTちゃん 、BLUEGOATS、LiVSなど異なる陣営の娯楽を横断的に見るようになって、最近確信した。ライヴ・エンターテインメントの現場における死活問題とは、どういうノリを作り上げるか。それがすべてと言ってもいい。ルールとかお作法のような堅苦しいものではない。楽しみ方、盛り上げ方、に近い。日本では上原ひろみさんのコンサートをどうやって楽しみ、盛り上げるのかのノウハウが根付いていない。1,500人~2,500人収容のホールは埋まった。埋めた人々の質はどうだったのか。このツアーに来場したヘッズの中に、Hiromi's Sonicwonderのアルバムを何十回、何百回と聴き込んだリスナーがどれだけいたのか。10年、20年と上原さんの音楽を聴き続けてきた人がどれだけいたのか。はっきり言ってしまうと、お金と時間があるからとりあえず来ましたって感じの人、セックスの前戯として来た男女、そういった人たちが何割もいたように思う。そして、もうひとつ大事な点として、ノリを作り上げるにはそのチームなりアーティストなりの興行が日常の中に存在しないといけない。定期的なイヴェントとして設定されていないといけない。そうしないとヘッズ側の練度が上がっていかない。仕上がっていかない。その現場ならではの暗黙の了解が出来上がっていかない。おまいつがノリを身につけ、全体を引っ張って盛り上げていくんだ。年に一回程度の日本ツアーがあるという現状の頻度では、観客がおまいつ化するのが難しい。もちろん、同じ頻度であったとしても他国の観客はもっと熱狂するのだろう。世界的に見ると大抵の国では日本よりもデフォルトのノリはいいだろう。日本人のデフォルトのノリには前に書いた儒教的な特質が大きく作用しているはず。
コンサートの前半。私の右に座っていた老紳士が結構な割合を寝て過ごしていた(もちろんジロジロ見ないよ。すぐ隣だったので目に入った)。たしかに最近は寒い。季節の移り変わりを乗り切るだけで消耗する。彼を見て私は思った。いくら時間があってお金があったとしても、最終的に自分が何を楽しめるかは体力、気力に制約される。100の時間とお金が自由に使えたとしてもそれを受け止める自分の能力(体力、気力)が30であれば楽しめる上限が30なのだ。たとえそれまでの人生で色々聴いてきて、耳の肥えたリスナーになったとしても、その音楽の放つ熱量についていくだけの体力と気力が残っていなければその音楽の一部にはなれない。エンターテインメント全般に言える。要求される熱量がそれぞれにある。もちろん同じスタジアムでも席の種類が違ったり、同じフロアでも前方だったり後方だったりで異なるスタンスをとることは可能である。全員が一律で同じように振る舞わないといけないわけではない。それでも現場というものにはある程度の基準が存在する。ただ、後半ではその老紳士が目を瞑りながらも頭を揺らして音楽に浸っているようだった。もしかすると前半も実は寝ていなかったのか? 終盤には完全に起きて声も出していた。
私と同年代(40代前半)の知人、友人が異常な割合で腰をヘルニアなどで傷めている。長時間のイヴェントやコンサートなどでずっと立っていられないなど、人生を楽しむ上での分かりやすくて具体的な支障が同年代で出始めているのを見ると、いよいよ私も生物としてそういう段階に足を踏み入れつつあるんだなと実感する。立つ、歩く。人間として活動していく上での根幹。書店で健康本の題名を眺めると、我々が最終的に行き着く健康上の関心事は歩けなくなる(のを防ぎたい)、咀嚼できなくなる(のを防ぎたい)であることが分かる。自分で歩けない、自分で物を噛めない。自然に考えるとその先に待っているのが何かは言うまでもない。
20分の休憩中、ジーン・コイさんが数分間ステージに戻ってくる。ドラム・セットに何らかの不具合があるようでスタッフ4名と何かを話し合っている。解決したようでThank you!とスタッフに礼を言い、袖に捌けていった。コイさんといえば、このツアーで彼が来ているシャツが原宿の竹下通りで買ったものだと東京公演で上原さんが明かしていた(買った場所については東京公演のみで言及していた)。鯉の柄。ジーン・コイだから鯉。鯉のシャツを着始めてから鯉のグッズをたくさんもらうようになった。
上原ひろみさんの即興プレイを目を瞑って聞き入るトランペット担当のアダム・オファリルさん。そう来るか! という感じでアー! と声を出して笑みを浮かべるジーン・コイさん。お互いのプレイを楽しみ合っている。コンサート中、ステージにいる四人の間で何度もこういう場面が見られた。どこかジョイントを回し合ってハイになっているような、そういう雰囲気があった。そしてヘッズ側の拍手や声にうんうんと頷くメンバーさん。鍵盤から目を離し、嬉しそうに客席に振り返りニコッとする上原さん。本当は、ヘッズとメンバーさんの間のコミュニケーションをもっともっとやるべきだったし、メンバーさんたちもそれを望んでいたと思う。他の国ではもっとあるんだと思う。私を含め、まだまだシャイだった。それが残念だが、上に書いたように、日本でそのノリに到達するにはもっと公演を定常化しないと難しいというのが私の結論だ。複数年に渡って複数回、上原ひろみさんの日本公演を観た上でそう思う。ただ、私としては東京では会場と席に恵まれ、この名古屋でも席に恵まれ、心から幸せだと思える時間を過ごすことが出来た。
あの長いスピーチは何を言っているんだ? 昨日メンバーにそう聞かれたという上原さん。新曲“Yes, Ramen!(表記不明)”の前のトークを指している。ラーメンへの思いを語っていると答えると、あんなに長く? とメンバーさんたちが驚いたという。何十年と老舗の味を守るヴェテラン、それに挑む新進気鋭の若手という構図や、同じラーメンが好きな人たちが一杯のラーメンに向き合うというのが、ジャズ界やライヴに似ているという趣旨のことを上原さんは言っていた。彼女は本当にラーメンがお好きなようで、Instagramによくラーメンの画像を投稿している。それも普通、有名人って自分が食べているところを映すじゃん。彼女の場合、ラーメンだけを映してんの。オタクのInstagramみたいに。それだけガチってこと。
終演後にギャンブル依存症の中島さん(仮名)と合流。(なんと直前にチケジャムでチケットを入手し、コンサートに入っていたらしい! 高齢者の多い客層がSKE48と同じで安心感があったと言っていた。)名古屋駅まで移動。雨が降ってきたので地下街に避難。ヒモノ照ラス ユニモール店。彼が東京で家賃を踏み倒したまま(正確には毎月JPY1,000だけ振り込み続ける。更新料は満額払ったらしい)栄に引っ越してから会う頻度は落ちた。今年は二回目である。また、彼のTwitterが永久凍結(現在は解除されている模様)してから近況を知る機会は減った。会うのは3月30日(水)の2024明治安田J1リーグ、名古屋グランパス vs. 横浜F・マリノス(豊田スタジアム)のとき以来。サシでメシを食うとなると数年ぶりだろうか。久しぶりに色々と話せて嬉しかった。最近は日本酒を開拓しているらしい。それぞれが定食を頼み、彼の解説を聞きながら日本酒を色々と。田中六王、醸し人九平次、るみこの酒、黒龍、裏寒紅梅、裏半蔵。二人でJPY7,678。私が出した。奢った金額としては上原ひろみさんのツアーteeシャツ(JPY3,500)に近い。先日サファリ色を買えなかったからといってそれを買い足すよりは中島さんと歓談して飲食代を奢る方が、お金の使い方としては何十倍も有意義である。