2025年11月19日水曜日

BLUEGOATS LIVE TOUR 『青春を、もう一度』 (2025-10-05)

2024年に私がSpotifyで最も長く聴いたアーティストはBLUEGOATSだったが、同年11月30日(土)のミニ・マルコchanとの運命的な出会いを契機にLiVSばかり聴くようになった。2025年の一位はLiVSが当確。二位は #KTCHAN だろう。BLUEGOATSは五位以内に入らないかもしれない。LiVSにはまりすぎて、なんかこう聴く気にならないというか、BLUEGOATSの耳ではなくなってしまっていたのだ。新曲が出たら一応、再生はするけど、一、二回聴いてふーんって感じで終わり。元々BLUEGOATSに関しては常軌を逸した通い方はしていなかったものの、今年に入ってからの私は明確な意思を持ってこの集団に割く時間とお金を減らし、LiVSに注力してきた。もっともこれはBLUEGOATSに限った話ではなく、田村芽実さんのミュージカルも申し込むのをやめていた。直近でBLUEGOATSの単独公演を観たのが6月22日(日)、その前が3月2日(日)、その前は2024年12月29日(日)。昔読んだ『グルメの嘘』(友里征耶)という本によると飲食店では月に一回以上行っていると常連と認識される可能性が高いらしい。インディー・アイドルの世界はそんなに甘くない。月に一度だとたまに来る人だろう。今年に入ってから三ヶ月に一度程度しか来ていない私はBLUEGOATSにとって、たまに来る人ですらない。もはや来ていないようなもの。こんな中途半端なことを続けることに意味があるのだろうかと疑問に思うし、いっそのこと行くのをやめてしまったほうがいいのではないかという考えも頭に浮かぶ。なぜ今日のチケットを買ったのかも覚えていない。さすがに最近BLUEGOATSに行っていなさすぎる。LiVSの予定が入っていないし、ここらでいっちょ行っておくか。おそらくそんな感じだったような気がする。9月8日(月)の対バンでは新曲の多いセット・リストについていけず、BLUEGOATS支持者としてのブランクを感じた。だから今日も若干の不安はあった。自分はまだBLUEGOATSを楽しめる身体なのかどうか。それを確かめたいという思いはあったかもしれない。

渋谷CYCLONE。入場前、付近をうろつき、適当に目についた次世代という飲み屋に入る。店名が少しひっかかる。私自身はとっくに次世代といえる年齢ではなくなっているからだ。枝豆もフライド・ポテトも焼き鳥も塩がしっかりまぶしてあって、好みの味だった。私は塩が大好きなので。(血圧は高くない、むしろ低めである。)JPY2,380。チケットは一般の12番だったけど、その前に一般抽選、さらにその前にVIPチケットというのがあったので、別に良番というわけではなかった。既にまあまあ埋まっている。右側に位置をとる。なんとなく癖で右側に行きがちである。LiVSにおいて右側がなんとなくミニ・マルコ支持者たちの定位置になっているというのもあるだろうし、LiVSに出会う前から右側を好む傾向があったような気もする。

始まってみると、番号が良いとか悪いとか、前にいるとか後ろにいるとか、そんなことはほとんど関係なかった。これぞBLUEGOATS。9月8日(月)の対バンとはまったく異なる満足度。音楽で繋がるとはこういうこと。ひとつひとつの言葉、それはリリックもそうだし、曲間のトークもそうなんだけど、とにかくそれらが違和感なく沁み込んでくる。心の隙間をぴったりと埋めてくれる。言葉で人の心を掴む能力、それが同業者の比ではない。「ボクシングじゃあり得ねえ 言葉のウェイトに差がありすぎる」(呂布カルマ)。音楽で、メンバーさんの言葉で、胸がスカッとする。カタルシス。この空間にいられることの幸せを嚙みしめる。ちょっとうるうるしてくる。明日からも生きていこうと思わせてくれる。こんな感情にさせてくれる集団がほかにどれだけあるだろうか。BLUEGOATSの運営とメンバーが中心となってファンと一緒に作り上げてきたフロアのノリ。もはや他の追随を許さないくらいに完成度が高い。正直、私はフロアのノリに限って言えばLiVSよりもBLUEGOATSの方が居心地はいいかもしれない。一般的なインディー・アイドルのノリを全面的に否定し、異なる思想とやり方で唯一無二の熱さを実現している。個人崇拝ではなく、全員の意思があくまで音楽と言葉に向かっている。フロアの我々もBLUEGOATSの一員として一緒に歌う。久し振りに声が枯れた。セット・リストが絶妙だった。最近の曲を追い切れていない自分でもついていけた。置いて行かれなかった。『東京タワー』を久し振りに聴けて嬉しかった。『君の唄で生きていたい』、『解散』、『IWGP』といった曲であれば私でもある程度は習熟していた。そこまで聴いていない最近の曲もうろ覚えながら歌える箇所は歌った。気持ちのよいメロディ。胸のすく言葉。

ほんま・かいなさんのヴァイブスがどんどん半端なくなっていく。目にする度に思う。彼女はスタア。アンコールを受けて出てきた際に、アンコールはチケット代に含まれていない。だからやる権利(と言っていたが義務のことだと思う)はない。このまま帰ってもいいと言うなど、かいな節を連発していた。そしてチャンチーさん、やっぱり可愛い。今日のビジュは特に良かった。特典会でチャンチーさんに会いに行くと、シーテキ! と呼んでくれた。ちょっとびっくりした。名前を憶えてくれているとは思わなかったからだ。最初に会ったときに名乗りはしたけど、おそらくその後に思い出せなくなって、名前なんだっけ…と聞くタイミングを逃しているうちに私があまり来なくなってうやむやになっているような気がしていた。まあいいよ、私にはミニ・マルコchanがいるし…と思っていた。だから今日、おそらく初めて特典会に行ったとき以来に名前を呼んでもらえて、チャンチーさんと出会い直したような気持ちになった。

もしBLUEGOATSがこれからビッグになって、インディー・アイドルの枠組みを抜け出す日が来るとするのであれば、それを示す大きなマイル・ストーンは特典会の廃止だろう。毎回の公演後に一枚JPY2,500(サイン、日付、メッセージの書き込み、交流付)かJPY1,000(撮って終わり)でチェキを撮るというビジネス・モデルからの脱却。実際、たとえば1,000人規模の観客を集めてあれをやるのは無理がある。その規模になるとHello! Projectのように独立した別のイヴェントにするか、簡易なお見送り会だけにするとかになるだろう。実際のところ収益的にも客のニーズ的にも特典会ありきなのがインディー・アイドルである。本当に売れるというのはそこから抜け出す(それが出来なくなるくらい活動規模が大きくなる)ことだと思う。BLUEGOATSだったらそこを目指せるんじゃないか。現時点で特典会に行かなくても満足できるくらいBLUEGOATSのコンサートは満足度が高い。実際、コンサートだけを観て帰っている人も普通にいる。

一昨日のきゃらめるもんすたーずも今日のBLUEGOATSも新鮮な気持ちで心から楽しめた。正直なところ、最近の私がLiVSを毎回同じような気持ちで楽しめているかというと微妙なところである。ある話を思い出す。田村芽実さんはアヴォカドが大好きで毎日一個を食べていたら突如としてアレルギーを発症し、食べられなくなったそうだ。どうやら人間は一生の間に特定の食物を摂取できる上限というのが決まっているらしいのだ。もしかすると今の私は異常な頻度でLiVSに通った結果、もう一生分のLiVSを摂取してしまったのではないだろうか。もうLiVSを100%は楽しめない身体になってしまったのではないだろうか。そんな考えが頭をよぎる。実際、BLUEGOATSだってLiVSのような頻度で通っていたら今日のようには楽しめていなかっただろう。とりあえず気分転換のためにLiVS以外をもう少しは観た方がいいのかもしれない。

2025年11月14日金曜日

きゃらめるもんすたーず 2nd Anniversary Band Live!! ~2OOM CRUSH~ (2025-10-03)

2025年9月16日(火)19時過ぎ

出社日。退勤後、新大久保でメシを食って、池袋。猛暑は去ったがまだじっとりしている。ときおり眼鏡を外し、首にかけたタオルで顔を拭く。いつものようにサンシャインのふるさと広場で半額の餅か団子か玄米おにぎりでも物色してタリーズかヴェローチェに入ろう。交差点の前。何やらインディー・アイドルっぽい女のコたちがいる。少し足を止めてみる。俺は別にオタクじゃないしアイドルには興味ないんだゾって感じでそのまま横断歩道を渡ろうとする。アイドルの一人が私の進路を遮るように近づいて軽く触れてきて、行かないで聴いて行ってくれと訴えてくる。ちょうどこれから曲をやるらしい。きゃらめるもんすたーずという集団。彼女(後で知ったが芹沢あかりさん、別名キャサリン)の熱意に押され、聴いてみることに。興味があるかないかで言えばそりゃあったけど、まあしゃーないから聴いてやるかというくらいの気持ち。完全に冷やかしだった。どうせ大したことないんだろ、俺の目(耳)は誤魔化せないゾと思いながら、まあTwitterのネタになるかと思って動画を回す。するとこれが。あれ、意外といいのでは? 特に一人のメンバーさんの力強い歌声に思わず聴き入ってしまった。ちゃんと最後まで見届けた聴衆は私を含め五、六人だったかな。一人一人に個別にポーズをとって写真を撮らせてくれる、手厚いサーヴィス。

メンバーさん:何かポーズある? 公式ポーズはないの?
私:俺の?

赤羽ReNYで行うワン・マン(和製英語)公演に向けた販促で、池袋に連日出没しているらしい。歌声が魅力的だった金髪のコが、インターネットやってる~? と聞いてくる。やってるよ。(Twitterに動画を)上げとくわ。分かった。探しに行くね。すぐに #きゃらめるもんすたーず をつけて投稿する。22時18分にリプが来る。ももはらみのりさんという淑女だった。Twitterでいいねでも稼げればいいかと思って撮った動画を、後から何度も自分で観返してしまう。とても良い曲。Spotifyで検索してみる。『僕を流るる』。繰り返し聴く。

2025年9月1?日(?)(いつだったか忘れた)

公式Twitterを見てもメンバーさんが池袋のどこにいるのかがぼんやりとしか書いていないので、探し出すのが困難。ハッシュタグを追い、オタクのどなたかが上げていた画像から場所を特定する(池袋には土地勘があるので)。ももはらみのりさんがビラを配っている。頃合いを見て話しかける。みのりせんせー!(氏の愛称)。えーっと何さんだっけ…読み方が難しい…。今日は歌わないのと聞いたら、警備員さんがいるから歌うことが出来ないの。だから急遽、ここに来たの。というようなことを言っていた。そういうことか。場所や時間をはっきりと書けないのはグレーなことをやっているからだ。インディー・アイドルにはこれくらいの精神が必要。なんでもかんでもコンプラ、コンプラでインディーが大手に勝てるわけがない。私が前にいた会社の元CEOが「法律の塀の上(適法と違法の境目)を歩け」とよく言っていたという話を思い出す。

2025年9月19日(金)

みのりせんせーを発見。今日はもう一人のモンスター(メンバーのことをモンスターというらしい)が来ているとのことで、紹介してくれる。佐藤ららchan。はじめましてのご挨拶。16日(火)にはいなかったらしい。(いたような気がしたが、それは流川るぅさんだった。まだ個々のモンスターさんの識別が出来ていない。)Twitterアカウントはこれだと教える。それ(アイコン)誰なの? 尾見茂。好きなの? いや、好きじゃない。好きな人をアイコンにすると、自分の愚かな発言でその人の印象も悪くなる可能性があるでしょ。だから嫌いな人をアイコンにしてるの。その思想好き、と言ってくれるららchan。だってイヤでしょ? 自分の顔をアイコンにして変なこと言ってる人がいたら。イヤ! と首を振るららchan。ワン・マン(和製英語)なんだけどさ、ちょっと考えてるんだよねと言うと前のめりになるお二人。手売りチケットをその場で購入する流れに。チケットの裏にサインと落書きをしてくれるらしい。ペンを持って来ていなかったらしく、私が貸す。書いてもらっている最中、なんでせんせーなの? とももはらみのりさんに聞く。いつかビッグになると決めてるから。あとみんなの心の担任なの。これは事実。そうなんだ…と私は相槌を打ちながら怪訝な表情で首を傾げる。「眉をひそめない!」とららchanに注意される。写真を撮らせてくれる

2025年10月3日(金)

赤羽にはたまに来る。グレイト・カルカッタというインド料理店にドン・ビリヤニ・セットJPY1,100とチキン・ティッカ(2pc)JPY550を食べに行ったり、友路有というサテンに入ったり。以前は駅から逆方向にある別の店でマトン・ビリヤニをよく食べていた。そのビリヤニが一番好きだった。ただクオリティが安定せず。2024年の12月に行った際、大幅に味が落ちていると感じた。それ以降は一度も行っていない。グレイト・カルカッタに行く途中にある書店にもたまにふらっと入ることがある。今日の会場、赤羽ReNYがどこにあるのかと思ったらその書店の地下だった。私がストリートでみのりせんせーとららchanから買った手売りチケットはLivepocketで売っている一般チケットよりも入場順が先だった。VIPの後が手売りチケットだったかな。今日のためにデザインされた(前面の絵はキャサリンこと芹沢あかりさんが描いたとのこと)L/S tee JPY5,000と、チェキ券4枚を購入。チェキ券は新規限定で何枚買っても半額、次回以降も使えるらしい。それを売り場の婦人に聞く際「あの、新規なんですけど…」と切り出すと「うん」と馴れ馴れしく応じてきた。うんじゃねえよてめえ誰に口聞いてんだ殺すぞと思ってしまった。殺すのはやめておいた。トイレで着替える。買ったばかりのL/S tee。今着ないでいつ着る。なかなかええやん。開演前にジン・トニック。この時点ではまだ行こうと思えば2-3列目には行けた。が、どういうフロアなのか勝手が分かっていないので今日は後ろからおとなしく見物することにした。段差の一番前、右寄りの位置を確保。4-5人も入ればいっぱいになるくらいの女性エリアのすぐ後ろ。Hello! Projectの無銭release partyで有馬岳彦さん(通称サムライ)がよく使うことで知られる手法。女性は男性よりも背が低いので、女性エリアに人が埋まったとしても見晴らしがよくなる。(結局女性エリアには二人しか来なかった。)

今日は生バンド。まず出囃子から生演奏。この時点で笑ってしまうくらいカッコよかった。私のオキニでお馴染みの『僕を流るる』が一曲目だった。最高の立ち上がりであると同時にこの曲を最初に済ませてしまうのは勿体なかった。アンコール明けにもう一回やってくれないかなと密かに期待していたが、実現しなかった。いずれまた生で、願わくば生バンドで聴いてみたい。生演奏の効果もあって、思っていたよりもロックで、こう言うと失礼だが思っていたよりもちゃんと音楽をやっていた。おそらくいいものを見せてくれるだろうというのは池袋のストリートで観て分かってはいたが、ちゃんとステージで観るまでは半信半疑だった。実際に体感してみると、期待を上回る心地よさの音楽空間だった。今日が来るまでは曲を聴いたりYouTubeを観たりしてみのりせんせーの声と歌とキャラクターに魅了されていたが、今日のコンサートでは佐藤ららchanに目が釘付けになった。私がきゃらめるもんすたーず内でいわゆる“推し”を選ぶのであれば、それは佐藤ららchan(通称ららもん、ららお、ららたん)だと言わざるを得ない。ごめんね、せんせー…。でも、せんせーのことも好きだよ…。

次回からはもっと前に行っても大丈夫そう。インテンシティはそこまで高くない。モッシュやリフトやサークルは起きない。ミックスも数人がやっている程度。それぞれが好きなように観ている感じ。治安がよい。平和。女性や子どもでも安心して楽しめるフロア。フットボールのゴール裏のように男くさくて熱いフロアも、人が前に前に圧縮してみんなで拳を上げるフロアもいいけど、こういうちょっと緩い感じもこれはこれでいいなと思った。熱狂的すぎない。気を張る必要がない。何というか、こちらサイドがそこまで試されていない。演者サイドと勝負をしなくていい。

終演後の特典会ではみのりせんせーとららchanとチェキを撮った。きゃらめるもんすたーずはチェキの値段が安い(定価JPY1,000)かわりに交流時間が30秒のようだ。せんせーには(これからも)たくさん来てね! と言われたが、既に体力と財力の限界を超えてLiVSの予定が入っていてミニ・マルコchanに本気な私は返事に困り、口ごもる。その反応を見て氏は察したのだろう、笑っていた。ららchanは私がかけている眼鏡を見て、今後もそれをかけるよう要求してくる。1-2回しか会っていないくらいのアイドルさんは私を眼鏡の色や特徴で覚えようとしてくる傾向があるが、私はそれに迎合しない。4種類の眼鏡、4-5種類の帽子、毎回のように異なる服装で攪乱していく。キャサリンこと芹沢あかりさんと、流川るぅさんにもご挨拶しようと思ったが芹沢さんの列に並んだところで田舎のヤンキーっぽい髪形の運営らしき紳士にもう締め切っていると言われる。いつ何が終わったんだよ。インディー・アイドルあるあるだがとにかく説明やアナウンスが不足している。よく分からない。

余らせた二枚のチェキ券を使わないといけないし、またそのうちきゃらめるもんすたーずを観に来たい。とはいえ彼女たちの活動は対バンが主。さすがに彼女たち目当てで対バンに行くほどガチ勢にはなれない。そう思っていたら11月22日(土)に再びワン・マン(和製英語)公演が行われることが決まった。販売開始と同時にチケットを買った。場所は横浜。そういえばYouTubeで配信のアーカイヴを観ていたら、ららchanの出身が横浜だと言っていた。俺もだよ、ららchan。

2025年11月8日土曜日

人間最高ツアー (2025-09-28)

とんぼ返りするつもりだったので泊まった場合に必要になるものを何も持っていなかった。服に関しては昨日の物販でLiVSのL/S tee(JPY4,500)を購入。いずれ買おうとは思っていた。最近、L/S teeにはまっている。これまで軽視していた。イケていないと思っていた。不要だと思っていた。L/S tee一枚でちょうどいい季節などほとんど存在しない。夏には暑いし、秋冬はS/S teeの上にスウェット・シャツでも着た方がええやん。そう思っていたが最近はL/S teeを着こなす方向に意識が変わった。整髪料は昨晩コンヴィニエンス・ストアでGATSBYのちっちゃいやつを買った。使い慣れていないのもあって、これが全然よくない。ただ乾かすだけのほうがよかったくらい。(セットを失敗しているのがこの日の写メを見ると分かる。GATSBYは家に帰ってから捨てた。ふざけんなよ、株式会社マンダム。)久々の外泊。いつもと違う場所で朝を迎えるのはいい気分転換になる。大浴場を堪能してからチェック・アウト。また利用したい。JPY5,000で名古屋に泊まれるなら今後の遠征の選択肢が広がってくる。

矢場町(9:34)→金山(9:40)
金山(9:54)→大垣(10:34)
大垣(10:34)→米原(11:17)
米原(11:50)→大阪(13:13)

在来線でJPY3,620。昼メシ。あんまり呑気に吟味する時間はない。(いや、時間そのものはあるんだが既に昼メシにしては時間が遅い。食事のリズムをなるべく崩したくない。)梅田食道街。適当に決めたステーキ屋。といってもとても庶民的なプライシング。ステーキ定食(肉大盛り)JPY1,500。多くを期待するのは間違っている。それは承知。にしても肉が少ない。入院患者の食事かと思った。物足りない。喫茶アリサ。『完全版 ブラック・マシン・ミュージック 下』を読む。ヒップホップやR&Bの陰に隠れて見過ごされがちな、ブラック・ミュージックとしてのテクノに光を当て、歴史を辿る。上下巻を通し、音楽ジャンルやアーティストがアンダーグラウンドであることの意味や当事者たちが持つ誇りがテーマとして興味深い。インディー・アイドルと重ね合わせながら読んでいる。インディーはメジャーに劣る、規模の大きさこそが価値であるといった刷り込みから、我々は自由にならなければならない。必要なのは「アンダーグラウンドが一番タフ」(般若)の精神だ。
有名なDJが二五〇〇〇人の前でプレイしたら、それは実験的にはなり得ないだろう。[…]たった三〇人だったらとてつもないことが可能だぜ。そこにいるだけで全員が狂っているんだからな。そういうやつらにこそ、おれの音楽を聴いてほしい。
(野田努、『完全版 ブラック・マシン・ミュージック 下』)

福島県ではない福島駅。徒歩数分で今日の会場。LIVE SQUARE 2nd LINE。ファミリー・マートでモカ・ブレンド(S)をしばいてから向かう。ぱらつく小雨。昨日、急遽買った(といってもタダ)チケット。66番。開場時点で後ろには数人しかおらず。箱の従業員とおぼしき中年男性が整理番号を呼び出しながら「我こそはという方は!」なぞと言ってオモロさを醸し出している。大阪を感じる。ほぼ最後に入場。当然、フロアには大方ヘッズが入り切っている。とは言ってもそこまで混んでいるわけではなく。ほどよく空間のある中、後ろの方でまったり観ようと思っていたら某紳士がどういうわけか場所を空けてくださって真ん中の四列目くらいに行かせていただいた。この公演は17時半開演。18時から横浜F・マリノスの大事な試合がある。対FC東京。味の素スタジアム。明治安田J1リーグ残留に向けて崖っぷち。負けていい試合はひとつもない。そわそわするが、マリノスの健闘を祈ってLiVSに集中する。考えてみると私がセンターで観ることってほとんどない。いつもと違う感覚。なかなか新鮮な体験。マルコchanの目線をたくさん貰った。メンバーさんがデフォルトで見るのは真ん中なので自ずとそうなる。端っこの最前に行くよりは2-3列目でも真ん中に行った方がいいというのがF君の持論だが、たしかに一理ある。それくらい真ん中には価値がある。ただしF君が言っているのはHello! Projectの話。必ずしもLiVSに100%適用できるわけではない。LiVSのフロアは特に前方中央が流動的で人が頻繁に入れ替わる点に留意が必要。今日の公演を自分がどう感じたのか、詳しく覚えてはいない。たぶん良かったと思う。ただ昨日の名古屋公演には個人的体験としては劣っていたと思う。セットリストが昨日と一緒ではなかったのは覚えている。そもそも公演はその場、その場で感じ取るものであって、言葉にするのが難しい。言葉になる前のプリミティヴな何かはその都度、頭に浮かぶのだが、時間が経過すると細かく覚えていない。それを無理やり感想にしようとすると可愛かったとか、楽しかったとか、毎回同じようで決まり文句になってしまう。であれば別に無理に言葉にしなくていいのではないかと思う。

終演後、特典会までの待ち時間。ジョルダンで帰りの電車を検索。大阪から東京が意外と遠いことに気付く(どおりで関西の方々はなかなか東京まで遠征してこないわけだ)。なんか新幹線で三時間くらいかかるじゃないか。明日は出社日。サクッとチェキ、写メを撮って早く帰らないと。マルコchan列に早く並ぶ。本当は来る予定なかったんだけど急遽、来ることにしたんだ。着替えもなかったから昨日物販でロンT買って。あ、そういうことなんだ。でもこれいいよね。気に入った。着こなしもいい。これ入れてる(タック・インしている)のがポイント。ね。お昼ごはん何か食べたの? なんか食道街でステーキ食べたんだけど、肉を大盛りにしてもめっちゃ量が少なくて。病院の食事かって思った。それはヤダね。夜は何かちゃんとしたもの食べれるのかな。そうだね。駅弁でも買うかな。駅弁のお勧めはね…。鮭とイクラの入ったやつ。名前は分からない。551は20時くらいまでかな。551は食べたことある? あるけど、普通かな。それを以前、大阪出身の人に言ったらめっちゃ根に持たれた。数年後、あのとき551のことを普通って言ってましたよねって。心の柔らかいところを突いてしまったんだろうね。大阪出身の人に551のことは悪く言わないほうがいいっぽい。私は551が冷めてるほうが好き。皮の食感が少し硬くなるの。アメリカでもピザが冷めてるほうが好きな人がいるらしいよ。感性が同じなんじゃない? えー、ピザは暖かいほうがいいよね。チーズが伸びなくなっちゃうよね。ピザの具は何が好き? アンチョビとマッシュルームかな。なるほど…アンチョビって何? え、知らない? 知らない。食べたことない。食べたことないんだ。カタクチイワシで、しょっぱいの。スーパーとかに売ってる? 売ってる。高そう。そうでもないよ。私、マッシュルームは食べられないの。キノコが苦手。エノキ以外のキノコは食べられない。だからアンチョビとエノキだったら食べられる。でもアンチョビ食べたことないんだったら分からないじゃん。何これ、食べられないってなるかもしれないじゃん。たしかに。でも魚でしょ? でしょっぱいんでしょ? だったら食べられると思う。というような会話(記憶。概要。正確な書き起こしではない)をして、そそくさと会場を出る(マルコchanの食べられないものが次々に判明して驚く)。iPhoneのABEMAアプリを開く。何とマリノスが2-0で勝ち越している! 観始めた数分後、ジョルディ・クルークス選手のクロスを谷村海那選手がヘディングで決めて3-0! 思わず会場と福島駅の間のストリートで飛び跳ねる。前の人が振り返る。マリノス勝ちを確信するがそこから二点を返され最後の最後までハラハラドキドキ。薄氷の勝ち点3。

急ぎ足の帰途。何か食うものを買わないと。マルコchanのお勧めを無視するわけにはいかず。鮭とイクラが入っているという情報だけで弁当を探し出す難度の高いミッション。検索してもそれらしきものが見つからず。いくつかの店を回った結果、おそらくこれのことであろうとおぼしき弁当を新大阪駅で見つける。が、売り切れ。マルコchanという一人の女にとことん振り回される私。置いてある弁当がどれもピンと来ない。納得はいかないと鯖寿司とアサヒ・スーパー・ドライを購入。新幹線、混んでいる。デッキで立ち食い。そのまま東京まで立ちっぱなし。今日、8時間くらい移動している。疲れる。23時半くらいに池袋。この街が落ち着く。

2025年11月3日月曜日

人間最高ツアー (2025-09-27)

ひょんなことから自炊を再開した。9月4日(木)に東池袋エー・ラージで食べたサマー・フェスティバル・スイカ。すいかチキン、すいかサンバル、すいかラッサム、すいかライタ、すいかトック、すいかライス、すいかプーリー、すいかアイスクリーム。スイカ・ライスはインドにあるが、それを除けばラージさんの創作料理なのだという。これがJPY4,398もした。もちろん値段を知った上で注文したわけだが、平日に一人で食う昼飯にこの金額を出してしまうとさすがに罪の意識に苛まれた。少しは節約をしないと。しばらくは家で余っているツナ缶を使って塩と胡椒だけで味付けたスパゲッティを作っていた。当然ながらまったくおいしくない。あるいは卵かけご飯と梅干と納豆と魚の缶詰めという献立も試したが、長く続けられる気がしない。形式的に腹を満たすことは出来ても侘しい。この記事とは前後するが10月2日(木)にファビオ飯というYouTubeチャンネルでガーリック醤油のパスタの作り方を学んで以来、そればかり作っている。(基本的に私の自炊においては何かの作り方を覚えたら同じものを作り続けることしか出来ない。そして何品も用意するのは無理。その一品だけで食事を完結させる。)この料理ではナスを炒める際にオリーヴ・オイルを多く消費する。残りが少なくなってきた。近所のスーパー・マーケットに行ったら値段を見て目を疑った。2024年の1月(前回購入時)にJPY800くらいだったはずのエクストラ・ヴァージン・オリーヴ・オイル(456g)。同一商品がJPY1,402になっているのだ。とてもじゃないて手が出ない。背に腹は代えられない。トップ・ヴァリュのフェイクなシット(682gでJPY798)を購入して今でも使っている。明らかに風味が劣るが、ドバドバ使う炒め物の油としては不満はない。

チケット代。物価高騰に喘ぐ私のような庶民にとってそれは大きな問題。たかだかJPY3,000からJPY5,000。ガタガタ抜かすな。そう言われるとその通りなのだが、どういう頻度でその出費が発生しているかを考えてみてほしい。ジャブのように効いてくるんだ。(と言っても私はジャブを食らったことがない。それどころかボクシングをまともに観たこともない。だからジャブが効くというのが実際にどういうことなのかよく分かってはいない。)ストリート・ファイターⅡでも必殺技を一度も食らわなくても小キックや小パンチをひたすら受け続けたら体力ゲージはゼロに近づくだろう。今回のツアーはチケット代が無料。超最高チケット(JPY31,500)、最高チケット(JPY10,000)も販売される。それらのチケット所持者には優先入場をはじめとする特典がついてくる。JPY0とJPY10,000あるいはJPY31,500を誤差と言えるくらい経済的に恵まれていれば有料チケットを買えばいいが、オリーヴ・オイルの値上げに耐えられずトップ・ヴァリュで手を打つ私にとってはおいそれと払える金額ではない。実際のところ東京は別として地方公演であればそれぞれのチケットで得られる経験に決定的な違いはない。ざっくりした目安で言うと超最高チケット(JPY31,500)で最前、最高チケット(JPY10,000)で二列目、無銭の若い番号で三列目くらいには行ける。一、二列目と、三、四列目の差。そこにどこまでこだわるか。そもそも最前と言ってもLiVSのフロアでは開演時点にいた人たちが最初から最後まで占有するわけではない。最前の特に中央付近はケチャが起きる度に人が入れ替わるのが暗黙の了解。ベースの立ち位置が崩れてゴチャッとしてくればくるほどフロアがいい具合に仕上がっている証拠。まあ超最高チケットの場合は優先入場以外にもいくつかの手厚い特典がついてくる。一番中途半端なのが最高チケットで(超最高チケットの次の)優先入場+メンバーとの集合チェキ(or写メ)+サインとメッセージ入りのチェキ券一枚。これにJPY10,000は値段に見合っていないと私は感じる。ということでこのツアーは有料チケットは買わず、無銭チケットだけで入ることにした。そもそも有料チケットを買ったところでどうせ特典券も買うので、出費がそれだけで済むわけではない。おそらくは新規の人たちにも気軽にたくさん来てほしいというのがチケット代をタダにする本来の趣旨なのだろう。だとすると私はターゲットから外れているのかもしれないけど、甘えさせてもらう。結局は特典会でお金を落とす。それでもチケット代の分が安く上がるのはありがたいことである。

行きはバス。8時10分新宿発、13時40分名古屋着。の予定だったが名古屋に着いたのが14時57分。序盤に交通渋滞。到着が大幅に遅れる旨が車内にアナウンスされたときは最悪の結果も覚悟したが、結果としては17時開場に十分に間に合った。サーヴィス・エリアに到着する度にお勧めグルメ情報を教えてくれる、サーヴィス精神に溢れる運転手氏だった。足柄サーヴィス・エリアのZETTERIAでパテが二枚入ったバーガーを食った。プレミアム感は皆無で、期待を下回るクオリティだった。浜松サーヴィス・エリアでおでんを食べた。値段を見ずに適当に取っていたらしぞーかおでんハンバーグというのが小さいのに一つでJPY387もするという罠が仕掛けられていて、思っていたよりも高くついた。名古屋は何度も訪れてはいるものの土地勘があると言えるほどではない。何も考えずGoogle mapを見ながら会場まで歩いていたら1時間くらいかかった。会場の場所を確認するために近くまで行ったら数十メートル先に見覚えのある金髪ボブの後ろ姿を観測。もしかして…と思い一旦立ち止る(入り待ちとかストーカーのようなことをしたくないので)。歩道の端にそれて様子を伺おうとすると、金髪ボブと一緒にいる誰かが私に向けて手を振っている。ランルウさんじゃないか。ということはやっぱりあの金髪ボブはコンニチハクリニックさんだ。会釈をして退散。16時12分、ベローチェ。時間調整。入場時間間際。会場前に集う同志の皆さん。軽くサツアイ(挨拶の業界用語)。私は今日の名古屋公演を観たら東京に帰るつもりだったが、明日の大阪公演も観るよう某紳士に説得され、気持ちが傾く。私の整理番号(無料の人間チケット3番)を聞いた大阪在住の紳士が、絶対に東の方が時計が早い。チケット発売時刻になるのが5秒くらい早いから東の人はみんな整理番号が早いという説を唱えていて、視点が面白かった。

公演はこれまででトップ級と言っていいくらいに熱く楽しめた。私の位置から最前まで通りづらい場面も多々あったのだが、その難度が却って私の気持ちを搔き立てた。これでくじけてたまるか、これを乗り越えてマルコの前に行ってやるんだっていう。気持ちのこもった納得の行くケチャを何回も遂行することが出来た。凄くしっくりくるセットリストだった。新旧バランスよく。“EGO”を聴ける貴重な機会だった。土曜日に早起きして8時10分から15時までバスに乗り、そこから1時間歩いて無銭公演を観に来るという異常行動は報われた。池袋に住む私が渋谷や下北沢の会場に行っても味わえない何かが、地方遠征にはある。観光がどうのではなく公演そのものがちょっと別の味がする。ような気がする。かといってそう頻繁に観に行くわけにはいかない。交通費、宿泊費がマジで馬鹿にならない。

特典会でマルコchanが、私が着ていた横に茶色の線が入った黄色のL/S tee(quiksilver。古着)を見てチーズのかかったホット・ドッグのようだと言った。映画館とかで食べるのが好き。あ、チーズ・ソースみたいな? うん。好きなんだ…そこは合わないかも。俺はチーズ嫌いなんだ。ピザは好きなんだけどね。子どもの頃ニュージーランドに住んでいて、酪農国だからスーパーに行くとチーズがたくさん置いてあって。それで匂いでイヤになった。たしかにピザはチーズの匂いはそんなにないよね。子どもの頃の思い出でずっと食べられなくなることってあるよね。私は納豆が食べられないんだけど、小さな頃に犬がたくさんいる施設に行ったら匂いが納豆みたいで…そこから食べられなくなった。この彼女のエピソードがスゴく可笑しくて、笑ってしまった。(このときマルコchanには言わなかったけど、私の母親は子どもの頃に学校で飼っていた鶏の成長過程を見たことで鶏が食べられなくなった。ウチでは食卓に鶏肉が出てきたことは一度もない。)今日はランルウさんが凄く印象に残ったので氏の列にも並んだ。彼女の口ぶりからすると今日のセットリストは彼女が考えたようだった。

大阪まで夜行バスで移動しようと思ったが、男性が予約できる空きがなんとひとつもない(女性限定の席はひとつだけ空いていた)。名古屋の(に限らないが)宿を楽天トラベルで検索すると冗談でしょと言いたくなるような価格しか出てこない。二万、三万当たり前。ウェブで栄 サウナで検索。近くにサウナフジというのがある。ホームページには宿泊がJPY5,000と書いてある。もしここに泊まれなければ大阪公演は諦めて家に帰ろう。サウナフジに飛び込み、ダメ元で聞いてみたら上の段なら宿泊の空きはあるとのこと。一泊を予約する。チェック・イン。すぐに外出。近くを散策。晩メシの店を物色。南陽倶楽部という台湾料理店に決める。瓶ビールダイ(サッポロ)JPY825、ニラ玉子炒めJPY715、台湾酢豚JPY968、スパイシー・ポテトJPY528。なかなか良い店。味仙のように混んでいないし。サウナフジに戻る。。個性的な大浴場。メインのお湯が30度くらいのぬるま湯。湯の種類が多く、比較的空いている。色々と入り比べるだけで楽しめる。リフレッシュできた。

2025年11月1日土曜日

Counter FES (2025-09-26)

9月20日(土)にもLiVSの現場に行くはずだった。武蔵野音楽祭。チケットは購入済みだった。後から発表されたタイム・テーブルを見るとLiVSの出演時間が夜だった。日産スタジアムで行われる横浜F・マリノス対アビスパ福岡と完全に被っている。誤算。昼の時間にやるものとばかり思い込んでいた。というか常識的に考えてタイム・テーブルがない状態でチケットを売るなよ。買う方も悪いのだが。悩んだ。アビスパ福岡との試合は確実につまらない。これまで面白かった試しがない。ただマリノスの置かれている状況が状況。もしこの試合に負けるのであれば明治安田J2リーグ行きを覚悟しなければならない。それくらい崖っぷちに立たされている。どんな試合になろうが、どんな結果になろうが、見届けにいかなくてはならない。一方、今日のLiVS現場は異常な頻度で出演している対バンの中の一つに過ぎない。もちろん今日を最後にマルコchanが突然LiVSを脱退する可能性がゼロとは言い切れない。何の保証もない。でもそんなことまで考えたらしょうもない。マリノスを選んだ。というわけでLiVSを観るのが、マルコchanに会うのが、9月13日(土)以来。13日ぶりとなった。こんなに空いたのはいつが最後だろう。月に10回前後も会うのが当たり前になっていた。それは異常である。これをずっと続けることは出来ない。これがずっと続くことはない。何よりも経済的に持続可能ではない。その意味で、一時的であったとしてもこうやって間隔が空くのは自分の身のためでもある。今回は13日だったが、いつかはこれが永遠になる。私にお金にいくら余裕があったとしても、いくら時間があったとしても、ミニ・マルコchanが会える相手ではなくなる日が来る。二度と彼女の姿を見られなくなる。その時がいずれ訪れる。この13日間は、そのための予行演習をしているような気分だった。マルコchanのいない生活。LiVSのない生活。それを想像してみる。あれは幻だったのだろうか? 夢だったのだろうか? マルコchanとLiVSが私の生活から消えたら、私の感情はどう反応し、どうやって埋め合わせようとするのだろうか? どうしても埋めることが出来なくて苦しい思いをするのだろうか? それとも案外シレッと別の何かに熱中し、忘れ去るのだろうか? その日はいつ来るのだろうか? 私がマルコchanとLiVSに背中を向けるのだろうか? それともマルコchanとLiVSが先に私の前からいなくなるのだろうか? 
Everything will eventually come to an end
So try to savor the moment, 'cause time flies don't it
The beauty of life, you gotta make it last for the better
Cause nothing lasts forever
(Nas, “Nothing Lasts Forever”)

LiVSの出番が19時10分から。18時半くらいにクラブ・クアトロに入る。通路で特典会をやっていたアイドルさんに声をかけられる。ホタループという集団。全員と新規無料写メを撮らせてくれるとのこと。アイドルになる前は現場監督をやっていたという淑女(熊野りりさん)がいてびっくりした。アイドル歴よりも現場監督歴が長いらしい。メンバーさんと話しているとそこをLiVS(+スズキさん)が通りがかる。ちょっと気まずい。悪戯っぽくじーっと見てくるランルウさん。近くの壁に出演集団のポスターが貼ってある。そこにサインを入れに来たようだ。私が見ると、こちらを向いて笑顔をくれるマルコchan。愛おしい。私はいま入場したばかりなのでどの集団のライブも観ていない。なので当然ホタループも見ていない。その状態で写メを撮ってお喋りをさせてもらった。倒錯しているがこれはこれで楽しい。ホタループの写メで印象的だったのが、撮影係の方がスマ・フォの上に同じくらいの大きさのライトを置いて撮ってくれたこと。これで写りが全然違う。感心した。LiVSも見習ってほしい。ソーシャル・メディアにオタクが投稿する写メはその集団やメンバーさんの広告のようなもの。少しでも写りを良くするに越したことはない。LiVSの一個前のcowolo(18:40-)から観た。その後、LiVS(19:10-)、Finally(19:35-)、SOMOSOMO(20:00-)、にっぽんワチャチャ(20:25-)、ゆるめるモ!(20:50-)。どの集団も興味深かった。今日に関してはFinallyが一番良かった(個人の感想です)。特典会でAoiチャン(本名:今井あおい)にもそう伝えたら喜んでくれた。まあ全部は観てないんだけど…。何で全部観なかったの(ほっぺを膨らませる)? だって疲れるじゃん、最初からいたら。俺、疲れるのイヤなんだよね。というようなやり取りをした。Finallyのフロアで私がスゴいと感じたのが、盛り上がりのバランス。アイドルのコンサートにおける熱狂は、雑に分けると1.メンバー個人に向けられるもの、2.音楽や曲に向けられるもの、3.そのいずれにもあまり関係なくとにかく形式としてのノリの三つに分けられると思う。インディー・アイドルというジャンルの性質上、得てして1.と3.に偏りやすい気がする。Finallyの場合、何が何でも推しにケチャをしに行こうとか推しの名前を叫ぼうというよりも先に、全体としてフロアがしっかりと音楽を聴いて音に乗っている印象を受けた。3.がまず大前提で、状況によっては1.も発生して、3.はそこまで頻繁に起きない感じ。これが心地よく、メンバーさん一人一人にそこまで思い入れがない(どころかAoiチャン以外はいまだに顔と名前が一致しない)私でも楽しむことが出来た。

緊急開催!! LiVS FREE LiVE SHOW (2025-09-13)

大成功に終わった(と私は確信している)8月18日(月)のLIQUIDROOMぶりとなる単独公演。これまでLiVSはほぼすべての公演チケットをLivePocketで販売してきたが今回は唐突にTicket Dive。慣れない操作方法。発売から1分以内に申し込みは済ませたものの、最初になんか電話番号の認証か何かをさせられ、それで失った20秒くらいが命取りだったのか、整理番号は35番。叩いたとは言えないような番号になった。久々の単独公演を待ちわびていた勢力と、無料だからとりあえずチケットを抑えておこう(行かなかったとしてペナルティがあるわけでもないし)という勢力による相乗効果だと思うけど、通常の単独公演に比べて明らかに申し込みの勢いは強かった。この公演の開催が発表されたのが9月6日(土)で、チケット発売が23時。当日まで一週間を切っている。だから緊急開催ということなのだろうが、この日に何かをやること自体は前から公式サイトのカレンダーに表記されていた。LiVSに限った話ではなく、エンタメ界隈における緊急という言葉の使い方には首を傾げることが多い。単に段取りが悪くて発表が遅くなっただけでも緊急と言えば格好がつくような感じになっている。本来なら急なお知らせになってしまい申し訳ありませんと謝るような話でも緊急!と言っておけば何かの外的要因でそうなってしまったような雰囲気になる。私の言語感覚では緊急という言葉には何か不測の事態が発生して急な対応を迫られている、その対応をしなければ大きな問題が起きる、といったコノテーションがある。ただ一般的に仕事において緊急という言葉で誰かのミスを誤魔化すのはよくあることである。割を食うのはいつでも後工程。

結果として、いい番号をゲトれなかったのはむしろ好都合だった。仮に最前に行けたとしてその喜びを受け止められるキャパシティが自分になかった。不思議なくらい気分が乗らなかった。35番とは言っても実際には空き番号(チケットを取るだけ取って来ない)が多く、ガッつけば前の方には行けた。でも今日に関してはその気になれず、むしろ自分から後方の端っこを選んだ。今日は後方彼氏面をしよう、ケチャもやめておこうと決めた(結局、我慢が出来ず何度かケチャはすることになった)。朝からずっと安らかすぎるくらいに安らかな気分が続いている。理由を考えると、現場で発散するべきストレスや鬱憤が身体から抜けきっているからな気がする。昨日は朝にジョグ30分、夕方に筋トレ(パーソナル・トレーニング)45分。筋トレ直後はテストステロンが増えて人を殴りたい気分だったが、一晩寝ると一転して禅(ZEN)の精神状態となった。まったくイライラしない。攻撃性がゼロ。それだけならいいがこうやって熱くなるべきLiVSの現場でもほとんど感情が高ぶらない。瞑想でキマッたような状態。煩悩を捨て、悟りを開いたような状態。前もそうだった。8月30日(土)の対バン。あの前日にも同様にジョギングと筋トレをやっていた。(後日このことをトレーナーに話したら、筋トレで交感神経優位になった反動で副交感神経優位に振り切れ過ぎているのかもしれない。公演の前にライブで流れるであろう曲を聴きながら口で呼吸をすると心拍数が上がって交感神経が優位になるのでお勧めだと言っていた。)月曜日水曜日にあれだけぶち上がっていたのに。波が大きい。

先日のFinallyの無銭で出会った紳士がお見えになっていた。お話しすると氏が横浜FCのサポーターであることが判明。私がカバンから11 YAN MATHEUSのシャツを取り出して見せると、うわ! という反応。横浜FC? そんなクラブあるんですか? と私が軽口を飛ばすと、それよく言われるんだよ、マリサポから! と言っていた。その場で連絡先を交換(Twitterを相互フォロー)。私にとって氏が初めてフォローする横浜FCサポーターとなった。11 YAN MATHEUSのシャツを持参していたのはこの後に試合を観に行くため。川崎フロンターレとの試合。新横浜。川崎フロンターレを支持する旧友と再会。もうだいぶ会っていなかった。最後はいつだったろうね。少なくとも私が2022年7月に転職してからは会っていない。たまーにLINEで連絡を取り合ってはいたけど。向こうは結婚して子供がいる。試合に奥さんと子どもを連れて来ていた。とにかく友人に子どもが出来るとそれまでと同じ感じで会ったり連絡を取り合ったりというのは難しくなる。他にもそれまで親友だったけど子どもが出来てからはほとんど親交のなくなった奴がいる。子どもが出来るというのは人生における大きな分岐点であり、分かれ道である。彼が子どもを奥さんに預け、手に入れた束の間の自由。スタ・グル。私のお勧め、コルポデラストレーガを案内。彼はポルケッタ(ご飯付き)JPY1,200、私は仔羊うで肉のロースト(ご飯付き)JPY1,500。おいしかったが、肝心の試合は3-0で川崎が勝利。マリノスは酷い負け。一失点目は角田選手のパス・ミス、二失点目は喜田選手がもたついて囲まれてからの目を覆いたくなるボール逸が発端。両方とも痛恨ではあったが、角田選手のミスはチャレンジした結果である一方で喜田選手のミスは試合中にその萌芽がいくつも転がっていた。相手に狙われていたし、そのうちそうなるよね…というミスだった。単なる偶発的な事故というよりは再現性があるというか。喜田選手はここ数年のさまざまな変化(チーム・メイトの入れ替えであったりJリーグ全体のフットボールの潮流であったり)に取り残されて長所よりも短所が目立つ試合が多くなった。試合終盤、マリノスが負けている状態でのGKとDFの煮え切らないパス回しに、マリノスのゴール裏からブーイングが起きた。私はとてもいいブーイングだと思った。帰途、最悪の気分。私を気遣ってか(単純に忙しかったのかもしれないが)試合後の旧友はいっさい連絡をしてこなかった。かつてオタクだった彼も立派になった。これが人生の正規ルートに乗り家庭を支えるようになった男の成熟度である。

2025年10月31日金曜日

GOLD SOUNDZ (2025-09-10)

余韻に浸らせてくれない。LiVSに限らず、いわゆるライヴ・アイドルと称される集団の常なのだろう。終わったと思ったらもう次が始まる。公演、対バン、フェスへの出演発表は半ばゲリラ的で、考える間も与えずにチケットが発売される。中長期的な予定は分からない。来月の全容でさえ確定していない。全体像が見えないから、これに行ってこれには行かないという取捨選択をするのが難しい。(もちろん後からでもチケットは買えるが、基本的に整理番号は先着順なのでどうせなら叩きたい。)LiVSは走るのをやめたら死んでしまうかのごとく走り続けている。変な話だが、こんなに走り続けていたら売れる暇がないのではないかと思うことがある。公演に向けた準備や練習、開催と回復だけで精一杯なのではないか。新しい取り組みや作戦の立案に割くための時間的な空白が不足しているのではないか。そもそもが少数精鋭だった運営も、何の発表や説明もなく姿を消したササガワさんの代わりが採用される様子はない。残されたスズキさんは見るからに多忙で大変そうである。氏が倒れたら日々の公演の開催さえままならないのではないか。こんな状態で集団の未来を舵取りしていく余裕はあるのだろうかと、余計なお世話ながら気になってしまう。それはともかく、月曜日にあのインテンシティの高い対バンを観たばかり。しばらく現場に行かなくてもいいかなと思えるくらいに素晴らしかった。それで二日後にまた対バンかよ。さすがにお腹いっぱいだ。もう少し月曜日の思い出の中に住ませてほしい。もちろん私にその自由はある。高頻度で公演があるからといってすべてに来る義務は我々にはない。今日のチケットを買ったのは自分だ。ここに来ると決めたのは他でもない自分だ。それなのに弱音を吐くのはおかしい。それは分かる。だがここで今日は行くのを止めておくというお利口で理性的な決断をしてしまうと、船を下りたような負い目をちょっとだけ感じてしまうのだ。もう私は引き返せない段階まで来ている。LiVSに関してこれから私が選べる道は(地方ツアーは別として)今の強度で公演に顔を出し続けるか、まったく行かなくなるかの二択だと思っている。たとえば月に二回までにしておくというようなまともな選択はもう出来ない身体になっている。ミニ・マルコchanにめちゃめちゃにされてしまった。氏のせいで私の銀行口座の残高は見る見る減っていき、気力、体力的にも綱渡り状態である。一方、氏とLiVSのおかげで、私はこれ以上ないくらいの幸せを手に入れているのもたしかだ。

これだけ頻繁に現場があると、毎回毎回同じように最高だったというわけにはいかない。もちろんこれは八割は私の問題だ。LiVSはいつだって全力で、魂を込めたパフォーマンスを見せてくれる。だが、それを受け止める私のキャパシティの問題がある。だから基本的には私の心身の調子がよければよいほど私は公演を楽しめる。でも何というのかな、それだけではない。それが残りの二割で、私がそれが何なのかをはっきりと分かっていない。いずれにしてもその日が最高の思い出になるのか、楽しみ切れないまま終わるのかは、事前にある程度の予想がつくとは言え、本当にそのときにならないと分からない。これはフットボールにも似ている。一見、フットボールとコンサートでは興行、娯楽としての性格がまったく異なるように見える。フットボールには台本がなく、コンサートはあらかじめセット・リストが決まっている。フットボールは観客を楽しませるよりも対戦相手に勝つことが優先される(というよりその二つのテーゼが不可分である)が、コンサートで演者は対戦相手に妨害されない。より純粋に観客の求めるあるいは自分たちのやりたいエンターテインメント、ショウを届けることが出来る。フットボールの試合は本当につまらないときもあるけど、コンサートは基本的に一定の楽しさが保証されている。(蛇足だがたまにTwitterで盛り上がるのがライブでおとなしく鑑賞するのがコンサートなぞと得意げに書いているオタクを見るが英語にそんな使い分けはない。そもそもliveの用法も和製英語である。間違いに間違いを重ねている。馬鹿げている。)しかし私はLiVSに常軌を逸した頻度で通うようになって、ライブ(このブログでは和製英語だと何度も注意書きを添えているが、私はそれを分かった上で便宜上、使っている)というものが思っていたよりも水物で、ナマモノなんだなと思うようになってきた。

あの凄まじいクオリティと強度の対バンからわずか二日後。現場への飢えが皆無。平日。明日もあさっても仕事がある。昼間はゴア・テックス搭載の靴が中までずぶ濡れになる土砂降り。外出のモチベーションも持ちづらい。それに、対バン相手を知らない。女アイドルならまだしも、男性のロック・ミュージシャン。あまり興味を持てない。そんな状態で行っても消化試合になるのではないか。普通に考えたらそうなる。だが蓋を開けてみたらなんのその。これがめちゃくちゃ良かったの。行ってよかった。対バン相手のトモフスキーさんとLiVSでは客層が全然違った。向こうはほぼ全員がマダム。LiVS運営のスズキさんが新規無料写メ券(条件:LiVSの公式アカウントのフォロー)を彼女たちに受け取ってもらおうとフロアを練り歩くも次々に拒絶される。誰ももらってくれません……的なことを助けを求めるように言ってくる困り顔のスズキさん(正直、そのときの彼女はちょっと可愛かった)。明らかに畑が違う。フロアで双方のファンが入り乱れるということはなく、棲み分けられていた。それでもお互いが無関心というわけではなく、同じ公演を一緒に作り上げている仲間のような、いいヴァイブスだった。大箱、大観衆の熱狂とは異なる、小箱、少人数ならではの安心感。対バンだとほとんどの場合、LiVSの自己紹介は名前だけの簡易versionだけど今日はfull verionsでやってくれた。つまり、マルコchanの替え歌を聴くことが出来た。たぶん8月18日(月)のLIQUIDROOMぶり。待ってました。嬉しい。マダムたちから笑い声が起きていた。新鮮な反応にマルコchanたちは嬉しそうだった。今日のライブはどういうわけかスイッチが入り熱くなることが出来た。汗だけで眼鏡が床に落ちるという珍事が起きた。(誰かの腕や肘が当たって眼鏡がずれたり曲がったりしたことは過去にもあった。)ヒヤッとした。すぐに拾って事なきを得たが踏まれたら12万円の眼鏡が終わりだった。このままだといつか壊れる。ライブ用にどうなってもいい安価なメガネを作らないといけないと思った。

トモフスキーさんの、年輪を感じさせる巧みな話術。アイドルって、本気系のアイドルと、“いわゆる”アイドルっているじゃん。これまで本気系だときのホ。とMAPAは知っていたけど今日そこにLiVSが加わった。と言ってから我々の盛り上がりを褒めてくれて、ファンも含めた総合力だと一番かもしれないと言って我々を持ち上げてくれた。トモフスキーさんの音楽は聴いていて心地が良かった。フロアでは人が動くことはなく、治安がよく平和だった。トモフスキーさんは1965年生まれ。若かりし頃はどうやらフロアにダイヴしたりともっと激しいスタイルだったようだが、年齢を重ねるにつれて落ち着いたスタイルに帰着したのかもしれない。ライブ中に差し歯が取れるというアクシデントで笑いが起きた。Dreams Come Trueに対するアンサー・ソングだという“Bad dreams also come true”(悪い夢だって実現するだぜ)が面白かった。男性客が多いフロアをトモフスキーさんは心底楽しんでいるようだった。たまには(自分の現場にも)来てくれよーと我々に呼び掛けていた。ただ、いくら好感を持ったところで異常な頻度でLiVS現場に駆り出され依存させられあらゆるリソースを搾取されている我々がトモフスキーさんの現場に行くのは難しいものがある。また対バンでご一緒させてくださいというのが現実的な回答である。我々はジャンキーなのである。

2025年10月28日火曜日

カイジューバイミー主催 Special 4 MAN「拡張戦線」 (2025-09-08)

疲れが抜けない。土日はFinallyの無銭を除けば予定らしい予定を入れなかった。極力ゆっくり休んだつもりだった。実際には活動を減らして睡眠時間を増やしても元気になっていくわけではないのが難しいところ。蓄積した夏の疲れもあるだろうし、もっと慢性的な問題としてLiVS現場に行っている頻度が自分の体力的なキャパシティを超えている。私は他の人より体力があるタイプでも、無理が効くタイプでもない。RPGのように一晩寝ればHPが全回復すればどんなに楽か。目撃者(LiVS支持者の総称)の中にはほぼすべての公演を地方から遠征してくるバケモンのような紳士たちが何人もいる。無限に湧き出てくるお金、時間、体力。私には無理。尊敬を通り越して、私から見るともはやホラーの域に達している。

BLUEGOATS、LiVS、きのホ。、カイジューバイミー。ビッグ・ネーム四組が一堂に会する対バン。豪華極まりない。カルピスの練乳割りくらい濃い(ⓒくりぃむしちゅー上田晋也)。チケットは完売必至だろう。インテンシティの高いフロアになること請け合いだ。気軽に行って適当にチルするような場ではない。楽しみだけど、月曜の夜からコッテリしすぎてはいないか。しかしこの面子で行かないという選択肢はない。後悔する可能性が高い。つい先日、私はBLUEGOATSとLiVSを同じステージで見るチャンスを逃したばかりだった。今回は絶対に行かないといけない。

渋谷近未来会館。前に一度だけ(たぶん)来たことがある。2023年9月18日(月・祝)。ゆいのののrelease party(今思うと結構おおきな会場でやっていたんだな)。私がLivepocketで買った3枚目のチケット。ちなみに最初が2023年5月15日(月)の谷藤海咲KissBee卒業ライブ。二年前なのでどういう会場だったかはよく覚えていないが、場所は何となく覚えていた。駅からちょっと外れたところ。坂を上がったところ。適当にメシを食おうと吉野家に入ったが適当にも程があった。まずすぎる。この牛丼チェインは店によってクオリティに大きなばらつきがある。渋谷のこの店舗は二度と利用しない。

BLUEGOATS、LiVS、きのホ。、カイジューバイミーという順番。私の整理番号はA35。BLUEGOATSのときは3列目の真ん中付近(やや右寄り)に入った。気持ちの準備は出来ていたのだが、セット・リストに新しい曲が多くてついていけなかった。やや消化不良感がある。もちろん最近のリリースを追い切れていない私が悪いのだが、聴き込めていない曲をその場で瞬時に理解して一緒に歌うのは難易度が高い。迷いが出てしまう。後日、LiVS現場でお会いしたBLUEGOATSおまいつの紳士にこのことを話すと、ウチらもついていけないときがあるんですよ、ちょっと目を離すと分からなくなると言っていた。対バンではもっと分かりやすい曲をやった方がいいのではないかと議論になっているらしい。そう、私も『東京タワー』や『戦う日々』を聴きたかったよ。というか歌いたかったよ。最近はサボり気味とはいえ、今日フロアにいたBLUEGOATS以外のファンの中では、私はBLUEGOATSの曲を比較的チェックしている方ではあったはずだ。私くらいの層がもっと躊躇なく乗れるセット・リストにしてくれていれば、それが周りにも波及してもっといいヴァイブスのフロアになったのではないだろうか。

BLUEGOATSが一組目(「トッパー」と言っていた。明らかに和製英語だ)に選ばれたことを、ほんま・かいなさんがしきりに悔しがっていた。ただ、朝から晩までやっているような、何十組も出る対バンなら分かるけど、今日の対バンに関しては一組目だろうと三組目だろうと(四組目は主催のカイジューバイミーで固定として)、そこまで扱いに差があるようには思えない。下に見られているとか舐められているとか、そういうことではないと思うけど。かいなさん自身が「トッパー」を下に見ていることを露呈する発言になったと思う。ただかいなさんに悪意はなかったと思うし、その素直さが彼女らしかった。

LiVSでは最前の左側に潜り込んだ。群衆が前に押し寄せる際には柵に押し付けられて身体が圧迫された。人が密集しすぎてスマ・フォを取り出す余裕がない。なので、盛り上がることに専念した。とにかくやられないように。負けないように。飲まれないように。他の集団の支持者たちにLiVSがどんなモンなのか見せつけてやるという気概で。普段LiVSを観ていないとおぼしき紳士たちが前方右側にいて、モッシュ(後ろから人が押し寄せてくる)の激しさに戸惑っているように見えた。ただ前に行けるからというだけで知らない集団を最前付近(特に中央)で観ることにはそれなりのリスクがあると理解する必要がある。ただ、対バン特有の集団的な高揚感があって、いつも以上に激しいフロアだったのは事実。LiVSの出番が終わると他集団の支持者とおぼしき紳士がお仲間に「これくらいでヒーヒー言ってちゃダメだよ。もっと激しいところもあるから」と言っていた。

LiVSが終わると私は後方に下がった。ドリンク・カウンターでジン・トニックをゲトッて、ちびちびやりながらきのホ。を見物。私はこの集団を観たことはなかったし、曲もまったく聴いたことがなかった。名前はたまに聞く。yumegiwa last girl、RAYと並びE氏のオキニ集団のひとつでもあった。メンバーさんの容姿もスキルも洗練されていて、好感を抱いた。変な話だが、すべての面で水準を満たす、ちゃんと見るに堪える、聴くに堪える集団だった。また観てみたい。この渋滞は誰のせい、だったかな、そんなフレーズをヘッズ側に歌わせる曲があって、印象的だった。フロアも平和な感じでとっつきやすそうだった。ちなみにきのホ。の最後の。はモーニング娘。の。と同じ扱いで読まないのかと思ったら半濁点記号が下に落ちている扱いで、きのぽと読むらしい。

右端の前方が空いていたのでカイジューバイミーはそこで観た。曲は聴いたことがある。BLUEGOATSのソンソナさんがこの集団をお好きで、前にメンバーさんを一人招いてYouTubeで対談していた。たしかそれでこの集団を知ったのだと思う。ひときわ目立つ超ハスキー・ヴォイスを持つ淑女の歌声は音源で聴く以上にソウルフルで迫力があった。圧倒される。私が今観ているのはアイドルのステージなのか? 彼女はアイドルなのか? そもそもアイドルとは何なのか? よく分からなくなってきた。私が目撃していたのはアイドル云々の前に紛れもないグッド・ミュージックであり、クオリティが高くソウルフルなパフォーマンスだった。それはカイジューバイミーだけではなく、BLUEGOATS、LiVS、きのホ。にも共通していた。『純白少女』が始まったときにフロアのギアが一段階上がる感じがたまらなかった。初めて聴いたときにドクター・ペッパーと電光石火で韻を踏んでいるのが印象的な曲だった。

ステージ上のクオリティとフロアの熱さを全集団が高いレヴェルで兼ね備えていた。いわゆる地下アイドルと呼ばれる界隈(の一部)をこれまで観てきてよかった。LiVSがこのような対バンで真っ向勝負する現場に居合わせることが出来、自分もフロアの構成要素になれたのはファン冥利に尽きる。そう心から思えるほどに素晴らしい対バンだった。LiVSが人の埋まったLIQUIDROOMのステージでパフォームするのを観たときも嬉しくて心が震えたけど、それとはまた違う感動があった。応援するチームがチャピオンズ・リーグに出ている感覚。2025年の個人的ベスト級。

特典会でLiVSに行く前にチャンチーさんに会いに行った。久し振りだよねと言うので6月以来、二ヶ月半ぶりだと答えると、やば、と彼女は言った。LiVSの公式teeを着ている私を見た彼女に「LiVSさんも好きなんだ。初めて知った」と言われた。いやまあ、その……。“も”というか、ね……。いくつかの言葉の塊が頭に浮かんだが余計なことを言うのはやめておこう。私は曖昧に頷いてやり過ごした。しかし色々なインディー・アイドルを見るようになって相場が分かった今となってはBLUEGOATSのチェキ券の高さが改めて身に染みる。一枚JPY2,500はちょっとね…。ただこの価格によって一旦、正気に戻るので、買う枚数が一枚だけになって、結果として出費が抑制されるかもしれない。たとえばこれがJPY1,500だったら三枚、四枚と買ってしまうかも。売上を最大化させるためには、客をギリギリで狂わせたままにしておく価格設定や、一定金額を買ったらおまけをつけるといった仕掛けが必要である。BLUEGOATSの値付けはある意味で良心的と言える。

ミニ・マルコchanに、彼女を見つけた初期からずっと気になっていたことを聞いてみた。Twitterのユーザー名における、ミニとマルコのあいだの「・」のことである。よく見ると「・」が狭いのだ。普通に打ってもその「・」は出てこない。今これを書いているコンピュータでは変換候補に表示されない。なぜ「・」が狭いのだろうか? 何か理由やこだわりがあるのだろうか? 真相を彼女に尋ねてみた。すると明快な回答が得られた。曰く、今Twitterの「・」が狭いのはスズキさんの打ち間違いで、それをそのまま使っている。本人としては広い「・」の方がいい。「改名しました」と言って広い「・」に変えようかと考えたこともある。次に衣装を変えるタイミングで変えようかとも考えている。いつか突っ込んでくる人がいるんじゃないかと思っていた。

2025年10月12日日曜日

Finally無銭LIVE『秋、哀愁、黄昏』 (2025-09-06)

Finallyの公式LINEというのがあって、私は購読している。たしかLiVSとの対バンで開演前にフロアでメンバーさんにもらったビラのQRコードから飛んだのだと思う。このアカウントは機能している。毎日のように情報が投稿されている。Finallyのこういうところは感心する。存在を知ってもらうところから継続的に興味を持ってもらい現場に定期的に来てもらうまでの各種仕掛け、仕組みがきちんとデザインされている。LiVSの何歩も先を行っている。おそらくFinallyを真似てだと思う(Finallyとの対バンの直後から始めていたので)けど、LiVSのメンバーも対バンで開演前にビラを配るようになった。他陣営のいい部分をすぐに取り入れるのはナイス。だが、本当に学ぶべきなのは運営側である。と言ってもそんなことを考える余裕もないくらいシンプルに手が足りていないのだろうけど…。定期的に開催される無銭ライブもその仕掛けのひとつだ。11月のLIQUIDROOM公演までに一度は行きたいと思っていた。というのがこの無銭ライブでLIQUIDROOMのチケットを買うとどうやらメンバーさん全員との集合写メを撮ってもらえるらしいからだ。いずれにしてもチケットは買うつもりだった。どうせならお得な特典がついているときに買いたい。8月17日(日)の無銭にも行こうと思えば行けたのだが、その日はLiVSのLIQUIDROOM前日だった。直前に余計な刺激を入れたくなかったのでパスした。

昨日と一昨日の雨で少し涼しくなったかと思いきや、昼間は蒸し暑い。東京の不快な夏そのもの。それはそう。まだ9月も始まったばかり。今日の公演名『秋、哀愁、黄昏』は最低でも一ヶ月は早まっている。今日は11時15分開場、11時45分開演。開場30分前(10時45分)から入場整理券が配布されるらしい。開場はShibuya Milkyway。初めての会場、初めての参加で勝手も分かっていない。早めに行く。10時の開店と同時にIKEA渋谷店。プラント・ベース・ソフト・クリーム。JPY50。その先にあるファミリー・マートでモカ・ブレンド(S)JPY160を飲んでから会場へ。どうやら同じビルヂングでFinallyを含めて同時に三つくらいの現場が開催されるらしい。どの人たちがFinally待ちなのかがパッと見で分からない。この人なら間違いないだろうと思い、Finallyとプリントされたteeをお召しになった紳士に声をかける。親切に教えてくれた。10時45分になったら上の階(Milkywayは3階)に行って整理券をもらう。11時15分になったら番号の呼び出しが始まるのでそれに従って入場する。入場までの間にその紳士と少し歓談させていただいた。(氏とは後日LiVS単独ライブと対バンで再会。お知り合いとなった。知らない人に自分から声をかけると思わぬ縁が生まれる。)

無銭とは思えないくらい充実した公演だった。一時間くらいやってくれたのかな? 秋だからということで(実際には夏だが)、セット・リストはしっとり系でまとめてあった。Finally名物のサークルが発生せず、落ち着いて観ることが出来た。ハーコーなFimilly(ファイミリー。Finally支持者の総称)はもしかすると物足りなかったかもしれないが、私としては快適だった。私の中にあったFinallyの、盛り上げ上手なメンバーさんとお祭りノリのフロアという印象がちょっと変わった。そして、メンバーさんを二つのチームに分けての運動会。ステージからメンバーさんがボールを投げる。各チームを代表する(入場時にどちらのチームかが書かれた紙が配布される)オタクが籠を持ってボールを受け止める。多くボールが入った方が勝ち。Aoiチャンのいる白チーム(私も白チームだった)が勝利を収めたのだが、勝った方のメンバーにもオタクにも何も特典がなく。写メ券でももらえれば嬉しかったけど、よく考えたら無銭でそれを求めるのはさすがに図々しいか。すみません。ステージからジャージ姿が眼福だった。レアらしい。Aoiチャンのメンバー・カラーは白だが割り当てられたジャージは白だった(白だと▒▒が透けちゃうからカナ?)。ジャージ姿のメンバーさんたちと全員写メ。撮るだけで終わりだったので会話らしい会話は出来なかったが、撮る前にAoiチャンを見て「Aoiさん…」と言うと「Aoiさん?(笑)」と言ってしょうがないなあ(笑)という感じで隣に来てくれた。なお、私は未だにAoiチャン以外のメンバーさんのお名前とお顔が一致していない。Aoiチャン以外に関してはまだ『マジ興味ねぇ』(DJ OASIS feat. K DUB SHINE)の域を出ていないのが正直なところだ。特典会でAoiチャンにジャージ似合うよね。北関東って感じで。ドン・キホーテにいそう。と言うと、ヤンキーじゃないよ! と言っていた。会場を出て、目撃者と元目撃者の三人でいんでぃらでメシをご一緒する。お二人と別れてからJUICE STAND BUBBLES渋谷スクランブル・スクエア店へ。国際すいか生絞り(S)JPY680。ミニ・マルコchanが8月7日(木)の投稿でPRONTOのスイカ・ジュースが好きだと書いていたが、8月26日(火)の特典会でスイカの話になったとき、最近はPRONTOのよりもこっちが好きだと言っていた(ちなみに彼女はスクランブル・スクエアのことをスク・スクと言っていた)。帰りに寄ってみてと言われていたのだが、その時は既に閉店時間を過ぎていた。

リブマッパ (2025-08-31)

たとえばこれが数ヶ月に一回とかせいぜい月に一、二回とかだったらその日に合わせて心身の状態を整えるということが出来る。平日も土日も関係なく月に10回前後も現場があるとそういうわけにはいかない。日常の細かい体調の浮き沈みをそのまま現場に持ち込まざるを得なくなる。もちろん熱が出て寝込んでいるとかの明確な体調不良なら行くのを断念するけど、現実の我々って常に体調不良みたいなもんじゃん。40点と70点の間を行き来してるようなさ。もはや100点がどういう状態なのかも分からなくなっている。バッテリーの摩耗したiPhone。LiVSのメンバーさんの場合は70点から100点くらいの幅で推移しているのかもしれないけど、好不調の波自体がないわけがない。今日は何かイライラするとかダルいとか調子が悪いとか、そういう日はあるはずだ。いくら若いとは言っても、毎日同じように絶好調は不可能。人間だもの。でもそれを感じさせない。プロフェッショナル。やっていることの性質が異なるとはいえ、彼女たちにとってのLiVSでの活動は私たちにとっての労働に相当するわけで、それをこれだけ強度高く、魂を込めて、熱意を持続させながら継続してくれているのは本当に尊敬に値する。私に関して言うと、正直なところ、今日はちょっと調子が出ないなと感じながらやり過ごしているときも、公演によってはある。根本にあるのは疲れでしょうね。一応フル・タイムで働いた上でこれだけの頻度でフロアに来ていると、疲労のマネジメントが容易ではない。昨日はいまいち肌に合わない対バン相手の音楽とフロアのノリを横目で見ながら、このままLiVSの現場からフェイド・アウトしようかなという考えが頭をよぎっていた。

今日は幸いにも昨日の精神状態を引きずることなく楽しめた。対バン相手のMAPAによるところが大きい。LiVSとMAPAではフロアの親和性は低い。スタイルが全然違う。お互いの支持者たちが一緒になってわちゃわちゃ盛り上がるというよりは、MAPAの時間とLiVSの時間で完全に棲み分けが起きている。それも当然。LiVSの支持層は9割がむさ苦しいオジサン。MAPAは若い女性が多数派。LiVSは多発するケチャで最前中央付近が目まぐるしく人が入れ替わる。ミックスやコールがけたたましい。MAPAは立ち位置固定で、皆さんおとなしくペン・ライトを振りつつ(それも行儀よく、周囲に配慮して低い位置にとどめている)音に聴き入っている。MAPA支持者たちが私たちのことを野蛮な奴らと思ったとしても無理はない。おそらく私がMAPA支持者ならそう思うだろう。私がまだLiVSに通い始める前の段階で、まだミニ・マルコchanを見つけていない状態で、第三者としてMAPAとLiVSのフロアを見たら、MAPAの方が性に合うと思っていたかもしれない。私はLiVSに行き始めた頃、後方や端っこで観ていた。フロアの激しさに面食らっていた。今では前で観ることやマルコchanのソロ・ラインで前に突っ込むことに躊躇いがなくなった。諸先輩に優しく導いていただき仲間に入れていただいたのが大きい。フットボールでいうとLiVSのフロアは全員がゴール裏、MAPAはメイン・スタンドって感じ。私が実際にフットボールを観るときはそのどちらでもなく、ゴール裏に近いバック・スタンドを選ぶ。試合(ショウ、コンサート等々)を隅々までちゃんと観たい。その上でピッチ(ステージ)で表現されているプレイにしっかりと声や拍手で反応したい。ゴール裏に近いバック・スタンド民というのが、フットボール以外の興行においても私の根っこにあるスタンスなんだと思う。

MAPAは前に対バンで観たことがあった。そのときは曲が全然いいとは思わなかった。今回、再び観させてもらって印象が変わってきた。前より近くで観たからなのか、二回目だからなのか、どういうわけか今日は彼女たちの音楽に徐々に引き込まれてきた。二つくらい、おっと思う曲があった。Spotifyでちゃんと聴いてみようと思った。『アイドルを辞める日』とかいいよね。後で知ったが大森靖子がプロデュースしている集団らしい。客層にも納得。そういえば、私がLiVSを知るきっかけとなったBLUEGOATSとのツー・マン(和製英語)は、その前の週に行くはずだったBLUEGOATSのツー・マンを風邪で干したことで急遽、チケットを取っていた。そのツー・マンの相手がMAPAだった。あのとき風邪をひいていなければLiVSとミニ・マルコchanに出会うことはなかったかもしれない。もしその後に何かの機会で観ることがあったとしても、はまることはなかったかもしれない。『風邪の効用』(野口晴哉)である(意味が違う)。

2025年10月11日土曜日

熱烈峻厳Vol.7 -CLUB CRAWL 20TH SP2MANLIVE- (2025-08-26)

久し振りに企画らしい企画っていうか、変わり種の回。6月22日(日)の『雨降って地固まる公演』以来かな。どうやら今回はLiVSというよりはもっと会場ぐるみの企画。CLUB CRAWLが20周年らしく。高山クオリティーという業者によって食べ物が販売されるのが目玉。食べる時間がタイム・テーブルの中に組み込まれている。飲食物は普段から持ち込み禁止である。今日に関しては公式に提供(販売)されることでフロアでの食事が公認される。食べる時間がタイム・テーブルの中に組み込まれている。
18:30-19:00 開場・フードもぐもぐタイム 
19:00-19:40 LiVS
19:40-19:50 転換・フードもぐもぐタイム
19:50-20:30 ゑんら
終演後特典会・フードもぐもぐタイム

ここまで来ると高山クオリティーが提供(販売)する食べ物も公演の一部である。正直、あまり気乗りがしなかった。公演の前にKEBAB CHEFSかいんでぃらで夕食を済ませたい気持ちはあった。たださすがにそれでは無粋だ。ノリが悪い。この公演を完全に体験していないことになる。だが、事前に発表されたメニュウを見て雲行きが怪しいなと思った。オム・ライスJPY500、ワッフルJPY200。以上。値段そのものは良心的ではあるが、JPY500のオム・ライスに多くを期待できるわけがない。クオリティの前に単純に量が少ないであろう。オム・ライスで足りなければワッフルで補うというアイデアも全然セクシーじゃない。相乗効果があるようにも思えない。高揚する要素がほとんどない。どういう考えでこのライン・アップに決めたんだろう。こういうイヴェントに必要なのは肉だよ、肉。たとえばさ、ケバブ。ハンバーグ。ホット・ドッグ。それなりのものを出せば値段はJPY1,000でも、あるいはもっと高くても皆ンな喜んで食べたんじゃないかな。
わかってねえな わかってねえな わかってねえな わかってねえな
わかってねえな わかってねえな わかってねえな わかってねえな
(崇勲、『わかってねえな』)

フロアの端(普段は開演前後に物販が行われる場所)に設置された簡易コンロで、公演と並行してオム・ライスの調理が行われた。バターの香りが漂ってくるライブ。シュールで可笑しかった。通常であればライブは聴覚と視覚がほぼすべて。嗅覚とはほとんど関係ない。(Hello! Projectであればオタクの異臭が鼻をつくこともあるが、LiVSでは今のところそういう経験がない。)嗅覚や味覚までもライブ体験の中に取り入れるのは発想として面白い。(もちろん、LiVSのメンバーさんたちの匂いを嗅げたほうがいいのは言うまでもない。マルコchanの匂いを知りたい。)今後もしかするとバターの香りがすると今日のことを思い出すかもしれない。

そう言えば前から思っていたんだけど、ミニ・マルコchanは“He Meets”の冒頭で「こぼれ落ちる気持ちが」を「こVOれ落ちる気持ちが」という感じに発声している(ように私には聞こえる)。こういうのってあるよね。最近だと #KTCHAN の“our emotions”でラ行をRの音で歌っている(ように聞こえる)。「たぎRU気持ちまた沈み そREでも混ざり変わRUの」のような具合に。それで思い出したけどモーニング娘。の『愛の軍団』ではフックを「ワイの軍団」と歌うように指導されているメンバーさんと「ヤイの軍団」と歌うように指導されているメンバーさんがいたと記憶している。こうやって言葉通りにそのまま発声するんじゃなくてちょっと音をずらして歌うというのがこの世界では技法としてあるんだろうな。おそらく。「こVOれ落ちる」については今度マルコchanに聞いてみるか。

LiVSとゑんらの間にオム・ライスを買ってフロアの一番後ろで食べた。おいしいかおいしくないかの二分法で言えばおいしいけど、トマト・ライスに具が何も入っていないし、これだったら別に卵かけご飯でよくね? と思ってしまった。(もちろんJPY500なんだからゴチャゴチャ言うべきではない。ちなみに私はCLUB CRAWLで食べることになるオム・ライスの質と量を最初から見くびっていたので入場前にファミリー・マートでたんぱく質16.7g グリル・チキン ゆず七味を買って食べていた。正解だった。)ごめん。大目に見てほしい。私は一年に365日、外食している。外で買うメシに関しては自ずとうるさくなってしまうんだ。日本以外ではインド、ドイツ、中国、アメリカ(ハワイ含む)で、独りで飲食店に飛び込んできた。さらに言うと、私が支持ししてる横浜F・マリノスは充実したスタ・グルで有名である。クオリティの高さは折り紙付きで、他クラブの関係者も視察に訪れるという。試合開催日にはフットボールに興味がない近隣住民も祭り感覚で遊びに来ると聞く。もちろん中には大したことがない店もある。(スタ・グルの宿命ではあるが全体として割高なのも間違いない。安く済ませたいなら瀬戸うどんかサイゼリヤに行くべきだ。)ただ中には一般的な祭り屋台では考えられないほどにクオリティの高い店もある。私が食べてきた中ではコルポデラストレーガと吉清は自信を持ってお勧め出来る。そのままゑんらを観ているとテーブルを挟んで後ろにランルウさんとミニ・マルコchanが来るのが見えた。やや気まずかったが退避できる空間もなく、後ろを振り向かないようにしてそのまま過ごした。

ゑんらの滝口ひかりさんがやたらと美形だった。あとで検索して30歳だと知って声が出た(この執筆時点では31歳になられている)。23-25歳くらいかなと思っていた。新規無料特典を利用して氏と写メを撮らせてもらった。普通アイドルってさ、えー、はじめましてー! 来てくれたのー? ありがとー。名前なんていうの? 的な感じじゃないですか。滝口ひかりさんは全然違っててさ。すげーちゃんとしてるの。あ、すみません。わざわざ来ていただいて。ありがとうございますって感じで。礼儀正しいの。カタギの世界での就労経験がそれなりにあるのかな? 私は基本的に初対面のアイドルさんには敬語で話すんだけど、向こうもずっと敬語で。ゑんらは着物をアレンジしたような衣装で、曲もそういう雰囲気だったので、和風な感じなんですね、と私が言うと、そうなんです。琴の音を入れたりして。もっと可愛い曲もあるんですけどね、今日はLiVSさんに合わせてカッコ良くしてみました的なことを言っていた。私が元々はHello! Projectのオタクである旨をお話しすると、前のグループでこぶしファクトリーと同じ対バンに出たことがあるとのことだった。

2025年10月5日日曜日

武蔵野音楽祭 (2025-08-30)

葬式には友人が集まるが、ときには敵だって来る。何やら嬉しい気分になるらしい。
(ミシェル・ウエルベック、『地図と領土』)

初めて観に行ったラップ・バトルの大会(戦極MCBATTLE第10章。2014年10月19日)。バトルの前だったか合間だったかにライブをしていたOMSBがフロアの盛り上がりに不満だったらしく「葬式じゃねえんだよ」と言うと、後方から「葬式だよ、バーカ!」という殺気のある野次が飛んでピリついた。仕事柄こういうDQNを相手にするのは慣れているようでOMSBは「そんな悲しいこと言うなよ」と軽くいなしてから次の曲へと移った。ラップ・バトルの大会は何度か観に行ったけど、バトルとライブではヘッズの熱量が異なる。お前らバトルではあんなに盛り上がるのにライブはおとなしく見やがって。好きじゃねえのか? 自分の曲を披露するラッパーがフロアに向けてそういう不満を表明する場面を何度も見てきた。観客が楽しんでいること、披露されている音楽が好きであることを、沸くこと、盛り上がることで、ステージから見える形で表さないといけない。観客が静かに観ていたらそれは楽しんでいない、演者がやっている音楽を好きではない。ジャンルを問わず、こういった考え方は割と一般的である。実際、それがコンサートであれフットボールであれラップ・バトルであれ、ライヴ・エンターテインメントは観客も参加して一緒に作り上げるものである。観客の反応が演者のパフォーマンスに影響を与えることもある。特に先述のラップ・バトルやジャズなど即興性の高いジャンルにおいてはそれが顕著である。即興性の低いジャンルであったとしても、観客の反応が良ければ演者の気分が乗ってくるということはあるだろう。その点においてライヴ・エンターテインメントを現地で観るという行為は、映画を観るのとは決定的に異なる。映画を観客がどう観ようと映画の内容は絶対に変わらないからだ。ライブハウス、スタジアムなどの現地に何かを観に行く際には、与えられた興行をお客さんとして鑑賞するのではなく、その空間を構成する一員として参加しているという自覚を持ち、それを態度に表すのが重要である。だから私は日産スタジアムで横浜F・マリノスの試合前に『民衆の歌』を大きな声で歌う(バック・スタンドではほとんどの人が恥ずかしがって歌わない)。

盛り上がること。盛り上げること。それは一種のスキルである。目撃者(LiVS支持者)はその点において非常に優れている。それがアイドルであろうとバンドであろうと、それが初めて聴く曲であったとしても、対バン相手のノリを即座に理解し、フロアに溶け込むことが出来る。対バンへの参加の仕方として模範的である。他の出演者やファンに非常に良い印象を与えることだろう。目撃者の皆さんは本当にライブハウス(和製英語)慣れしている。ライブハウス(和製英語)で行われるタイプの興行における立ち振る舞いについては見習うべき点が多い。ただ、私はどうもそっちに染まり切れないというか、馴染み切れない部分がある。これは私が社交性の低い陰キャだからこういうひねくれたことを書いてしまうのだが、何にでも対応できる、どんなアイドルやバンドだろうと盛り上がれるんだったら、別にLiVSばかりを追いかける必要がないのでは? この集団に私たちが人生のリソース(お金、時間)を大量に突っ込んでいるのは、どうしてもLiVSじゃないといけない理由があるからじゃないのか? LiVSの音楽じゃないと、LiVSのメンバーじゃないといけないんじゃないのか? 私は先日の武蔵野音楽祭で某集団のライブをノリノリで盛り上げていた目撃者の皆さんの協調性とスキルに感心すると同時に少しがっかりした。あ、こんなのでよかったんだって。私はだいぶ昔、ゴスペラーズがアメリカに行くドキュメンタリーを観たことがある。現地のクラブに飛び込みでゲスト出演した際、なんか英語も喋れないジャップが来たよ笑という空気に包まれていた。歌い出しても来場者からまともに相手にしてもらえず、指笛まで吹かれていたような記憶がある。だが、歌が進んでいくにつれ、ゴスペラーズの実力を目の当たりにした観客。徐々に反応が変わっていき、最終的には盛大な歓声と拍手が生まれた。そこまでギスギスする必要はないかもしれないが、もう少し音楽とパフォーマンスのクオリティに対する厳しい目線があってもいいのではないだろうか? 最近、対バンを観る機会が多くなって、私の中にこの疑問が芽生えている。はっきり言って対バンに出てくるアイドルなんて玉石混淆(混合が誤用だと知った)である。玉と石は明確に区別して別のものとして扱わないといけない。もしステージにいるのが玉だろうが石だろうが関係なくフロアで動き回ってめちゃくちゃ楽しいのであればもはや音楽などほぼ関係なく、それは単に有酸素運動の爽快さではないだろうか? お酒を飲んでほろ酔いの状態でいつもの仲間たちとワイワイ騒ぐのが本質なのだとしたらそれは飲み会と変わらないのではないだろうか?(ちなみに、葬式のような静けさが是とされる現場もある。2023年に行ったハハノシキュウさんの独演会がそうだった。)

音楽や表現をしっかりと自分の目と耳で受け止めたいのか、それともフロアで盛り上がりたいのか。実際にはバランスの問題にはなってくるものの、この二つの価値観は根っこでは相容れない。フットボールで言うとバック・スタンドで試合を観たいのか、ゴール裏でみんなと応援歌を歌って飛び跳ねたいのかの違いに相当する。ゴール裏で試合を観ている人に聞いたことがあるのだが、試合はほとんど見えなくて、後からDAZNで観るらしい。ライブもコールを歌に被せたらその歌は聞けない。オタク同士で向き合ってミックスを打っていたらステージは見えない。冒頭に書いたOMSBのエピソード。葬式のようにおとなしかった観客は、OMSBの音楽が大好きで氏の音楽に聴き入っていたかもしれない。もしその代わりに地下アイドルのオタクが集団でおしかけ、曲もまともに聴かずにサークルをおっぱじめたりコールやミックスなどを打ち始めたとする。OMSBはそれで喜んでいただろうか? とにもかくにもフロアが“盛り上がっている”様子を見られればそれでご満悦なのだろうか?(案外そうなのかもしれないが…。)

今日はっきりと確信したこととして、私が求めること、大切にしていること、それは第一にクオリティ。そのクオリティに心酔して高揚することはあれど、騒ぎたいという欲求が先にあるわけではない。表現のパフォーマンス、音楽のレヴェル。それらが一定の基準を満たさなければお話にならない。ただフロアを盛り上げることだけを目的に作られたような曲でわちゃわちゃする気にはなれない。それだったら本当に上手な歌や演奏を黙って座って聴いていたほうがいい。今日の対バン相手の音楽は、私にははまらなかった。『ブラック・マシン・ミュージック』という米のディスコ・カルチャーに関する本を読んでいたら“I Gotta Big Dick”という曲とか、喘ぎ声を収録した曲とかが過去に流行ったと書いてあった。私が好きなJ Dillaの“Crushin' (Yeeeeaah!)”はI wanna fuck all nightを連呼している。MC松島は『ビッグちんちん』という曲をリリースしている。そもそもディスコ自体の出自がニュー・ヨークのゲイ・クラブであって、ダンスもゲイの性的な解放と結びついていたらしい。だから音楽に下ネタや性的な表現を取り入れることについてはまったく否定するつもりはない。単純に彼らの曲を聴いていいと思えなかっただけ。でも、特典会でマルコchanが私の目を見て彼らの曲名(男性器の名称を含む)を言ってくれた上に、その単語を何度も繰り返して言ってくれたのでそんなことはどうでもよくなった。

Chemistry LiVE with LiVS (2025-08-24)

毎日、毎日、うんざりする。この蒸し暑さ。真の敵は気温ではなく湿度。よくもまあ世の中が何事もなかったかのように回っているよなと思う。発狂してもおかしくないでしょこんなの。半袖teeを一日に何回も着替える生活から抜け出したい(着替えられればマシ。家にいなければ汗をかいても同じ服を着続けないといけない)。早く長袖を着たい。秋冬に備えてこの数ヶ月でスウェット・シャツを数着買ってある。もう秋冬の準備は出来ている。でも分かっている。実際に長袖を快適に着られるようになるのは10月になってからだろう。スウェット・シャツとなるともっと先になる。私は2017年2018年2019年2020年2021年と五年連続でみーたん(小野瑞歩さん)のバースデー・イヴェントを観に行っていた。概ね毎年、氏のお誕生日である9月29日に開催されていた。例年、このイヴェントでようやく長袖を着ても暑すぎない程度の気候になっていた。実際には半袖で十分。年に一度のみーたんの晴れ舞台にお洒落をして行くために瘦せ我慢をしながら長袖を着ていたのを覚えている。(ちなみにこれを書いているのは10月5日。みーたんは今でもつばきファクトリーで活動を続けている。今年は10月8日にバースデー・イヴェントを開催するようである。)

昨日はBLUEGOATS、Finally、LiVSというとてつもない面子のスリー・マン(和製英語)が開催されていた。元々BLUEGOATSが好きで観に行ったLiVSとのツー・マン(和製英語)でミニ・マルコchanを発見して狂ってしまい今に至る私にとっては、この二組の再会を目撃できる垂涎ものの対バンだった。FinallyにもAoiチャンを筆頭に好印象を持っている。BLUEGOATSだとチャンチーさん。LiVSは言わずもがな。いわゆる“推し”に該当する人物が三つの集団すべてに在籍している(もちろんマルコchanは別格だヨ。“推し”なんていう軽い言葉では表せないヨ)。私はDD(ディーン・デイビッド、ではなく誰でも大好きの略)ではないので、対バンの全組にいわゆる“推し”がいるなんてことはまずあり得ない。それだけ稀少な現場であった。しかしながらそちらのチケットは購入せず、同時刻に日産スタジアムで行われた横浜F・マリノス対FC町田ゼルビアを観に行った。なぜなら私の本質はキモいアイドル・オタクではなくキモくないフットボール好きの一般人だからである。愛するマリノスが明治安田J1リーグに残れるかどうかの窮地。スタジアムに行かないわけにはいかない。対バンを昼にやってくれていたらフットボールと回せたのだが、よりによってまったく同時刻(19:30)に始まるっていうね。残念。タイムラインに流れてくる諸氏のトゥイートを見るに、対バンは相当、盛り上がったらしい。ランルウさんがフロアにダイヴしたとか。でもそういう情報は極力、目にしないようにした。自分が行きたかったけど行かなかった(行けなかった)現場がこれだけ楽しかったという情報をスマ・フォで見るのは避けた方がいい。無意識に他人と自分を比較して惨めな思いをするからだ。止まらなくなる他人への羨みと嫉妬。よく言われるようにこれがソーシャル・メディアが利用者のメンタル・ヘルスを損なうメカニズムである。だから他人のチェキ・ツイや接触レポからも距離をとったほうがいい。自分が行ける範囲で現場に行き、自分で感じ取ったものを大切にするべきだ。そういう趣旨のことをある青年がブログに書いていて腑に落ちた(前にもこのブログで取り上げたことがあるよね?)。彼のブログ・タイトル、『目で見たものだけがリアルだろ』。肝に銘ずるべき。マリノスは町田と引き分けて勝ち点1を獲得。J2降格圏から抜け出した。四月以来らしい。私はマリノスを選んだことを後悔していない。

Rayとのツー・マン(和製英語)。yumegiwa last girlと並びE氏がご愛好されていた集団のひとつであった。音楽性にこだわっている集団との触れ込みで氏に勧められ、Spotifyにあった曲を一通り聴いたことがある。当時、“KAMONE”という曲はlikeしていた。ただ、そんなにピンとは来ていなかった。何というのかな、一般的なアイドルのポップスやロックとは違う。分かりやすく可愛いとかカッコいいとかではない。一回だけ聞き流してお気軽にいいねと反応できるようなキャッチーさがない。何回も繰り返して聴けば良さが分かっていくかもしれない、そういうタイプの音楽。実際に観た印象として、何となく大きな方向性としてはyumegiwa last girlに近いかもしれない。雰囲気的に。フロアを沸かせるというよりはしっとりと魅せる、聴かせる感じ。そこまで声を張らない歌唱。腹の底からありったけの声を出してソウルフルに、ロックに、という感じとは違う。本当はライブハウス(和製英語)よりは座席つきの劇場のような会場のほうが持ち味が発揮できるのかもしれない。

LiVSがLife is Very Shortの略であることにちなみ、ウチらも更なる世界進出のためにRayが何の略なのかを考えようという感じで大喜利を始めていた。メンバーさんの誰かによるRevolution, AAAHHH, YEAHHHH!!!!という勢いに任せた力技が面白かった。ミニ・マルコchanと背丈と髪形(ボブ)が酷似したメンバーさんはRoast almond yummy!!!と言っていた。(これを受けてLiVS側も新しいLiVSの正式名称を発表していたが、ひとつも覚えていない。たしかマルコchanだったと思うけど初手でLをLiVSの略として使っていてそれじゃ意味ないよと思ってしまった。)Rayではこの淑女が一番気になった。小動物担当らしい。月海まおchan。新規無料特典を利用し、終演後の特典会で氏と面会。LiVSではミニ・マルコが好きなんですけどという話をするとまおchanはマルコchanについて、歌が上手い。息の使い方が好き。と言っていた。ミニ・マルコchanにそれを伝えると嬉しそうだった。照れちゃうと言っていた。

2025年10月4日土曜日

LiVS 2nd Anniversary LiVE (2025-08-18)

全員かじった禁断の実 今待ち受けてるのは審判の日
全員かじった禁断の実 もうじき来るぞ審判の日
全員かじった禁断の実 今待ち受けてるのは審判の日
全員かじった禁断の実 もうじき来るぞ審判の日
(Kダブシャイン、『ザ ジャッジメントデイ』)

正直に言う。楽しみだったのと同じくらい、私はこの日が来るのを恐れていた。巻き戻す時計の針。2025年5月7日(火)。下北沢シャングリラ。“Revenge Shangrila”ツアー、千穐楽。2024年8月13日(火)にLiVSが満員に出来なかったこの会場を、今度こそ埋めてやる。その思いが込められたツアー名。結果は誤魔化しようがない。実際にチケットが何枚売れて、何人が入場したのか、私は知らない。それでも“Revenge”が出来たとは到底言えないと断言できるくらい、フロアは空いていた。当時を知る目撃者(LiVS支持者の総称)によると前回よりも人が少なかったらしい。公演中にミニ・マルコchanが流した、あの悔し涙。ごめんなさい、と言ってフロアに向けて深々と頭を下げる彼女の姿。私の頭にこびりついて離れない。折に触れてフラッシュ・バックする。あのとき埋められなかった下北沢シャングリラの収容人数が600人。それに対し今日のLIQUIDROOMは900人。600人の会場を満員にした集団が、次のステップとして、適切な期間を置いた上で900人の会場に挑むというのなら分かる。600人を埋められなかった集団がわずか三ヶ月強で900人を目指すのである。もう無理ゲーじゃねえか。動員を増やすために手を打つにしても期間が短すぎるでしょ。また公演のどこかでメンバーさんが神妙な面持ちで整列して、今回もダメでしたって言うのを聞かされるのか…あの苦痛を再び味わうことになるのか…せめてマルコchan以外の口から言ってくれ…。今日のことを考えて胸が苦しくなることが何度もあった。見たくなかった現実。聞きたくなかった言葉。そういったものと直面させられるのが怖かった。それでも遂にこの日が訪れてしまった。

もし今回も結果が芳しくなかったら。これからのLiVSはどうなってしまうんだろうか。メンバーさんはモチベーションを失ってしまうのではないだろうか。普通の女の子に戻る決断をしてしまうのではないだろうか。(もう私たちは普通のオジサンには戻れないというのに…。)ひとつ言えるのは、シャングリラの悪夢から今日までの三ヶ月強、LiVSが動員を増やすための手を打ってきたことに疑いの余地はない。特に7月5日(土)から7月27日(日)にかけて行われた主催対バン・ツアー(Chemistry LiVE with LiVS TOUR)では仙台、千葉、埼玉、大阪、愛知、横浜を回り、総勢11組もの同業者たちを呼び集めた。目的は説明されなくても分かる。一人でも多くの人たちにLiVSを知ってもらい、LIQUIDROOM公演に来てもらうこと。この対バン・ツアーは昼に開催され、いずれの日も夜に通常のツアー公演があるという二本立てだった。LiVSはこの主催ツアー以外にも数多くの対バンに出演してきた。ひとつひとつの公演で魂を燃やし尽くすくらいの覚悟と気持ちを、私はLiVSのメンバーさんから感じた。LIQUIDROOMを埋めるという目標に対し、その打ち手が吉と出るか、凶と出るか。と思っていた矢先に発表される、ユニセックスさんの脱退。よりによって今かよ、というタイミング。

厳しい日程。先述したように下北沢シャングリラ公演から三ヶ月強という期間の短さ。600人の会場を埋められなかった集団が900人を埋められるようになるための期間としては相当にきついのではないか。6月28日(土)にLiVSがツー・マン(和製英語)公演を行ったFinallyもLIQUIDROOM公演が決まっていた。しかし彼女らのLIQUIDROOM公演は11月9日(日)。LiVSよりも三ヶ月近く期間がある。LiVSと違って日曜日。そして、そもそもの集客能力がLiVSより上。一方、8月18日(月)は一般的には夏季休暇明けの最初の平日。もちろん実際の休暇スケジュールは業種、会社、職種、個人によって異なる。だが昨日まで盆休みだった人は多かったはずである。先週は通勤電車がやけに空いていたし、土日も池袋や新大久保のストリートにいつもの賑わいはなかった。8月18日(月)に来たくても来るのが容易ではない人は多かったはずである。難易度の高い日程で大切なコンサートを開催するのはLiVSだけの悪癖ではない。Hello! Projectでさえ日本武道館での公演を平日に行うのが通例である。需要のピークを外した日だと会場の使用料が安いのだろう。私の場合、今の勤め先には一斉の盆休みというのが存在しない。7月から9月の間に三日間、各々が自由に夏休みを取るシステム。そのうちの一日を今日に充てた。幸いなことに仕事の状況的にも休みを取るのは困難ではなかった。(一度ヒヤッとしたのが次の週に海外出張が入りそうになったことだ。一週間ずれていたら大変なことになっていた。肝を冷やしたが、結局はその出張自体が中止になった。)

狂っている東京の夏。人間がまともに活動していい気温と湿度ではない。まるでラッパ我リヤの1stアルバムのように“SUPER HARD”。日々を文字通り生き抜いているだけで有森裕子さんのように自分で自分を褒めてあげたくなる。こんな季節に、ここまで詰め込めなくていいんじゃないか。こんな季節に、集団の存亡を懸けるような勝負どころを持ってこなくてもいいんじゃないか。もうちょっと強度を落として、休み休み、のらりくらりやり過ごす時期にしていてもいいんじゃないか。メンバーさんに一週間くらいの夏休みを与えてもいいんじゃないか(あ、でもあんまり自由を与えちゃうと彼氏サンとたくさん会っちゃうか…)。私はたまにそう思うことがあった。今日も外を歩くだけで垂れ落ちて目に入ってくる汗。600人の会場を埋められなかったのに今度は900人の会場を埋めないといけないという状況。そのために与えられた三ヶ月強という短すぎる期間。メンバーの脱退。そして過酷な気候。とにかくこの期間はLiVSにとってはすべてがスーパー・ハード・モードだったように思う。端的に言うと、分の悪い勝負に思えた。

LIQUIDROOMには何かのMCバトルで来たのは覚えている。それを含め過去に一、二回来たことがあるはず。と思って過去のメールやブログを検索してみたところ、どうやら三回来ているらしい。最初は2016年5月29日(日)の戦極MCBATTLE 14章xAsONE。そういえばミニ・マルコchanは戦極とKOKを現地に観に行ったことがあるんだって。6月5日(木)の特典会で言っていた。ただ音楽としてのヒップホップほとんど聴かないみたい。 #KTCHAN の“BaNe BaNe”は知っていて、話の流れでちょっとフックを口ずさんでくれたことがある。二回目は2017年4月15日のfox capture plan。三回目は2018年4月22日(日)のDOTAMA。私はDOTAMAがバトル中にLiVS元運営のササガワさんに似た対戦相手(札幌のギャグ男)に殴りかかられる動画をTwitterに投稿したことがあるのだが、それをマルコchanも見てくれていた。あれササガワさんに似てるよね! びっくりしたと言っていた。ということでどうやら私にとっては四回目、七年と四ヶ月ぶりの会場。

前物販。本日限定のteeシャツを無事に入手。アルコール依存症でコン・カフェに高頻度で入り浸っている某氏と合流。メシをご一緒するつもりだったが入場時間の17時半まで意外と時間がない。駅前のエビス・バインミー・ベーカリーでサクッと。牛筋焼肉のバインミーJPY740。追加パテJPY200。ベトナム・コーヒー・セットJPY290。セヴン・イレヴンでボンタン飴をつまみに酒を一缶。ここまで来たら、もう腹を括るしかない。LiVSの晴れ舞台を精一杯目に焼き付けること。この時間と空間と味わい尽くすこと。私に出来るのはそれだけ。

フロアは柵で三つに分けられていた。JPY100,000のチケットを購入した、完全にガンギマッたキチガイ(褒めてます)の紳士たち十数名専用のエリア。彼らが最前を独占。その後ろがJPY31,500とJPY10,000のチケットを購入した、まだ分別のある我々(私はJPY31,500)のためのエリア。そして後方にはJPY3,000とJPY1,000(新規客)のチケットで入場した一般人向けのエリア。単に入場の順番を分けるだけではなくこうやって物理的に区切る判断は正しかったと思う。少なくとも今日の会場規模では。私は昨年12月に渋谷WWWXでLiVSを観たときにフロアに柵を設けることに苦言を呈したが、今思うとあれは戯れ言だった。認識を改めなければならない。値段を考えなさいよ。JPY100,000を払った彼らには彼らだけの快適な空間が保証されて然るべきだ。いくらなんでもJPY3,000のチケットで入った人たちがJPY100,000を払った人たちと同じ場所にフラフラと侵入できちゃダメでしょ。私だってJPY31,500のチケットを買ったんだからJPY3,000やJPY1,000で入っている人たちと比べて明確な特権が欲しいよ。ここまで価格に明確な傾斜をつけている以上は得られる経験に差をつけるのは売り手の責任である。(柵を設けるべきかどうかは会場の規模にもよるとは思う。)私は二つ目のエリアの最前で観ることが出来た。

どうしても気になる、フロアの埋まり具合。キモいオジサン・オタクにありがちな、開演前に最前付近からやたらと後ろを振り返るムーヴを繰り返す。(分かっている。あれは後ろから見ると気色が悪い。)すると、開演時間が近づくにつれ一般エリアが見る見る埋まっていくではないか。見覚えのある顔(Finally支持者の紳士たちなど)、見覚えのない顔。「知らない顔が多すぎる」と近くの目撃者が苦笑していた下北沢シャングリラとは明らかに様子が異なる。一般エリアがパンパンになっていく様を見ていると、ちょっとうるっと来た。この数ヶ月、LiVSが数多くこなしてきた対バン。ひとつひとつの公演で彼女たちが見せてきた、手抜きゼロの、魂のこもったパフォーマンス。その地道な積み重ねが、結果に結びついているのではないだろうか。普段から通うわけではないけどうっすらと関心はあって、大事な公演ならふらっと来るようなライト層が生まれつつあるのではないだろうか。これは超重要。横浜F・マリノスも普段のホーム・ゲームの動員は平均25,000-27,000人程度(試合単位で見ると10,000-40,000人くらいの幅がある)だが大一番になると一気に増える。2019年のリーグ優勝を決めたFC東京戦には63,854が入場した。これは普段からスタジアムに行くわけではないけど横浜F・マリノスに興味はあって結果だけは追っているとかYouTubeのダイジェストは観ているというようなライトな層が存在し、いざというときに現地に駆けつけるからだ。もちろんプロフェッショナル・フットボールとインディー・アイドルを完全に並列で語ることは出来ないが、認知度を高め、ファンの裾野を広げることの重要性という点では共通している。一曲目の“ONE”で、フロアを見つめるメンバーさんの瞳がやや潤んでいるのが、私の距離からは分かった。あの涙(まだ流れていない段階のそれを涙と呼ぶのか分からないが)、5月に下北沢シャングリラでマルコchanが流した悔し涙とはまったく違う意味を持っていたはずだ。
流した悔し涙 決して無駄にはしない武士の嗜みだ
(RHYMESTER、『リスペクト』)

この公演では危険だからという理由でサークル(フロアで観客同士で輪になってグルグル回るやつ)と床に寝そべることが従来の禁止事項に追加された。私個人に関して言えばそれらの行為に興味がまったくない(やりたいと思ったことがない)ためどうでもよかった。そもそも禁止されていなかったのを知らなかったくらいだった。それよりもメンバーさんがフロアに下りてくることの方が危険だったんじゃないか。この規模の会場で、これだけ人がいるフロアにメンバーさんが乱入していったのは驚きだった。普通に考えると興奮しタガが外れている(お酒を飲んでいる人も多かっただろう)男性たちが密集する中に若くて容姿端麗な女性たちが飛び込んで行って何かが起きない方が奇跡である。他のメンバーさんはともかくミニ・マルコchanだけには指一本触れさせたくない。マルコchanが何かをされないだろうか。わちゃわちゃしているどさくさに紛れて触る奴はいないだろうか。私は気が気ではなかった。誰かがマルコchanが転ばないように補助するようなふりをして馴れ馴れしく後ろから身体を触っているのが見えたような気がした(私の脳が作り出した幻影だった可能性もある)。胸と胃が苦しくなった。コンニチハクリニックさん、ランルウさん、スズカス・テラさんが多少触られるのは最悪受け入れるとして、マルコchanだけにはそんなことがあってはならない。護衛をつけたかった。坂田さん(アイドル現場でセキュリティの仕事をしている知人)を雇いたかった。メンバーさんはフロアに二度、下りてきた。これはフロアの熱狂を加速した。コンサートのハイライトのひとつだったのは間違いない。一方で、何かが起きてしまうリスクもはらんでいたと思う。そして何かが起きたときに、それを100%観客のせいには出来ないと思う。着座のいわゆるホール公演でメンバーさんが通路を練り歩くのとは全然違うし、同じスタンディングのフロアでも男性がもみくちゃになるの前提で群衆に突っ込むのとも全然違う。

その極めて個人的な心配はちょっとあったけれど、誰が何と言おうと大成功のLIQUIDROOM公演だった。何枚チケットが売れ、フロアに何人がいたのかは知らない。今回の動員結果をLiVS内部でどうとらえているのかも知らない。でもこれが成功じゃなければ何が成功だというんだ。動員的にも、内容的にも、LiVSが出来ることのすべてを出し切ったと思う。下北沢シャングリラの苦しい記憶。そこから地道に続けてきた対バン。直前にメンバーを脱退させる決断。それらを乗り越えて手に入れた、最高の夜。正直言って私はこのわずか三ヶ月強でここまでの立て直しが出来るとは思っていなかった。またコンサートのどこかでメンバーさんが思うように集客が出来なかったことの悔しさを報告する葬式のような時間が来るのではないかと、何割か思っていた。それが本当に怖かった。でも、今日こうやって十分に人が埋まったように見えるフロアで、自分もその熱狂の一部になれて、メンバーさんが心から楽しみながら歌って踊る姿を見ることが出来て、胸のつかえが取れた。精神的に楽になった。LiVSを観てきてよかったし、これからも観ていきたいと強く思った。下北沢シャングリラから今日のLIQUIDROOMに至るまでの三ヶ月強でLiVSの未来は一気に明るくなったように見える。

2025年9月18日木曜日

魔法少女アイドルめいめい (2025-08-15)

8月15日(金)の夜、8月16日(土)の昼夜。計三公演。各公演にそれぞれtkuc、tkuc(二度目)、kttとアンジュルム時代の盟友がゲスト出演。私が申し込んだのは8月15日(金)の一公演。8月16日(土)は私の誕生日。アイドルめいめいを申し込む時点でこの日にLiVSの現場があるかどうかがはっきりしていなかった。誕生日はLiVSのために空けておきたかった。もちろんこの歳になると誕生日だからどうということは何もないのだが、後からLiVSの予定が発表されてめいめいとどちらをとるかの選択を迫られる事態は避けたかった。何せチケット代が安くはない。JPY11,000を捨ててLiVSに行く(そしてLiVSでまたそれに近い金額を使う)かどうかを迷う可能性をあらかじめ排除しておきたかった。あと平日の方がいい席が来るのではないかというスケベ心もあった。結果として8月16日(土)にはLiVSの予定が何も入らなかった。8月18日(月)に控えた大一番(LIQUIDROOM公演)に向けた準備、練習に専念するためだろう、直前の週末にはLiVSの現場がなかった。そして特段いい席も来なかった。前のブロックの一番後ろ、ほぼど真ん中。後から思うに観やすさと近さのバランスが取れたいい席ではあったが、実際に着席して高揚するほどではなかった。三公演のうち今日の公演だけが平日。普通に考えたら土曜日より行きづらい。申し込み人数が一番少ないだろうと思っていたが、なぜか最初にチケットが完売した。後から知ったが明日はハロ・コンが開催されるため、tkuc目当てのHello! Project村の住人たちにとっては今日がむしろ都合がよかったようである。ノスタルジーを感じる客層だった。会場全体としては若い女性も多かったが、明らかに“それ”と分かる、見るからにキモい紳士たちも大勢駆けつけていた。彼らが開演前に仲間同士ではしゃいでいる様子を見るだけで胸やけしそうになる。何かが微妙に変なんだよ。あの人たちは。私が自分の席に入るために前を通る際、すみませんと頭を下げても何も反応しないとかさ。まあそれくらいは全然いい。こっちが気にしすぎかもしれない。ただHello! Projectの客層ってのは普段どうやって働いたり生活したりしているんだろうと思わせるような紳士たちがゴロゴロいる。私は界隈から足を洗って久しいので耐性が落ちている。アウェイ感に面食らう。居心地微妙。

めいめいを最後に観たのが2月8日(土)のミュージカル“SIX”。あの日に私はめいめい支持者としての強度を落とすことを決めた。正確にはめいめいが主戦場としているミュージカルにいちど見切りをつけた(詳細は当時の記事を参照されたい)。結果としてめいめいに対するコミットメントが薄れた。もう一枚所持していた“SIX”のチケットはTwitter経由で売った。ステージに立つめいめいを一度も目にして来なかったこの半年間、欠乏感はいっさいなかった。なぜなら私にはミニ・マルコchanがいて、LiVSがあるからだ。それですべてが満たされていた。今の私はミニ・マルコchanで忙しい。9月14日(日)にLiVS現場で知り合った紳士に連れられて行ったコン・カフェで「ウチで推しは作らないの?」と元地下アイドルのキャストさんに聞かれ「作らない」「なんで?」「マルコがいるから」と血走った目で答えるくらい今の私はガンギマっている。マリノスの試合もホーム戦は基本的に全部観に行くとなるとそれ以外に割けるリソースは非常に限られてくる。今日はミュージカルではない。めいめいがアイドルとして、アイドル楽曲を歌うという企画。それでも私のモチベーションはほぼ皆無に等しい。そもそも一年に一度だけアイドルに戻るという発想にもあまり賛同できない。このブログで何度も書いてきたようにアイドルの語源であるidolの語義を少しでも意識するなら、私は今日と明日だけアイドルです、それ以外の日は違います、なんてのは随分と珍妙な話だからだ。もちろんアイドルがもはやidolとは無関係なaidoruという職業なのは理解している。それでも今日と明日だけアイドルやりますと言われるとこの言葉はそんなに軽いものだったのかと思ってしまうのだ。去年のアイドルめいめいを観た際には、自分自身がアイドル・オタクとして終わりに近づいていることを悟っていた。アイドルという存在、アイドルというシステムに対する熱は、もう自分の中に存在していないように感じられた。それが2024年11月10日(日)。BLUEGOATSを月に二回くらい観に行って、ミュージカル女優めいめいの活動を緩く追いつつ、横浜F・マリノスの試合を観に行く。そうやってアイドル・オタクを引退していく。それが既定路線だった。いつまで経ってもアイドル・オタクをやっているのはキモすぎる。引退できる目途が立って本当によかった。そう安心していた。ところが、アイドルめいめいを観てそう考えたわずか二十日後にすべてを覆された。2024年11月30日(土)。BLUEGOATS目当てでたまたま観に行った対バン。見つけてしまったミニ・マルコchan。今年に入ってから彼女と撮ったチェキが107枚、写メが95枚(数え間違いはあるかもしれない)。今の私はミニ・マルコchanとLiVSを最優先に生きている。すっかり人生最高強度でアイドル・オタクをやっているわけだが、それはアイドルめいめいへのモチベーションを高める要因にはならなかった。私が愛しているのはアイドルと名の付く存在全般ではなくあくまでミニ・マルコchanとLiVSという具体的なアイドルだからだ。半年観なくても平気だっためいめい。今からステージに出てこられても楽しめる自信がない。今日のチケット代JPY11,000はLiVSに回すべきだったのではないかという思いが頭をよぎる。

今日を迎えるにあたって楽しみな気持ちがほとんどなくて、私はファン・クラブ会員向けに事前公開されたセット・リストもチェックしていなかった。楽しむ準備が出来ていたとは言いがたい。それでもめいめいがステージに現れた瞬間、すべてが変わった。ショウが始まってから終わるまでのすべての瞬間、私は心を鷲掴みにされ続けた。そこにいるのはまごうことなき本物だった。アイドルとは何ぞやという問いへの回答が、そこにはあった。ステージ上の一挙一投足、シンプルに抜きんでたクオリティ。圧倒的な存在。tkucとのデュエットは見事と言うほかなかった。これだよ、これ。私にとってはこれこそがHello! Projectだった。『悲しきヘヴン』(℃-ute)、『オシャレ!』(松浦亜弥)、『お願い魅惑のターゲット』(メロン記念日)…。涙が出てきそうになった。今日は着席での鑑賞が義務付けられ、立ち上がるのは禁止だった。それでも心に火を灯してくれためいめいとtkuc。スキルフルでHello! Project魂の宿った歌声。私たちはステージで歌うからあなたたちは席に座ったまま聴いていなさいというのが成立するだけのクオリティ。アイドルを観る者として、今日めいめいが示してくれたこの基準を決して忘れてはいけない。そう強く思った。一年に一回だけアイドルに戻るということに対する疑義を呈してごめんなさい。私は一発で黙らされました。感銘を受けました。職業というよりは存在としてのアイドルを、めいめいは体現していた。いわゆるアイドル活動を普段していなくとも、めいめいがステージに立てば問答無用でアイドルになる。特別なオーラ。もしLiVSにめいめいが入ったら神になる。歌割の半分は彼女のものになるだろう。本当に今日、めいめいのコンサートを観ることが出来てよかった。自分が今後アイドルやステージで行われるショウ全般を観る上で、何がリアルで、何がフェイクかを見分けるためのひとつの基準を教えてくれたからだ。2025年8月15日(金)。記念すべき日。この日の記憶を形に残しておきたい。終演後物販で、買うつもりのなかったteeとタオルを買ってしまった。

2025年9月15日月曜日

LiVS in SUMMER 2025 東京公演 (2025-08-10)

二日前に発表されたユニちゃんの電撃脱退。当日中には跡形もなく消えていた彼女のソーシャル・メディア・アカウント。あまりにもあっけない幕引き。最後に彼女が残したひとつのトゥイート(それも当日中にはアカウントごと消失)を除けばお別れの言葉をご本人のお口から聞くこともないまま、ユニセックスさんはLiVSの構成員としてのキャリアを終えた。またか。コチャキンTVさんのときもそうだった。この唐突さ、スピード。横浜F・マリノスがスティーヴ・ホランド監督を解任したときも発表自体は突然だったが、十分に予想は出来ていた。成績が悪いから。選手交代が下手だから。このままでは辞めさせられるだろう。なんなら辞めてほしい。早く辞めろやとまで私は思っていた。それに対し、ユニセックスさんにLiVSを去ってほしいと思っていた目撃者(LiVS支持者の総称)はいなかったはずである。彼女はLiVSの楽曲になくてはならない、唯一無二の歌声の持ち主だった。あの気怠げでねっとりした、クセになる独特の声と歌唱。たとえば仮に歌のうまい誰かをLiVSに補充できたとしてもユニちゃんの個性を再現することは出来ない。いい悪いは別にしてユニちゃんが歌っていた頃のLiVSとはまた別物になってしまう。それはもちろん他のメンバーさんにも言えることではあるが、こと歌声に関してはユニちゃんは特別な存在だった。LiVSの音をLiVSの音たらしめる個性だった。それにつけてもこの発表から除籍までの短さよ。一般的にアイドルは辞める間際に特需が生まれる。二度と会えなくなる前に、最後に観ておきたい。最後にこれまでの感謝を伝えたい。支持者側からそういった欲求が生まれるのは自然なことだ。それに乗っかってひと儲けをしようともせず、スパッと切ってしまう。LiVSでは今後もこれが普通なのだろうか。もはや私は美学すら感じ始めている。もしアイドルが一般的な職業であるなら、いきなり今日で辞めます(辞めさせます)というのを正当化するのは難しい。だが、もしアイドルが流れ星であるならば、眩い輝きを放った次の瞬間に消えてなくなるのが当然である。

ユニちゃんご本人を含むLiVS(メンバー、運営)内では降って湧いたような話ではなかったはずである。発表時の文やメンバーさんたちの反応を見るに内部では前々から亀裂があってそれが埋められない段階まで来たからけじめをつける(つけさせる)ことにしたという雰囲気が感じられる。我々は経緯を知らないし、知らされることはないし、知る必要もない。であれば、中途半端にユニちゃんが悪いことをしたような書き方をしなくてもよかったのではないだろうか。一身上の都合によりじゃないけど、適当に濁した文言でもよかったんじゃないだろうか。その点が私には引っ掛かる。LiVSには困ったときにこいつを叩いておけばいいというスケープ・ゴートがいない。何か不満があったとき、Hello! Projectであればつんく、西口猛、橋本慎といった紳士たちを叩くことで溜飲を下げることが出来た。LiVSにはそういう分かりやすい、権力を持ったオジサンがいない。今LiVSの運営と言えるのは実質的にスズキさん一人。あとはフォトグラファーの伊藤さん(ナイス・ガイ)も運営チームの一員ではあるが株式会社ALL-INc.(LiVSを運営する会社)に所属はしていない。スズキさんは肩書上はプロデューサーのはずだが物販を捌き、チェキや写メの撮影まで行っている。いつも感じよく対応してくださる。我々が楽しめるように、LiVSが安心して活動できるように尽力しているのが伝わってくる。そんな彼女を“ユニちゃんを辞めさせたクソ運営”として叩くことは出来ない。かつてはササガワさんがいた。氏にはややヒールのヴァイブスがあった。目撃者の怒りや悲しみを受け止めるサンド・バッグとしての適性があったのかもしれない。でも彼はもういない。そもそもLiVSは運営やプロデューサーが独裁的に物事を決めてメンバーに押し付けているというわけでもなさそうだ。(たとえば前に特典会でミニ・マルコchanに髪形を変えるときに運営さんの許可っているの? と聞いたら要らないと言っていた。厳しい事務所だとその自由はないはずである。)大人が、運営が、事務所が、ではなく、メンバーたち自身を含めたLiVSとしての決断として受け止めないといけない。

ユニちゃんショックからたったの二日間。我々が状況を呑み込むことも、受け入れることも、感情の整理をつけることも出来ないまま迎えたツアー・ファイナル。開演前に会場付近で他の目撃者に聞いたところ、今日は超最高チケットが18人くらい。最高チケットが6人くらい。人間チケットは昨日の時点で36番、つい先ほど買った人が50番くらい。ユニちゃんの脱退を受けて、いてもたってもいられず、駆け込みでチケットを購入した人たちが一定数いたようである。理由はともかく結果としては下北沢SHELTERはいい感じに埋まっていた。脱退の特需がなければツアーの千穐楽としてはやや寂しい客入りだったかもしれない。ユニちゃんが体調不良を理由に欠場した8月5日(火)の #夢際無銭 。あのときはまさかその四人でそのまま正式な体制として続くとは思っていなかった。あのときは突発的な非常事態で、なおかつユニちゃんは近いうちに戻ってくるという前提(思い込み)があった。これはフットボールで言うと後半途中に左サイド・バックが負傷退場するもベンチに本職がおらず、本来はボランチの選手が左サイド・バックのポジションに回ることで残りの時間を凌ぐようなもの。一時的な応急処置。歌割やフォーメーションの急な変更に対応できるだけでもスゴい。ユニちゃんがいたときと同じクオリティを出せないのは当たり前。だから8月5日(火)の四人でのパフォーマンスを私は好意的に見ていた。ただユニちゃんはもうLiVSではない。残されたこの四人がフル・メンバーのLiVS。となるとまた話が違ってくる。ユニちゃんがいない“にもかかわらず”これだけ出来ているという見方をすることはもう出来ない。それは今の四人に失礼にあたるだろう。その視点、基準で今日のLiVSを見ると、集団としてのアウトプットのクオリティは落ちていると言わざるを得なかった。ユニちゃんの穴(※下ネタではないです)を感じざるを得なかった。物足りない場面が多々あった。それが正直な感想。同じ歌、同じリリック、同じメロディだからといって、その辺の会社員の定型業務のように簡単に誰かが代行できるわけではない。特に“He Meets”がセット・リストに含まれていなかったのが、今の四人ではまだ表に出せるクオリティにないという判断なんだろうな、と勝手に邪推した。“BACKLiGHT”は披露されたけど、これじゃない感。料理で重要なスパイスが欠けているような。

とはいえ翼の片方を失ったような手負いの状態のLiVSが、それでも今の四人で出せる最大限の力をステージで表現し、目撃者側もそれぞれがさまざまな感情を抱えつつ、一緒にライブを作り上げた。そこには一体感があった。途中からいい感じにグチャグチャになって、いいフロアだった。四人体制での新しい歌割でミニ・マルコchanにケチャするタイミングは、五日前の対バンで予習できていた部分もある。オフ・ザ・ボールの動き。今日の私はフロア後方にいたのだが何度か会心のタイミングで最前中央にケチャをキメることが出来た。メンバーのひとりひとりが、今回のメンバー脱退について、ステージで思いを話してくれた。彼女たちからは、LiVSという集団を続けていくこと、この場所を守っていくことへの強い意志が感じられた。信じてほしい、という言葉がランルウさんとミニ・マルコchanからは出てきた。技術、クオリティ、スキルは言うまでもなく重要で、私はそれらを非常に重視している。しかし人間が集まってやることだから、気持ちは大事。横浜F・マリノスにはこういうチャントがある。
ひとりひとりの気持ちを合わせて 辿り着こうぜ 最高の場所へ
戦おうみんなで 横浜F・マリノス 俺がやってやるって気持ちが大事さ
フットボールのチームのように戦力とかスカッドみたいな見方をするとユニちゃんが抜けるのは大きすぎる痛手。でもおそらくLiVSが気持ちをひとつにして今後も活動を続けていくために必要な判断だったのだろうと私は思っている。

私にとっては、LiVSとはミニ・マルコchanのことである。ミニ・マルコchanがいなければLiVSではない。ミニ・マルコchanがいればLiVSである。つまりミニ・マルコchanの存在がLiVSを成立させるための必要十分条件である。私にとってLiVSとは一にも二にもミニ・マルコらの集団なのである。(実際にはあり得ないだろうが)もしLiVSがミニ・マルコchanひとりになったとしても、私はLiVSを追いかけ続けるつもりだ。栗原勇蔵さんは「サッカーよりもマリノスが好き」と言っていたが、今の私はLiVSよりもミニ・マルコchanが好きだし、アイドルよりもミニ・マルコchanが好きだ。今回の脱退でユニちゃんを支持していた目撃者の気持ちが離れてしまうのは当然だと思う。むしろこれで前とまったく変わらぬ熱量で応援できる方がおかしい。私もミニ・マルコchanが同じような去り方をしたらしばらく(二度と?)現場には行けないと思う。曲を聴くのもつらくなると思う。でも、私にとってはLiVS=ミニ・マルコchanなので彼女がいるかぎり私はLiVSを観続ける。

ユニちゃんの特典会には数回だけ行ったことがある。ステージで見る印象だとツンとした人なのかなと思っていたけど、実際に対面してみるとスゴく優してお茶目な面もあることを知った。横浜F・マリノスのファンだというのを某紳士に教えてもらってから何度かマリノスの話をさせてもらった。ツイ・キャスの配信でカレー味のうんこかうんこ味のカレーのどちらがいいかのアンケートを取っていたのを見て印象が変わった。それで思い出したが、最後にユニちゃんに忠告しておきたい。私の友人のひとりが彼女のうんこを食べて病院送りになったことがある。ユニちゃんは気を付けてほしい。

2025年9月7日日曜日

#夢際無銭 - ツーマン編 Vol. 5 (2025-08-05)

『火曜日つらい』という曲がかつてYouTubeに公開されていた。火曜日になると思い出したように聴いていた時期がある。自分のトゥイートを遡ると2017年6月28日(水)から2019年8月6日(火)の間に聴いていた痕跡がある。なので少なくともそのときには聴ける状態だった。今では動画が再生できなくなっている(private設定になっている)。MC松島さんがdoggydoggさんとタッグを組みマーゴス名義でドロップしていた曲のひとつ。私はある時期からちょっと違うなと感じるようになってMC松島さんからは離れている。それでも好きだった時期の曲の価値は変わらない。ふと聴きたくなったときに聴けないのは残念。5年後、10年後にふと思い出して再訪できるのがインターネットに置いてある創作物の素晴らしさ…というのは幻想で、実際にはこうやって作者が消す(観られないようにする)こともあれば、ブログであればサーヴィスごと終了して消えることもある。

出社日。17時過ぎに退勤。下北沢。The Pizza。ペパロニJPY660。アンチョビ&ブラック・オリーヴJPY680。ジン・トニックJPY650。私はアブラや脂肪分の多い食べ物は基本的に避けるようにしているがたまにこの店で食べるピッツァは例外。これだけおいしけりゃ許す。たまには、ね。バカ舌を自任する地元民のD氏が教えてくださった飲食店で唯一リアル。一時期に比べて最近は来る機会が減っていた下北沢。どうやらこの店も最後に来たのが6月28日(土)。LiVSは主催公演を下北沢(主にMOSAiC)でやることが多いのだが、最近は今日のように対バンの出演が増え、主催公演が減っている。(と言いつつ今日は下北沢なのだが。)あとツアーで地方都市に行っていたから、下北沢での公演は自ずと減っていた。実際のところ主催公演だけを同じように続けていても活動規模が拡大していく未来は描きづらい。8月18日(月)にLIQUIDROOMを埋めるという具体的な目標がある以上、対バンを通じて既存のファン以外にも露出していき(肌を見せるという意味ではなく、目に触れるという意味)少しでも新規ファンを増やそうとするのは必要な努力だろう。

動員能力において今日の対バン相手、yumegiwa last girlはLiVSより格上と見受けられる。yumegiwa last girlに限らず、これまで対バンで観てきたすべての集団と比較してもメンバーと楽曲のクオリティ、フロアの熱さにおいてLiVSが引けを取ることはまったくない。私はそう自負している。しかしフロアに何人来ているかは主観の入り込む余地がない。事実として認めざるを得ない。実際にこうやって対バンしたことでyumegiwa last girlの支持者の何人がLIQUIDROOMに来てくれるかは分からない。目先の目標に対する直接的な効果は本当に限られているかもしれない。それでも手は打っていかないと発展していくための出発点に立つことも出来ない。

yumegiwa last girlと言えば、E氏がご愛好されていた集団。前にも書いたようにファンクラブでは月額JPY10,000のコースに加入し、オキニの伶菜から手紙を受け取っていた。もしかすると今日、フロアで氏と再会できるのではないか…胸に1%くらいの希望を抱いていたが、叶わなかった。詳しい事情は存じ上げないが2024年11月3日(日)を最後に氏のトゥイートは途絶え、連絡もつかなくなった。私が氏と最後にお会いしたのが2024年5月4日(土)。その日、私はBLUEGOATSの24時間ライブを部分的に観てからE氏と合流し、新大久保のテジョンデでお食事をご一緒していた。その頃の私はまだLiVSと出会っていなかった。ツー・マン(和製英語)の対バンでそれぞれの集団の支持者としてE氏と邂逅するという激アツな展開は実現しなかった。そこにyumegiwa last girlはいるけど、E氏はいない。伶菜はいるけど、E氏はいない。それが寂しい。E氏の幻影を追って新規無料チェキを伶菜と撮ろうかと思ったけど、実際にこの集団のパフォーマンスを観て一番惹かれたのがリサchanだったので性的衝動に素直に従いリサchanと撮った。少しE氏の話をした。私にとってyumegiwa last girlを観るのは二回目だった。前は池袋harevutaiの対バンだったけどあのときは出演者が多かった。今回はツー・マン(和製英語)だったので前回よりも時間が長く、じっくりと観て聴くことが出来た。ユニゾンが耳に心地よく、いくつか面白い音が入った曲もあった。翌日、アルバムやEPをちゃんと聴いてみた。E氏が認めるだけあってクオリティが高い。私が気に入った曲は『プライバシーポリシー』、『あまやどり』、『愛の衛星』。

無銭と銘打っているようにチケット代は無料。なのだが、前方エリアのチケットはJPY2,000で売り出されていた。当然、ガチ勢としてJPY2,000のチケットを購入していた。S13番。単純に番号通りに行けば二列目だったが、yumegiwa last girlの支持者たちがLiVSのターン(先行)では下がってくれたため、最前に行けた。前方エリアには目撃者が2列分もいなかったと思う。前方エリアと一般エリアは柵で仕切られていた。そもそもの人数の少なさに加え、この柵の存在によって、後方から最前中央付近に人がどんどんなだれ込んでくるというLiVSのフロアならではの現象は起きなかった。柵の前にいた少数の紳士たちの間で、空間に余裕のある中、ケチャを回し合っていた。JPY2,000を出す価値が十分にある快適さだった。もちろん快適であっても、柵で仕切られ前方に人が少ない状態であっても、我々のインテンシティの高さは普段と何も変わらず。火曜日の下北沢に無銭でも入れるライブにわざわざJPY2,000を払って入場し前方で絶叫する、怖すぎるオジサンたち。フロアの最前にいると(振り返ってジロジロ見ない限り)後ろがどうなっているのかが分からない。全体の雰囲気に合わせるということが出来ない。高みの見物が出来ない。常に後ろから見られているという意識が生まれる。他人のせいに出来ない。もしLiVSのフロアが誰かにネガティヴな印象を与えたとしたらその責任は第一に我々に帰することになる。メンバーが自分(を含めたフロア)を見て、自分もメンバーを見て、自分の背中を後ろの人たちに見られる。対バンだとさらに相手の演者+支持者というもうひとつの視線に晒されることになる。

『RとC』のフックで前後に動くのと『業TO HEAVEN』で左右に動くのは分かりやすくLiVSのフロアの躍動感、ダイナミズムを第三者にも見せることが出来る。対バン映えすると改めて感じた。『RとC』と言えばイントロでメンバーさんがハイタッチしに行くよ~と言っていたのだが、ふたを開けると最前の面々だけとハイタッチしていた。もしやるならステージから下りて一般エリアまで行った方がよかった気がする。前の曲が終わったときの拍手の流れで“Reverse”の手拍子に繋げていくシームレスさが心地よい。『業TO HEAVEN』と“Reverse”は初披露から3-4ヶ月が経過し、だいぶ仕上がってきた。定番曲になりつつある。

ユニちゃんが体調不良により欠場。これを書いている今はもう氏がLiVSを退団しているのだが、このときはそりゃこのハードな日程じゃ体調も崩すわ…LiVSのライブは毎回全力だし。消耗するよね。無理せずに休んで元気に戻ってきてほしいナ…と額面通りに受け止めていた。彼女の脱退が発表されたのが8月8日(木)。何があったのかこちらには分かる術もないが、この時点でユニちゃんが辞めることは決まっていたのだろう。何も知らない私は、急な歌割変更も難しいだろうし、ユニちゃんのパートは音源が流れる可能性もあるのカナ? なんて呑気に考えていた。実際にはそんなことはなく各メンバーさんがちゃんと歌ってユニちゃんのパートを埋めていた。ユニちゃんの前後のラインを歌っているメンバーさんがそのままユニちゃんの担当箇所も歌うことが多かった気がする。ケチャに行って引き返したらまだオキニが歌い続けている(元々ユニちゃんのライン)という場面が何度もあった。まさかLiVSのユニちゃんを観るのが三日前の武蔵野音楽祭で最後だったなんて、このときの私は想像もしていなかった。

2025年9月6日土曜日

武蔵野音楽祭 (2025-08-02)

吉祥寺駅前のバインミー★サンドイッチでベトナム・ハム&鶏レバー・ペーストのバインミー(JPY750)になます(JPY100)と青唐辛子(JPY60)のトッピング。高田馬場の店は何度か利用したことがある。吉祥寺にもあるのは知らなかった。私が食べてきた中ではここのバインミーが一番おいしい。

吉祥寺SHUFFLE。何かの間違いじゃないかっていうくらいフロアに人が少ない。識者によるとTIFというアイドル・フェスと被っているらしく。そっちに人が流れているんじゃないかって話。それ以上に各集団が抱えているそもそもの支持者の数が少ないんじゃないかと思う。だって、この対バンとTIFを天秤にかけて後者を選ぶのはDD的な層でしょ。ハーコーな支持層は問答無用でこっちに来るはず。言うても目撃者(LiVS支持者)も胸を張れるほどたくさんいたわけではないけど、それでもフロアの過半数を占めていた。他の集団の集客たるや酷いものだった。最前が埋まってなかったもん。もしLiVSが出ていなかったら動員は壊滅的だったと思う。一桁はないにしても20人に達するか怪しかったんじゃないかな。LiVS以外に出ていたのがBuzzer01&.という若い女たちのバンドと、というアイドル集団。どうやらBuzzer01&.はアイドルではないらしい。でもこうやって対バンで他の集団と並べて見ると具体的にどこがアイドルではないのか分からない。何がアイドルで、何がアイドルではないのか。アイドルを見れば見るほど、その境目、定義がよく分からなくなってくる。採用する集金システムの問題だろうか? ライブやイベントをやって、グッズを売って、特典会をやって、という我々にお金を払わせる一連の流れ。それに乗っかっていればアイドル。乗っかっていなければそうではないという風に。ただ、その観点だとBuzzer01&.が終演後に支持者たちとチェキを撮ってサインなぞを入れながら交流している姿はアイドルそのものだった。もちろんアイドルの語源であるidolという英単語には偶像、憧れの対象といった意味があるわけだが、実際問題としてアイドルを名乗っている当人たちでさえそんなことは深く考えたことがなさそうである。前にも書いたがアイドルという日本語はidolという英単語から独立し、aidoruという職業になった。
猫だって 杓子だって 名刺を作れば即アイドル
世界でも稀に見る 特殊な職業 Jアイドル
(Berryz工房、『普通、アイドル10年やってらんないでしょ!?』)

言ったモン勝ち。アイドルだと言えばアイドル。アイドルではないと言えばアイドルではない。それが現実。ただ、私はそれを受け入れるだけの心の広さを持ち合わせていない。何もかも一緒くたにしてアイドルと認めることは出来ない。私は十年以上Hello! Projectを観てきた。私にとって、アイドル=Hello! Projectだった。Hello! Projectでなければアイドルではないとさえ思っていた。今ではさすがにその偏狭な考えからは抜けている。それでも私の中には基準がある。その基準で判断するとはメンバー、楽曲、歌唱、ダンス等々、すべてのパラメーターが30-50点。突出した要素を何ひとつ感じられない(強いて言えばチェキが安いくらい。メッセージ付きでJPY1,000とのこと)。彼女たちには私の貴重な時間とお金を浪費させられた。あんなのを見せられるのならせめて無料でないと割に合わない。何なら向こうがこっちにお金を払うべきでは? 前にシャングリラで観たカス対バンでもこのようなクオリティの集団が散見された。ただ、こういった集団をどう評価するかはちょっと難しい。というのがHello! Projectと同じ土俵で見ると紛れもなくゴミとはいえ、個人が趣味でやっているお遊び(アイドルごっこ)として見ると拍手を送るに値するからだ。物事の評価は基準をどこに置くかによって変わってくる。たとえばフットボールでも優勝を義務づけられたチームと残留を目標とするチームを同じ尺度で語るのは無意味だ。今日のを見てケチをつけるのはサッカーで言うと草サッカーとプロの試合を一緒くたにするくらい野暮なのかもしれない。

インディー・アイドルなんてのは結局のところ、フロアが沸けばええじゃないか、楽しければええじゃないかの世界なのかもしれない。でも、本当にそれでいいのか? 私はどうしても首を傾げてしまう。ミックスが打てれば、コールが出来れば、ケチャが出来れば、仲間内で好きな盛り上がり方が出来れば、ステージ上のメンバーは誰でもいいのか? そこで表現される音楽と表現のクオリティはどうでもいいのか? Buzzer01&.は良かったよ。楽しく観させてもらった。は観れば観るほど、聴けば聴くほど、気分が悪くなっていった。本当にイライラさせられた。こういう奴らをあんまり甘やかすべきではない。何がリアルで何がフェイクなのか分からなくなってしまう。Buzzer01&.→→LiVSという順番だった。ようやくの出番が終わった頃には私の胸にMERA MERAと闘志が沸いていた。おい、のメンバーども。運営ども。支持者ども。これから本物を見せてやる。お前らとの差を見せつけてやる。こういう気持ちの盛り上がり方も対バンならでは。私は溜まった怒り、苛立ちをすべてLiVSにぶつけることでポジティヴに変換した。

真夏だが吉祥寺SHUFFLEの中は空調がよく効いている。肌寒いくらい。長袖teeで袖を適宜調整するか、薄いナイロン・ジャケットでもカバンに忍ばせておいた方がいい。空調事情は箱によって違う。いずれにせよ日中にライブハウス(和製英語)にいると、涼しい室内で身体を動かして楽しみながら酷暑をやり過ごすことが出来る。ありがたい。

今日は対バンの二本立て。同じ会場。昼が12時から、夜が18時半から。昼の特典会でミニ・マルコchanが教えてくれた台湾老劉胡椒餅で胡椒餅(豚肉)JPY440。ジューシー。なかなか。想像していたよりもおいしかった。(マルコchanはバインミーを食べたことがないらしい。ヴェトナム料理店に行くといつもフォーを選んでいるのだという。玉ねぎが苦手らしく、バインミーの話をしたら玉ねぎ入ってる? と気にしていた。)ベローチェで時間調整。一日に何回かコーヒーを飲まないとやっていけない。私にとっては精神安定剤のようなもの。

音楽は素晴らしい あと酒と馬鹿話抜きではやっぱ悲しい(ライムスター、『ビッグ・ウェンズデー』)
夜の対バンはLiVSと三組のバンド。THE KING OF ROOKIE、THE DO DO DO's、hotspring。異色の組み合わせ。面子だけ見るとLiVSだけ浮いている(もっともTHE DO DO DO'sに関しては“He Meets”の楽曲提供を受けているという繋がりがある)。が、それを感じさせないくらいぶちかましてくれた。対バン一組目としての責務を存分に果たしたと思う。いい感触。最近セット・リストに頻出する『始まりの歌』。私はこの曲が前よりも好きになってきた。イントロがかかると嬉しくなる。フックで両腕を左右にピンと伸ばす動き。あれは後ろから見ても絵になるだろうし初見の人でもとっつきやすいと思う。LiVSのフロアはケチャ、ミックス、メンバー名のコールといったどっぷりインディー・アイドルのノリが中心で、門外漢が気軽に参加できるノリはそんなに多くない。(他に分かりやすいので言えば“ONE”で腕を上げて下ろすやつとかか。)LiVSの出番後にジン・ライムを一杯飲んだら気持ちがよくなってきた。二回か三回お代わりした。ずっと気持ちの良い状態が続いた。いい酔い方。LiVSが最初だったのが良かった。自分としてはもう残りの時間をフロア上の位置取りなどを気にすることなく気軽に楽しむだけになったからだ。良い音楽+アルコール。幸福が増幅。特にTHE KING OF ROOKIEが印象的だった。新潟を拠点に活動する非常にドープな若者たち。ヴォーカルの青年が、前に出演した新潟のロック・フェスでトリがBiSHだった、自身もアイドル(生ハムとアイドル)が好きでBiSHのDVDもよく観ていた、もし自分たちの出番が先だったらLiVSのフロアの輪に入りたかった、もし自分が女だったらアイドルになっていたなぞと熱く語り、目撃者(LiVS支持者)の心を掴んでいた。談話だけでなく音楽も抜群に熱くてカッコよかった。(もしteeシャツでも売っていれば一枚買ってヴォーカルの青年に感想でもお伝えしたかったが、残念ながら彼らは物販をしていなかった。)あとは何と言ってもTHE DO DO DO'sによる“He Meets”のセルフ・カヴァー。始まるや否や、フロアの前へ前へと詰めていく目撃者たち。勝手に身体が動く感じ。あれを聴けたのは今節最大の収穫。 目撃者の某紳士がTHE DO DO DO'sのteeシャツを購入し着用した状態で女性メンバーさんにサインを入れてもらっていたのだが、その際に乳首が感じたと言っていた。

2025年8月21日木曜日

クリトリックLiVS将軍 (2025-07-30)

池袋にたくさんあるヴェローチェの某店舗には数メートル先でも二度見、三度見するレヴェルの異臭を放つ常連客の紳士がいる。先ほど氏がご来店され、近くに座っていた先客の紳士が異変に気付き速やかに席を移動した。私も前の記事を書き終わったので早めに店を出た。数分後に池袋サンシャインの中を歩きながら気付いたのだが、先ほど書いて投稿した7月31日(木)の記事の前に7月30日(水)の記事を書かなくてはいけなかった。この日に関してはノート・ブック(ニーモシネ N195A)に備忘録を残していなかったので見落としていた。勢いでさっと書いてしまうことにする。手元にネタがない以上、勢いで書くしかない。私は通常このブログをいきなり書き始めるわけではない。事前に何を書く内容をいくつか用意している。即興フリースタイルで書くっていうのはなかなかに苦しい。なんで何も残していなかったのか。すぐ翌日に定期公演があったから。ネタを仕込んでいる時間がなかったのだと思う。あと、これは推測というか想像なんだけど…無意識に避けていたのかもしれない。この日のことを振り返るのを。過ぎたこととして忘れたかったのかもしれない。蓋をして閉じ込めておきたかったのかもしれない。それくらいショッキングだった。最高だったのかもしれないし、最低だったのかもしれない。もう一回やってほしいかと聞かれたらやってほしいと即答は出来ない。良きにつけ悪しきにつけ伝説に残る対バンだった。

どれだけ異常だったかを説明するには、収拾がつかないからという理由でLiVSの特典会が中止になったという事実を提示するだけで事足りる。LiVSでかつてこんなことがあったのだろうか? 私よりも歴が長い目撃者に聞いても、聞いたことがないと言っていた。一晩経って冷静に考えてもSuzukiさんの英断だったと思う。収益面では大きな痛手。それよりもメンバーを守る決断をしてくれてありがとうと伝えたい。なぜ「収拾がつかな」くなったのか。主に二つの理由がある。第一に、クリトリック・リスさんとのツー・マン(和製英語)であったこと。LiVSは前に武蔵野音楽祭で共演したことがある。あのときは他にも二、三組の出演者がいた。ツー・マンであることによって、クリトリック・リスさん側のノリの影響を強く受ける形となった。氏の現場では盛り上がってくると演者も客も上裸になるのが定番である。その状態でフロアで動き回ってぶつかり合う。第二に、今回の会場である池袋ADMが来場者にお酒をたくさん飲むことを奨励していること。壁には過去の公演で計何杯のオーダーがあったかが貼り出されている。その数字で競争を煽っている。仮に煽っているつもりはありませんとしらばっくれたとしても事実として煽っている。(1)オジサンたちが上裸になってフロアで激しくぶつかり合う。(2)みんなお酒を次々に飲んで酔っぱらっている。(3)共演者の若い女のアイドル集団がフロアの端で観ている。(1)と(2)だけならまだオジサンたちのノリとして成り立つのかもしれないが、(3)があることで全員の悪ノリが加速していた気がする。最後にはLiVSにお酒を飲ませようというノリになっていた。(彼女らにお酒を飲ませようとクリトリック・リスさんとフロアの紳士たちがLiVSがいた場所に向かったときには既に伊藤さんやSuzukiさんの判断でメンバーは奥に捌け、いなくなっていた。)武蔵野音楽祭のときは脱いでいたのは言うても一部だったが、今日に関してはほぼ全員が脱いでいた。あるいはクリトリック・リスさんや周りの客に脱がされていた。私は脱がずに済んだ少数派の一員だった。数十人のオジサンたちが酩酊し、興奮し、気持ちよくなった状態で、フロアで肌と肌をぶつけ合う。それを見てどう感じるかは個々の趣味趣向の話になってくる。あれは最高だった! という意見を私は否定しない。もし私も脱がされていたらそっち側になっていたと思う。だが、脱がずに一部始終を見守っていた陰キャの感覚で言わせてもらえば、たしかに楽しくはあったものの、LiVSもいる場所でやることとしては行き過ぎていたように思う。誰かが悪いということはない。ただ、上述の(1)~(3)の嚙み合わせがある意味では最高、ある意味では最悪だった。そこにはむき出しの人間らしさはあった。ある意味、これも「人間最高」(LiVSのスローガン)なのかもしれない。LiVSのライブも凄く熱かった。ステージが低く、メンバーと同じ目線で楽しむことが出来た。どういう経緯だったかは見逃したのだが、ミニ・マルコchanがいつもポロ・シャツの上に羽織っているレース生地のシャツ?を脱ぎ捨ててしばらくポロ・シャツ姿で歌って踊っている時間帯があった。非常にレアな光景を目の前で観ることが出来て嬉しかった。何だかんだアイドルが纏う布は少なければ少ないほどいい。このシンプルな原則には抗うことが出来ない。しかしオジサンはちゃんと服を着たほうがいいのかもしれない。

Let's Meet LiVS (2025-07-31)

最後の定期公演って何度も言うけど、最後なの? 今回のクールが、ということだよね? また9月か10月頃には次のクールが始まるんだよね? これを書いている8月21日(木)時点では分かっていない。ALL-INCの公式ホームページにあるカレンダーを見ると、詳細の情報はない段階でも日程だけは確認できる場合がある。たとえば8月31日(日)は前から「主催ライブ予定」と記載されていた。昨日、MAPAとのツー・マン(和製英語)公演が行われることが発表された。同じ曜日に毎週の予定が入っていれば、ははーんさてはここで定期公演をやるンだナという推理が成り立つのだが、まだ先の予定はスカスカである。9月の予定が今のところ四件しかない。8月18日(月)に控えていた大一番、LIQUIDROOM公演の準備で手一杯でカレンダーの更新まで手が回っていないのかもしれない。あるいは本当に今のところ定期公演というものをやる予定がないのかもしれない。『俺たちに明日はない』のかもしれない。いや、やるでしょ。きっと。やるって。これは予想であり、希望でもある。定期公演の灯を絶やしてはいけない。毎週の同じ曜日、同じ場所、同じ時間。一定のリズム。現場に来る面子も「大体 毎回 同じメンバーと再会」(RIZE, “Why I'm Me”)状態かもしれない(今日に関してはいつもより多くの既存客が駆けつけた一方でご新規さんがゼロだった模様)が、それは決して悪いことではない。同じだからこそ生まれる安心感、ホーム感。この積み重ねと繰り返しが生み出す練度とクオリティが、千穐楽だとか、節目の大きな公演だとかに繋がっていく。私はLiVSを観るまでは基本的に、自分の席や立ち位置から動いてはいけないタイプの興行にしか行ったことがなかった。Hello! Project然り、フットボール然り、ミュージカル(舞台)然り。そういう現場は他人と一切の交流をせずに一人で行って一人で楽しんで一人で帰ることが可能。それで何の問題もない。ただ、そういう興行であっても付近の席にいる紳士淑女のヴァイブスには影響を受ける。陽気な人たちが近くにいれば自分も熱くなりやすいし、ブツブツ文句を言う人が近くにいればイヤな気持ちになりやすい。単騎で参加したとしても、その公演なり試合なりの雰囲気を周囲の人たちと一緒に作り上げているという事実からは逃れることが出来ない。LiVSの場合、私はあくまでアイドルを観に来ました。オタクには興味がありません。メンバー以外の他人といっさい関わりたくありませんという一匹狼的なスタンスをとることにまず無理がある。フロアの立ち位置が固定ではなく状況に応じてどんどん動き回ることが大きな要因である。各メンバーさんのソロ・ラインでそのコの支持者たちが一斉に最前中央付近に押し寄せる、ケチャと呼ばれる動きがLiVSのフロアの大きな特徴だ。後ろにいる他の人が前に進めるように空間を作ったり、最前の人が後退して場所を一時的に譲ったりといったことが公演の最中、常に行われている。この激しさに私は最初、面食らった。慣れていくにつれ、この激しさを成り立たせているのがフロアにいる人たち同士の配慮や気遣いであることに気付いた。みんなが前に行けるように、みんなが楽しめるように。そのための協力、連携。何なら近くにいる人が誰の支持者なのかを把握し、そのコのソロ・ラインが始まりそうになったらその人を押して最前中央に動くのを促すということまで行われる。こういうことが成立するには、フロアにいる人たち同士の信頼関係が必須。別に全員が全員とお友達である必要はないし実際そんなことはないのだが、ある程度は他の人たちと見知った仲になった方が絶対にいい。いや、そういうのはいいんで(苦笑)。別に前に行けなくてもいいですから。なんて考えじゃここではすぐに限界が来る。私が先輩諸氏の信じられないくらい親切な導きを受けて生まれて初めてのケチャをさせてもらったのもこの定期公演だった。この定期公演は、私が目撃者(LiVS支持者)として練度を高めていくためのこの上なく大切な場だった。こうやって毎週、安心して戻ってこられる場所があることのありがたさ。定期公演があるから私はここまでLiVSを好きになった。LiVS中心の生活を手に入れてから、生きていて悩むということがなくなった。生きる意味がここにあるから。

2025年8月18日月曜日

Chemistry LiVE with LiVS TOUR 横浜公演/LiVS in SUMMER 2025 横浜公演 (2025-07-27)

最低限のことをやってただ生き延びるだけでも楽ではない、この猛暑。今月のLiVSがやることになる公演の数、実に20。このツアーでは千穐楽の東京を除き、昼は対バン、夜は単独公演の二本立て。LiVSのパフォーマンスは生ぬるいものではない。毎回、すべてを出し尽くすような懸命さ、必死さを伴う。それをこの頻度でやるというのはさすがに若いから何とかなるという領域を超えている。この過密日程を誰一人として欠けることなく駆け抜けているLiVSのメンバーさんたち。細かい体調不良くらいはあるのかもしれないが、決して表には出さない。弱音を吐かない。プロフェッショナル。すべてをLiVSに捧げているのが伝わってくる。生半可なことではない。尊敬する。社長だったはずのササガワさんが謎に消えた運営チームにおいて、明らかな人員不足下で物販からチェキ係から何から何までをこなしメンバーを支えてくれるSuzukiさんらにも頭が下がる。私などお金を払って観に行っているだけの気楽な立場である。とはいえフル・タイムで働きながら月に十何回もLiVSに通うというのはそれなりにギリギリの戦いだ。他のことをする時間がなくなる。LiVSにはまってからというもの、ほとんど本を読めなくなっている。ポルノを観る暇もなくなった。意図せずしてポルノ断ちに近いことを実現できている(ちょっとは観ている)。
人は人生を愛しているときには読書はしない。それに、映画館にだってほとんど行かない。何と言われようとも、芸術の世界への入り口は多かれ少なかれ、人生に少しばかりうんざりしている人たちのために用意されているのである。
(ミシェル・ウエルベック、『H・P・ラヴクラフト 世界と人生に抗って』)
どっちなのか、分からない。私がLiVSにはまっているのが「人生を愛している」状態なのか、それとも人生にうんざりしているからLiVSという「芸術」に没頭しているのか。いずれにせよ、このような引用をするためにも本は読まないといけない。

今日の会場、F.A.D YOKOHAMA。最寄り駅は石川町。中華街の辺り。横浜出身のシティ・ボーイでお馴染みの私。実際のところこの区域にはほとんど足を踏み入れたことがない。狭義の横浜である横浜駅周辺ばかりをウロウロしていた。LiVSが私が生まれ育った横浜に来てくれるのは嬉しいが、地元と言えるほど会場付近の土地勘はない。Google mapの助けを借りながら移動した。ここに来るまでは #KTCHAN とオジロザウルスを聴いて横浜気分を作り上げた。F.A.D YOKOHAMAは入口前に溜まれる広い空間があって、タバコも吸えて(私の場合は電子シーシャ)、近くにはコンヴィニエンス・ストアもあって、入場までの時間をストレスなく過ごすことが出来た。開演は対バンが12時、単独公演が17時半。夜はまあ終わってから食えばいいとして、昼飯を食うのが難しい。インディーズ・アイドルを観るようになってから11時半とか12時に開演時間が設定されることが多くなった。今では受け入れているけど、数年前の自分なら絶対に避けていた。私は休日の昼飯を非常に重視しているからだ。朝に食べたのはスイカとどら焼きだけ。対バンの途中から腹が減って、意識が薄れてきた。その上、近くにあったスピーカーが発する重低音が身体に響き、ちょっと朦朧としてきた。そんな私の目を覚ましてくれたのがLEIWAN。トリを務めたLiVSのひとつ前に出てきた集団。迫真のパフォーマンス。初見の客をも引き込む力。斜に構えた傍観者ではいさせてくれないだけの圧。ステージとフロアの間にある柵に脚をかけ、精力的にふとももを見せていくメンバーさんたちの意識の高さ。肌の露出は視聴者を増やす。身も蓋もない事実。だからアイドル集団にはグラビア担当が一人はいることが多い。そこで集めた注目や知名度を単なるエロ目線で終わらせるか、自分たちの音楽や表現を好きにさせるフックとして活用できるか。それは当人たちのクオリティ次第。LEIWANは、私が最近観たLiVSの対バン相手の中では一番面白かった。『〇〇アイドル撲滅運動』の攻撃的なリリックにはゾクゾクした。彼女たちの素晴らしいパフォーマンスのおかげで、仕上がった状態でLiVSに向き合うことが出来た。登場してすぐのユニちゃんの煽りが最高にカッコ良かった。それで一気にLiVSの空気が出来上がった。最初の掴み。あれは大事。(今となってはユニちゃんの煽りをもう聞くことが出来ないのが残念でならない。)LEIWAN新規特典の無料チェキ(実際には写メ)で澪・モンスターさんの列に並んでいるとき(澪・モンスターさんだけで二列、他のメンバーさん全員合わせて一列。極端に人気が偏っていた。澪・モンスターさんだけ抜きでもあるのかと思うくらい列の進みが遅かった。あとあれだ。メンバー・カラーが緑で身長が一番低い淑女がちょっと嗣永桃子さんに似ていた)、髪を緑に染めた運営の男性が私の知人のLiVS支持者に馴れ馴れしくタメ口を聞いていて、ちょっとここに通うのはきついかもなと思った。どうやらこの業界には大学を出て大企業に就職するような人生ではなかなか巡り合えないタイプの人たちがちょくちょくいるらしい。(敬語を使えなくてもチェキ撮影が上手かったら全然許すよ!)それで思い出したけど入場時にドリンク代を払う際、白髪交じりの長髪を後ろに束ねた中年男性の係員がボソッと何かを言ってきていたようなのだが聞き取れなかった。すると向こうが勝手に軽くいらつきながらお目当ては? と言い直してきた。聞こえねえよ、馬鹿野郎。腹から声出せよ。男だろ? 仕事だろ? と言いたかったところだが、そこで悪態をついたところで何もいいことはない。「楯突いたってロクに得なし まあ慣れるんだここ独自の暮らし」(ライムスター、『プリズナー No. 1, 2, 3』)。LEIWAN以外だと千葉の対バンにも出ていたLucyも良かった。前に見たときにもカワイイなと思っていた淑女が今日はツイン・テールにしていて、スタイルのよさとお顔も相まってまりあんLOVEりんこと牧野真莉愛さんに似ていた。ただ、音楽は良くも悪くも正統派というか、普通というか、飛び抜けた面白さみたいなのはないように感じる。いや、いいんだけどね。月刊PAM(二人組だが片方が体調不良で今日は一人の出演)はパフォーマンスの強度は低かったが(いつもはもっと盛り上がる曲をやるらしい)トークが面白かった。ただ後で聞いて知ったのだが特典会ではオタク側にマスクを強制しているらしい(なお月刊PAM側は当然のように着用しない)。どういう神経で、どういう理屈なんだ。これ以上は書かない。分かっている。分別のある大人はこの段落に書いてあるような悪口っぽいことをインターネットには書かず、知り合いのオタクに口頭で愚痴ってそこで発散するものだ。私は何年も前にTalib Kweliのリリックを読んでいたら(詳細の記憶はおぼろげだが)、ゲスト出演で呼ばれたクラブに入ろうとしたら入り口でセキュリティに止められてムカついたとか、テレビを観ていたらまた黒人の少女が警官に暴力を振るわれてムカついたとか書いてあって、これがヒップホップなのかと感銘を受けたことがある。卑近な怒りや不満を押し殺すのではなく、堂々と表明する。そこから生まれる表現がヒップホップなんじゃないか。私はヒップホップに影響を受け、助けられてきた。自分なりにヒップホップでありたいと思っている。あとあれだ、Chalcaという集団もいた。前に池袋harevutaiの対バンで観た。ただ、申し訳ないが彼女たちに関しては前述の弱った意識状態で観たため、あまり印象に残らなかった。とはいえ二回観てピンと来ないということは私がはまる要素はなさそう。LiVSを含め5組もいて、各組が30分。少し押したが概ね時間通りの進行。5組が同時に特典会を開催し、ごった返しでchaos状態のフロア。LiVSの特典会はマルコ以外にユニちゃんとランルウさんに行った。ユニちゃんにはマリノスはきっとJ1に残れるという話をした。彼女が2022年からマリノスを観始めたこと、それまでは清水エスパルスを応援していたことなどを話してくれた。それが私が彼女と交わした最後の会話となった。内容がポジティヴだったのは救い。マリノスのJ1残留はもう無理だという話をしたこともあるので。ランルウさんは私が入場するときに(マルコと二人でチラシを配っていた)マリノスですか~? と私が着ていたシャツ(2020年のスペシャル・ユニフォーム。27 KEN)を見て声をかけてくれていた。いつもマリノスでストレスを受けてLiVSに癒してもらっているんだよ。逆はないの? 今年はマリノスが調子悪いからと答えた。マルコは私が持って行ったマリノスのマフラー(2022年シーズン優勝記念)の手の込みように関心し、LiVSでもこういうの作ってほしいと言っていた。特典会を終えて私が会場を出たのが16時過ぎになった。夜公演が17時開場。時間がない。ファミ・マでサラダ・チキン(ゆず胡椒味)とゆで卵二つ。モカ・ブレンド(S)。何だか気分が落ち気味。はっきりとした要因が分からない。まあそもそも疲れ気味だったし、空腹だったし、時間が長かった。約30gのたんぱく質を摂ったおかげなのか、夜の単独公演では幾分か盛り返した。後半からギアが上がってきた。一、二回は本気で気持ちの入ったケチャをすることが出来た。昼の対バンでチェキ券と写メ券をJPY8,000分買っていたので夜は公演が終わったらすぐに帰るつもりだったが、自分のメンタル・ケアのためにどうしてもマルコと話したくなってチェキを二枚買った。夜の私は #KTCHAN のグッズteeに着替えていた。 #KTCHAN は横浜出身なんだよねと言うと、そっかー! とマルコは目を丸くしていた。 #KTCHAN 地元が戸塚駅で、俺は保土ヶ谷駅で、という話をした。彼女は戸塚にも保土ヶ谷にも行ったことあるという。保土ヶ谷駅前にマックがあるのを知っていた。俺の実家が保土ヶ谷だっていう話を #KTCHAN にしたことがあるんだよね。そしたら「ちっか!」って。そのときの #KTCHAN の顔が思い浮かぶと言ってマルコは笑っていた。今の私の髪形、 #KTCHAN みたいじゃない? 左右を触覚のようにしていて可愛かった。ライブ中、ずっとその触覚をつたって汗が垂れ落ちていた。そういえば今日驚いたこととして昼も夜も“He Meets”をやらなかった。夜飯は中華街を完全無視し、横浜駅前の磯丸水産でほっけ焼の定食とホッピー(黒)を頼んだ。

2025年8月16日土曜日

Let's Meet LiVS (2025-07-24)

7月24日(木)の記事を書いている今が8月16日(土)なのだが、この間に触れないわけにはいかない展開があった。8月8日(木)15時1分。LiVSの公式TwitterアカウントにてユニセックスさんのLiVS脱退が発表された。寝耳に水。8月18日(月)の大切なコンサートを間近に控えてこんなことが決定されるとは想像してもみず。例によって当日付。翌日には消えていたユニセックスさんのソーシャル・メディア・アカウント。今では私の気持ちと志向の整理はある程度ついている。ここで多くを語るのは止めておく。これはあくまで7月24日(木)の記事である。…と言いながらもこの日の公演そのものについて書くことがほとんどない。定期公演の内容がそう毎回大きく変わるものではない(それが定期公演の良さである)し、現場の数が多すぎて覚えていないし、備忘録もほとんど残っていない。というわけで、最近思っていることをまとまりなく書いてみることにする。


一週間空くだけでちょっとそわそわする身体になっている。離脱症状。フジ・テレビ系『武道館』(2016年)でJuice=Juiceが演じるアイドル集団、NEXT YOUに支持者たちがはまっている状態をネクス中毒とポップに称していたが、そろそろ私はLiVSに対してマジモンの中毒、依存症になっているのかもしれない。それでも19日(土)の大阪公演、19日(日)の名古屋公演は回避するだけの理性はまだ持ち合わせている。20日(日)には明治安田J1リーグ降格の瀬戸際に立つ横浜F・マリノスの試合を観に行かなければいけなかった。そもそもフットボールと日程が被っているか否かに関係なく、東京近郊だけで月に10公演以上ある。それらに可能なかぎり行くだけで相当ハード。既に経済的にも体力的にも限界。普段の現場頻度が月に2-3回だったら一箇所は遠征に行こうと考えていただろう。でも今の現場頻度で、なおかつ遠征を繰り返すのは無理がある。私は今年に入ってから既に二度、LiVSを観るために名古屋に行っている。いくら独身でまあまあ高収入とはいえ本当にお金がなくなる。7月17日(木)の次が24日(木)。これでちょっと休める。スケジュール帳を見てホッとする。と思いきや、先週の定期公演から帰宅してすぐにまたマルコchanに会いたくなっていた。寂しかった。『あなたなしでは生きてゆけない』(Berryz工房)。今日で11週間連続。同じ時間。同じ場所。五月から七月にかけて12週連続で開催される定期公演。来週も行けば全通。チケットが販売開始された時点でほぼ全日程分を買っていた。最初から全部行くつもりではあったけど、実際にそれが目前に迫ってくるとよくここまで毎週来られたなと思う。日常の中にLiVSがあること。毎週こうやって最高の時間を過ごせること。私にとってそれはどんな生活よりも贅沢である。


十代から二十歳前後で子どもを産んで育てる。四十にもなれば子どもは既に独り立ちをし、自分は一通り役目を終えている。なんならもう孫がいる。上がりの状態。そこからはおまけのような期間。余生。それが生物としての人間本来のあり方ではないだろうか。性欲がいちばん強い時期に繁殖が行われるのが自然なはずである。快楽そのもののために性欲が存在するわけではない。これはもちろん個人の自由とか、職業的な自己実現(特に女性の)とかを完全に切り捨て、人間をあくまで単純に生物として見た場合である。これは人間の自然寿命が38歳であるという説とも符合する。
自然のままの生物としての寿命を「自然寿命」といい、人間の自然寿命は38歳と推定されます。40歳以降は本来ならとっくに死んでいるはずです。[…]ほかの生物たちでは、自然寿命と実際の寿命がほぼ一致します(池田清彦、『40歳からは自由に生きる』)
十代から二十代にかけての人間の若々しさ(性的魅力)、体力、気力は、最良の配偶者を見つけること、子どもをつくること、子どもを育てることのために天から与えられている。容姿や運動能力を含め何かの才能に恵まれた人たちが、その期間限定のリソースを他のことに活かすことで、多くの職業、表現、娯楽は成り立っている。アイドルはその最たるもののひとつである。

そのリソースが存分に残っているからこそ、アイドルはアイドルでいられる。したがってアイドルという存在には時間制限がある。一昔前の日本では25歳を過ぎて未婚の女性を売れ残ったクリスマス・ケーキ(12月25日以降も売れていないケーキになぞらえて)と称する風習があったそうだ。数年前の話だがHello! Projectでは25歳を機に退団するメンバーが多く、この年齢で事務所が肩叩きをしているのではないかという疑念を呼んだ。25歳定年説。それをもじって『25歳永遠説』(Juice=Juice)という曲がドロップされたことがある。生物としての本来の生き方を選ぶ場合、アイドルはどこかでアイドルではなくなる必要がある。それが25歳なのか、もっと前なのか、後なのか、ひとつの答えはない。生物的な理由と、そのときの社会の気分。その両方が関係してくる。一方、アイドルを応援する私たちにはそのような時間制限がない。お金を払う側なので、恥さえ知らなければ何歳になっても続けることが出来る。というより続けることしかできない。依存しているからだ。なぜ依存しているかというと、基本的に我々はアイドルが切り売りしている前述のリソースが枯渇済みであるか、十分に持ち合わせていないからである。アイドルにとって一旦は生物としての道を横に置いて芸能の道に邁進するのはひとつの選択肢だが、我々にはオタクをする以外の選択肢が残されていない。
だが俺にはこれしかない 一回押したものは二度と引かない しがない性分 そこに興奮 覚えてしまったからは当分 行くぜ(ZEEBRA feat. T.A.K THE RHYMEHEAD、『永遠の記憶』)
好きなメンバーさんが脱退してきっぱりとオタクを辞めることが出来る人なんてのはほとんど実在しない。推すのは〇〇chanで最後にしたいとか〇〇chan激単推しとか言っているようなオタクでもその〇〇chanが脱退して数日から数週間も経つと別のコのオタクとして何事もなかったかのように現場に通っている。99.99%のオタクはそうなる。


このブログで再三に渡って書いてきたように、日本におけるアイドルとはミシェル・ウエルベックの言うところの『闘争領域の拡大』で恋愛とセックスと結婚の競争からこぼれ落ちた我々に対する救済と見ることが出来る。私たちはもう引き返せない。使える限りの財力と体力をアイドルの応援に費やし、彼女らに依存し、狂い、そのまま朽ちていくしかない。アイドルはまだ引き返せる。そもそもが我々と違い、彼女たちの多くは生物としての成功(=優れたパートナーを見つけ、子孫を残すこと)をおさめるためのスペックに恵まれている。その気になれば生物としての王道に復帰することが可能である。アイドルに心酔し応援する我々の究極的な願望とは、彼女たちを道連れにすることなのではないだろうか。オタクにとっての幸せとは、アイドルが「一般女性」に戻って強いオスと結ばれて優秀な子どもを産んで育てることではなく、彼女たちを少しでも長くこちらの世界に留めること、(F君の言葉を使わせてもらえば)一緒に地獄に落ちることなのではないだろうか。

2025年7月26日土曜日

Let's Meet LiVS (2025-07-17)

アイランを注文すると目の色を変えるお店のあんちゃん。「アイラン?」「はい」「オ~!」。お前、分かってんじゃん的な反応。LiVSの定期公演がある度にほぼ毎週ここでケバブ・ラップを食べてきたが、ちょっと飽きてきたかもしれない。そろそろ変化をつける時期な気がする。もっといんでぃらに行くようにしてもいいし、新しい店を開拓してもいい。何なら得意の自炊(卵かけご飯+納豆など)で済ませてもいいかもしれない。私は何かを気に入ったらとことんそれを摂取し続ける傾向がある。もう十分に味わい尽くした、もう未練はないと思ったら一気に距離を取る。ほぼ週五で通っていたある池袋の飲食店は見切りをつけてから一年半以上行っていない。食べ物に限らない。全身を揃えるほど好きだった洋服のブランドでも、もう着たくないと思ったらすべてを売り払っていっさい着なくなる。労働はイヤでも続けざるを得ない。生活が出来なくなる。だが、自分がお金を出す消費者の側にいるときには思い切った決断を躊躇しない。LiVSにも急に行かなくなる可能性がある。はまっているという段階を越えもはやLiVSと人生の区別がつかなくなっている現状で想像するのは難しいが、あり得る話である。その日がいつ来るのか。あるいは来ないのか。私が離れるのが先なのか、それともLiVSが終わるのが先なのか。知る由はない。現時点で間違いなく言えるのが、私にとってミニ・マルコらの集団が、アイドル・オタクを徐々に引退しつつあった私の心に火をつけ、人生最大のインテンシティでオタクをさせた存在であること。私にとって彼女たちがただ通過し、消費し、忘れ去っていく存在ではないこと。私が死ぬときに見る走馬灯の映像では彼女たちが大きな尺を占めること。LiVSが目的、目標を見失った私の人生に意味をもたらしてくれたこと。

コンニチハクリニックさんのお腹にマーカー(黒)で大きく何かが書いてある。
8/18月
LIQUIDROOM
おそらくメンバーの誰かに書いてもらったのだろう。身体を張って公演を宣伝するコンニチハクリニックさん。スズカス・テラさんはふくらはぎのあたりに書いていた。ランルウさんもどこかに書いていたかな? なあ、Hello! Projectの記事の頃からこのブログを読んでいる君よ。そう、そこの君だよ。分かっているんだよ。▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒さんとか、▒▒▒▒▒▒▒さんとか、▒▒▒▒▒▒▒▒▒さんとか、▒▒▒さんとか。ブログをTwitterに共有したらよくいいねしてくれるじゃん。ああ、あなたもね。いいねをしないで密かに読んでいるのを知ってるよ。普段はお互いの持ち場がある。だからLiVSに来いと無理強いはしない。でもさ。8月18日(月)19時。この日ばかりは来てみないか? 分かるだろ、この私がここまで通っているんだから。一度は観る価値があるに決まってるだろ。この私を信じるべきだ。初めて来る人はチケットJPY1,000だよ? JPY1,000くらい払えよ。え、平日? 都合くらいつけろよ。19時には間に合うだろ。私が毎回何時間もかけて魂を込めて書いたブログをそうやってタダで読んでいるんだからさ。たまには感謝を行動で示してくれよ。私がよく書いているフロアの激しさについては、この日に関しては心配しなくていい。あんま言いたくないけどデカい会場だから正直、後ろ半分はスカスカになると思う。後ろで地蔵的に観ていても大丈夫。それでも楽しめるから。ヴァイブスを感じに来てくれよ。一人でOK。もちろん私と交流しなくてもOK。何か気になることがあったらTwitterのリプでもDMでもいいから聞いてくれ。

チケットぴあ w.pia.jp/t/livs/
イー・プラス eplus.jp/livs/

LiVSの現場で初めて同郷(Hello! Project村ご出身)の紳士に遭遇。終演後、やっぱりミックスは打たないんですねと言われ、すべてを見透かされる。そう。Hello! Projectでは絶対にミックスは打たない。打ってはいけない。打ったら殺される。対バンで一緒になった他陣営のオタクがHello! Projectの曲でミックスを打とうものならTwitterで被害者の会が結成される。基本的にHello! Project支持者は全員がミックスを下に見ている。ミックスが起きるような現場、そこにいるアイドルとオタクを下に見ている。Hello! Project支持者はミックスに限らずいわゆる地下アイドル的なノリ全般にアレルギーがある。私も例外ではない。十年以上、そんな場所にどっぷり浸かってきた。今は慣れた。他の人がやっているのを聞く分には何とも思わない。だが、自分が習得する気はない。別にHello! Projectこそが正義だと言うつもりはない。地下アイドル的なノリをすべて否定するつもりもない。だがこの界隈では当たり前になっているオタク側の盛り上がり方の数々が、それを理由に一般層どころか宗派の異なるアイドル・オタクまでもドン引きさせ得る、きわめて特殊な内輪ノリであることは(善し悪しは別として)知っておく必要がある。というのが、もし目撃者の数を今の何倍にも増やしたいのであれば、今のノリに拒絶反応を示す人たちも取り込まないといけない可能性が高いからだ。そうなるとどちらかが折れないといけない。私はレコード店で知らないアイドルのrelease partyを観てみようと思ったら、曲が始まるや否やダミ声の大絶叫ミックスが始まり、すぐにその場を離れたことがある。

オジサンだから女のコの髪形を説明する語彙がほぼゼロ。だから何と言えばいいのか分からないが、ユニchanの髪形がイイ感じだった。縛ってボリュウムを抑えている感じ。マルコchanもイイ感じだった。左側だけ部分的にまとめて左右非対称になっていた。

特手会でマルコchanが言ってくれた言葉で私のメンタル・ヘルスが非常に良好になった。これで明日の労働を乗り越えられると確信した。

Chemistry LiVE with LiVS TOUR 浦和公演/LiVS in SUMMER 2025 浦和公演 (2025-07-13)

浦和には明治安田J1リーグの浦和レッドダイヤモンズ対横浜F・マリノスを観に来るために年に一度は来るのだが、浦和駅で降りたことはなかった。埼玉スタジアム2002の最寄り駅は浦和美園なので。埼玉には色んな浦和がある。武蔵浦和、南浦和、東浦和、西浦和…。そのうちのいくつかには行ったことがあるが、何もつかない浦和駅に行くのは初めてだった。浦和にはそんなに縁がない生活を送ってきた私だが、埼玉県には何年も住んでいたことがある。和光市とか、志木とか。その私から見て埼玉県のオススメはぎょうざの満州である。ほぼ埼玉県にしかない餃子チェイン。よく利用していた。餃子はもちろん、やみつき丼、ソース焼きそばがおいしかった。あと特筆すべきなのが、コメを白米と玄米から選べるの。ロウ・カット玄米。三年前に池袋に引っ越してから生活圏内にぎょうざの満州がなくなって、一度も行っていない。

この土日をひとつの試合と考えると、前半が終わった。これから後半。12時から対バン、17時半から単独公演という、まったく同じ時程の二日間。ハーフ・タイムには銭湯に行って、8時間くらいは寝た。可能なかぎりの休息はとった。常識外れの頻度で通っているとはいえ観ているだけでこんなに気力と体力を要するのだからメンバーさんがどれだけ大変かは推して知るべし。まあ、メンバーさんは若いから大丈夫か(加齢と共に雑になっていく若者に対する認識)。土日に昼夜公演を観るというのはHello! Projectのときにも経験はしたとは思うけど、消耗の度合いが比較にならない。決められた席や位置で優雅に観ていられるHello! Projectと、ケチャをするために目まぐるしく人が動き回るLiVS。後者の方が圧倒的に神経を使う。そのときに演っている曲の歌割を常に頭に巡らせ、次を予測し、道を開けたり自分が突っ込んだりをし続けないといけない。終演後、手に切り傷が出来ている紳士を二、三回見たことがある。もちろん意図的な暴力などはなく、あくまでも平和で思いやりのある現場なんだけど、激しくはある。ボヤッとしていられない。たまに気が抜けてマルコchanのソロ・パートで動かないでいるとお前が行く番だぞって感じで近くの目撃者に身体を押されることがある。だから何というか、気軽なレジャーではない。楽ではない。与えられたショウを受け身で楽しみに行くというスタンスではいられない。

記憶がごっちゃになって対バンだったか単独公演だったか忘れてしまったのだが(たぶん対バンだったと思う)、コンニチハクリニックさんがステージとフロアの間に設置された柵に上った。そのときに落ちないように氏を支える役目を担ったのが私だった。最初は何が起きたのかよく分からなかった。曲で盛り上がっている流れで手を挙げていたつもりだった。気付いたら左手をコンニチハクリニックさんの右手と繋いでいた。しばらくのあいだ柵の上で歌う彼女。そのまま柵の上にいられるかは私次第だった。責任重大。コンニチハクリニックさんが落ちてしまったら最悪、怪我をしてしまう恐れもある。無銭で手を繋げて嬉しいなんて思う余裕もなく、必死だった。(近くにいた某紳士がそのときの写真を撮って、後日わざわざ送ってくださった。一生の思い出になるような、凄くいい写真だった。)メンバーさんがステージから乗り出して、落ちないように最前の人の腕を借りる場面はBLUEGOATSでよく見てきた。LiVSではその状況が滅多に発生しないので、自分がそれをやる日が来るとは思っていなかった。人生で初めての経験。呑気にスマ・フォを構えていたら対応できなかった可能性が高い。ポケットのスマ・フォに手を伸ばさず目の前の公演に全力集中していたからこそ巡ってきたチャンス。

今日の対バン相手は神薙ラビッツとPOPPiNG EMO。両集団ともに初見ではそんなに刺さらなかった。個人的な趣味でいうと昨日のFinallyとLucyの方が何倍も惹かれた。神薙ラビッツの名前は聞いたことがあった。有識オタクが絶賛しているのをTwitterのオススメ欄で見た。実際に観てみるとバキバキのダンスが印象的だった。音楽的にもパフォーマンス的にも新しいことをやろうとしているのは感じ取れた。でもなんか途中から飽きてきた。マルコchanが恋しくなってきた。ちゃんと音源で繰り返し聴けば印象は変わってくるのかもしれない。ただ、聴くべき音楽が無限にある中で、生で数十分観てピンと来なかった集団の曲をわざわざ聴き直すかっていうね。新規特典がめっちゃ太っ腹だった。今日使えるチェキ券一枚と、次回使えるチェキ券一枚と、さらに定期公演の無料招待券まで貰えた。POPPiNG EMOもダンス・パフォーマンスに重点を置いた魅せ方をしていてカッコよかった。メンバーさんの五人中二人がボーイッシュな感じに寄せていて、美少年なのか女性なのか判断に迷った。(そのボーイッシュの片方、193Rさんかな、がLiVSの特典会が始まるときにわざわざステージを向いて拍手をしていて、いい人やなと思った。)ユーナッテ・ユーナさんという金髪ボブの淑女が目に留まった。何やら有名な方がアルバムをプロデュースしているらしいが、私の趣味趣向からはちょっとずれてるかなって感じ。

この数ヶ月というもの異常な頻度でLiVSに通ってきて、仕上げにこの二日間の四連戦。何かしらの壁を突き抜けているような、殻を破っているような実感。もうしんどいというところまで自分に負荷をかける。心身ともに疲れた状態。そこから踏ん張って一歩、二歩、前に踏み込む。力を振り絞る。今日はもう半ばやけくそで、気持ちでケチャをしていた。昨日、今日と全部に行ったからこそ感じられたこと、得られたものがある。ひとつひとつの公演に本気で臨む。その繰り返しで、新しい人生を手に入れているような感覚がある。

2025年7月23日水曜日

Chemistry LiVE with LiVS TOUR 千葉公演/LiVS in SUMMER 2025 千葉公演 (2025-07-12)

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( #KTCHAN , 『きゃp@い』)

対バン、単独公演、対バン、単独公演。この土日に詰め込まれた四連戦を控え、純粋に楽しみな気持ちにはなれない。何割かは重圧を感じている。自分がやり切れるのかって。楽しみ切れるのかって。しんどくならないのかって。そして月曜にちゃんと出社して働けるのかって。ストーカーとしか言いようがない頻度でミニ・マルコらの集団の現場に顔を出している四月以降の私。たまに心配になることがある。マルコchanがステージに出てくる度に、うわっまたこいつがいるってならないかなって。不気味じゃないかなって。怖くないかなって。私は元来そんなに活動的なタイプではない。無理が効かない。ちゃんと休んで寝ないと持たない。どっちかというとロング・スリーパー。ゴリゴリに現場に通いまくる今の生活が性に合っているかで言えば、おそらく合ってはいない。最近は日中に居眠りをしてしまうことがある。LiVS中心のこの生活が原因のひとつなのは否定しようがない。一般的には遊び疲れということになるのだろう。しかし私には遊んでいるという感覚はまったくない。遊んでいないのだから罪悪感はない。もっとLiVSに行く頻度を減らしてちゃんと働かないと、とは思わない。この集団に落としている金額。いくら高収入の私でも厳しいって。でも無駄遣いとは微塵も思わない。これ以上に価値のあるお金の使い道は今の私にはないからだ。iPhone 14に届く「りそな銀行から高額の出金がありました」というMoneyForwardアプリのプッシュ通知。待ち受け画面のミニ・マルコchan。いや、なんかピースしてとぼけてるけど、あんたが高額な出金の主な原因やねん。好きです。

千葉。仕方なく以外の理由で東京都民が行くことはない場所。東京での公演に比べて電車代と移動時間が余分にかかる。千葉駅前。歩道が広い。セヴン・イレヴンの店内も空間に遊びがある。ホット・コーヒー(R)を飲んで時間調整。そこから数分歩くと会場の千葉LOOK。水商売系のお店ばかりが入居しているビルヂング。橋を渡ると向こうは風俗街。目に飛び込んでくるSMAT X SMATという店名。千葉にお住いの目撃者によるとSMAP X SMAPをもじっており、30年くらい前からあるお店らしい。行ったことあるんですかとすかさず誰かが問い、いや、ないですと氏は首を振っていた。今日の特典会は場所を変えてSMAT X SMATでやるらしい。いや何の特典会やねん(笑)という軽快なトークが、入場待ちの目撃者たちの間で繰り広げられた。

そういえばセヴン・イレヴンの前でコーヒーを飲む前に一度、会場の場所を確認しに行ったんだけど、そのときちょうど出演者とおぼしき女性の集団が千葉LOOKに入ろうとしていた。Finallyのメンバーさんたちだった。遠いねとメンバーさんの誰かが言うのが聞こえてきた。千葉駅からは近かったので、どこから歩いてきたのかは不明である。そう、今日の対バンは相手がFinally。あとLucy。Finallyは個人的に目にするのが三度目。最初がLiVSとのツー・マン(和製英語)、二度目が池袋の対バン。Finallyには好印象を抱いていたし、池袋のときに行きそびれたので今日はAoiチャンの特典会に行きたいと思っていた。

対バンはLucy→Finally→LiVSの順番だった。LiVSの主催なのでトリ。LucyとFinallyは、LiVSさんに呼んでいただいたという立場。LiVS目当ての客は全体の中で一番少なかった気がする。それで主催の面子が保てるのかと思う一方、動員的に格上の集団を呼べたのは成功なのだろう。開演前に目撃者数名で、Lucy支持者の紳士たちと少し歓談させてもらった。どうやらLucyはメンバー七人だったのが一気に抜けて四人になったらしい。特典会は以前までチェキがなく、撮影系は写メしかなくて、毎回JPY20,000くらい使うのにモノが何も残らなかったんですと一人の紳士がおっしゃっていた。あと特典会の列はどのメンバーにも全然並んでいないのに七人のメンバーそれぞれにチェキ・スタッフが配備され、やけに厳格に時間を管理されていたことがあってきつかったという話が可笑しかった。メンバーさん脱退の経緯は分からないが、何の予備知識もなく観た印象としては、四人という人数は非常に観やすかった。全員が容姿端麗な上に衣装の肌面積が広い。全員がワキを見せるのを厭わない。意識の高さを感じた。(やっぱ四人、五人。音楽や、ステージでのパフォーマンスの質を優先するならこれくらいがいいよ。一人一人の見せ場があって。BLUEGOATSも四人だし。一方、特典会の売上を優先するなら人数はもっと多い方がいいよね。)曲は統一感のある真っ直ぐなロック調(私はロックのことは分からないので推測で書いています)。初見でも乗りやすく、目でも耳でも楽しめるステージだった。後日、Spotifyで何度かアルバムを聴いた。Lucyは横浜公演の対バンでも再び登場するらしい。また観るのが楽しみである。

FinallyではとにかくAoiチャンを見てしまう。隣にいた目撃者がペン・ライトを二本所持しており、ご親切にも一本を貸していただいた。それを白く光らせる(Aoiチャンのメンバー・カラーが白)。ペン・ライトを使うのがめっちゃ久し振り。LiVSではペン・ライトを使う慣習はない。BLUEGOATSにもない。Hello! Projectにはペン・ライト文化があったが、ある時期から面倒くさくなってあまり使わなくなっていた。だから本当に数年ぶりかも。Aoiチャンを支持しているというのを明確に行動で示したら、心なしかこれまでよりもさらに目を合わせてくれた気がする。何のときか忘れたけど我々がフロアでしゃがむタイミングがあって、そのときに私が気を抜いて真顔になったとき、私の真顔を真似してきたのにはびっくりした。それで私が笑ったらAoiチャンも笑った。

あ! しーちゃん!(手でcを作りながら)
そう! よく覚えてるね(※チェキの宛名を見るとLiVSとのツー・マンで一度書いただけのc-tekiという表記まで覚えていた)
覚えてるよ。眼鏡が印象的だったから…あれ、今日はまた違う眼鏡だ。この間の池袋でも見つけたけど、(特典会で)会えなかったから
あの時ってさ、(Finallyは)物販が並行だったじゃん。俺ライブ最後まで観てたからさ
そうだよね。同時にやってたから、全部観たい人は難しいよなって思ってた
あのとき俺にタオルを投げてくれたから、それで好きになっちゃった(※すみません、これは失言でした。私が好きなのはミニ・マルコchanだけです)
好きになっちゃった?(笑)
俺、池袋に住んでてさ。あの会場から徒歩15分
え、やば! 池袋ってさ、住みやすいよね?
住みやすいよ
あとちょっと治安が悪い?
治安はいいよ。一度、近所で殺人事件が起きたけど。中国人同士が、銃で。黄色いテープで周囲一帯が封鎖されて。あれはちょっと怖かった
私、▒▒区なんだけど、
▒▒区やば!
▒▒区は自転車の窃盗はよくあるけど、そこまでだから。殺人とかはないから
的な話をした。先日、鈴木MobさんがYouTubeの配信中に中野区に住んでいることがバレてしまいバズッたが、Aoiチャンが当たり前のように住んでいる区を開示してきたことに衝撃を受けた(ここでは念のため伏せてある)。

横浜F・マリノスのチャントに「見せつけろ 横浜を この胸の 誇りを」というのがある。LucyとFinallyという優れた二組を観たことで心に火をつけられ、これがLiVSだ、これがLiVSのフロアだっていうのを全員に見せつけてやるという気持ちになった。スマ・フォは一度も構えず、一枚も、一秒も撮らなかった。ライブを楽しんで盛り上がることに全振りした。今日は少人数だったためいつもミックスが起きる箇所で起きないことが多く、私としては心地よかった。“He Meets”の心の扉に飛び込む箇所でマルコchanと一対一の真顔睨めっこをさせていただくことが出来、それだけで千葉に来てよかったと思えた。マルコchanが堪えられず最後に噴き出していた。

コンニチハクリニックさんが写メで千葉にちなんでチーバ君の顔をしていて、お話しするときもチーバ、チーバと言っていたので、英語でcheebaって言うと大麻のことなんだよ。だからラップの歌詞によくcheebaって出てくるよ。というストリートの知識を授けた。ところでコンニチハクリニックさんには前からどるっちぇへいへい!!がどういう意味なのかを聞きたいなと思っているのだが、毎回、言い出せないまま氏のペースに飲まれ、気付いたら特典会の時間が終わってしまう。(國府田マリ子、『言い出せなくて』)

夜の単独公演は、これまでに私が入ってきたLiVSの公演の中でもトップ級にフロアが激しかった。ケチャでどんどん人が突っ込み、最前という概念そのものがほぼ崩壊している。昼の対バンではチケット代がJPY3,000でフラットだったが、単独公演ではJPY10,000とJPY31,500のチケットを買った人たちが優先入場をしている。それらの高額チケットが意味を成していないのではないか、こんなに最前中央付近がゴチャゴチャになるのを知りつつ万チケを売るのはやめるべきではないのではないかと思うほどだった。今は高額チケットを買う紳士たちの優しさで成立しているが、LiVSがこれから規模を拡大していったら確実に揉めるポイントだろう。金返せとかそういう話になるかも。

この土日は特典会は対バンのときだけに行って、単独公演は終演後すぐに帰ると決めていた。早く帰って休みたいのに加え、特典会は対バンの方がいい。サインが付くし、コンパクト・ディスクを受け取らなくて済むし。帰り道。千葉から近いことに気付き、平井で降車。マサラ・キング。マトン・ビリヤニ定食。カレーはビーフ・ドピアザを選択(+JPY110)。JPY1,650。月に一回は来たい店。帰宅。銭湯でゆっくり。