2025年7月26日土曜日

Let's Meet LiVS (2025-07-17)

アイランを注文すると目の色を変えるお店のあんちゃん。「アイラン?」「はい」「オ~!」。お前、分かってんじゃん的な反応。LiVSの定期公演がある度にほぼ毎週ここでケバブ・ラップを食べてきたが、ちょっと飽きてきたかもしれない。そろそろ変化をつける時期な気がする。もっといんでぃらに行くようにしてもいいし、新しい店を開拓してもいい。何なら得意の自炊(卵かけご飯+納豆など)で済ませてもいいかもしれない。私は何かを気に入ったらとことんそれを摂取し続ける傾向がある。もう十分に味わい尽くした、もう未練はないと思ったら一気に距離を取る。ほぼ週五で通っていたある池袋の飲食店は見切りをつけてから一年半以上行っていない。食べ物に限らない。全身を揃えるほど好きだった洋服のブランドでも、もう着たくないと思ったらすべてを売り払っていっさい着なくなる。労働はイヤでも続けざるを得ない。生活が出来なくなる。だが、自分がお金を出す消費者の側にいるときには思い切った決断を躊躇しない。LiVSにも急に行かなくなる可能性がある。はまっているという段階を越えもはやLiVSと人生の区別がつかなくなっている現状で想像するのは難しいが、あり得る話である。その日がいつ来るのか。あるいは来ないのか。私が離れるのが先なのか、それともLiVSが終わるのが先なのか。知る由はない。現時点で間違いなく言えるのが、私にとってミニ・マルコらの集団が、アイドル・オタクを徐々に引退しつつあった私の心に火をつけ、人生最大のインテンシティでオタクをさせた存在であること。私にとって彼女たちがただ通過し、消費し、忘れ去っていく存在ではないこと。私が死ぬときに見る走馬灯の映像では彼女たちが大きな尺を占めること。LiVSが目的、目標を見失った私の人生に意味をもたらしてくれたこと。

コンニチハクリニックさんのお腹にマーカー(黒)で大きく何かが書いてある。
8/18月
LIQUIDROOM
おそらくメンバーの誰かに書いてもらったのだろう。身体を張って公演を宣伝するコンニチハクリニックさん。スズカス・テラさんはふくらはぎのあたりに書いていた。ランルウさんもどこかに書いていたかな? なあ、Hello! Projectの記事の頃からこのブログを読んでいる君よ。そう、そこの君だよ。分かっているんだよ。▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒さんとか、▒▒▒▒▒▒▒さんとか、▒▒▒▒▒▒▒▒▒さんとか、▒▒▒さんとか。ブログをTwitterに共有したらよくいいねしてくれるじゃん。ああ、あなたもね。いいねをしないで密かに読んでいるのを知ってるよ。普段はお互いの持ち場がある。だからLiVSに来いと無理強いはしない。でもさ。8月18日(月)19時。この日ばかりは来てみないか? 分かるだろ、この私がここまで通っているんだから。一度は観る価値があるに決まってるだろ。この私を信じるべきだ。初めて来る人はチケットJPY1,000だよ? JPY1,000くらい払えよ。え、平日? 都合くらいつけろよ。19時には間に合うだろ。私が毎回何時間もかけて魂を込めて書いたブログをそうやってタダで読んでいるんだからさ。たまには感謝を行動で示してくれよ。私がよく書いているフロアの激しさについては、この日に関しては心配しなくていい。あんま言いたくないけどデカい会場だから正直、後ろ半分はスカスカになると思う。後ろで地蔵的に観ていても大丈夫。それでも楽しめるから。ヴァイブスを感じに来てくれよ。一人でOK。もちろん私と交流しなくてもOK。何か気になることがあったらTwitterのリプでもDMでもいいから聞いてくれ。

チケットぴあ w.pia.jp/t/livs/
イー・プラス eplus.jp/livs/

LiVSの現場で初めて同郷(Hello! Project村ご出身)の紳士に遭遇。終演後、やっぱりミックスは打たないんですねと言われ、すべてを見透かされる。そう。Hello! Projectでは絶対にミックスは打たない。打ってはいけない。打ったら殺される。対バンで一緒になった他陣営のオタクがHello! Projectの曲でミックスを打とうものならTwitterで被害者の会が結成される。基本的にHello! Project支持者は全員がミックスを下に見ている。ミックスが起きるような現場、そこにいるアイドルとオタクを下に見ている。Hello! Project支持者はミックスに限らずいわゆる地下アイドル的なノリ全般にアレルギーがある。私も例外ではない。十年以上、そんな場所にどっぷり浸かってきた。今は慣れた。他の人がやっているのを聞く分には何とも思わない。だが、自分が習得する気はない。別にHello! Projectこそが正義だと言うつもりはない。地下アイドル的なノリをすべて否定するつもりもない。だがこの界隈では当たり前になっているオタク側の盛り上がり方の数々が、それを理由に一般層どころか宗派の異なるアイドル・オタクまでもドン引きさせ得る、きわめて特殊な内輪ノリであることは(善し悪しは別として)知っておく必要がある。というのが、もし目撃者の数を今の何倍にも増やしたいのであれば、今のノリに拒絶反応を示す人たちも取り込まないといけない可能性が高いからだ。そうなるとどちらかが折れないといけない。私はレコード店で知らないアイドルのrelease partyを観てみようと思ったら、曲が始まるや否やダミ声の大絶叫ミックスが始まり、すぐにその場を離れたことがある。

オジサンだから女のコの髪形を説明する語彙がほぼゼロ。だから何と言えばいいのか分からないが、ユニchanの髪形がイイ感じだった。縛ってボリュウムを抑えている感じ。マルコchanもイイ感じだった。左側だけ部分的にまとめて左右非対称になっていた。

特手会でマルコchanが言ってくれた言葉で私のメンタル・ヘルスが非常に良好になった。これで明日の労働を乗り越えられると確信した。

Chemistry LiVE with LiVS TOUR 浦和公演/LiVS in SUMMER 2025 浦和公演 (2025-07-13)

浦和には明治安田J1リーグの浦和レッドダイヤモンズ対横浜F・マリノスを観に来るために年に一度は来るのだが、浦和駅で降りたことはなかった。埼玉スタジアム2002の最寄り駅は浦和美園なので。埼玉には色んな浦和がある。武蔵浦和、南浦和、東浦和、西浦和…。そのうちのいくつかには行ったことがあるが、何もつかない浦和駅に行くのは初めてだった。浦和にはそんなに縁がない生活を送ってきた私だが、埼玉県には何年も住んでいたことがある。和光市とか、志木とか。その私から見て埼玉県のオススメはぎょうざの満州である。ほぼ埼玉県にしかない餃子チェイン。よく利用していた。餃子はもちろん、やみつき丼、ソース焼きそばがおいしかった。あと特筆すべきなのが、コメを白米と玄米から選べるの。ロウ・カット玄米。三年前に池袋に引っ越してから生活圏内にぎょうざの満州がなくなって、一度も行っていない。

この土日をひとつの試合と考えると、前半が終わった。これから後半。12時から対バン、17時半から単独公演という、まったく同じ時程の二日間。ハーフ・タイムには銭湯に行って、8時間くらいは寝た。可能なかぎりの休息はとった。常識外れの頻度で通っているとはいえ観ているだけでこんなに気力と体力を要するのだからメンバーさんがどれだけ大変かは推して知るべし。まあ、メンバーさんは若いから大丈夫か(加齢と共に雑になっていく若者に対する認識)。土日に昼夜公演を観るというのはHello! Projectのときにも経験はしたとは思うけど、消耗の度合いが比較にならない。決められた席や位置で優雅に観ていられるHello! Projectと、ケチャをするために目まぐるしく人が動き回るLiVS。後者の方が圧倒的に神経を使う。そのときに演っている曲の歌割を常に頭に巡らせ、次を予測し、道を開けたり自分が突っ込んだりをし続けないといけない。終演後、手に切り傷が出来ている紳士を二、三回見たことがある。もちろん意図的な暴力などはなく、あくまでも平和で思いやりのある現場なんだけど、激しくはある。ボヤッとしていられない。たまに気が抜けてマルコchanのソロ・パートで動かないでいるとお前が行く番だぞって感じで近くの目撃者に身体を押されることがある。だから何というか、気軽なレジャーではない。楽ではない。与えられたショウを受け身で楽しみに行くというスタンスではいられない。

記憶がごっちゃになって対バンだったか単独公演だったか忘れてしまったのだが(たぶん対バンだったと思う)、コンニチハクリニックさんがステージとフロアの間に設置された柵に上った。そのときに落ちないように氏を支える役目を担ったのが私だった。最初は何が起きたのかよく分からなかった。曲で盛り上がっている流れで手を挙げていたつもりだった。気付いたら左手をコンニチハクリニックさんの右手と繋いでいた。しばらくのあいだ柵の上で歌う彼女。そのまま柵の上にいられるかは私次第だった。責任重大。コンニチハクリニックさんが落ちてしまったら最悪、怪我をしてしまう恐れもある。無銭で手を繋げて嬉しいなんて思う余裕もなく、必死だった。(近くにいた某紳士がそのときの写真を撮って、後日わざわざ送ってくださった。一生の思い出になるような、凄くいい写真だった。)メンバーさんがステージから乗り出して、落ちないように最前の人の腕を借りる場面はBLUEGOATSでよく見てきた。LiVSではその状況が滅多に発生しないので、自分がそれをやる日が来るとは思っていなかった。人生で初めての経験。呑気にスマ・フォを構えていたら対応できなかった可能性が高い。ポケットのスマ・フォに手を伸ばさず目の前の公演に全力集中していたからこそ巡ってきたチャンス。

今日の対バン相手は神薙ラビッツとPOPPiNG EMO。両集団ともに初見ではそんなに刺さらなかった。個人的な趣味でいうと昨日のFinallyとLucyの方が何倍も惹かれた。神薙ラビッツの名前は聞いたことがあった。有識オタクが絶賛しているのをTwitterのオススメ欄で見た。実際に観てみるとバキバキのダンスが印象的だった。音楽的にもパフォーマンス的にも新しいことをやろうとしているのは感じ取れた。でもなんか途中から飽きてきた。マルコchanが恋しくなってきた。ちゃんと音源で繰り返し聴けば印象は変わってくるのかもしれない。ただ、聴くべき音楽が無限にある中で、生で数十分観てピンと来なかった集団の曲をわざわざ聴き直すかっていうね。新規特典がめっちゃ太っ腹だった。今日使えるチェキ券一枚と、次回使えるチェキ券一枚と、さらに定期公演の無料招待券まで貰えた。POPPiNG EMOもダンス・パフォーマンスに重点を置いた魅せ方をしていてカッコよかった。メンバーさんの五人中二人がボーイッシュな感じに寄せていて、美少年なのか女性なのか判断に迷った。(そのボーイッシュの片方、193Rさんかな、がLiVSの特典会が始まるときにわざわざステージを向いて拍手をしていて、いい人やなと思った。)ユーナッテ・ユーナさんという金髪ボブの淑女が目に留まった。何やら有名な方がアルバムをプロデュースしているらしいが、私の趣味趣向からはちょっとずれてるかなって感じ。

この数ヶ月というもの異常な頻度でLiVSに通ってきて、仕上げにこの二日間の四連戦。何かしらの壁を突き抜けているような、殻を破っているような実感。もうしんどいというところまで自分に負荷をかける。心身ともに疲れた状態。そこから踏ん張って一歩、二歩、前に踏み込む。力を振り絞る。今日はもう半ばやけくそで、気持ちでケチャをしていた。昨日、今日と全部に行ったからこそ感じられたこと、得られたものがある。ひとつひとつの公演に本気で臨む。その繰り返しで、新しい人生を手に入れているような感覚がある。

2025年7月23日水曜日

Chemistry LiVE with LiVS TOUR 千葉公演/LiVS in SUMMER 2025 千葉公演 (2025-07-12)

capa capa capa capa over
capa capa capa capa over
( #KTCHAN , 『きゃp@い』)

対バン、単独公演、対バン、単独公演。この土日に詰め込まれた四連戦を控え、純粋に楽しみな気持ちにはなれない。何割かは重圧を感じている。自分がやり切れるのかって。楽しみ切れるのかって。しんどくならないのかって。そして月曜にちゃんと出社して働けるのかって。ストーカーとしか言いようがない頻度でミニ・マルコらの集団の現場に顔を出している四月以降の私。たまに心配になることがある。マルコchanがステージに出てくる度に、うわっまたこいつがいるってならないかなって。不気味じゃないかなって。怖くないかなって。私は元来そんなに活動的なタイプではない。無理が効かない。ちゃんと休んで寝ないと持たない。どっちかというとロング・スリーパー。ゴリゴリに現場に通いまくる今の生活が性に合っているかで言えば、おそらく合ってはいない。最近は日中に居眠りをしてしまうことがある。LiVS中心のこの生活が原因のひとつなのは否定しようがない。一般的には遊び疲れということになるのだろう。しかし私には遊んでいるという感覚はまったくない。遊んでいないのだから罪悪感はない。もっとLiVSに行く頻度を減らしてちゃんと働かないと、とは思わない。この集団に落としている金額。いくら高収入の私でも厳しいって。でも無駄遣いとは微塵も思わない。これ以上に価値のあるお金の使い道は今の私にはないからだ。iPhone 14に届く「りそな銀行から高額の出金がありました」というMoneyForwardアプリのプッシュ通知。待ち受け画面のミニ・マルコchan。いや、なんかピースしてとぼけてるけど、あんたが高額な出金の主な原因やねん。好きです。

千葉。仕方なく以外の理由で東京都民が行くことはない場所。東京での公演に比べて電車代と移動時間が余分にかかる。千葉駅前。歩道が広い。セヴン・イレヴンの店内も空間に遊びがある。ホット・コーヒー(R)を飲んで時間調整。そこから数分歩くと会場の千葉LOOK。水商売系のお店ばかりが入居しているビルヂング。橋を渡ると向こうは風俗街。目に飛び込んでくるSMAT X SMATという店名。千葉にお住いの目撃者によるとSMAP X SMAPをもじっており、30年くらい前からあるお店らしい。行ったことあるんですかとすかさず誰かが問い、いや、ないですと氏は首を振っていた。今日の特典会は場所を変えてSMAT X SMATでやるらしい。いや何の特典会やねん(笑)という軽快なトークが、入場待ちの目撃者たちの間で繰り広げられた。

そういえばセヴン・イレヴンの前でコーヒーを飲む前に一度、会場の場所を確認しに行ったんだけど、そのときちょうど出演者とおぼしき女性の集団が千葉LOOKに入ろうとしていた。Finallyのメンバーさんたちだった。遠いねとメンバーさんの誰かが言うのが聞こえてきた。千葉駅からは近かったので、どこから歩いてきたのかは不明である。そう、今日の対バンは相手がFinally。あとLucy。Finallyは個人的に目にするのが三度目。最初がLiVSとのツー・マン(和製英語)、二度目が池袋の対バン。Finallyには好印象を抱いていたし、池袋のときに行きそびれたので今日はAoiチャンの特典会に行きたいと思っていた。

対バンはLucy→Finally→LiVSの順番だった。LiVSの主催なのでトリ。LucyとFinallyは、LiVSさんに呼んでいただいたという立場。LiVS目当ての客は全体の中で一番少なかった気がする。それで主催の面子が保てるのかと思う一方、動員的に格上の集団を呼べたのは成功なのだろう。開演前に目撃者数名で、Lucy支持者の紳士たちと少し歓談させてもらった。どうやらLucyはメンバー七人だったのが一気に抜けて四人になったらしい。特典会は以前までチェキがなく、撮影系は写メしかなくて、毎回JPY20,000くらい使うのにモノが何も残らなかったんですと一人の紳士がおっしゃっていた。あと特典会の列はどのメンバーにも全然並んでいないのに七人のメンバーそれぞれにチェキ・スタッフが配備され、やけに厳格に時間を管理されていたことがあってきつかったという話が可笑しかった。メンバーさん脱退の経緯は分からないが、何の予備知識もなく観た印象としては、四人という人数は非常に観やすかった。全員が容姿端麗な上に衣装の肌面積が広い。全員がワキを見せるのを厭わない。意識の高さを感じた。(やっぱ四人、五人。音楽や、ステージでのパフォーマンスの質を優先するならこれくらいがいいよ。一人一人の見せ場があって。BLUEGOATSも四人だし。一方、特典会の売上を優先するなら人数はもっと多い方がいいよね。)曲は統一感のある真っ直ぐなロック調(私はロックのことは分からないので推測で書いています)。初見でも乗りやすく、目でも耳でも楽しめるステージだった。後日、Spotifyで何度かアルバムを聴いた。Lucyは横浜公演の対バンでも再び登場するらしい。また観るのが楽しみである。

FinallyではとにかくAoiチャンを見てしまう。隣にいた目撃者がペン・ライトを二本所持しており、ご親切にも一本を貸していただいた。それを白く光らせる(Aoiチャンのメンバー・カラーが白)。ペン・ライトを使うのがめっちゃ久し振り。LiVSではペン・ライトを使う慣習はない。BLUEGOATSにもない。Hello! Projectにはペン・ライト文化があったが、ある時期から面倒くさくなってあまり使わなくなっていた。だから本当に数年ぶりかも。Aoiチャンを支持しているというのを明確に行動で示したら、心なしかこれまでよりもさらに目を合わせてくれた気がする。何のときか忘れたけど我々がフロアでしゃがむタイミングがあって、そのときに私が気を抜いて真顔になったとき、私の真顔を真似してきたのにはびっくりした。それで私が笑ったらAoiチャンも笑った。

あ! しーちゃん!(手でcを作りながら)
そう! よく覚えてるね(※チェキの宛名を見るとLiVSとのツー・マンで一度書いただけのc-tekiという表記まで覚えていた)
覚えてるよ。眼鏡が印象的だったから…あれ、今日はまた違う眼鏡だ。この間の池袋でも見つけたけど、(特典会で)会えなかったから
あの時ってさ、(Finallyは)物販が並行だったじゃん。俺ライブ最後まで観てたからさ
そうだよね。同時にやってたから、全部観たい人は難しいよなって思ってた
あのとき俺にタオルを投げてくれたから、それで好きになっちゃった(※すみません、これは失言でした。私が好きなのはミニ・マルコchanだけです)
好きになっちゃった?(笑)
俺、池袋に住んでてさ。あの会場から徒歩15分
え、やば! 池袋ってさ、住みやすいよね?
住みやすいよ
あとちょっと治安が悪い?
治安はいいよ。一度、近所で殺人事件が起きたけど。中国人同士が、銃で。黄色いテープで周囲一帯が封鎖されて。あれはちょっと怖かった
私、▒▒区なんだけど、
▒▒区やば!
▒▒区は自転車の窃盗はよくあるけど、そこまでだから。殺人とかはないから
的な話をした。先日、鈴木MobさんがYouTubeの配信中に中野区に住んでいることがバレてしまいバズッたが、Aoiチャンが当たり前のように住んでいる区を開示してきたことに衝撃を受けた(ここでは念のため伏せてある)。

横浜F・マリノスのチャントに「見せつけろ 横浜を この胸の 誇りを」というのがある。LucyとFinallyという優れた二組を観たことで心に火をつけられ、これがLiVSだ、これがLiVSのフロアだっていうのを全員に見せつけてやるという気持ちになった。スマ・フォは一度も構えず、一枚も、一秒も撮らなかった。ライブを楽しんで盛り上がることに全振りした。今日は少人数だったためいつもミックスが起きる箇所で起きないことが多く、私としては心地よかった。“He Meets”の心の扉に飛び込む箇所でマルコchanと一対一の真顔睨めっこをさせていただくことが出来、それだけで千葉に来てよかったと思えた。マルコchanが堪えられず最後に噴き出していた。

コンニチハクリニックさんが写メで千葉にちなんでチーバ君の顔をしていて、お話しするときもチーバ、チーバと言っていたので、英語でcheebaって言うと大麻のことなんだよ。だからラップの歌詞によくcheebaって出てくるよ。というストリートの知識を授けた。ところでコンニチハクリニックさんには前からどるっちぇへいへい!!がどういう意味なのかを聞きたいなと思っているのだが、毎回、言い出せないまま氏のペースに飲まれ、気付いたら特典会の時間が終わってしまう。(國府田マリ子、『言い出せなくて』)

夜の単独公演は、これまでに私が入ってきたLiVSの公演の中でもトップ級にフロアが激しかった。ケチャでどんどん人が突っ込み、最前という概念そのものがほぼ崩壊している。昼の対バンではチケット代がJPY3,000でフラットだったが、単独公演ではJPY10,000とJPY31,500のチケットを買った人たちが優先入場をしている。それらの高額チケットが意味を成していないのではないか、こんなに最前中央付近がゴチャゴチャになるのを知りつつ万チケを売るのはやめるべきではないのではないかと思うほどだった。今は高額チケットを買う紳士たちの優しさで成立しているが、LiVSがこれから規模を拡大していったら確実に揉めるポイントだろう。金返せとかそういう話になるかも。

この土日は特典会は対バンのときだけに行って、単独公演は終演後すぐに帰ると決めていた。早く帰って休みたいのに加え、特典会は対バンの方がいい。サインが付くし、コンパクト・ディスクを受け取らなくて済むし。帰り道。千葉から近いことに気付き、平井で降車。マサラ・キング。マトン・ビリヤニ定食。カレーはビーフ・ドピアザを選択(+JPY110)。JPY1,650。月に一回は来たい店。帰宅。銭湯でゆっくり。

2025年7月21日月曜日

Let's Meet LiVS (2025-07-10)

LiVSに行き過ぎている。前の現場から六日間空いただけでしばらく行っていないような感覚に陥る。LiVSを観に来ている回数(公演数)が四月に11回、五月に10回(四部に分かれていた24時間ライブを四回と数えている)、六月に12回。一月から三月までは三回、五回、五回とまだ正常の範囲に収まっていた。四月からタガが外れている。振り返ると各地のタワ・レコで行われたrelease party。あれが分岐点。あの辺からだんだん私の生活におけるLiVSの位置づけが変わってきた。それまでは息抜きや趣味の域にとどまっていた。賃金労働という逃れられない宿痾があって、それを乗り切るためのストレス解消や癒しを与えてくれる存在。それがLiVSだった。あくまでも人生とくに労働を乗り切るための補助的な存在だった。今はもうLiVSが生活の中心。人生(生活)に不可欠な要素をいくつか挙げよと言われたらその中にLiVSは入ってくる。食事、睡眠、賃金(労働)、LiVSというように。子どもが出来ると生活が変わると周りからよく聞く。それと一緒にすンなという話ではあるが、生活が変わるってこんな感じなんだろうかと思うときがある。生活に新たな柱がひとつ出来る感じ。自分だけの人生ではなくなる感じ。問答無用で優先すべき存在が出来る感じ。趣味程度では至れない境地。

前回と今回のLiVS現場の間に観た #KTCHAN の余韻が残っている。 #KTCHAN はアイドルではないからマルコchanとの完全な互換性はない。別腹。よっていわゆる“浮気”にはあたらない。私は悪くない。とはいえマルコchanを差し置いて別のコを観に行ったという罪悪感もちょっとある。もう私はマルコchanの支持者とは言えないのではないだろうか。もはやこれまでか…。そろそろ私もマルコchan支持者を引退か…という思いが頭をよぎる。公演が始まるまで、私はマルコchanに対して勝手に後ろめたさを感じ、ややよそよそしい気持ちになっていた。いざ開演すると目の前に現れたマルコchanがあまりに可愛く、余計な雑念がすべて吹き飛んだ。私にはマルコchanしかいないという気持ちでいっぱいになった。お腹の産毛を視認できる近さでマルコchanを観ることが出来る幸せ。今日も極力、写真と動画を撮らないというテーマを設けて公演に臨んだ。

夕方からのゲリラ豪雨。バケツをひっくり返したような土砂降り。KEBAB CHEFSの店内に吹き込む雨。用途を理解できていないのだろう、店の傘掛けにカバンを引っ掛ける先客男女。そのどちらかもしくは両方が放つマヨネーズのような体臭。外の待機場所で我々が雨に濡れないよう、中の階段で入場を待たせてくれるCLUB CRAWLのO氏。漂う強烈な湿気。外出する気をくじかれるような悪天候。実際におそらく何人かは来場を見合わせている。いつもより少ない来場者。こういうとき特有の熱気がある。フットボールでも同じ。悪条件(天候、日程等)でもわざわざ来る一万人が生み出す熱狂は、ピクニック気分で来る二万人に勝る。今日、来ていたのはただでさえ平日の上、道中の雨で靴の中をズブズブに濡らすのも厭わない人たち。その時点で選抜されている。(なお、私はゴア・テックスを搭載したスニーカーのおかげで靴の中は乾いたままで済んだ。)今日は“EGO”を聴けたのが嬉しかった。メンバーさんがフロアに下りてくるのが通例となっている『RとC』だが今日は珍しくステージの上で完結した。

今日はチェキのためにちょっとネタ仕込んでめかし込んで行った。赤ちゃんと睨めっこをしたという、マルコchanが2025年7月5日7時13分のツイート。ちょうど同じ日の19時によく見る古着サイトで赤ちゃんが前面に印刷されたteeシャツが発売され、注文していた。今日のチェキのために買ったというわけではなく、赤ちゃんteeは前から欲しいと思っていた。それを着て行ったらマルコchanが公演の序盤で気付いて何とも言えない反応をしてくれた。表情が二、三段階くらい変わっていった。最後は完全に赤ん坊を慈しむ顔だった。ランルウさんもびっくりしたような反応をしてくれた。あそこまでメンバーさんが反応してくれるとは思わなかった。というか、曲をパフォームしながら私が着ているteeのプリントなんていう細かいところまでこちらを見ているとは思わなかった。特典会でマルコchanは、新規を連れて来てくれてありがとうとか、ライブに赤ちゃんがいる~(と思った)なぞと言って笑ってくれた。チェキでは睨めっこのときの顔を再現してもらった。電車の優先席で、知らない家族の赤ちゃんだったという、ツイートになかった情報を教えてくれた。マルコchanの発案で私のteeに印刷された赤ちゃんに名前をつけることに。顔が四角いのでcubeみたいだからキューちゃんでどうかと私が言うと、マルコchanが前後に付け足してミニ・キューちゃん・シーテキになった。外国人の名前みたいに(真ん中にミドル・ネーム)。マルコchanと私の名前が入っているなんて二人の子どもみたいだねと思ったが、さすがにキモ過ぎるので言うのはやめておいた。後から考えるとスゴいことをさせてもらった。赤ちゃんの名前を二人で考えてつけるだなんて。私はそんなことをもう人生で経験することはないわけで。

マルコchanの自己紹介の可変部分が「ミニ・マルコ 納豆嫌い」だった。後から気付いたが今日は7月10日。納豆の日だったのか。

2025年7月19日土曜日

@ LIVE 1.99 (2025-07-05)

19時キック・オフの横浜ダービーのチケット争奪戦には参加しなかった。特別な試合とはいえマリノスが年間で戦う数十試合のうちのひとつ。それもアウェイ(横浜だから俺たちのホームだという言い分は横に置いておく)。一方、あまりに稀少な #KTCHAN を生で観られる機会。今回を逃すと次がいつになるのか不明である。予定が発表されていない。(音楽活動に専念するために春で大学を中退したというのに増えない現場。このままではただ大学を辞めた人になってしまう。)それに私がどちらに必要とされているかで考えると間違いなく #KTCHAN である。横浜ダービーのチケット、特にアウェイ側(マリノスを応援する席)となるとチケットの発売開始と同時に叩かないと席の確保はおぼつかない。試合前にニッパツ球技場の全席が完売していた。 #KTCHAN の現場でチケットの争奪戦は存在しない。 #KTCHAN がtikotok、Instagram、Twitterで配信をして必死に来場を呼び掛けるさまは涙ぐましいほどだが、その努力は思うような成果に結びついているとは言いがたい。動員の厳しさについては渋谷eggmanのときにも書いた。先日、青山ブックセンターで行われたトーク・イヴェントでも、 #KTCHAN の本を買うだけでトークを聴けて直接サインを入れてもらえるという大盤振る舞いにも関わらず数十人分の座席が埋まらなかった。そして、今日。入場列の先頭に見覚えのあるお二人。LiVSで培った社交性を存分に発揮しサツアイをしに行く。彼らが整理番号一番と二番。体調不良で欠席した紳士(青山ブックセンターで席が隣になって帰りに焼き鳥をご一緒した)が七番。私は八番。この四人が何となく #KTCHAN 現場の最前おまいつコミュニティのような感じになりつつある。特定少数による「大体 毎回 いつも同じメンバーと再会」(RIZE, “Why I'm Me”)状態。ここに割って入る勢力が今のところ存在しない。現場に来るファンの数では現状の #KTCHAN は完全に地下アイドルである。おまいつの数は私が通っているLiVSよりもずっと少ない。け、 #KTCHAN はボクたちが支えないと…。入場時間は「最終調整」と称する遅れで15分以上遅れた。暑すぎる野外で待たされる。「上がっていく一方の不快指数 だからきたねえ言葉使いディス」(ラッパ我リヤ feat. K DUB SHINE、『大東京』)。フロアに入ると空調が効いて非常に快適だった(寒いくらいだった)。私の前の番号では前述の七番を含め三人が不在で、私は入場列の五番目だった。そして私の前にいた一人が間抜けなことに(ありがたいが)飲み物をもらうために寄り道をしてくれたことで私はフロアに入る四人目となった。最前中央を一番、二番、そして八番の私という三人で固めることが出来た。

ほとんど何も与えられていない事前情報。ただ #KTCHAN に言われるがまま購入したチケット。どういうイヴェントなのか分からずにここまで来ている我々。入場前に歓談しながら聞いてみても、首を傾げるばかりの整理番号一番、二番所持者。あるのは出演者の一覧のみ。タイム・テーブルはなし。小生たちのオキニである #KTCHAN がどれくらい出演するのかも分からない。最悪の場合、計二時間くらいの対バンのようなイベントで #KTCHAN の出番は20分くらいなんじゃないか。というかその可能性が高いんじゃないか。何も分からない状態で強いられる炎天下の移動と待機。なんか、後から考えると下手くそだよね。売り方が。こういうイヴェントで、私はこういうことをする、それ以外にもこういう見所があるから来て、大体何時間くらいで終わるよというくらいのことは言わないと判断するための情報が不足している。今回のように謎に包まれていると、ただ #KTCHAN が来いというなら何でも行きますという養分的な人たち(私たちみたいな奴ら)しか来ない。実際、イヴェントの長さは想定外だった。16時に始まって、終わったのがなんと20時過ぎ。まさか四時間以上もあるとは思わなんだ。終わる時間が読めないとその後の予定を立てづらい。横浜ダービーをほぼリアル・タイムで観られなかったのは誤算だった。立ちっぱなしの四時間以上。 #KTCHAN の出番は正味約35分ほどだったか。なかなかに試される現場。これが事前に分かっていたら #KTCHAN 目当てでここに来たヘッズが果たして全員この公演に申し込んでいたか。私も迷ったと思う。チケットはファスト・パス(優先入場)でJPY5,000。

キッズ・ダンサーが何組か出ていた。彼女たちのパフォーマンスを否定するつもりはまったくないが #KTCHAN をダシに身内の発表会を見せられている気分になったのは否定できない。私は体調が非常によく、長時間立っていたも疲れなかった。それもあってキッズ・ダンサーたちを含めたすべての出演者たちのパフォーマンスを最後まで楽しむことが出来た。ラッキーだった。ただ、もし調子がいまいちだったとしたら。もし後ろの方で観ていたら(そもそも後ろまで埋まってはいなかったが。代官山UNIT。収容人数は600-700人。今日来ていたのはおそらく100人以下。)気持ちがくじかれていても無理はなかったと思う。今日の客層としては我々のようなダイ・ハードな #KTCHAN 支持者の他に、キッズ・ダンサーの保護者や友達と思しき人たちが多くいた。開演前のDJタイムでDJ YANATAKEさんがフロアを温めようと手を上げるよう要求するも保護者たちはほとんど誰も手を上げない。くじけずに何度も何度も再トライしていたが最後まで挙手率はほとんど変わらず、さすがの名手も苦戦していた。(ただ保護者たちに悪意はないのはよく分かった。別に無視しているわけではなく、単にシャイだったりノリに慣れていないだけだったと思う。) #KTCHAN のライブ中、どうやらキッズ・ダンサーたちは曲に合わせて踊っていたようである(私は最前だったので分からない)。 #KTCHAN はそれを見て喜んでいたが、残念ながらこのフロアのノリに再現性はない。今日、たまたまキッズ・ダンサーとその友達が来ていたからそういうノリが生まれたというだけの話。それが #KTCHAN の現場のノリとして定着することはあり得ない。お金を払って #KTCHAN を観るために現場に足を運ぶ人たちをどうやって増やして、彼ら、彼女らがフロアでどういうノリを作るのか。その問いにはまだ正面から向き合っていないように思える。

#KTCHAN を観るためにお金を払って最前にいた私たちが何をやっているかというと、動画を撮っている。情けない。だって、私たちって #KTCHAN のファンなんだよね。『飛んできたナイフは、プレゼントで返したい。』は読んだよね。読んだら分かるよね。この記事でも引用したけど。私たちがこうやってステージの彼女にスマ・フォのレンズを向けている光景。彼女はきっと喜ばないはずだ。そうやって撮るんじゃなくて、その目で、その耳で、目の前の味わってほしい。彼女はそう思っているに違いない。それを分かった上で、私も #KTCHAN がステージにいる間はほぼずっと動画を撮っていた。ずっと葛藤があった。ずっと申し訳なさがあった。彼女が本に書いたメッセージが何も伝わっていないじゃん。何も響いていないじゃん。いちばん伝わっていないといけない、いちばん響いていないといけないのは私たちなんじゃないか? 彼女の意を汲んで、真っ先にフロアでの立ち振る舞いに変換していくべきなのは私たちなんじゃないか? そうやって #KTCHAN 現場における文化が少しずつ出来上がっていくんじゃないか?

#KTCHAN が本に書いていた切なる願いを黙殺してまで我々がステージの彼女をスマ・フォで撮影してしまうのはなぜなのか。病的だとか民度が低いだとかでは説明しきれない何かがあるはずだ。おそらく何かしらの本能に紐づいているんだと思う。ライブに限らず我々が日常生活でパシャ・パシャと色々なものを撮影するのは、それを誰かに見せたいからだ。人類の歴史を遡れば、俺はこんな獲物を仕留めたぞとか、こんな果実や木の実をこれだけ採集したぞとか、そういうのを見せつけて属するコミュニティにおける自分のプロップスを高めたいという、根源的な欲求。実際、私は #KTCHAN でもLiVSでも撮影するならソーシャル・メディアに載せないと意味がないと思っている。あるいは人によっては個人的に誰かにLINEで送っているかもしれない。 #KTCHAN も終演後の物販で何かを買うとツー・ショット撮影をさせてくれるし、むしろ撮るのを奨励している。これは本当に嬉しいこと。それこそ #KTCHAN と一緒に写真を撮ったんだよって他人に自慢することができる。だが彼女が言っていることを原理主義的に突き詰めると、そこにはやや矛盾がある。

あと、私の言い分としては #KTCHAN 現場があまりに少なすぎる。供給不足。生で観るだけでは摂取量が足りない。自分で撮った映像を何度も観返す必要がある。LiVSのように月に十何回も公演があれば、今日はこの曲だけはフルで撮ろうとか、公演を通してなるべく撮るのをやめておこうというように、日毎にテーマを設けることが可能になる。もちろん #KTCHAN に同じ頻度でライブをやってくれと言っているわけではない(やるべきでもないだろう)が、たとえば月に一度でも定期的にライブを観られるのであれば、撮影する行為にもいずれ飽きてくると思う。今はとにかく彼女を観られる稀少な機会なので撮っているといのも私に関しては大いにある。でも、本当にごめんねと #KTCHAN には言いたい。私がこうやって複雑な思いを抱えていることだけは理解してほしい。

#KTCHAN がステージに現れた瞬間、息を吞んだ。か、可愛い…。青山ブックセンターのときにも思ったけど、今の彼女はビジュが完全に仕上がっている。見た目で判断されるのを本人が望んでいないのを私は知っている。本に書いてあったし、たしか以前のYouTube動画でも自分はアイドルではないし、カワウソだから可愛いとか可愛くないとかの枠組みの外にいる的なことを言っていた。彼女はあくまでラッパー。アーティスト。だからご本人に面と向かって容姿を褒めたりはしない。まあ、それでも可愛いものは可愛いし、私を含め彼女の支持層は彼女にアイドル的な要素を見出しているのは確かだろう。
見た目とか側のことが先走って、一番大事な中身を見てもらえないのは嫌だ。それなら、見た目っていう要素、なくなっちゃばいい、って何度思ったことか( #KTCHAN 、『飛んできたナイフは、プレゼントで返したい。』)

前述のキッズ・ダンサーに限らず、四時間強のうち #KTCHAN がステージにいた時間を除く約三時間半は、彼女を人質に取られて無理やり見せられていた感があるのは否めない。ただ、総じてパフォーマンスのクオリティは高く、観ていて楽しかった。特に私の印象に残ったのがDDJ葵さん。ドラムとDJを組み合わせたDDJという表現方法。新鮮な驚きと喜びを与えてくれた。氏の現場があればまた観に行ってみたいと思ったくらい。BOXERという紳士(+仲間の男女ダンサー数名)の独特なダンス。あとテークエムさんの何を言っているかは分からないけど素晴らしくグルーヴのあるラップ。氏は #KTCHAN の客を見くびっていた、どうせ俺ではノッてくれへんやろと思っていた、でもノッてくれて嬉しい的なことを言っていた。 #KTCHAN は冒頭でイントロダクション的にちょこっと、ベーシスト女性とDDJ葵との貴重なフリースタイル・セッション(予定外だった模様)、ソロのライブ(トリ)という三回に分けてステージに登場。ライブの後は出演者たちをステージに呼び集めて最後の締めのサツアイ的な時間があったのだが、そのときに音に乗って軽やかに舞う #KTCHAN がやけに色っぽかった。

私はスマ・フォで撮影はしつつも、目の前のライブは全力で味わいつくすように心がけた。撮っている自分と、観ている自分。二体に分離したかった。なるべく分離状態に近づけるように努力した。私はSpotifyで #KTCHAN の全曲(ルイとKTの一曲は除く)を入れたプレイ・リストを作って、だいたい毎日一周は聴いている。彼女が表現する唯一無二の音楽世界が、私は本当に大好きだ。その曲たちを #KTCHAN が目の前でパフォームしている。夢のような時間。魅了される。何という幸せ。

物販。今日 #KTCHAN が好きなりんごを着てきたよ(りんごが大きく印刷されたteeシャツを見せながら)と言うと、あ、りんごだ! 私、今朝も食べてきたよと #KTCHAN 。私の眼鏡、teeシャツ、ベルトの色の合わせ方を褒めてくれる。このteeシャツの、Mをください。4,000円です。千円札を四枚渡す。写真撮影。縦でお願いしますという私の依頼にやや戸惑う係員さん。撮りながら、好きな品種とかあるの? と聞く私。えー、品種? なんでも好き。曰く、それよりもサイズが重要で大きいのが好きなのだという。でもふじは好き、と付け足す #KTCHAN 。今日、新曲やったよね。凄くメロディアスで…。そうなの。まだリリースしてないの。楽しみにしててね。 #KTCHAN の音楽も、 #KTCHAN 自身も独創的で、魅力的。もちろん彼女はアイドルではないから完全な互換性はないが、LiVSとミニ・マルコchanへの忠誠心がちょっと揺らぎそうになってしまうくらい、惹かれる。もうちょっと定期的にライブを観て、会えるサイクルを作ってほしい。グッズももっと新しくてイケてるのを作ってほしい。もう少し喜んでお金を落とせるようにしてほしい。そのためにファンがいるのだから。

2025年7月11日金曜日

Bearing!! (2025-07-04)

今日の会場は池袋。harevutai。家から徒歩15分。すぐ近くの福しんはたまに利用する。一時期、週に3-4回は来ていた。今なら冷やしつけ麺JPY600がおすすめ。期間限定メニュウ。並盛で麺が1.5玉ある。ゴマダレとピリ辛ゴマダレがあるが後者は薬品ぽい変な味がする。ゴマダレを頼んでラー油を入れるのが正解。定番だと味噌野菜タンメンと豚キムチ定食が良い。この辺は毎日のようにうろうろしている。harevutaiには入ったことがなかった。隣の東京ブリリア・ホールはめいめいが出演するミュージカルで何度か入ったことがある。『ヘアスプレー』とかね。

対バン。LiVSは6組中の4組目。いつから入るかちょっと迷った。18時開場。一組目が18時30分から。LiVSの出番が19時35分から。各組の持ち時間が25分。6組目が終わるのが20時50分。特典会が21時から。最初から入ると3時間くらい拘束されることになる。ちょっとだるい。タイム・テーブルを見てパッと目についたのがFinally(Aoiチャンがいることでお馴染み)。LiVSのひとつ前。先日のツー・マン(和製英語)で観て好印象。だから遅くともFinallyに間に合う時間には入りたかった。そしてもう一組気になるのがyumegiwa last girl。一組目。E氏が毎月オキニのメンバーさんから手紙が届くJPY10,000/月のサーヴィスを利用するほど熱心に追っていた集団。(それをE氏から聞いたとき私は軽く引いたが、もし今LiVSが同様のサーヴィスを開始したら私は秒で申し込むであろう。)実はある時期からE氏はTwitterの更新が途絶え、消息が不明である。DMを送っても返事が来ない。どうされてしまったんだろう。お元気だといいのだが…。これを書いている時点ではなんとyumegiwa last girlとLiVSのツー・マン公演が決定している。もしE氏がご存命だったらこんなに熱い展開はなかったのだが…。

結局、E氏の幻影を追って最初から観ることにした。サンシャインのわくわく広場で半額の玄米むすびを二つ買いその辺で食い、ファミリー・マートでモカ・ブレンド(S)を買って飲んでいたらギリギリになった。18時半ちょうどくらいに入場。受付で入場処理とドリンク代の支払いを済ませたすぐ先でFinallyがチラシを配っている。そしてその奥にLiVSがいる。おうお前来たか~という感じで歓待してくれるメンバーさんたち。右奥にいるミニ・マルコchanが、ニコッとしながら目を細め、チラシを手渡ししてくれる。8月18日(月)のLIQUIDROOM公演の宣伝。(既に超最高チケットJPY31,500を購入済みなので私にチラシを配っても販促効果はゼロなのだが。)なんだか妙に嬉しかった。心がときめいた。ときめきメモリアル。LiVSがいつからいつまでチラシを配っていたかは知らないが、間に合う時間に入場できてよかった。JPY2,000の元は取ったようなもの。そう、チケットがJPY2,000だった。お手頃。前方エリアがJPY4,000。後方エリアがJPY2,000。たまにはがっつかず、まったり観たいなと。そこまでモチベはなかったし。それに同じ金額を出すならチケット代でJPY2,000(前方チケットとの差額)を浮かせてチェキ券を一枚買い足した方がええんとちゃいますかという自分の中のリトル接触厨のささやきを無視できなかった。

今日の出演集団はそれぞれがコンセプト、個性、クオリティを一定以上の水準で兼ね備えていた。先日シャングリラで観たカス対バンとは訳が違う。あっという間に過ぎていくそれぞれの25分。LiVSとFinally以外は初見だったが、それぞれの集団に好感を持った。インディー・アイドルの醍醐味を味わえる面白いショー・ケースだった。もっとも(ちゃんと聴けば印象が変わる可能性があるとはいえ)LiVS以外で音楽的に刺さる集団はひとつもなかった。その点においてLiVSは特別であると再認識させられた。こうやって、他の集団と同列に並べて観ることで普段観ている集団の特性や良さが分かるのは対バンの良さである。自分の場合はフロアがどうとか現場がどうという以前にまず音源だけで曲を聴いていいと思えないとはまるのは難しい。ちなみにyumegiwa last girlのフロアにE氏のお姿は確認できなかった。

横に広く、段差があって、非常に観やすい会場だった。私は段差のある柵のすぐ後ろですべての集団を観ることが出来た。中途半端に前に行くより満足度は高かったと思う。ステージと高さが近く、出演者と目が合いやすかった。Finallyで一番カワイイAoiチャンがタオルを私に向けて投げてくれて好きになった。(それを後でLiVS支持者の某紳士に話したところ、そうなっちゃいますよね、我々が普段女性から優しくされることなんてないですからねと言われ、そうですねと答えながら私の心が傷付いた。)最初は別のメンバーさんが明らかに私めがけて投げてくれたのだが、なぜか隣の陰キャが手を出して横取りしようとしてきて、しかもそいつがキャッチし損ねてタオルを床に落としていた。それを見たAoiチャンがわざわざ私のために投げ直してくれた。やはりFinallyではAoiチャンを目で追ってしまう。全体を通してフロアの一体感という点ではFinallyが一番だったと思う。お祭り的な楽しさを作るのがうまい。ただ彼らの行動様式においてサークル(オタクたちの集団が輪になって回るやつ)は私とは相容れない。サークルが盛んに起きるという一点だけでも私がFinallyの現場に熱心に足を運ぶようにはならない理由として十分である。

最初から最後までほぼ同じ位置で観たことで、LiVSを他の集団と比較しながら客観的に観ることが出来た。いくつか感じることがあった。まずステージに登場してからしばらくのあいだは緊張している感じが伝わってきた。本領を発揮できていない感じ。普段よりも規模が大きめの会場(収容人数が500人)、自分たちを知らない人が多い環境。そういったものにまだ不慣れなのが出ているように感じた。それでも徐々にペースを掴んで、最終的にはフロア全体を自分たちの音楽で巻き込んでいた。最後の曲だったかな、“ONE”ではLiVS支持者以外もみんなが両手を上げては下げる動きをやっていた。これはLiVS支持者の贔屓目も入っているかもしれないが、曲の魅力、そしてそれを表現するメンバーさんたちの技量において、今日の出演陣の中でLiVSは一番だったのではないか。あと、正直な印象として、パッと見の印象が地味。原因は、衣装。これはアイドルに限らず人が何かを初めて見るときって最初の数秒で印象をだいぶ決めてしまうと思う。今の衣装では掴みが弱い。パッと見で目を引く要素があまりない。もちろん私は今の衣装を嫌いではない。定期公演とかならこれで全然いいと思う。ただ、もしこういった対バンにLiVSが出演する大きな目的が初見の客を自分たちのファンにすること、短期的には8月18日(月)のLIQUIDROOMの集客だとすると、衣装でもっとインパクトを与える必要があるように感じた。普段着的な衣装とアウェイで気合を入れるときの衣装の二種類があってもいいのではないだろうか。

2025年7月9日水曜日

Let's Meet LiVS (2025-07-03)

声量の不足した猫撫で声で『♡桃色片想い♡』を歌う何やらキモい集団の動画がTwitterで拡散され、Hello! Project支持者たちに袋叩きにされていた。テレヴィジョンの企画でカヴァーしていたらしい。番組の放送後には当該集団のメンバーさんが曲名を間違えてTwitterに投稿するという愚かな間違いを犯し、火に油を注いでいた。私も長らくHello! Projectという閉鎖的な村に住んでいたため外部の情報に疎かったのだが、どうやら人気のある集団らしい。たしかに私でも名前は聞いたことがあった。私にはちょっとした衝撃だった。アイドルとカテゴライズされる集団が数えきれないくらい乱立する中で売上、知名度、人気においておそらく相当な上澄みに属するであろう集団がステージで出すアウトプットがあれなのか。あれでいいのか。たまたま今回のが事故だったのか。もちろん私が目にしたのは彼女たちのごくごく断片的な一部分にすぎない。あれだけを材料に彼女たちを判断するのはフェアではない。しかし、考えてしまう。あれが「成功している」アイドルだとすると、あれが「売れる」ための基準だとすると、果たして「売れる」ことに意味などあるのだろうか? これが世に求められる「アイドル」だとすると、世に受けることにそこまでの価値はあるのだろうか?

私が人生で最も影響を受け、入れ込んできた音楽は日米のインディーズ・ヒップホップである。このジャンルに生息するアーティストたちは独特の誇りを持っていた。彼らは商業的な成功とヒップホップとしてのリアルさをまったく別物として捉えていた。セルアウトという言葉がある。これはメジャーのアーティストや、インディーからメジャーに転向するアーティストたちへの悪罵である。金に魂を売り渡した奴ら、という程度の意味である。お金のために作風を売れ線(=ポップ)に寄せるなどして自分を曲げること(人)という含意もある。そんなことをする奴らは最大限の言葉でディスられるのが普通だった。インディーにはインディーの誇りがあるのであって、決してメジャーの下の存在ではない。たとえばBinary Starに“Indy 500 (feat. Decompoze)”というインディー賛歌がある。(これは私が勝手に思っているだけで合っているかは分からないが、そもそも音楽で売れること自体がほぼ不可能になってきてからセルアウトという言葉も下火になった印象がある。)
メジャーなんて目じゃねえ 要点はリアル・ヒップホップが俺の条件
表面より当然内面を表現 意地でもイージーな路線は通れん
(ラッパ我リヤ、『邦楽界』)

LiVSには売れてほしい。最近、LiVSの支持者とそういうことを話し合うことがある。そりゃ応援している集団なんだから売れてほしい。だって、売れるっていいことじゃん。売れてほしくないと言う人はいないと思う。目撃者(LiVS支持者)の輪が広がって、もっと多くの人がLiVSの音楽に夢中になって、LiVSのメンバーさんたちのことを好きになって、もっと大きな会場でやれるようになったら素敵やん。絶対その方がメンバーさんも嬉しいやん。きっと彼女たちの給料も増えるやん(今いくら貰っているのか知らないけど。特典会の歩合はなく固定給だと有識者から聞いている)。遠征の度に彼女たちは新幹線で移動して、毎日ホテルに泊まれるやん。きっと衣装も増えるやん。コンサートの演出も豪華になるやん。でもその一方で私はこの言葉を使う度にちょっとモヤッとする。売れるって何なのだろうか? 我々がLiVSに売れてほしい、もしくはLiVS自身(運営さんを含め)が売れたいというときに、それは具体的に何がどうなることを指しているのだろうか? 何が達成できたら成功なんだろうか? そして、仮に「売れる」ことが成功で、今が「売れていない」状態だとすると、今は何なのだろうか? 失敗なのだろうか?

前からずっと思っていることなのだが、アイドル個人の選択として見た場合、「売れる」ための最善の手は大きな事務所に入ることである。実際のところ、九割方(もっと?)これで決まってしまうのではないだろうか? たとえばモーニング娘。に加入して活動を続けていればいずれ満員の日本武道館には確実に立てることが保証されている(私はHello! Projectのことしか知らないので他の陣営でたとえることが出来ない)。それは既にモーニング娘。がそれだけのファン・ベースを抱えているからだ。しかしそのまったく同じ人物がインディー集団に加入したら日本武道館に果たして立てるかどうか。いばらの道である。これはたとえば会社員の給料が業界と職種である程度決まってしまうのに似ている。

定期公演に特有の心地よさ。大体いつも25-30名程度の集客。空き過ぎず、混み過ぎない。多少は面子が変われど「大体 毎回 いつも同じメンバーと再会」(RIZE, “Why I'm Me”)状態のフロア。フロアとステージの間に信頼があるから、毎回メンバーさんステージからフロアに下りてくることが出来る。これは当たり前のことではない。アットホーム(和製英語)な雰囲気。「LiVSには売れてほしいと思いますけど、この心地良さが崩れてしまうのもイヤなんですよね」。「あー、分かります。僕も最初来たときはもっとパンパンになるのかと思ったんですけど、これくらいがちょうどいいですよね」。「でも売れないと彼女たちが(活動を)続けられないよ」。続けられないよ。その言葉が私の頭にこびりついて離れなかった。

「売れ」ようが「売れ」まいが、この奇跡のように幸せな空間、幸せな時間は、永遠に続かない。本当に何の予告もなく、二度とLiVSには会えなくなるかもしれない。彼女たちがステージで放つ眩い輝きは、いつ終わるか分からない。そう思いながら公演を観ていると切なくなって、胸を締め付けられる。明日のことは分からない。ひとつ言えるのは、LiVSと目撃者が共有している今この瞬間、それだけには嘘がない。私はその瞬間のひとつひとつを大切に噛みしめて、ひとつでも多く積み重ねたい。今日はとにかくLiVS全員から気持ちを感じた。ステージから伝わってくるものがあった。特にランルウさんの目つき、表情、動きの一つ一つに鬼気迫るものを感じた。全身全霊という言葉を体現しているかのよう。彼女は、彼女たちは、ここに懸けている。LiVSに懸けている。この一公演に懸けている。この一曲に懸けている。この一瞬に懸けている。人生すべてを懸けている。その姿に、私は心を打たれる。

2025年7月7日月曜日

Chemistry LiVE with LiVS (2025-06-28)

6月25日と言えば松浦亜弥さんのお誕生日。(追記:公演の日付をネタにうまいこと文の掴みをこさえたつもりだったが6月25日ではなく6月28日の公演だったことにすべてを書き終えてアップロードしてから気付いた。今さら書き直すことも出来ない。チェキの日付を書き間違えるアイドルさんの気持ちが分かった。)思い返せばあのときLimeWire(ファイル共有ソフト)で松浦亜弥さんの1stアルバムを違法ダウンロードして聴いていなかったら私がその後Hello! Projectを観ることはなかった。それまでの私はリアルなアンダーグラウンド・ヒップホップの信奉者であり、アイドルの音楽なんて『マジ興味ねぇ』(DJ OASIS feat. K DUB SHINE)というスタンスだった。完全に冷やかしで聴いたあのアルバムにやられたのをきっかけに松浦亜弥さんに引き込まれた。過去のアルバムやコンサート映像を買い集めては視聴し続けた。(その時点で彼女は主要な作品をリリース済みでアイドルとしては第一線から退いていた。)そこからモーニング娘。をはじめとするHello! Projectの他集団にも目を向けるようになった。しばらくは在宅で膨大な音源と映像のアーカイヴをディグりつつ2ちゃんねるのまとめサイト(主にWitch Hunting Girlscouts)でゴシップ情報を仕入れる日々が続いた。モーニング娘。コンサート・ツアー2010春~ピカッピカッ!が私にとって初めてのHello! Project現場だった。後にファン・クラブに加入し、定常的に現場に行くようになった。モーニング娘。、℃-ute、Juice=Juice、つばきファクトリーと主現場を変えながら過ごしてきたHello! Project支持者としての日々。アイドルというものがなければ生きていけない身体になってしまった。アイドル・オタクから引退できそうな期間もあったのだが、たまたま直前に滑り込みでチケットを買った対バン(2024年11月30日)でミニ・マルコchanと出会ったのが運命の分かれ道。気付けばHello! Project支持者だった頃を凌駕する強度でオタクをする羽目になってしまった。『こんなハズジャナカッター!』(BEYOOOOONDS)。

私がHello! Projectを十年ほど追う中で、対バンというものに入る機会が一度もなかった。アイドル集団が対バンに参加する主な目的とは、第一に複数の集団でひとつの会場を借りてそれぞれの支持者たちを一箇所に集めることで動員能力の不足を補い合うこと。第二に露出を増やす(自分たちを普段見ない人に見せる)ことで新規ファンを取り込むこと。Hello! Projectは自前の公演だけで十分に集客できるし、そこまで積極的に新規ファンを取り込みに行く必要がないくらい既存のファン・ベースの層が厚い。なので対バンに出演する必要性が低い。さらにHello! Project支持者の傾向としてアイドル全般が好きなのではなくあくまでHello! Projectが好きである。そうなるようアップ・フロントに囲い込まれている。それは幸せな状態である。Hello! Projectしか見ていないからHello! Projectが世界で最高であることを信じて疑わない。なんならHello! Project以外をアイドルとみなしていない。Hello! Project支持者たちのそういう気質は対バンには馴染まない。自給自足の村の住民にとって、外部との交流を持つことや、外部の価値観を取り入れることは忌避すべきことである。(もっとも近年ではHello! ProjectもOCHA NORMAやロージー・クロニクルといった集団を積極的に対バンに出すようになり多少は事情が変わってきているようである。)そういう環境で育ってきたものだから、Hello! Projectを脱会してからも、私は対バンというものをなんとなく嫌っていた。ミニ・マルコchanを見つけたBLUEGOATSとLiVSのツー・マン(和製英語)が、私が人生で初めて行った対バンだった。そこでLiVSにはまってからも対バンは避けていたんだけど、ある時期から何が何だかよく分からなくなって、チケットが発売される度に手当たり次第に買うようになった。それで今では対バンにも行くようになった。


Finallyという集団とのツー・マン(和製英語)。エゴ・サに向かない一般的な英単語。日本語に訳すと「ようやく」とか「最終的に」。チケットを購入する時点で既にこの集団の勢いを感じていた。販売開始と同時にlivepocketのページを更新したらアクセス過多のため画面がバグッて表示が変になった。最初からやり直して2分くらい出遅れた。これまでLiVSのチケットを買うときにこうなった記憶はない。結果、整理番号は25番だった。販売開始と同時にチケットを買ってなるべく早い整理番号を狙う行為をチケットを叩くという。25番というのは叩くのを忘れてちょっと出遅れたときの番号である。

会場の下北沢251に着くと、チケットの発券枚数が100を超えたらしいとLiVS支持者から伺った。付近にいる人々を見るかぎり、おそらく六割以上はFInallyの支持者である。この対バンはLiVSが主催なのだが、動員能力を基準とするならばFinallyの方が格上ということになる。FinallyはTwitterのスペース機能で定期的に配信をしているようなのだが、先日、LiVSがゲスト出演していた。その中で、お互いのファンがお互いの公演に足を運ぶようになるといいよねというような話がなされていた。ただ、手持ちの支持者数に差がある場合、その言い分を額面通りいに受け止めるのは難しい。たとえばの話、仮に今日の動員が100人で、内訳がLiVS目当てが35人、Finally目当てが65人だったとする(実際、これに近かったと思う)。LiVSは65人、Finallyは35人の潜在的な新規顧客の目に触れるチャンスを得る。平等ではない。正味な話、今回LiVSが対バンにFinallyを招いたことの狙いとして、勝ち馬に乗るというのは確実にあったと思う。LiVSには8月18日(月)に収容人数900人のLIQUIDROOMを埋めるという明確な目標がある以上、これは重要であり必要なことである。いくらクオリティが高くて自分たちと音楽的に相性のよい集団と音楽的な化学反応を起こしたとしてもその集団が数字を持っていなければ対バンをしても上記の目標達成には近づけない。もちろんただ格上とつるめばそこから客が自動的に流れてくるというものではない。興味を持ってもらい、魅了して、次も来たいと思ってもらう必要がある。しかしそうであるにしても、その判断をしてもらう対象が10人なのか100人なのかでは全然違うわけで。

『RとC』でフロアに下りるLiVSメンバー。Finally支持者たちへの積極的なハイ・タッチ。フロア後方でFinally支持者の紳士におんぶをさせるコンニチハクリニックさん。私もLiVSを観始めた初期に彼女をおんぶさせていただいたことがある。あの体験は強烈。あれがなければ氏の特典会に今のように通うことはなかった。アイドル・オタクというのは結局のところ近さや物理的な接触に一番弱い。良い音楽、良い歌、良いダンス、良いパフォーマンス、可愛いメンバーさん、心地よいフロア。それらはたしかに大切で、大前提ではあるが、誰かをオタクにするにはそれだけでは不十分だ。誰かが人間からオタクになるためにはどこかで理性を壊す必要がある。理性的に考えれば演者とファンという以上の関係を持てるわけでもない若い異性(あるいは同性)とチェキや写メを撮って少しお話しするために何千円も払うわけがない。私は8月18日(月)のLiVSのLIQUIDROOM公演は超最高チケットで入るのだが、理性的に判断していれば一度のコンサートのためにJPY31,500のチケットを買うわけがない。オタクは狂っているからオタクなのである。狂っていなければオタクではない。
あなたの風邪はどこから? ボクは鼻から(綾瀬はるか、本郷奏多出演/アリナミン制約「ベンザブロックプレミアム」新CM「あなたの風邪に黄色」篇
あなたの狂いはどこから? ボクはミニ・マルコchanから。

チケット購入時に感じていたFinally及びその支持者たちの勢いはフロアでも存分に感じた。我々が入場列に並んでいるときから彼女たちの仕掛けは始まっていた。奥から聞こえてくる女性たちの声。なんとメンバーさんたちが我々を待ち構えている。チラシを配ってくれる。二枚あって、一枚(白黒)には次の無料ライブと2025年11月9日(日)に控えたLIQUIDROOM公演の告知。公式LINE、公式TwitterのQRコード。それだけでなく今日の公演に向けた意気込み。もう一枚(カラー)には各メンバーの宣材写真とプロフィール、InstagramとTwitterのQRコード。これは多少なりとも興味を持たざるを得ない。感心した。よく言われるようにオタクはちょろい。私が仲良くさせていただいている某LiVS支持者はランルウさんがTwitterでやっていたリプ返タイムでもらったリプで特典会で会いに来てという旨の返事をもらい、まんまとランルウさんの列に並んでいた。かくいう私もFinallyの中で一番カワイイなと思っていたメンバーさん(Aoiチャン)がフロアに下りてきて直接タオルを渡してくれて危うく好きになりそうになってしまった。そのコは自己紹介で、グループ最年少だと言っていた。お前はロリ・コンだと言われているようで私の心が傷付いた。(あとで調べたら25歳のようで。私がロリ・コンではないことが実証された。)前に岡田斗司夫さんが何かで言っていたが、この世は明るい馬鹿が一番モテるのである。Aoiさんはまさにその明るい馬鹿という感じで(違っていたらすみません。初見の印象です)非常に魅力的だった。LiVSにはいないタイプ。オタクがフロアでやっているサークル(輪になってグルグル回るやつ。私は苦手)に交じって一緒に回っていたのにはびっくりさせられた。Finallyの中で目を引く存在だった。まんまと新規無料チェキを撮りに行ってしまった。話を戻すと、タオル。なんでAoiチャンがタオルを私に渡したかというと、みんなでタオルを回す曲がある。持ってきていない人向けにタオルをステージから投げたりフロアに下りて渡してくれたりするの。この誰も置いていかない感じ。一体感の作り方としてうまいなと感じた。Finallyの支持者たちはLiVSの曲が終わる度に歓声をあげたり拍手をしたりしてくれた。普段のLiVS現場ではどういうわけかあまりその習慣がない(おそらく、曲が終わっても間を置かず次の曲を始めることが多いからそうなっているのだろうと思う)。LiVS支持者たちもFinally支持者たちに触発され、フロアの熱量はいつも以上だった。