鼻の下の髭を深く剃ろうとしたらしっかりめに血が出た。私は電気シェーバーでも出血することがごく稀にある。不器用な男。髭剃りデビューした初期にはカミソリを試したこともあったのだがうまく扱えず、髭を剃っているはずが自傷行為のようになってしまった。それ以来、カミソリは使っていない。
新宿Red Cloth。新大久保でメシを食ってから歩いて行ける利便性。サビハ・ハラル・レストラン。マトン・ビリヤニ JPY1,210。スパイシー・ティー JPY275。ここのビリヤニは前にマルコが私のトゥィートを見て興味を示していたことがある。行ってもいい? いいけど、もし俺がいたとしてもストーカーじゃないからね。むしろ私が(笑)。
今日の対バン相手はONIGAWARAという男性二人組。開場前に会場前に集う支持者たち。全員が女性。仲良さげ。私たちの女性版と言える。バンドとの対バンを観に行く度に思う。アイドルという業態を取っていなくても男の演者には主に女の、女の演者には主に男のファンがつく。バンドであったとしても異性として見ているから、異性として惹かれるから熱心に追いかけているという面は多分にあるのだろう。もちろん一口に異性と言っても見方は人によってグラデーションがあって、親のような目線で見ている場合もあるかもしれない。
今日のチケットはなぜかイー・プラスで発売。慣れない。使いづらい。整理番号の1-10番までONIGAWARAの支持者たちが独占。11番がH氏。12-13番は入場時間には不在。14番が私。15番がG氏。お願いすると一瞬で快く最前を譲ってくれるONIGAWARA支持者の皆さん。平和的、友好的。タイムテーブルは発表されず。いつものようにLiVSだけが情報発信をサボっているのかと思いきやONIGAWARAもRed Clothも発表していない。が、おそらくLiVSが先だろうという皆さんの読み。的中。バンドとの対バンでLiVSが先攻ではなかった記憶がない。入場時にヒイナマツリさんからフライヤーを受け取る。
時間差で来る、マルコの匂い。最初にマルコがステージに入ってくる。その時点ではまだ匂いが私に届いていない。マルコが場所をずれて、そこに二番目のランルウさんが来るわけだけど、そのタイミングでマルコの匂いが私の鼻腔を刺激した。おそらくマルコが数秒間立ち止まったときの残り香をランルウさんがフロアに押し出したのだと思う。マルコの匂いを嗅いでいる間だけは人生の悩みがすべて消える。幸せ。マルコが命を燃やしながらステージで自分を表現しているのを、目の前で、観て、聴いて、嗅ぐことが出来る。二度とない、同じ時間。それを共有している。今日も匂い嗅いだ? 嗅いだよ。全部吸い込むんだよ。
マルコの見せ場が減っているのをある程度は受け入れられるようになってきた。少なくともかつてのマルコの歌割りをバンビバンビとヒイナマツリが歌うことへの明確な嫌悪感は催さなくなってきた。少し躊躇いながらも二人へのコールが出来る精神状態にはなってきた。バンビバンビには声の圧がある。ヒイナマツリは……現状では歌に関してはボトルネックかもしれない。“CRUSH”でマルコの歌割りがヒイナマツリとマルコに分割された箇所。連続して二人が歌うので表現力の差が目立つ。嫌悪感はなくなっても実力差をないことには出来ない。現状では“CRUSH”の良さとして私が前に書いた歌声の楽器的な心地よさは落ちている。
『4秒シグナル』や『私アイドルじゃないです』などの聴かせる曲から定番の盛り上がる曲まで幅広く盛りだくさんなセットリスト。LiVS全部盛りという感じ。『RとC』でフロアに下りない。下りることに頼らない。物足りなさは感じず。よいチャレンジ。
ONIGAWARA。皆さん(LiVSと目撃者)の作り上げた熱気が凄すぎて一曲目から汗をかいているとか(ハリー・ポッター風の紳士)、LiVSのファンの声がでかすぎて楽屋で怯えてた(アー写でしかめっ面でキャップを被っているラッパ我リヤのQさん風の紳士。実物の印象は異なる)なぞと言って我々を持ち上げてくれる。アー写でQさんっぽかった紳士にどことなくコンニチハクリニックさんみを感じる。キャラクター。ちょけかた。名前にONI(鬼)が入っているし、アー写の雰囲気からしてちょっといかつい感じなのかと思っていたら人柄も音楽もポップで優しかった。一方のLiVSもコンニチハクリニックさんがONIGAWARAさんの新曲『にほんごさいこう』をLiVSのスローガンである人間最高と繋げたり、ONIGAWARAの支持者たちにLiVS曲中のペンライト使用を促したりと、お互いが相手のファンと対話し巻き込むいい対バンだった。
家に帰ると声が枯れている。熱くなった何よりの証拠。最高だった対バン。それと直接関係のない、表向きにはおまけのはずの特典会にチケットやドリンクを足した以上の金額を使ったことに感じる後味の悪さ。胸がちくっとする。後悔のような、なんとも言えない感情。自分が価値を感じられるものに、価値を感じられる金額を出すのが大切。そうしないと精神が壊れてしまう気がする。やりたくないことをやって手に入れたお金は、せめて好きなことに、使って気持ちよくなるやり方で使いたい。今日たまたま観たYouTube動画で、きしたかの高野がラーメン屋で働き4時間でJPY5,200を稼いでいた。特典会では2-3分で消える金額。
地下アイドルにおける、特典会というシステム。もしコンサートが本質だとするならば、毎回クラウド・ファンディングをやっているようなもの。特典会をやらないと収益的に成り立たない。つまり構造的に身の丈に合わないことをやって、本質ではない部分で金銭的に埋め合わせていることになる。もしそれが違うというのならコンサートだけにして、チケットを高くすればいい。特典会をなくせばいい。それで人が集まるのか、商売として成り立つのか、期間限定でもいいから検証してみればいい。と言いつつ、自分がこのシステムに依存し、救われ、抜け出せないのも否定できない。この街を愛すと同時に憎んでる(MSC feat. SHINGO☆NISHINARI)。アイドルというシステムを愛すと同時に憎んでる。救われると同時に殺されている。頭のどこかでは常にやめる理由を求めているのかもしれない。スパッと行くのをやめようかな、やめてみたいな、という考えが頭に浮かぶことがよくある。何かのちょっとしたきっかけでやめるかもしれない。もはや好きで通っているのか、単にやめられていない状態なのかが、自分で明確に判別できない。本当は今頃、アイドル・オタクなぞもうやめているはずだった。アイドルに対して醒めているはずだった。ミニ・マルコを見つけてしまったのが運の尽きだった。LiVSという集団、目撃者という仲間たちとの出会いも奇跡のようだった。今更LiVSを離れて他の地下アイドルをだらだら見続けるつもりはない。どこかでキレイに足を洗いたい。
JPY6,000で写メ券1枚をおまけでくれるサービスがなくなった今、まとめてJPY6,000を出すインセンティブがない。チェキ1の写メ2(計JPY4,000)を買って、それでどうしてもおかわりしたければ少し買い足すくらいを自分の標準にしたほうがいい。チェキ1の写メ1(計JPY3,000)でもいいかも。今日、写メ券のおまけがない状態でまとめてJPY6,000ぶん買うのを初めてやってみて、やはり利点がないなと感じた。ちょっと魔法が解けた感覚。そもそも毎回JPY6,000を使うのが妥当なのかを考え直さざるを得ない。これまでの習慣が崩れる音が聞こえる。この一瞬で溶けたJPY6,000はなんだったんだろう。頭が痛くなる。それだけ今日の対バンは素晴らしかった。ONIGAWARAの時間も含め、それだけで十分に満足できるものだった。最前ゼロであれだけLiVSを、マルコを浴びてしまうと、それ以上を求める余地がない。今日は特典会なしで完結していると言えるくらい素晴らしかった。今日はチェキ写メを何枚買って…と考える時間がなかった。
今日あらためて思うが平日とは言えツー・マン(和製英語)の対バンにLiVS目当ての入場者が15人くらい。チケット代JPY3,500で小さな箱で簡単に前の方でみられるグループに、最前確約だからと言って10万のチケットを売るのも買うのも異常だと思う。そのレベルに達していない。最前や前方に希少性がないはずなのに、身の丈に合わない規模の会場で公演をやるために無理やり見かけ上の価値をつけている。