2024年12月22日日曜日

ULTRA!! (2024-11-30)

体調不良で干した11月24日(日)の主催公演。発熱などの分かりやすい風邪症状はない。疲労。気力・体力の低下。コンサートを楽しめる心身状態にないと判断。平日の労働は気を張っているからまあ何とかなる。問題は余暇。最近は週末にサテンでブログを書こうとしても居眠りをしてしまう。読書もはかどらない。(最近このブログの更新が少し遅れていたのはそのためである。今ではほぼ復調している。)11月16日(土)のコンサートも十分に入り込むことが出来なかったが、それが更に悪化していた感じ。11月24日(日)を欠席すると次にBLUEGOATSを観るのが決まっているのが12月29日(日)。その前に可能性があるとすると12月15日(日)だがコレはコンサートではなく縁日イヴェントなのでたぶん行かない(結局、行かなかった)。となると年末までBLUEGOATS現場がないが、それでは物足りない。Twitterのタイムラインに流れてきた11月30日(土)の対バンの告知ツイート。急遽、チケットを購入したのが11月25日(月)22時58分。チケット番号はA90。

BLUEGOATSの出演する対バンに入るのを、私は頑なに避けていた。集団を問わず対バンというものに入ったことがない。お目当ての出演者以外には『マジ興味ねぇ』(DJ OASIS feat. K DUB SHINE)。なんで知りもしなかった集団を何十分も観なきゃいけないんだ。それに、普段は接点のない複数集団の支持者が同じフロアに密集することによるストレスは容易に想像できる。それぞれにお作法、文化が異なるからだ。BLUEGOATSを理解し愛する人たちが集まっているからBLUEGOATSのノリ、雰囲気が成立する。明文化されたルールだけでなくその現場ならではの不文律がある。ある意味その閉鎖性こそがBLUEGOATSの現場をBLUEGOATSの現場たらしめている。もちろんコレはBLUEGOATSに限った話ではなく他のあらゆる集団についても同じことが言える。何も知らない部外者によって普段の平和や秩序がぶち壊される可能性がある。それに対バンとなると今度は対バン特有のお作法もありそうでなんだか面倒くさそう。今回に関しては出演者がBLUEGOATSともう一組だけであること、BLUEGOATSのコンサートを30分×2セット(60分)観られること、対バン相手のLiVSが若い女の集団であることから私は参加を決意した。若い女の集団ならまあ見ても損はないかなと。コレが男のバンドだったらおそらく申し込んでいなかった。

11月26日(火)に三川さん(BLUEGOATS運営)がササガワ氏(LiVS運営)とツイキャスで対談していた。もう90枚くらい売れてるらしいっすよ。え、SOLD OUTにしないと。まだイケるよ。対バンをSOLD OUTにしても意味ないから。いや物理的に入れないから。的なやり取りを、そのちょうど90番を買ったのは私なんだよなと思いながら聞いていた。この対談を視聴することで私のLiVSへの興味が増した。若い女の集団という以外には何も知らなかったが、不登校だったメンバーさんが多いことや、運営が音楽を本気で作っていてアルバムという単位で聴かせることにこだわっていることなどを知った。アルバムのくだりにちくりと噛みつく三川さん。LiVSは色んな曲があるからこそ何をやりたいのか分からない。BLUEGOATSはアルバムではなく単発でポンポン出していくから同じ方向性の曲を出し続けても成り立つ。BLUEGOATSがやろうとしていることは宗教。というようなことを言っていた。面白かった。おそらく私の後にチケットを購入したのは数名、多くて10名くらいだろうか。最終的にはSOLD OUTになっていた。実のところ主催公演に比べ対バンはゆったり観られると耳にしていたので完売は想定外だった。

11時開場、11時半開演という我々の昼食チャンスを完全に潰しに来る嫌がらせのような時程も、先日のツイキャスを聞いて理解した。この対バンがそうだとは言っていなかったが、一般的な話として昼の時間帯の方がライブハウス(和製英語)の使用料が安いのだ。仕方ない。昼食はスキップする。その代わり、朝食は池袋駅北口のコメダでゆで卵とトーストのモーニングにゆで卵をひとつ追加。最低限のたんぱく質を確保。卵二つで約12g。今日の会場、Flowers Loft Shimokitazawa。下北沢駅からすぐ。近隣のスーパー・マーケット、オオゼキで売っていた大ぶりな柿がおいしそう。カバンをコイン・ロッカーに預けているので公演後に買おうと思ったがもちろん公演後には忘れていた。会場前には人が溜まっても邪魔にならない空間があって、肩身の狭い思いをせずに入場待ちが出来た。記念撮影をするLiVS支持者たち。意外と女性もいる。まともな位置には行けないことが確定しているA90番の私。気楽に待ち、ほぼ最後の客として入場。フロアは思ったより混んでいない。段差のある後方二列目を確保。つくりが横に長い。だからステージは近い。覚悟していたよりも総じて良好な環境。開演前、各運営から注意事項のアナウンス。LiVSは静止画も動画も自由。どんどんSNSに上げてくれというスタンス。一方、BLUEGOATSは静止画のみOK。ミックス(ファイバー、サイバー、ジャージャー的なキモイ絶叫)が禁止。今回は出演集団が二つだからまだいいものの、コレが三つ、四つとなると訳が分からなくなるだろうな。あれ、今って何がよくて何がダメなんだっけって。

耳栓を忘れたことに、家を出てすぐに気付いた。まあいいやと思いそのまま駅に向かったが、結果としてよくはなかった。過剰な音量。大きすぎる耳へのダメージ。終演直後に近くの紳士が耳が死んだ…とお連れの紳士に言っていた。同感。明らかに耳に悪い。あのとき横着して家に戻らなかったのを悔やんだ。コンサート中、すぐ近くで誰かが思いっきり絶叫してもまったくうるさいと感じなかった。それくらいにコンサート自体の音が大きかった。ただその分、自分も叫びやすかった。いくら大声を出しても目立たない。埋もれる。その安心感。思う存分、私は大きな声でBLUEGOATSを歌い続けた。誰に配慮することもなく。それは快感だった。世界から自分の存在がなくなっているようで。もっと大きな何かの一部になっているようで。他人の目がいっさい気にならなくなって。自分がどんな大きな声を出しても周りに影響を与えることがない。この世界を変えることがない。だから好き放題に感情を爆発させていいんだって。フロアの前にいるか後ろにいるか。そんなことは関係ない。何度も息をすべて吐き切るまで叫び続けた。最初から最後までフロアのヴァイブスは満タンだった。BLUEGOATSとLiVSが入れ替わる30分の区切りごとにきつい…という声が聞こえてくるほどにヘッズがすべてを出し切っていた。今日に関しては対バンという形式がこれ以上ないほどバッチリとはまったように感じた。ステージ側もフロア側も互いの陣営同士がバチバチに勝負している感じもありつつ、お互いを尊重している。両方の支持者たちが相手の集団に敬意と興味を持ってコンサートを作り上げている。二組という少なさ。BLUEGOATSとLiVSの親和性。振り返ると今年でいちばん熱くて楽しい現場だったかもしれない。(まだ一年が終わっていないが。)

LiVSには好印象を抱いた。メンバーさんを順繰りに見ていくと一人の婦人に目が留まる。ショート? ボブ? の黒髪。Juice=Juice時代の宮本佳林さん感のあるパッと見の第一印象。しなやかな身のこなし。魅力的な歌声。可愛らしい。もし私がLiVSでいわゆる推しを決めるとするとこの淑女以外にあり得ない。お名前だけは覚えないと。後でチェキを撮りたい。お話をしてみたい。自己紹介でお名前が判明。「いーつだって 忘れなーい 自己紹介が思いつかない そーんなーのー常識ー はい、LiVSの著作権ギリギリ担当、ミニ・マルコです」。ちびまる子ちゃんの替え歌。それでミニ・マルコさん。覚えやすかった。どうやら今回でいうところの「自己紹介が思いつかない」の箇所を毎回変えているようだ。自己紹介がそれぞれにネタを仕込んでいて個性的だった。挨拶担当のコンニチハ・クリニックさん、略してコンクリ。あとびっくりしたのがユニセックスさん。その名前、なんで? ヘッズのノリはよくある地下アイドルのテンプレート(ミックスとか、曲中の然るべきタイミングでそのとき歌っているメンバーさんの名前を叫ぶとか)を基本としつつも、割と多彩だった。『RとC』だったかな、ではヘッズがみんな肩を組んで前後に身体を傾けているのが面白かった。

新規はLiVS公式アカウントをTwitterでフォローすれば写メ券が無料でもらえるというLiVS運営からのアナウンス。行くっきゃない。買うつもりだったので渡りに舟。どうやらBLUEGOATS支持者が入場者の多数を占めていたようで、物販列はBLUEGOATSが数倍長い。先にLiVSの列に並び、新規である旨を申告、LiVSをフォローする。ミニ・マルコさんはさっきフォローした。新規なんですけど、と言うと売り場の女性が非常に喜んでくれた。フロアの奥でLiVS、手前でBLUEGOATSの特典会が行われた。やはり参加人数はBLUEGOATSが数倍多い。先にLiVSの方に行っておかないと終わってしまう可能性がある。ミニ・マルコさんの列に並ぶ。撮影係の紳士に写メ券とiPhone SE (2nd generation) を渡す。私が被っていた帽子(W@NDERFABRIC)のつばを手でつまんでポーズをとるミニ・マルコさん。今日はじめてLiVSを観たんですけど、いちばん目を引きました。目で追っちゃいました。とお伝えする。あの辺にいたよねとか、目も合った気がする~なぞと分かりやすく模範的なアイドルの接客対応をしてくださるミニ・マルコさん。久しく味わっていなかったこの感じ。氏が私の服を褒めてくれた流れで、帽子(W@NDERFABRIC)の話をする。曰く、叔父さんが帽子を作っているので自身も帽子が好きなのだという。最後に名前を聞かれ、しいてきと答える。しいてきね。覚える! と言ってくださったが、覚えられるはずがない。なぜなら普通、しいてきという音ではctekiという表記にたどり着かないからだ。また来てね! と手を振ってくれるミニ・マルコさん。頷く私。その後、BLUEGOATS側に移動する。場所が狭すぎて列が混沌状態。並んでいる人に聞いても誰の列なのかが分からないという。チャンチーさんは喉を傷め直近のコンサートでは歌唱なしだった。今日から歌えるようになった。回復を祝いたいヘッズで長くなった列。人の多さを見た三川さんがうわっこんないるのかよという感じで顔をしかめていた。オシャレ! と服を褒めてくれるチャンチーさん。いつもと違う感じ。コレ(上着)最近買ったんだ。でもバッカ高いんでしょ、シュプ(Supreme)って。古着で5万くらいしたと答えると目を丸くして打撃でも食らったように少し後ろにのけぞるチャンチーさん。何がそうさせるの? というチャンチーさんの問いがこんな高い服を買ってしまう私のことを言っているのかと思い、まあオタクだからなぞと嚙み合わない回答をしてしまった(チャンチーさんが聞いていたのはSupremeの服が高価になる理由だった)。

2024年12月15日日曜日

3周年記念ワンマンライブ“一生青春” (2024-11-16)

男なら二枚はイケる(D氏談)でお馴染みのThe Pizza下北沢店。食べログには土日祝日10時半開店と書いてあるが実際の開店時間は平日同様、11時だった。食べログの編集権限を持ってる奴、早く直せや。というか店側で直せや。仮に更新したのが客だったにしてもそれを放置すなや。今日も11時半開場、12時開演という例によって我々の昼食を完全無視した時程。とはいえこっちにも食い意地がある。せっかく下北沢に来たんだし、入場列に並ぶ前にちょっと食っておきたい。10時半の開店直後にThe Pizzaに入れば入場列にも支障なく並べるんじゃないか。と思っていたが確認のため中に入ると11時からですとお店の紳士に言われた。このためにわざわざ10時半前に下北沢駅に着くようにしたんだぞ。ふざけんな食べログ、と思いながら付近を歩いていたら偶然、今日の会場が見つかった。下北沢WAVER。10時半すぎの時点ですでに数十人が列を為している。これを見て少しでも前に行こうという私の思いは砕かれた。今日は彼らに委ねて、後方で観よう。たぶん今から急いで列に加わったところで大して変わらない。開場時間になったらまた来よう。ちょうど体調もさほど良くないし。今日は軽めに流す感じで。いやあなんかはっきりと風邪をひいているとかじゃないんだけど、何となく低調で。蓄積した疲れがある。11時ちょい過ぎにThe Pizzaに入店。ミックス・ピザ二枚を平らげて男であることを証明。あとバドワイザーを飲んだけど小瓶すぎて。11時半ちょうどくらいだったかな。再び会場の前へ。3周年という節目のコンサート。チケットは早い段階で完売。買いそびれたヘッズが続出したようで、一人でも多くヘッズを詰め込むために都合がつかなくなった人からのキャンセルを受け付けていた。事前にBLUEGOATS運営から混むので荷物を軽くするようにしてくれというメール、そしてかなり混むので覚悟してくれというツイートまであった。私が入場した時点では既に満員に近かった。近くにいた三川さん(事務所社長)が、俺が客だったらこんな混んでるのイヤだわなぞと言っているのが聞こえた。そして林田さん(事務所副社長)が、あと10人行けたな。もっと儲けれたなぞと冗談めかして言い、笑っていた。そんな喋りが聞こえるだけあって私が立っていたのはほぼ一番後ろ。ほぼ左端。結果的にはコンサートに乗り切れず、私としては不完全燃焼。だが場所が悪かったせいと一概には言えない。自分の体調の影響が7割くらい。声を出す元気が出てこない。仮に前の方に行っていたとしても熱量についていけていなかったと思う。だから今日は後ろでちょうどよかった。あと驚いたのが、近くにいた紳士が意識を失い、ヘッズ数名と林田さんによって外に運び出された。コンサート中、その紳士が壁際に移動していた。足でも悪くて壁に寄りかかりたいのかなと思っていたが、その後にドサッという音がして。数秒後にそっちを見ると、その紳士が床に倒れている。少し経つと苦しそうに早いテンポの呼吸を何度かしていた。私も氏を運び出すのに協力しようかと思ったが人手は足りているようだった。今日に関しては元からコンサートにあまり入り込めていなかったのに、さらに彼のことが気掛かりになってしばらくコンサートに集中できなかった。ちなみに数ヶ月前に近所の銭湯で気を失った紳士がいて、私はその人を脱衣所まで運ぶのに協力した。ライブ・ハウス(和製英語)にしても銭湯にしても、大勢の人が周りにいるから万一のことがあったときに何らかの処置には繋げてもらえる。その意味でも、我々のように身寄りのない独居中高年男性は人のいる場所で多くの時間を過ごすべきである。

この下北沢WAVERは、BLUEGOATSが3年前にデビュー公演を行ったのと同じ場所らしい。三年間で横浜アリーナを埋めるという結成当初の目標からすると、その約束の時期にまったく同じ会場でコンサートをやっているというのは穏やかな事態ではない。悔しくはないとダイナマイト・マリンさんは言った。曰く、大きな会場でライブをやれるのはもちろん素晴らしいこと。でもそれよりも目の前の一人一人と目を合わせてライブをやることが何よりも大事だとこの三年間で気付くことが出来た。チャンチーさんは、三年を経過しても集団を継続させることが決まってから、一ヶ月くらいは受け入れられなかったと吐露した。三年間という期限を決めてやってきたから。でもみんなの前に立ってライブをしていたら、これは続けないと後悔すると思った。アイドルを9年やってきて、こんなにライブをしていて幸せなのは初めて。朝10時からお客さんゼロのライブをやったこともある。人がパンパンに詰まった今日の景色を見られるのは幸せというようなことを言っていた。コンサート中に差し挟まれる各メンバーさんのコメントから、会場が三年前と同じだったとしても、三年前と同じBLUEGOATSでは決してないというのがひしひしと伝わってきた。

恒例となった、『東京タワー』の冒頭アカペラ合唱。こうやってBLUEGOATSのノリがどんどん積み上がっていく。既存の正解ではなく、地道にひとつひとつ自分たちで作り上げていくから価値がある。

ちょっと前の動画でチャンチーさんは、修学旅行でニュージーランドに行ったことがあると言っていた。ニュージーランドは私が子どもの頃に五年間住んでいた国なので、特典会でその話をした。そのときにモールに行ったとかスキーをしたとか、何かしら私と共通の経験を探ろうとしてくれたが、なかった。時代が違うからね、と私は言った。というかさ、普通、修学旅行でニュージーランドなんか行かないよね。結構、お嬢様学校だよね? そうなの、実は。あんまり言っちゃいけないんだけど…的なことを言っていた。

14時キックオフの、ジュビロ磐田対横浜F・マリノス。ササッとチェキを撮って会場を後にしたものの、サテンに入る前に試合が始まった。Fire HD 10を抱えながら歩いた。そしてサテンに入る前に失点。前半わずか四分。何やっとんねん。珈琲館に入って試合の残りを見届ける。そこからマリノスが四点を返し(含アンデルソン・ロペスさんのハット・トリック)、楽勝かと思いきや終盤にジャーメイン良さんにあっさり二点を決められ一点差まで詰め寄られる。結局、4-3で逃げ切った。エンタメとしてはハラハラして面白かったが、相変わらず守備に大きな問題を抱えているマリノス。この勝利が柏レイソルの明治安田J1リーグ残留に大きく貢献することになる。後で柏レイソル支持者である以前の勤め先の先輩から感謝のLINEメッセージが来た。

試合終了直後にD氏と合流。私と会うために2時間限定で仕事を抜け出してくださった。別のサテンでしばらく歓談。明治安田J1リーグの残留争いと明治安田J2リーグの昇格争いの話。17時になったらケバブ・シェフへ。数年前にKと来て気に入っていたトルコ料理店。ケバブ盛り合わせ、ナスのメゼとパン。久しぶりだが味がよく値段も手頃。あとピデを頼んだが、作れないことが18時間際に判明。時間もないので追加オーダーはせず。実はD氏も私と同様にピザなどの一部例外を除きチーズがお嫌いであることが判明。

かえってきたアイドルめいめい (2024-11-10)

隙あらばビリヤニを食している2024年4月以降の私だが、この米料理をカレーあるいはそれに類する何か(スープ等)と混ぜて(かけて)食べるという発想のファンではなかった。そこにハーモニーはない。味が強い同士で打ち消し合う。それぞれの個性が感じられなくなってしまう。カレーはナン、チャパティ、ライス、ドーサと食べるべき。ビリヤニは既に完成した料理。何かを足すべきではない。単独で味わうべき。(もちろんライタは別ね。)と思っていたが、再考を促された。東池袋エー・ラージ。マトン・ビリヤニ 海老サルナとトッピング・オムレツJPY2,300。サルナというのはグレイヴィー状のカレーのような何か。それがマトン・ビリヤニの上にかかっている。私のそれまでの感覚だとビリヤニとサルナが主張し合って互いに譲らない展開になるはずだった。ラージさんが作ったこの一皿では不思議とそれが起きていない。むしろお互いを引き立ててすらいる。

HIP HOPとは何ぞや? んなもん分かったとこでそれがナンボや?(Mummy-D)(『Rhymester曰く、』、Rhymester)

この日限定でめいめいがアイドルに戻る。そのような触れ込みで発表されたコンサート。アイドルに戻るとか、アイドルをやるとか、私はそういった言い回しを聞く度に引っ掛かる。アイドルという言葉が英単語のidolと同じだとするならばそれは偶像や憧れの存在といった意味を持つはずである。なろうとしてなれるものではない。自分から名乗るものでもない。職業ではない。ましてや歌う、踊る、チェキを撮るなどの具体的な活動テンプレートとも無関係だ。一日だけアイドルに戻る、というめいめいの声明。これはアイドルが職業や具体的な業務内容を指す言葉でないと成り立たない。アイドルとは何ぞや? めいめいに聞いてみたい。しかし、聞いてみたところでそんな質問には意味がないのかもしれない。なぜなら日本におけるアイドルはもはやidolとは直接の関係がない、aidoruという職業だからだ。当事者たちがそう捉えている以上、それが答えなのだ。Idolという英単語はこういう意味でなんていう蘊蓄を持ちだしたところで、んなもん分かったところでそれがナンボや? なのである。「この現場以外に本場なんてのは存在しない」(宇多丸)(『ウワサの真相』、Rhymester feat. F.O.H.)。ただ、それでも言っておきたい。かつてKRS-ONEは言った:Rap is something you do. Hip-Hop is something you live。同じように、歌ったり踊ったりすることはsomething you do。アイドルis something you liveのはずである。

以前、ミュージカルのチケット代の入金を忘れ、締め切り日の翌日にファンクラブの担当者からきつい口調のメールが来たことがある。その一件でファンクラブから目を付けられ今後の公演で割り当てられる席のランクを落とされてしまうのではないかという一抹の不安があった。幸いなことにそれはなさそうである。直筆サイン入チェキ付S席。各部JPY11,000。私に与えられた本日の席は昼が最前、夜が5列目。本当にいつもありがとうございます。イイノ・ホール。たぶん初めて。霞ヶ関駅。閑散とする駅直結の地下街。ほとんどの店が閉まっている。セブン・イレブンが唯一の希望。17時に閉店するカフェ・ド・クリエ。昼公演(14時~)と夜公演(18時~)の間に入ろうと思ったが17時閉店だとレジで店員氏に言われやめた。平日の近隣オフィス勤務者たちに最適化された駅。無機質。場所は違うけど去年の一人芝居コンサートのときもこんな感じだった。

ファンクラブ会員向けにセット・リストが事前公開された。Hello! Projectだけかと思いきや、今流行っている陣営のも盛り込んである。一応、義務をこなすようにさらっと目は通した。このブログで何度も書いていたように、私がかつて抱いていたアイドル的なものに対する情熱はそのかなりの部分が消失している。だから、いくらゴリゴリにアイドル色の強いセット・リストを見せられたところで、そこまで掻き立てられる感情は持ち合わせていない。それがたとえめいめいであっても。もし私が今でもそんなにアイドルに夢中なら、そもそもめいめいの個人活動は追っていないと思う。“アイドルの応援”から半分降りたからこそ、めいめいを見るのに一定のお金と時間を割いているのだ。“アイドルの応援”を主軸に置いている人がめいめいの活動を追ってもあまり満たされないだろう。もちろん私は今でも大きな括り(ジャンル、カテゴリ)で言えばアイドルを追っている。しかしHello! Projectは見るのをやめ、その後しばらくKissBeeを見ていたがもうやめ、今ではBLUEGOATSに熱中している。私がアイドルというカテゴリ、ジャンルに求める要素やそのバランスの変容が、この変遷に隠されていると思う。アイドルに限った話というよりは、私が趣味や娯楽全般に求めるものを、フットボール観戦を中心とする他の手段と組み合わせながらどうやって埋めていくかという問題。

セット・リストをまともに予習しなかったのは『マジ興味ねぇ』(DJ OASIS feat. K DUB SHINE)のもあるし、労働のストレスで精神的な余裕がなかったのも大きい。頭の後ろに十円ハゲが出来ている。(鍼の先生曰くハゲた箇所に毎日ショウガを塗ると治りが早いらしい。)ただ、コールが出来るように準備してきてほしいという先方の狙いを完全に無視したところで自分が楽しめなくなるだけだ。だから当日、知らない曲を一度ずつ聴いてみた。Spotifyにあった。あと、一曲目の『ドキッ! こういうのが恋なの?』(キャナーリ倶楽部)が肝だろうなとは踏んでいた。幼女のメンバーさんと客席のオジサンたちのコール&レスポンスが地獄絵図で有名なやつ。免疫ない人が見たらドン引くぞ。これがノン・フィクション。ハイ、ハイ、ハイ! とかかーもね、ハイ! とかやけにオタク側がハキハキして統率がとれてキレがいいやつ。それを一曲目に持ってくるってことはめいめいとしてはのっけからぶち上げたいんだろうなと。だからあの有名な動画をYouTubeで観て、我々サイドがどこで何を発声するのか何となく把握しておいた。ところがその努力は無残にも水泡に帰した。昼公演。最前。数メートル先でぷるぷる震えるめいめいの生ふともも。コールどころではなかった。曲どころではなかった。最初の衣装。めいめい(26)が根本付近まで見せてくださるふともも。わずか3曲で衣装替え。減った肌面積。残念。束の間の夢。

夜公演。5列目のそれも横(左)のブロックだったので、ステージと客席を全体的に俯瞰するようにコンサートを味わうことが出来た。これはこれでよかった。(最前にいると全体としての盛り上がりは分からない。)コンサートの流れも把握済みなので、良くも悪くも身構えず、リラックスしていた。ちょっと疲れていたのもあって、ぼんやりしながら観ている時間が長かった。最後の方。『デモサヨナラ』(Dorothy Little Happy)。フックのリリックで、好きよの連呼。
めいめい:好きよ
ヘッズ:オレモー!
めいめい:好きよ
ヘッズ:オレモー!
オレモー! と迷いなく叫ぶ活力は私の内側から湧き出てこない。浮かべる苦笑い。ステージで輝く一人の美女と、お金を払って彼女を観に来ている不特定多数による、恋人同士で交わす言葉のようなコール&レスポンス。これで救われる人もいるのかもしれない。それを否定するわけではない。ただ、今の私にはどうしてもグロテスクに思えてしまう。ああ、俺には無理だなって思った。もうこのゲームに入れ込めない。たとえばフットボール・ファンが、なんでボールを蹴り合ってゴールに入れるだけでいい歳の大人同士がこんなにムキになっているんだと我に返ったような感覚。それ言っちゃお仕舞いじゃん。お仕舞いなんだろう。

めいめいの、リスクを取った人生。すべてをさらけ出して、何の保証もない。他方、リスクを避けながら、匿名の存在、群衆の一部として、めいめい側の人たち(アイドル、芸能人、音楽家、スポーツ選手、実業家、等々)の活動を娯楽として消費する我々。自分はやらないけどそれをやる人たちのことは安全な場所から見たい。めいめい側の人間と、我々側の人間。そこにはとてつもない断絶がある。夜公演のステージを眺めながら、なぜかそんな思考が頭をよぎった。

2024年10月27日日曜日

駆け抜けて青春〜後夜祭〜ワンコインLIVE (2024-10-14)

起きて洗濯機を回し、日焼けサロンで18分焼き、ちょこざっぷで30分走り、セヴン・イレヴンのホット・コーヒー(R)を飲み、家で冷水シャワーを浴び、お香を焚く。模範的な祝日の朝。幸先いい。新大久保ソルマリ。ソルマリ・ミックス・プラッター、サモサ・タルカリ、アサヒ・スーパー・ドライ。今日は時程的に夕食がまともに摂れないかもしれない。コンサートが19時半開場、20時開演なんだけど、その前にYouTubeメンバーシップ限定のオフ会がある。そちらが16時半集合、17時~18時半がトーク・ショウ、18時半~19時半が特典会。つまり16時半から隙間がまったくない。可能性があるとすればオフ会の特典会終了からコンサートの入場までの間。19時半までと言っても最後まで残るのはメンバーさんと枚数を積むおまいつだけ。私が最後までいるわけではない。メシのことばっか気にして食い意地が張ってンなと思うかもしれないが、再三に渡って書いてきたように、休日のメシってのは私にとっては本当に重要。BLUEGOATSはたまにあるんだけど11時半開場の12時開演とか、やめてほしい。

オフ会もコンサートも同じ新宿Marble。オフ会前に紀伊国屋書店を見たり近辺をテキツーにぶらぶらしていたら中途半端に時間が余った。わざわざサテンに入るのもアレなんで、ファミリー・マートでモカ・ブレンド(S)を買って店の近くで立ち飲み。出入り口のすぐ横で缶ビールを呷りつつ店を出る若い女に声をかける50代くらいの赤ら顔白人男性。Hey, where you goin'? なんと相手をしている。24歳。これから近くで仕事。How often do you dye your hair? とか、You look like a Chineseといったホワイト・トラッシュの不躾な問いかけにも笑顔で対応する女。しばらく歓談した後、仕事に遅れちゃうからと立ち去る。

オフ会はドリンク代がかからないとは聞いていたが、ドリンクをタダでもらえるという意味だとは思わず、びっくりした。ドリンク代がかからない代わりにドリンクももらえない(欲しいなら自分で買う)ものと思い込んでいた。ラム・トニック。既にフロアに置かれた椅子のすべて(50個くらいだったか)にケツかカバンが乗っている。その後ろで立ち見。もしどうしても立っているのがつらい人がいたら誰か代わってあげてほしいと呼びかける三川さん(株式会社TEAF代表取締役)が本日の司会。あるビッグな案件のオファーが来た話や、メンバーが曲のリリックを解説する企画をYouTubeでやりたいという話、Q&Aなど。コンサートとは違って落ち着きのある雰囲気の中、色んな話を聞くことが出来て面白かった。特典会はメンバーさんが私服で登場。普段は同じコンサートの衣装で代わり映えがしないので、服が違うだけで新鮮。しかも一人一人、特徴があって可愛らしい。特にダイナマイト・マリンさんのオーヴァーサイズドな太いジーンズとグレーのバンドtee?の合わせが印象的だった。チャンチーさんは白系で、フリルっていうかレースというか半透明の何かを重ねた彼女らしい合わせ。ほんま・かいなさんは身体にフィットした黒系の合わせ。ソン・ソナさんはどんなのだったか忘れたがきっと可愛かったと思う。特典券がなぜかいつもよりJPY500安いJPY2,000だった。チャンチーさん。私が来ていた長袖tee(W@NDERFABRIC)を褒めてくれたので、チャンチーさんも古着好きなんだよね? と聞いたら頷く。最近は買っているの? 聞くと買っていない。買うときは店に行く派? それともネットで買うかを聞くと店に行くとのこと。私がネットで見ていると言うと、どこを見ているのか聞いてくる。色々見るよ。レディースもある? あるよ。でもやっぱ男の服の方が多いかな。たとえばFlamingoとか、JAMとか、Feeetとか…といくつか挙げてみたところ三つとも彼女は知っていた。でもFlamingoはなんだかんだ高いんだよね。質はいいんだけど…もっとお金があるといいなとチャンチーさん。給料が増えるといいね、と言ったくらいでお時間。また(このすぐ後の)ライブでね、とチャンチーさん。私が当たり前に来るものと認識してくれているのが嬉しい。ちなみにBLUEGOATSの基本給は3万円で、最近まで2万円だった。実際にはチャンチーさんの場合YouTubeの編集などの手当が加算され7万円くらいもらっているようだ。

19時前には終わったので一旦、会場を出る。だがサクッと食えてなおかつ興味をひく店がすぐに見つからない。なので夕食はキャンセル。19時20分くらい?に新宿Marbleに戻ると列が出来ている。おそらく特典会が終わった人からそのまま入場列を形成しているのだろう。コンサートのオフ会に続き、私は最後の方。列で近くにいたおまいつの紳士が、以前に特典会でかいなってワキがエロいよねと本人に言って本気で嫌がられたことがあるとお仲間に話していて、非常に興味深かった。19時半を過ぎても始まらない入場。どうやら特典会が延びているようだ。(開演は15-20分くらい押した。)いつもより安いし、メンバーさんの衣装がレアだしで、多めに買っている人が多いのかもしれない。オフ会は参加が無料な上にドリンクがタダでもらえたが、コンサートの方までドリンク代がJPY500値引きされてJPY100の支払いで済んだ(メンバーシップ会員は自己申告制)。そもそものチケット代がJPY500なのに。太っ腹。私がフロアに到達した時点でだいぶ埋まっている。四列目くらいの位置に立つ。すると前にいた紳士が「前どうぞ」と空いている前方のスペースに誘導してくださる(どうやらあえて真ん中くらいの位置でお仲間と楽しみたかったようだ)。「え、いいンすか?」。進んだ先が2列目。幸運。

前方にいたおかげで、特典会の別れ際、顔見えたよ。いい顔してたとチャンチーさんが言ってくれた。そういえばオフ会の特典会ではチェキのポーズを決めるとき、(筆者の)笑顔がいいからとチャンチーさんの指定で笑顔のポーズになった。たとえお世辞であったとしても笑顔を褒められたのは人生でほぼ初めてかもしれない。読者諸兄と同じように、私も決して笑顔の多い人生を送ってきたわけではない。笑顔といえばチャンチーさんの代名詞。ある長所を持っている人は、他人が示すその同じ長所を感知するセンサーが強いのだ。

合唱が今のBLUEGOATSのノリのキモである。特定の曲の特定箇所を歌うのではなく、全体的に一緒に歌うのが普通になってきている。歌うためにはリリックを覚えないといけない。私はこれを思ったよりも出来ていない。悔しい。リリックを見ながら繰り返して自分で歌ってみないと覚えるのは難しい。聴くのとリリックを覚えるのとでは別モノ。聴いているだけでは曖昧になってしまう。分からないときは適当に自分で歌詞を作って歌ってしまえばいいとオフ会でほんま・かいなさんは言っていた。実際、リリックを多少間違えたところで浮かない自由な雰囲気かこのフロアにはある。一糸乱れないマス・ゲーム的な合唱ではなく、それぞれの内なるパッションを解き放ち、それが合致した結果の合唱。肩組み。ジャンプ。終演後には私も周囲の紳士たちも汗をかき、顔は上気し、肩で息をしている。最高だぜ。回を重ねるごとに最高を更新していくBLUEGOATSのコンサート。その一部になれる幸せ。とはいえ、やっぱりリリックに確信を持って歌った方が大きな声が出せる。感情もより強く発露できる。そこはこれから上達していきたい。

特典会。2枚買って、一枚はチェキ、もう一枚はiPhone SE (2nd generation)で林田さん(株式会社TEAF副社長)に撮ってもらった。私のiPhone SE (2nd generation)背面に挟んであるNHK撃退ステッカーに興味を示すチャンチーさん。チェキにはNHKをぶっ壊すにかけて「ライブぶっ壊す!!!」とうまいことを書き込んでくれた。ライブでウチらをぶっ壊してほしい。NHKをぶっ壊してる場合じゃなよ、とチャンチーさん。会場を出る前にバー・カウンターでラム・トニックを作ってもらい、会場の外に持ち出す。外気を浴びながらラム・トニックをちびちびやる。これが夕食代わり。余韻に浸る。また近いうちにこの集団を観に来てその一部になりたいが、今のところ11月16日(土)まで入る予定がない。

2024年10月26日土曜日

駆け抜けて青春ツアー/PACHI PACHI 20 (2024-10-06)

私が初めてBLUEGOATSを観に行った2024年2月18日(日)の時点で、三年間という時間制限のうち二年以上が経過していた。もうその時点で現実的ではないのが明らかだった。入場無料の投げ銭公演でこの小さなライブ・ハウス(和製英語)がようやく埋まるかどうか。何がどう転んだらあと10ヶ月やそこらで横浜アリーナを埋められるようになるのか。チケットを捌けるかどうかの以前に、もう会場の予約をしておかないと間に合わない時期なのでは。大体フル・サイズのセット・リストを組めるだけの持ち曲がないじゃないか。メンバーさんも運営さんもファンも分かっていないはずがない。誰もハッキリと言わないだけで年末になったら解散するのが規定路線なのだろうか。スッキリしなかった。

BLUEGOATSは3年以内に横浜アリーナを埋めるのを目指して立ち上げられた集団である。過去のYouTube動画を見てもメンバーさんたちは度々その目標を口にしていた。そうである以上、三年が経った時点で、あるいは三年が間近になった時点で、何かしらの振り返りが必要になる。ゴールが達成できたのか、できそうなのか、無理そうなのか。それを受けてこの集団はどうしていくのか。活動を続けるのか、終えるのか。続ける場合、目標は据え置くのか、修正するのか。終える場合、個々のメンバーさんは別の形で芸能の世界に残るのか、業界から足を洗ってカタギになるのか。

前にチャンチーさんがインスタグラムの配信で、観に行きたいけどなかなか予定が合わない的なコメントに対し、会いに来られるうちに会いに来てほしい。ウチらは一応、期限つきでやっているから…というようなことを言っていた。やっぱり三年を区切りに終わってしまうんだろうか。私は薄々そう思いつつも、その不安からは目を逸らして、BLUEGOATSのある生活を楽しんでいた。1月16日(火)にBLUEGOATSの存在を知って以来、私はSpotifyにBLUEGOATSの曲をすべて集めたプレイ・リストを作成し、毎日のように聴くようになった。2月18日(日)から9月14日(土)の間にコンサートに7回入った。YouTubeのアオヤギ・チャンネルは生活に欠かせない。同じ動画を何度も繰り返して視聴している。

彼女たちの公演に足を運べば運ぶほど、曲を聴けば聴くほど、動画を観れば観るほど、横浜アリーナに行けませんでした。はい解散、で済ませるべき集団ではないと思うようになった。そんなつまらないことで終わらせるべき集団ではない。何せ日を追う毎にどんどん面白くなっていく。2月18日(日)時点ではフロアの熱狂がゼロだった。今となっては手がつけられないくらいにコンサートが盛り上がる。地下アイドルや地上アイドルのテンプレートに頼らない、BLUEGOATSなりの熱狂を作り出すという難題にこの短期間で答えを出した。これは驚くべきことだ。一体どこまで進んでいくんだ。もっと長く見ていたい。この先を見たい。デカい花火を一発打てたら成功、打てなかったら失敗、なんていう問題ではない。この集団の価値はそこではない。

目的が手段になり、手段が目的になること。その美しさをBLUEGOATSは教えてくれる。そしてその道のりを一緒に楽しませてくれる。記録よりも記憶。結果よりも過程。それこそがBLUEGOATSが言う青春なのではないだろうか。この東名阪ツアーでBLUEGOATSは経済的な事情から車中泊で移動していたのだが、寝ている様子までYouTube配信で映していた。見せすぎなくらい過程を見せてくれていた。今回に限らず、マラソン、24時間ライブ、10時間ライブなど、多くの企画を無料でYouTube配信してくれている。YouTubeの動画も簡潔、端的にまとめるのではなく、そこまで撮って動画にするのかと思うほど色んな場面を見せてくれる。動画の長さは1時間超えが当たり前。一見ムダに見えることや、報われるのかが分からない苦労、普通は見せないような部分まで開示して見せてくれることで、BLUEGOATSと自分が一蓮托生のような気持ちになってくる。実際、集団の公式スローガンが最近「あなたと私でBLUEGOATS」に更新された。我々サイドも歌をそらんじているのを前提に一緒に歌うことを求めてくる。「お前らもっとBLUEGOATSとしての自覚持て!」とコンサート中にチャンチーさんが煽ってくる(10時間ライブのときだったかな?)。

コンサートの終盤、ほんま・かいなさんから集団の今後に関する発表があった。「あたしたち、BLUEGOATS…これからも続きます! 終わらせません! あなたと私でBLUEGOATS! ウチらが終わったら、あなたも終わっちゃうでしょ? あなたを終わらせないために、あたしを終わらせないために、BLUEGOATSを終わらせないために、あなたと私でBLUEGOATSです! これからも、ずっと末永く、よろしくお願いします!」。特典会でチャンチーさんに、集団が存続するのが嬉しい旨をお伝えした。彼女曰く最近メンバーで話し合った結果、全員の意志が一致した。決まったのはこの数ヶ月の話。今の四人になってから。最後だけ(大阪、名古屋、東京の順に回るツアーの東京)でも一緒に過ごせてよかったと言ってくれたのを聞き、名古屋も行けばよかったかな、と思った。でもそうやって心残りになるくらいが丁度いいのでしょう。名古屋に行っていればどうせ大阪にも行っていればよかったと思うんだろう。(と言いつつも、次に機会があれば遠征してもいいかなと思っている。)

開場時間の直前まで会場付近の地上にいたが案内が始まる気配がない。おまいつの姿も見ない。階段を下りてみると既に列が出来ていた。先にグッズを買う。ブルーゴーツとカタカナでプリントされたteeの白と黒。サイズLを購入。JPY3,000/枚。良心的。一般入場列のほぼ一番最後だったので4列目の右端になった。それでも十分にステージから近い。決して悪くはない。そういえば気付いたのが、BLUEGOATSの現場では常に同じおまいつが最前を独占せず、公演によってはあえて真ん中や後ろで見ている。彼らのこの姿勢に私は好感を持っている。なかなか出来ることではない。今日、私の左隣にいたのがよく見るおまいつ氏だった。氏と肩を組んで左右に揺れた。知らない同士でも目配せして肩を組むと一気に互いの警戒が緩み緊張が解れる感じがする。うれしはずかし。現代社会で希薄になった他人との物理的接触。生きている感覚を取り戻せる。特典会の列に並んでいると新規らしき紳士たちが、あの子カワイイよね、ボブの。聖子チャンカットみたいな。チャンチーね。でも人気ありそうだから他の子にしたほうがいいかも(笑)なぞとスゴくオタクっぽい会話をしていて可笑しかった。

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目と鼻の先。BLUEGOATSのコンサート会場が渋谷CYCLONE。#KTちゃん のコンサート会場が渋谷WWW。本当に数軒先。読み方の正解が分からない。#KTちゃん は渋谷ダブダブ、客演したDOTAMAさんは渋谷ダブリュー・ダブリューと言っていた。(いま検索したところ渋谷ダブリュー・ダブリュー・ダブリューが正しいようだ。)私が最後の受付で購入したチケットは177番。ほぼ最後。たぶん整理番号は200番まで。入場していく紳士淑女を見る限り、客層はいかつくない。分別のありそうな人たち。177番が呼ばれる頃には入場を待つ人もほぼいなくなっていた。階段を下り、物販列に並ぶ。何日か前に #KTちゃん がTwitterに上げたグッズ写真を見てTeeシャツを買おうと思っていた。売り場で客を捌く、愛想がよい女性たち。右から左に流れるようになっていて、その先になんと #KTちゃん が立っている。初めて見る生#KTちゃん。写真撮るよー、本番前の(メイクが崩れていない)今だから撮りたいみたいなことを言っている。前の人々は撮ってもらっているが、チェキ券とか写メ券のような商品を販売している様子がない。若くてキレイな女性とスマート・フォンで写真を撮ってもらうのにJPY1,000を払わなくていいの? そんなうまい話があるか? これは罠か? 不安になって売り場の淑女に確認しそうになった。teeシャツのサイズL(後で分かったが一般的なLよりも大きかった)JPY4,000を購入。撮影を担当している淑女にiPhone SE (2nd generation) を渡す。左から「こんにちは!」と笑顔で元気のよい先制挨拶をしてくれる #KTちゃん。こんにちはと返す。一言、二言、会話をすることが出来た。「最近知って、初めて来ました」とお伝えすると、そうなんだ、ありがとう的なことを返してくれたと思う。「俺、実家が保土ヶ谷なんですよ。近いですよね。( #KTちゃん が地元と公表している戸塚駅から)二駅」「ちっか…!」

そもそもなんで #KTちゃん が二十歳になった当日に行われるワンマン・ライブ(和製英語)に私が来ているのか。私は #KTちゃん の名前くらいは目にしたことはあったのかもしれないけど、存在をちゃんと知ったのがごく最近で。8月末か9月の頭くらいだったと思う。この数年というもの、私はMCバトルというものからすっかり遠ざかっていた。現場に行くのはもちろん動画を観るのもやめていた。よくも悪くも大衆化が進みどんどんポップな若者文化になっている印象があって、もう自分が観るものではないなと見切りをつけていた。年齢的にもいつまでもこれに夢中になっている場合ではないというのがあって。でも最近またちょっとだけバトル動画をかじるようになって。何でかっていうと、私って二週間に一度、パーソナル・トレーニングを受けてるのね。トレーナーが二十代のムキムキ男性なんだけど、ヒップホップが好きで。MCバトルの話をするときに彼が言ってくる最近の話についていけなくて。まあいい機会だしちょっくら最近のも見てみるかと思い、YouTubeのオススメに出てきたやつを芋づる式に何本か観てみたんだ。そこで #KTちゃん の試合を初めて観、衝撃を受けた。私がしばらく観ないうちにこんな逸材が現れてバトルを引退していたとは。DOTAMAさんとの試合だったかな(最初のやつ。仙台の)。そこから他の試合も観て、彼女のYouTubeチャンネルも観るようになって。漢Kitchenのゲスト回なんかも観て。Spotifyで曲も聴くようになって(私は“choma!”が一番好きだ)。そうなると当然、一回は生で観てみたくなる。ワンマン・ライブ(和製英語)が近々開催されるそうだけど、調べたらどうもチケットの販売が終わっていたようで。諦めていた。でも直前になって最後の販売が始まって。ソッコーで買ったわけ。いま観に行かないんだったらいつ行くんだっていうね。時間的にBLUEGOATSと回せるし。

目を引くのが客演ラッパー陣の豪華さ。サイプレス上野さん、ASOBOiSMさん(不勉強ながら私は存じ上げなかった)、DOTAMAさん、呂布カルマさん、D.O.さん。ワンマン・ライブ(和製英語)とは言っても #KTちゃん はまだそこまで曲を出していない。全部あわせてまだ30分もないくらい? それでどうやってワンマン・ライブ(和製英語)のセット・リストを組むんだろうというのは気になっていた。これだけ豪華かつ多くのラッパーたちを呼んでいるということは実質的に対バンのような形になるのだろうか? #KTちゃん が食われてしまうのではないだろうか(性的な意味ではなく)。それがちょっと心配だった。だがそれは杞憂だった。ゲストが登場し自らの曲をパフォームするときも #KTちゃん は引っ込むのではなく、一緒にステージに立ち、ヴァースをカヴァーしていた。ゲスト陣に花を持たせつつもあくまで#KTちゃん のワンマン・ライブ(和製英語)であるというバランスを維持していた。#KTちゃん 以外の曲を多くやる物足りなさよりも #KTちゃん が他人のラップをカヴァーしているのを聴ける特別感があった。バック・ダンサーとして二曲くらいに登場した若い女性金髪二人組の躍動感と爽やかな色気に目を奪われた。かつて #KTちゃん が披露していたバトルのスタイルにおいても如実だったように、観る人をとことん楽しませるという姿勢が表れたコンサートだった。来年1月13日(月・祝)に#KTちゃん がメジャー・デビューするという発表があった。BLUEGOATSの継続、#KTちゃん のメジャー・デビュー。もちろん私が何かを達成したわけではないが、いい報せが重なり、ハッピーな気分に包まれる一日だった。渋谷WWWからの退場時、全員に不二家ポップ・キャンディ袋20本入りが配布された。

「スーツ姿だから、本当に、お父さんが成人式で迎えに来てくれたみたいな…」( #KTちゃん、DOTAMAさんに向けて)

「意外とオッサンもいるんだよな…」(呂布カルマさん、フロアを一瞥して)

「全部飲むに決まってんだろ!!」(D.O.さん、#KTちゃん に飲ませるためにサプライズでテキーラを持ち込み、グラスを持った #KTちゃん が「全部飲まなくていいですよね?」と確認するのを受けて)

「こいつは紛れもなくKTの、本当のヒップホップだろ。(中略)こんなハッピーなヒップホップがあって俺は、絶対にいいと思ってるし、お前らもそうだろ?」(D.O.さん)

2024年9月29日日曜日

"Challenge" フロアライブ (2024-09-14)

ただでさえ消耗させられるこの蒸し暑さの中、朝っぱらからうるせえ祭りの音。狂気のゾンビ通り(©︎安淳徳さん)。狭い道路を挟んだうちのすぐ目の前に詰め所がある。ここぞとばかりに活き活きしている老人たち。大人の音頭でワッショイを連呼しながら小さな神輿をかつぐ子ども。その喧騒のど真ん中に生卵でも投げつけてみたい欲求が私にはある。遠まきに聞こえてくるならまだしも、さすがに家のすぐ前で滞留して騒ぎ続けられると、やり過ごすのも容易ではない。すぐそこで私は洗濯物を干すんだよ。言うまでもなく、コレは祭りだから許されている。もし祭りに関係なく同じ場所で同じ音量で騒いでいる集団がいれば警官が現れるだろう。祭りだったら話は別。通報するほうが非常識。世の中はこのような二重基準と不公平さで満ちている。たとえば町田ゼルビアの何十秒もかけたロング・スローは当たり前のように許されるのに、他のチームが通常のスロー・インで同じだけの時間をかけたら遅延行為でイエロー・カードの対象になる可能性が高い。それなら勝っているチームは毎回ゆっくりとタオルでボールを拭き拭きしてロング・スローをやっていればイエローを貰わずに時間稼ぎが出来るということになる。

いつもの下北沢MOSAiC。11時半開場、12時開演。変な時間。君たちに昼メシを食わせないぞという運営側からの強い意志を感じる。私の場合、これを理由に申し込みを回避しても不思議ではない。私が休日の昼メシをどれだけ重視して生きているかは熱心な読者の皆さんがご存じのはずだ。しばらく迷った挙げ句、入場前に軽めに食べて、夕方に十条で一杯やることにした。男なら二つはイケる(D氏)でお馴染みのThe Pizza。ミックス・ピザ1pcで我慢。ジン・トニック。私の場合は通常なら二つ、お腹が空いていれば(そしてダイエットを無視すれば)三つ、さらに胃もたれを気にしなければ四つはイケると思う。ケバブ・シェフ(6年前にKと行ったトルコ料理店)も11時からランチをやっていた。興味をひかれたが、時間的にも量的にも今日はサッと軽くで済ませたかったので今回は見送った。最後の方に入場。入場後のドリンクはラム・トニックというのを初めて頼んでみた。存外においしい。次もコレにしよう。

チケットを買った後に、今日の公演がフロア・ライブであることが発表された。初めて聞く言葉だった。和製英語であることは間違いない。そのままfloor liveと言っても英語話者には通じないだろう。検索すると、どうやら演者さんたちがステージではなく客のいるフロアでパフォームする形式を指すらしい。どういう感じになるんだろう。いつもと趣向が異なり面白そう。ごちそうさまでした! と元気よくお姉さんにお礼を言ってラム・トニックのグラスをカウンターに戻し、階段を下りる。ここ数回の公演では新規と招待を無料にすることでフロアの人口を嵩増ししていたが、今日はそれがなく、通常運転。自ずとおまいつ率が高めの少数精鋭、「大体 毎回 いつも同じメンバーと再会」(RIZE, “Why I'm Me”)状態に。フロアの真ん中よりはややステージ寄りの位置に、マイク・スタンドが4本。そこを取り囲む形でヘッズが立っている。私は(通常のステージを前とした場合でいう)後ろ側の二列目。通常の感覚だと最前くらいの緊張感があった。全員が最前と言っても過言ではなかった。ヘッズが入りきっても混んでいない。いい具合にスペースがある。最後の方に入った私でも、え、いいんですか? ココにメンバーさんが来ンの? って戸惑うくらい近くていい位置に立つことが出来た。

ステージにいるのと同じフロアにいるのとでメンバーさんの見え方が違った。皆さんこんなに華奢で小さいのかという驚きがあった。ステージの段差があるとそこまで感じなかった。この小さい身体からあの破天荒で過激なYouTube動画群と、熱量に満ちた歌と叫びとダンスが生まれているのか。特にダイナマイト・マリンさんはなぜか裸足だったのでなおさら小ささを感じた。(Hello! Projectにはレコーディングを裸足で行うのを好むメンバーさんがいたけど、マリンさんも似た理由だろうか?)あと、普段はステージにいるメンバーさんと、それを観ている我々という区分けが物理的にも明確にあるけど、フロア・ライブ(和製英語)だとそれがない分、メンバーさんだけでなく我々も含めて一つのBLUEGOATSであるという感覚があった。Hello! Projectで言うといわゆる降臨がずっと続いている感じ。贅沢な時間、特別な体験だった。またやってほしい。今回のチケット代はJPY2,500だったけど、またやってくれるなら2倍、場合によっては3倍でも払う。買います買います。

買います買いますと書いてはみたものの、私は実際には冷静である。何かが発売されたら脊髄反射的に買うということはしない。BLUEGOATSにせよ何にせよ、依存することは避けたい。適度に楽しむという節度は守りたい。結局のところ、労働生活の虚無さと苦痛を、刺激の強い娯楽で散らして誤魔化す生活を長く続けることは出来ない。それは生きるつらさを酒や麻薬で乗り切ろうとするのと同じだ。応急処置としてならともかく、永続的な解決策にはならない。どこかで破綻する。娯楽の刺激に頼らなくても暮らしていけるように、自分の生活そのものを少しでも良くするために行動する必要がある。
長期的かつ大量にドラッグを使用していると、快楽と苦痛のシーソーは最終的に苦痛の側に偏るようになる。快楽を感じる能力が下がり、苦痛の感じやすさが上がるように支点の位置が変化してしまうのだ。
(アンナ・レンブケ、『ドーパミン中毒』)
40代独身で仕事がクソだと分かりつつ、もう出世欲も、俺が会社を変えてやるという気概(思い上がり)もなく、家族や子どものためという理由もなく、かといっておいそれと辞められない、どう身を振って、労働生活と人生をどう着地させればいいのかも分からない、そしてこうやっている間にも確実に老化していき、心身ともに弱っていき、死なない限りはジジイになるという焦燥感。(これはきっと25歳くらいまで無心に勤め上げてはみたものの次の進路のあてがないアイドルさんたちの心境に似ているのではないだろうか?)

チェキ撮影。隣に立つと左のチャンチーさんが私の眼鏡に手をかけてきて不意を突かれる。それをかけたい的なことを言ってきたので外して渡した。彼女は先日の10時間ぶっ続けライブで喉を傷め、本日は歌唱なし。特典会もささやき声。それはそれで色っぽかった。チャンチーさんは私の眼鏡がとても似合っていた。「すごい度入ってる」「近視と乱視だから」「近視と乱視ってどういう状態?」「遠くが見えなくて、あとこうなる(手振りで乱視の像を示す)」「こうなるんだ(同じ手振りをする)。大変そう」「まあ、眼鏡があれば…」「そっか」「喉、お大事にね」「うん、ありがとう。次は喋れるようにね」的な会話。

2024年9月23日月曜日

10時間ぶっ続けライブ (2024-09-08)

9月3日(火)と4日(水)だったかな。ちょっと気温が下がった。ようやくあの狂った夏も終わったかと、そのときは思った。だいぶ過ごしやすくなった。最高気温は30度あったんだけど、この気温だと外で数分歩いただけでは汗が噴き出さない。数度の差は大きい。でも二日だけだった。すぐにまた35度くらいに戻った。一年のうち約四ヶ月は半袖tee一枚が適した気候。一枚というか、一日に二枚か三枚は要る。汗だくになる。着替えないとやっていられない。異常に蒸し暑い、爽やかさの欠片もない、長すぎる夏。いい加減げんなりする。疲れる。体力が落ちた老後にこれをサヴァイブ出来る自信がない。世の老人たちがどうやってコレを乗り切っているのかが不思議になる。死ぬだろ、こんなの。世の労働者たちが何食わぬ顔で働いているのもなぜなんだ。コヴィッドなんかよりもこの気候がよほど緊急事態。こっちの方が政策的な対応が必要だろ。せめて7月から9月は週休3日をデフォルトとするくらいのことは必要なんじゃないか。なあ、百合子よ。仕事をしろや。クール・ビズだけで満足するな。

D氏とメシをご一緒する予定だったが氏のお仕事の都合でキャンセルになった。このように急に当日になって呼び出されることがあるらしい。日曜日だからといってスイッチを完全にOFFに出来るワケではなく、連絡を受けられる状態にしていなければならない。英国で問題になっていた(今はどうか分からない。何年も前にThe Guardian紙で読んだ)ゼロ・コントラクトという雇用形態を思い出した。D氏とは10月6日(日)にお会いする約束をした。その日の私は渋谷でBLUEGOATSを観てから#KTちゃんを観る。

下北沢駅周辺を歩くと中性的なオバサンみてえな格好をしたオジサン面の推定20代男性たちがこれでもかと登場してくる。D氏が住むべき街ではない。この数年、どいつもこいつも貧相な身体でダボダボな服を着ている。まあ、私が20代だった頃に流行したタイト路線よりはマシだ。駅前の古びたモールを冷やかす。1Fにスーパーマーケット、3Fに三省堂書店。2Fの町中華は一見いい感じに見えたが値段が明らかに高かった。ランチJPY1,400。冷やし中華JPY1,450(甘酢)/JPY1,550(ゴマだれ)。

牛肉が300g入ったサンドウィッチを出す小さな店も気になったが、迷った挙げ句、シモキタザワテラス Panes Houseというカフェに入った。あんまりお腹が空いていなかったので軽めに食えて、時間調整が出来そうな店だったので。ロースト・チキンと卵サラダのサンドウィッチ。レーコー。PayPayの支払い画面でイタリアン・トマト系列の店であることを知る。

JPY2,500の通常チケットとは別に、今日は優先入場チケットってのがJPY5,000で販売されていた。優先の方を買ってみた。会場の建物沿いに優先の列、道路沿いに通常チケットの列が出来ていた。私が並んだのが優先列のほぼ一番後ろだった。20人目くらいだったかな。この紳士がたぶん林田さん(事務所の副社長)なんだろうなと思っていた紳士が林田さんであることが確定した。後ろの方から林田さんと呼ばれてそちらに向かっていた。下北沢MOSAiCの真横は前までは空き地になっていた待機スペースとして便利だったんだけど、今日はそのスペースが囲われて入れなくなっていた。何かを建設するようだ。いいよ、建物を増やさないで。人口はどんどん減っていくんだからさ。

今日の企画は10時間ぶっ続けライブ。といっても我々が入るのは最後の1時間半くらい。メンバーさんたちはAM11からずっとステージで公演をやっている。いや、公演をやっているとは言わないかな? 客を入れていないわけだから。でもYouTubeで配信しているから無観客とはいえ公演とは言えるのかな。その辺の定義はよく分からないが、ともかく彼女たちはずっと歌い続けている。わざわざライブハウス(和製英語)に客を入れないで歌うことに意味があるのかとか、それだったら何部かに分けてチケットを売って客を入れればいいじゃんとか、そういうことを言うのは野暮。私はBLUEGOATSを半年くらい観てきて、だんだん分かってきた。単なる効率や合理性で割り切れない部分にこの集団の面白さがある。2024年中に横浜アリーナを埋めるという今となってはほぼ不可能と言っていいゴールを掲げている(最近はそんなに言わなくなったが)が、意外とそのゴールに捕らわれていないというか。そのゴールに近づくためなら手段を選ばないというよりは、あくまで自分たちのやり方、あり方へのこだわりの方が強いというか。大衆に受けるために媚びていない。そこが私はカッコいいなと思う。

そう、大衆に媚びていない。社会を正としてそれに合わせようとしていない。BLUEGOATSの根底にある姿勢はそれだと私は思っている。それが、私がBLUEGOATSに惹かれる大きな理由なんだと思う。私は今の社会を特徴づける潮流は大きく二つあると考えている。一つは、資本主義の一人勝ちによるユートピアの喪失(参照:木澤佐登志、『闇の精神史』)。もう一つは、人間の自己家畜化(参照:熊代亨、『人間はどこまで家畜か』)。この二つが組み合わさって、生きづらさの源泉となっている。資本主義以外の選択肢がない。資本主義が求める人物像、行動様式が唯一の正解。適応できない人たちの逃げ道がない。社会が規定する正常の範囲がどんどん狭くなっている。求められるスペックを満たさない特徴や能力は個性としては認められない。病名をつけられ、精神医療の対象となる。誰もが品行方正で“まともな”人間であることが求められる社会。誰もが“社会人”であることを求められる社会。外れ値と共生するのではなく、矯正しようとする社会。BLUEGOATSは、社会に適応しようとは言わない。社会がおかしいと言う。私たちが社会を変えて見せると言う。だから私はこの集団が好きだ。こんなことを言ってくれる人って、いないからさ。

Ks Gear Evo2という耳栓を初めて使った。7月17日(水)にアマゾンのセールで買っていた。JPY6,280。通常時はJPY7,480。過去に使ったことのあるコンサート用耳栓に比べて圧倒的によかった。音がこもらない。自分が声を出すときに違和感がないのが驚きだった。耳を守りながらコンサート体験を損なわない。不要で過剰な音だけを削ぎ取ってくれている感覚。音質を犠牲にしている感じがしない。装着したままフィルターを簡単に調整できるので、細かく着けたり外したりをせず、長時間着けたままでいられる。値段は高いがそれだけの価値はある。もうJPY2,000前後の耳栓には戻れない。

特典会でチャンチーさんの列に並んでいたら前の紳士に声をかけられ、歓談。千葉からお越しになったとのこと。誰とでも仲良くなれそうなナイスなお人柄だった。私はこうやって個々の紳士とお話をするのはまったくイヤではない。むしろありがたい。しかし、ファンの集団に入るということはしたくない。その中に私が苦手な人は誰かしら出てくる。私は誰とでも仲良くなれる性格ではない。そうなると、いずれその人と顔を合わせるのがイヤで現場に来たくなくなるだろう。特にBLUEGOATSの場合は客がある程度、固定されている。おまいつ同士は顔見知りである。私はあくまで謎のソロ客でいたい。本当は輪に入れてもらい公演後の飲み会にでも参加させてもらった方が人として健全。それは分かっている。