2025年1月4日土曜日

THIS IS BLUEGOATS "2024" (2024-12-29)

なんか見覚えのある風景。たぶん前に来たことがある。会場は駅から徒歩一分。ということはここから見えるんじゃないか? Google Mapを開くまでもないかも。立ち止まる。見まわそう 360度上下確認 今日の状況(キングギドラ、『見まわそう』)。あ、あそこだ。分かった。思い出した。KissBee関係で来たよ。後から調べたらゆいのの。2023年8月6日(日)。2024年末、三日連続の現場。その最終日。 #KTちゃん 、LiVS、そして締めのBLUEGOATS。この三日間を最後まで楽しみ切れるかどうか。自分との戦い。しかも今日は長丁場。まずYouTubeのメンバーシップ登録者限定のトーク・ショウ。それが開場13時半、ショウが14時から15時半まで。そのまま15時45分開場、16時半開演でコンサート。ほぼ全曲と銘打った長尺。公演時間は3時間を予定。そこから打ち上げ(?)、特典会。帰れるのは21時~22時頃になる見込み。会場はずっと同じ四谷ロータス。私にとっては11連休の四日目だがあまり休んでいる感じがしない。ハードな日程を乗り切っているという感覚がある。13時頃に四谷駅に到着。この時点で10人くらいだったかな。すぐに列に加わる必要はない。急がない。早い段階で並ぶ利点は椅子に座れることだが、私は立ち見でいい。むしろ立っている方が楽。会場近くのファミリー・マートでモカ・ブレンド(S)。店の前で一息。13時10分頃に列に入る。『悪意のきれっぱし』(生島治郎)を読む。どんどん長くなっていく入場列を眺め、BLUEGOATS売れたな、横アリ埋まったな、と軽快な冗談を飛ばすおまいつの紳士。定刻の13時半を過ぎても始まらない入場。13時40分過ぎ、申し込みよりめっちゃ人が多い! 申し込みフォームに記入しましたよね? と焦った様子でヘッズに尋ねながら駆けずり回る運営のHさん。結局、無事に全員が入れた模様。

フロアとは別室のバー・スペースに入ろうとすると、入り口付近に見たことのあるお顔が。LiVS運営のS氏だ。昨日行きましたって言おうかと思い近寄ると向こうから声をかけてくださる。あれ、昨日来られてましたよね? その場にいたBLUEGOATS運営のHさんが、この人はこの間の対バンで初めてLiVSを見て…と少し説明してくれる。あの対バンで初めて観て、で曲聴いたらはまって、それで23日行って、28日も行きました。と私が言うと嬉しそうに顔を綻ばせるS氏。昨日も行ったんですよとHさんに補足説明すると氏は笑っていた。誰推しですか? とS氏。マルコです(即答)。ああ、マルコいいですよね~と目を細めるS氏。マルコを推すのはロリコンである的なコメントを差し挟むHさん。はっきり言わないでくださいと苦笑する私。BLUEGOATSでは誰推しですか? ソナ? いや、チャンチーです。チャンチーとマルコは近しいものがあるよね。二人ともバブ系で、と東大出身ならではの学術的な分析を披露するHさん。5日のチケットも取りましたとS氏にお伝えし、その場を離れる。

トーク・ショウの題材は、1.アオヤギ・チャンネルの2024流行語大賞の決定と、2.メンバーシップでやってほしいことの意見募集の二本柱。1.に関しては、ほんま・かいなさんが競馬で27万円勝った回におけるダイナマイト・マリンさんの「なんでだよー」に落ち着く。妥当な結果。私が極めて個人的に推したかったのは「マジで胸あったら結構、抜いちゃうかも。たぶん」である。これは24時間ライブの配信中、休憩時間にチャンチーさんが発したパンチラインである。「ちんちんを??!」と確認するほんま・かいなさん。私はかなり笑った。その部分を何度も繰り返して聞いた。(なおチャンチーさんは脂肪を抜いて胸を小さくするかもという意味で言っていた。)他に何かある人はいますかと司会の三川さん(社長)がフロアに呼びかけてくれたが、下ネタなので言わない方が賢明だと判断し黙っていた。根が紳士に出来てるので。2.に関しては、参加者からはグッズの販売などの案が出た。私は何も思いつかなかった。私の場合はファンクラブの会費、なんなら一般公開されているいつものYouTube動画の視聴料くらいの感覚で払っている。だから追加で何かをやってほしいというのはほとんどない。そもそも現時点でメンバーさんも運営さんも過重労働なのは重々承知している。既にやってくれている登録者限定の配信や動画、そして今回のようなトーク・ショウを観させてもらうだけで十分。月JPY500程度でこれ以上を要求するのも憚られる。

一旦、ヘッズは会場外へ。そのままコンサートの入場列を作る。コレってオシッコする時間と場所がないのでは? 最悪、最後まで我慢することも覚悟。膀胱の状況的に、いけなくはなさそう。ただ尿意は既にある。結果としては、入場してから中のお手洗いを使うことが出来た。そこでちんちんからたくさん出して空っぽにした。

2025年1月11日(日)にBLUEGOATSとMAPAという集団の対バンがある。私はチケットを買ったのだが、その後にLiVSがコンサートをやることが発表された。時間も被っているから回すのは不可能。チケットの購入を取り消せないかサイトで確認した。もし数クリックで手軽にキャンセルできるのであればそうしていた。決済済みなので主催者に確認してくださいと書いてあった。面倒なのでやめたが、それくらいにはLiVSに気持ちが傾いている。この約一ヶ月、相変わらずLiVSばかり聴いている。BLUEGOATSはほとんど聴いていない。だから今日のコンサートに対してもさほど高いモチベーションを持っていなかったのが正直なところだ。横浜F・マリノスにとっての2024明治安田J1リーグ最終節の名古屋グランパス戦(日産スタジアム)くらいの。

そんな煮え切らない気持ちは、開演するや否や吹き飛ばされた。心に火をつけられた。凄まじい圧。熱気。ステージで、フロアで、会場全体でほとばしる感情。のっけから全力で飛ばしまくる。アンジェ・ポステコグルー監督時代の横浜F・マリノスのよう。試合開始直後から猛烈な勢いで攻めまくる。支配する。圧倒する。ペース配分という概念なし。そう、これこそが2019年にマリノスがやっていたアタッキング・フットボールだ。みんな大丈夫? 後半になってバテちゃうとかないよね? 的な言葉を我々に投げかけるソンソナさん。ノリでイエーイみたいに反応してはみるものの、実際にはバテるのが見えている。というより既にバテつつある。これを三時間は絶対に無理。30分で燃え尽きるくらいの熱量。ステージからフロアに乗り出すメンバーさん。勢い余ってフロアにダイヴするほんま・かいなさん(おそらく意図したダイヴではない。直前にかいなさんがやばい、やばいと言っていたように聞こえた)。メンバーさんも我々も、鬱積した日々の怒り、恨み、イライラ、悲しみ、さまざまな感情をすべて解き放って音楽にぶつけているようだった。チケット完売、満員のフロア。要所要所、ヘッズがどんどんステージに寄って行く。それはフロアにいる奴らが目立ちたくて暴れている(いわゆるお客様自身による過度のパフォーマンス)のでは決してなく、そこにいる全員が音楽でひとつになっている証だった。私が2月に初めてBLUEGOATSの現場に来たときは、この集団の現場がここまで熱くなるとは微塵も想像出来なかった。あのときのまばらなフロアと静かな鑑賞スタイル。今やパンパンに詰まったフロアで、全体を通して一緒に歌う、肩を組む、拳を上げる、ステージに寄るなど、仕上がりまくっているノリ。BLUEGOATSの音楽そのものも大きく変わっている。驚くばかりの変化、発展。そのスピード。11月30日(土)の対バンの記事で、2024年で一番熱くて楽しい現場だったと書いた。訂正。2024年の最高は今日でした。

今の私にとってここまで自由に感情を解放できる場所はほかにない。フットボール現場では熱くなって声を出すと近くに子供や女がいた場合、こわがって振り返ってくる。ちょっと叫んだだけでキチガイのオジサンになってしまう。初めてサッカーを観に行ったら近くのオジサンが叫んでいてこわかったですなんてソーシャル・メディアに書かれた日にはこっちに勝ち目はない。あなたの言動が初心者をスタジアムから遠ざけているんですよ(怒)なぞと訳知り顔のアカウントに説教されかねない。あまりその傾向が強くなっていくようだと私がスタジアムに行く意味はなくなるかもしれない。試合中に中指を立てただけで観客が無期限で入場禁止になるなど、Jリーグが推し進める無菌室的なクリーンさ(その割に選手に暴行をした指導者は簡単に復帰させるご都合主義。笑わせてくれる)。好ましくないと当局が判断する感情表現をする観客は排斥される。そんな未来はひとつのシナリオとしてあり得る。

特典会。普段は一枚。今日は二枚買う。トーク・ショウを無料(ドリンク代だけ)で観させてもらったし、コンサートが長かったし、年内最後だし、という複合的な理由。たまにはチャンチーさん以外とも話してみる。まずチャンチーさん。今年の一月にBLUEGOATSを知って約一年。今年を一緒に駆け抜けた感じがする。もうそんななるんだ、的な反応。続けてくれてありがとう、改めて。こちらこそ的な反応。月見ル君想フで話したのをすごい覚えている、とチャンチーさん。なお私はその公演には行っていない。初めて来たのはいつかという話になる。新宿Marbleの投げ銭ライブと答える。あれなんだ! という反応。二枚目はほんま・かいなさん。長蛇の列。30人くらい? もっといたかも。おまいつの紳士たちも驚く並び。抜きありなのかと思うくらいに進まない。かいな氏と対面。前に話したことある? 一回だけ赤チェキを撮ったことがある。じゃそれかな。俺、友達に競馬雑誌で連載を持っている競馬ライターがいるんだけど、そいつ借金300万で、家賃踏み倒して、松屋でウヰスキーを持ち込んで勝手に水割りを作って、あと一番凄いのが面接で、面接官にディスられて角瓶で面接官の頭を殴ったんだって。といったエピソードたちを、都度大きく笑いながら、ガチのクズだ…とかそこまで行ったら終わりだ…なぞと言いながら聞いてくれるかいなさん。それに比べたら(かいなさんは)全然まともだよ。働けてるし。と言うと、あたしは捕まってないのが取り柄だから。(中略)友達のことはいいからあんたのこと聞かせてよ。というかそれあんたっていうオチじゃないよね? 今日どうだった? という感じで感想を求められた。いやめっちゃ楽しくて、二月から観てるけどどんどん変わっていって…みたいに言うと、お前そんな前からいたのかという感じの目で見てきた。書いていて気付いたけど、たぶんこのやり取りは所定の時間(1分間)を優に超過している。かいなさんの列が長くて進みが悪いように思えたのは人気メンバーなのもあるがご本人の裁量で時間を伸ばしていたんだと思う。実際に話してみて、かいなさんの賢さを肌で感じた。ブック・スマートではなくストリート・スマート。機転。

2025年1月3日金曜日

SHOOTS YOUR SHOUTS LIVE / LiVS 2024 FINAL (2024-12-28)

下北沢駅前の三省堂。貼り紙によるとビルヂングの建て替えに伴い閉店するそうだ。駅前の貴重な書店、そして貴重な公衆お手洗いがひとつ、無くなる。これから我々はどこで用を足せばいいのだろうか? 人生で数度しか訪れたことのなかったこの町に、私はBLUEGOATSを観るようになってから定期的に来るようになった。そして今日はLiVS。下北沢MOSAiC。BLUEGOATSで何度も来ている。もう場所は覚えている。任せろ。Google Mapを開く必要はない。12月28日(土)と1月5日(日)に開催されるLiVSのコンサート。二公演ずつ。計四公演のチケットを確保済み。前のwwwxは新規無料チケットで入った。今回、初めてチケットを普通に購入。人間チケットJPY3,000。新規を連れてくれば二人とも無料になるチケット(その代わり二人は手錠で繋がれる)もある。それ狙いでD氏をお誘いしてみたが、両日ともお仕事があって無理とのご回答。

12月28日(土)と1月5日(日)の四公演とも、私が買ったチケットの整理番号がA30番付近だった。その前のVIPチケット(最高チケット)購入者と私の後に一般チケット(人間チケット)を買った人、あと新規も合わせて20-30人いるとして、おそらくこの集団が平場で見込める固定客数は50-60人くらいなのだろう。

昼公演。入場。アルバム1枚(JPY3,300)と半袖tee(JPY3,500)を購入。特典券三枚(アルバムを買うとついてくる)と写メ券一枚(会計がJPY6,000を超えたときにゲトれる)を獲得。胃カメラドリンクというオリジナル・カクテルが販売されていることに、注文したラム・トニックを受け取ってから気付く。(夜公演のオリジナル・カクテル「歳忘れる 若返りドリンク」は飲んだ。)

フロアに入った瞬間、wwwxのときとは異なるヴァイブスを感じ取る。会場の規模が小さい分、ヘッズの濃度もグッと凝縮されている。ほぼ全員が着用する黒の公式tee。威圧感すらある光景。カルト宗教や秘密結社の集会に紛れ込んでしまったような感覚。LiVSのロゴが印字された黒tee、それはさながらこの集会のドレス・コード。たとえばドナルド・トランプさんの支持者たちが揃って赤いMAGAキャップを被るように。何も知らずにGAPのアノラック・パーカ(90年代の古着)でウロウロしている自分が場違いに感じた。wwwxのときは私を含め、一見さん風な人が後方にはそれなりにいた。言うなればあのときには傍観者も混じっていたが今日は正真正銘の目撃者(LiVS支持者の総称)だけが集まっていると感じた。

フロアのノリは想像を超えていた。呆気にとられるくらいの熱量。フロア内でヘッズが動き回るタイプの現場。私はこういうのを経験してこなかった。自分の立ち位置を決めたら基本的にそこから動かないタイプの現場で育ってきたから。ついていけないのではないかと思った。圧倒され、しばらくタジタジになってしまった。

そしてコンサートはめちゃくちゃな展開に。この公演は特別企画として、我々の撮影が禁止。その代わりにメンバーさんがステージから我々を各々のスマート・フォンで撮影する。そこまではちょっと変則的で面白いなくらいだった。問題は『RとC』。フロアに降りてくるメンバーさんたち。小池百合子もびっくりの三密状態。歌いながら、顔見知りのヘッズを見つけては個別にアプローチし、セルフィーを撮るメンバーさんたち。楽しくはあったけど、私はメンバーさんと顔見知りではないので少し気まずさがある。それを救ってくれたのがコンニチハクリニックさん。楽しんでますか~? と私の耳元で聞いてくる。頷くと、セルフィーで二人を収めてくれる。仲間にいれてくれた感じがして嬉しかった。コンニチハクリニックさんの優しさが染みた。それで終わりではなかった。私の左袖を引っ張って、フロア中央の空いたスペースに私を引きずり出すコンニチハクリニックさん。え、え? という感じになる私の耳元で、おんぶできる? と聞いてくる。中年とはいえ週に三、四回のジョギング、隔週のパーソナル・トレーニング、隔週の鍼、月に一度の整体で身体のケアに余念がない私。高確率で腰をやっている同年代の紳士たちとは一線を画する存在。おんぶくらい出来ないわけがない。コンクリ氏をおんぶする私。それをスマート・フォンで撮影するメンバーさん。(後日、メンバーさんたちが撮った写真がDropboxに公開された。私がコンニチハクリニックさんにおんぶされているのを撮ってくださったのはユニセックスさんだった。)私はコンニチハクリニックさんの熱心な支持者に嫉妬から刺されてもおかしくない。今後LiVS現場での振る舞いには気を付けるようにする。

私がLiVSで最も好きな曲のひとつとして広く知られる“Shall Weeeee Dance???”が披露された。例の独特の動き(コンクリ・ダンスというらしい)を会場全体で。コンニチハクリニックさんによる指導。曰く、死んだ顔で、口を半開きにするのが大事。顔が生きている人が何人かいますよーなぞと指導が入って可笑しかった。過去のコンサートをYouTubeで観る限りではコンクリ・ダンスをやるのは冒頭だけなのだが、今回は曲を通してずっとやっているのがシュールで特別感があった。

特典会までの待ち時間。コンクリの新規魅了スキルが凄い。そこから推し変する人もいる、と近くの紳士たちが話しているのが聞こえてきてちょっとドキッとする。ぼ、ぼくはミニ・マルコchanから推し変しないからネ…。

LiVSの特典会は待ち時間が長いとwwwxで学んだので、今日は昼公演の後に所持している券をすべて使い切ることにする。すべて、といっても先述の通りLiVS券三枚と写メ券一枚だけなのだが。今日は全員握手(所持している券の枚数が奇数の場合、ここで使わないと余ってしまう)、コンニチハクリニックさんとチェキ、ミニ・マルコさんと写メという使い方にする。全員握手で一人目のミニ・マルコさんが私を見てこう言う。また来てくれたの? はまっちゃった?
たとえば女にはめるとはまるとの違い
俺たちに常識を求める それはお門違い
(漢 a.k.a. GAMI、“M.M.I.”)
他のメンバーさんにはBLUEGOATSから来た旨をお伝えする。さっきのおんぶは重くなかったかと聞いてくるコンニチハクリニックさん。変なライブでごめんね、とユニセックスさん。チェキではコンニチハクリニックさんの提案でLiVSのポーズ。自分のこめかみに銃をつきつけるポーズ。BLUEGOATSさんの曲が大好き。カッコいい。ロックが好きだから的なことを熱弁してくださる。公式teeが一枚欲しかったので今回はアルバムとteeという買い方をしたが、wwwxのとき物販の婦人が提案していたように、アルバムを二枚(JPY6,600)買ってチェキを三枚+写メを一枚撮るのが正解なのだろう。ミニ・マルコさんとは固定で撮るとして、いずれ一度は全員と撮ってみたい。(次に撮ってみたいのがユニセックスさん。あとランルウさんも気になる。)LiVSの接触は強度が高い。LiVSを明治安田J1リーグとすると、BLUEGOATSは明治安田J2リーグか明治安田J3リーグ。Hello! Projectは地域リーグ、下手するとフットサル。それくらいに接触強度の差がある。

夜公演前に先ほど買った黒teeに着替える。昼公演は外で過ごすそのままの格好で観ていたらめちゃめちゃ暑かった。汗をかいた。あそこまで暑く(熱く)なるとは思っていなかった。脱いだ上着は壁際に置く。会場がギューギューにはならないし、荷物を後ろやサイドに置くのは文化として問題なさそう。次からはごみ袋を持ってきてその中に入れるのがよさそう。昼公演がめちゃくちゃ楽しくてウォーミング・アップが完了したのに加え、皆さんと同じ黒teeに着替えたことで自分も目撃者なんだゾッて感じの気持ちになれた。人がわちゃわちゃ動き回るエリアを避け、端っこでそこそこステージに近い位置を確保。端っこではあったが要所で隣の紳士と肩を組んだりして盛り上がりの輪に入ることは出来た。

ミニ・マルコさんの自己紹介における可変部分は、昼公演が「UTカムが一番盛れる」、夜公演が「ミニ・マルコ正月は絶対寝て過ごす」だった。ミニ・マルコさんと言えば、私は根が紳士に出来てるので、まーるこ! まーるこ! と氏に向けて曲中に叫ぶとき、間違えてまんこと言わないように細心の注意を払う。実際、紙一重である。最初のまに力を入れすぎると、るの部分が弱くなるからだ。まんこと言えば(?)YouTubeで過去のコンサートを観ていたらコンニチハクリニックさんがクリちゃん! とコールされていてびっくりした。クリちゃん…それってありなんだ。なしだったから今のコンクリに変わったのだろうか。

“EGO”(これも私が非常に好きな曲として知られている)のフックでヘッズが輪になってイヤイヤと駄々をこねる子どものような動きをしながら左右に揺れるやつ。はじめはオイオイ勘弁してくれよ(苦笑)と思っていたが、実際に何度かやって慣れてくると楽しくなってくる。

夜公演はLiVSの現場として2024年最後だった。終演後、マネージャーのササガワ氏がヘッズに向けての感謝と、来年はリキッド・ルームとゼップに行きたいんでよろしく的なことを言って締める。盛り上がるフロア。発生したサッサガワ! サッサガワ! というヘッズのチャントに私も交じり、あたかも丸一年をLiVSと共に駆け抜けたような気分を味わった。素晴らしい音楽、熱狂的で面白い現場、強度の高い接触。ここに来てまた新たな集団にはまるとは思わなかった。フットボールを含め色々な現場に顔を出し、それぞれを楽しみ、それでいてどこのコミュニティにも属しきらない感覚が、私にとっては心地よい。

2025年1月1日水曜日

@ LABEL 1.99 Starting Party (2024-12-27)

チケット代が破格のJPY199。いざ買うとなったらサービス料JPY110。システム利用料JPY330。イー・プラスでの決済額はJPY639。それでも安い。ドリンク代が前人未到のJPY700。チケット代と手数料と合わせてJPY1,339。それでもまあ安い。物販で #KTちゃん から買ったteeシャツ(黒、サイズM)がJPY4,000。さっきのJPY1,339と足すとJPY5,339。JPY199というほぼ無料のチケット代から始まって、結局まあまあ普通な金額を払っている。最初は無料で思考停止させ、客を引き付けてから集金に繋げるという、一昔前にビジネス書の世界で流行ったFREEMIUMに近い。たしかにteeシャツを買わないという選択肢もなくはなかった。ちゃんと見ていないがもっと安い商品もあったのかもしれない。だからもっと安く済ませることも可能は可能だった、のかもしれない。でもいいんだ。あの黒のteeは前から欲しかった。先日のソロ・コンサートでは売っていなかった。それに、あそこまで来て何も買わないという選択肢はなかった。ちなみに、パーティと銘打っているように、終演後にはバーのあるフロアで本当に演者さんとヘッズが乾杯し合う場が設けられていたようだ。人間の類型としてパーティ・ピーポーとは対極の位置にいる私にとっては完全アウェイ。怖すぎる。私は物販で #KTちゃん とお喋りをさせてもらい、スタッフさんに二人の写真を撮ってもらうとペコペコと頭を下げながらお礼を述べ、階段を降り、ドリンクを交換せず、そそくさと恵比寿BATICAから立ち去った。まるで次の約束があって急いでいるかのような足取りで。 #KTちゃん とお酒で乾杯が出来るかもしれないチャンス。それよりも、あの場から逃げることを選んだ。基本的にあらゆるパーティは私にとっての悪夢である。

どういうイヴェント構成なのか露知らず。どこかにタイム・テーブルが公開されていたのだろうか? 私の見落としかもしれないが、少なくとも #KTちゃん のTwitterとInstagramには載っていなかったはず。当日、 #KTちゃん のツイート。曰く20時からライブをやる。このイヴェントの開演時間は19時。19時からライブの打ち間違い? それとも19時からしばらくDJタイムや前座があるのか? どういう仕組み、仕掛け? 分かっていないのは私だけ? その可能性はある。というのが #KTちゃん が姿を現す前にSAMさん、さらにその前にMANONさんという女性がそれぞれの曲を披露する時間帯があったんだけど、SAMさん目当ての若者たちは氏がステージにいるときは最前やその付近を確保し、氏の出番が終わると後ろの方に捌けていったんだ。SAMさんがいつからいつまで出るのかというある程度の流れを分かっていないと出来ない立ち振る舞いだった。私は #KTちゃん 以外には『マジ興味ねぇ』(DJ OASIS feat. K DUB SHINE)というスタンス。彼らはSAMさん以外には『マジ興味ねぇ』(DJ OASIS feat. K DUB SHINE)というスタンス。全員がMANONさんには『マジ興味ねぇ』(DJ OASIS feat. K DUB SHINE)というスタンス(ごめん、言い過ぎました。そんなことはないよね)。だったら会場も小さいことなんだし #KTちゃん だけのイヴェントにできなかったんだろうか? まだ単独ではこの箱でも十分に集客できないんだろうか。とはいえSAMさんはよかった。バトル以外で氏のラップを聞くのは初めてだった。曲を聴いてみようと思った。SAMさんが地元の後輩と紹介した恰幅のよいラッパーがいかにもオタクをいじめていそうな不良という感じの風体(違ったらごめんなさい)でカッコよかった。 #KTちゃん は20時過ぎに登場。この会場はステージ側から楽屋に繋がっていないようで、演者さんがフロアを経由してステージに上がるつくりになっている。 #KTちゃん が私のすぐ右、私のちんちんに氏の左手が触れてしまうのではないかと心配するくらいのスレスレを通った。“imagination”、“BaNe Bane”(DOTAMAさんのヴァースもカヴァー)などの持ち曲、他にはSAMさんと一緒に“Do The Rhyme Thing”(DOTAMAさんのヴァースを #KTちゃん がカヴァー。先日のソロ・コンサートではDOTAMAさんを迎え、SAMさんのヴァースを #KTちゃん がカヴァーしていた)。あと新曲『距離ガール』の世界初披露。まだどこにも流れていない曲を先行して生で聴けるのは特別感があった。 #KTちゃん の出番は約30分。

スマート・フォンと共に生まれ育った若い世代が多いからか、ヒップホップの現場はヘッズによる撮影に大らかだ。撮るのが当たり前。みんなとにかく動画を撮り続けている。最初に出てきたMANONさんのときは誰も撮らない。撮影禁止なのかと思った。ところがSAMさんが出てくるとなった瞬間から場が色めき立つ。フロアにいる若者たちが一斉にスマート・フォンを取り出す。向けられるカメラ(iPhone)の数がそのまま関心度を表す。アイドル現場におけるペンライトの色のように。まだMANONさんにはそこまでファンがついていないのだろう。社交辞令的に(?)軽く撮る素振りすらない。見せられる残酷な現実。これは今日のイヴェント全般について感じたことだが、ヘッズが撮るのに夢中すぎて、目の前の現場を盛り上げるのが二の次になっている。ヒップホップの現場が全般的にこうなのか、たまたま今日がそうだっただけなのか、それは分からない。音楽の現場としてまだまだ未成熟だと感じた。撮ることと、この場を盛り上げて楽しむこと、その匙加減がうまく出来ていない。せっかく近距離で観ているのに、自分のiPhoneストレージの中に動画を残すことにほぼ全振りしてしまっている。撮影が自由であったとしてももうちょっとやりようはある。実際、畑は違うがLiVSは撮影自由なのにあれだけ現場が盛り上がる。これは #KTちゃん 現場におけるこれからの課題と言える。氏の現場におけるノリはこれからみんなで作り上げていくものなのだろう。そしてそのみんなの中心にいないといけないのは若者たちだ。私ではない。 #KTちゃん 現場において私は一歩引く立場だと思っている。ここは私のホームではない。SAMさんが捌けて彼のフォロワーも後方に撤退した瞬間、最前に行こうと思えば行けた。私はあえて行かず、二列目の端っこを維持した。そのタイミングで私とは別のオジサンが最前に移動していた。横幅が五人くらいしかないフロアで、最前にオジサンが二人いるべきではない。それは #KTちゃん の現場に相応しくない。最前に若者男性数名ががっつくのを好ましく思っていたが、彼らがやることと言えば突っ立ってスマート・フォンで動画を撮り続けるだけだったのでガクッと来た。たぶん声らしい声も出していなかったのは動画のノイズになるからだろ? そもそも音楽の現場に慣れていなくて振る舞い方が分からないのもあるかもしれないが。大体、そんなに動画ばっかり撮ってどうするのか。帰ってからそれを観てシコるのだろうか? ソーシャル・メディアにアップロードして #KTちゃん の布教に使うなら理解できる。なお、かくいう私もしっかり動画を撮ったクチである(撮ったんかい)。つくづく人間とは矛盾に満ちた存在である。人の発言や意見を額面通りに受け取ってはいけない。

(終演後、フロア後方。物販で購入者がいないタイミングで覗くと、こっち来て~的な身振りで私に笑顔を向けてくれる #KTちゃん )
(黒のTシャツを指さす)コレをください
4,000円です
はい(肩にかけているBAICYCLON by bagjackのCombo Shoulderから千円札を四枚取り出す)。
(お洒落なメガネですね、的なことを言ってくれる)
あ、ありがとうございます。僕あの、 #KTちゃん が
はい
Spotifyで2024年に3番目に長く聴いたアーティストです
えーっ! マッジで~??! ちょー嬉しいんだけどー! 一番どの曲が好きですか?
“choma!”
“choma!”(この後に何か言ってくれたけど忘れた)
あと“MAI MAI”
“MAI MAI”。結構ノリノリの曲が好きなんですね
そうかも
的な会話をさせてもらった。出口に向かう私。あ、よろしければお写真お撮りしますよとわざわざ引き留めてくれる優しい男性スタッフさん(ありがとうございます)。 #KTちゃん は最近の動画でおじさんが得意と自ら言うだけあって、抜群の接触対応。地下アイドル顔負け。絶妙なポジショニング。ヒップホップの世界にしっかりと足場を築き、質の高い音楽を創出しつつ、アイドル的な要素もありつつ。私はアイドルではないとご本人は以前に動画で言っていたが、売り方は確実にアイドルが入っている。帰り道に聴く彼女の曲。生で観て、対面してお喋りもさせてもらって、写真まで撮ってもらった直後だと、もう鳴りが違う。1月13日(月・祝)に渋谷のマンハッタン・レコードで行われるリリース・パーティを、私はパスするつもりだった。優先入場のために買わされるトート・バッグが欲しくなさすぎる。それに高すぎる(送料込みでJPY5,690)。JPY5,690を払ってレコード店内のリリース・パーティを観るのか? しかし、購入してしまった。

2024年12月31日火曜日

FACE THE SOUNDS (2024-12-23)

11月30日(土)の対バンで初めて観て以来、ほぼLiVSしか聴いていない。Spotifyによると私が2024年に最も長く聴いたアーティストであるBLUEGOATS(8,160分)を、この3週間強というもの殆ど聴いていない。由々しき事態である。生で聴いたときにもなんとなくいいなとは思っていたが、じっくり聴いてみると想像以上。まあ言うてもよくある地下アイドルの範疇やろ、BLUEGOATSのクオリティには及ばんやろ程度に高を括っていた。それが見事なまでにはまってしまった。また来てね! とミニ・マルコさんに手を振られたあの瞬間。それを最後にするという選択肢はもうなかった。(なおミニとマルコの間の点はどうやら幅の狭い点が正式なようである。ご本人のTwitterアカウントでの表記がそうなっている。このラップトップではその点を出せない。当ブログでは便宜上、全角の点「・」で表記する。)LiVSのコンサートには新規無料チケットがある。注意書きを読むと対バンで一度観た人も対象になるという。その制度を利用し、12月23日(月)に渋谷wwwxで行われるコンサートの無料チケットをゲトッた。どうやらツアー・ファイナルか何かで大切なコンサートらしい。Livepocketを見ると翌日12月24日(火)にも公演があるが23日(月)のチケットを提示するとメンバーからクリスマス・プレゼントをもらえるとかで、ちょっと内輪感がある。いきなり行くにはちょっと敷居が高い。大きめの会場での大事なコンサートである23日(月)の方に行き、24日(火)はパスすることにした。この年末の時期に二日連続で平日の夕方を空けるのは厳しいしね。

17時半開場、18時半開演。ちょっと厄介なことに月曜は出社日。一度家に帰って着替えたりしたかった。業務的にも落ち着いてはいたので午後休を取得。神保町のマンダラで平日Aランチ・セット JPY1,680。カレーはヌールジャハニ(鶏肉とレバー)を選択。『美味しんぼ』24巻の表紙に映っているのがこの店らしい。店の入り口付近に単行本を飾ってある。帰宅。ちょこざっぷで30分走る。池袋駅構内の大江戸そばでわかめそばとちくわ天 JPY590(だったかな?)。渋谷。新規無料チケットは入場の順番が最後。並んでもしょうがないので、列が落ち着いているであろう頃を見計らって会場へ。並びゼロで中へ。フロアに入る前に物販がある。チェキ券はいま買うんですか? とお姉さんに聞く。曰く、講演後にも販売するけど混むから今買った方がいい。いくらですか? JPY2,000なんですけど、アルバム(JPY3,300)を買うと特典券が3枚付いてきます。チェキは特典券2枚、1枚で握手が出来ます。あー、チェキ券を一枚とかじゃなくて、内容によって組み合わせて使うんですね。そうです。一度の会計でJPY6,000以上で写メ券が付いてくるので、アルバムを2枚買う人が多いですね。JPY6,000も使う気はない。アルバムはフィジカルで1枚持っていてもいいかな。アルバムを1枚購入。PayPayが使える。フロアに入った時点で18時10分くらいだったかな。その時点で後ろ半分は人がまばらだった。前の方に柵がある。VIPチケットを買った人は柵の前に入れるんだろうな。KissBeeでもそうだった。このシステムに私はあんまりいい印象がない。なぜならフロア内にヒエラルキーを作り出し、可視化し、固定化するからだ。高いチケットを買った人が先に入場できる。そのやり方は否定しない。問題は、この柵があるかどうか。文字通りのゲーテッド・コミュニティをフロア内に作り出すかどうか。それがBLUEGOATSとLiVSとの差だろう。BLUEGOATSのフロアでは前にいようと後ろにいようがヒエラルキーを感じることはほとんどない。なぜならBLUEGOATSのノリの中核を占めるのが一緒に歌うことだからだ。歌うことに関して前だったら偉いとか強いとか、そんなことはない。どこにいようと歌うことでBLUEGOATSの一部になれる。平等である。一緒に歌えば繋がれる。それは会場の大きさにも位置にも制約を受けない。可能性は無限大なのである。終演後に近くにいた紳士たちが、あの柵いらなかったよな。途中から蹴っ飛ばしてたよなぞと歓談していた。彼らの精神性に私は希望を見た。LiVS支持者たちも捨てたもんじゃないなって。

LiVSはコンサート中の撮影が静止画、動画ともに自由で、ソーシャル・メディアへのアップロードも奨励されている。YouTubeには有志の方々が撮影した高画質の動画が出回っている。それもおそらく全公演。最初から最後まで観ることが出来る。私は今日までにそれらをいくつか視聴した。それで知ったのだが、どうやらすべての公演ではじめまして、LiVSです! と言っているようである。今日もそうだった。11月30日(土)は対バンだったからはじめましてなのかと思ったらそうではなかった。いつでも初めてのお客さんに見せるつもりで、初心を忘れず、的なことなんだろうか。だとすると立派な心意気である。

最初にこの集団を観たときはとにかくミニ・マルコさんに目を奪われた。ミニ・マルコさんが可愛すぎるぞ以外のことがほとんど考えられなくなっていた。しかしあれから曲を聴き込み、動画を観て、生で観るのが二回目となる今回。見え方が変わった。見えるものが増えた。何といっても、ユニセックスさんのねっとりした歌声。けだるいフロウ。聴いていて心地よい。癖になる。ミニ・マルコさんのスッキリして清涼感のある歌声と、曲の中で引き立て合っている。もちろん他のメンバーさんの個性とも絡み合っている。現時点で私にとって歌が印象的なのがミニ・マルコさんとユニセックスさんである。

そういえば開演前、右後ろをふと見るとBLUEGOATS運営の某氏がいるではないか。思わず声をおかけする。
〇〇さんですよね?
?
BLUEGOATSの…
あー!
この間の対バンで初めて観て…
マジっすか。僕、曲が大好きでずっと聴いてるんですよ
あー、曲いいっすよね。僕もめっちゃ聴いてます
楽しみましょう!
的なやり取りをした。BLUEGOATSの運営さんも曲を気に入って観に来るLiVS。私の感性は間違っていなかったんだなと思った。

それぞれに異なった魅力のある、洗練された楽曲。その多彩さを、やや一辺倒な地下アイドルノリでヘッズがスポイルしている感は否めない。たとえば“MUSiC”の冒頭。ファイヤータイガーサイバーダイバー、ファイヤータイガーサイバーダイバーなぞと早口で捲し立てるヘッズ。音の隙間を全部埋めないと気が済まないかのように。なんでもかんでもマヨネーズをドバドバかけてグッチャグチャにして食ってるみたいな感覚。もちろん、これはLiVS現場が二回目の、ポッと出の傍観者による戯言に過ぎない。何度も観ていけば私の意見は変わるかもしれない。気を悪くしないでほしい。ただ、このときはこう思っていたという記録として残しておきたい。

途中から気持ちよくなってきた。開演前に飲んだお酒の影響だけではないはずだ。本当に心地よい音楽の空間で。ふわっとした気持ちになった。自分が立っているその持ち場にいなくちゃという精神が薄れて、前の空いているスペースにふらふらと進んでいった。左の人と何度も肩を組んだ。これはLiVSのコンサートではお決まりとなっているのだが、最後に近くの人と手をつなぎ、LiVS側が人間、と言い、サイコー! と全員で叫ぶ。サイコーですか? サイコーですというのに似ている。宗教っぽい。宗教という言葉を使ったのはあながち誇張ではない。こういう集まりって、世俗化した現代社会で、激化した資本主義の競争からの救いを提供するのが、究極的には果たすべき役割だと思う。その中で人と人の繋がりや精神的な健康に寄与する。週末の教会、礼拝の代わりにコンサート、特典会。

20時ちょうどくらいに終演。なかなか始まらない特典会。始まらないな…と普段から来ているらしき人々も口々にぼやいている。20時37分にようやくVIPチケット購入者の全員チェキの案内が始まる。VIPの特典や公演の前に済ませておくべきではと思った。20時39分にメンバーさんがステージに現れ、フロアに下りてくる。そこから全員チェキとか、全員握手とかを経て、最終的に私がミニ・マルコさんに対面したのが21時頃。公演時間が90分、チェキまでの待ち時間が90分。
また来てくれてありがとー
BLUEGOATSのときの…
そうだよね
あの対バン以来、ずっとLiVSの曲を聴いてて、はまっちゃった
えー! 嬉しい
今日BLUEGOATSの運営さんが観に来てたんだけど、知ってる?
え? 知らなかった
そうなんだ。後ろの方にいたよ。その運営さんもLiVSの曲が好きでずっと聴いてるって言ってた
また対バンできるといいね! どの曲が好き?
えー全部好きだけど、“Shall Weeeee Dance???”とか。あの、こういう(この曲独特の動きを少し真似する)
これね(笑)今度やろうね。今日(のコンサートでは)やらなかったから。今ちょっと練習しよ(ステップを踏む)
(うまく出来ない)え、出来ない…
出来ない(笑)
的な感じで、最後は私のポンコツすぎる動きで終わった。初めてお会いしてから一ヶ月近く経つのに覚えてくれていたミニ・マルコさん。

前にF君が、オタクを舐め腐った特典会の運営方法などによるストレスもHello! Projectに必要な要素の一つであるという旨のことをおっしゃっていた。実はその考えは理にかなっている。『ドーパミン中毒』(アンナ・レンブケ)によると人間の脳は苦痛と快楽を同じ場所で処理している。片方が増えるともう一方を増やし、シーソーのようにバランスをとるように出来ている。快楽だけを与えられてもいずれ耐性がついて同じ刺激で得られる喜びが減ってしまう(麻薬などがそうであるように)。適度な(あくまでも適度な)苦痛やストレスがあることで、快楽も感じやすくなる。苦痛と快楽は両輪の関係であり、紙一重でもある。適度な苦痛が脳にもたらすよい影響の例は冷水浴だそうだ。これは同書と、『インターネットポルノ中毒』(ゲーリー・ウィルソン)にも書いてあった。チェキまで長時間待たされることで、いざミニ・マルコさんにお会いできたときの喜びが増大する。それはたしかにあったと思う。感情というのは落差なのだ。喜怒哀楽のすべては切り離せない関係にある。それぞれの感情が引き立て合うのである。キレイな、都合のいい感情だけを切り離してそれだけを味わい続けられるように人間は出来ていない。

2024年12月30日月曜日

Hiromi's Sonicwonder JAPAN TOUR 2024 (2024-12-21)

昨日は食いすぎた。夜に会社の忘年会があると分かっていたのに昼もしっかり食ってしまった。池袋の四季香で回鍋肉定食JPY980。取り放題の副菜セクションで煮卵を二つ。もたれ気味な胃。リカヴァリーのために朝食は食物繊維の多いものを軽く。ローソン・スリーエフ。たっぷり食物繊維が摂れる梅しそごはんおにぎり(国産もち麦入り)。食物繊維8.6g。最近amazonで箱買いしたIFココナッツ・ウォーターを手に、家を出る。新幹線。高い。池袋から名古屋。JPY10,560。行きはバスでもよかった。後から考えるとその方が賢明だった。だが私には昼時に名古屋に着きたい理由があった。気になっていた南インド料理店。マドライ・キッチン。なんとなく栄駅付近だと思っていたが思い違い。駅付近で起動したGoogle Mapによると徒歩49分。名鉄瀬戸線。栄町駅から森下駅。6分。駅から徒歩5分くらいかな。あった。ビリヤニ・プレート JPY1,300。チキン65 JPY1,000。今日のビリヤニは海老。人生で二度目の海鮮ビリヤニ。色んなスパイス。手の込んだ味。でもじゃあ結果としておいしいのかと言われるとなんとも言いがたい。分かる人にはたまらないのかもしれない。私にはピンと来ないタイプのビリヤニ。チキン65は分かりやすく濃い味付けの唐揚げ。こっちはおいしかった。客は女性中心。インド料理店らしからぬお洒落感。駅の周り。これといってなさそうな目ぼしい商業施設。南インド料理店とメンタル・クリニックはある。もしこの町に私が一人で住んだら精神を病むだろうか。きっと病むだろうな。そんな気がする。栄方面行きのプラットフォームから見える景色。眺めながら想像。この前、東京の船堀を歩いていたときにも何かゾワっと来た。自分はここに長く居ちゃいけないという感覚。土地土地に染み付いた何かがある。その何かとの相性が、たぶん人それぞれにある。

セブン・イレブン名古屋栄森の地下街店。チケットを発券。現地で発券することの利点。チケットを忘れるとかなくすとかのリスクがなくなる。生活の知恵。受け取ったチケットを確認。なんと、二列! 東京に続いて良席。いいこともあるもんだ。時間調整。名古屋でやたらと見るカフェ・ド・クリエは敬遠。イタリアン・トマト系列の、聞いたことがない店名のカフェ。レーコー JPY380。私が立ち上がって上着を着ている最中、まだ席を離れてもいないのに椅子にタオルか何かを置いてくるオジサン。間近で犬にションベンでマーキングされてる気分。きめえ。イラッとする。置かれたそれを投げ捨てたくなる。私はそれを実際にやりかねない人物。

愛知芸術劇場。栄駅から徒歩数分。好立地。Hello! Project支持者時代に身についた、良席のときは早く入場しすぎない癖。チーム友達が来るから。あのお、その席って連番ですか? もし一人だったら代わってくれませんか? 友達が近くにいてえ。ってやつ。もちろん上原ひろみさんのコンサートでその手合いは来ない。(今のHello! Projectでもそういうのが横行しているかどうかは知らない。)高齢男性の多さという点では客層は似通っているとも言えるが、現場におけるノリは大きく異なる。私は横浜F・マリノス、田村芽実さん、 #KTちゃん 、BLUEGOATS、LiVSなど異なる陣営の娯楽を横断的に見るようになって、最近確信した。ライヴ・エンターテインメントの現場における死活問題とは、どういうノリを作り上げるか。それがすべてと言ってもいい。ルールとかお作法のような堅苦しいものではない。楽しみ方、盛り上げ方、に近い。日本では上原ひろみさんのコンサートをどうやって楽しみ、盛り上げるのかのノウハウが根付いていない。1,500人~2,500人収容のホールは埋まった。埋めた人々の質はどうだったのか。このツアーに来場したヘッズの中に、Hiromi's Sonicwonderのアルバムを何十回、何百回と聴き込んだリスナーがどれだけいたのか。10年、20年と上原さんの音楽を聴き続けてきた人がどれだけいたのか。はっきり言ってしまうと、お金と時間があるからとりあえず来ましたって感じの人、セックスの前戯として来た男女、そういった人たちが何割もいたように思う。そして、もうひとつ大事な点として、ノリを作り上げるにはそのチームなりアーティストなりの興行が日常の中に存在しないといけない。定期的なイヴェントとして設定されていないといけない。そうしないとヘッズ側の練度が上がっていかない。仕上がっていかない。その現場ならではの暗黙の了解が出来上がっていかない。おまいつがノリを身につけ、全体を引っ張って盛り上げていくんだ。年に一回程度の日本ツアーがあるという現状の頻度では、観客がおまいつ化するのが難しい。もちろん、同じ頻度であったとしても他国の観客はもっと熱狂するのだろう。世界的に見ると大抵の国では日本よりもデフォルトのノリはいいだろう。日本人のデフォルトのノリには前に書いた儒教的な特質が大きく作用しているはず。

コンサートの前半。私の右に座っていた老紳士が結構な割合を寝て過ごしていた(もちろんジロジロ見ないよ。すぐ隣だったので目に入った)。たしかに最近は寒い。季節の移り変わりを乗り切るだけで消耗する。彼を見て私は思った。いくら時間があってお金があったとしても、最終的に自分が何を楽しめるかは体力、気力に制約される。100の時間とお金が自由に使えたとしてもそれを受け止める自分の能力(体力、気力)が30であれば楽しめる上限が30なのだ。たとえそれまでの人生で色々聴いてきて、耳の肥えたリスナーになったとしても、その音楽の放つ熱量についていくだけの体力と気力が残っていなければその音楽の一部にはなれない。エンターテインメント全般に言える。要求される熱量がそれぞれにある。もちろん同じスタジアムでも席の種類が違ったり、同じフロアでも前方だったり後方だったりで異なるスタンスをとることは可能である。全員が一律で同じように振る舞わないといけないわけではない。それでも現場というものにはある程度の基準が存在する。ただ、後半ではその老紳士が目を瞑りながらも頭を揺らして音楽に浸っているようだった。もしかすると前半も実は寝ていなかったのか? 終盤には完全に起きて声も出していた。

私と同年代(40代前半)の知人、友人が異常な割合で腰をヘルニアなどで傷めている。長時間のイヴェントやコンサートなどでずっと立っていられないなど、人生を楽しむ上での分かりやすくて具体的な支障が同年代で出始めているのを見ると、いよいよ私も生物としてそういう段階に足を踏み入れつつあるんだなと実感する。立つ、歩く。人間として活動していく上での根幹。書店で健康本の題名を眺めると、我々が最終的に行き着く健康上の関心事は歩けなくなる(のを防ぎたい)、咀嚼できなくなる(のを防ぎたい)であることが分かる。自分で歩けない、自分で物を噛めない。自然に考えるとその先に待っているのが何かは言うまでもない。

20分の休憩中、ジーン・コイさんが数分間ステージに戻ってくる。ドラム・セットに何らかの不具合があるようでスタッフ4名と何かを話し合っている。解決したようでThank you!とスタッフに礼を言い、袖に捌けていった。コイさんといえば、このツアーで彼が来ているシャツが原宿の竹下通りで買ったものだと東京公演で上原さんが明かしていた(買った場所については東京公演のみで言及していた)。鯉の柄。ジーン・コイだから鯉。鯉のシャツを着始めてから鯉のグッズをたくさんもらうようになった。

上原ひろみさんの即興プレイを目を瞑って聞き入るトランペット担当のアダム・オファリルさん。そう来るか! という感じでアー! と声を出して笑みを浮かべるジーン・コイさん。お互いのプレイを楽しみ合っている。コンサート中、ステージにいる四人の間で何度もこういう場面が見られた。どこかジョイントを回し合ってハイになっているような、そういう雰囲気があった。そしてヘッズ側の拍手や声にうんうんと頷くメンバーさん。鍵盤から目を離し、嬉しそうに客席に振り返りニコッとする上原さん。本当は、ヘッズとメンバーさんの間のコミュニケーションをもっともっとやるべきだったし、メンバーさんたちもそれを望んでいたと思う。他の国ではもっとあるんだと思う。私を含め、まだまだシャイだった。それが残念だが、上に書いたように、日本でそのノリに到達するにはもっと公演を定常化しないと難しいというのが私の結論だ。複数年に渡って複数回、上原ひろみさんの日本公演を観た上でそう思う。ただ、私としては東京では会場と席に恵まれ、この名古屋でも席に恵まれ、心から幸せだと思える時間を過ごすことが出来た。

あの長いスピーチは何を言っているんだ? 昨日メンバーにそう聞かれたという上原さん。新曲“Yes, Ramen!(表記不明)”の前のトークを指している。ラーメンへの思いを語っていると答えると、あんなに長く? とメンバーさんたちが驚いたという。何十年と老舗の味を守るヴェテラン、それに挑む新進気鋭の若手という構図や、同じラーメンが好きな人たちが一杯のラーメンに向き合うというのが、ジャズ界やライヴに似ているという趣旨のことを上原さんは言っていた。彼女は本当にラーメンがお好きなようで、Instagramによくラーメンの画像を投稿している。それも普通、有名人って自分が食べているところを映すじゃん。彼女の場合、ラーメンだけを映してんの。オタクのInstagramみたいに。それだけガチってこと。

終演後にギャンブル依存症の中島さん(仮名)と合流。(なんと直前にチケジャムでチケットを入手し、コンサートに入っていたらしい! 高齢者の多い客層がSKE48と同じで安心感があったと言っていた。)名古屋駅まで移動。雨が降ってきたので地下街に避難。ヒモノ照ラス ユニモール店。彼が東京で家賃を踏み倒したまま(正確には毎月JPY1,000だけ振り込み続ける。更新料は満額払ったらしい)栄に引っ越してから会う頻度は落ちた。今年は二回目である。また、彼のTwitterが永久凍結(現在は解除されている模様)してから近況を知る機会は減った。会うのは3月30日(水)の2024明治安田J1リーグ、名古屋グランパス vs. 横浜F・マリノス(豊田スタジアム)のとき以来。サシでメシを食うとなると数年ぶりだろうか。久しぶりに色々と話せて嬉しかった。最近は日本酒を開拓しているらしい。それぞれが定食を頼み、彼の解説を聞きながら日本酒を色々と。田中六王、醸し人九平次、るみこの酒、黒龍、裏寒紅梅、裏半蔵。二人でJPY7,678。私が出した。奢った金額としては上原ひろみさんのツアーteeシャツ(JPY3,500)に近い。先日サファリ色を買えなかったからといってそれを買い足すよりは中島さんと歓談して飲食代を奢る方が、お金の使い方としては何十倍も有意義である。 

2024年12月27日金曜日

Hiromi's Sonicwonder JAPAN TOUR 2024 (2024-12-19)

前日にセブン・イレブン東池袋一丁目店で発券したチケット。五列という数字が私にもたらした高揚。一方、七日前に大宮ソニック・シティ大ホールで味わった煮え切らない時間。今日はどうなる。一抹の不安。そのせめぎ合い。すみだトリフォニー・ホール。最寄り駅は錦糸町。池袋からだと御茶ノ水乗り換え。御茶ノ水。近辺の駅に最近行っておいしかった店があった気がする。どこだっけ。マサラ・キングだったか? そうだ。平井駅。錦糸町から五分。一本。よし、そこにする。17時に平井駅。マサラ・キングに向かう商店街。途中にあるゴレル・シャッドというこれまたそっち系の店。ビリヤニはあるかと聞いたら首を横に振る店員氏(メニュウにはある)。コメはあると言って炊いていない状態のコメ数キロの袋を指さしてくる。今ビリヤニを食えないからって代わりに数キロ単位のコメを買わねえよ。そのまま直進。マサラ・キング。申し訳程度の店内飲食空間。二、三人で満員になる。運良く先客なし。マトン・ビリヤニ定食。カレーはマトンほうれん草を選択(+JPY100)。JPY1,540。大宮のときにギリギリになって焦った。今回は店を決め打ちしてテキパキ動いた。それでもゆっくり一息つくほどの余裕は生まれず。入場前に会場近くのコンヴィニエンス・ストアでホット・コーヒーを飲むのが精一杯。多くの人々が同じ方向にスマ・フォを向けて写真を撮っている。何だと思ったら東京スカイ・ツリー。

大宮ソニック・シティ大ホールが日産スタジアムだとすると、このすみだトリフォニー・ホールはニッパツ三ツ沢球技場。それくらい違う。縦にも横にもコンパクトなつくり。物理的、視覚的な近さはもちろんのこと、いかにも音響がよさそう。いま検索したら収容人数が1,801人。一方、大宮ソニック・シティ大ホールは2,505。その数字以上に差がある。でっけえ箱って感じだった大宮に対し、こっちは音楽を聴かせるための空間として作られている感じがする。中に入って肌で感じると分かる。場として全然違うのよ。ヴァイブスからして。それで席は5列目のほぼ中央と来た。こりゃどう転がってもドープな時間になるでしょ。そりゃさ、たしかにヘッズの老紳士率は高かったよ。ステージに目を向けると否が応にも無数の老紳士たちの禿げ散らかしたが後頭部、頭頂部が視界に入るわけ。異常事態。Hello! Projectのバースデー・イヴェントと見紛うばかり。裁判の傍聴でもしているかのような仏頂面や腕組みでほとんど無反応のまま時間を過ごす謎の紳士たちもたくさん。コレが西洋社会で流行しているというrawdoggingですか? よくそんな無反応でいられるね。観に来ている人たちの大半は感情を消失したのだろうか、それともうつ状態なのだろうかと思うことがある。でもそんなことはどうでもよくなるくらいの臨場感と緊張感がある会場と席だった。コレだよコレ。ライヴで音楽を味わうってのは。そりゃ上原ひろみさんがSonicwonderで表現する音楽を体感するにはライブハウス(和製英語)で立って観るのが一番。だってコレはもはやダンス・ミュージック。本来、座ったままで聴くのに適した音楽ではない。だが、着席での鑑賞をさほどハンディキャップと感じさせないほどに素晴らしい会場。なおかつステージと自分との間に4列しかないから目に入る他人が物理的に少ない分まわりが気にならなかったというのはあったと思う。ジャップの国民性に文句をつけながら自分も神経質で、他人を気にしている。しっかり陰気なジャップの自分がイヤになる。

先週の大宮が、結果的にはいいウォーミング・アップになった。あの公演でこのツアーにおける会場や観客の熱量に対する私の期待値が下がった。一回下げて、今回こうやって上げることでなおさらよく感じたのだと思う。感情ってのはそういうもんよ。落差。喜怒哀楽はすべてが一式になっているわけで。キレイな感情だけを取り出して、好ましくない感情を排除するってわけにはいかない。悲しみ、怒りがあるから楽しさ、喜びが際立つわけ。

ステージで表現される自由、遊び心、逸脱。解き放たれる情熱。その世界に客席から入り込むことで、普段の生活で使わずにどこかに眠っていたいくつもの感情が引っ張り出され、鷲掴みにされ、刺激され続ける感覚。お前にはこんな感情もあるんだぜ、もっとそれを表現していいんだぜ、俺たちはこうやって表現してるんだぜ、ってステージから上原さん率いる四人のメンバーさんたちが語りかけてくるような感覚。整体マッサージが凝り固まった身体をほぐしてくれるように、音を通した感情のマッサージ。ある種のセラピー。贅沢な時間。幸せだった。至福の時間に浸りながら、一方ではこうも思った。本当の意味で自分の感情を表現するためには、やる側に行かないといけないんじゃないだろうか? いくら一緒に作り上げる要素があると言っても観客は観客。受け手は受け手。限界がある。作る側、表現する側。向こう側からしか見えない世界は確実にある。生産することでしか得られない喜び。音楽にしてもフットボールにしても、観客が一緒に作り上げている。それは間違いない。それでも我々はお金を払って、チケットを買って、割り当てられた席で観るという立場なのであって、ステージ側、ピッチ側とのあいだに厳然たる壁がある。生活の安定のため、一定以上の収入を得るための立ち回りとしての職選びと、本当に何らかのやりたいことを見つけた結果としての職選び。前者が無価値で後者こそが尊いと言い切るほど私は若くはないしロマンティストでもない。前者に振り切った人生を送ってきた私は、後者に属する人たちが放つまばゆい光に嫉妬することがある。じゃあやってみろと言われそうだが、私には当然そんな選択をする度胸もなく、それ以前に自分がやりたいこととか、なりたい者という概念そのものがとっくのとうに分からなくなっている。夢や希望(そんなものがあればの話だが)を犠牲にして比較的、安定した賃金労働生活を手にし、これまで生き延びてきた。それでも生活のどこかで、自分のことを表現する時間が必要。その意味で、こうやって文章を書くことは私にとって大切なのだ。なんだかんだ、このブログを書き始めてもうすぐで十年になる。

2024年12月26日木曜日

Hiromi's Sonicwonder JAPAN TOUR 2024 (2024-12-12)

大宮、東京、名古屋。申し込んだ3公演、すべて当選。ひとつ外れて2公演、あるいは最悪、名古屋だけ当たって残りは落選を想定していた。全当選はベスト・ケース・シナリオでありベスト・ケース・シナリオではなかった。大宮、東京、名古屋の順で12月12日(木)、12月19日(木)、12月21日(土)。自分から申し込んでおいて変な話だがこの短期間に3公演は多い。もしあらかじめ埼玉と東京の当選を確約してくれるなら名古屋は申し込まなかったかもしれない。だって往復の移動費だけで2万円以上かかる。とはいえ目先の費用をケチることで上原ひろみさんの音楽を生で体験する機会を逃すことは避けたい。氏の音楽にはそれだけの価値がある。もともと12月はほとんど予定がなく、予定が入る予定もなかった。後になってその名古屋公演の日にBLUEGOATSのrelease party(それもチャンチーさん作詞曲の)開催が発表された。その日に被せてくるとは。痛恨だった。結局それ以外にも12月23日(月)にLiVS、12月27日(金)に #KTちゃん 、12月28日(土)にLiVS、12月29日(日)にBLUEGOATSと、立て続けに年末の現場スケジュールが決まっていった。現場に不足することがない。むしろ消化しきれない。最初に分かっていれば申し込むのは埼玉と東京だけにしていたと思う。LiVSとの出会いは想定外だった。11月30日(土)の対バンチケットを買うまでこの集団の存在すら知らなかった。

在宅業務を早く切り上げ17時頃に大宮駅に到着。せっかく普段来ない場所に来たのだから何か食べよう。18時開演まで1時間半。たっぷり時間はあるはずが、思っていたより余裕がなかった。18時半より前には会場に入らないといけないし、そもそも店選びや徒歩の時間も加味すると食事というのは意外に時間を要する。考えてみると普段も飲食店への往復と店内の待ち時間、飲み食いする時間で昼休みの1時間は簡単に過ぎてしまう。駅の付近を軽く歩くが目ぼしい店がなく。飲み屋に入るほどの時間はなく。とはいえ軽く一杯は入れておきたい。なんてやってるうちに時間を使いすぎた。立ち飲み日高に入店。黒ホッピー、枝豆、イワシ・フライ、カシラ(塩)、レバー(タレ)。20分以上経っても来ないコロッケ。かといってもういい時間になってきた。今からコロッケが来たところで食っていたら開演時間ギリギリになってしまう。コロッケひとつのためにとるべきリスクではない。レジへ。会計のときにコロッケが来なかったですと言うとその分を金額から引いてくれた。店を出るのが18時15分すぎになった。会場の場所を調べたときに駅から直結していると書いてあったはず。なので安心していたのだが直結はしていなかった。開演まで15分を切っている中、会場の正確な場所がまだ分かっていない。足早にGoogle mapの示す方向に向かう。変な汗が出てくる。

見つけた。入館。お手洗いで陰茎から尿を放出。入場。急ぐ。Teeシャツ購入。欲しかったサファリ色のLは完売。じゃあ黒でいいや。凄く感じのいい売り場の婦人。JPY3,500。席に着いたのが開演5分前くらいだったと思う。真冬。バッチリ決まったコーディネート。古着フーディの上に大きめのネル・シャツ(SEDAN ALL-PURPOSE)、ダウン・ヴェスト(SEDAN ALL-PURPOSE)。クロークやロッカーがあるわけではない(もしあったとしても預ける時間的・精神的余裕はなかった)。左右の席に客がいる中、立ち上がってヴェストとシャツを脱ぐ。大事な服。雑には扱えない。狭い空間。なんとか足元に収める。軽く汗ばむ。左右の人たちからするとなんだこいつ落着きねえなという感じだったに違いない。呼吸を整える。

なんだか間延びした雰囲気。だったように感じる。ちょっと眠たい感じというか。私が眠かったという意味ではなく。大宮ソニック・シティ大ホール。特別、物理的に広いわけではないが、だだっ広く感じた。平日の18時半に、JPY8,500するチケットを購入して駆けつける。それだけの熱意がある人たちが集まったはず。なのに、なんかこう…ピリッとしない。よく理解が出来ない。上原ひろみさんを日本で観られる稀少な機会。ましてや埼玉でなんて年に一度あればいい方なのに。盛り上がりがいまいち。(いや、そんなことねえよ。十分、盛り上がってたよっていう人もいるかもしれない。そうだったのかもしれない。単に私の気持ちが高揚しなかっただけで、それを勝手に周りに投影し、周りのせいにしているだけなのかもしれない。分からない。)私の中ではふがいなさ、歯がゆさよりも諦めが強かった。まあこんなもんか。埼玉だし。埼玉に何を期待するってんだよ。元を辿ると儒教が諸悪の根源。予定調和を崩す、輪を乱す、流れを断つ、水を差す、周りに合わせない、お行儀よく静かにしない、そういう人をとことん白眼視して迫害する。ほかの人に迷惑をかけないこと、歯向かわないこと、従うこと、順番を守ること、そういった規範への過剰な適応。電車が人身事故で止まったら、電車を止めて世の中に迷惑をかけたかどで自殺者がソーシャル・メディアでなじられる。それが正論として通る社会。子どもの頃からずっとそうやって育てられてきて、そういう価値観で生きてきて、このコンサート中に限っては自由に、周りを気にせず、空気を読まず、それぞれが好きに声を出して、演奏に熱狂的に反応する、なんてのは難しいよね。とはいえ、それが実現したこともある。去年の渋谷がそうだった。あの公演が恋しい。アレをもっとやってくれよ。ライブハウス(和製英語)でさ。スタンディングでさ。着席のホールばっかじゃなくてさ。やっている音楽と、鑑賞形式(ホールでの着席)とのミスマッチ。やっている音楽と、客層(高い年齢層。音楽の一部になるのではなく、受け身で鑑賞しに来る人たち)とのミスマッチ。それが気になって楽しみきれない自分も周りに影響を受けすぎるジャップの一員。情けない。まあ、こういう日もある。私に関して言えば、11月30日(土)の対バン以来ずっとLiVSばかり聴いている。今日の公演は、自分の頭をジャズ、上原ひろみさんのモードに切り替えるためのウォーミング・アップのようになってしまった。東京と名古屋。残り2公演はもっと楽しめるだろうか? やや先が思いやられる。