2022年7月16日土曜日

クラウディア (2022-07-09)

洗濯機がまだ6月15日(水)の引っ越しでアート引っ越しセンターのボーイズに搬入してもらった状態のまま。上の蛇口、下の排水をつなげばいいのだが、なかなか手がつけられない。(アートに頼むと追加料金をJPY6,000も取られる。いくらなんでも高すぎないか。専門的な技能は不要だし、時間もさほどかからない。)新生活に慣れるのに精一杯で余裕がない。荷物はまだ片づいていない。洗濯機の前にも鎮座している。新居付近は生活感のある庶民的な区域で、徒歩圏内にコイン・ランドリーがいくつかある。今は専らそっちで洗濯をしている。けっこう楽しい。洗濯機は小さいのがJPY200、大きいのがJPY300。乾燥機は10分あたりJPY100。乾燥機を使うのは2005年4月からの数年間、会社の寮に住んでいたとき以来だ。

午前中は洗濯、再配達、集荷(羽毛布団のクリーニング。きらきらWASH)。家から徒歩で池袋駅方面へ。11時48分、いちばという焼き肉屋。初めて入る。上ハラミランチJPY1,300+ウインナー焼きJPY100。並。リピートはない。オキニの店だけに入れば失敗はない。それでも安パイだけを選ばず、気になった店に一度は入ってみる。経験として。稀に思わぬ大発見がある。12時8分、モリヴァ・コーヒー池袋二丁目店。モリヴァ・ブレンド(R)JPY280、チョコ・スコーンJPY220。13時52分から16時半くらいまで池袋プラザ。岩盤浴と書かれた、二人が横になれる空間が好き。寝落ちしてしまう。ハッテン場だったら確実にちょっかいを出されている。休憩所で1分以上iPhoneのアラームを大音量で鳴らしたまま微動だにせず眠り続ける紳士。一時的に起きるが今度はド派手ないびきをかき始める。

18時に池袋の東京建物ブリリア・ホールで開演する『クラウディア』が本日のメイン・ディッシュ。いかにしてそれまでに最大限、心身の調子を整えるか。それを第一に一日の過ごし方を設計した。私は7月3日(日)にチケットを受け取ってからというもの、この日を心待ちにしてきた。何せ席が最前の中央付近。席の位置を検索し、「え、やば!」と声が出た。土曜日にこの公演に入れるのを励みに一週間の労働を乗り切ってきた。とうとう来たなこのときが! と叫びたくなる席を頻繁に恵んでくださる田村芽実オフィシャル・ファンクラブさん。いつもありがとうございます。公演時間が休憩を含めて2時間45分もある(第一幕60分、休憩20分、第二幕85分)ので、夕食は公演前に軽く済ませることにした。フォーティン・トーキョー。牛肉のフォーJPY950。追加牛肉JPY240。卓上の調味料で味を調整。チリ・ソース、ニンニク酢、マクマム。

17時半くらいに着席。最前であるというのを事前に分かった上でもなお驚くほど近い。脚を伸ばしてさすがにステージには届かないが、脚の長さが二倍あったら届く。それくらいの距離。で、実際に開幕すると凄いの何の。これっていいの? って戸惑ってしまうくらい。慣れるまで少し時間がかかるくらい。劇を観るという概念が変わるくらい。こんな体験があるのかと度肝を抜かれる。人生でそう何度も味わえない感覚だった。Hello! Projectファン・クラブのエグゼ会員だった2017年に広島でJuice=Juiceのコンサートを最前中央で観させてもらったことがあるけど、それを思い出した。まず幕が上がると壇上には後ろ姿の女性が一人だけいて、歌い始めて。めいめいだ! 私の席は最前から二つ左にずれた位置だったんだけど、そのときにめいめいは(たぶん)私の席の真正面にいて。その瞬間からめいめいに、この劇に心を鷲掴みにされた。次の場面でめいめいの後ろにあった障子を破って大勢の出演者さんたちが一気に出てくる。そのときに勢いよく前方に飛び出してきた出演者さんたちの纏う香水のいい匂いが漂ってきた。もしかしてオタク最終回? 終演直後に死ぬのか私は? と思った。それでも悔いはないと思えるくらいだった。Hello! Projectであれば潰すであろう近距離の最前席だったので、めいめいが前方に来たときはライブハウス(和製英語)の小箱でもかなりステージに近いくらいの距離で彼女が歌い演じるのを観ることが出来た。

めいめいがHello! Projectを去るとき、ミュージカル女優を目指す、表現者としてまた皆さんの前に戻ってくる的なことを言っていた。彼女ならやれると私は信じてはいたけど、実際に絵に描いたような大成功をおさめていると改めて感じた。それを最前のほぼ中央で観ることが出来、感慨深かった。めいめいの掲げた夢が叶っている。それをこの席で見届けることが出来ている。めいめい支持者冥利に尽きる。めいめい支持者として、これ以上の幸せはないのではないか? 既に(元)Hello! Porjectのめいめいよりもミュージカル女優のめいめいの方が大きな存在になっている。直近でも『クラウディア』のクラウディア役、『弥生、三月-君を愛した30年-』の弥生役と、分かりやすく重要な役を射止めている。次の『ヘアスプレー』でも主役・渡辺直美さんのライバル役らしいし。(『ヘアスプレー』は2公演に申し込んで両方当選した。数時間前にファンクラブからJPY30,000の振り込み依頼が来た。)

愛をテーマにした舞台だと(めいめいのYouTube配信で)聞いていたけど、全体の印象としては何よりも殺陣の迫力に圧倒された。コメディ要素も割とガッツリあって、そこまでシリアスではなかった。少人数の落ち着いた場面と大人数のワイワイガヤガヤが交互に来る感じで、そのメリハリがあったから長丁場でもダレることはなかった。めいめいは基本、どんちゃん騒ぎや殺陣には参加せず。劇の静と動でいうと静を主に受け持ち、物語の鍵となりつつ、ソロ歌唱を聴かせてくれた。全体歌唱時にはマライヤ・キャリーさんばりの高音フェイクも。どういうアレなのか知らないけどSAS(※Strong Arm Steadyではない方)の楽曲が要所要所で使用されていた。(それと関係しているのかは分からないが、きわどいホット・パンツをお召しになった複数のキレイで若いナオンが出演陣に配備されており、彼女らが目の前で激しく踊ってくれたのはありがたかった。)物語としては、神が愛を消した世界。敵対している二つの国。密かにお互いを思う敵国同士の男女(めいめいと敵国の男)。この構図は『ウエスト・サイド・ストーリー』と同じだと思った。劇の脚本として一つの定番なのだろうか? めいめい国のしきたりで女は二十歳で妊娠するように逆算して望まない相手と強制的にファックさせられる。国の祝祭で。めいめいはそれがイヤ。なぜなら愛する人がいるから。愛する人の子供を産みたい。だから祝祭への参加を拒否したい。男は諦めるようにはじめは諭す。それでも逃げるめいめい。両国の人々に捕まえられて磔にされる。めいめいの行動を見、やっぱり大事なの愛だと男が気付く。めいめいを守るために戦う。両国入り乱れる。最終的にはめいめい以外の全員が死ぬ。神が世界から愛を消したのは愛があると憎しみが生まれるから。やっぱり神が正しかったのかと絶望するめいめい。(私は話を細かく追いきれなかったけど結局みんな生き返って歌っていた。神なのか分からないけどそういう雰囲気の登場人物が、これまで見てきた人間たちの戦いと違ってこの戦いは美しい……的なことを言っていたので、温情で生き返らせたのかな?)凄まじい熱量のミュージカル。異常に近い席。演者さんたちの熱がビンビンに伝わってきて、陳腐だけど元気をもらえた。自分も日々の労働や生活で大変なこと、難しい状況があってもそれに立ち向かい、乗り越え、前を向いて生きていかなきゃという気持ちになれた。別にそういう教訓のある劇ではないが、なぜかそう思えた。

少し余韻に浸りたくなった。家に直帰せず一旦サンシャインへ。正面入り口の左に階段があるじゃん。それを上った先の自販機でチル・アウト(ゼロ・グラヴィティ)を買って、そこの広場で飲みたくて。下の公園に人だかりが出来ている。何だろうと思って見ると、若い男たちがいくつかの輪を形成し、サイファーをやっている。輪から少し離れ、どさくさに紛れてベンチがあるところの木に向かって立ちションをする青年。私は彼のちんちんを見てしまった。チル・アウトを飲んで、北口のドン・キホーテ。王老吉5缶とロレッタ ハード・ゼリー。フェード・カットが乗っている黒いメルセデス・ベンツ。この辺じゃよく見る光景。歩いて帰宅。