2019年11月29日金曜日

月光 (2019-11-24)

日頃の生活で山梨県のことを考える機会が一切ないので、私はGoogle mapで検索しないと同県が日本地図のどこにあるのかがよく分からない。訪れるのが三度目であるにもかかわらず。Juice=JuiceJuice=Juice、そして今日がつばきファクトリー。すべて日帰り。観光をするわけでも地元の名物に触れるわけでもない。山梨といえば何? 分からない。強いて言えば、東京から甲府に向かう特急あずさ。甲府から乗る身延線。山に恵まれた田舎の風景。それらが私にとっての山梨。ああ、そういえば子供の頃、山があるのに山梨県と地理の授業で誰かが言っていた気がするな。私が山梨公演に申し込んだ最大にして唯一と言っていい理由が、泊まりなしで行って帰って来られること。特にいい会場だったわけでも、周辺施設が充実しているわけでもなかった。今日が山岸理子さんのお誕生日だというのは、前日にTwitterで見るまで知らなかった。彼女のフォロワーたちにとっては絶対に外せない一日。私は番号がよくはなかった(181番)ので、特にやる気をブーストする要素はなく。小野瑞歩さんを観ることが出来る、そして全員握手で一瞬とは言えご対面できる。それだけが楽しみだった。昼公演は外れた。夜公演は17時半開場、18時開演。家に近いお店でリアルなロティサリー・チキンを食べてから山梨に向かった。

特急あずさはけっこう揺れる。立っているとよろける。通路でHUHさんの“HELL HELL YOU,HOLY HOLY ME”(めちゃくちゃな音楽)を聴いて『アメリカの高校生が学んでいるお金の教科書』(アンドリュー・O・スミスさん)を読んでいると、三半規管への負担が大きいのか、酔ってきた。甲府駅で降りると、典型的な鉄道ファンという感じの風体の中年男性が車掌さんに延々と何かを話しかけていた。車掌さんは慣れた様子で適当に相手をしているようだった。身延線に乗り換える。停車中の電車。別のやばそうな男性がニヤニヤしながら車掌さんに話しかけていた。キチガイから解放された車掌さんに今度は私が話しかける。身延線はICカードが使えない。ICカード処理連絡票というのを発行してもらって、ICカードが使える駅で精算しなければならない。連絡票を出してもらう。私のICカードが必要だというので定期券入れを渡したところ、彼はおもむろに私のPASMOを取り出して裏返した(PASMOの番号を連絡票に記す必要があったため)。PASMOの裏側は小野瑞歩さんのステッカー(何度も剥がして貼り直せるやつ)で覆われていた。

車掌さん:あっ…!
私:あ…

前に来たときは、国母駅近くのとりすみというお店で昼食を摂った。気に入ったので夜もそこにした。今日も夜公演の後に行こうかと思っていたが、電車の時間を調べたら時間に無理があった。あの日に比べて今日は夜公演の開演が30分遅い。夜公演まで時間があるので散歩がてら勘で歩いていたら予期せずとんでもない遠回りになった。前に来たときはクロークがあったのだが、今日はないようだ。50代くらいのエスタシオン係員さんに聞いたら荷物を預けるならコイン・ロッカーだと言われた。まだ空きはあった。開けると中は砂塵まみれ。野ざらしだから放置したらこうなる。掃除くらいしとけや甲府KAZOO HALLの関係者ども。こんなロッカーに金を取るな。たまたま持ち合わせていたフェイシャル・シートで拭き取るが、完全には汚れが取れない。日替わり写真は当然ながら山岸理子さんのは売り切れていたが、それ以外はまだ残っていた。小野瑞歩さん、秋山眞緒さん、贈答用の岸本ゆめのさん。会場から歩いて数分のセブン・イレブン(甲府KAZOO HALL来場者たちのオアシス)でアイス・コーヒー(R)とアサヒグループ食品 1本満足バー プロテインチョコを購入。それが今日の夕食。お店の前。アサヒグループ食品 1本満足バー プロテインチョコを食い始めた16時22分、ちょうど昼公演が終わったらしく、応援するメンバーさんの色を身に纏ったキモめな人たちの群れがこちらに近づいてきた。Twitterを眺めていると京都サンガさんが柏レイソルさんに1-13で大敗していてびっくりした。

そういえば。さっき通り過ぎたとりすみが求人の看板を出していた。時給は高校生800円、大学生と一般が850円。山梨県の最低賃金は10月から837円に改正されている。もし高校生を本当に800円で働かせているとしたら法律違反である。9月まで800円を切っていたのだろうな、と思って調べてみたが、2018年の時点でも810円だったようなのだが…大丈夫なのだろうか。でも何かいま調べてみると特定の産業では高校生の扱いは例外のようだね。おそらくうまいこと法の目をかいくぐっているのだろう。

番号の呼び出し。17時34分、60番。17時38分、100番。17時44分、160番。私がフロアに入った時点でもう7割くらいは埋まっていた。真ん中から右にかけてはだいぶ視界が悪そうだったので、私は左側の女性エリア後方を選んだ。会場の収容人数は公式には300人だけど、開場前におまいつの紳士がお仲間に言っていたようにモッシュ前提の人数だからね。Hello! Projectではモッシュどころか足元に荷物を置く人がたくさんいるから。私の近くには集団の姫として男オタク集団に一人混じって一般エリアにいた女オタクさんがいたが、開演10分前に考えを変えて女性エリアに入って行った。影アナは山岸理子さん。何度も噛んで、もうダメだ~と言ってフロアを笑いで包んだ。和む。

ステージに小野瑞歩さんが現れた瞬間から、私が何に集中すべきかは百パーセント決まっていた。そうさ百パーセントみずほ(勇気)…。視界が許すかぎり彼女の一挙一動をこの目に焼き付けること。それだけ。それ以外はおまけ。他の何を見逃そうとも、小野さんから目を離さない。この気持ちが残るかぎり、私は小野瑞歩さん(つばきファクトリー)を追いかけ続ける。髪型がとても可愛かった。前髪がぱっつん気味になっていて(途中から汗で束になっていた)。翌日にご本人がブログで言及なさっていた:
昨日のライブは
髪の毛を下ろしてストレートでやってみたの!
どんな髪型にしようかな〜?
って考えてたんだけど、
逆になにもしないって
やったことないな〜!って思って笑
就活センセーション』で彼女にニコッと笑いかけていただいた感触があった。私は嬉しくてたまらなかった。他にも一、二回はレス的な何かをいただいたような気がしなくもないが、私の勘違いだったかもしれない。私の周囲にはペン・ライトをエメラルド・グリーンに光らせる青年たちが何人もいたので。誰に向けての笑顔だったかを判定するにはVAR (video assistant referee) が必要だ(明治安田生命J1リーグでは来期から全試合で導入されるんだよね)。この『就活センセーション』のときだけは、ほぼ確実だったと思う。私は在宅ファンだった頃は本気で自分が楽曲派だと信じていた。実際、私は昔からヒップホップを中心にさまざまなアルバムをディグってきた音楽好きなのは間違いない。Hello! Projectであってもワックな曲を連続的にリリースされるとその集団には醒める。音楽は大事、根本。でもこと現場に関して言えば、自分が熱狂的に支持するメンバーさんがこちらの愛情(変態的な凝視)に笑顔等で返してくれることに勝る喜びはない。もちろん皆さんからの愛情をパフォーマンスで返すという宮本佳林さんがよくいうアレは正しい。正しいんだが、コンサート中に好きな人とほんの一瞬でも一対一になれる時間、それは至上の喜びなんだ。

トークお題:皆さん(我々)へのオススメ
小野田紗栞さん:LUXの高いシャンプーとトリートメント。(皆さんも使ってみてくださいね。さおりちゃんと同じ匂いになりたい人はね、的なことを言ってから谷本安美さんが大笑い。)
谷本安美さん:TSUBAKIプレミアムのトリートメント。シャンプーやリンスではなく、金色のパッケージの。あれを使うとトゥルントゥルンになる。(みんな高いのを…とやや引き気味の小片リサさん。)
男性もトリートメント使うんですか? と我々に問いかけ、使うというフロアの反応に驚く岸本ゆめのさん。(谷本さんも同様にええそうなのという感じで驚いていた気がする。)男性の場合はシャンプーでそのまま全身を洗うという人も多そうですね。どこ情報よという感じで他のメンバーが笑うと、北島三郎…(と一旦呼び捨てしそうになりながら)さんの付き人がそうしているのをテレビで観たと答える岸本さん。
小片リサさん:インスト。自分たちの曲のカラオケ・バージョンを聴くのが好き。オススメは、と何かの曲名を言いかけてからやめる。これからやるやつにする(一曲ネタバレですね、と他のメンバーさん)。『純情センチメートル』。Aメロの前の音がオススメ。口で再現する小片さん。

トークお題:悩み
新沼希空さん:友達が欲しい。
小野瑞歩さん:私も。きそちゃんとか、メンバーとはよく遊ぶけど。
新沼希空さん:それだけメンバーの仲が良いってことだけど、それ以外の友達もほしい。私は愛知県出身で、今は東京だから地元の友達がいない。
秋山眞緒さん:私も大阪出身だから同じ。
山岸理子さん:(友達の作り方を理子ちゃんに教えてほしいという流れになって)私も人見知りだから…(嘘でしょと小野さん)。でも、自分から話しかけるようにしている。人見知りじゃない自分になり切る。
秋山眞緒さん:趣味を聞くのがいいんじゃないかと提案し、ステージで実践する。趣味は何? と小野さんに聞く。いま探してるんだ…という小野さんの回答に地団駄を踏む秋山さん。何か言ってよ…! 新沼さんからは、友達を作ることという謎の回答。困惑する秋山さん。山岸さんに同じ質問をして、え、漫画? じゃあ今度図書館に行こうよ。と強引に話を進める。このように映画なら映画に誘えばいいんだと言う秋山さん。

秋山眞緒さん:私はいつもりこちゃんのことをふざけて馬鹿にしている。でも理子ちゃんはすべてを受け止めてつばきのメンバーを優しく包み込んでくれる。理子ちゃん大好き。これからもずっとつばきにいてほしい。
小野瑞歩さん:いつかの公演で誰かがファンは推しに似ると言っていた。きそちゃんか。それは本当なんだろうかと考えながら公演をやっていた。理子ちゃんのファンの皆さんは笑うときの目が理子ちゃんに似ていて、本当だなと思った。
岸本ゆめのさん:私は理子ちゃんのことをいつもおばさんとかいじっている。家に帰ってから言い過ぎたかな…と反省している。(本当に~? と山岸さん。)
新沼希空さん:理子ちゃんと一緒だと落ち着く。正直、親といるよりも落ち着く。つばきファクトリーのママ的存在。
小片リサさん:(トーク・セグメントの流れを踏まえて)『今夜だけ浮かれたかった』のインストの一部を理子ちゃんにあげる。
山岸理子さん:(お立ち台に立ってから言いたかったことを思い出せず、しばらく考えてから何かを言う。)言いたかったのはこれじゃない。大したことじゃないんだけど。思い出したらブログに書きます。

全員握手

小野瑞歩さん:見えた!
私:可愛かった

私:里山のラジオ面白かった
岸本ゆめのさん:あ! ありがとうございます!

秋山眞緒さん:また来てくださいね

私:おめでとうございます
山岸理子さん:(頷く。ありがとうと言っていたかもしれないが周りの音で聞こえなかった)

公演の前にエスタシオン係員さんからジャンプ禁止という通達があった。フロア中央付近のおまいつ中高年男性たちは当然のようにそれを無視していた(もっとも、エスタシオン係員さんの伝え方が不十分ではあったと思う)。ルールの是非はさておき、公的空間での振る舞いについて(同じ客の理不尽なイチャモンならともかく)係員からお願いをされてそれを無視するのはオタクという以前に人としての分別に問題があると私は思う。こんな日本語が通じない奴らが、赤信号みんなで渡れば怖くない的に好き勝手やっているようでは、ルールが厳格化するのも致し方ない。残念だが。Hello! Projectでは来年からジャンプが全面禁止だが、その前から会場によってローカル・ルールがある。たとえば新宿Renyはジャンプ禁止。昼公演ではジャンプが許容された会場でも夜公演で禁止になることもある。おまいつならそれは重々承知のはず。私の近くにいたおまいつたちは律義に言われたことを守っていた。私の近くにいた、植村あかりさんから谷本安美さんに推し変した紳士とか。そう言いつつ『初恋サンライズ』では私も飛んだ。さすがに同曲ではフロアのほぼ全員が飛んでいた。(それをもって私が自分のジャンプを正当化してしまうと、これも赤信号みんなで渡れば怖くないだが…。)

帰りも一年前に来たときの記憶を元に適当に歩いたら、訳の分からない迂回ルートになった。未だに正解が分からない。20時13分、国母駅に到着。乗ろうとしていた電車には乗れた。20時21時分発。一時間に一本から三本しか来ない身延線。改札も切符売り場もない。

21時5分、今度は帰りの特急あずさ内で運賃の精算をしていたらPASMOに貼り付けられた小野瑞歩さんのステッカーを若い女性の車掌さんに見られた。一日に二回もこんな羞恥プレイ。体幹を鍛えるためにかなり揺れる特急列車で座らずにバランスを取った。スクワットもした。どこかで別の電車がイノシシとぶつかったためしばらく電車が止まった。

2019年11月28日木曜日

立会い出産 第六子~バンドセットの会~ (2019-11-23)

1.サラリーマンやってるんですよ。こんな音楽やってて食えるわけないでしょ。ハハノシキュウさんは自嘲気味にそう言いました。その“こんな音楽”を好み、“食えるわけがない”活動をされている彼を観るために一定人数が下北沢に足を伸ばし、時間を割き、お金を(ささやかながら)落としている状況が可笑しくなりました。この独演会に会社の同僚が観に来ているんだと言った後の何気ない補足でしたが、やけに印象的で、私の頭からしばらく離れませんでした。公演中も、その後も。

2.一曲でもいいから作ってiTunesに公開しなさい。そうしたらあなたは歌手だ。どの本だったかは覚えていませんが(私は彼の本に一時期はまって大量に読みました)、歌手になりたいのですがどうしたらいいでしょうかという質問に苫米地英人さんがそう答えていました。(蛇足ですが、私の元上司が上智大学で苫米地さんと同じサークルに所属していたそうです。)言われてみればそうです。歌が何らかの方法で聴ける状態にあれば、それを歌っているのは聴き手にとってみれば歌手です。もちろん、コンパクト・ディスクを作って大手の小売店に流通させるのは個人でやるのは難しいでしょう。しかし手段を問わなければ、曲を作ってそれを誰かが聴こうとすれば聴ける状態にするというのはやろうと思えば出来ることです。通り過ぎるほぼ全員に無視されたとしても、武道館のステージに立ちたいだというありがちな目標を書いた紙を貼り出して駅前で歌う青年たちは、日本武道館を目指す歌手なのです。

3.自営業は年収が800万から1,000万円くらを超えると会社にした方が税金的に得だと、私が通っている整体の先生が言いました。ということは将来、会社になっていたら“そういうこと”だと思っていいですか? と私が聞くと先生は笑って、思っていいですと言いました。でも先生は収入を飛躍的に伸ばしていくことに興味はなく、のんびりとほどほどの生活が出来ればそれでよいと考えているようです。お金のことだけを考えれば、こうやって個人で一人一人の身体をほぐしていくのではなく、経営側に回るのがいい。お金持ちになりたければ、末端でセコセコ働いていないで、ビジネス・オーナーになれ。たしか『ユダヤ人大富豪の教え』(本田健さん)にもそう書いてありました(だいぶ昔に読んだので記憶が正確ではないかもしれません)。先生はその方向には興味はなく、あくまで自分の手でお客さんと向き合うことにこだわりたいそうです。曰く、私は痛いのが嫌い。他人が痛いのも嫌い。だからそれを取り除きたい。というのが仕事をする上での根っこにある考えだそうです。

4.あれは9月の名古屋でした。ギャンブル依存症の多重債務者、地元の有名企業に就職した若者、私という三人で柳橋中央市場の尾毛多セコ代で会食した後、しばらく歩いた場所にある公園で歓談しました。いわゆるストアルですが、私は炭酸水だったような記憶があります。若者は新卒で入社して約半年しか経っていなかったのですが、会社を辞めたいと言ってきました。何往復か話をしてから、私はこのようなことを言いました:このまま続けると心身の健康を害するとか、どう見ても今の職種や環境が自分に向いていないのであれば退職をすべきだが、そうではないように見える。君の場合はまず仕事が出来る人になるように努力をしなければならない。どんな仕事に就いたってイヤなことはある。仮に転職したところで今と同じような問題にまた見舞われるだろう。それを横で聞いていた多重債務者は、同じことを父親に言われたことがあるが自分はそうは思わない、というようなことを言ってから、こう続けました:食っていくなら別ですけど。食っていけないなら仕事じゃないじゃないか…と思いながらも別に議論はしたくなかったので深入りはしませんでした。今ようやく意味が分かった気がします。何かをすることと、それによって収入を得られるかどうか、ましてやその多寡は必ずしも一緒にすべきではないのです。

音楽に値札をつけたのは誰かのミスだった(DOTAMA、『音楽ワルキューレ』)

5.個人でやっている小さな飲食店と、日本全国にチェーン展開している飲食店があったとして、売上やお店の規模だけを理由に後者に価値があるということはありません。少なくとも、利用者にとってはそうです。むしろお気に入りの小さな店の方が居心地がよく自分の好きな料理を出してくれる場合も往々にしてあるでしょう。なぜなら想定する顧客層が不特定多数になればなるほど、お店や商品の個性は薄めざるを得ないからです。また、ある人にとっては親が作ってくれたカレー・ライスが世界で一番おいしい料理かもしれません。ハハノシキュウさんは、たしかに音楽だけでは食えていないのかもしれません。しかし、彼が音楽活動から得ている金額は、彼の音楽そのものの価値とは無関係なのです。今日、ハハノシキュウさんが独演会を開催し、我々は彼の音楽を聴くために集まった。今日のように数十名しか入れない下北沢lagunaであろうと、8,000人だか10,000人だかを収容する日本武道館だろうと、変わりがないはずです。創作(だけ)で食えないということは、創作に生活を依存していないということでもあります。生計を立てる手段が他で担保されているからこそ、尖った表現が出来るという面も大いにありそうです。(もっとも、今ではいくら大衆に迎合したところで音楽で巨万の富を得られる時代ではなく、セルアウトが死語になりつつありますが。)

仕事は保守的 安定した収入で潤わせる 音楽は危険を省みない冒険家 DISの対象であっても心身共に快調(キリコ、“Freedom Jazz Dance”)

6.インターネットにブログを開設して、一つでも記事を投稿しなさい。そうすればあなたは書き手だ。苫米地英人さんの論法を書く行為に転用すれば、そうなります。書店に並んだ本であれ、インターネットの片隅に名も知れぬ誰かが書いたブログであれ、誰かが文章を書いて公開し、それを誰かが読んでいるということに変わりはありません。専門的・体系的な知識を得るのにインターネットはあまりに玉石混合すぎて、適していません。専門家が書いた紙の本を読むのが今でも効率のよい方法です。ただ、面白い文章という点だけで見ると、書店に置いてあるその辺の小説よりも優れた文章がインターネットにはゴロゴロ転がっています。私はこのブログを更新するのにこれまで多大な時間を費やしてきました。食えるわけないでしょ、の以前に一円ももらっていません。労働で得た賃金で生活が出来ているので問題はありません。私にとって大切なのは、継続的に書きたいことを書いて、誰でも読める場所に投稿できていること。数人とはいえ読んでくれる人がいること。自分も読者の一人として楽しんでいること。読んでもらいたいという以前に、自分が書きたいから書いていること。

7.ゲスト出演されたAmaterasさんはちょっと怖かったです(本来ラッパーはこうですよね)。ハハノシキュウさんとの二人による新曲がとても格好良かったです。ハハノシキュウさんによるとその曲はレコーディング済みで、近いうちにYouTubeに投稿するとのことでした。他にも曲を一緒に作っているらしく、合作でアルバムでも出してくれたら私は嬉しいです。DOTAMAさんとのコラボ作『13月』とはまったく違った面白い作品が出来上がりそうです。

8.終演後、出入り口で物販が行われ、そこを通らないと出られない(何も買わずに出づらい)システムは、ヨーロッパのスーパーマーケットを髣髴とさせます(入口から出られない。レジを通過する必要がある)。

9.独演会やりすぎだろ的なことをハハノシキュウさんが言っていましたが、これからも年数回の頻度で継続していってほしいです。なるべく行きますので。

10.明治安田生命J1リーグの優勝争いが大詰めです。下北沢に向かう前にサテンでSoftbankさんのwi-fiを使って松本山雅FCさん対横浜F・マリノスの試合を観ていました。1-0でマリノスが勝ちました。鹿島アントラーズさんとFC東京さんが共に引き分けたため、マリノスが一位に躍り出ました。あと二試合。絶対にマリノスに優勝してほしいし、必ず優勝すると信じています。12月7日(土)に日産スタジアムで開催される最終節、FC東京さん戦は現地に観に行きます。その前にまず11月30日(土)に川崎フロンターレさんを何とか倒してほしいところです。

2019年11月21日木曜日

つばきファクトリー 谷本安美バースデーイベント2019 (2019-11-18)

どこまでが子供で どこからが大人か 成人になってもそのラインは曖昧だ(つばきファクトリー『就活センセーション』)

何をもって大人とするかは簡単に定義できない。年齢だけでは区切れない。十九歳まで子供、二十歳になったら大人というほど単純ではない。成人という言葉には、そこで人として完成した、裏を返せばそれまでは未熟だったという含意がある。しかし現実には成熟した中高生もいれば、幼稚な中高年もいる。特に私や当ブログの読者は九割以上が後者に属する。岡田斗司夫さんが『オタクはすでに死んでいる』で論じたところによると、日本でオタク文化が生まれたのには二つの理由がある。第一に大人になってやめる必要がないほど子供向け文化の内容が濃く表現が過激である。第二に、お小遣いという世界的には稀な(東アジアの一部だけに見られるという)制度により子供の頃から趣味への自己決定権が与えられる。これらが原因となって、大人になっても子供の頃の趣味を続ける人としてのオタクが育ったのだ。趣味だけならまだいい。結婚や子育てという人生のフェーズに進まず(進めず)、魂をセルアウトすることで得た賃金と引き換えにアイドルさんに癒されて生き延びる我々は、人生そのものが子供や学生の頃から発展していない。年齢以外に成人と呼べる要素がほとんどない。

私は成人式には二度、行った。自分の年と、その翌年。二回目は悪ふざけが好きな友人の誘いだった。入口で案内状(ハガキ)を係員に渡さないといけないのだが、どさくさに紛れてそこを突破し中に入ることが出来た。その頃は成人式の参加者たちの態度の悪さが社会問題になっていた。実際にざわざわしていて誰も話を聞こうとしない。おしゃべりがしたいならこんなワックな式典にはなから参加せず、飲食店やカラオケでワイワイやっていればいいじゃないか。そうせずに大人が用意した儀式には顔を出す。義務でもないのに。馬鹿。何のために来たんだこいつらは(そういうお前は何のために来たんだ)。無意味で無駄な時間だった。私は途中で抜けた。一緒に二度目の成人式に行ったその友人は新卒で入社した企業を辞めてからしばらく無職生活を続けていたものの三十歳(地方公務員で新しく採用される限界とされる年齢)間際になって滑り込みで地方公務員の職を得、配偶者を見つけて安定した人生を手に入れた。元々はオタクで、声優の宮村優子さんのファンクラブ会員だった。今では川崎フロンターレの応援とお洒落カフェ巡りという一般向けに公言できる趣味に鞍替えをしている。

自分が二十歳のとき、まさか四十近くにもなって二十歳のアイドルさんのお誕生日をお祝いするために早めに退勤する労働者になっているとは思いもよらなかった。三十くらいになったら自分は結婚しているんじゃないかと、何となく思っていたからだ。小学校、中学校、高校、大学と進んできたように、人生の自然なステップとして勝手にそうなるもんだと思っていた節がある。それは大きな間違いだった。たしかに何となく思い描いたような人生にはならなかった。しかし、非常に内向的で、人間が嫌いで、働きたくなくて、一人で静かに本でも読む生活を望んでいた私が、ある程度の社会性を身に着け、自分で得た賃金で生活できるようになった。大きな怪我や病気もせず、自殺もしていない。むしろ日々を楽しんでいる。昔の私からすると上出来じゃないか。数年前まで、結婚相手を見つけろというのが両親と会うと振られるお決まりの要求だった。今では健康でいてくれに要求の難易度が下がっている。それでいいんだ。私に多くを求めすぎないでくれ。

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私からすると二十歳は過ぎ去ったただの過去だ。もっと言うと年齢という概念が自分について回ることがもはや邪魔くさい。三十歳を超えたら数えるのをやめてほしいくらいだ。しかしHello! Projectのアイドルさんのような若者たちにとっては、年齢を示す数字の一つ一つのが固有の瑞々しい意味を持っているに違いない。その感覚を私は忘れかけているが彼女たちのバースデー・イベントを観覧することでおぼろげながら思い出すことが出来る。谷本安美さんが二十歳になったのは、厳密には二日前の11月16日(土)だ。つばきファクトリーはその日、山口県でコンサートをしていた。当日ではないにしても、今日TOKYO FM HALLの席に着くことを許された我々は、彼女の特別な日を祝う特別な場所に居合わせてもらっているのに違いはない。

どこから見ても美しい顔。特に横顔に自信がある。公演前に司会の鈴木啓太さんが見所を聞いたところ、それが谷本安美さんの回答だったという。こういうボーストが当たり前のように出来るアイドルさんは素晴らしい。彼女は最近、何かのテレビ番組に出演した際にアイドルとして気を付けていることは何か的な質問を受け、見た目をキレイに保つことと答えていた。曰く、美しくいればそれをきっかけに興味を持ってもらえるから。嗣永桃子さんや道重さゆみさんの場合、ラッパーがオレはリアルだというのに似た一種の自己洗脳(もちろん実際にもお美しいが)という面があったように私は思う(参照:道重さゆみはヒップホップである。)。つばきファクトリーだと小野田紗栞さんがその系譜だ。谷本さんの場合はそのお三方とはちょっと違っていて、ネタやキャッチフレーズ的な要素ゼロで事実を述べるかのように自分は美しいとおっしゃる。そして、周りがはいはいまた始まった(笑)とかそこまででもないだろ(笑)的な突っ込みを入れる余地もなく文句なしに美しい。我々としてはたしかに…とただ素直に受け入れるしかない。

バースデー・イベントとして標準的な、定型的な構成だった。トークがあって、ゲームがあって、多くも少なくもない五曲のミニ・コンサート。チームメイト(新沼希空さん)のゲスト出演。もちろん、普段はグループの一員として活動している谷本さんが一人で歌うのを聴ける貴重な機会であった。集団の9人のうちの1人として配分された短いフレーズを歌うのと、歌を丸ごと歌うのとでは声の聞こえ方が違う。谷本さんはこういう歌声をしているんだなという新しい発見があった。どこか儚げで、味がある。ただイベント自体は正直に言ってしまうとまあよくある感じだなと終盤まで私は思っていた。もちろん面白いし楽しいんだが。谷本安美さんの二十歳をお祝いする場。参加することに意義がある。オリンピック的な感じに自分の中でなりつつあったのは否めない。

お母様からのお手紙を女性スタッフさんが代読した(新沼さんじゃないんかい!と私の後ろにいた有名な新沼さん支持者は残念がっていた。たしかに)。それを(上を向いて。涙がこぼれないように。スキヤキ・ソング)聞いてから谷本安美さんが我々に向けたスピーチに、私は心を打たれた(涙をこらえるのを諦めて泣きながらお話をされていた)。たくさんアイドルがいる中で何で私なんかを応援してくれているんだろう、私は皆さんのことを幸せに出来ているんだろうかといつも考えている。皆さんはいつも可愛かったよとかよかったよとか優しく声をかけてくださる。そういう声を聞くと、これまで活動してきてよかったと思える。(ミニ・コンサートで歌った)『愛はまるで静電気』(℃-ute)の歌詞にあるように、こんな不器用な私を見つけ出してくれてありがとう。彼女の言葉にはこれっぽっちも嘘は感じられなかった。心からの素直な言葉には人を引き付ける力がある。ヘッズたちは儀礼的ではない万雷の拍手でそれに返した。普通イベントでは起きないくらいの大きくて長い拍手だった。最後に谷本さんが涙ながらにお辞儀をした際に二、三度、谷間がちらっと見えた。いくら感動をしてもそういうチャンスは決して逃そうとしないのが、曲がりなりにも男性としてこの世に生を授かった私の悲しい性である。こういった瞬間をみすみす見逃すようでは現場に来ている意味がないんだ。もちろん以前から私は谷本安美さんが美貌と個性を兼ね備えたアイドルさんだというのはよく分かっていたが、このバースデー・イベントを観覧して、筋金入りのリアルなアイドルさんだと確信した。小野瑞歩さんは彼女のような同僚を持てて幸運である。最後のお見送り(谷本安美さんにカードを手渡ししていただける)で別に粘っていた訳でもないのに係員の老紳士がア~~イ~とか言いながら私の肩を押して横に流してきたのはちょっとムカついた。それにしても後味のよい、谷本さんの真摯な人柄がよく表れたイベントだった。

2019年11月19日火曜日

リボーン~13人の魂は神様の夢を見る~ (2019-11-16)

男たるもの、ちょっとしたことで泣いてはいけません。精神論ではありません。涙もろいのはテストステロン低下の兆候なので、要注意です。オレも歳をとって涙もろくなったんだよというのはそういうことです。テストステロンとは男性が健康に生きるために極めて重要な役割を果たすホルモンです。もちろん個人差は大きいですが、一定の年齢を超えるとどんどん下がっていきます。テストステロンが低いと、男性更年期障害と呼ばれるさまざまな不調の原因になります。それを加齢のプロセスだと諦めて何もしないか、出来るかぎり抗って元気に生きようとするかはあなた次第です。一つ言えるのは、あなたも私も若い頃と同じように生きているだけでは同じように健康には生きられないということです。さまざまな生活習慣を見直さなければなりません。

運動:短時間で強度の高い全身運動。HIIT (high intensity interval training)やタバタ式、スプリント、デッドリフト、スクワット、等々。たくさん歩く。長時間の有酸素運動(ジョギング、ランニング等)は筋肉とテストステロンをむしろ減らすのでやらない
食事:間欠的断食(やり方は色々あるが、ポピュラーなのが16/8 diet。一日のうち8時間だけカロリーを摂取する。典型的なのが12時から20時まで。それ以外の時間は水、お茶、コーヒーのみ摂取できる)。高たんぱく、高(中)飽和脂肪(コレステロールはテストステロンの原材料)、低糖質。水をたっぷり飲む。酒は避ける(サケだけに)。ジムで鍛える日には高炭水化物で低脂肪、休息日や運動量の少ないには高脂肪で低炭水化物という変化の付け方もある
睡眠:眠っている間に身体がテストステロンを生成するので、十分な時間の質の高い睡眠を得るのが重要。寝る前にスマートフォンを見るのをやめないとね…
ストレス:ストレスが多いとコルチゾールが体重が増えテストステロンが減る。マインドフルネス、自然に触れる、等々(Hello! Projectの鑑賞はこの項目に寄与しますね)
サプリメント:ZMAとビタミンD

参考文献
Charles Sledge, “How to increase Testosterone Naturally”
Alex McMahon, “Testosterone: The Proven Testosterone Solution”
Thomas Cangiano MD and Jose Cangiano MD, "The Myths and Reality of Testosterone"

なぜこんなことを書いているかというと、劇終盤の感動的な場面で、何人ものヘッズがすすり泣く音が聞こえてたからです。白状すると、私も目が少しだけ潤んでしまいました。後から冷静に考えると、そこまで強く感情を揺さぶられるべき場面ではありませんでした。あれで男が泣いてはいけません。テストステロンを高めていく必要を改めて感じました。

私は演劇女子部のファンなので、コンサートには入らない集団でも演劇女子部なら一度は観に行きます。舞台が好きなんですよね。といっても、Hello! Projectと田村芽実さん関連以外で観劇することはないですが。大学生の頃は友達の誘いで、何度か下北沢の小劇場に足を運んだこともありました。受け身で楽しめる(というかそれを求められる)というのが私に向いているんだと思います。あらゆる興行というのはやる側と観る側が一緒に作り上げるものですが、声を出したり身体を動かしたりするのを求められるコンサートと違って、舞台というのは基本的におとなしく観ていればいいわけじゃないですか。大勢で観ているのは変わらないんだけど、みんなで盛り上がるタイプの興行と違って一人でいられるというか。そういう部分が、根がシャイに出来ている私の性に合うんだと思います。私の場合、騒ぎたいというよりはアイドルさんを生で近くでじっくり鑑賞したいというのが根っこにある欲求なんだと思います。演劇女子部はコンサートよりも視界がいいですし、自分も他の観客も身動きをしないので観やすいのです。

15時からの回と18時半からの回の計2回を観ました。ファンクラブ先行の時点ではこの時期のつばきファクトリーの予定が不透明だったので予定がかち合う可能性を考えて今日だけの2回にとどめました。何も考えずに申し込んだら出費もバカにならないですしね。結果としては2回でちょうどよかったと思います。『アタック No.1』のように1回でもういいやと思うほどではありませんでした。一方で、3回、4回と観たくなるほどでもありませんでした。話があんまり面白くないです。約1時間45分引っ張るには魅力の足りない話だったと思います。私にとっては、まだコレが続くのかよと思うか思わないかのギリギリの線でした。4月のBEYOOOONDSさん主演『不思議の国のアリスたち』のように、もっとエンターテインメントに徹した方がよかったと思います。アレは本当に面白かった。今日は1回目では笑えていたちょっとした台詞も2回目になると自分の中で陳腐化してしまい笑えなくなりました。ただ、1回目は右端、2回目は左から二番目と位置が全然ちがったので、視点の変化を楽しむことは出来ました。1回目では小林“ほのぴ”萌花さんのピアノ演奏を間近で堪能しました。2回目は前田こころさんの素晴らしい衣装(詳述は避けます)に何度か釘付けになってしまいました。あと高瀬くるみさんがしばらく同じ体勢で脚を組む場面があり、その奥を凝視してしまいました。

12名の亡くなった偉人たち(+1名)が別の偉人に生まれ変わるためのオーディションを受けるという物語でした。めでたく次の命を手に入れた人は話の本筋からは外れて、オーディションの模様を上から見守っていました。合格者は一部の時間を除き、基本的には観客のように上から見守っているだけです。彼女たちが居眠りしたとしても劇の進行上は支障がなさそうなほど、役割がありません。(まるで勤務中の私ですね、って何でやねん。)これだけ多くの魅力的なメンバーさんがいるのに、実質的な出演者がどんどん減っていくのが本当にもったいないなと私は思いました。特に平井美葉さん、清野桃々姫さんといった序盤で話の本線から脱落するメンバーさんのファンは歯痒いのではないでしょうか。ずっと出ずっぱりだったのが、オーディションの主催側である広瀬彩海さん、里吉うたのさん、江口沙耶さん、小林“ほのぴ”萌花さん、オーディション参加組で最後まで生き残った井上玲音さんと浜浦彩乃さん。里吉うたのさんは相槌を打つ等の一つ一つの仕草や表情が可愛らしかったです。江口沙耶さんはこちらの想像以上にスラっとしていて、びっくりするくらいスタイルがよかったです。『クイック・ジャパン Vol.146』のインタビューによると、江口さんはスタイルを維持するために食事に気を付けていて、タピオカを飲みたくなっても我慢しているそうです。(同誌では里吉うたのさんが、私はHello! Projectに入るまでは普通の高校生で、クラスで目立つとか可愛いというわけでもなかったとおっしゃっています。私はそれを読みながら嘘つけと思わず声に出してしまいました。)

今回の演劇女子部の面白さの30%くらいは小林“ほのぴ”萌花さんの活躍が占めていました。劇としての主人公は井上玲音さんと浜浦彩乃さんのお二人ですが、小林さんが影の主役だと思います。彼女の支持者は出来るだけ右寄りかつ前方の席で一度は観るべきです。ほぼずっと右端にいるので。彼女はピアノ弾き(ショパンさん)の役でした。生演奏の小林“ほのぴ”萌花さんにしか与えられない役です。というより彼女の特技に合わせて作られた役なのでしょう。他の人にない能力を持ち、それが重宝される環境にいることの大切さを彼女は教えてくれます。他の人と同じ土俵(Hello! Projectであれば歌やダンス)だけで戦っても競争が厳しいですが、そもそも他の所属員にない能力を自分の武器として持ち込むことで、独自のポジションを築き得るからです。私にとっての英語のようなものです。私の勤め先では英語が重要なのにもかかわらず満足に出来る人がほとんどいないので、私は英語が得意というだけで得をしている面が多々あります。小林さんは15時の公演で台詞を飛ばしていましたが、その後は持ち直していました。私がもし同じ状況になったら頭が真っ白になって引きずりそうです。

広瀬彩海さんの演じた閻魔大王は、これまでの演劇女子部であれば須藤茉麻さんが務めていたであろう役でした。今回の出演者はこぶしファクトリーさんとBEYOOOOONDSさんだけで、須藤さんを含め客演はなし。広瀬さんがポジションを奪ったという見方も出来ますが、ちょっとだけイロモノで三枚目な役なので、彼女の支持者はどう思っているのだろうというのは少しだけ気になりました。今回の舞台は二つの集団を合わせて17名にも及ぶということで、それ以外の人々を呼ぶには人員過多だったという面もあったでしょう。

日替わり写真を買うなら里吉うたのさんかなと思っていましたが、14時すぎに入場した時点で、彼女のだけが売り切れていました。特にお目当てのメンバーさんがいないけど記念に一枚日替わりを買うとき、私は書き込みの情報量の多いメンバーさんのを選びます。今日は野村みな美さんでした。

15時の部、カーテン・コール(カーテンは閉まりませんが)後のコメント
小林“ほのぴ”萌花さん:実際のショパンは繊細で内向的。それが作品に表れている。本作ではマリー・アントワネットに絡みにいくなど、繊細さとのギャップを
平井美葉さん:ソロ・ダンスは先生のアドバイス受けながら自分で振り付けた。

18時半の部、カーテン・コール(カーテンは閉まりませんが)後のコメント(一人だけ)
山﨑夢羽さん:マリーが可愛いと思ってもらえるように頑張る

ヘッズの温度が、18時半の部の方が高かったです。最初に暗転したときに15時の部にはなかった拍手が起きましたし、劇中でも歌が終わる度に拍手がおきました。(ただ舞台の構成上、拍手を想定した間がないため、すぐにフェイド・アウトしていました。)後ろの方にノリの良い紳士がいた模様です。ただ、笑うような場面ではないのに一人で深夜ラジオ番組の構成作家のごとく大袈裟に笑っていたのは、いいことのかどうか判断が難しいところです。終盤で誰かが一人だけ拍手をしばらく続けて誰も追随しなかったのはとても面白かったです。そういえば18時半の部では周囲のヘッズが泣いている様子はありませんでした。私と同様に2回目以降の観劇の人が多かったのかもしれません。

清野桃々姫さんのダンスは身体にグルーヴが染み付いている感じがして、目立っていました。巧拙というよりは音に乗る喜びを全身で表現できているというか。

15時公演の前に、会場近くの但馬屋珈琲店でマラウィ芸者AAという珈琲750円をいただきました。私はコーヒーが好きですがセブン・イレブンのだろうがベローチェのだろうがVIE DE FRANCEのだろうが大体おいしいと感じてしまいます。残念ながらストリートの安いやつと高級品との決定的な違いがよく分かりません(ロッテリアのはまずいと思います)。メニューを見ていたら一つ、3,500円の珈琲がありました。ふざけんなよと思ったのですが、これが猫に珈琲豆を食わせてその糞で作ったという珈琲らしく、店によっては7,000円くらい取ることもあるそうです。