2019年5月30日木曜日

JuiceFull (2019-05-19)

自分はつばきファクトリーだけを観ておけばいいのではないかと思ったそのわずか7日後にJuice=Juiceのコンサートを観に来ているのは一貫性に欠けるように見えるかもしれない。しかし、チケットのファンクラブ先行受付は公演の何ヶ月も前に行われる。当日の気分だけで行くかどうかを決められるのはリリース・パーティのみだ。申し込んだときの気分と、その時期になったときの気持ちが合致しているとは限らない。モチベーションはさまざまな要因の影響を受ける。事前に予想するのは難しい。半ば労働のように義務的に現場に向かうときもある。とうとう来たな、この時が! という気持ちですべての公演を迎えられれば最高だが、年に何十回も現場があるとそういうわけにはいかない。贅沢な話だが。どうしても自分の意欲にバラツキは出てくる。

Juice=Juiceのコンサート・ツアー“JuiceFull”を私が観覧したのは前回が5月6日(祝)、中野サンプラザ。散々だった。二公演ともほぼいちばん後ろの席が割り振られたので、ワクワクするのは難しかった。当日はお酒の飲み方を間違えたことでだるくなって、昼公演の前半はまるで大学で大教室の講義を受けている学生のように居眠りをしていた。コンサートに参加していたというよりは、ただそこにいるだけだった。同じお金を使うのならうまいモン食ってテルマー湯に入り浸ってからマッサージでも受けた方がよっぽど有効なお金と時間の使い方だった。この日の自分の心身状態ではそうだった。しかしこれは結果論であって、ファンクラブ先行受付に応募する時点では、この日に是非このコンサートを観たいと思ったからこそ申し込んだのだ。

最近の私はJuice=Juice関係の現場に没入することが出来ていない。この間の中野サンプラザはもちろんだが、段原瑠々さんのバースデー・イベントにしても、宮崎由加さんのバースデー・イベントにしても、どこか楽しみ切れないというか。自分の中に煮え切らない感じがあった。情熱を注ぎこむリソースをつばきファクトリーに奪われているのは否定できない。Juice=Juiceが2月13日(水)にドロップしたシングル、“Good Bye & Good Luck!”と『微炭酸』が好きになれないのも一因だ。特に“Good Bye & Good Luck!”(ヴィデオ・クリップは素晴らしい)。致命的なのがフック。メロディと英語の音の数が合わないから、コテコテのカタカナ英語発音の上に&の読ませ方が奇妙だ。グーッドバーイ、エンダー、グーッドラーックって。エンダーって何だよエンダーって。ダサすぎ。これで私は一気に醒める。英語にすればそれっぽくなるでしょと言わんばかりの、作詞者の稚拙な言語感覚。まただな いつでもカタカナ 傍から見てると浅はか(K DUB SHINE、『最後の猶予』)。このシングルを私は買っていない。特典会のために大量に購入した知人の紳士から一枚もらうつもりだ。仮にもらえなかったとしても支障はない。いずれ出るはずのアルバムの収録曲として聴けばいい。何度かココに書いているように私は曲を聴くとき歌詞の意味は別にどうでもいいのだが、音同士のはまり具合は気にしている。トラック、言葉、声。音楽は音として気持ちよくないといけない。

あとは何だろうな。梁川奈々美さんが3月に業界から足を洗って、6月には宮崎由加さんの退団(芸能活動は継続)が決まっている。この急な流れとそれを取り巻く雰囲気が何となく苦手というのもあるのかもかもしれない。これは完全に個人的な事情だが、宮崎さんの退団は、私がJuice=Juice内で最も支持するメンバーさんを稲場愛香さんに切り替えた直後に発表されたので、きまりが悪い。そういえば以前につんくさんがTwitterにさ、メンバーの卒業とグループの解散・終了は違うのに、そこを周りが混同してしまうとグループの終焉感につながってしまうという旨のことをTwitterに書かれていたんだ。彼は名指しはしていなかった。だから何を念頭に置いたtweetだったかは想像するしかない。ただこの内容は、私がここ数ヶ月のJuice=Juiceに熱中しきれない原因と何か関係しているような気がするんだ。

今日の開場は川口総合文化センター・リリア メインホール。最寄り駅が川口で、チャイナ・タウンで有名な西川口の隣。部類の中華料理好きとしては絶好のチャンスだったんだけど、中途半端な時間に家で食ってしまった。昨日、ちょっといいものを置いている地元のスーパーマーケットでおいしそうなイチゴが2パックで900円くらいで売っていたんだ。1パックは昨日のうちに食べたんだけど、鮮度的に残りは今日のうちに食べた方がいい。10時半くらいにそのイチゴと、ミックス・ナッツを食べた。だからお腹が空いていなくて、昼食はスキップした。14時開場のはずだったんだけど、30分近くたっても列がほとんど進んでいないようだった。結局、開演が延びた。場内アナウンスメントによると機材トラブルで開場時間が遅れたらしい。開演時間を遅らせる旨の声明を読み上げる婦人が何卒をなにそつと読んで笑いが起きた。段原瑠々さんが初めて影アナを担当したときを思い出した。正確な開演時間がいつになったかは見ていないので分からないが、15時11分から注意事項が流れ始めたので、15時15分くらいだったと思う。

昼公演も夜公演も、私の席は10列の中央ブロックだった。先日の中野サンプラザよりはだいぶ恵まれた環境だった。双眼鏡を使うと、迫力のある絵が得られた。メンバーさんの鍛え上げられた肉体。皆さん単に細いのではなく、筋肉がしっかりついているのが分かる。彼女たちはアスリートでもあるんだなと実感する。日頃の節制に加え、筋力トレーニングで身体を作っていないと一日二公演のコンサートは乗り切れないだろう。それも毎週末のように。いやらしい意味ではなくアスリートとしてのHello! Projectメンバーさんの肉体美を表現するために、露出度を高くすることは重要である。今のHello! ProjectだとJuice=Juiceは高い方だ。(つばきファクトリーにももっと見せてほしい。℃-uteのように。)布は少なければ少ないほどいい。まなかんの汗ばんだお腹。舐めたい。

「ひとりで生きられそう」って それってねぇ、褒めているの?』はこのツアーで好きになった。はじめはいかにも売れ線J-POPのような編曲が鼻についた(私は売れ線J-POPを聴いているわけではないので、あくまで偏見である)が、何度か聴くと首を振って乗れるようになった。『25歳永遠説』、コイツはダメだ。(児玉雨子さんの歌詞はだいたい全部好きなんだけど。)つんくさんが作詞する卒業ソングとは言葉のウェイトに差がありすぎる(呂布カルマさん)。前述の“Good Bye & Good Luck!”にしてもそうだ。リリックをメンバーさんの状況に重ね合わせるのであれば、それ相応の人が書かないといけない。Hello! Projectのプロデューサーというつんくさんがしょっていた立場は(もちろん役職だけでなく実態も)それに相応しかった。そういう存在がいない今、無理に卒業ソングを作らなくてもいいのでは。もしくはせめて本人が書いた方がいいのではないかと思ってしまう。もちろん、プロの補助を得ながら。

音源はいつ聴いても同じだが、コンサートでは同じ曲をいつやっても同じ表現になるわけではない。そのときの人員構成、習熟度、曲の新しさ、グループの置かれた状況、等々で変わってくる。その意味では、今のJuice=Juiceがやって一番サマになるのが“Borderline”だと確信した。イントロが始まった瞬間から、とにかくしっくり来る。このタイミングで音源化されていないのが残念。

私はこのツアーに関してはメドレーに不満が残った。よく出来たメドレーはノン・ストップのMIX CDのようにスムーズで、流れがある。このツアーのメドレーは曲がブツ切れになっている感じが強かった。間奏を入れすぎているし、つなぎ方が下手すぎる。MIX CDを聴いているというよりはアルバムを飛ばしながら試聴しているような感覚だった。

昼公演では私の気分はあまり上がらなかった。体調はよかったのだが。何でだろう。労働生活が平穏だからだろうか(ストレスからの救済をそこまで必要としていないという意味で)? でも夜公演になると、以前の感覚を取り戻してきた。Juice=Juiceのグルーヴを身体が思い出してきた。これはよい兆候だ。これからもつばきファクトリーだけでなくJuice=Juiceも観られるという手応えをつかんだ気がする。今の私の身体はデフォルトがつばきファクトリーになっている。

今日は宮本佳林さん、稲場愛香さん、宮崎由加さんが目に付いた。宮本さんに関しては、昔のシャカリキな感じの彼女を思い出した。昼公演ではメンバーさんを比較的、均等に観ていたが、夜公演ではほぼ稲場愛香さんを双眼鏡で追いかけた。宮崎由加さんが抜けた後、この集団がどういうバランスを作り出して、どういう新たな魅力を開花させていくのだろうか。家のウォーク・イン・クローゼットの中で、稲場と大きく印字されたホット・ピンクのTシャツが待機している。宮崎さんがいなくなってからは、私はそれを着る準備が出来ている。

夜公演の前に入ったアジアン・キッチン サンバルが割とよかった。パクチーハイボール330円。マレーシアバクテー680円。レッドホットサンバルチキン580円。タイガービール380円。計2,127円。バクテーがおいしかった。肉がしっかり入っていて。レッドホットサンバルチキンはハズレ。甘ったるい。レッドホットは詐称だ。Sweet & sourでしょアレは。単品で頼んでお酒も飲んだからこの値段になったけど、安く済ませようと思えば定食も800円前後で取り揃えていた。お酒を飲んだけど尿意には襲われずに済んだ。アルコールは食事と一緒に摂るのがミソなんだろうな。

2019年5月28日火曜日

爛漫 (2019-05-12)

入浴、入浴(New York, New York)。10時36分にウェルビー福岡の受付で外出証を受け取る。セブン・イレブンでアイス・コーヒーとプロテイン・バー(糖質40% OFF)。11時21分、会場付近に到達。グッズ列を見つける。見覚えのある風景。そうそう、この公園。2017年4月1日に来た。この日付は明確に覚えている。色々と思い出深い。最前で観た昼公演。宮崎由加さんのお誕生日が翌日だった。ステージからの記念撮影に私が映り込んだ。宮崎さんをはじめ複数のメンバーさんがその写真をブログに掲載した。宮崎さんの支持者として痕跡を残したという感慨があった。二年が経過し、今度は別の女を追いかけて博多に来た。あのときは宮崎由加さん、今日は小野瑞歩さん。あのときは福岡Drum Be-1。今日は福岡Drum Logos。

(昨日の佐賀公演で)きそらすいとうよやりました? やりましたけど、周りの声でかき消されました。関東のリリ・イベですいとうよを言ったことがあります。周りはどんな反応でした? 何か微妙でした。何で博多弁? みたいになってて。あー、まあ関東だとそうなりますよね。佐賀、福岡だったら全然そんなことはないと思いますけど。そうすね、大丈夫です。そのときボク、あんみぃ推しだったんですよ。あんみぃすいとうよ! って言いました。あんみぃは苦笑いしてました。いや、DDなんで。(つばきファクトリー内で推し変を続けて)一周まわりました。二、三周まわって、今はきそちゃん。日替わりは娘。を推してたころ買ってました。ボク、日替わりを買い出すとダメなんですよ。DDだから。全員分欲しくなるんで。でも娘。だけは推し変しませんでした。まーちゃん。2年くらい。█████という名前でブログ・コメント認知されてます。

販売開始時間は11時半のはずだが、14分が経過しても進む様子のない列。インドの店のように交渉をしないと価格が決まらないのか?

私、友達が██に勤めてるんですよ。風通しのよくない会社とその子は言ってました。いやあ、うちの会社の方が悪いですよ。ボクは██は頭が悪くて入れなかったんです。兄が██で働いてるんです。あ、そうなんですか? だから兄のコネで、話は通してもらっていたんです。もし受けられたら受かっていたんです。でもそこまで行けなかったんです。推薦枠が一人だけで、成績で決まるんで。友達が██に入って体重が45kgまで落ちたらしいです。ハゲかけたって。██はハゲが多いって言ってました。辞めたら治ったらしいです。いや、でもよさそうだけどな。/██会社は█オタを取らないと言いますよね。いや、でも隠せば大丈夫です。普通を装って。そう。でもうちの会社はオタクをとりたがる。転職したいんですけど関東の██はタブーらしいんですよ。██は大丈夫なんですけど、██の大手同士は。/他社の██情報って来ます? 来ます、来ます、訓練みたいな感じで。月一で来ます。関東のやつは来ないかも。でも大きいのだったら来ます。

12時ちょうど、メンバーさんを乗せているような雰囲気を出す車が会場前に停める。緊張が走るが、運転手しか乗っていなかった。12時3分、後ろには20人足らず。12時12分、購入完了。日替わりの小野瑞歩さんと谷本安美さん。天神駅。12時29分、コイン・ロッカーに一つだけ空きがあった! カバンを預ける。昼食の場所を探してストリートをうろうろしていたら時間がなくなってきた。昼公演の開場は13時半だが、15分くらい前から番号順に並ばせ始める可能性が高い。地下1階の洋食屋に入る。焦っていて店名を記録する余裕がなかった。ハンバーグ・トマト・ソース1,400円。パン・ライスなしで頼んだらサラダを多くしてくれた。ありがたい。時間がゆっくり流れている。何人かで来てくつろぐ店だ。一人でササッと済ませる店ではない。入る店を間違えた。13時4分、料理が出てくる。13時16分にはDrum Logos前に戻る。まだ呼び出しは始まっていない。安堵。13時18分、間もなく入場整列を始めるとの通知。本当は近くのポプラでお酒を買って飲んでおきたかったが、その時間はない。

昼公演 1330開場 1400開演 132番

右側、一つ目の段差、三列目。なんかこいつデケエなと思ったら手すりの前に一列あった。注意事項を周知する若者。棒読みではない。説明がうまい。理由を言うから納得できる。体調の悪くなった人が抜けられないから端の緑になっているエリアは開けてくれ。チケットの販売数と入場者数が合っていないので、遅れてくる人がたくさんいる。だからもっと前に詰めてくれ。過度なジャンプ、連続ジャンプは足を踏んでトラブルになるからやめてくれ。ペンライトはオフィシャル商品と同じ明るさまでは許容する。それ以上だと演出の妨げになる。過度な場合は声をかけるからカバンにしまってくれ。

さあ、福岡ね。どうですかりさまる? という山岸理子さんの雑な振りに苦笑する小片リサさん。普段、公演前はなるべく食べないようにしているが、今日は明太子があったので白米と明太子を大量に食べた。そのパワーで頑張りたいという旨の意気込みを語る。しかし、白米のような精製された穀物を大量に食べることは血糖値スパイクを招くため危険である。/広いけど見やすい会場なので、たくさんの人たちの顔を見たい、と小野瑞歩さん。

中央で推しジャンしている数名の紳士の中に、昨日の佐賀公演の入場列で酢の臭いを発していたスポーティな紳士がいた。その横には、袖をまくりあげた臭そうな剛毛の紳士。さっきの若者が自粛を呼び掛けていた連続ジャンプ、過剰なジャンプに該当しそうなものだが、お咎めなし。事前注意の意味なし。アレがいいなら何でもありやろ。いや、跳ぶなら跳ぶでいいんだが(跳ぶことの楽しさは私も理解している)、注意する側とされる側が大人同士のはずなのに言葉が通じていないのが空しくなった。わんぱくな中年男性たち。はじめはやや気が散った。小野瑞歩さんの笑顔に集中するように心がけたら、後半は気にならなくなった。ステージ上以外に余計な神経を使うな。好きなメンバーさんと自分、二人だけの世界を作り出せ。

新沼希空さんと岸本ゆめのさんによるトーク・セグメント。『超WONDERFUL!』でぶりっ子をやり切っているのに皆さんが見てくれないとぼやく岸本さん。余裕があれば9人を均等に見てほしいと嘆願する。(昨日の佐賀公演でも岸本さんはもっと私を見てほしいとおっしゃっていた。本気で気にしているようなので、少なくとも岸本ゆめのさんの支持者は集中的に彼女のことを凝視してあげてほしい。見てあげるって言うと我々がメンバーさんよりも上のようで違うけど。)/大阪で焼肉に行ったときの話(新沼さんと岸本さんの二人だったか、他のメンバーさんもいたかは聞き取ることが出来なかった)。相当においしかったようで、得意げかつ嬉しそうに語る新沼さん。いつもはタンとかカルビとか定番ばかり頼むけど、珍しいお肉をいくつも注文した。最後にシャトー・ブリアン。お店の人に焼いてもらった。動画を撮った。どの肉も焼いている時間が大体2分半だった。お母さんにも食べさせたかったと岸本さん。/岸本ゆめのさん。メンバー全員で遊びに行きたいとは思わない。皆さんはメンバー同士で遊んでいてほしいですか? (フロアの反応を見て)そうでもないみたい。キャンプとか絶対行きたくない。虫が恐いとか言う子がいたらイラっとするし。もしメンバー全員でどこかに行くならボランティアがいい。ちゃんとやっていない子がいたら厳しく注意する。

・秋山眞緒さん:公演中にきしもんの顔を見ると笑ってしまう。『ふわり、恋時計』で笑いそうになった。
・小野瑞歩さん:今日は喉が不安だったが、コンサートが進むにつれ声が出るようになった。楽しくて身体が味方をしてくれた。
・岸本ゆめのさん:メンバーと遊びたくないと言ったのはライブが楽しいから。ライブで楽しさは足りている。放課後にまで会いたいと思わない。
・谷本安美さん:(コメントを)何も考えていなかった。ステージが広い。
・新沼希空さん:皆さんとバス・ツアーをしたい。もし福岡でやるならイチゴ狩り。出来るように頑張る。
・山岸理子さん:ストレッチ中にスーパー・フライさんの音楽を聴いていた。

きそらはお店の女の子みたいだね。エッチなお姉さんは好きですか的な、と蒸気した顔でコンサートの感想を語る、禿げを短髪で隠したふくよかな50がらみの紳士。

全員握手。岸本ゆめのさんがアンニョンと言っていた。見えたと小野瑞歩さんが言ってくださった。のど無理しないでねと私は言ったが、そのときに彼女は既に次の人物を見ていた。それくらいに高速だった。谷本安美さんでは前の人が粘っていて、目を合わせる前に私が通過した。

ポプラで██トリス・ハイボール350ml(██の二文字は9%)をゲトって、長浜公園で飲む。少し効いてきた。ビラを配っている女の子たちが神風センセーションを名乗ってるんだけど名前が恐い…右翼?

夜公演 1630開場 1700開演 170番

私にとってはつばきファクトリーのコンサート・ツアー、2019春・爛漫を観るのはこれが最後。番号がよくない。最後の段差の左側に一旦立つが、しっくり来ない。スペースを見つけたらボールが来なくてもそこに走り込めというアンジェ・ポステコグルー監督の教えに従い、中途半端に前を狙わずフロアのいちばん後ろに移った。

開演前、博多華丸似の紳士に声を掛けられる。何公演目ですか? ボクですか? はい。8公演目です。そんな行っているのかという感じで彼は笑った。地元民だという彼はアンジュルムのコンサートをこの会場に観に来たことがあるが、そのときはあんまり埋まらなかったらしい。え、そうなんですか。アンジュルムなら埋まりそうなもんですけどね、と私が返すと、まだブレイク前だったので的なことを言っていた。Hello! Projectはむかし観ていたが、しばらく離れて最近もどってきたという。何があったのだろうか?

佐賀の夜公演とほぼ同じ位置だったが、あの至高の体験の再現とはならなかった。小野さんのラインで跳ぶ気が満々だったが、いきなり一曲目から小野さんが歌わなかった。出ばなをくじかれた。昨日から彼女は本調子ではなさそうなのは見て取れた。ご本人が喉の調子に言及したのは今日の昼公演になってから。そしてこの夜公演では遂に歌うのが厳しくなったようだ。いい思い出にしようと意気込んでいただけに悔しく、身体から力が抜けた。

今夜だけ浮かれたかった』のクライマックスでは、岸本ゆめのさんが浅倉樹々さんと小野瑞歩さんの分も含めて3人分を畳みかける大車輪の活躍だった。ここに居合わせた彼女の支持者たちは誇らしかったことだろう。小野さんは公演を通してまったく歌わなかったわけではない。曲によって、箇所によっては歌っていた。一番の見せ場であるどうしたら輝けるの~? を彼女の声で聴けるのではないかと密かに期待していたが、私の願いは叶わなかった。彼女の持ち分でもひときわ声を張るラインなので、無理だったのだろう。

小野田紗栞さん:ツアーの度に一日だけ落ち着く日を設けている。それがたまたま今日だった。落ち着いてフロアを見渡すと、皆さんの笑顔がよく分かった。あと暖かく見守ってくれている。うんうん、大丈夫だよという感じで。それを見て、私はもっと皆さんにハッピースマイルを届けたいなと思った。

お立ち台で泣きながら我々に背中を向けて話す小野瑞歩さん。全部のパートを歌えなかった。歌えることのありがたさを改めて感じた。私の歌を楽しみに来てくださった方、メンバーに申し訳ない…と訥々と言葉を絞り出す。最後にこちらに身体の向きを戻して、満面の笑みを浮かべる。歌がすべて歌えなかった分、笑顔を出したが、伝わっていたかというようなことをおっしゃる。我々から大喝采を浴びる。

釣られたのか岸本ゆめのさんも感極まる。涙ながらに話す。私が初めて買ったCDはゆずさん。『虹』に、人間は誰しも悲しみを抱えているけどそれは塗り替えていけるという歌詞がある。みんなつらいことを抱えながら生きている。それを塗り替える手段が私たちのライブであったら嬉しい。次のメンバーさんのコメント中も、しばらく泣き続ける。

新沼希空さん:私は通りもんが好き。普段はあまり食べる機会がないけど、福岡に来たら通りもんを食べられる。毎週、福岡に来たいくらい。通りもんだけじゃないけど。

全員握手で小野瑞歩さんに、お大事にねと声をおかけした。神妙な顔持ちで彼女は頷いた。メンバーさん全員の手を握って流れていくのがやっと。昼よりも早い。

一つのコンサート・ツアーを9公演も観るのは私にとって新記録だ(たしかこれまで最も多くて7公演だったはず)。東京愛知岐阜佐賀、福岡。最後は悔いが残った。こんなにたくさん観たという感覚よりも、調子が万全になった小野さんの歌声を聴きたいという思いが強い。またつばきファクトリーを観るために遠征をしたい。私は当面の間、つばきファクトリーだけを観ていればいいんじゃないか。そう思えたツアーだった。

2019年5月26日日曜日

爛漫 (2019-05-11)

賃金労働者には有給休暇を取る権利がある。与えられた年間日数の範囲内で消化するのは何もおかしくない。誰にも咎められるいわれはない。理論上はその通り。だが勘違いをしてはいけない。権利とは黙っていればで誰かが提供してくれる便益ではない。行使ができるように自分が努力をしなくてはいけない。たとえば、会議や出張のスケジュールを変えないといけないかもしれない。誰かに不在中の業務の代行をお願いする必要があるかもしれない。自分にしか出来ない業務がある場合、不在中はそれが出来なくなることを関係者に了承してもらった方がいいかもしれない。そういったことをせずに休みまくっていれば、同僚や上司の信頼を失って会社内での居場所がなくなる。有給休暇の以前に有給生活がなくなる。

こんなに休む必要はなかったのではないか? この日を迎えるまでは罪悪感に似た思いが少し胸にこみ上げて、落ち着かなかった。ゴールデン・ウィークが十連休もあった。そこから四連勤を挟んで、また五連休。5月13日(月)、14日(火)、15日(水)と休暇を取得した。脳と身体を労働に飼い慣らされている私には、あんなにたくさん休んだんだからまだこんなに長い休みは要らないのでは? という戸惑いがあった。ただ、それも昨日までだ。5月11日(土)の始まりを認識した瞬間から、これからの旅行を楽しむことに注力することに気持ちを切り替えた。労働がある日よりも早く起きて家を出る。普段は6時に目覚ましをかけて、6時半から7時の間に布団から起き上がる。今日は5時50分に目覚ましをかけて、6時にはシャワーへと向かった。ぐずぐずしている時間はない。9時20分の飛行機に乗り遅れたらすべてが台無しになる。

羽田空港国内線ターミナル駅で電車を降りるまではよかったがそこからの道を間違えて、違うターミナルに着いてしまった。戻って余計な時間を食ったが、早めに着いていたおかげで焦らずに済んだ。不測の事態に備えて予定にはバッファーを設けておくのは大事だ。保安検査所を通過。ホットコーヒーで一息。飛行機に乗り込む。通路側。後から来た窓側の人のために私が立ち上がったが礼を言ってこない(少なくとも私には聞こえなかった)ので何だコイツと思って見たら、新宿花園万頭の紙袋を持った、加齢臭を発する老紳士だった。臭いだけではなく不愉快なヴァイブスを放っていて、隣にいるだけでムカムカしてくる。(飛行中に飲み物を頼むとき、私はコーヒーをくださいと言ったが、彼はコーヒーとだけ言った。この手合いは、単語だけで注文をする。何々をくださいとかお願いしますと言えない。『上手く言えない』。そういう育ちなんだ。)Hello! Projectの現場で隣のオジサンの臭いを嫌がる女性の気持ちが分かった。(ただそういう女性に一つ朗報だが、日頃から男性の体臭に接している女性はエストロゲンの濃度が高く、生理不順や生理痛が起こりにくいという研究があるそうだ。)オタクさんであろうとなかろうと基本的にオジサンとジジイは全員がデフォルトで不愉快な存在だ。私も自覚しなくてはいけない。Terence Kelseyの“Breakfast is a Dangerous Meal”を読んで気を紛らわす。

定刻(11時15分)ほぼぴったりに、福岡空港。地下鉄で博多駅。コイン・ロッカーがぜんぶ埋まっている。宿泊先のウェルビー福岡まで歩いて、大きなカバンだけ預ける。博多駅のプラットフォームで旨辛ネギラーメン680円。立ち食い。さすが本場。うまい。

12時41分:博多駅発(JR鹿児島本線快速 荒木行)
13時11分:鳥栖駅着
13時22分:鳥栖駅発(JR長崎本線 肥前山口行)
13時50分:佐賀駅着

鳥栖駅のプラットフォームからサガン鳥栖さんのホーム・スタジアムが見えた。すぐそこにある。14時からガンバ大阪戦があるようだ。会場前が人で賑わっている。サガン鳥栖さんは明治安田生命J1リーグのリーグ戦では10節までで一回しかゴールを決めていない。今日はゴール・マウスをこじ開けることが出来るのだろうか。ちょっと試合を観たくなった。

佐賀駅から会場までの間に、アップフロントがよかれと思って我々に送りつけてきたサコッシュを身に付けた紳士がちらほら。14時1分、佐賀GEILS前に到着。グッズ列は20人足らず。14時3分、ほっともっとのロゴが印字されたビニール袋を2階に運ぶ男性。中にたくさんの、弁当らしき物体が入っている。つばきファクトリーさんのご昼食かな。佐賀まで来てほっともっとじゃちょっと可哀想、と近くの紳士がぼやく。私の前にいたのがコレクション生写真を35枚(17,500円)買う狂人。二種類(part. 1と2)あって、買うことが許される上限が20枚ずつ。この老紳士の買い占めで片方は売り切れ。販売しているお姉さんはアップフロント関西。私は日替わりの小野瑞歩さん、秋山眞緒さんを購入。秋山さんの日替わりを買ったのは初めて。いつも同じ面子だけでは芸がないので変化をつけたかった。書き込みの絵も可愛らしかった。ぶたさん書いてみたよだって。14時21分、佐賀駅前のコイン・ロッカーにカバンを預ける。

昼公演 1500開場 1530開演 100番

宝酒造 極上レモンサワー 生おろしレモン(350ml)をコンビニの前で飲み干す。14時50分に佐賀GEILS前に戻ると、BEA STAFFの係員が番号を呼び出して来場者を並ばせている。ちょうど私の番号が呼ばれるところだった。14時58分、周りを見渡すと自分の位置は真ん中か少し後ろくらいに見える。さすがに整理番号が200番くらいで終わりということはないとは思うが…。とはいえ、この時間になると観客はほぼ集まりきっているはずだ。

15時6分に到達したフロア。既に7割がた埋まっているように見える。コレは厳しい。7列目か8列目の真ん中付近。普段は(小野さんがいる割合の多い)右に行くけど、今日は真ん中と混み具合に差がなさそうなので、たまには中央にしてみる。新鮮な経験だった。いつもに比べると小野さんがあまり見えなかったが、たまには他のメンバーさんをじっくり観る回があってもいい。一曲目『うるわしのカメリア』で0番にいた小野田紗栞さんに目を奪われる。めっちゃ可愛い。彼氏と江ノ島に行っていようが、可愛いことに変わりはない。谷本安美さんにも見惚れる。私はこんな物凄い美人さんに似顔絵を二回も描いてもらったのか。

山岸理子さんは岐阜のときの、お酒が回って陽気になったような、ふわっとした感じが継続している。もしかして本当に二日酔いだったりして。遅い時間まで悪い男とお酒を飲んでお楽しみになっていたのだろうか…。この公演から浅倉樹々さんが欠場している。冒頭で我々にそれを知らせる際、樹々ちゃんがいてもいなくても同じくらいのパワーを出します的なことを言おうとするものの、いてもいなくても変わらない…と言葉の選択を微妙に間違えてグダグダになっていた。今日は髪の毛を巻いてきたけど、公演の終盤にはストレートのようになってしまったと彼女はおっしゃっていた(たしかに最後の方は汗をかいて髪の毛を振り乱して淫らだった)。巻いてきたのは髪ではなくガジャなのではないかと勘ぐりたくなった。

トークのセグメントは、秋山眞緒さんと谷本安美さん。ゴールデン・ウィークは何をしてましたかと我々に問いかける秋山さん。Hello! Projectの現場以外に生き甲斐がない人間が100%を占めるフロアからはライブという声。さすが、という秋山さんはピクニックをした。皆さんもピクニックはしますよねと彼女が同意を求めるが、我々の反応が弱い。安美ちゃんは? 首を傾げる谷本さん。どこまでがピクニック? 遠足は? と秋山さんに確認するが、話が広がらない。谷本さんがどう過ごしたかの話に移る。皆さんと同じ過ごし方をしていました、と谷本さん。ドリーム・キャッチャーさんとIZ*ONEさんを観に行った。同じ日。その日しか休みがなかった。(皆さんもあるあるですか? こぶし行ってからつばきに行く的な? と秋山さん。)開演前は、隣の人と話す。たとえば、誰ペン(我々の世界でいう推しのこと)ですかと聞く。人見知りだけどそいう場面では社交的だと言う谷本さんに、(あなたは)人見知りちゃうわと笑う秋山さん。皆さんは(コンサートの前に隣の人に)話しかけるんですかと問う谷本さん。しない、するっちゃする、といった声が出た模様。隣と話しておいた方が楽しくないですか。休みの日は好きな人に会いに行くのが一番ですよね、皆さん? と話を締める谷本さん。それは勝てないなと降参する秋山さん。

小野瑞歩さんは調子が悪いのかな? いつもの天真爛漫な笑顔が影を潜めている。普段に比べると表情が冴えない。声も思うように出ていない気がする。これに関しては音響の調整の問題かもしれないし、断言は出来ないが。ただ、序盤と終盤に一度ずつ水を飲みに行っていた。喉に何かしらの違和感があるんだろう。今日は彼女の日ではないようだ。

小野さんは最後のコメントで、今日の発見として、エメグリ(メンバー・カラー)のペンライトを振っている人があの辺に固まっていた、と私の少し左後ろを指さした。あとあの辺、と右の方も。私はペンライトは持たないスタイルを固めつつあるが、こうやってどこに自分のファンがいるかをペンライトの色で見極めているのであれば、購入を検討した方がいいのかもしれない(私が持っているのは五人時代のJuice=Juiceの公式ペンライトで、エメラルド・グリーンは光らない)。

浅倉樹々さんが担当していた歌のラインは、浅倉さんが一人で歌っていた箇所は誰かが埋めていたが、二人以上が歌う箇所では代役は立てていないようだった。『今夜だけ浮かれたかった』クライマックスの畳みかけで彼女が受け持っていたまぶたを刺す髪の毛、は岸本ゆめのさんが歌っていた。

秋山眞緒さん。会場までは車で来た。車から小さな花が見えて、幸せを感じた。私たちも皆さんに笑顔や幸せを与えられるようになりたい、というアイドルさんとして満点の美しい言葉を残した。

序盤は皆さんの声があまり大きくないと感じた、と小野田紗栞さん。後半になってようやくみんなが遠慮せずに声を出すようになった。次に来るときははじめから私たちが盛り上げられるように頑張りたいという旨のことをおっしゃった。我々を嫌な気持ちにさせず、自ずと発奮させる言い回しがプロだなと私は感心した。江ノ島で地元の男と遊んでいたことがバレても、そこからアイドルさんとして崩れないし、ステージ上での言動には抜け目がない。この強さには一目を置かなければならない。

小野田さんの指摘は正しく、たしかに私も名古屋岐阜に比べて温度が低いとは感じていた。公演後に捌けたメンバーさんたちが全員握手のために戻ってくると、普通は起きる拍手がなかった。握手が始まるまでの待機中、人と人の隙間から小野さんと目が合った。私が日常生活ではまず作ることはない満面の笑みを送ると、彼女は顔を崩してニコッとしてくれた。たぶん思い込みじゃなくてアレは私にくれた笑顔だ。

秋山眞緒さん
岸本ゆめのさん
新沼希空さん
谷本安美さん
小野瑞歩さん
小野田紗栞さん
山岸理子さん
小片リサさん

谷本さんに今日すごく美人ですね的なことを伝えようかと考えていたが、全員握手の順番で彼女が小野さんのすぐ前だったので、断念した。小野さんに聞かれたらまずいので。私と対面した小野さんはギアを一つ上げた強い笑顔で長めに見てくれた。

コンサートの余韻に浸っていたところ、セレッソ大阪3-0横浜F・マリノス(試合終了)という情報がiPhoneから目に入ってきて心を乱された。

夜公演 1800開場 1830開演 104番

クロークをやっていたことに気付いた。14時半から。500円。45リットルのゴミ袋。コイン・ロッカーを使えたから問題ないけど、今後の参考のため書き残しておく。

人が増えてきた入場待機列。酢の臭いがする。発生源は、タイツの上にハーフ・パンツをお召しになった過剰にスポーティなスタイルでお決めになった50がらみの紳士。絶対スポーツやってへんやろ。列が進んでグッズ売り場を通過したときに確認したら日替わり写真はすべて売り切れていた。

番号が昼と4番しか違わないけど、それ以上にフロアが埋まっている。腕毛が邪魔だな、腕毛が0番にいるから、等とお知り合いのニックネームを連呼しながら冗談めかして悪態をつき、ポジションを吟味するおまいつ。身長が高い人はライブハウス(和製英語)に立っているだけで邪魔だとか壁だとか陰口を叩かれて難儀だね。前に行っても中途半端な位置にしかならないので、思い切っていちばん後ろに陣取ることにした。一昨年のJ=J Day以来の、いわゆる推しジャンを続けるスタイルの採用を決意した。しばらくやっていなかったので、開演当初は戸惑いがあった。途中から吹っ切れて、迷いも恥じらいもなくなった。楽しくて仕方がなくなった。幸いにも周囲には割と空間があったので、ストレスなく跳び続けることが出来た。跳ぶと脳内で何らかの物質が分泌されて、地面についたままでコンサートを観るのとはまったく違う喜びを得ることが出来る。後ろの方には同じ考えの人が固まっていた。跳ぶタイミングは(応援するメンバーさんによって)バラバラだったが、それぞれがお互いを尊重しながら自由にやっているのが心地よく、連帯感があった。小野さんの歌割では(ソロでもユニゾンでも)私はほぼ欠かさず跳んだ。フロアを埋めた全ヘッズの中で私しかジャンプをしていないときが何度もあった。一人だけ瞬間的に高い位置から全体を見下ろすと、精神的な充足感を味わった。視界は思ったよりもよかった。会場が狭くて、後方にはスペースがあったので。

昼公演では前半に笑顔が少なかったみずほchanだが、夜公演では序盤からトレードマークのスマイルを披露なさっていた。昼よりも笑顔が多いのはオレがいると分かって嬉しくなったからかな?

トークのセグメントは、山岸理子さんと小野瑞歩さん。岐阜にお住まいの方? と問いかける小野さん。手を挙げたのは7-8人か。地方で公演をやる意味を問い直したくなるような地元民率の低さ。女性限定エリアに多かったようだ。地元で何がおいしいのか教えてほしいという小野さんの質問。フロアからの返答は、呼子のイカと、コッペパン。よぶこ? 昆布ですか? 違うと聞いて照れ笑いする小野さん。県外から来た人が多いので、佐賀に来たからには地元のおいしいものを食べて帰ってほしいと佐賀をフック・アップする。一緒には食べれないけど…と我々を釣りにかかって、当然の流れで我々がエーイングをする。そのときの彼女のいたずらっぽい笑みが可笑しかった。今日は皆さんと目を合わせることを意識しました。気付きました? 目が合ったという人? と挙手を求める小野さん。少ないな…。目が合ったのに手を挙げていない人がたくさんいる。恥ずかしがっているんでしょ? ここで山岸さんが、分かる、私も(ファンとしてコンサートを観るときに)推しの目を見るの恥ずかしい、と言う。そうじゃなくて、目が合った気がしても言い出すのを恥ずかしがっているということだと説明する小野さん。ああそういうことね、と理解する山岸さん。勘違いなんじゃないかなって。勘違いではないですからね? 私たちけっこう見てるからね? と言ってから、他の子のファンでも私や理子ちゃんを見てくださいと自分を売り込む小野さん。

I Need You~夜空の観覧車~』の前に、次は盛り上がる曲ではないんですが…盛り上がる準備は出来てますか? と小片リサさんが我々に確認する流れがなくなっていた。残念。面白かったのに。この曲は、ミニチュアの街を 見下ろす空の上は 三日月に…というところでみで頭韻を踏んでいるのが私は好き(前も書いたかもしれない)。私は基本的に歌詞の内容はあんまり聞いていなくて、歌い手の声とか、こういう音の響きを中心に歌を聴いている。

フロアは昼公演に比べて明らかに熱気があった。昼公演で我々にダメ出しをした小野田紗栞さんも、夜公演ではしっかり褒めてくださった。

秋山眞緒さん曰く、今日は小野瑞歩ちゃんのダンスがいつもの5倍くらいキレがあった(ここで小野さんが、何で分かるの~? と大きな声を出して反応する)。『表面張力~Surface Tension~』とか、と具体的な箇所を実演する。

壁にビートルズさんのポスターが貼ってある、と小野田紗栞さん。コンサートの前にストレッチをしたときに気付いた。ビートルズさんの曲をストレッチ中に流したら元気をもらえた。

小野瑞歩さん。今日はいつもの5倍大きく踊るのを目標にしていた。(アンコール前最後の)『今夜だけ浮かれたかった』が終わって捌けたとき、さすがに疲れてぐったりした。秋山眞緒ちゃんに数字まで当てられてびっくりした。私と目が合った人? と我々に確認し、まだ少ないな…と挙手状況に納得がいかなそうな小野さん。

小野さんと山岸さんのトークが裏で聞こえていたという岸本ゆめのさん。他の子を応援している人でも私たちを見てください的なことを言っていて、ずるいと思った。私も自分を見てほしい。それはメンバーがみんな思っていると分かってほしい。私は自分のパートで目の前にいる新沼希空ちゃん推しの人が希空ちゃんを見ているのを見ながら歌っている。今日は皆さんの笑顔が凄くて、皆さんに負けているんじゃないかと思うときがあった。笑顔だけは負けられないので頑張った。

谷本安美さん。公演中いつもは目を合わせてくれる新沼希空ちゃんが見てくれなかった。何なのもう! と思った。

佐賀に初めて来た、という小片リサさん。日頃からどこを訪れたかが分かるようにチェック・シートをつけている。あと数県で日本の都道府県がすべて埋まる。皆さんもつばきファクトリーのツアーでチェックシートを埋めていってほしい。

山岸理子さんが言うには、私たちの目を見るのは皆さんも恥ずかしいかもしれないが、私もお客さんの目を見るのは恥ずかしい。でも対バンのイベントに出たとき、他のアイドルさんが自分を見てくれて嬉しかったので、自分もやっていきたい。レスって言うんですか?

公演中、私は後ろのテーブルに水を置いていた。公演の後に間違えて違う人の水を取った。それオレのと申し出てくれた紳士のおかげで、オジサンとの間接キッスを免れた。

小野瑞歩さん
山岸理子さん
谷本安美さん
新沼希空さん
小片リサさん
岸本ゆめのさん
秋山眞緒さん
小野田紗栞さん

幸運なことに小野さんが一人目だった(いちばん時間を長く取りやすい)。私は通常であれば目が合ったとか見えたとか自分から言うのはゲスすぎて気が引けるのだが、今日の流れなら差し支えないだろう。そういうことを言おうと思っていたが、向こうから話しかけてくれた。目合ったね(小野さん)、合った(私)、絶対合った(小野さん)、というやり取りをさせていただき、ピンチケの若者のような気持ちになり、アンチ・エイジング効果を得た。正直、昼は位置取りの関係もあって他のメンバーさんに目移りがすることもあったが、夜公演は小野瑞歩さんに集中できた。

佐賀駅前、Dining Dai。竹伝説(佐賀の麦焼酎)380円。スナップエンドウ420円? 山芋トロロステーキ お好み風(さくらポーク入り)700円。佐賀県産黒毛和牛タンステーキ100g 1,500円。有明鶏の唐揚げ ジャンボマヨ650円。ぜんぶおいしかった。

Googleで検索すると、現在、岐阜県の最低賃金は時給762円。駅内の飲食店の求人票を見ると、とんかつ・あら玉とファッションステージ・ドリスが770円でギリギリの線をついてくる。

22時15分発の、鈍行の最終で博多に戻る。それにしても、何という楽しい一日だったんだ。後味がよすぎる。今年一番じゃないか。名古屋岐阜の体験を超えてくるとは思わなかった。博多までの78分間、余韻を味わう以外のことが何も出来ない。こんな感覚にはなかなかなれない。明日は博多でコンサートを観る予定なのだが、今日このまま埼玉に帰ってもいいくらいに満たされている。幸せに包まれている。

2019年5月22日水曜日

Juice=Juice 段原瑠々バースデーイベント2019 (2019-05-08)

赤坂駅前の文教堂書店で『フットボール批評』を購入した。私はこの雑誌を定期購読していた時期がある。積ん読になってしまいがちだったので、今では特に読みたい特集があるときだけ買うようにしている。喜田拓也選手、小倉勉さん(SD)、永井紘(FRM事業部)とマリノス関係者の三人へのインタビューが掲載されているのだ。試合を観るのとはまた違う、語る面白さ、考える面白さを味わえる雑誌だ。何年か前、週末に少年フットボールのコーチをしていて審判の資格を持っている紳士(元同僚)と飲んだ。当時の私は試合をほとんど観ていなかったが『フットボール批評』の内容を受け売りすることで話が弾んだ。フットボール先進国では代表監督とクラブ監督の役割は明確に棲み分けがされている。代表監督のは選手を選ぶのが仕事であって育成の役割はない。日本ではそこがごっちゃになっている。とか、プロになる前に個人戦術を身につけるのが大事でそれなくしてはチーム戦術は成り立たない、日本はそこが遅れている、とか。

マイナビBLITZ赤坂。Hello! Projectではそれほど使用しない箱だ。私は前に一度だけ来たことがある。Berryz工房×℃-ute 超HAPPYコラボ2012 ~スッペシャルでバコーン!~だ。当時はマイナビという冠が付いておらず単に赤坂BLITZという名前だった。

17時半からの公演に間に合うためには午後半休を取らないと間に合わなかった。ゴールデン・ウィークが終わったばかり。今週末からまた五連休を取ることを考えるとやや大胆な休暇の取り方だった。連休が実際に明けてみると、特に普段より忙しいということはなく、平穏に退勤することが出来た。

平日のバースデー・イベントで早い時間と遅い時間の両方に申し込むと早い時間だけが当たる可能性が非常に高い。半休の取得が必須になるであろうと応募時に分かっていた。それくらいの調整は当然だと思えた。応募した時点では。是非とも入らなければならないと思っていた。ところが当日になると私の精神状態がいまいち。おとといJuice=Juiceのコンサートを観たときよりはマシだったが、まだそのときのモチベーションの低さが尾を引いていた。だいぶ淡白な気持ち。いや、普通に楽しめたんだけど、普通だった。

段原さんは研修生時代、℃-uteのバックダンサーとしてよくツアーに帯同していた。元チーム℃-uteとしては自然と笑みがこぼれるセットリストだった。『都会っ子 純情』とかさ。チャントが身体に染みついている。こういう、自分の出自を語るようなセットリストの組み方はすごくバースデー・イベントらしくていいなと思った。去年のバースデー・イベントに続いて今年も弾き語りがあった。弾く前に、去年から上達していませんと段原さんがおっしゃって、笑いが起きた。

珍しく、Hello! Projectではない曲があった。薬師丸ひろ子さんの『セーラー服と機関銃』。皆さんには懐かしいんじゃないかと思いますと段原瑠々さんが発話なさって、ドッと笑いが起きた。Juice=Juice支持層の中では私は冗談抜きで若手の部類に属するので、懐かしいどころか分からなかった。曲名くらいは聞いたことがあったが。今日はじめて聴いて、いい曲だと感じた。後で検索したら1981年の曲だ。聞き手が1981年にドロップされた曲を懐かしく思う人たちであることを前提に、2001年生まれの少女が組んだセットリスト。

バースデー・イベントでは珍しいことに衣装替えがあった。段原さんは途中から学生服にお着替えになって再登場した。現役高校生アイドルさんの学生服姿を(本物の制服ではないとはいえ)鑑賞できる機会はそう滅多にない。もちろんその辺の野良高校生の制服姿は簡単に見ることが出来るが、それはまったくの別物だ。コスプレになる前に着てみたかった、と段原さんはおっしゃった(来年のこの時期には段原さんは高校を卒業している。留年でもしない限り)。彼女が学生服に着替えてからの私は、歌を聴くことよりも双眼鏡越しに凝視することに集中した。

帰り道、赤坂駅からの東京メトロの混み方にびっくりした。電車を一つやり過ごしたが次も満員だった。コレで通勤はしたくない。帰宅後、つばきファクトリー 浅倉樹々 活動休止のお知らせが22時に発表され、ショックを受けた。浅倉さんの治療が順調に進むことを祈る。絶対に戻ってきてほしい。

JuiceFull (2019-05-06)

中野サンモール商店街には数多くの鯉のぼりが吊るしてあった。店舗や人混みの雑多さと相まって、絵になる風景を作っていた。そういえば昨日がこどもの日だったのか。こどもの日の前日に私は自分の子供でもおかしくはない年齢のHello! Project研修生たちが日頃の鍛錬の成果を発表する場に居合わせていた。まっとうな人生を送っていれば、他人の子供ではなく、自分の子供が出演する何らかの発表会に行っていてもおかしくはない年齢になりつつある。研修生の現場ではそんな奴らがゴロゴロいる。親くらいの年齢ではまだ甘い。研修生のおじいちゃんでも違和感のないリアルな奴らがマイノリティとは言い切れないほどの割合でいる。おとといと同様、私は中野サンプラザに来た。10連休となった今年のゴールデン・ウィークで三回目。今日わたしがコンサートを鑑賞するJuice=Juiceとは、まだ親子というほどの年齢差はない。最年少の段原瑠々さんが17歳(明日で18歳)、最年長の宮崎由加さんが25歳だ。時間の問題だ。Hello! Projectが人員を若返らせながらこれから何十年も存続し、私のHello! Project支持者としての人生が続くかぎり、私がメンバーさんのおじいちゃんくらいの世代になるときがいずれ来る。未来に何がどうなっているかは分からないけどね。その前に私が死ぬかもしれないし。

今日の私にはまったくやる気がない。チケットがあるからしぶしぶ来たという感じだ。身体は中野に着いても気持ちがついてこない。何なんだろうね。原因がよく分からない。体調は別に悪くはない。アップフロントが私に与えた座席が、昼公演が2階の9列。夜公演が2階の10列(最後列が12列)。ファンクラブ先行で申し込んで中野サンプラザの2階が来ることは滅多にない。それも昼と夜でほぼ同じ席。座席の引きの悪さが一つの要因だったことに疑いはない。ただ、仮に座席が1階の前方だったとして、それがすべての問題を解決したかというと違うような気もする。どうも今の私はJuice=Juiceのコンサートを観るということに対してそこまでのモチベーションがないらしい。

年始のHello! Projectコンサートで代理購入した横山玲奈さんと宮本佳林さんの日替わり写真を渡すため、Sさんと会った。肉とピザどっちがいいですかと私が問うと答えは肉だった。会場近くの焼き肉店、李苑で昼食を共にした。開場までまだ時間はあったが、サテンに誘うのは何となくためらい、中野サンプラザの会場前でしばらく立ち話をした。席はどの辺ですかと私が聞くと、彼は昼が1階の前方、夜がエグゼクティブ・パス特典の招待席で0列ということだった。スゴイですね。そんなにいい席だと、交換してくださいって言われませんか? 交換を持ちかけられるほどいい席が来たことがないんで、分からないですね。そうなんですか。僕は何回かあるんですけど、パターンがあって。まずそこ連番ですかって聞かれるんですよ。違うって答えたら、あのう、友達と連番したくてえ、とか言ってくるんです。あとたまにあるのが、ボクの推しがこの辺に来るんで、というパターンですね。大体その二つのパターンです。もし交換してくれって言われたらどうします? 断るというSさん。推しが近くに来ると言われたらおいくらと聞いて、お金を出せないようだったら、推しに対する気持ちがその程度なら応じない、と言って断るという。

席交換の話をしていると、現場あるあるだね、と近くの紳士が割り込んできた。18年前に後藤真希さんのコンサートに行ったという先輩である。当時は男しかいなかった。本当だよ。今は女の子が増えたね。特にアンジュルムとモーニング娘。は女性が多いですよね。年齢層は当時と比べて変わってますか? みんなトシとったね。あ、そうなんですか。人が入れ替わらず。うん。今は若い女とジジイしかいない。Sさんは紳士のおしゃべりから逃げるようにトイレへと去った。

開場予定時間は14時ちょうどだったが20分すぎまで入場が始まらなかった。場内最終調整という例の理由。さっきコンビニで買って飲んでいたウィルキンソンハード無糖レモン500mlがお腹に来ている。腹痛はないが、胃の容量がいっぱいになっている。一気に飲みすぎたか。席に座ると、そこから立ち上がるのもだるくなった。前の列の人たちも座っていたので、昼公演中はそのままずっと着座で過ごした。コンサートの中盤にクイズのセグメントがあった。そこで目は覚めたが、そこまでの何割かは寝ていた。Hello! Projectのコンサート中に眠るってのは初めてかもしれない。ずっと着座の演劇女子部で居眠りをしたことはあるけど。

クイズはJuice=Juiceのヴィデオ・クリップから出題された。何の曲だったかは忘れた。映っていたスマートフォンの充電残量を当てよという問題だった。正解は49%だった。みなさんへの愛情と同じ100%という稲場愛香さんの回答がさすがだった。ちょっと何言ってるのか分からないですけど、と金澤朋子さんが冷ややかに突っ込んでいたのが面白かった。

夕食。大衆オステリア TORI PANIという店に入ってみた。たぶん新しい店。ロティサリー・チキンを押し出している飲み屋さんだ。飲食店では看板メニューを頼むに限る。スパークリング・ワイン500円と、ロティサリー・チキンのハーフ・サイズ(一羽の半分)1,380円を頼む。お一人様には四分の一も出せますが? 店主らしき青年が出来るんですか。じゃあ四分の一で。チキンにつけられるスパイスの一覧を見せられて、そこから一つ選ぶ仕組み。デビルというのはからいんですか? そうですね。ハバネロとかが入っていて。それでお願いします。変わり種ではハッピー・ターンというのもあった。追加で頼んだソーセージはいまいちだった。お通しの野菜スティックは高品質だったが500円するのは気に入らなかった。このお通しというシステム。会計のときにならないと値段が分からないのは気分が悪い。印刷して複製された写真は並んでまで500円で買うのに居酒屋のちゃんとしたお通しに500円も取られたのを根に持ってしまう金銭感覚。

3,000円くらいでいいから夜公演のチケットを誰かに売って家に帰りたい。会場付近でチケット譲ってくださいと書かれた紙を持って立っている人がいれば声をかけるつもりだった。そういう人がいなかったので諦めて入場した。

夜のクイズは、何かの(曲はまたしても覚えていない)ヴィデオ・クリップで時計が指す時刻は何だったかという問いだった。10時10分が正解だった。金澤朋子さんによると撮影当時、Juice=Juiceにかけて10時10分にしてくれたんだと思いスタッフさんにお礼を言いに行ったら、そうじゃなくていちばん美しく見える針の位置だから10時10分にしたと明かされた。

アンコール前最後の曲が『ロマンスの途中』で宮本佳林さんがフックの締めの、ロマンスの途中、という歌詞を飛ばした。アンコール明けに宮本さんがそれに触れた。これまでのことを回想していたら歌うのを忘れてしまった。ずっこけているお客さんがいた、と笑っていた。

アンコールがいつものジュース! もう一杯! ではなく、瑠々ちゃん! 瑠々ちゃん! だった。段原瑠々さんは明日で18歳になる。中野で瑠々ちゃんコールが起きるとは思わなかった、と段原さんは驚いていた。

6月17日でJuice=Juice及びHello! Projectを退団する宮崎由加さんにとって、今日が中野サンプラザでの最後のコンサートだった。もしかするとHello! Project全体のコンサートでゲストとして登場する機会はあるかもしれない。でも少なくとも、現役のHello! Projectメンバーさんとしては最後だった。私は2,000人くらいの(ファンの)顔を覚えている、と最後のコメントでおっしゃっていたのが印象的だった。今日も全員とはいかないけど知っている顔が(客席に)たくさんいて、こんなに覚えられる自分はスゴイと思ったという旨のことをおっしゃっていた。

私にとって(そして世の中の多くの人々にとって)ゴールデン・ウィーク最終日だった。昼公演か夜公演か忘れたけど、ニューズを観ていたらゴールデン・ウィーク最終日は家で過ごす人が多いと知った。だから今日、人が来るのか不安だったがこれだけたくさんの人が来てくれてありがたい的なことを金澤朋子さんがおっしゃっていた。私は明日から四連勤したらまた五連休。佐賀と福岡に行く。ハードなスケジュールだ。

2019年5月21日火曜日

春の公開実力診断テスト (2019-05-04)

ロリコンではないことが判明している私だが、山﨑愛生さん(14歳)の日替わり写真を購入した。いわゆる推しとは違う。別枠だ。したがってセーフである。それに彼女は6月に15歳になる。四捨五入すれば二十歳。つまりほぼ成人と言っても過言ではない。売り場がたまたま空いてたんだ。新大久保ソルマリで昼食を摂って私が中野サンプラザ前に着いたのが13時26分。誰も並んでいない。買わないつもりだったんだけど、待たないのであれば行ってみようかなと。私が買い終わって外に出たらエスタシオン係員が売り場への進入を締め切るところだった。開場前のグッズ販売が打ち切られる直前だった。

山﨑愛生さんは昨年の実力診断テストで私に鮮烈な印象を与えた。私が山﨑さんを観たのは、去年5月6日の実力診断テストと、6月9日の研修生発表会。その二回だけ。彼女は北海道を拠点に活動しているが、去年6月だけは、出張で東京での発表会に出演なさった。私は彼女を目当てに北海道に遠征をするほどハーコーではない。そもそも推しとは違うし。ただ11ヶ月みていないにも拘わらず今回の実力診断テストで私が最も注目するほどに気になる存在であり続けたのはたしかだ。

私は四半期に一度行われる研修生発表会に一回ずつ入っているので(来月のは申し込むのを忘れた)、研修生さんたちの顔と名前はほぼ一致する。漢字まで正しく書けるかは怪しいが、名字ならたぶん大丈夫だ。研修生の中でこの子を応援したいと強く思える子はいない。サーネームが印字されたTシャツを作りたくなるくらいの。私はロリコンではないから。もともとつばきファクトリー目当てで入っていたので。彼女たちが召集されなくなってからは、私にとって研修生発表会を観に行く意味が薄れている。だから今日の実力診断テストにしても、自分的な見所がはっきりしなかった。これは日頃から研修生を観ている人にとっては絶対に外せないくらいの一大行事。単なるゴールデン・ウィークの行楽ではない。自分が支持する少女が研修生で終わるのか、アイドルさんになれるのかを左右するかもしれない場。去年の実力診断テストでは、誰か(どの研修生か忘れた)の出番が来たとき、近くの紳士が俯いて手を震わせながら祈っているのを見た。賞をもらえばデビュー決定とかそういう約束があるわけではない。でも、この日の出来が処遇を決める判断材料の一つにはなっているだろう。モーニング娘。の新メンバー・オーディションが進行中で、そろそろ結果が発表されても不思議ではない頃合いである。

審査員の中にはHello! Project正規雇用者の人選に直接的に関わっているであろう人物がいた。橋本慎さんである。見た目からして怪しい会社の幹部としか言いようがない胡散臭さを醸し出しているが、実際に怪しい会社の幹部なんだよな。彼の正確な責任範囲が何なのか、私には分からない。つばきファクトリーの『低音火傷』を(同時に収録されるトリプルA面の中で)リード・シングルにすることを橋本慎さん主導で決めたとリリース・パーティでアルビ兄さんが言っていたことがある。つんくさんがプロデューサーを降ろされてからHello! Project全体の最終的な意思決定者としての個人がいない。少なくとも我々には見えない。何人かに分散している模様で、その筆頭がどうやら西口猛さんと橋本慎さんの二人である。モーニング娘。の“A gonna”に、責任者が無いならば 組織である意味がないというリリックがある。私はつんくさんからアップフロントへの遠回しな批判のような気がしてならない。

橋本慎さんがはじめに登壇した際、私の周りでは心なしか拍手がまばらだったような気がする。他の審査員(矢島舞美さん、清水佐紀さん、高橋愛さん、みつばちまきさん、上野まり子さん、まことさん)のときとは空気が違った。私の隣にいた紳士は拍手をせず、ブーイングじゃねえのかよと小さくつぶやいた。彼の言うことはもっともだ。2017年5月5日の実力診断テストで西口猛さんが一岡伶奈さん、川村文乃さん、段原瑠々さん、高瀬くるみさん、清野桃々姫さんの五名を昇格させることをサプライズで発表した。サプライズというか、おそらくその場の感情に任せた思いつきだった。でなければ実現までにこれまでの時間を要するはずがない。川村文乃さんと段原瑠々さんは既存集団(それぞれアンジュルム、Juice=Juice)への中途加入だったので時間はかからなかったが、問題は残りの三人である。一岡伶奈さんがリーダーの新グループ、高瀬くるみさん・清野桃々姫さんの新セクションのメンバーを募集するオーディションの開催が通知されたのが2018年3月30日。この時点で、2017年5月5日からの進展がゼロ。メジャー・デビュー予定日は2019年8月7日と、昇格の発表から実に二年と三ヶ月を要している。その後はともかく、オーディションを開催するまでの約11ヶ月は何だったのか。橋本慎さんは2017年5月5日に昇格者を発表した当事者ではないとはいえ、その後の動きのノロさについては責任を負うべき一人であることは間違いない。ただ今日の進行への支障を考えると我々がブーイングをしなかったのは大人の対応として正しかったと私は思う。

・高橋愛さんが美しすぎた。こんな32歳がいるのかと私は驚嘆した。
・みつばちまきさんは帽子の被り方が深すぎて目が半分隠れていた。

17名の研修生が思い思いの選曲と衣装で、一ヴァースを披露する。その間、我々は立ち上がらず、歓声を上げず、ペンライトも振らず、固唾を飲んで見守る。17名の発表が終わると投票タイムが設けられる。観客は一旦、席を離れ、入場時に配布される投票券を、メンバーごとに用意された箱に入れる。去年に観ていたので流れは理解していた。他のHello! Project現場にはない、独特の雰囲気。ただ楽しむのではなく、決めなくてはいけない。まことさんが冒頭で念を押していたようにコレは人気投票ではない。真剣な審査だ。私は3列という素晴らしい席をいただきながらときおり双眼鏡を駆使した。

1.橋迫鈴さん 『私が言う前に抱きしめなきゃね』(Juice=Juice)
・今日のためにスマホの採点アプリで練習をした。

2.小野田華凜さん 『恋の呪縛』(Berryz工房)
・リズム感がよいと褒める上野まり子さん。
・清水佐紀さんが、この曲が出た当時はビクビクして曲についていけなかったが、小野田さんは若いのに堂々とやれている的なコメント。
・彼女はまだ幼い(11歳!)し加入したばかりなので表情が固い印象を私は持っていたが、今日は表情の柔らかさが好印象だった。

3.米村姫良々さん 『そうだ!We're ALIVE』(モーニング娘。)
・橋本慎さんがこの曲のディレクターを務めていた。
・曲の後の受け答えまで含めて終始はつらつとしていて、楽しげで、躍動感があった。この時点では私の中で米村姫さんが前の二人を大きく引き離して一位になった。観客には入場時に歌唱順、年齢、出身地、歌唱曲が記されたA4の紙が渡されていた。私はその紙の3に丸をつける。
(・17人の発表および投票の終了後、もし自分が投票する立場なら米村姫良々さんにしていたとまことさんが言っていた。)

4.出頭杏奈さん “Help me!!”(モーニング娘。)
・今日に備えて腹筋を鍛えた。
・前の米村さんがよすぎて印象が薄れた。

5.為永幸音さん 『オシャレ!』(松浦亜弥)
・魅せ方、自己プロデュースを心得ている。まずメガネをかけて登場し注目を引き付ける(我々、オーっとなる)。曲のリリックに合わせた表情や動きの変化。腕を組んだり、段に座ったり。私は紙の5に丸をつける。
・趣味はドラム。今日の朝食はおにぎり。

6.窪田七海さん 『恋愛ハンター』(モーニング娘。)
・脚を多く見せる衣装。
・今日のために体力をつけようと腹筋を鍛え、歯磨きをしながらスクワットをし、家のトレッドミルで走った。

7.小野琴己さん “LOVE LIKE CRAZY”(後浦なつみ)
・おへそを出す衣装。
・特技が早口言葉。披露しようとするが失敗。
・可もなく不可もなくという感じで、インパクトが弱かった。
・衣装がよかったという橋本慎さんのコメントがちょっと苦し紛れに聞こえた。

8.佐藤光さん “Magic of Love (J=J 2015 Ver.)”(Juice=Juice)
・高温を出すためにフクロウの鳴き真似をした。上野まり子さん曰くその練習方法は正しい。
・容姿とスタイルはトップ級。
・コメントを振られたまことさんが衣装は北海道で買ったのか、東京で買ったのかというどうでもいい質問をする。インターネットですと佐藤さんが回答して笑いが起きる。

9.石栗奏美さん 『気まぐれプリンセス』(モーニング娘。)
・去年の自分に挑戦状を叩きつけるつもりで頑張りました的なコメント。
・何となく佇まいに岸本ゆめのさんっぽさがある。手足の長さ。表情。誠実そうで一生懸命なのが伝わってくる感じ。

10.山﨑愛生さん 『夢幻クライマックス』(℃-ute)
・間奏で側転をするというリスクの高い挑戦をしていた。二回目で失敗して地面にベタっとなったが(曲の後のインタビューで明かされるまで私は失敗だと分からなかった)、咄嗟の判断で動きを考えて持ち直した。
・めいパワーを信じて頑張りました、とのこと。
・(曲に合わせて黒にしたという衣装について)ブラックパンダさんが、私の出番だわと言った。
・10に丸をつける。山﨑さんが歌って踊るのをもっと観たい。

11.金光留々さん 『キラキラ冬のシャイニーG』(モーニング娘。田中れいな)
・11番だが、最初に番号と名前を言うときに間違えて9番と言っていた。
・コスチュームは自分でデザインして母親が作った。
・安定感あり。安心して観ていられる。
・コロコロ変わる表情がよかった。11に丸をつける。

12.中山夏月姫さん 『好きよ、純情反抗期。』(スマイレージ)
・今日のために毎日早起きして腹筋をして、週三回以上プールで25mを何往復もした。
・去年もおととしも納得がいかないパフォーマンスだったが、今日はうまく出来た。

13.山田苺さん 『GOOD BYE 夏男』(松浦亜弥)
・露出度の高い衣装。本人曰く、身長が伸びたので可愛い衣装は似合わないかなと思って、イケてる女をイメージして選んだ
・目標とする先輩は浜浦彩乃さん

・もう終盤にさしかかってきた。ココまでで紙に丸をつけたのが3(米村さん)、5(為永さん)、10(山﨑さん)、11(金光さん)。この中で選ぶのは難しい。私の投票先は米村さんかな…と考える。

14.工藤由愛さん 『ROCKエロティック』(Berryz工房)
・薔薇の似合う人生とは…という歌い出しで私はいきなり持って行かれた。グイグイと観衆の心をつかみに来るような、パワーのある歌唱。
・インタビューでは、皆さんの脳裏にタコの吸盤が焼き付いた(腰のあたりにタコの脚を模したキーホルダーを付けていた)とか、500%の力を出して頭から湯気が出るくらい頑張りました的なことをおっしゃっていた。
・コレで決まりだ、と私は確信した。手元の紙の14番に二重丸をつける。

15.斉藤円香さん 『アイサレタイノニ…』(モーニング娘。Q期)
・前の工藤さんが強烈すぎて印象に残らなかった。

16.松原ユリヤさん “SEXY SEXY”(Juice=Juice)
・松原さんは去年の実力診断テストで『春恋歌』を選んだ理由をみつばちまきさんに聞かれ、簡単だからと答え会場を爆笑に包んだ。今日は司会のアラケンさんが同じ質問。難しいからです、と松原さん。そこは簡単だからって言ってほしかったとみつばちまきさん。

17.松永里愛さん 『ガタメキラ』(太陽とシスコムーン)
・今日のために携帯アプリで『ガタメキラ』のテンポを落として聴き、音を分析した。
・緊張したが、お客さんはフランシスコ・ザビエルで審査員は織田信長だと思って頑張った。

迷いはない。私は工藤由愛さんに投票した。観客投票の一位は、松永里愛さんだった。工藤さんには審査員からダンス賞が与えられた。みつばちまきさんからダンス賞をいただけて嬉しいですう、と泣きながらコメントする工藤さん。その際、観客投票で二位だったことがみつばちまきさんから明かされた。工藤さんはいたく感激している様子だった。山﨑愛生さんもキャラクター賞なるものを受賞した。私としてはこの二人が何らかの形で報われてホッとした。ただ去年も書いたが、賞の分け方がよく分からない。観客投票の上位三名と、審査員特別賞を一人か二人。その計四人か五人を表彰すればいいのでは? ダンス賞とか歌唱賞とか要素で区切ること自体に無理がある。ダンスだけ、歌唱だけをしている人はいないんだから。松原ユリヤさんに与えられた、癒されましたで賞とかいう訳の分からない賞(去年はなかった)にも私は否定的だ。一人だけを違う土俵で評価してしまっているのに私は首を傾げる。

2,000人超を収容する中野サンプラザで退出時に研修生によるお見送りを行うという狂気。私はそれに参加せず、17時57分に会場を出た。お見送りに参加されない方は今の時間にご退場くださいというアナウンスメントが流れた。そこで結構な人数が出て行った模様。去年はそのアナウンスメントがなくて一時間くらい待たされたんだっけ。

2019年5月13日月曜日

春麗 (2019-05-03)

℃-uteが初めてパシフィコ横浜でコンサートを行ったときを思い出した。あのときも開演直後のメンバーさんたちは涙ぐんでいた。でも今日の広瀬彩海さんほど豪快に泣いているメンバーさんはいなかった。昼公演、一曲目。客席から見ていちばん右にいた広瀬さんが手で顔を覆っていた。見るからに感極まっていた。彼女への関心が比較的薄い私でもつい双眼鏡でしばらく見てしまった。泣くとまともに歌えなくなる。だから曲中に泣くのは決して褒められたことではない。言うまでもなくHello! Projectのメンバーさんは皆さんがそう認識しているはずだ。それでも抑えられない涙。よほどこみ上げてくる感情が強かったのだろう。ホールと呼ばれる会場(座席があって所謂ライブハウスよりも収容人数の多い会場)で自分たちだけの(Hello! Project全体ではなく)コンサートを行う。それはこぶしファクトリーにとっての念願であり、目標であり、一つの到達点だった。

私は彼女らのコンサートに行ったことがない。だからこういうときに限ってチケットを取るのは気が引けた。冷やかしのような感じがして。私がファンクラブの先行受付に応募することで、こぶしファクトリーの現場に通ってきたヘッズが落選するようなことがあったら元も子もない。こういう公演は、多少なりともこれまでのこぶしファクトリーを支えてきたファンが優先されるべきだ。リリース・パーティにもコンサートにも特典会にも行ったことがない私のようなアマチュアに大きな顔は出来ない。ここに至るまでの活動をほとんど支えず(演劇女子部は観に行ったが)、果実だけを味わいに来ているという自覚があった。だから私は躊躇した。はじめは申し込まないつもりだった。締め切り間際になって申し込んだ。なぜか? こんなことを言うとこぶしファクトリーのハーコーな支持者から拳が飛んできそうだが、私はつばきファクトリーが通る道の下見をしたかった。いずれつばきファクトリーもホール会場でコンサートを行うはず。その日が来たときに、今日のこぶしファクトリーと重ね合わせながら観たいのだ。

昼公演と夜公演の両方に申し込んで、昼だけが当選した。席が2階の7列。ファンクラブ先行で中野サンプラザの2階が来ることは滅多にない。それだけ応募者が多かったのだろう。前方の席が与えられても却って恐縮してしまう。末席でちょうどいい。とはいえ、もうちょっと前で観られたらなあという願望も少しはあった。そんな折り、同日にBEYOOOOONDSのリリース・パーティに行くことを決めた名古屋のダチがチケットを余らせていたので、買い取らせてもらった。1階の11列だった。エグゼクティブ先々行。

正直に言うと、昼公演を観た段階ではそこまで強い印象を受けなかった。全体的に曲が弱い。コレはあくまで私の主観だ。具体的にどこがどうと説明するのが難しいのだが、曲そのものにクラウドを引き込む力(問答無用で乗ってしまう感じ)が欠けている。それを演者さんたちの技でカヴァーしている。こぶしファクトリーはワックな曲でも盛り上げてしまう素晴らしい技量を持っている。疑問符が浮かぶ曲でもステージ・パフォーマンスで観衆を納得させてアリにしてしまう。戦略・戦術レベルのお粗末さを現場の頑張りで取り返すという、日本の組織にありがちな構造を体現している。もちろん、いい曲(繰り返すが、コレは私の主観や好みでしかない)も複数ある。だが『サンバ! こぶしジャネイロ』や『桜ナイトフィーバー』はあからさまなワック・グルーヴだ。集団からメンバーが立て続けに抜けてから何曲か出していた自己啓発的な(製作陣がこぶしファクトリーの残存構成員を鼓舞するかのような)精神論の曲。それらを聴いて私は白けていた。つんくさんがいればもっとマシだったとは言わないが(彼は彼でワックな曲もそれなりに書いているんで)、同氏がHello! Projectのプロデューサーを降ろされて以降のサウンド・プロデュースの悪い部分がこぶしファクトリーの楽曲には多く詰まっているような気がする。製作陣が張り切って突っ走った結果、滑っているというか。いや、まあ『辛夷ノ壱』は悪くないアルバムだとは思うけど。

上述の『サンバ! こぶしジャネイロ』と『桜ナイトフィーバー』をアカペラのセグメントに入れたのは良い判断だったと思う。こぶしファクトリーが魅せるアカペラ技巧に圧倒されることで、曲のワックさをほとんど意識せずに済んだからだ。『オラはにんきもの』がセットリストになかったのにもホッとした。

こぶしファクトリーには大きな試練があった。藤井梨央さんが2017年7月6日、小川麗奈さんが同年9月6日、田口夏実さんが同年12月6日をもって、立て続けに集団を脱退した。残された五人のメンバーさんはそれを乗り越えて、中野サンプラザ(とNHK大阪ホール)で単独公演の開催までこぎつけた。地道な努力でアカペラという新たな武器を手に入れ(彼女たちがYouTubeにドロップした『チョット愚直に猪突猛進』、『念には念(念入りVer.)』『GO TO THE TOP!!』のアカペラ動画は必見である)、本ツアーのために四ヶ月に渡って練習したという太鼓芸も習得した。夜公演でメンバーさんの誰かが触れていたが、太鼓の練習では手の皮がむけてマメが出来たという。集団の危機をメンバーたちの努力で乗り越える。美談のようだが、本当の試練はメンバー脱退ではなかったと私は思う。与えられる曲のワックネスと、ホール会場という舞台を用意するまでに時間がかかりすぎた事務所の怠慢。それらが本当の試練だったのではないか。

こぶしファクトリーがメジャー・デビューしたのは2015年9月2日。単独でホール会場のツアーを行うまでに実に四年近くかかっている。長すぎた。これまでの活動が一つでも欠けていればホール会場には辿り着けなかったと思いたくなるかもしれない。でも、それは違う。極点な話、グループを結成させた直後でも会場を抑えてチケットを売ればホール会場でのコンサートは出来たのである。もしかすると客席も埋まっていたかもしれない。資格を取らないとステージに立つのが許されないわけでもないし、メジャー・レーベルでの活動歴が何年以上という条件もないはずだ。乱暴な言い方をすれば、アップフロントがその気にさえなっていればホール会場での単独公演自体はもっと早期に実現できたはずなのだ。

私はこう考えてしまう。もし橋本慎さんらのサウンド・プロデュース体制がマシだったら、もし前述の三人が抜ける前にホール会場のツアーが出来ていれば、こぶしファクトリーは今どうなっていたのだろう。もしかすると、現時点で誰も脱退していないというシナリオもあり得たのではないか。いや、分からない。いずれにせよどこかのタイミングで人員が減っていた可能性も十分にあるだろう。田口さん、小川さん、藤井さんに残ってほしかったと私は言いたいわけではない。その三人にそこまでの思い入れはない。

物事は段階を踏んでいった方が、地に足が着く。目標に到達する難しさが分かった方が、達成したときの嬉しさが増す。地道な日常のありがたみも分かる。でも、アイドルさんはいつまでもアイドルさんでいられるわけではない。Hello! Project研修生の精鋭を集めて2015年に結成されたこぶしファクトリーが2019年に到達すべきだったゴールはパシフィコ横浜や日本武道館だったのではないか? ホール会場でのコンサートを成し遂げたこぶしファクトリーを祝福したい一方で、アップフロントのやり方次第ではこの集団はもっと先に進んでいてもおかしくなかったのではないかという思いを私は捨てきれなかった。

昼公演が終了した時点では、私にはモヤモヤが残った。しかし夜公演が終わったときには異なる感想を抱いた。単純に、コンサートが楽しかったなと。こぶしファクトリー凄いなと。そういう思いの方が強くなった。先ほど述べたように私はこぶしファクトリーは基本的には楽曲にそれほど恵まれてはこなかったと考えている。ただ、最新シングルの『Oh No 懊悩ハルウララ』は好きだし、『消せやしないキモチ』も間違いない。『Oh No 懊悩』ではメンバーさんの要望により我々は懊悩(Oh No?)ジャンピンと呼ばれるムーヴをした。曲中、特定のタイミングで左を向いて右手をすばやく振り下ろすように動かしながら飛ぶ。それを一斉にやる。いつそれをやるかは広瀬さんが曲中にカウントダウンしてくれる。昼公演のときは、周りが誰もやっていなかったし、何かちょっと難しくて間違えたら恥ずかしいし、サボった。夜公演はもっと自分からコンサートに参加することが出来た。昼公演を経験して何となく流れを把握していたから、どこでどういう声を出せばいいのか、どう身体を動かせばいいのか、といった点に関して戸惑いがなくなっていた。やってみたら楽しかった。我々の動きが統一されているのが当事者なりに分かったし、それを見てメンバーさんが喜んでいるのも分かった。

昼と夜どっちか忘れたけど、浜浦彩乃さんがステージから客席を見て、コレが私が見たかった景色だと感激していた。こぶしファクトリーのためにこんなにたくさんの人が来てくれるとは思わなかった、ともこぼしていた。2-3年前に立っていたとしたら、彼女はここまでの喜びを味わえなかったかもしれない。その意味では、メジャー・デビューから四年近くかけてここまで来たことに意味はあったのだろう。でも、これで終わりにしてほしくない。こぶしファクトリーのメンバーさんにとって、活動を続けてきてよかった、青春を捧げて取り組んできてよかったと心から思える瞬間が、これからも何度も何度も訪れてほしい。

2019年5月9日木曜日

爛漫 (2019-04-29)

おしっこが我慢できず中途覚醒。午前3時にウェルビー名駅の通路を徘徊して化粧室に向かう中年男性(まだ中年ではない。韻を踏みたかっただけだ)。ウィルキンソン・ハードナイン無糖DRY 500ml。ホッピーセット(黒)1杯、梅干しハイボール2杯。以上が昨日に飲んだお酒の一覧である。無茶な飲み方ではない。ただ自分の平均的な飲酒量からすると3週間分くらいに相当していた。誰かと一緒にお酒を飲むということ自体が稀だし、一人で飲むときは一杯だけだ。二度寝。8時過ぎに正式な起床。一時間くらいかけて入浴。ミスト・サウナに設置された葉っぱの匂いを吸い込んで癒される。脳によさそうである。お腹が空いていないから朝食は抜く。JRで岐阜駅へ。11時過ぎに到着。駅前を歩いてランチの店をサーチ。開店前から行列が出来ているPIZZERIAが気になるが、グルテン、糖質といった言葉が頭に浮かび、避ける。心暖(こはる)という店に決めた。カウンター中心の居酒屋。岐阜県産豚テキ定食900円を注文。奥の厨房で炎を出しながら豚肉を焼く店主らしき紳士。運ばれてきた豚テキはもう見るからにおいしそう。思わず感嘆の声が出そうになる。期待に違わぬ味。定食に+150円で付けたアイス・コーヒーにミルク(という名の植物油脂)とちょっとだけシロップを入れる。めっちゃおいしかったですと店主に伝える。夜も間違いなさそうな店だ。収穫。事前情報がない状態でリアルな飲食店を次々に見つける私の嗅覚。

12時17分、岐阜Club-G。グッズ列に並ぶ。ざっと50人いないくらい。にしてはだいぶ待たされた。iPhoneでDAZNを開いて昨日のマリノス対アントラーズの前半を観る。イトーヨーカドーで購めたようなスポーティな衣服を身に纏い会場近辺を四、五人で練り歩く中高年の紳士たちを眺める。ゴミ袋一つ分500円で事前に預けられるクロークがある。売り場に到達。販売者が一人しかいてへん。こりゃ時間かかるわ。13時8分、岸本ゆめのさん、山岸理子さん(以上は夜公演のみダチの代購)、小野瑞歩さん、谷本安美さんの日替わり写真をゲトる。開場が14時なのでサテンに入ってもゆっくりは出来ない。その辺でぶらぶらして時間を潰す。味のある商店街。興味深そうな飲食店がいくつかあった。天丼とかラーメンとか寿司とか。糖質だらけだが。インド料理店の表に出しているメニューにミックス・ピザがある。間違いなくフェイクだ。近寄らない方がいい。余談だが私はナンがやたらと大きかったりお替わり自由だったりする店も警戒している。定食でコメがやたら多いのと同じ。メイン・ディッシュで満足させられないから炭水化物のカサを増してごまかしているんだろうという見方をしてしまう。

昼公演 1400開場 1430開演 280番

右側の段差(二つあるうちの一つ目)の上、二列目。前の紳士がペンライトを片手で三つ持ち(いわゆるバルログ)何かと高く掲げるタイプの人物だった。位置取りをしくじったと思ったが、中央付近の一つ前(段差になる前のいちばん後ろ)には勾配を相殺する長身の老紳士(しかもたぶんそのジジイは結構飛ぶ)がいたし、他にも活きのいい中高年男性が散見された。だから、もっと左に行けばよかったとか右に行けばよかったとか、そういうのはなかった。この整理番号なりに行ける最良の場所だったと思う。ただ、始まってから少しの間はステージと私の間にそびえたつ活きのいい中高年男性たちの挙動に心を乱された。そんなの関係ねえとは思えなかった。お酒を飲んでいれば細かいことは気にならなくなる(分からなくなる)が、今日はまだ一滴も口にしていない。昨日があまりにも楽しかった。今日はそういうわけにはいかなさそうだな、と思いながら私はコンサートのはじめの数分を観ていた。

しかし徐々にイラつきが消えていった。不思議なくらいに。ウィンドウズのごみ箱を右クリックしてごみ箱を空にするを選んだかのように、不要な感情がなくなっていった。つばきファクトリーさんに魅了され、些細なことはどうでもよくなった。コンサートが始まった瞬間の私はおそらく真顔だったと思うが、しばらくすると笑顔になっているのが自分で分かった。アルコールなしでココまで無心に楽しめたのは久し振りだ。それを端的に示すのが、アンコール前の最後から二曲目、『ハッピークラッカー』に私が全力で乗ってしまったという事実である。(職安のような芸名の紳士が書いたチープなリリックを聴くと苦々しい気持ちになる。ワックさへの抗議を込めてこれまでの公演では声を出さないようにしていた。)気が付いたらオイオイ声を出していた。しまったと思ったが、勢いに任せて最後までチャントを入れ続けた。初めてまともに乗ってしまった。ついそうなってしまうくらい私は仕上がっていた。コンサートのパターンとしては(たぶん)昨日の名古屋の夜公演と一緒だった。でも大事なのはどの曲をやったとかじゃなく、アルコールのドーピングなしで、コンサートに夢中になるという感覚を味わえたことだ。

最後のコメントで谷本安美さんが、皆さんの顔がたくさん見えた。笑顔の人がたくさんいて可愛いなって思いました、という旨のことをおっしゃっていた。見るからにまともではない中高年異常男性たちが笑顔になっているのを見て、なかなか可愛いという単語は出てこない。それを皮肉や嘘っぽさを感じさせずにさらっと言える谷本さんは、本物のアイドルさんである。いつぞやの℃-uteさんのDVDマガジンを思い出した。コンサートが終わってから℃-ute最高だのバンザーイだの中年男性たちが声を揃えている様子をモニターで見ながら、可愛いって盛り上がっている場面があった。我々を見て可愛いって、普通はあり得ない(私はお絵描き会の最中に山岸理子さんから、チェキ撮影時に小野瑞歩さんから、着ている服について可愛いと言われたことはあるが)。我々はアイドルさんとは対極の存在なのであって、可愛いという単語からはこの世で最も遠い部類に属する。終演後、近くの紳士から鉛筆のような臭いがした。

終演後、昨日に引き続きダチ、岐阜が地元のSさんと合流。ドンキで酒とつまみを調達して、近くの公園で飲む。本当は夜公演の後に岐阜で飲むはずだったのだが、Kさんと夜に名古屋で会えることになったので、急遽、予定を変更した。Sさんとは夜公演の間に飲むことにした。普通なら先約を優先すべきところだが、Kさんは労働に忙殺(文字通り殺されかけていると言っても過言ではない)されているため会える機会がほとんどない。メタル・スライム以下の遭遇率。この機会を逃したら次にいつ会えるか分からない。

三人ともアルコール9%の酒を公演のテーブルに開けて談笑していると、オジサンがニヤニヤしながら近寄ってくるのが横目に入った。イチャモンでもつけてくるのかと身構えたが、中京テレビの取材だった。首から掛けている名札によると三辺さんという方だった。二人の若者を引き連れていた。その片方がノートブックとペンを持っていた。カメラはなかったので私はホッとした。インターネットのフリー素材にはなりたくない。岐阜と名古屋のローカル・ネタを探しているんだという三辺さん。クセのある店員がいるとか、めちゃくちゃ安いとか、際立った特徴のあるお店を探している。岐阜が地元なのはSさんだけだ。ダチの地元は広義では名古屋かもしれないが少し離れている。私に至っては埼玉だ。頼れるのはSさんだが、彼がストリップ劇場を挙げたところ三辺さんはそれは取り上げられないとやんわり述べた。あとは、ホームラン酒場。ああ駅前の。おいしいですか? いや、まあ普通…。安いですか? いや、高くもなく、安くもなく…。岐阜の支配層(支配層という用語の出典は某Twitterアカウントだが、ココでは転じてそのアカウントの人物のように無職で気ままに生活をしている人を指す)と称されるSさんがどうも地元に疎い。三辺さんチームからは諦めの空気が漂った。ダチが口を開く。我々に聞いてもいい情報は得られませんよ。あそこにいるスケボーに乗った青年たちに聞いてみてください。怖くて聞けないですよ~と三辺さんは難色を示した。その後、本当にスケボー軍団には聞かず、彼らは公園を去った。

Sさんとはコレでお別れのはずだったが、名古屋までついてきてくれることになった。私とダチがつばきファクトリーのコンサートを観ている間は、ポルノ映画館に行くことを検討されていた。

夜公演 1730開場 1800開演 188番

開場時間から少し遅れて岐阜Club-Gにたどり着いた。既に200番まで呼ばれていた。昼公演は10分間で210番まで呼ばれていた。同じくらいのペースだったと思う。小走り。係員に近づく。何番ですか? 188番です。入りましょう。

12人ぶん損をしたが、悪くない位置を取ることが出来た。右スピーカー前の7列目。右端は最前まで空いているが、スピーカーでステージが見えない。あえてそこに行って動きまくるという作戦を取る人たちが集まってきた。そのうちの一人が、スペースは作るものなんです、というフットボールのようなことを言っていた。

小野田紗栞さんが昨日と変わらずまったくぶれない。昼公演だったか夜公演だったか忘れたが(昼のような気がする)私は岐阜生まれなので、今日のコンサートも凱旋公演なんです的なことをおっしゃっていた。(昨日も名古屋で似たようなことを言っていた。)彼氏との江ノ島デートが発覚した直後なのにガンガン自分を押し出して目立とうとする精神。強心臓。しおらしさがまったくない。ふてぶてしさに惚れた。カッコよすぎる。皮肉ではない。

私は『三回目のデート神話』がそこまで好きではないのだが、コンサートの熱を高めるには欠かせない曲の一つだと理解した。これだけ連続してメンバーさんのチャントを入れる曲をこの集団は他に所持していない。いい曲かどうかと現場でぶち上がるかどうかは別問題だ。ライムスターの宇多丸さんも大絶賛する名曲『春恋歌』には我々が声を出すところはない。(いい曲でかつぶち上がる曲も中にはある。たとえば『今夜だけ浮かれたかった』)。『三回目のデート神話』はメンバーさんの歌に被せて名前を叫び続ける怒涛のチャント・タイムがある。被せるチャントには賛否あるが(歌を邪魔するので)、少なくとも山岸理子さんの反応を見るかぎりメンバーさんには好意的に受け止められているようだ。おーがた! おーがた! という皆さんの声が物凄かった、と圧倒されている様子だった。

このツアーは最後の曲が『帰ろう レッツゴー!』なのだが、アンコール前の締めである『今夜だけ浮かれたかった』の、最後のリリックもさようならである。なかなか粋ではないか。

5月1日から元号が変わる。この夜公演が、つばきファクトリーのコンサートとしては平成で最後の公演だった。小野瑞歩さんがそれに触れて、平成最後のコンサートにつばきファクトリーを選んだ皆さんは、令和もきっとうまくいきますという旨のことをおっしゃった。私はもう中年が間近になり感性が老化しているので元号が変わることに対して感慨も何もないのだが、今日ココに来たのは間違いのない選択だったと思う。二日連続で四公演、それも二回は比較的ステージの近くでつばきファクトリーのコンサートを観ることが出来て、私は幸せだった。この二日間でつばきファクトリーのことがますます好きになった。見たくないメンバーさんがいない。今日の夜公演ではいつも以上に新沼希空さんが目についた。いつもより表情が豊かで柔らかかった印象。これからもっと彼女たちの技量は上達し、ますます洗練と成熟を重ねていくだろうけど、旬という意味ではまさに今なのではないか。早期にいわゆるホール会場でのコンサート・ツアーを組んでほしい。年功序列のHello! Projectだが先発グループのこぶしファクトリーさんがこのゴールデン・ウィークで中野と大阪のホール・コンサートを実現することが決まっている。早いところつばきにも機会を与えろ。今年中だ。ライブハウス(和製英語)にはライブハウス(和製英語)のよさがあるが、メンバーさんたちがココでやれてよかった、ライブハウス(和製英語)を回ってきたのが報われたと思える会場でコンサートを!

昨日、今日と四回の全員握手を体験した。私は全部、無言で通した。あれだけ麗しいナオンたちと手を触れて対面させてもらえるだけで胸がいっぱいになる。言いたいことがあったとしてもあの速度で双方向のやり取りをする技術がない。何も言わないで笑顔のまま通り過ぎる気色の悪いオジサン。しっかりと目を見てありがとうございますと言ってくださるつばきファクトリーさん。本当に凄い。秋山眞緒さんの握手に変化を感じた。これまでは握ってから次に流すように手を投げてきていたのだが、昨日、今日はそれをしていなかった。

ポルノ映画館に入っていたSさん。はじめは客が数人いたが途中から一人になったのでその場でシコッたという(ストーリーは不倫モノ)。終演後、ダチ、Sさんと岐阜駅から名古屋駅へ移動。名鉄はJRに比べて本数が少ない。JRを使った方がいい。無視できない雨の降り方。ファミリー・マートで傘を買う。尾毛多セコ代 柳橋市場店の前でKさんと待ち合わせる。先に入ろうとすると、今日は23時に店を閉めるから(普段は24時間営業)もう入店を締め切っていると店員さんに断られた。今は21時17分。まだ2時間近くある。腑に落ちないので再確認するが、今から料理を準備しても時間がかかるからとつれない。味仙が近くにあったが、そちらも閉まっていた。その近くに尾毛多セコ代がもう一店舗あった。国際センター駅前店。オタクでも入れてもらえるんですかね、とKさんが不安がるが、入れてもらえた。角ハイボール、大人のレモンハイ、ウーロンハイx2、ホッピーセット、味噌とんちゃんx2、枝豆、牛ハラミ、牛タン、(メガ)コークハイボール、パンチレモンハイ、牛ツラミ、肉味噌やっこ、ポテフラバター醤油、バカルディモヒート、席料x4。10,419円。味噌とんちゃんが絶品と再認識。マッチング・アプリで熟女と会っているというKさん。そういう人は陰毛も白いんですかとダチが質問すると、会計を済ませて出ていく若い女が振り返った。


併せて読みたい:つばきファクトリー ライブツアー2019春・爛漫 岐阜 club-G

2019年5月7日火曜日

爛漫 (2019-04-28)

ゴールデン・ウィークにウェルビー名駅に四連泊する独身異常男性。昨日の15時頃、ささしまライブのバス停に到着。大きな荷物をウェルビーのロッカーにねじ込んで、すぐに外出。コメダ珈琲店 名鉄イン名古屋桜通店。ウインナー・コーヒー490円。17時過ぎまでブログを書く。ストリートを散策がてら夕飯の店を探す。一時間くらい歩き回る。迷う。入ったのは尾毛多セコ代 柳橋市場店。最高の店だった。ホッピー・セット(黒)2杯、味噌とんちゃん、枝豆、男前セット(お得な肉の盛り合わせ)、取り放題のお通し。3,378円。大満足。ウェルビーに戻る。寝る間際になって大事な物を忘れていたことに気付く。耳栓。カプセル・ホテルにはものごっつい音量でイビキをかき続ける紳士が必ずいる。それが唯一と言っていい、カプセル・ホテルの難点だ(インターネット・カフェには泊ったことがないが、たぶん同じだろう。)。いびきをかくのは当人の睡眠の質を下げ、日中の眠気の原因になるらしい(参照:梶本修身、『すべての疲労は脳が原因』)が、聴衆の安眠も妨げる。然るべきクリニックに行って治療してくれ。耳栓ありますかと受付で聞いてみたら、タダでくれた。それを装着したおかげで、いびきのフィルハーモニーから遮断された睡眠を得ることが出来た。

8時45分頃にNICK STOCK。ホット・コーヒーとNICK BURGER 523円。よくないのは分かっている。パンは血糖値を急上昇させ、インスリンを多量に分泌させる。パンをはじめとする小麦製品に含まれるグルテンに限らず、何かを摂取することによる身体の反応には大きな個人差がある。Terence Kelseyの“Breakfast is a Dangerous Meal”によると、朝にパンを食べることによる血糖値への影響には9倍の個人差があるという。私は検査を受けていないので自分がグルテンにどれだけ敏感かは分からないのだが、グルテンを含む糖質全般を控えめにした方が頭と身体の調子がいいことは実感している。とは言え、たまには食べたくなる。週末とか休日には少し制限を緩めたくなる。

昼飯。うら山という鮨屋がリアルだという情報を目にしたので開店時間の11時半に入ってみたが、予約で満員だった。(だったらそう書いとけ。入口に。)一見さんは入りづらい敷居の高さを感じた。しばらく付近を歩き回る。焼肉 愛彩という店が目についたので、そこで昼食。ランチ・メニューは750円からあるけど、せっかく来たんでね。いいのを頼んだ。厚切お肉の重箱。1,980。High quality。塩でいただく。分厚くて脂の乗った肉だった。これはコメなしでも満足できたなと思いながら、コメを残さず食べた。

今池駅3番出口の階段を上り切る前から見えてくる、見覚えのある紳士たち。探すまでもなく、すぐそこに名古屋ボトムラインがあった。先に着いてグッズ列に並んでいるダチが代購を申し出てくれたので、小野瑞歩さんと山岸理子さんの日替わりをお願いした。10メートルほど離れた壁際で待つ。談笑する係員の青年たち。STAFF SF OPERATIONと印字された紺の上着。

事前に少し検索して得た情報ではコイン・ロッカーはあてに出来なさそうだったが、実際にはボトムライン入口のすぐ左にコイン・ロッカーが設置されていて、それらを使えた。大半が空いていた。大きさによって100円か200円という安さ。助かる。

コンビニで仕入れた酒をちびちびやりつつ、ストリートでダチと歓談する。私はウィルキンソン・ハードナイン無糖DRY 500mlというのを初めて買ってみた。アルコール9%の飲料にしてはクセがなく、なかなかよい。周囲には同じ考えのオタクさんがたくさんいる。なぜオタクさんは一目でそれと分かる雰囲気や服装をしているのか。私の推論では以下の通りである:
・結婚していれば配偶者や子供がそれはダサいとか変だとか指摘してくれる。それらの助言に従うことで、オシャレにはならなくとも、明らかに客観的におかしな服装は軌道修正されていく。独身異常男性のオタクさんには服のやばさを指摘してくれる近しい人がいない。だからいくつになっても中高生の感性から先に行けない。
・お金があるから(家族を養っていないので)、人によっては服にお金をかけている。アイドルさんに認知をもらうために変な凝り方をする。奇抜なデザインや、メンバー・カラーで全身を固める等。
・普通は中高年の男性同士で連れ添って歩かない。もちろん同窓会とか何かの催し事ではそういうこともあるだろう。しかし、オタクさんのように毎週末のように中高年紳士同士でつるむということはあり得ない。一定以上の年齢でまともな男性にそんな暇はない。週末は家族をイオン・モール等の商業施設に連れて行くのである。

13時から横浜F・マリノスと鹿島アントラーズが試合をやっている。iPhoneでDAZNを開く。前半30何分か。0-1でマリノスが負けている。前半終了まで手元で観る。開演前もボトムラインのフロアで中継を観た。開演の本当に直前、仲川輝人さんのゴールでマリノスが追いついた。左手を握り締める。いい気分でコンサートに入れる。

昼公演 1400開場 1500開演 393番

私の整理番号は393番で、ダチの番号はもう何十番か前だったが、ここまで番号が後ろだと変わらないという判断で、一緒に入ることにした。初めて入った名古屋ボトムライン。第一印象は悪くない。段差があって、観やすそうだ。ただし、二本の大きな柱がある。我々は、右側の段差の上の二列目に立った。前の人の背が低く、視界がよかった。ストレスなくコンサートを楽しむことが出来た。段差になる前の一番後ろは数人が入れる空間が出来ていた。大体どこでも見る小野瑞歩さん支持のおまいつさんが夢中で踊っていた。こういう楽しみ方が出来る人には好感が持てる。

アルコールを入れると楽しさが増すが、難しいのが尿意のコントロール。ダチは、公演の時間から逆算して飲む量とタイミングを調整しているようだった。フットボール選手のようだ(試合の二時間前に炭水化物を摂って…的な)。どういう飲み方をするのが自分の身体に最適なのか、私には分からない。開演の少し前に尿道からメロー・イエローを放出しても、公演中にまた奴らは襲ってくる。昼公演では序盤から苦しめられた。まだコンサートを楽しめる程度ではあったけど。握手前に放出し(フロア内の右端にトイレがあった)、事なきを得た。大事に至らず乗り切れたことに安堵。アルコールとの付き合い方について何か本を読むか。

小野瑞歩さんと谷本安美さんのお二人がトークのセグメントを担当した。4月22日(月)に発売された週刊ヤング・マガジンについて。このお二人と小片リサさん、浅倉樹々さんの計四人が表紙と巻頭数ページに登場している。どうでしたか? と我々に問いかける小野さん。歓声を返す我々。イエーじゃなくて言葉で教えてください、と具体的に感想を知りたがる小野さん。いや、さすがにこれ以上は言えないよ。当人に。公共の場で。察してくれ。ストリートのリアルな声が聞きたければTwitterでエゴ・サをしてくれ(してるだろうな)。文章にしても動画にしても写真にしても、漫然とした表現は退屈だ。件のグラビア(和製英語だが、置き換えられる適切な言葉が分からないため、このまま使う)はどれも撮影者の意図が感じられて、素晴らしかった。作っている側が何を映したいのか、何を見せたいのか、それが伝わってくる。たとえば、小野さんがピンクのビキニで両手を頭の後ろで組んでいる写真はを全開にさせることが狙いの一つだし、谷本さんが小野さんの、小片さんが浅倉さんのそれぞれ背中を押して前屈させている写真はあからさまにを強調しに来ている。コレが青年雑誌グラビアとアップフロントが出す写真集との差だ。後者はキレイに撮ろうとするばかりで下心が不足している。露出度だけの問題ではない。ヤング・マガジン撮影の裏話としては、男性スタッフがポーズを実演して指定するのが面白かった(小野さん)。谷本さんは中学生の頃、ホット・ヨガをやっていたことがあった。だからヨガのポーズをうまく出来るかと思ったけど、もう忘れていたようだった(四人の中で一番よろけていたと小野さんに突っ込まれる)。最後に、もっとグラビアに出られるように頑張るという旨のことを小野さんは言っていた。私は興奮した。

小野田紗栞さんが一人旅と称して彼氏(とおぼしき人物)と江ノ島でデートをしたことがバレて、4月17日(水)にご本人がブログで釈明し謝罪した。その一件があってから初めての、つばきファクトリーのコンサートだった。多少、空気がピリつくのではないかと私は思っていた。抗議の意味でチャントをやめる人や、ピンクのペンライトを振るのをやめる人が一定数いても不思議じゃないと私は想像していた。昨年、横浜F・マリノスに2-8で負けた試合中に呆れて応援を放棄したベガルタ仙台サポーターのように。意外とそんなことはなかった。小野田さんの発言ひとつひとつにみんなが温かく歓声を送っていた。ピンクのペンライトもたくさん見えた。この場で確認する限りでは小野田さんのファンが減っている様子はなかった。心ない野次を飛ばす人もいなかった。私に関して言えば、アイドルさんに恋人がいるとかいないとか、そんなことは気にならない。私はもう36歳なんでね…。この歳で十代の美少女が男を作ることに本気で腹を立てたり傷ついたりする気にはなれない。仮に男がいたとしても、上述のグラビアのような形で性の悦びを(彼氏が独占するのではなく)我々に還元してくれればいいのである。

・コンサートの中盤だったか、皆さん盛り上がる準備できてますか? という定番の煽りで、小片リサさんが次の曲は盛り上がる曲ではないんですが…とわざわざ断ってから『I Need You~夜空の観覧車~』に移ったのが面白かった。
・カヴァー曲は『Your Song~青春宣誓~』(松浦亜弥)、『泣き虫少年』(Buono!)、『世界で一番大切な人』(Berryz工房)、『超WONDERFUL!』(℃-ute)、他にもあったかも。
・小片リサさん曰く、四年前の4月29日につばきファクトリーは結成した。明日で五周年。今日が四年目最後のコンサート。
・皆さんの声が大きい、と我々のチャントを称揚するつばきファクトリーさん。

終演後、全員握手の前にマリノス対アントラーズの結果を確認する。横浜F・マリノスが逆転勝ちしていたマルコス・ジュニオールさんのゴール。後でじっくり観よう。

終演後全員握手。私が着用していた小野(瑞)と印字されたTシャツを見て小野瑞歩さんが、何かそれ珍しくないですか~? と声をかけてくださった。返事をする時間的余裕はなく、私はそのまま流れた(というか、小野さんの問いかけの最中から流れつつあった)。コンサート後の全員握手はこれくらいのスピードで十分だ。ちゃんと話したければ個別握手会に行けばいいんだ。

夜 1730開場 1800開演 119番

ダチは夜も番号が冴えないが、私のは幾分かマシだったので別々に入った。6列目の右側。昼の視界も悪くはなかったけど、こっちの方が断然よい。何せ柱がないし、ステージとの距離もさっきの半分くらいだし。高精細のワキ。メンバーさんが腕を上げる振りのときはお顔よりもそちらを見てしまう。昼公演では、つばきファクトリーさんの9人がステージに一列に並んだとき、左の三人が見えなかった。最前中央でエメラルド・グリーンのTシャツを着たふくよかな紳士がいわゆる推しジャンを繰り返してうざかったが、彼を除けばほとんど気にならなかった。今の私は、ライブハウス(和製英語)で跳びまくる一部の奴らに、コレといった感情を持っていない。まあそういう奴もいるよねっていう。目の前にいると邪魔だから、近づかないように気を付ける。別に死ねとかそういう感情はない。ただ一つ思うのは、特定メンバーさんが歌っている最中のべつ幕なしに連続跳躍をする人々は、自分が好きなメンバーさんの見せ場を多くの人が目にする機会を奪っている。見せ場の度に後ろの視界を塞ぐんだから。

昼ほどではないが多少の尿意を我慢しつつ公演を楽しむ。

トーク・セグメントは、小片リサさんと新沼希空さんが担当。4月23日に生中継で出演したNHK『うたコン』の話。『ハッピーサマーウェディング』のパフォーマンスが客席の最前からだったので、待機中に誰か(大御所)のステージを間近で観ることが出来た。新沼希空さんは、待っている間の座り方に気を付けた。普段は脚を開いちゃうけど、アイドルだから脚を揃えて、斜めにした。『うたコン』に出なかったメンバーは、『つばきファクトリー 岸本ゆめのバースデーイベント2019 in 名古屋』に出演していた。次は9人で出たい。

小野瑞歩さん曰く、ゴールデン・ウィークだという実感がない。10日全部休みだよって方、と我々に問いかける。すると結構な割合(7割くらい?)が挙手。私も手を挙げる。目を丸くするメンバーたち。私たちはそんなに休みがないので実感がない。

『私のすごい方法』をやってくれたのは嬉しかった。田村芽実さんがHello! Projectメンバーとして行った最後のバースデー・イベントを思い出した。その時点では、田村さんが集団を抜けることはまだ発表されていなかった。セットリストは別れを連想させる曲を中心に構成されていて、我々への隠れたメッセージとなっていた。
一曲目に選んだ『私のすごい方法』について「知ってる人?」という田村さんの問いかけに会場の大半が手を挙げる。「わあ、たくさん!」と喜ぶ田村さん。「最近は若い子がたくさん出てきている。アンジュルムには上國料萌衣ちゃんが入ってきた、そんな中、私は培ってきた経験を生かして私だけのすごい方法でやっていく」と決意を表した田村さんに対して、17歳にして随分としっかりしてるね…と感心する静さん。「アイドル寿命は短いんですよ! アイドルはどんどん若くなっている。今が大事なんです」と田村さん。
この曲は、田村芽実さんがHello! Projectの一員からミュージカル女優へと転身を遂げる決意を表現した曲でもあった。したがって私にとっては単に松浦亜弥さんのクラシックという以上の思い入れがある。

昼公演もそうだったが、私は小野瑞歩さんを中心に見た。この点に関しては、私は今のところぶれる気配がない。この子を追いかけたいという絶対的な対象。そういう存在がいるかいないかでコンサートへの入れ込み方が違う。どの曲かは忘れたけど、自分の歌割ではない箇所で何度か顔をしかめて咳をしていた。そのあとは大丈夫そうだった。近距離で拝見する『表面張力~Surface Tension~』のキックに私は生唾を飲み込む。

小野さん以外だとこの二人が印象に残った:
・小野田紗栞さん:私は感銘を受けた。今の逆境をもろともせず、いつもと変わらぬアイドルを演じ切る。もはやサイコパスの領域では。震える。尊敬すべき精神的な強さ。ブログでの形式的な反省文以外では絶対に謝らないし言及もしないという確固たる決意。このツアーで、ハッピー・スマイルを全国に届けられてるんじゃないかなって思います、的なぶりぶりのコメント。彼女が集団を抜けずに残るのは、つばきファクトリーにとっては一つの分岐点だと思う。今日の彼女を観て、最後までやり切ってほしいと私は思った。
・谷本安美さん:つばきファクトリーさんは皆さん笑顔が素敵なんだけど、特に楽しそうだった。こちらも釣られて楽しくなる。浅倉樹々さんと双璧を成す美人さんなんだけど、モデル風にお高く止まらず、アイドルの愛嬌を残している。容姿とキャラクターの絶妙なバランス。

・新沼希空さん曰く、日替わり写真に私を見てと書いた(愛知県が地元なので)。私を見ている人がいつもより多かった気がするから緊張した。
・小片リサさんによる、次の曲、実は盛り上がる曲じゃないんですよ(我々エーイング)。でも聞かせてください。盛り上がる準備は出来てますか? と我々に声を出させてからの、チャントのない『I Need You~夜空の観覧車~』。夜公演でもあった。どうやらこのツアーではお決まりの流れのようだ。
・秋山眞緒さんが最後のコメントで、会場のことをボトムス・ライン? と言い間違えて、パンツ(ズボン)のラインとちゃうねんからと岸本ゆめのさんが突っ込んだ。そのやり取りを聞いて私は、つばきファクトリーさんのパンツ(パンティ)のラインは見たいな、と咄嗟に思った。いう
・岸本ゆめのさんは、海外ドラマにはまっている。向こうの役者さんは、ちょっとしたことでも表情豊かに反応する。ドラマをただ観るだけではなくパフォーマンスに取り入れなくてはと思い、今日はそれを意識した。

終演後、ダチと合流。この二公演を観覧し、心境の変化が起きたらしい。過去にビーフを展開していた某若者とストアルをしたいと言い出した。つばきファクトリーのコンサートを昼、夜と観て、くだらないことで争っている場合ではない、ピースフルにいかないとダメだと感じたのだという。気持ちは分かる気がする。つばきファクトリーのコンサートにはそれだけの力がある。今日の二公演中、私はずっと笑顔だった。生きていてこんなに笑顔でい続けることはない。ずっと笑顔でいれば、考えもポジティヴになるだろう。

ダチが予約してくれた濱松たんと 名駅柳橋店。6人掛けの席をあてがってくれた。ゆったり。快適。外気に晒される席。気持ちのよい気温。いい天気。タンパク質と脂肪を中心にした注文。牛つくねハンバーグが一番おいしかった。ホルモンはそこまででもなかった。昨日の尾毛多セコ代 柳橋市場店で食べた味噌とんちゃんには遠く及ばない。7,112円。二人で6杯飲んでコレはお手頃。


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