2023年10月28日土曜日

私のもとへ還っておいで (2023-10-21)

先にめいめいのコンサート日程が決まっていて、マリノスの試合日程が後から発表された。10月21日(土)14時から日産スタジアムで横浜F・マリノス対北海道コンサドーレ札幌。18時半から大手町三井ホールで田村芽実さんの一人芝居コンサート。運よくハシゴ可能な日程。7月8日(土)に愛知県の豊田スタジアムで名古屋グランパス対横浜F・マリノスを一緒に観た際、日産スタジアムでも試合が観てみたいと享平君が言っていた。社交辞令かと思ったが、誘ってみたところ本当に来てくれることになった。マリノスとめいめいの両方を一日で堪能できる贅沢。遠征して観に来てもらう価値がある。今でも忘れない。享平君には2019年9月8日(日)に一緒に入るはずだっためいめいのワタシノアカシツアーをドタキャンされている。(あれからもう4年が経つのか!)チケットは私が彼の分も買っていた。享平君からお金は貰っていない。急遽、現地にいた中島さん(仮名)に無償で譲渡した。(流石に家賃未納で借金数百万の中島さんにこちらの都合でコンサートを観に来させてお金を請求することは出来なかった。)享平君のドタキャンで私は無駄にチケット代を払わされたことになる。いや、それは別にいい。もう4年前の話やんか。蒸し返さんでもええやん。水に流そうや。問題はお金ではない。めいめいを観る貴重な機会を享平君が逃してしまったこと。それが何よりも私は残念で、彼にとって大きな損失。人生の汚点。彼にとって4年越しに訪れた名誉挽回、汚名返上のまたとない機会。それが2023年10月21日(土)。彼の異常な労働生活を考えると最後の最後まで安心は出来なかったが、遂に対面を果たした。午前11時過ぎ。横浜モアーズ8階。ハングリー・タイガー前。ダブル・ハンバーグ・セット(R)。よく行く店のよく食べる料理は出てきた瞬間にパッと見るだけで当たり外れが分かるものだが、今日のは焼き目が完璧だった。チケット代未払いでドタキャンという酷い仕打ちを4年前に受けながら、二日後に控える彼のお誕生日を祝い、食事をご馳走する私。俺は業界No. 1の巨大なケツの穴持った器デカい奴(デッ、デカい!)てんで次元がちゃいます(別世界!)(参照:ライムスター『ウワサの真相 feat. F.O.H.』)。420gのハンバーグと付け合わせと米を食べてレーコーを飲んでもなお食欲の落ちない享平君(昨夜は世界の山ちゃんで手羽先を40本食べたらしい)。日産スタジアムのスタ・グルにマジ興味あるらしい。であればすぐにココを出ないと。

店を出て地下鉄の横浜駅に歩く道すがら、私があげたベース・ブレッド・ミニ食パン・レーズンを頬張る享平君。私は同年代の友人たちと会食すると情けないほどお互いすぐにお腹がいっぱいになってしまう。享平君のような大食漢とご一緒できるのは新鮮な体験。何でも学生時代には5kgのステーキを制限時間内に完食すれば無料になるチャレンジに参加し成功していたらしい。彼の勤務先で昇進する社員はおしなべてたくさん食べ、たくさん飲み、短時間睡眠で長時間労働をするのだという。彼にぜひ賞味してほしかったベリーズ・ベリーのバブル・ワッフルには長蛇の列。試合開始に間に合いそうになかった。食いモンは諦め、スタジアムに入る。ビールを買うために席を離れる享平君。戻ってくると私の分も買ってきてくれていた。さて、マリノスだが負傷者の続出もあって不振が続いている。6日前にさいたまスタジアム2002で浦和レッドダイヤモンズに0-2で完敗し、ルヴァン杯を準決勝で敗退したばかり。リーグ戦は残り5試合で首位の神戸と勝ち点差4をつけられている。リーグ連覇に向け窮地に立たされている。試合が終わってみると4-1で勝っていた。しかし試合内容はまったく褒められたものではなかった。浦和レッドダイヤモンズ戦から何かが劇的によくなったかというとそんなことはない。前半は相手の方がチャンスが多く、1-0で折り返せたのは幸運だった。相手のシュート精度の低さに助けられた。もちろん一森さんのスーパー・セイヴィングと勇気ある飛び出し、喜田さん率いるDFラインの奮闘も欠かせなかった。1-0で後半の終盤まで膠着する中で、点差を2に広げられるチャンスをロペスさん、植中さん、ヤン・マテウスさんらが次々に逃す。決めろや。こういうのを決めないと追いつかれて勝ち点を落とすんだよ。募るイライラ。ただ84分、90+1分、90分+6分と最後に畳みかけるように決まるゴール。我々の席に近い方で豪快で爽快なゴール・ショーを見せてくれた。エンターテインメントとしては楽しかった。ただ、終わりよければすべてよしとは言えない。この調子で残り4試合も勝ち続けられるほど甘くはない。1試合に限れば論理的ではない結果は得られることがあるが、それが何度も続くわけではない。杉本さんが決勝点となった2点目を決めた後にゴール裏の皆さんがWe are Marinosを歌い始めたときはちょっとウルッと来そうになった。終盤、4バックが左から吉尾さん(本職右ウイングやトップ下)、喜田さん(本職ボランチ)、松原さん(本職右サイドバック)、榊原さん(本職トップ下)。本職ゼロ。DFの大半が負傷離脱している異常事態。通常であれば勝ったときは選手の周回やMVPの発表まで見届けてから帰るのだが、今日は次の予定があるのですぐにスタジアムを去る。

新横浜駅から東京駅。東京駅付近はオフィス街。無機質で同じようなビルヂングがひたすら林立。ない目印。分かりづらい。前進毎日ない道 前進毎日ない道(参照:OZROSAURUS, “AREA AREA”)。丸の内中央口地下道直結という大手町三井ホール公式サイトの雑すぎる説明。分かるわけがない。迷いながらも地上経由で会場を発見。まず地下のセブン・イレブン。享平君が毎日飲んでいるエナジー・ドリンク(モンスター)を所望。飲まないと寝てしまうのだという。会場はエスカレーターで3階。分類上はいわゆるライブハウス(和製英語)ということなのだろう、徴収されるドリンク代JPY600。水やお茶のペットボトルだけかと思いきや奥に缶のビールとレモンサワーがある。私はレモンサワー、享平君はビール。ここで酒を出しているのは劇の中身とリンクしていてよかったと思う。めいめいが演じるのが寂れたショー・パブのやさぐれた女シンガーなんだけど、どいつもこいつも酒ばっか飲んでて私の歌なんか聞いちゃいねえ的な台詞が冒頭にある。レコードJPY3,500とペンライト(緑+紫各1本)JPY700を購入。開演前に享平君の席に駄弁りに行く。RL列という後方席だが段差があって見やすそう。席も快適そう。私はE列の2番。A〜K列までは段差がない。その上、左から二番目だったので、前方とはいえRL列よりも良席だと断言は出来ない。席と言えばS席(サイン入りパンフレット付き)JPY13,000と指定席JPY8,500の二種類が売り出された。S席は前方(たとえばA〜K列)席だと思うじゃん。でもどうやら違いはパンフレットが付くか付かないかだけで、席のよさと席種はまったく関係がなかったようだ。というのが享平君のRL列は25列中の20列目だったけどS席だった。本公演が終わってS席じゃない人が先に退出したんだけど、最前付近の人々もちらほら立ち去っていった。そしてそのタイミングで去った人は少数派だったので、観客の大半がS席を買っていた模様。これはちょっと売り方に問題があると思う。S席と指定席の違いは席の良し悪しとは無関係だってちゃんと書くべきだった。とはいえ、S席を買ったことに後悔はない。公演後にめいめいと間近で対面し、パンフレットを手渡してもらいながら言葉を交わした時間が、ただでさえ素晴らしかった公演を締め括る甘美なデザートになったからだ。(無言の相手にはめいめいからありがとうございますと言ってパンフレットを渡していく流れなのだが、私が何か言おうとしているのを察して聞く態勢をとってくれるめいめい。)「めっちゃ楽しくて」(頷くめいめい)「時間が経つのが、もうあっという間でした」(目を細めてふわっと柔らかい表情になるめいめい)「あー、ありがとう。また来てね」。心から伝えたいことを伝え、反応もいただき、心が満たされた。パンフレットのお渡し会を終えて私が退出したのが21:05。享平君はその数分後。東京駅21:30発の最終新幹線で帰るらしい。公演後に一杯やりながら感想戦をと考えていたが、実現出来なかった。早足で東京駅に向かい、21:24に改札を通過する享平君を見送った。彼はこうやって常に計画にバッファーが不足しているからちょっと想定が崩れただけであたふたするギリギリの人生を送っているのだと思ってしまった。コンサートに話を戻すと、めいめいに伝えた通り、お世辞抜きに時間が過ぎるのが早かった。笑って、見入って、聞き入っているうちに、え、もう休憩なの? え、もう終わりなの? となっていった。名残惜しさがあった。すべての瞬間がハイライトと言えるくらいに見所、聞き所だらけだった。史上ベストめいめいだった。めいめい支持者として絶対に外せない公演だった。実は今日、休日出勤を出来るか確認され、断っていた。もし労働に屈して諦めていたらと想像するとゾッとする。Hello! Project時代のめいめいしか知らない知人友人たちにも観てほしかった。今日来ないでいつ来るの? という感じだった。来年はこの公演でツアーをやる構想があるらしいので、ぜひ観に来てほしい。劇中、楽屋でめいめいがファン・レターだと思って読み始めた手紙が殺害予告だった。10月21日の19:30にあなたを殺すと記されている。10月21日…今日? 19:30…20分後? 走る戦慄。直後にアナウンスされる、20分間の休憩。笑いとざわめき。劇中の設定なのか現実の休憩なのか、にわかに判別するのが難しい。「コレって本当に(トイレに)イッていいンだよね?」とお連れの方に確認する、近くの席にいた婦人。さっきの酒の話もそうだし、この20分後の殺害予告と20分の休憩もそうだし、めいめいはその他にも所々にメタなユーモアを散りばめることで、劇の世界と現実世界をうまく融合させるのに成功していた。再会した旧友たちとHello! Projectの話で盛り上がるくだりの、スマイレージがうちらの青春だったよね、私はめいめい推しだった、めいめいって今めっちゃミュージカルに出てるんだよ、朝ドラにも出てた。え〜、そんなに好評だったの? めいめいって売れてるんだね〜的な台詞の流れには会場のヘッズが沸いた。その流れで披露された『スキちゃん』。熱かった。往年のHello! Projectの熱狂を思い出して弾けることが出来た。コヴィッド騒ぎで封じられてきた我々の声援。その鬱憤を、コールだらけでいかにもアイドル、いかにもHello! Projectというこの曲で少しでも晴らすことが出来た。『スキちゃん』を歌って一旦ステージの奥に下がるめいめいに、どこかの紳士が発した「行かないで〜!」。アレは魂の叫びだった。それでさ、『スキちゃん』の次がまたホイットニー・ヒューストンさんの“I Have Nothing”で。めいめいがこう、しっとりと歌い上げるわけよ。唖然とさせられるこの落差。表現の幅。その他にはビヨンセさんの何か、椎名林檎さんの『本能』、美空ひばりさんの『お祭りマンボ』、マリリン・モンローさんのあの有名な曲、『ラムのラブソング』(『うる星やつら』の)、カントリー・ロード、“Over the Rainbow”、オリジナル曲だとアンコール明けに『舞台』。衣装はベースが黒のちょっとセクシーな部屋着(※譜久村聖さんのグラヴュアで言うところの)で、その上に羽織るものを曲ごとに細かく着脱していく。インスタグラムの配信でめいめいが語ったところによると衣装にはだいぶ予算的制約があったそうだけど、それでも存分に目でも楽しませてくれた。これまでのめいめいのアイドルとしての、ミュージカル女優としての、歌手としての、一人の表現者としての、すべての活動の集大成のような公演だった。アイドル時代とミュージカル女優時代が別々の二つの人生として独立するのではなく、アイドル時代を引きずるわけでもなく、かといって過去のものとして蓋をするわけでもなく、すべてが一つの線で繋がった感じ。その記念日。ひとつの記念碑。フォーマットにとらわれず、その人がやりたいこと、表現したいことを自由に詰め込んだ作品こそ至高。そう改めて感じた。樋口毅宏さんの『さらば雑司ヶ谷』『雑司ヶ谷R.I.P.』のように。ホントにねえ。今日来なかった人は死ぬべき。すみませんちょっと言い過ぎました。でもそう言いたくなるくらい最高の時間だった。

2023年10月24日火曜日

KissBee ONE MAN LIVE『BoooooM!!!』 (2023-10-16)

昼休みにモカ・ブレンド(S)を買うために入った会社近くのファミリー・マートで店員氏の名札に目をやるとえちぜんやと書いてあった。漢字ならともかくひらがなでえちぜんやと書かれるとえちの部分が際だって見える。えちであることが宿命づけられているかのようだ。そしてエチゼーニャと書くとスペイン人っぽい。コンヴィニエンス・ストアや飲食店で移民労働者たちの発声をよく聞くと、Nとその後の母音を繋げて言う傾向がある。たとえば千円はセン・エンよりセネンに近い。ということはえちぜんや氏も同僚からエチゼーニャと呼ばれていても不思議ではない。今日は本来、在宅勤務にして午後半休を取得するつもりだった。だが出社して参加しなければならない会議が発生し、15時過ぎまで会社にいざるを得なくなった。まあ間に合うので問題なし。無事に退勤。渋谷駅に移動。左ポケットにセネン札を3-4枚入れ、コイン・ロッカーにバックパックを預ける。JPY500。セブン・イレブン渋谷道玄坂店でホット・コーヒー(R)と甘栗。店の前で胃に入れる。学生の頃はよく渋谷の街を歩いていた。この汚らしさが懐かしい。「早朝に響くカラスの鳴き声 見たところ夢、希望 何もねえ なぜかここに来るとクソ足留め 生きてきたこの都会の端っこで」(ラッパ我リヤ、『大東京feat. K DUB SHINE』よりK DUB SHINE)。時間的にはちょうどよかった。早すぎず、遅すぎず。16時半開場、17時開演。duo MUSIC EXCHANGE。Club asiaとか、昔で言うON AIR EAST(現Spotify O-EAST)とか、あの一帯。ラブホ街。東電OL殺人事件。

想像を超えるカス会場。紛れもなくカス会場。誰かの大切な思い出が詰まった場所かもしれないが、それでもカス会場。何がどうなってこんなつくりの会場が生まれるに至ったんだ。ステージの範囲内に超巨大な柱が二本。柱の前にでもいないとステージの全景は見えない。柱の前はVIP席(JPY30,000)やらSS席(JPY10,000)やらで既に埋まっている。そして柱の左右の比較的前方は撮影エリアで、キャメラを構えて撮影に専念する人たちが集まっている。一般席(JPY3,500)はその後ろ。私は左寄りの段差のある一番前に立つことが出来たから、比較的見晴らしはよかった。視界が大幅に遮られているものの、メンバーさんが見える位置にいるときは見えた。ゆいちゃんは相変わらず可愛く、ダンスにはドリブル中のエウベルさん並のキレがあった。それでも、たとえば曲と曲の間にメンバーさん8人が横並びになるときは、左の3人と右の1-2人が見えるという具合で、3-4人は見えなかった。序盤にメンバーさんが順番にソロ・ダンスを見せるくだりはまったく見えなかった。公演中に流れる映像はメンバーさんのれなぱん(大江れなさん)が作った。こういう工夫をしたんですけど気付いてくれましたか? なんて問いかけられても、知らねえよ。こっちは。見えてねえよ。そこはちょっとシラケた。置いてけぼり感があってさ。救いはドリンク代JPY600を払って手にしたラム・コーク。奴がいなけりゃやっていけなかった。うまかった。バーカンの姉ちゃんがちゃんとラムを入れてくれた。アルコールがほどよく回ってきた。ステージをじっくり鑑賞するというよりはラム・コークでいい気分になりつつ、身体を揺らし、声を出し、みんなが盛り上がっている場の雰囲気を味わうのが主だった。いいコンサートだったと思う。ヴァイブスはすげー良かった。私が楽しんだのは間違いない。労務を調整して来た甲斐はあった。ただ、会場に関して言えば、出来ればもう二度と来たくねえ。こんなトコ。後ろがスカスカだったらもう割り切って酒を追加しつつチルする楽しみ方もあっただろうけど、メンバーさんが毎日のようにチケットの手売りを頑張った成果なのか、まあまあ混んでいた。私よりも後ろにいた紳士淑女はキツかったと思う。

前も書いたがKissBee現場に来てのカルチャー・ショックとして、アンコールが自然発生ではない。おそらく仲間内でこの公演はこいつと決められたおまいつの呼びかけがないと始まらない。(たぶん勝手に始めたら揉めて村八分にあうのだろう。)後日、享平君に聞いたところ地下ではそれが普通らしい。コルリ(コール・リーダーと呼ばれるゴール裏の統率者)の指揮で集団が動く明治安田生命Jリーグのゴール裏文化に似たものを感じる。ちなみにフットボールの応援は国によって文化が異なる。最近観た動画によると英国プレミア・リーグではいわゆるコールを統率する人物が存在せず、誰かが思いついて始めたのが周りに受ければ広まっていってくらしい。

コンサートはたっぷり約90分。ダラダラとメンバーさん全員が今日の感想を述べないのが好印象。特典会をガッツリやるからお話をするのはそっちでという棲み分けが出来ているから、コンサートはコンサートをしっかりやってくれるんだと思う。現に今日も18時半頃に終演し、22時まで特典会をやっていたらしい。私は特典会には目もくれず、終演即退出。新大久保に移動してソルマリで夕食。最近ラトバレの味がやや落ちている。数ヶ月前に加入した二人の新メンバーさん(吉田琴音さん、森元あやのさん)が、この公演で本デビュー。そしてもう一人。オーディション等の文脈なしで唐突に加入が予告された14歳。謎に包まれていた。このステージでお披露目。鈴木美優さん。ジェネリックまなかん風。吉田さんと森元さんが霞むほどのイルなヴァイブス。ついつい目が行ってしまう。どうやってこんな子をリクルートしてきたんだろう。KissBee、面白いことになった。あ、でも安心して。ボクはゆいちゃんに一途だヨ。

2023年10月8日日曜日

ゆいのの『Imperfect i!'?』リリイベファイナル☆ (2023-09-18)

朝8時にちょこざっぷに入るとトレッドミルが3台とも埋まっていた。祝日の早朝からご苦労なことだ。三人とも走ってすらいない。ただ歩いている。特にそのふくよかな淑女、無駄だからヤメろ! その場所を私に譲れ。そこでチンタラ歩いたくらいで痩せないから。それで痩せるならみんな普通に生活を送るだけでとっくに骨と皮になって死んでるから。トレッドミルを使わないと歩数すら満足に稼げない非活動的な生活様式に問題がある。家に帰ったらお菓子だのカップ・ラーメンだのを存分に召し上がっているんだろうし。いや、分かる。彼ら彼女らに罪はない。問題は設置してあるトレッドミルの少なさ。悪いのはちょこざっぷ側だ。それでもトレッドミルを占拠するお散歩マンたちには悪態をつきたくなる。なんで歩くために金を払うん? 外を歩けよ。陽を浴びろ。季節の空気を肌で感じろ。

上質な音楽を(ブルーノート東京の劣化版会場とはいえ)上質な空間で味わった翌日。アイドルさんを観に行く気分ではない。もう少し間を空けないと。どっちが上でどっちが下かというより、食べ合わせの問題。今日が無料のリリース・パーティだったら行くのをやめていたかもしれない。チケットを買ってある(JPY2,000)し、この夏のゆいののによる公演としては今日が最後らしいので干すわけにもいかない。なんだかんだ藤井優衣チャンを生で観たいし。まあサクッと観てサクッと帰ろうかと。渋谷近未来会館。初めて聞く。初めて行く。新しい会場のようだ。だいぶ前にG君と行ったカフェ(何の時だっけ)のところの坂を上ると右手にあった。既にヘッズが整理番号順に並んでいる様子。私はA49。お兄さんの番号だと中ですよ、と係員のお姉さんが教えてくれた。並んでいる紳士に番号を聞くとちょうどA50だったので彼の前に入る。8月6日(日)に買った特典券が1枚残っている。今日はそれで優衣チャンと写メでも撮れればいいやと思って、買い足さなかった。昨日のコットン・クラブでちょっとした風俗に行ける金額を消費したという負い目がある。ここで追加の散財はしたくない。

開場11:00、開演11:30。右寄りの3列目くらいの位置を確保。KissBeeNextという謎の集団が前座で登場。彼女たちはどういう位置づけなのだろう。KissBeeの下部組織で、将来の昇格を目指しているのか? その割に必ずしも年齢が低いわけではなさそう。よく分からないが、間近で何度もキックを見せつけられ、小生の愚息が刺激されなかったと言えば嘘になる。優衣チャンとの本番に向けていい準備運動になった。

正直言うと、8月に観に来たときのゆいのののステージ・パフォーマンスはあまり印象に残らなかった。なので今日に関してはそこまで期待していなかったのだが、どういうわけか心を掴まれたし、かなり楽しかった。周囲の先輩たちにリードされながら、ゆーいちゃん! ゆーいちゃん! と曲中に何度も叫んだ。ああそうか、アイドル現場ってこういう感じだったな。あの頃の感覚を思い出させてくれた。このはっちゃける感じ。馬鹿になる感じ。後半の曲では私の前にいた最前付近の紳士たちが二、三回持ち場を放棄して後ろの方にぐわーって集まって、藤井優衣チャンと篠原ののかチャンに目もくれず自分たちで盛り上がっていた。彼らが戻ってくるまでは一時的に私が実質的最前となり、ののかチャンと優衣チャンからレスをいただいた。訳が分からないが可笑しくて楽しかった。

チケットがわずかJPY2,000だし、コンサート部分は1時間程度。売上的にも時間的にも特典会ありきの商売。ところが今日に関しては思いの外(失礼)コンサートだけでも十分に楽しく、私は満足してしまった。上述したように写メだけ1枚撮るつもりではあったが、特典会に至るまでの進行がダラダラしていて時間がかかりそうだった。余韻を残したまま会場を去りたかったし、昼飯を食いたかったのでそのまま会場を出た。

2023年10月7日土曜日

西川大貴 LIVE 2023「Continue」 (2023-09-17)

めいめいのゲスト出演きたー。買います買います。というくらいのノリで昼と夜の両公演に申し込んだ。よくよく考えるとチケットはJPY7,500。(おひとり様が選べる席は一種しかなかった。)強制オーダーさせられるドリンクが最低でもJPY1,000前後。ドリンク代に加算されるサーヴィス料がたしか10%。1公演にかかるお金が実質JPY9,000近く。それを二回となると、ちょっとした風俗に行ける金額である。風俗に限らずJPY18,000あれば楽しめることは色々とある。もちろんコットン・クラブでめいめいを観られる機会を逃したくない。支持者として当然だ。いくら系列店のブルーノート東京と比較するとすべての面で質が劣る(でも料金だけは変わらない)会場とは言え、コットン・クラブが上質な空間であることに変わりはない。あの舞台にめいめいが立ち、生バンドの演奏で歌う。その場に居合わせたいのは当然である。しかしながら、めいめいの出番は二曲(デュエット+ソロ)と少しのトーク。時間にして十数分だった。そのためにJPY9,000を払うのは百歩譲って支持者の勤めだとして、一回でよかったのではないだろうか。その疑問は今でも拭えない。ただ私はめいめいを生で鑑賞する機会に飢えていた。最後が7月30日(日)の『秘密クラブ』(※私はあえてブログを書かなかった。秘密の集まりなので、話したこと、やったことは来た人だけの秘密という設定があった。それをどこまで額面通りに受け止めるかという問題がある。迷ったのだが、内容を書いて残すのは野暮だと判断した)。それで今日のコンサートがあって、その次が10月21日(土)の一人芝居コンサート。その次はもう年末のミュージカル『赤と黒』。私は12月24日(日)に観に行く。それで2023年は終わり。来年の予定は今のところ見えていない。だったらココで二公演入っちゃえ。そんな感じで決めた。めいめいはもう少し長く出演するものと、何となく思っていた。本当に何となく。根拠なく。希望的観測。もしはじめからめいめいの出演は二曲ですと案内に明記されていたら片方の公演で踏みとどまっていたかもしれない。思ったんだよね。昼公演の途中に。あー、コレは昼と夜のどっちかでよかったかもなって。で、まあたしかにめいめい支持者の視点だけで観ると片方で十分だった。そもそもマストな現場でもなかった。ただ視点を広げて音楽ファンの立場で見ると悔いはいっさい残らなかった。良質なコンサートだったからだ。良い音楽、良い会場、良い雰囲気。西川大貴さんの歌も小粋なトークも、バンドの皆さんの演奏もすべてが素晴らしかった。(蛇足1:ベース担当の紳士がマリノスの飯倉さんに似ていた。お名前が角田さんと知り可笑しかった。角田さんという選手もマリノスにいるからだ。蛇足2:西川さんはもう少しスカした野郎なのかと勝手に思っていた。日本のミュージカル業界の問題点を真面目に語るのを見て印象が変わった。またオリックス・バッファローズが好きで、オリックス・ブルーウェーブ時代のユニフォームを模したシャツをグッズで販売し、あまつさえアンコール後にはブルーウェーブの歌を歌うという変なところもあって面白かった。蛇足3:昼公演はウィスキーのブッシュミルズ・ブラック・ブッシュをロック。チェイサーもつけてもらった。夜公演は赤ワイン。ワインのおいしさが全然分からない。夜公演のめいめいが登場したあたりでちょうど尿意の波が訪れ、コンサートの後半は早く終わってくれと思いながら観ていた。)私にとって今節最大の収穫はピアニストの桑原あいさん。前からSpotifyで聴いていて、スッゲーいいジャズ・ピアニストさんだと思っていたんだよね。アルバムでいうと“Making Us Alive (Live)”とか“Live at Blue Note Tokyo”とか。きっかけは覚えていないけど、たまたまSpotifyでオススメに出てきたんだと思う。そうそう、コレを書いていて思い出したけど、ピアノ担当が桑原あいさんなのも二公演への申し込みを後押しする要因だった。めいめい目当て7割、桑原あいさん目当て3割みたいな。今回、桑原さんの演奏を生で体感することが出来てよかった。情報量が違う。周りのバンド・メンバーや西川さんと意志疎通を図りながら音楽を作っていく様子を視覚的にも見るのは、Spotifyでアルバムを音だけで聴くのと全然違う。今日のトークを聞くかきり桑原さんは西川大貴さんとは旧知の仲で前から一緒に音楽をやってきたらしく。めいめいがミュージカル界の繋がりで呼ばれた西川大貴さんのコンサートに、私がたまたま好きで聴いていたジャズ・ピアニストさんがいて、彼女の演奏でめいめいが歌うという。世界は狭いというか、なんか面白いなって。めいめいの出番が二曲と書いたけど、それは『俺の彼女』(宇多田ヒカルさん)。コチラは西川大貴さんとのデュエット。『グッバイ・マイ・ラブ』(アン・ルイスさん)。コチラはめいめいのソロ。『グッバイ・マイ・ラブ』は西川大貴さんのリクエスト。西川さんがめいめいの歌うこの曲が好きすぎて、彼女と知り合う前にこの曲ばかりをずっと聴いていた時期があるのだという。今日のめいめいを観ていると、9月15日(金)に三ツ沢に観に行ったサガン鳥栖戦でのヤン・マテウスさんを思い出した。64分に途中交代で入って。限られた時間で何度も相手DFを翻弄し、決定機を演出する。違いを見せつける。自分を表現する。観客を魅了する。わずか二曲の出演でもめいめいは遺憾なくドープさを発揮してくれた。惚れ惚れする。声自体の魅力。歌声のヴァイブス。めちゃめちゃイケてるラッパーがヴァースをスピットし始めた瞬間から何か分からないけど聴いていてゾクゾクくる感じ。それがめいめいにはある。話しているときの少女感とのギャップ。次はもっと長時間このステージに立ってほしい。めいめいのソロ公演をコットン・クラブで観たい! いつか、いや、すぐにでも! 桑原あいさんの現場にも行ってみたいなと思い出演予定を調べると、氏がリーダーを勤めるトリオが11月8日(水)にブルーノート東京で公演を打つことを知った。夜公演に入ることを決めた。