2015年8月30日日曜日

MISSION 220 (2015-08-16)

7時半くらいに目が覚めた。今日はJuice=Juiceさんのコンサートを2公演観るために山口県の周南に移動しないといけない。正直なところ昨日のハロコンで大満足してお腹いっぱいなので、motivationは下がっている。3日間で4公演のコンサートを鑑賞するのは決して楽ではない。今日行くのは駅でいうと徳山というところだ。電車代節約のため行きは新幹線ではなく在来線で行くので、あまりもたもたしていられない。とはいえ大浴場での朝風呂は欠かせない。ホテルの近くにヤマト運輸があるのに昨日気付いていた。大きなカバンを家に送ることが出来れば、旅の残りがだいぶ楽になるだろう。incaseのバックパックに必要な物を入れて、karrimorの車輪付きカバンを明日の20時~21時着で家に送った。1,520円。その価値はある。最近読んだ小説『男たちは北へ』(風間一輝)で主人公が旅先から荷物を宅配便で家に送る場面があったのが印象に残っていて、自分もやりたいなと思っていた。

今日は1回目が12時半開場、13時開演。2回目が15時半開場、16時開演。会場の周南チキータまで徳山駅から徒歩で20分。11時半頃には徳山駅に着いていたい。昨日の晩にジョルダンのアプリで検索して下記の電車に乗ることを決めていた。

9時26分広島発
10時19分岩国着
(乗り換え)
10時20分岩国発
11時28分徳山着

路面電車を乗り間違えて余計な時間を食ったが、9時26分の数分前に広島駅に着いた。朝の目覚ましアラームも付けていなかったので、こんなにぴったりの時間に広島駅に着いたのは偶然である。1,660円の切符を買って9時26分の電車に乗るまでは予定通りだった。途中から様子がおかしくなってきた。電車が遅れたのではない。昨日食べた辛すぎるカレーの影響で胃腸が暴れ始めた。端的に言うとうんこがしたくて仕方がなくなったのである。私のこれまでの人生経験が、このまま我慢していたら漏らしてしまうという確信をもたらしてくれた。しまった。長時間の移動を伴う日の前日はもっとおとなしい物を食べておくべきだった。どこかで途中下車しなくてはならない。とはいえ岩国の前で下りると電車の本数が少ないのでJuice=Juiceの公演に間に合わなくなるかもしれない。それは避けたい。ジョルダンで検索すると10時20分の次の岩国発は10時43分でそれに乗ると11時50分に徳山に着くことが分かった。何とか岩国まで我慢した。本来乗るはずだった向かい側の電車を完全に無視しして階段を上がってトイレの印がある方の階段を下りると「50メートル先」という表示があって恨めしかった。幸いにもトイレ個室はすべて空いていて、難を逃れた。

11時50分に徳山駅に着いた。12時半開場とはいえ、その前に写真を買ったり、荷物を預けたりする必要があるし、開場時間の前から入場列を作り始めるのはよくあることなので早めに着いていたい。しかも初めての土地で道が分からない。ホームページには駅から徒歩20分と書いてあったが迷わずに20分でたどり着ける保証はない。だからタクシーを使った。運転手さんが親切ないい人で、彼との会話は先ほどまでの便意との戦いで殺伐とした心境になっていた私に安堵を与えてくれた。870円。コンサート会場前にタクシーで乗り付けるのは何だかVIP気分であった。誰も並んでいないグッズ列で日替わり写真の宮崎さん、宮本さん、金澤さん各500円を買った。写真をアルバムに収めた。前と後ろに大きく宮崎と印字されたピンクの研修生風Tシャツを、着ているColumbiaのTシャツの上からかぶった。財布を入れたTHE NORTH FACEのwaist bagは装着したままにして、incaseのバックパックを500円払って預けた。

1回目の整理番号は106番だったが番号の割には見やすい位置に立つことが出来た。4列目くらいだったかな。

金澤「グループの中で私がよく食べると思われがちだが最近ほかの4人の食欲が半端ない。一皿の料理がテーブルに運ばれると皆ハイエナのように食いつき1分以内になくなる。昨日も食べる前に済ませようとブログを打っていたらどんどん食事がなくなっていった。しかも同じ料理をもう一度頼む」
高木「ホルモンの味噌いためもう一つ!って」
金澤「同じ物をもう一皿ではなく二皿頼もうとする。(計)二皿にしようか、三皿にしようかと相談し合っている」
宮崎「一皿が30秒くらいでなくなる。塩ミノ(?)がおいしくって…(食べ過ぎで体型に)気を付けないといけないかな…(由加は大丈夫だよと金澤)」
金澤「ハロコン後の打ち上げでJuice=Juiceのテーブルは食べ物がすぐになくなるのでスタッフさんが(Juice=Juiceが遠慮して注文していないんだと思って)『頼んでいいんだよ?』と言ってくれるが、来てもすぐになくなっているだけ」

宮本「今は夏休みな訳ですが」
宮崎「ここにいる人たち(客)に夏休みがあるか分からないけどね」
宮本「夏休みの宿題って読書感想文が苦手か自由研究が苦手かに分かれる気がする」
宮崎、植村「?」
宮本「私はどちらかというと読書感想文が得意で自由研究が苦手」
宿題をちゃんとやらないだろうという嫌疑をかけられた植村。そんなことはない、一日でやると弁明。漢字や計算のドリルが苦手。「30ページとか何で?」
宮本「漢字ドリルを早く終わらせるために木偏だけを一気に書いて…」
宮崎「やったことはあるけどそれをやるとちゃんと覚えられないのでやめた(客から拍手)」
宿題をちゃんとやる人とやらない人が登場しますという振りで金澤と高木が合流。
金澤「私は意外とちゃんと提出しない。むしろ言い訳ばかりを考えていた。(家に忘れましたとか、と植村)家に忘れただと次の日に持ってこないといけないからダメ。何かに食べられたとか…」

高速握手会。一人目の金澤朋子さんに「俺も埼玉から来たよ」と言うと「ワオ、遠いのに!」と返してくれた。それを聞いていた二人目の高木紗友希が被せるように「ださいたま」と満面の笑みでディスってきたのが楽しかった。

2回目の整理番号は94番と1回目よりも少しよかったが、1回目よりもやや後ろでの鑑賞となった。それでも視界はそんなに悪くはなかった。宮崎由加さんがいつでも完璧だ。私の目に入るどの瞬間を切り取っても圧巻の美しさだ。宮崎さんをはじめとするJuice=Juiceメンバーの方々の輝かしいお姿を至近距離で目に焼き付けることが出来る幸せ。目と耳でJuice=Juiceの可憐で輝かしい姿と歌声を味わいながら鼻では発狂したようにフリコピする隣の紳士の体臭を嗅いでいると、脳がオタクの体臭とJuice=Juiceを関連付けて記憶してしまうのではないかと不安だった。

夜公演に関してはTwitterにもiPhoneにもほとんどメモが残っていないし、細かいことを覚えていない。周南チキータのスピーカーから出る音が大きすぎて、頭が痛くなっていた。昼公演の途中からややきつかったが、夜公演になると本格的につらくなっていた。耳栓をすればよかった…。しかも起きてからもみじ饅頭三つと水しか口にしていなかったので、力が出なかった。iPhoneに残っているメモとしては、宮崎さんの言葉として、
・今朝牛乳を300ml飲んだ。
・1回目と2回目の間にフルーツをたくさん食べた。
・今までは台風や体調不良があって全員でこの会場に立てなかったが今日は5人で立ててよかった。5人で立てるのは当たり前ではない。皆さんに来てもらえるのも当たり前ではない。
あとこれを書きながら思い出したが、終盤に宮本佳林が「今日は皆さんの熱気が凄くて汗をかいていて、会場も汗をかいてエアコンからポタポタ水がこぼれていて…」と言っていたのが遠回しに会場へのディスになっていて(もちろん本人に悪意はないだろうが)面白かった。1回目には客から見て左側の天井からケーブルが垂れ下がっていて、メンバーが台に上がって手を上げるとケーブルに手が触れていた。高木さんや植村さんはそれを気にしているのが分かった。おそらくメンバーの誰かがカイゼン要望を出したのだろう、2回目には天井にしっかり貼り付けられていた。老朽化が進んだ会場のようだ。

2回目に関しては体調のせいで途中から私の態度が怠惰になっていた。音がキンキン響く度に周南チキータの音を管理する担当者への憎悪が募っていた。ところが、最後の最後。終演後の高速握手会で最後の宮崎由加さんが私の宮崎Tシャツに気付いてくれて「わああ!」、一瞬間を置いて「ありがとう!」と、数秒のあいだ私を見て大きく喜んでくれたので、すべてが帳消しどころかいい思い出となった。つまり、宮崎由加さんが一番なのである。

2015年8月29日土曜日

DISCOVERY (2015-08-15)

8月15日に広島でハロコンが開催されるという事実を知ったのは4月4日だった。終戦記念日、広島、ハロコン。相当ドープな組み合わせだ。しかも今年は原爆ドーム(の元の建物)が出来て100周年らしい。広島を訪れるのにこれ以上のタイミングはないだろう。そう思ってチケットの先行申し込みに応募し無事に当選した。元々広島のことは好きだった。過去に二度来ていた。だから最初は広島旅行を兼ねてハロコンを観に行くかという軽い気持ちだった。しかしながらアップフロントが8月14日に広島でカントリー・ガールズのコンサート、8月16日に隣の山口県でJuice=Juiceのコンサートをぶち込んできたせいで、8月14日、15日、16日と三日連続でハロプロのコンサートに足を運ぶ羽目になった。気が付いたら三日分のチケットが手元にあったのである。旅行のついでのハロプロというつもりだったのが、ハロプロのための遠征のようになってしまったのである。

本当は大久野島に行くつもりだったんだよ、昨日。戦時下に毒ガスを製造していた島。『広島おさんぽマップ』によると当時は地図から消されていたらしい。今ではうさぎがたくさんいてうさぎ島と呼ばれている。非常に興味があった。ところが一昨日ジョルダン乗り換え案内で検索した結果、夕方までに広島市に戻ってくるのを考えると無理があることが分かった。不可能ではないがほぼ移動だけになってしまいそうだったので、断念した。次に広島に来たときは必ず大久野島に上陸したい。

ホテルの朝風呂が最高だった。風呂は夜に入るよりも朝に入る方が好きだ。これ以上ないくらいリラックス出来る。普段は夜に入るけど、旅先では夜は歯磨きだけを済ませて風呂は朝に入ることが多い。ホテルの大浴場で時間を気にせずゆっくりと朝風呂に浸かるのが旅行中の楽しみの一つだ。ホテルから歩いて平和記念公園。広島平和記念資料館。さすがに終戦記念日とあって資料館は混みすぎていて、落ち着いて見ることが出来なかった。小倉豊文『絶後の記録』823円を買った。原爆ドーム前の日陰に腰掛けて、水を飲みながら、しばらくぼーっとした。「茶の環」で抹茶満月1,620円を買った。抹茶満月というのは3年くらい前に人から貰って初めて食べて以来、非常に気に入っている抹茶バターケーキだ。東京だと日本橋の三越で売っている。昨日もこの店に来て「15周年・抹茶満月セット」という詰め合わせを友人夫妻に送っていた。2-3週間前に故郷の桃を14個送ってくれたお礼だ。2年前に広島に来たとき「南大門」という焼肉屋のランチが大当たりだったので再訪したが、開店時間の11時半に店に入ったところ既に満席だった上に何人も待っていたので諦めた。付近をさまよったところ気になる店がいくつかあった。「オンドルバン」という韓国料理店に入った。チョンゴル定食1,000円。辛味噌スープの中に豚肉、キムチ、キャベツ、卵、春雨など。

広島文化学園HBGホールまで歩いた。会場に着くといつもの安心する光景があった。様々な色のTシャツを着たオタクたちがたむろしている。グッズ列に並び、日替わり写真の田村さん、岡井さん、宮崎さん各500円を購入した。14時32分。A5写真専用のアルバムに納めた。会場付近でうんこ座りをしてカップラーメンをすすっているオタクがいた。そんなのばっか食うから体臭がきつくなるんだよと思いながら通り過ぎた。外にはアンオフィの露店があって、広島でも売っているのかと感心した。田村さんの写真を買った。ハロコンは15時半開場、16時半開演。会場に併設されているカフェ&レストラン「RIVERS GARDEN」のドリンクバー510円で14時44分から1時間くらい時間を潰した。入場口が見える席だったが、15時半ぴったりに入場が始まっていた。席は決まっているし入場はサクサク進んでいるので、早く入っても意味はない。

私の席は16列目の通路側だった。右には工藤遥ファンの女の子と母親らしき女性。前にいた紳士が開演前からなぜか汗だくで嫌な予感がしていたのだが、開演するや否やサトウのご飯がレンジで温まるくらいの早さで臭いを発するようになった。何かアボカドのようなスメルだった。16列目は前方の通路を挟んで4列目だった。恒例となったメンバーによる通路へのいわゆる降臨によって、相川、福田、中島を近くで見ることが出来た。相川さんの動きがふにゃふにゃしていて面白かった。

司会のまこと氏が登場したとき、そうか、まこと氏もこの仕事のためにわざわざ地方に遠征しているのか、と失礼ながら思った。

今ツアーが最後のハロコンとなるアンジュルム福田が、岡井、矢島の二人とトークするセグメントがあった。
福田「ハロコンの風物詩といえばリハーサル。先輩の前で新曲を披露するのが緊張する。私は℃-uteさんをキッズの頃から応援してきたアイドルオタク。先輩同士が私を見てこちょこちょ喋っていると『何こいつ、顔赤くてキモい』とか言われているんじゃないかと気になってさらに赤くなる。地獄」
岡井「ZYXの頃は松浦亜弥さんがいたんだよ(福田、悶絶)。それに比べれば℃-uteなんてまだ緊張しない」
矢島「これからも後輩のリハーサルを見ていきたい」
福田「見守ってやってください(観客、温かい拍手)」

℃-uteと一緒に踊ろうという唐突なセグメントは滑っていた。最初は何となく乗っていている人もいたが途中からほとんど誰もやっていなかった。

コンサートの感想を一言で表すと、くそ楽しかった。今まで自分にとってハロコンはどちらかというと一歩引いて観察するタイプのコンサートだったが今日の公演に関しては℃-uteの単独コンサート並に熱くなった。後半の盛り上がる曲の畳み掛けが最高だった。『大器晩成』で飛んだときに踏み外して前の列に一瞬はみ出してしまった。ハロプロの構成員たちが総勢56人(たしかまこと氏がそう言っていた)でこれでもかというくらい代わる代わる攻めてくる。先週中野で観たCHALLENGER公演も楽しかったが、広島のDISCOVERY公演に関しては単に楽しいを通り越して完全燃焼した感さえある。終戦記念日に広島でハロコンを楽しむという旅の目的を、最高の形で達成できた。これ以上の平和式典はない。

夜は「ナーナック」というインド料理店に入った。パンジャビセット2,138円。タンドリー料理とナンとカレー(たしか選択肢が三つあって、チキンマサラを選んだ)とラッシー。激辛を頼んだら、痛みを伴う辛さだった。辛いのは好きだが、辛ければ辛いほどいいという訳ではない。辛すぎると他の味が分からなくなる。何とか完食。
「思ったより辛かったです」
「そうでしたか?」
「でもおいしかったです」
「よかったです。コックさんが『水無しで激辛を食べてる』ってびっくりしてました」
若い女性の店員だった。旅の記念にレシートを貰った。コンビニで水と200円くらいのチョコレート味アイスを買って、ホテルに戻った。

2015年8月27日木曜日

カントリー・ガールズ コンサートツアー2015 (2015-08-14)

週末に池袋の四川料理屋「楊」で汁なし担々麺800円を食べることを生き甲斐の一つにしている私が、同料理が広島のご当地グルメの一つに数えられていると聞いて黙っていられるはずがなかった。広島旅行の間に絶対に一度は口にしなくてはならない。この旅のために買ったガイドブックである『広島おさんぽマップ』680円でもお好み焼き同様に見開きで大々的に取り上げられている。「キング軒」というのがホテルから近そうだ。ここにしよう。意気込んで乗り込んだところ、16日まで休みであるという知らせが貼ってあった。来た道を戻って、20-30分歩いて「中華そば くにまつ」という店にたどり着いた。10人くらいの行列が出来ている。ガイドブックによるとこの店が広島における汁なし担々麺流行の火付け役らしい。並んでいると後ろで男が女になぞなぞを立て続けに出していた。私も答えを考えたのだがほとんど分からなかった。頭が固くなったのだろうか? 子供の頃はもう少し出来た気がする。

「くにまつ」は食券制だった。辛さは基本1辛~4辛で、その上下に辛さゼロと激辛がある。四川料理愛好家である私は辛さへの耐性にある程度は自信があったので3辛にした。それなりに空腹だったので大盛りにした。660円。結構安い。実際食べてみると、思っていたよりもmildでパンチが弱い味だった。テーブルの唐辛子をドバドバかけた。それでも普段食べている「楊」の汁なし担々麺の方が辛かった。隣の客は同伴者に「1辛でも辛い」と言っていた。店を出たのが大体13時半だった。並んで食べるほどのものではない。

今日はカントリー・ガールズのコンサートを観に行く。彼女たちは昼間に広島駅前でシングルの販促イベントをやっていたのだが、私はアイドルオタクではないのでそちらには顔を出さずコンサートのみを鑑賞する。会場の広島クラブクアトロはPARCOの中だった。念のため、エレベーターでその階まで上がって場所を確認した。18時会場、18時半開演だからまだ時間に余裕はあるが、それまでに色んなところを動き回ることはしない。昨日、宮島の弥山を登って消耗したので今日は軽めの日にしたいのだ。ブログを更新したくてしょうがなかった。PARCO近くのサンマルクカフェでホットのベトナム珈琲345円を飲みながら書いた。8月9日に中野で観たハロコンの記事だ。ポメラで書いて、QRコードをiPhoneで読みとって、Bloggerのアプリから記事を投稿した。よく集中できた。すがすがしい気分だ。音楽を聴いたり映画を観たりすることで同じ気持ちを得ることは出来ない。自分で何かを作ることでしか得られない満足感がある。自己満足だが仕事ではないのでそれでいい。

15時半くらいにサンマルクを出た。Twitterを見るとグッズ販売が既に始まっている模様だったので、会場に向かった。一つ前の記事で書いたように私は8月9日に中野で観たハロコンで、カントリー・ガールズの中では稲場さんを推すことに決めたので、日替わり写真の稲場さん500円と、2L写真part. 1の稲場さん500円を購入した。17時前にロッカーが開放されたのでカバンを預けた。同じPARCO内にあるタワレコを物色した。収穫としてはGoGo Penguinという集団を知った。ジャズに根を張ったプログレッシブな音楽という私の最近の嗜好に合致していそうなのである。1st album “Fanfare”を買った。fox capture planが好きな人にお勧め!という売り文句を店の棚に書かれるとこっちは弱い。商品に貼ってある値札は1,700円台だったが店員氏がバーコードをスキャンしたところ2,500円台の値段が出てきてそのまま黙っていたら高い方の値段で会計を済まされるところだった。指摘したら安い方でレジを打ってくれた。油断出来ない。

17時45分すぎになると、客同士で番号を確認し合って2列で番号順に並べという雑な指示がクアトロ人員から下された。クアトロ人員というよりは、正確に言うとCANDY PROMOTIONという会社の従業員だった。社名の入った何かを身に付けていた。ネットで調べたところこの会場の収容人数は800人らしいがもしこんな指示で800人が勝手に整然と並んでくれるなら日本人は規律正しいにも程がある。と思ったがさすがにそれで投げっぱなしということはなくて、係員が番号を呼び上げて細かく列を作っていた。非常階段に客を並ばせていた。18時には列が200番台になっていた。私は272番だった。いまいちな番号だなと思っていたが、さっき近くでオタクがもう一人のオタクに「300番台のチケットが2万円で出ているらしいよ」(おそらくオークション)と話しているのを聞き、この番号でチケットを取れているだけでも恵まれているのかもしれない、と認識を改めた。18時17分頃に入場した。周りのオタク同士の会話によるとチケットは300番台くらいまでしか出ていなかったようだ。

公演を通して何にも増して印象に残ったのは、小関舞だ。彼女は喉の調子が悪く声が出せないため、歌も喋りもなしだった。それでもいっさい申し訳なさそうでもつらそうでもなく、むしろ普段以上に(そんなに普段を知らないが)堂々としているように見えた。過去に怪我や体調不良で十分な力を発揮できない子は何人か見てきたが、ここまで悲壮感のないパフォーマンスと立ち居振る舞いの子は初めて見た。この子はamazingだ。感銘を受けた。

嗣永曰く、今日メンバーの昼食はあなご飯だった。一昨日カントリー・ガールズとスタッフのLINEに「突然ですが皆さんはあなごは食べられますか?」という質問。仕事のアレルギー調査だと思って「お疲れさまです。あなごの件ですが嗣永は大丈夫です。何卒宜しくお願いします」と返した嗣永。山木はあなごを食べたことがないので分かりませんと回答。食べてみたらおいしかった。今日は山木のあなご記念日だねと嗣永。苦笑して何だそれと首を傾げる山木。

森戸知沙希が冒頭で意気込みを語る際、コンサートがうまくいったらご褒美にもみじ饅頭を食べたいですと言った。その後にスタッフが買いに行ったことを嗣永桃子さんに知らされて飛び跳ねて喜んでいる森戸さんを見て、何のご褒美でもないのに昨日一日で4個食べた私はやや罪悪感を覚えた。

嗣永桃子がいることでトークがとことん円滑で愉快になる。面白かった場面を思い返すとほとんど嗣永が絡んでいる。森戸がもみじ饅頭を食べたことがないと言うと「買ってあげるよという人は?」と客に投げかける。当然、はーいと大半のオタクが手を挙げる。「教育上よくないから」と笑いを誘う。終盤のMCでも客に「皆さんずっと楽しそうにニヤニヤしていて」と言って稲場らから「ニコニコですよ」という突っ込みを引き出す。

夕飯は「若貴」でお好み焼きスペシャル1,200円。ハイボールとライチサワーを飲んで、2,052円。ほろ酔いで、いい気分だ。コンビニで水と濃密ギリシャヨーグルトを買ってホテルに戻った。念のため会社のiPhoneを持って来ているのだが、会社のメールなんてどうでもいいわという気になっていて、旅行に出てから一度も仕事のメールを確認していない。それだけリフレッシュ出来ているということだし、これが大事なんだろうと思う。

今日から2泊するホテルは、立地が最高なのだがやたらと宿泊客が多そうだ。エレベーターはボタンを押しても一向に来ない。あてにしていたコインランドリーは洗濯機と乾燥機が4台ずつあるのだがすべて埋まっているし1台だけ空きそうな洗濯機はふくよかな淑女が先にブロックしていて「次は私です」と牽制してきた。「そうですか」と言って私は引き返した。歯だけ磨いて、風呂には入らずに寝た。

2015年8月14日金曜日

CHALLENGER (2015-08-09)

汗ばまない程度の陽気。夏はこれくらいが上限であって欲しい。来週の広島旅行でもこれくらいの気候であればかなり動き回れるのだが。13時過ぎにハロコン会場の中野サンプラザに着いたところ、グッズ列が思ったより短くて、会場内の階段に収まっていた。日替わりA5写真の田村さん500円と、コレクション生写真2枚1,000円を購入。生写真はこぶしファクトリー井上とJuice=Juiceの植村が当たった。どっちも「暑中お見舞い申し上げます」と書いてあったような気がする。気がするというのは一瞥してすぐに袋にしまったからだ。田村芽実の写真と交換することしか頭にない。会場近くのテントがオタク同士の交換場所になっていた。入るや否やすぐに体格のいい紳士に声をかけられた。
「何かお探しですか?」
「はい。コレクション生写真の田村さんが欲しくて、持っているのがこぶし井上とJuiceのうえむー」
井上玲音は名字で呼び捨てたのに対して植村あかりのことはうえむーと愛称で呼んだ。こぶしファクトリー単独の現場には(ミュージカル“Week End Survivor”を除けば)一度も行ったことがないし井上氏のことはおはスタに出ているらしいという程度の知識しかないのに対して、Juice=Juiceに関してはイベントや単独コンサートを何公演か観に行ったことがあるしラジオ番組“We are Juice=Juice”を毎週聴いているという差が自然と私の態度に表れているのである。
「めいめいですよね?」
「はい」
私が田村芽実のことをめいめいではなく田村さんと言ったのは彼女に対する気持ちの相当部分が敬意であって、簡単に愛称で呼ぶことがはばかられるからである。とは言ってもコンサート中にめいめいと叫ぶことにためらいはない。
その紳士が奥で商品を管理している部下のような男に確認させると、あまり芳しくない反応。どうも田村さんの写真は数が少ないらしい。
「最悪2枚1枚でもいいですか?」
「いいっすよ」
結局、私が先ほど買った2枚と、田村さんの写真1枚との交換になった。強いトレーディング・カードを手に入れた気分。

L判のコレクション生写真はビニールのスリーブと折れ曲がりを防ぐ厚紙が付いてくる。だからそのままカバンに入れても問題ない。日替わりA5写真はA4の半分という大きさにも関わらず厚紙を付けてくれない。取り扱いに失敗すればすぐに折れ曲がってしまうだろう。私の今日のカバンには入らない。A5写真を買う度に、保護する入れ物を持ってくればよかったと思うのだが、私はアイドルオタクではなくライトなファンであり写真の購入頻度が低いため、忘れてしまうのだ。田村氏の写真を入手した時点で13時半すぎだった。喫茶店に入ることも考えたが、開場が14時、開演が15時(私は3公演やるうちの真ん中の公演だけを観る)だったので本屋をぶらぶら見るだけで時間は潰れた。開演前に、近くの席にいた女性がA4サイズのプラスチックで出来た硬い入れ物に写真類を収納していた。私に必要なのはあれだ、と思った。

私の席は1F17列の中央付近だった。一つ前の16列に所謂アンオフィ(コンサート会場の近くで非公式の業者が販売している出所の謎な写真。8枚組で1,000円。公式の写真より質が高く値段も良心的)の撮影者とおぼしき不審な紳士がいた。黒いパンツに黒いSTUSSYのTシャツにTHE NORTH FACEのウエストポーチ。短髪に黒いキャップ。50歳くらいか。公演前から何か変な雰囲気を漂わせていた。明らかにコンサートそのものにもハロプロにも興味がなさそうだった。何かの布ですっぽり覆っていたけど明らかにキャメラで写真を撮っていた。別に私はアンオフィの業者を糾弾するつもりはなく、高品質な写真を良心的な価格で提供し続けて欲しいとしか願っていない。私からすると正直彼らのおかげで助かっている側だし、鑑賞の妨げになっている訳ではないので積極的に咎める理由はない。

実のところ、目の前の席でSTUSSYが撮影しているのに途中まで気付かないほど私の意識はステージに釘付けになっていた。眼が二つだけでは追いきれない情報量の多さがハロコンの魅力だ。ステージ中央で曲を披露するユニットがいれば、横のひな檀で思い思いのやり方で曲に乗ったり隣の子とふざけ合ったりじゃれ合ったりする子たちがいる。カントリーガールズの『わかっているのにごめんね』の最初と最後の台詞部分を真似し合う岡井千聖と鈴木愛理。岡井が「若いっていいわねえ」のくだりを前にいた研修生の子に向かって言っていた。一部の曲ではメンバーが通路に現れることもある。いくらでもある見所の中から、その場その場で自分なりに焦点を絞ってじっくりと観察する。飽きない。

ハロプロ研修生の中に加賀楓と一岡伶奈を見つけたときの「君たちはまだここにいたんですね」感。他の研修生たちが続々とデビューする中、取り残されてしまった感。これから加賀さんと一岡さんがデビュー出来る可能性はおそらく低いだろう。どうするのか。そんなことを考えると研修生たちの歌唱や踊りに身が入らなかった。研修生はこぶしファクトリーとつばきファクトリーが抜けたことでだいぶ小粒になった。他のユニットとはだいぶ差がある。こぶしの面々がまだいた頃はオールスターという感じで凄かった。

こぶしファクトリーの『ラーメン大好き小泉さんの唄』が事前に“The Girls Live”で観ていた通りに癖になる面白い曲で、楽しかった。「麺上げて! 湯を切って! ラーメン大好き小泉さん!」とこぶしたちが唄って観客が同じ言葉を繰り返すというのが2回続けてあるのだが、2回目は1回目に比べて歌唱のリズムをずらしてあって、いきなりやるには少し難しい。2回目に私たち観客はどっちのリズムで返すのか。おそらく歌唱と同じリズムで返すのが正解なんだろうが、みんなが付いてこられるリズムではない。

今日確信したのは、今ハロプロのユニットで一番旬なのはJuice=Juiceであるということだ。アイドル集団は、ただ新鮮なだけでは表現に深みが出ないし、熟練しているだけでは面白味がない。その両方をどれだけ兼ね備えているかが大事だ。今のJuice=Juiceは、新鮮さと円熟味を掛け合わせたときに現在のハロプロで最も点数が高い集団だ(実際に点数を出して計算した訳ではない)。びっくりするくらい華があった。思わず乗せられてしまう宮本佳林の力強く迷いのない煽り。可愛すぎる宮崎由加。自信と喜びに満ちたパフォーマンス。デビューしたばかりで新鮮なのはこぶしファクトリー、カントリーガールズ、つばきファクトリー。一方で圧倒的な熟練を誇るのが℃-ute。℃-uteは、今日に限っては何だかつまらなかった。

途中のトーク。金澤と和田。二人とも耳フェチ。金澤は薄くて女性らしい耳、和田は福耳が好み。それぞれ画像をスクリーンに写して解説。
金澤:ハロプロで一番理想に近い耳を持っているのが宮本佳林。自分にあの耳が欲しい。
和田:理想の耳を持つのは仏像。前のめりになって仏像の耳の特徴や魅力を語り始めるが「仏像の話はまた後で・・・」とまことに遮られ終了。

最後に、個人に着目すると、今節最大の発見は、稲場愛香である。引き付けられた。仕草、表情、声。何と言っても、踊り。ハロプロダンス部ではバッキバキの動きで振り付けにも分かりやすい派手さがあったが、『ためらいサマータイム』のゆっくりしたテンポの控えめな振り付けでもこんなに存在感を示せるのか!と驚いた。とにかく目を離せなかった。来週、広島でカントリーガールズのコンサートを観るが、まなかん推しで行くことに決めた。