2022年12月29日木曜日

M-line Special 2022 ~My Wish~ (2022-12-24)

午前中にトレーニングで背中を傷め、それで一日が実質的にほぼ終了した。トレーナーの青年曰く、おそらく菱形筋が肉離れの手前のようになっている。ぎっくり腰の背中版みたいな。同じ姿勢でずっと居続けないように気を付けて安静にしていれば数日で治るだろうとのことだった。幸いにも夜にはだいぶ軽減し、翌日の午後には治っていた。ただこの一日の大部分は痛みを引きずる結果となった。私は背中が弱点で、自分でも情けなくなるくらいあっけなく傷めてしまうことがある。

都立大学前駅から会場(めぐろパーシモン・ホール)までの間に、50代と60代くらいの紳士たちが道ばたと交差点の信号前でコンビニの揚げ物をムシャムシャ食って、普通ではない雰囲気を発していた。確証はないが、おそらくこれから同じ会場に向かう同志だろう。オタクはこうでなくっちゃ。

アップフロントが私に与えた席は、1Fの左上にせり出している小さなエリア。こういう席に座るのはたぶん初めて。見やすそうだなと思っていたが、実際に体験してみると手すりで視界が妨げられ、決して見やすくはなかった。

ゲスト出演したinbのヴァイブスが物凄かった。ショッキング・ピンクの衣装で氏がステイジに現れた途端、なんらかの魔術をかけられたように会場全体の雰囲気が変わった。昔モーニング娘。の生田衣梨奈さんがちちんぷいぷい魔法にかかれ!とかいう特に工夫もない決まり文句を、私を好きになる魔法とか言って芸人とかにやっていたけど、そういうまやかしじゃなく、本当に好きになってしまう魔法を使えそうな女、inb。性ホルモンの塊。超高級慰安婦。ずば抜けた繁殖能力の高さ。彼女と並ぶと他の出演者(小片リサさん、宮本佳林さん、小関舞さん、佐藤優樹さん)が全員、処女に思えた。というか、処女であることが確定した。inb曰くステイジに立つのが半年ぶりなのだという。おそらく現在の労働強度はそこまで高くないのだろう、十分な休養、強すぎないストレス、充実したエッチ生活を物語る余裕が身体から溢れていた。彼女の歌は私の心にいっさい響かないが、inbの場合は歌手としてどうこうではなく、ある種の特殊能力を持つ特異な存在である。今日のチケットに価値を見出すとすれば半年ぶりにステイジに立つinbを観るという稀少な機会を得られたこと。それ以外の点で私にとってはあまり価値がなかった。

前にランドマーク・ホールで観たコンサートはだいぶ楽しめた記憶があるのだが、今日はあまり楽しめなかった。没入感は皆無。なんでだろうな。12月3日(土)のミュージカル・コンサート、12月18日(日)の田村芽実さんソロ・ミュージカル・コンサートと、直近で本物の歌を聴きすぎたのかもしれない。今日の出演者さんたちの歌唱力は、退団者含むHello! Projectという枠の中では上澄みに属する。それでも上述のミュージカル・コンサートで聴いた歌が頭に残っている状態で聴くと、同じ歌という表現をしている感じがしなかった。もちろん表現としてのジャンルが違う。百も承知。でもそれだけでは言い逃れできない何かがある。ひとつ言えるのは、ミュージカルのプロたちによるコンサートなどとは違って、あんたらはマスクを着けて黙って座ってお行儀よく聴いていなさいというスタンスを観客に強いて成り立つクオリティではないということだ。元からそういう土俵で勝負していなかったはずだ。結局のところ、今でもHello! Projectのコンサートはあの悪夢のザ・バラッドの延長線上にある。私にとって、決して楽ではない労働で手に入れた賃金から安くない金額を払い、休日の(ときには平日の)貴重な自由時間を費やして得る体験として、見合わなくなってきている。もちろん現状のコンサートでも感動を得ている人々がいるのを私は知っている。だから、私のために元のようなコンサート体験に早く戻してくれと言うつもりはない。感染拡大防止ガイドライン(笑)的なやつは別にアップフロントが独自に作っているわけではない。勝手に破ることも出来ないだろう。早期に緩和するように働きかける政治力もアップフロントにはないだろう。この感じがだらだらとまだ何年も続いていくのだろう。この感じで十分に満足する人たちがいて商売として成り立っていくのなら続けていけばいいと思う。

よくも悪くも人間は色んなことに慣れていく。この状況に慣れきってもはや不満にも思っていない人が多数だと思うけど、私たちは相当バカにされている。「私たち」には客だけじゃなくてエンタメ界にかかわる人たち全般が含まれる。バカにされているし、実際バカ。政治力も足りないからいつまでもこんなことが続くんだ。今日も開演前の不快なアナウンスメントを聞きながら思ったけど、あいつらはコヴィッドの感染拡大を防止したくて色んな不便(とさえ感じなくなっている人が多いだろうが)を私たちにかけているんじゃなくて、「コヴィッド感染拡大防止のための業界ガイドラインに従っている私たち主催者」というアリバイのためにやっているんだよね。もうみんな忘れているかもしれないけど、コヴィッド感染拡大防止というお題目って医療体制を整えるまでの時間稼ぎのために一時的にみんなで我慢をしましょうという話だった。いつのまにかこの風邪にかかること自体が罪という話にすり替わった。もう3年経つのにいつまでも逼迫、逼迫とか言っている。バカの一つ覚えのようにマスクを着けろ。注射を打て。検査を受けろ。それで世界最多のコヴィッド大国。じゃあどうする? もっとマスクを着けろ。もっともっと注射を打て。旅行をするな。旅行をしろ。それでもすべてを簡単に忘れ雰囲気で判断し何でも従い続ける奴らは死ぬまでカモられ続け、なめられ続けることになる。この間も私から1メートルから1.5メートルの距離で芽実が熱唱したり喋ったりしていた。もちろんマスクなしで。観ている私たちはマスク着用必須。つばきファクトリーのrelease partyでは75%という収容制限を守るために座席は前半分の列が100%収容、後ろ半分の列が50%収容。意味なんかあるわけがない。ルールはルールとか言っていつまでもこんなことを正当化する人のことを私は心から軽蔑する。『ハマータウンの野郎ども』で「野郎ども(lads)」が蔑む対象であるところの「耳穴っ子(ear'oles)」が多すぎる。ただ労働社会や社会の多数派に順応して立ち回っているだけの奴ら。悲しいことに、私たちは反抗の仕方を知らなさすぎる。

2022年12月25日日曜日

Meimi Tamura Musical Concert (2022-12-18)

久し振りに目覚めがよい。この日に体調の照準を合わせられたのは喜ばしい。調整してきたというよりは偶然だが。生きていて何が自分の体調を左右しているのかがよく分からない。原因不明で何となく調子が悪いということはよくある。自分の身体が既に耐用年数を過ぎていると考えると納得がいく。数日単位での因果だけでなく、もっと長い期間での影響もあるのかもしれない。『養生訓』をパラパラ拾い読みしていたら、この季節にこういうことをしていると次の季節にこういう不調が訪れるというようなことがよく書いてあった。田村芽実さんのファンクラブ限定ミュージカル・コンサート。12月9日(金)の夕方に当選を知ったときは本当に嬉しくて嬉しくて。その日の夜は初めて入った中華料理店で晩酌セットJPY990にお通しを出されて代金にJPY300くらい足されていたにもかかわらず警察を呼ばずに済ませた。それくらい喜びに包まれていた。外れる可能性も十分にあると思っていた。なにせ収容人数が50人という小さな会場で。その中でも限られた特等席だけを申し込んでいたからだ。三公演あって、第一希望が第二部のVIP席、第二希望が第三部のVIP席。今回はチケットぴあ経由だった。理解しきれないまま申し込んだのだが、複数公演の当選はできない仕様だった模様。ハイ・リスク・ハイ・リターンの選択だった。落選者が多数いたようだ。めいめいがインスタグラムのストーリーで言及していた。私は幸運にも当選した側ではあるものの、さすがにもうちょっと大きな会場でやってよと思わざるを得ない規模だった。

自由が丘オペラ座。コンサート会場というよりはちょっと大きめの部屋だった。小さな会場だと事前に知った上でもなお、驚きがあった。中に入ったら一目で全体が視界に入る狭さ。椅子が隙間なく敷き詰められていて、席を空けてもいなかったので、人が入りきるとさしずめすし詰めという感じで。私の整理番号は3番だった。予想していたように最前だった。左から三番目。最前は8席。たぶん2列目も8席で、その16席がVIP席だったようだ。左側にピアノがあったので、めいめいが歌うと思われる場所はやや右寄りだった。でも距離がめっちゃめちゃ近くて。本当に1メートルとか1.5メートルとか、そういうレヴェルの近さ。ここにめいめいが来ると思うと緊張してくる。何か周りのヘッズたちも緊張している感じがした。狭い空間で密集しているから何かお互いの緊張が伝わって、心地よくも重苦しい空気になっていた。開演までの数分間、完全なる沈黙が続いた。ピアニストの淑女(Ryoko Kuriyamaさん)が現れた際、本来は拍手で迎えるべきだったのだろうが、我々は微動だにしなかった。緊張が解けず、どうしたらいいかも分からず、おろおろしていた。そういう集合意識があったように思う。めいめいが登場した際でさえ拍手が起きなかった。

何回も良席で見たことがあるはずなのに、喫茶店や飲食店でテーブルを挟んでいるくらいの距離で見る田村芽実さんには新鮮な感動を覚えた。顔ちっちゃ! 脚細くて長! スタイル良! キレイ! これまで私が見てきたのが田村さんあるいはめいめいだとすると、今日、眼前にその姿を現したのは芽実という生身の女性だった。近すぎて芽実が口を大きく開けたときの口内、前歯の歯並び、舌の湿りが見えた。最初に一曲を披露してから芽実が言ったところによると、第一部では皆さんが近くて緊張した。第二部は緊張せずに出来ている感覚がある。芽実ご本人も緊張するくらいの近さだったので、我々が緊張するのも当然である。『繭期の子守唄』(『グランギニョル』より)を歌った際、知らない人のために、とTRUMPシリーズがどういう物語なのかを説明。登場人物の8割、9割が死ぬんですというざっくりさに私は思わずフッと笑いの手前のような反応をした。そのとき芽実も話しながら、釣られるようにフッと息を吹いていた。私の反応が芽実に連鎖した感触があった。普通に対面して話すくらいの近さだと、発話内容とか分かりやすい笑いとか拍手とかだけじゃなく、ちょっとした息遣いで伝わることもあるんだなと思った。これは私にとって新しい感覚だった。

『繭期の子守唄』について、レコーディング当時、まだ若かったので理解しきれずにただメロディを歌っていた部分がある。今では理解した上で歌うことが出来る的なことを芽実は言っていた。“Amazing Grace”は転調してからのキーが高すぎて、18歳のときにはとてもじゃないけど歌えなかった。歌える日が来るとも思っていなかった。最近歌ってみたら歌えるようになっていた。理由は二つ。一つは変声。女性の声は30歳手前くらいで楽器として完成する。二つ目はこれまでのミュージカル経験による技能の向上。芽実は歌手としてはもちろん、人間としても日々成長して魅力を増していると私は思う。前はもっと尖った一匹狼的なヴァイブスがあったけど、今は人格的に丸みを帯びてきているというか。もちろん、たまに観客として観させてもらっているに過ぎない私の勝手な印象だが。私は先日、家でスマイレージのコンサートBlu-rayを観ていたらだいぶ幼い芽実が出てきて、いつのコンサートかとジャケットのツアー名を見たら2013年。9年前かと感慨深くなった。ただ、そのときはスゴく推してますって感じではなかった。私を好きになってくれたのはアイドル時代からか、ミュージカルからか、という芽実による挙手アンケートがあった(いつも気になっているらしい。ファンクラブにいつから入っているのかとか)。第二部ではアイドル時代からが6割、ミュージカルからが4割(ちなみに第一部ではアイドル時代からの割合がもっと高かったらしい)。私はそのニ択でいえばアイドル時代からになるわけだけど、ここまで支持するようになったのはソロになってからだ。最初はHello! Projectを観るついでの副業程度だったのが徐々にこちらが本業になりつつある。日に日に引き込まれていく。

グッズ紹介のとき、芽実は再三に渡ってA3カレンダーをプッシュしていた。ポスト・カード型だけを買っていく人が多い(カレンダーは二種類発売されている)。自分で言うのもなんだけど可愛い。カレンダーと言ったら水着かなと思って、8月は水着を着てみた。一応元アイドルだから。お尻まで見えている写真をちゃんと選んだ。みんなが喜ぶかなと思って。最初は下の方が白く塗りつぶされた上に日付が書いてあるデザインが上がってきた。それだとお尻が見えない。悲しむ人がいるからお尻が見えるようにしてほしいとデザインを修正してもらった。的なことを言っていて、このくだりが今日のトークでいちばん会場が盛り上がった。終演後にはほぼ全員がA3カレンダーを買うために列を作っていた。VIP席のヘッズには特典としてカレンダー二種類があらかじめ席に置いてあった。特典といえば、種の袋詰めからシール貼りまですべて芽実が行ったという朝顔の種が全員に配布された。芽実からのクリスマス・プレゼント。

芽実のお母様が最前の一番右の席のさらに右側にいらっしゃるなというのは途中で気付いた。観に来ているんだなと思っていたが、まさか芽実とのデュエットを聴けるとは思わなかった。本田美奈子.さんの『幸せ届きますように』。レアなものを聴かせてもらった。こんなこと二度とないのではないか? お母様は終演後、階段を降りると(会場は二階だった)下からありがとうございました! ありがとうございました! という声が聞こえてきた。何だと思ったら芽実のお母様が来場者の一人一人に頭を下げてお礼を言っていた。私はコンサートで胸がいっぱいだったのと何も準備できていなかったので気の利いたことを言えず、というか何も言えず(ありがとうございましたくらいは捻り出したかもしれない)、ただ頭を下げた。

全員と目を合わせるのは普段ミュージカルで出演している会場では不可能。50人という少ないキャパの会場だから、一人一人の目を見て歌っている。こんなことがしたかったんだなと思いながら歌っている。ということを芽実は言っていた。これ以上はない。このままスッと死ねたらいいかもしれないな、と私は帰途で考えた。私がこの感情になるのはごく稀である。横浜F・マリノスの明治安田生命J1リーグ優勝にスタジアムで立ち会うのと同じくらいの幸福感を味わった。私の2022年を振り返るときに間違いなく最良の思い出の一つとなる体験だった。これを明確に超越する幸せはどう生きたってそう味わうことは出来ないのではないだろうか。私にとって2022年は激動の年だった。苦しい思いもたくさんしてきたが、生きてきてよかったと思った。来年も、部屋に芽実のカレンダーを貼って生きる。

2022年12月24日土曜日

Musical de Night (2022-12-03)

DEV LARGEさんにビーフを仕掛けられたときのK DUB SHINEさんのように「え? 何だよいきなり」と言いたくなるLINEが来た。「コンサート『Musical de Night』に出演が決定致しました!」から始まるメッセージが田村芽実さんの公式LINEアカウントから来たのが11月12日(土)朝9時。1時間後にチケットが発売されるらしい。事前情報はなかった。考える時間を与えてくれない。会場のサントリーホール ブルーローズ(小ホール)を画像検索したら雰囲気がよさげだった。行きたくなった。ファンクラブ先行受付はないとのこと。「すべて先着順とさせていただきます」という文面も気になったので、念のため10時になった瞬間にロー・チケにアクセス。途中で繋がらなくなる。二、三回。変わんない。ロー・チケはカス。ついでにローソンのアイス・コーヒーもまずい。ロー・チケに見切りをつけてeplusに切り替える。遮られることなく購入成功。10時4分。ロー・チケはカス。その場で席が表示される。2列14番! 先着順というのはどうやら単純に申し込んだ順に前から割り当てているっぽい。(昔インドで乗ったダラムシャーラーからニュー・デリーの夜行バスと同じ方式だ。あのときは真ん中から後ろはスカスカだったので勝手に席を移動した。)

六本木一丁目駅。池袋とは違うキレイな東京。所得高めな人しか寄せ付けない高級な雰囲気。サントリーホール付近で開場を待つ人々もちゃんとした外套を纏った落ち着きのある紳士淑女が多く、スポーツなど一切しないのにスポーティな装いを好む肥満体や禿げ頭たちがたむろするアイドル現場とは一線を画していた。ドレス・コードは示されていなかったものの、半袖teeの上にクルー・ネックのシャツで場違いではないだろうかと少し不安になった。襟付きシャツを着てきたほうがよかっただろうか? あまり持ってはいないが……。最前だったのでなおさら。入場してから知ったが椅子に貼ってある席番号には1列が存在せず、一番前が2列だった。それもど真ん中。もしかしてロー・チケですぐに買えていたらもっと左になっていたのだろうか? だとするとロー・チケで失った数分が結果としていい結果を生んだことになる。

収容人数400人程度の比較的こじんまりした会場で、豪華なオーケストラの生演奏とともに熱唱する田村芽実さんを目と耳に焼き付ける。至極の体験だった。田村さんと何度も目が合った気がする。たぶん。田村さんの出番は前半にソロで4曲(『アナと雪の女王』から“Into the Unknown”、『ジェイミー』から“It Means Beautiful”、『ポカホンタス』から“Colors of the Wind”、『魔法使いと私』から“Wicked”。好きな曲を自身で選んだという)。休憩を挟んだ後半ではデュエットを1曲(『輝く未来-塔の上のラプンツェル』。後述する渡辺大輔さんと)。あと最後に出演歌手全員の合唱(『星に願いを』)。田村さんはステイジに出てきた瞬間からこの場に立てる喜びが全身から溢れていた。輝いていた。物理的にも照明に当たって輝いていた。この輝きはフットボールでいうと、宮市亮さん。キャリアを通じて常に怪我に苦しまされていたから、プレイ出来ることの喜びが人一倍、観る方にも伝わってくる。こうやってミュージカル・コンサートをするのがニ、三年ぶりで……と話す田村さんは喜びを噛みしめているように見えた。収入に関係なく、仕事に対してそういう姿勢を持てる人が人生の勝者だと思う。これは必ずしも花形の職業に就いていることとイコールではない。たとえばフットボーラーだったら仕事が楽しいかというと実はそう単純でもない。

司会は芸能人に疎い私でさえ見覚えがある鈴木杏樹さんという淑女だった(“MUSIC FAIR”の司会をされていた方)。田村さんが歌唱後の鈴木さんとのトークで言ったところによると、アイドルとミュージカルでは歌うときの呼吸法がまったく違う。Hello! Projectを退団してから一年間、稽古を通じて呼吸法をアイドルからミュージカルに切り替えた。声楽が専門の紳士も二人出演していて、鈴木さんはそのお二人にも似た質問を投げかけていた。声楽とミュージカルの違いや生かせる部分は何ですかという感じの質問だったけど、あまり生かせる部分はないと片方の紳士が答えているのが興味深かった。そういえば田村さんが何かの配信で、演歌を歌ってみてほしいというコメントに対し、一口に歌といってもジャンルによって歌い方が違うので、そう簡単に別ジャンルの歌を歌えるわけではない的なことを言っていた。たとえば同じピアノでもクラシックとジャズではまったく異なるのと似ているのかもしれない。あとトークの中で勉強になったのが、音楽劇とミュージカルの違い。バン・マス的な紳士が説明したとことによると、厳密な定義はないものの一般的には音楽は音楽、芝居は芝居で分けられているのが音楽劇、音楽によって話が展開していくのがミュージカルとされている。

渡辺大輔さんという、田村さんと同じ事務所(BMI)に所属する紳士を初めて拝見した。田村さんがソロ4曲なのに対し渡辺さんは5曲だったのが事務所内の序列を感じた。(それでいうと他の歌手はソロが二曲もしくは一曲だったので田村さんの扱いはよかった。)たまにBMIからのメールで名前を見ていたので存在だけは知っていた。私と同い歳だった。この歳になると体型や見た目の個人差が非常に大きくなる。かなり禿げている奴や、だらしない体型の奴がゴロゴロ出てくる年頃。そんな中で渡辺さんは顔立ちが端正なのはもちろんのこと、生え際が後退しておらず、スタイルも保っており、かといって変に若作りをした風でもなく、カッコよく歳を重ねている感じがした。まあこりゃ女性たちがファンになるのも分かるなと納得。最近ご結婚なさったそうなので田村さんに手を出さないであろうからその点においては安心できる。

18時開演で、1時間50分くらいで休憩。この調子だと22時くらいまであるのかと思ったが第二部は短く、21時15分くらいに終演した。通しての公演時間は思ったより長かった。(何となく長くて2時間くらいと思っていた。)尺だけじゃなく内容も盛り沢山で。次々に歌手が登場してプロの技を存分に見せつけてくれたのはもちろんのこと、オーケストラだけが演奏する時間もあった。平原誠之さんというピアニストによる『レ・ミゼラブル』と『オペラ座の怪人』メドレーもあった。平原さんのプレイ・スタイルは魂を込めた憑依系。ガッチリした体躯も相まって迫力があった。『民衆の歌』を演奏してくれたのには気分が高揚した。横浜F・マリノスの歌でもあるからだ(ホームの試合で選手入場の直前にスタジアムに流れる)。平原さんは趣味が高じて来年4月23日にボクサーとしてデビューするとのこと。その試合で手を傷めるリスクがあるにもかかわらず、三日後の4月26日にピアニストとしての公演を控えている。出演者の殆どを存じ上げなかったが初見で聴き惚れてしまうほどに歌と演奏がうまかった。それを最前中央で浴びることが出来たのは音楽のリスナーとして幸せだった。一方で田村さんの追っかけとしては物足りなさが残った。もっと彼女の歌を聴きたかった。

2022年12月17日土曜日

つばきファクトリーFCイベント ~キャメリア ファイッ!vol.14 キャメリアXmas2022~ (2022-12-02)

根が健康志向に出来てるので崩したくない生活のリズム。無理に早起きせず後からアーカイヴで試合を観ようと思っていたが、根がフットボール小僧に出来てるので勝手に目が覚めた。iPhoneの電源を入れる。4時19分。Fire HD10でAbema TVを開く。日本0-1スペイン。当然のようにスペインが一方的にボールを保持している。たまに奪い返してもすぐに失う日本。点を取れる気配がない。私は日本0-3スペインと日本1-2スペインにJPY400ずつ賭けているが、このままだと日本0-3スペインの方が的中する可能性が高そう。(このWINNERってやつはスコアまでピッタリ当てないといけないのに払い戻しがしょっぱすぎる。胴元がマージンを取りすぎなのでは。)何とか失点ひとつで45分(+AT)を堪え忍んだ日本代表だが攻め手があるようには思えない。後半にとどめを刺されてボコボコにされるに違いない。と前半が終わった時点では思っていたが、その後は皆さんもご存じのように信じられない展開が待っていた。2-1で日本が勝ってしまった。2点目に繋がったあの場面は本当に鮮烈だった。ペナルティ・エリア内に侵入した堂安さんが右から送ったクロス。スペインのDFとGKが見送るしかない絶妙なコース。ゴール・エリアの左側で滑り込むが間に合わない前田大然さん。その先に身体を投げ出していた三苫さんが左足で折り返す。あのときボールがゴール・ラインに残っていた長さは1.88mmとも言われている。ボールがあと2mm前に進んでいればあのゴールはなかった。日本は予選リーグで敗退していたかもしれない。森保さんと選手たちへの評価も大きく変わっていたかもしれない。紙一重で天国にも地獄にもなる世界。

このワールド・カップでの日本代表について解説してほしい、と後日ジムでトレーナーの青年(野球ファンでフットボールには疎い。ボディ・ビルダー)に頼まれた。ストレッチをしながら私は大体こういうことを話した:ドイツとスペインに勝ったのは凄いと思いますよ。でもこれで日本がドイツとスペインよりも強いということにはならないんです。サッカーは弱いチームでも強いチームに勝つことがあるんです。采配とか、運とか、色んな要素が重なって、一試合単位ではそういうことも起きる。特に短期の大会では。だから、目標をどこに置くかですね。ベスト16なりベスト8なりに進むことそれ自体なのか、決勝トーナメントの常連チームと伍して戦えるようになることなのか。その二者は似ているようで違うんですよ。私がJリーグで応援している横浜F・マリノスというチームが、ワールド・カップでいうところのドイツやスペインのようなチームなんですよ。たまに日本のようなチームが守備を固めて一回のチャンスを決めて勝ったりするんです。もちろん、負けは負けですよ。ただそれで相手の方がマリノスよりも強いとは思わないんです。ちょっと前に天皇杯でヴァンフォーレ甲府というJ2でも下位のチームが優勝したんですけど、J1の全クラブよりもヴァンフォーレ甲府が強いとは誰も思っていません。それと同じです。(李国秀さんがYouTubeの動画で、勝負とフットボールは別物という旨のことを言っているのが腑に落ちた。勝負に勝ったからといってフットボールで勝っているとは限らない。)

午前在宅勤務、午後休。大量の残務を週明けの月曜日に持ち越す。入社当初とは徐々に苦しさの種類が変わってきている。分かることが少なすぎてすべてが手探りのストレスよりは業務量が多いストレスの方が断然マシだ。楊2号店で汁なし担々麺。私が足繁く通っていた3号店は料理人と給仕係が替わり、味も変わってしまった。このあいだ久し振りに汁なし担々麺を食ってみたが、これじゃないんだ。調味料の配合だと思う。2号店は本来の味を維持している。日暮里駅前のエクセルシオールで赤松利市さんの『東京棄民』を読む。4時19分から起きているせいか、気怠くなってくる。居眠りしてしまう前に店を出る。青砥とかいう東京の癖に辺鄙で読み方もよく分からない駅へ。F君、首の皮一枚で明治安田生命J1リーグへの残留を決めたクラブのサポーターであられる紳士と合流。

最近Hello! ProjectでもようやくQRチケットが導入され始めた。この公演もその対象で、私にとってはHello! Projectの公演にQRコードで入場するのは初めてだった。「電波障害でQRコードが開けない場合に備えて、QRコードが表示できましたらスクリーンショットで予め保存をお願いいたします」と書いてある画面で「QRコードを表示」を押すと、次の画面では「スクリーンショットはご利用いただけません」と書いてある。どっちなんだよ。馬鹿が。これを見たら秋葉忠宏さんも「ディス・イズ・アップフロント!」と叫ぶに違いない。

前日にグッズ写真で確認した衣装で、見所は秋山さんの大腿部と当たりをつけていた。見立て通りだった。しかも実際に観ると中がボクサー・ブリーフのようなピタッとした赤い短パンで、その下に穿いている黒いアン・スコを何度も見せてくれた。特に逆さ言葉で出されたなぞなぞの原文を理解するために床に指で書くためクロッチを見せつけるようにしゃがみ込んでいるときが絶景だった。好きになってしまう。大腿部もまともに露出せずドイツ戦とスペイン戦の日本代表が敷いた守備ブロックのようにガードの堅いメンバーさんの多い中、一人だけアンジェ・ポステコグルー監督時代の横浜F・マリノスのような高いディフェンス・ラインで攻める衣装。観ないのが失礼。一部と二部の間の時間に秋山さんの衣装の話をしたところ、J2降格目前だったクラブの支持者であられる紳士も見逃していなかった。浅倉さん(彼女の衣装もクオリティが高かった。デコルテを丸出しにして見せてくれた)を見つつ間接視野で秋山さんも見ていたとのことだった。山岸さんや谷本さんの肌面積が狭いのは納得がいかない。自分の存在意義とは何なのか、顧客に提供できる価値は何なのか、他のメンバー(特にリト・キャメ勢)と比較したときの強みは何なのか、その辺をちゃんと理解できていればあの肌面積にはならないはずだ。Hello! Projectのコヴィッド対策(笑)下における質素な演出、声で一緒に作り上げることを許されない鑑賞方法の制限、大したことのない曲、生演奏ではない音楽、本業の歌手やダンサーには及ばないパフォーマンス・レヴェル、それで何が残るかというと女の身体。生イメビ。だから肌面積を広くしないと成り立たない。私にとっては。

おみずちゃんに関して言えば、一部で自己紹介のキャッチ・フレーズを他のメンバーさんが考案するくだりがあった。お水もしたたるいい女というのが最終的に採用されたと私は記憶している。新沼希空さんが言った、キャベツの大盛り無料が大好きです、というのが一番おもしろかったが、おみずちゃんがイヤがって不採用となった。各メンバーさんからのサンタさんにお願いしたいことを叶えるという体で色んなゲームをやっていた。もちろんメンバーさんたちがキャッキャ言いながら色々やっているのは可愛らしく微笑ましかった。Hello! Projectにしては面白かった。さわやか五郎の仕事ぶりも評価できる。だが誰が何をやったのか、一部が誰で二部が誰だったかとかをいちいち思い出して書き残したくなるほどの熱は私にない。今日という一日において日本対スペインに比べるとつばきファクトリーのFCイヴェントはおまけでしかなかった。終演後、三人で恵比寿のどんくという店に入った(移動に一時間以上かかり、青砥の遠さにイラつかされた)。名物のチキン・カツ定食は枚数を選べる。2-3枚がJPY900、4-5枚がJPY950。夜に定食が食える居酒屋は稀少。値段が手頃で味もよく、気に入った。近場にあったら間違いなく通う。

2022年11月6日日曜日

田中れいなバースデーイベント おつかれいな会11!~2022やし33歳やし誕生日11月やしゾロ目魔閃光やん!ピッコロさーんTrick or Treat~ (2022-10-30)

禿げ散らかした中年スタート・ポイントの誘導を受け、階段で3階。Miyaがバースデー・イベントをやった会場の3倍くらいありそうな客席数。いま検索してみたらMiyaのときのシダックス・カルチャー・ホールは127席。今日の一ツ橋ホールは807席。3倍どころか6倍以上である。それくらい人気に差があるのだろうか? Miyaがどうのというより田中が特別なのだろう。現役Hello! Projectの中でもこの客席数で2公演をきっちり埋められるメンバーさんは限られるだろう。今日が日曜日だというのを差し引いても。エム・ラインのメンバーさんのバースデー・イベントが誕生日ではなく付近の週末に開催されるのは、我々が来場しやすいようにというよりはメンバーさんが彼氏サンと大切な時間を過ごせるようにするための配慮と考えるのが自然だ。エム・ラインの位置づけとしてメンバーさんはいわゆるアイドルとしての第一線からは退いて、ワーク・ライフ・バランスを保ちながらほどほどの活動をやっていく。(それ以上の規模で売る能力もノウハウもアップフロントにはない。)公表するメリットがないからしていないだけで彼氏サンも当然いる。エッチもする。稲場愛香さんもエム・ライン加入が発表された。まなかん パン・パン・パン!(※氏のJuice=Juice最終公演における手拍子。)彼女たちもそれなりの年齢なんだし、君たちも大人なんだからその辺は分かってくれ。そういう暗黙の了解がある。だからエム・ラインのメンバーさんが突然、結婚を発表しても支持者たちは動揺しない。もっとも宮本佳林さんは12月1日の当日にバースデー・イベントをやるようだ。メンバーさんによってスタンスの違いがあるのかもしれない。今日の話しぶりだと田中も場合によっては当日(11月11日)にやる道もあったっぽい。でも仕事上の都合がつかなかったとかで、10月30日か、11月の終わり頃のいつかの二択を会社側から迫られたらしい。宮本さんは6月のリリース・パーティでまだアイドルとして現役のつもりでやっていると言っていた。今日の田中もアイドルだからと言ってトイレに行った話をするかどうか逡巡していた。この話は面白かった。内容としては、カラオケ店で「オレンジ・ジュース」を出すためにトイレに行ったら中にお化けがいた。こわくて部屋に戻ったらそのお化けがトイレから出てきて各部屋のドアをドンドン叩いて回っている。れいなの部屋に近づいてくる。おそらく酔っぱらい。お酒を飲む人は気を付けてほしい。酒を飲んでも飲まれるな。という話。これから何を話すんだろう、どう話が転ぶんだろう、と興味を引きつける力があった。流石。そういえばモーニング娘。の頃の道重さゆみさんとの二人トークはちょっとした漫才級に面白かったもんな。田中一人のトークは抜群に面白かったのに、上々軍団の二人が混ざると途端につまらなくなる。仮にも芸人を称する紳士たちが二名加わってトークのクオリティが落ちるとは普通は考えられない。毎度のことだが、彼らにはうんざりさせられた。上々軍団が出ずっぱりのイベント前半が完全に蛇足。あのゲームの類は上々軍団どころかエスタシオンやスタート・ポイントの奴らが考えているのではないかと思えるくらい酷い。自民党政権の政治と同じ。上々軍団という身内の利権団体に仕事と税金(FC会員が納めたお金)を回すためにこういうイベントになっているとしか思えない。純粋に最高の時間・空間を作ろうとしたらこうなるはずがない。もっとも、五郎と鈴木はちゃんと分けて考える必要がある。五郎はまともだ(たしかに彼のYouTubeは何ひとつ面白くないかもしれないが)。特に二部での五郎はよかった。三人(田中、鈴木、五郎)で大縄跳びをやるというゲームがあったのだが、鈴木に飛ばせる流れを作り、縄を回すのを徐々に速くして無茶なスピードにする。速すぎるだろと鈴木が抗議すると、速くないですよね? と客席に問いかけて拍手を促す。その後も、飛ぶのが疲れるという鈴木に、縄を回すほうが疲れますよね? と問いかけて拍手させる。そのパターンを繰り返す。これは面白かった。一部でドラゴン・ボールに関するクイズ(ある場面における孫悟飯の年齢)を鈴木が読み上げ田中が答えるくだりがあった。田中の回答に対し、俺は違うと思うと言って鈴木が答えを変えさせた。ところが田中が言っていたのが正答だった。とんでもない失態。お前、司会者として最悪だなと五郎が突っ込む。五郎はこういう真っ当な立ち回りが出来るのが評価できる。しかしそれに対し鈴木は「いや、俺がそう思うって言っただけだから」なぞと普通に言い逃れていた。どうも彼はいじられたり突っ込まれたりしてもそれを笑いに変える気がないらしい。もしかすると私でも分かるようなお笑いの基本が分かっていないのではないか? まさかそんなはずはないよね。まさか……。進行役は鈴木なしで五郎だけだったらだいぶマシだったと思う。私はステージを観ながら、鈴木死なないかな……と思ってしまった。実際に死ななくてもいいからステージに出られなくなってくれないかな。薬物で捕まるとか。ヤクブーツでやめろ。田中、鈴木、五郎が三人で遊ぶのを見せられるという虚無の時間。俺は何を観に来ているんだ? という疑問。ヘッズのみんなはこれを楽しいと思っているのか? だとするとある意味、ハーコーすぎる。エム・ラインのバースデー・イベントはいくら土日で来やすいからといってよほど筋金入りのファンではないかぎり来ない方がいいのではないか? ましてや二回とも入るなんて。一部を終えた時点で、私は一部と二部の両方に申し込むという判断をやや後悔した。たしかに田中はワキを惜しみなく丸出しにしてくれた。ワキを双眼鏡で追いたいと思える33歳なんていくらアイドルさんといってもそう滅多にいない。一級品。『ザ☆ピース!』の台詞部分を博多弁で聴けたのも貴重でよかった。だが前半の上々軍団との絡みがきついし、後半のコンサート部分も5曲のみ。モチベーションが高まらない。昨日との落差も大きい。横浜F・マリノス対浦和レッドダイヤモンズ。日産スタジアム。4万6千人の熱狂。身体から抜けないあの感覚。それに対し今日は数百人が静かに観ている。フットボールの現場は徐々に熱狂を取り戻しつつある。アップフロントの現場はいつまで経っても辛気くさい。この温度差。切り替えるのに少し時間を要した。ところが分からないもので、二部は打って変わって楽しめた。第一に、先述したように五郎の活躍で前半が面白かった。第二に、衣装が一部と違っていた。一部ではワキだったが二部ではふとももを大々的にフィーチャーしたスケベ衣装だった。第三に、一部では席が26列だったが、二部では8列だった。体験として全然違った。それに一部ではひとつ前にいた立方体を積み上げたような体型の紳士が無駄に右に傾くのでステージ中央への視界を塞がれていた。一部では周りに双眼鏡を使っている人が多かった。さすがに二部だとその数は一気に減ったが私はそれに構うことなく自分たちのフットボールを貫いた。6倍の双眼鏡だとちょうど田中の全身が収まるくらい。改めて、本当にキレイで可愛かった。なんかもう、惚れ惚れしてしまうというか。来月33歳になる田中をレンズ越しに観ていると、彼女がモーニング娘。に入り立ての頃や、私がモーニング娘。のコンサートで観ていた10年くらい前の映像が脳内に蘇ってきた。その間、田中れいなという存在がまったくブレずに変わっていない。畏敬の念を抱いた。なんか不思議な気分だった。夢の中にいるような。変わらずあの容姿であの歌を聴かせてくれる田中。非現実的だった。今日は一部でゲンナリしたものの、二部で大きく盛り返し、来てよかったという気持ちに変わった。ただね、もっと歌が聴きたかった。5曲は少ないよ。田中の歌が素晴らしいのは言うまでもないんだけど、この曲数では温まりきらないというか。最近Hello! Projectで多くのメンバーさんがやっているようなソロ・コンサートが理想だが、そこまでいかなくともあと1、2曲は歌ってほしかった。今日はラベンダーの『この世に真実の愛が一つだけあるなら』が一曲目だった。オカ・マリさんのコーラスだけを残したトラックが作れなかったので田中コーラス入りバージョンを録り直した。エム・ラインのコンサートで歌える曲を増やすために他にも何曲か同じように録り直したとのこと。『この地球の平和を本気で願ってるんだよ!』は当時、高音を出すのが苦手だったのに高音がすべて自身に割り当てられるので大変だった。でも今歌うと気持ちよかった、的なことを言っていた。そういえば二部に目元の画像だけで誰かを当てるゲームがあって、私に分かる人なのかと不安げな田中に「豫風瑠乃が出ても分からないもんね?」と五郎が聞く。「ヨフール? って誰? グループ?」的なことを田中が言って笑いが起きた。現役のHello! Projectはあまり追っていないんだね。同業者に曲でディスられて、アンサー・ソングで俺はそもそもお前のこと知らねえ的なことを言うドクター・ドレーのような大物感がある。このイベントで発売されたTシャツはなかなかよかった。一部の入場後にグッズ販売列に並んでも開演に間に合わなさそうだったので諦めた(しかもMだかLだかは売り切れたらしい)。e-lineupで注文した。今はもう手元にある。早く田中が出るエム・ラインのコンサートで着たい。終演後、会場前で立ち止まらず駅に向かって歩いてくださーい、とひたすら連呼する、脳を殺さないと出来ない仕事。私なら発狂しそうだ。彼らはロボトミー手術でも受けているのだろうか?

2022年10月23日日曜日

M-line Special 2022 ~My Wish~ (2022-10-16)

モリヴァのモーニングはサンドウィッチが何種類かあってそれぞれにアルファベットが振られている。Dで注文したつもりが請求された金額が違うので確認したところ、Bとして処理されていた。ただでさえ店員も客もマスクをさせられてお互い声が聞き取りづらい。注意しないとBとDの違いは微妙。一定の割合で聞き違えが起きるのは必然。短い上に聞き分けの難しい音を混在させるのをやめられないか? せめて番号にするとか。もしくはメニューの名前だけにするとか。こういう店の本部に勤めているやつらはそういうことを考えもしない。馬鹿なんだと思う。昼飯の店を物色。昨今は本当にあらゆるものの値段が上がっている。みなとの前を通りがかったらさしみ定食がJPY2,000になっていた。前にF君と二人で来たときはJPY1,650(JPY1,500+消費税)だったはず。値段分の価値があるとは思うけど昼飯に酒もなしでJPY2,000は出しづらい。池袋の店がピンと来ず、新大久保に移動して川覇王で水煮魚を食った。味付けは同じだけど水煮肉片のほうがいい。

この週末は予定がなかったのと、会場が横浜だったのでエム・ラインのコンサートを入れた。深入りはせず、昼公演のみで。ただ、いざ当日になってみるとさほど気が乗らない。申し込まなくてもよかったのではないかという考えが頭をよぎる。何せ、ランドマーク・ホールである。冷静に考えると、おみずちゃんのバースデー・イベントのようにどうしてもその場に居合わせたい公演ではない限り、進んでこの会場に足を運ぶべき理由がない。コンサートを観るのに適した会場ではない。傾斜のないフロアに椅子が置かれただけのカス会場。しかも公演毎にドリンク代JPY600を支払わないといけない。横浜は馴染みのある土地ではあるが(私はこの町で生まれ育ったし、今でもマリノスを観るためにしょっちゅう行っている)、家から片道で一時間くらいかかる。

開演は14時45分。サテンに入るほど時間は余っていない。書店で時間を調整した。『40歳からは自由に生きる』という私向けに書かれたような新刊を見つけ、思わず購入。人体の耐用年数が三十数年というのを以前に何か本の帯で見たことがあって、頭に残っていた。この種の話を読みたいと思っていた。
自然環境におかれた場合の生物の寿命を「自然寿命」といい、脊椎動物の自然寿命の推定に利用されるのが、「DNAのメチル化」といわれる現象です。そして、このDNAのメチル化から割り出された人間の自然寿命が38歳でした。チンパンジーやゴリラの自然寿命もほぼ38歳で、私たちの「親戚筋」ともいえるネアンデルタール人やデニソワ人の化石のDNAを調べると、ともに38歳でした。
霊長類の自然寿命はどうやら38歳あたりのようで、同じ霊長類の仲間である人間の自然寿命が38歳というのは、妥当な線といえるでしょう。
(池田清彦、『40歳からは自由に生きる』)
筆者によると生物学的に見れば人間の40歳以降はおまけの期間なのだという。私がこうやってランドマーク・ホールに女を観に来ているのもまさにそれに相応しい過ごし方だな、と思いながら入場。JPY600のドリンク引換券をおみずと交換。今日のステージにおみずはいない。

宮本佳林さん、小片リサさん、小関舞さん。ゲストに佐藤雅樹さん。小関舞さんを拝見するのは何年ぶりだろうか。アップフロントが私に与えた席は11列の右側。左前が空席だったのでステージ中央がちゃんと見える。思っていたよりも近かったし、なんだかんだで楽しみになってきた。客席を見渡すと、禿げていればいるほど原色を身に纏っている。開演し登壇した宮本さん、小片さん、小関さんの全員がツイン・テール的な髪型にしていた。後で宮本さんが解説したところによるとセット・リストのテーマが熱く、可愛く、とのこと。皆さんが胃もたれするくらいのセット・リストにした。小片さんが、コッテコテのね、と付け加えていた。私はてっきり先日の戸田での公演と同じセット・リストで来るのかと思っていた。だって同じツアーのはずだし。今日来るのがややダルかったのはそれもあった。ところがフタを開けてみると曲目がほぼ総入れ替えだった。今日は宮本さんが座長の公演だったらしく(座長というシステムがあったのを私は知らなかった)、彼女がセット・リストを組んだらしい。

こんなのが許されるのか? 反則なのではないか? と感嘆するほどのセット・リストだった。詳細は各自で検索してもらうとして、私にとって最大のハイライトは『女ばかりの日曜日』だった。小片さんが歌い、宮本さんと小関さんがバック・ダンサー。スマイレージの名盤『悪ガキッ①』の中でも特に私が好きな曲。イントロが流れてきた瞬間にうわーってなった。前もそうだったけどエム・ラインのコンサートではこういう瞬間が何度も訪れる。音楽としてのHello! Projectは明らかに前のほうがドープだった。私が過去のHello! Projectの音楽のほうが好きだったことの証拠を、次々に突きつけてくるコンサート。小関さんが在籍していたカントリー・ガールズの曲が盛り沢山。『浮気なハニーパイ』を本家のメンバーさんがパフォームするのを観られたのは貴重な経験だった。『傘をさす先輩』はおみずちゃんのバースデー・イベントで聴いたばかりだった。この短期間で二度聴くとは。『ロマンティック 浮かれモード』のような分かりやすいクラシックも容赦なく投下される。小片さんと宮本さんが二人でパフォームした『My Darling 〜Do You Love Me?〜』では小片さんのお尻の振り方が驚くほどぎこちなかった。現役つばきファクトリーの最後に入った四人の誰よりも腰が入っていないので、処女であることが確定した。最後の『今夜だけ浮かれたかった』は佐藤さんの希望で宮本さんが選曲したらしい(ところで小片さんはつばきファクトリーの曲をどういう気持ちでパフォームしているのだろうか? ご本人の言葉で聞いてみたいところだ)。終盤の「どうしたら輝けるの?」(原曲ではおみずちゃんのソロ・パート)は小片さんが歌っていた。私としては佐藤さんに歌ってほしかった。おみずちゃんが喜ぶだろうから。前にも書いたようにクソ曲をいかに声を出して身体を動かして盛り上げていくかというのが通常のHello! Projectのコンサートの醍醐味だった。それだけに現状の座って黙って観てろという制限下では物足りなさが残る。エム・ラインのコンサートはクソ曲がなくセット・リストの構成も素晴らしい上に出演者がHello! Projectにいた中でも特にエリートだけなので、座って観ているだけでも楽しく、満足できる。ただ出演者の皆さんにとっては大変だったらしく、重圧と緊張を感じながらやっていたらしい。小関さんは、皆さんが思っているよりもリハーサルの期間が短くて、と言っていた。たしか宮本さんのブログに書いてあったと思うけどリハーサルは一日だけだったらしい。小関さんは、可愛い曲をやるのは意外に疲れるんです。知識として知っておいてほしい。ピョンピョン跳ねたりするので。と言ってヘッズの笑いを誘っていた。(小関さんといえば「本日はお越しいただきありがとうございます」という言い方をしていて感心した。現役ハロ・メンの皆さんは「来ていただき」という可愛い敬語を使いがちなので。まあそれはそれでいいのだが。)(小関さんといえばその二。二着目の衣装でお召しになっていたTシャツが印象的だった。KEEP IT SIMPLE AND HAVE FUN. EXPRESS YOURSELFという小関さんらしいメッセージ。後で調べたらMOUSSYというブランドのものだと分かった。)小片さんは、(この一公演を無事にやり遂げただけで)全国ツアーを走り抜けたような、全都道府県を5回ずつ回ったくらいの感覚だと言っていた。私は公演前のモチベーションは低かったが、とても楽しめた。来てよかったと思った。夜公演も入りたいくらいだった。エム・ラインのコンサートを観るのがまだ二回目なのであまり比較は出来ないが、おそらく今日は特に大当たりの回だったのだと思う。公演毎に座長が決まっているのであれば、今後はどの公演に申し込むかを座長で選びたいくらいだ。宮本さんが組んだ凄まじいセット・リスト。わずかなリハーサルでも企画倒れに終わらせなかった出演者さんたち。安パイを狙わない素晴らしいコンサートだった。私は可能であれば安パイな生活を送りたいし、楽をしたいし、労働から引退したいが、才能のある選ばれた人々には挑戦してほしい。彼ら、彼女らが自らの能力を最大限に生かして挑戦している姿。それは美しい。終演後、フットボール天皇杯の状況を確認したところサンフレッチェ広島がヴァンフォーレ甲府と引き分けていた。Twitterで経過を追っていると、延長戦でも決着がつかず、ペナルティ・シュートアウトを制したヴァンフォーレ甲府が天皇杯の覇者となった。

2022年10月10日月曜日

ヘアスプレー (2022-10-01)

『ヘアスプレー』の田村芽実ファンクラブ先行受付の時点で、明治安田生命J1リーグの後半日程の詳細が確定していなかった。この週末にアウェーの名古屋グランパス戦があることは分かっていたが、土日のどっちなのか、何時に始まるのか、それは7月29日(金)まで分からなかった。今Gmailで検索したら私が『ヘアスプレー』のチケットを申し込んだのが1月23日(水)だった。半年以上経つまでマリノスの試合と『ヘアスプレー』のどの公演が被るのかが分からなかった。被らないよう祈りながら申し込んだのが10月1日(土)の夜公演。18時開演。7月29日(金)に発表された明治安田生命J1リーグの後半日程。マリノスの試合は同じ日の16時キックオフ。重複は免れた。けど本当にギリギリ。試合が終わるか終わらないかくらいにミュージカルが始まる。Fire HD10をバックパックに入れて出かける。出先でDAZNを観るために購入した。iPhone SE (2nd generation) ではさすがに物足りないとずっと思っていた。10.1インチの画面だと、そりゃ大迫力というわけにはいかないけど、手元に置いてフットボールを観る分にはまあ十分。

サテン→ストリート→東京建物ブリリア・ホール前の広場→入場列→座席と場所を変えてFire HD10で名古屋グランパス対横浜F・マリノスを観た。これがこれが本当に素晴らしくて。久し振りにマリノスらしい、心底スカッとする試合。4対0でマリノスが勝ったけど、もっと点が入ってもおかしくはなかった。水沼宏太さんはハット・トリックのチャンスを3回逃した。後半アディショナル・タイム、最後の最後に藤田譲瑠チマさんが右足を振り抜いてとどめの4点目を決めたときは思わず笑ってしまった。そのまま試合終了。川崎には引き分けて、マリノスには0-4で負けてくれる。名古屋様々である。現地観戦されていた森川さん(名古屋ファンとして最近明治安田生命J1リーグを観るようになった)に強いマリノスをお見せすることが出来てよかった。イヤフォンを外し、Fire HD10をバックパックに仕舞い、数分後に『ヘアスプレー』が開演。さすがにね、この短時間では気持ちを切り替えることが出来なくて。どうしても試合の余韻が残ってしまって。序盤は試合の場面が頭に浮かび、劇に集中できなかった。ステージに近い席(F列の右側)だったので勿体なかったが、仕方がない。試合を観ないわけにもいかなかったし。もちろんずっと気が散っていたわけではなく、少し時間がたつと私は『ヘアスプレー』の世界に入り込んでいた。

観るのが2回目だったのと、席がステージに近かったのとで、1回目とはまた違う見方、楽しみ方が出来た。コロコロ変わるアンバーの表情。テレビ番組の出演中、コマーシャルから本番に戻る瞬間に急にスイッチを入れて過剰なまでにニコニコのぶりっ子になる感じとか、トレイシーに皆の注目を奪われたときの呆気に取られたような、焦ったような反応。「いじわるアンバー」という情報をあらかじめ入れていたのもあって、先週に初めて観劇したときはとにかくアンバーの意地悪さが目に付いた。でも今日2回目を観て、それだけじゃなくチャーミングでコミカルな面も大いにあるな、と。アンバーの新しい魅力に気付くことが出来た。終盤にミス・ティーンエイジ・ヘアスプレーのコンテストでトレイシーに逆転され、アンバーが失神する場面。このときしばらくアンバー(めいめい)がステージの(こちらから見て)右側の椅子に座っている。私の席が右側だったので、このときのアンバーを細かく観ることが出来た。朦朧としていた意識を徐々に取り戻し、呆然とし、ステージ中央でトレイシーが主役になっている現実を受け入れられずに首を振り、顔を歪めて泣く。一連の表現が可笑しく、可愛かった。この場面で差し出されるのがウィルキンソンのジンジャー・エールだったというのは前に書いた。今日、F列から双眼鏡で見て、瓶の逆三角形がエンジ色だったので辛口の方だと特定できた。私が不思議に思っているのが、気を失った相手に差し出すのがなぜ水ではなくジンジャー・エールなのだろうかという点。意識がはっきりしていない状態であんな強い炭酸を口に入れたらむせてしまいそうなものだ。もしかするとアメリカの文化ではジンジャー・エールが気付け薬のような位置づけなのだろうか?

これから列毎に規制退場を行いますという係員の声が場内に流れても鳴り止まない拍手。幕を再度上げての演者さんたち再登場。最後に残った渡辺直美さんが身振りで拍手をやめさせ「帰って」と言い、ドッと笑いが起きて終幕。(と思っていたが、後で渡辺氏がインスタグラムで補足したところによると「気を付けて帰って」と言っていたのを、最後の「帰って」だけマイクロフォンが拾ったらしい。)

それにしても今日に限らずコンサート、ミュージカル、特典会などに動員される係員という職種。客全員に無視されながら、ざわざわと楽しく賑わっている客席に向けて「感染拡大防止のためお喋りはお控えください」とか、ほぼ全員が屋外でもマスクを常につけて感染拡大している国で「感染拡大防止のためマスクを鼻まで上げてつけてください」とかの与えられた文を大声で読み上げる仕事。思考力があったら頭が狂うはず。あんなことをやり続けているのでは、年齢が若くても実質的にシルバー人材だと思う。最近、静かな退職(quiet quitting)という言葉をTwitterで見たが、彼らは職選びの時点でそれを実現させている。資本主義の苛烈な労働市場に対する一種の抵抗である。私は彼らを軽蔑すると同時に羨んでいる。今の私は彼らよりも高い給料を貰っている。それでも私は(係員になりたいという意味ではなく、大きな意味で)彼ら側の世界に入りたい、シルバー人材になりたいという願望を隠しきることが出来ない。シルバー人材的な仕事で最低限の衣食住と安定を確保した上で、必要や興味に応じて色々なことを経験してみたい。次に転職をするときには、それが私が目指すべき方向性なのかもしれない。

つばきファクトリー 小野瑞歩バースデーイベント2022 (2022-09-29)

制度上は私にも夏季休暇が取れる。権利を行使するよう上司も推奨してはくれる。しかし権利として休暇の枠があるのと、それを安心して使える精神的な余裕があるのとは別の話だ。私が転職して三ヶ月が経過しようとしている。新しい環境、新しい業務に慣れつつある面もあれば、まだまだ大変な面もある。基本的に常に気を張っている。休みの日でも、やり残したこと、休み明けに待ち受けている業務が頭から完全に離れることはない。休みの日を設けないで働き続けた方が楽なのではないかと思うこともある。私はつばきファクトリーが8月25日(木)に山梨県で開催した重要なコンサートの観覧を断念した。仕事を選んだ。そうせざるを得なかった。現実的な人生の選択として。転職したばかりの会社を休んでアイドルのコンサートを観るために山梨県に行っている場合ではなかった。しかしこの日だけは易々と諦めるわけにはいかない。夏季休暇を取得。

長袖Tシャツでちょうどよい天候。何を血迷ったのか横浜FCのスポンサーになるという一大失策を犯したハングリー・タイガーでダブル・ハンバーグのレギュラー・セット。プロント・イル・バールでレーコー。豊島ミホ、『ぽろぽろドール』を読む(田村芽実さんの推薦図書)。カプセルプラス横浜。湯→水→サウナ→水→サウナ→水→サウナ→水→湯→水→湯。平日で利用者が少ないため水風呂がキリッと16度に保たれている。休日だと保冷が追いつかず18度まで上がっている。ちんちんを洗う(身を清める)儀式を済ませ、万全の体制でみずほちゃんに会いに行く。ランドマーク・ホール。

1部。16時45分開演。アップフロントが私に割り振った席は2列。1列はなかったので最前だった。2017年、2018年、2019年、2020年、2021年、と9月29日(2018年だけは9月30日だったね)に彼女のバースデー・イベントを観覧して来て、6年目の2022年に初めて座る最前。長い時間をかけてようやくたどり着いたという、ちょっとした感慨があった。まあたどり着いたっていうか、単なる運だけど。Hello! ProjectのFCイベントは前日に公開されるグッズのページで衣装が分かるのだが、昨日公開されたみずほちゃんのそれは肌面積が広め。何かにつけて"大人っぽい"衣装を所望する最近の彼女の心意気を感じた。近距離で観られるのが楽しみだった。曲から始まるというこれまでに彼女がバースデー・イベントでやってこなかった登場の仕方。この曲は、ああJuice=Juiceの。えっと、『ペロリと』みたいな。違うな。何だっけ……。いいな、この衣装。みずほちゃんの身体の形が強調されて。今のみずほちゃんはちょっとムチッとしていていい具合だな〜。これくらいの感じで写真集を撮ってほしいな。小さくて生地の薄いビキニで。ああ、思い出した。『ポツリと』だ。なぞと思いながら呑気に聴いていたが、そういったしょうもない思考は見る見るかき消され、みずほちゃんの歌に引き込まれていった。最前なのもあって最初はとにかく肌面積の広い衣装を目に焼き付けるつもりだったが、思わず歌に聴き入ってしまった。

挑戦的なセットリスト。みずほちゃん曰く、1部と2部でガラッと変えている。1部はつばきファクトリーの歌詞に出てくる女性像をイメージして組んだ。つばきファクトリーの曲をひとつも入れずにそれを表現しようという試みが面白い。歌うときの感情の込め方には鬼気迫るものがあった。切なく重い曲が多く、好き、片思い、キス、といった言葉が続く。自身の去就に関するなんらかのメッセージが込められているのではないかという不安が私の頭をよぎった。田村芽実さんはHello! Project在籍時、2015年のバースデー・イベントで最後の曲に“Never Forget”を選んだ。1部では中盤にテレサ・テンの『別れの予感』を歌った。それが12月3日で、12月20日に彼女がHello! Projectから退団することが発表された。バースデー・イベントの選曲はファンに向けての事前予告だったのだ。私はいっさい気付かなかったが。今日のみずほちゃんの曲選びも、これまでファンの皆さんのことが好きでした、でももうさようなら、とかそういうことなのか? 胸騒ぎがしてきた。でもみずほちゃんはセットリストを解説する中で、私はアイドルなので、心配した人もいるかもしれませんが、そういうことではなく……と打ち消していた(ここでいうそういうこととは、恋愛に夢中になっているという意味だと思うが)。でも色々と勘ぐってしまうくらい、聞き手に訴えかける、力のある歌だった。曲そのものの強さも相まって(『抱いてHOLD ON ME』なんてまさにそう)。

1.『ポツリと』
2.『氷点下』
3.『ずっと好きでいいですか』
4.『抱いてHOLD ON ME』
5.『好きすぎてバカみたい』
6.『好きって言ってよ』
7.『Missラブ探偵』(feat. 秋山さん)
8.『アンラッキーの事情』
9.『今すぐ飛び込む勇気』
(出典:みずほちゃんのブログ)

同僚の秋山眞緒さんがトーク相手+一曲の共演者として部分的に出演。私、司会の方を呼ぶのは初めてなんです。これまでずっと一人でやってきて……と言ってから思い出したように、上々さんとかはいましたけど、と付け足すみずほちゃん。秋山さんはデニムの短パンから脚の大部分を見せてくれた。左に比べ右の生地が若干短く、こちらに背中を向けた際にはお尻の始まりくらいまで見せてくれた。生脚の質感。たまらなかった。私はみずほちゃんの歌に聴き入り、まおぴんの脚を性的に観るというゲーム・モデルを確立した。みずほちゃんと共演した『Missラブ探偵』だけでなく、あと何曲か彼女がステージで歌って踊るのを観たかった。実は最近の私は秋山さんのことをかなりいいなと思っていて、8月には個別お絵描き会に参加した。そのときに描いてもらったのが現在(2022年10月10日)のTwitterアイコンである。一対一で対面して接してみて、いい子だなと思った。トークではみずほちゃんとの仲の良さが存分に伝わってきて、楽しくない時間が一秒もなかった。これまでいかに鈴木啓太に無駄な時間を過ごさせられてきたかを痛感した。みずほちゃんの4年越しの願いだったという占いのセグメント。いかにも低予算で探してきた感の強い、泡沫感の漂う占い師。その人は登場すらせず、秋山さんが占い結果を読み上げる。曰く、コンサートやイベントの前に発声と滑舌の練習をするといい。(それは占いなのか?)みずほちゃんはバースデー・イベントでやりたいことに占いと催眠術を毎年書き続けてきたらしい。催眠術と聞いて私の頭にはあの伝説的なTVショウ『A女E女』が浮かんだ。スカ・パーでやっている『行く!つば』の番外編『イク!つば』として『A女E女』のオマージュをしてほしい。もちろん18歳以上のメンバーさんだけでいいから。あとはパワー・ストーンを部屋に置くといい。○○とか、ローズクォーツとか……という助言を聞いてみずほちゃんは「私はローズクォーツ」の例の踊りをやっていた。みずほちゃん曰く、占いで言われたことはそのまま信じない。頑固なので。いいことだけを受け入れる。1部だったか2部だったか忘れたが(2部だったかな)、もっと直した方がいいところを秋山さんが読み上げようとするのを、イヤだ! やめて! いいことしか聞きたくない! バースデー・ガールなんだよ!? と打ち切ろうとする姿に、みずほちゃんの占いに対するスタンスが表れていていた。

2部。19時開演。右端。7列(実6)。目の前がステージだった1部とは違い、他の観客が目に入る。背面にひらがなでみずほと印字した、エメラルド・グリーンとはかけ離れた濃い緑のTシャツを着用する紳士。なぜその緑にしたんだ。厄介だったのは、姿勢が無駄にいい上に、髪の毛がそういうスタイルなのか寝癖のようにふわっと持ち上がっている老紳士。遮られるステージ中央への視野。2部ではこの紳士に私は最後まで泣かされることになる。

1.『イマココカラ』
2.『The Vision』
3.『傘をさす先輩』
4.『100回のKiss』
5.『哀愁ロマンティック』(feat. 秋山さん)
6.『幸せビーム!好き好きビーム!』
7.『愛〜スイートルーム〜』
8.『世界はサマーパーティー!』
9.『お願い魅惑のターゲット』
(出典:みずほちゃんのブログ)

1部でのみずほちゃんの話しぶりからもしかして……と思っていたが、本当にセットリストを総入れ替えしてきた。1部、2部あわせると18曲。分量的にもうフルのソロ・コンサート。2部のハイライトは何と言っても『哀愁ロマンティック』。もう、何と言っていいのか……。激アツだった。曲が始まった瞬間に声が出た。この曲といえば、道重さゆみさんで、私は彼女がパフォームするのをリアル・タイムで観てきた。私の頭には道重さゆみさんの映像が流れてきた。みずほちゃんを双眼鏡で観ていると、自分が何を観ているのか分からなくなってきた。みずほちゃんとさゆちゃんが私の頭の中で重なった。2部では髪型をツイン・テールにしていたからなおさら、みずほちゃんがさゆちゃんに見えてきた。小野瑞歩さんと、過去に私が支持していた昔の道重さゆみさんとが、時間を超えて共演しているような、二人がひとつになっているような。夢の中にいるような。これまでに味わったことのない感覚。みずほちゃんもまおぴんも、衣装も含め見せ方がコケティッシュで、この曲にバッチリはまっていた! 素晴らしかった! しかしながら、私は秋山さんがデニム短パンで突き出すお尻を双眼鏡で捕らえることが出来なかった。何度もチャンスはあった。その度に、無駄に姿勢がよくて髪の毛の立ち上がった例の老紳士に阻まれた。それはこのバースデー・イベント1部と2部を通しての、唯一にして最大の心残りである。『哀愁ロマンティック』が終わって、感想を述べる秋山さん。この曲はあまり聴いたことがなかったけど、みずほに言われてやってみたら楽しかったので好きになった的なことを言っていた。一方のみずほちゃんは、Hello! Projectに入る前の14歳くらいのときに家で踊っていたという。左に捌けていく秋山さんの腿裏を双眼鏡で追いながら、行かないで……もっと見せて……と私は泣きたくなった。

2部は1部とは違って盛り上がれる曲が多かった。座って聴かないといけないという制限下においても私は楽しくなった。最後の『お願い魅惑のターゲット』ではだいぶ高揚して、もう身体が勝手に動いていた。みずほちゃんも、『お願い魅惑のターゲット』では動きすぎて息が上がってしまったことが悔しい。バースデー・イベントで失敗してもこれまでは仕方ない、切り替えようという感じだったけど、初めてバースデー・イベントで悔しいと思った的なことを言っていた。もちろんそんなことは些末なこと。1部、2部とセットリストを総入れ替えし、多彩な曲を表現し尽くし、最後には本人も息が上がるほど全力を出し切った。それが本当に素晴らしい。自分のイベントでもないのに回替わりの2曲を覚えてしっかりパフォームした秋山さんも見事。

公にしていい情報なのか少し迷いながら、メンバー・カラーが変わるかもしれないときがあったと言うみずほちゃん。新メンバーが入るタイミングで。そのときにみずほちゃんは、水色と青とエメ・グリと回答したという。2部にもあった占いのくだり。みずほちゃんのラッキー・カラーが青という占い結果を受けての話だったので、このエピソードを間接的に引き出した占い師の手柄と言えるかもしれない。

バースデー・イベントってこんなもんでしょとか、最低限これをこなしておけばいいとか、これまでと同じようにやればいいとか、そういう惰性がない。これまでに自分が出来なかったことを達成して新しい自分になりたいという意欲が強く感じられた。こういう姿を見せられた上で、これからも私を応援してくださいと言われると、ついて行かざるを得ない。

2022年10月2日日曜日

M-line Special 2022 ~My Wish~ (2022-09-25)

8時半過ぎで既に満員のコメダ池袋西口店。キモすぎる。モリヴァ池袋二丁目店に移動。“Good Reasons for Bad Feelings”を読み始める。サンシャイン・シティ4F屋上のサンシャイン広場。いつもは空いているのだが人だかりが出来ている。30-50代のむさ苦しい男性を中心とした見るからにオタクという感じの人々が何かの入場列を形成している。参列者同士が談笑する光景はなく、難しそうな顔で各々がスマフォに向き合っている。孤独でクラシカルなオタクたち。ベンチで日光を浴びながらチル・アウト・ゼロ・グラヴィティを飲み、瞑想。寝落ち。最近、疲れが溜まっている。日中に眠くなることがよくある。普通の睡眠ではもちろんのことサウナ施設で療養しても酸素カプセルに入っても回復しない。夜はリラックスというよりは疲弊して充電が0%になって動けなくなる感じで寝ている。目覚めもスッキリしない。この数ヶ月、転職、引っ越し、酷暑と心身に負担がかかりっぱなしだった。だから無理もないけど、何とかしないといけない。

なんとなく一杯だけひっかけておきたい気分。新大久保のナングロでホッピー(黒)、サマエボウジ(長らく遠ざかっていたけど最近また食べるようになった)、チキン・パコラ。池袋に戻り、埼京線で戸田へ。見る見る埼玉になっていく車窓の風景。ちょっと懐かしい感じ。人がいてもどこか落ち着きがある。6月まで5年間住んでいた新座市を思い出す。池袋の異常さを改めて認識。北池袋は平和だし治安もいいけど早朝から深夜までひっきりなしに車と人が通っていて騒がしい。色んな言葉(主に中国語)が行き交っている。たまに叫びながらうろつき回っているオジサンがいる。

M-lineのコンサートを初めて観覧する。このツアーには二回入る。今日の戸田市文化会館(昼公演)と、あと10月の横浜。Hello! Projectの現場もだいぶ絞っているけどM-lineにも深入りはせず、つまみ食いする程度で。出演者はよく把握していなかったけど、どうやら今日は佐藤雅樹さんが出演するらしい。グッズのページを眺めていたら日替わり写真に彼女がいたので。あとはわてちつ(Tiktok参照)こと宮本佳林さん、夏焼雅さん、小片リサさん、ビタ・スイのお二人。

1F15列48番。一番右端ではあるがまあまあ観やすそうな会場。開演前に場内に流れる音楽がなかなかいい感じ。Shazamによると:
A Deeper Love (Aretha Franklin)
Wandering Eyes (Nuttin' Nyce)
Pay Attention (Veleria Andrews) and Ryan Toby
Joyful (From "Sister Act 2") (Show Tones)
The Greatest Medley Ever (Sister Act 2: Back in the Habit) (Ronelles & Whoopi)

私はコンサートのセットリストを誰がどうやって組んでいるのか知らない。コンサート中のトークを聞いているとメンバーさん同士で決めた曲もあるようだ。すべてがそうなのか、あるいはそれは例外で全体としては裏方が決めているのか。もし後者だとすると、それはおそらく開演前のBGMを決めているのと同じ人(たち)なのだろう。完全な推測だが。というのが非常にイケているセットリストだったからだ。

私が好きだったHello! Projectのハイライト集、ダイジェストを見せられているようだった。色んな思い出が走馬燈のように頭を駆け巡る。たとえば『鳴り始めた恋のベル』を聴くと、辺鄙な土地のライブハウス(和製英語)でギューギューに詰め込まれて観たJuice=Juiceのコンサート、終演後の全員握手といった記憶がよみがえってくる。今思うと本当に狂っていて楽しかった。あの日々は戻ってくることはもうない。そう思うと少し寂しくなった。研修生発表会(最近はチェックしていないが)のように今昔の曲を引っ張ってくる自由なセットリストは、私にとってはHello! Projectのオタクとしての総集編のような趣があった。序盤の『表面張力〜Surface Tension〜』、夏焼さん+ビタ・スイの『振られパターン』(ビタ・スイが提案してセットリストに入ったらしい)、『流星ボーイ』(ビタ・スイ田崎さんが高校に入学して初めて話しかけて友達になった子がイナズマ・イレブンと主題歌『流星ボーイ』が好きだったので、アップフロントに入ったときはあの曲を歌っている人たちと同じ事務所だ……と感激したと言っていた)、佐藤さんソロの『奇跡の香りダンス』、全員の『ドッカーン・カプリッチオ』と『ビートの惑星』、等々……。小片さんと宮本さん二人がステージに現れて始まった曲が『アドレナリン・ダメ』だったときには声が出た。今日は座間でつばきファクトリーの秋ツアー初日。その裏で元つばきファクトリーの小片さんが同集団の最新曲をパフォームするのを観られるとは。

昨日の『ヘアスプレー』の余韻が残っていたので、同じショーという括りで見たとき、緩いな、ショボいな、色んな意味で100%ではないな、といった考えがしばらくは拭えなかった。もちろんメンバーさんの可愛さ、技量、魅力に非の打ち所はない。その反面、その素材に頼りすぎているのが否めない。もちろんミュージカルとコンサート、チケット代のJPY14,500とJPY6,500という違いはあるにせよ、娯楽作品としての作り込み方という点では雲泥の差を感じた。J1上位とJ2くらいのインテンシティの差は確実にあった。途中からは気にせず楽しめたし、私はこのコンサートに満足したのは付け加えておく。

最初の衣装にはガッカリさせられた。Juice=Juiceが最初の武道館で最後に着ていたような全身白。小片さんだけ脚を出していて、他は全員ほぼ全身が布で覆われている。二着目の衣装ではビタ・スイ以外はしっかりと脚を見せてくれて持ち直した。佐藤さんはゲストという位置づけで途中から出てきた。そのときはまだ先発組が白衣装を纏っていた。宮本さんと二人で喋る時間があって、そのときに佐藤さんだけ黒を着ている旨を宮本さんが指摘すると、チーンという感じ(葬式)で。と佐藤さんが答え、宮本さんにたしなめられていた。(どうやらもう一つ衣装があって本当はそちらを着るはずだったのが、佐藤さんの気分で黒を選んだらしい。)宮本さんと佐藤さんが昔SATOYAMAの企画でユニットを組んだときの曲をパフォームしたのだが、正直二人が並んだときに私は宮本さんのほうが圧倒的にオーラがあると感じた。(今日の出演者だと宮本さんと夏焼さんが頭一つ抜けてキラキラしていた。)佐藤さんは茶髪のメンテナンスが出来ておらず髪がプリン化しており、ヤン・ママ感があった。しかし衣装の肌面積は広めだったし、ソロでパフォームした『奇跡の香りダンス』では躊躇せずハイ・キックを繰り出して付け根付近まで脚を何度も見せてくれたので、許した。

どんなデートがしてみたいかというトークのお題で宮本さんに振られた小片さん。具体的な相手との具体的すぎるデート内容が頭に浮かんでしまってやばいと思ったのか、少し考えてから、私の1st EPのMVを色んな場所で撮ったので聖地巡礼的にそれらの場所に行きたい、と宣伝に繋げてお茶を濁していた。ひとしきり出演者の話が出揃ったところで、みなさんは私たちのFSKと一緒に色んなところに行ってくださいね、グッズ売場で売ってますから、と宮本さんが我々に言って締めたのが可笑しかった。

ビタ・スイのおまけ感。(私はこのデュオに対して特にネガティヴにもポジティヴに見ているわけでもなく、中立的な立場である。)もちろん歌はちゃんとしているけど、元Hello! Projectメンバーさんたちのふんどしを借りて仕事を得ている感が凄かった。労働強度が低めで、でも活動は継続できる程度の小規模のおまいつはついていて、なおかつ同僚のプロップスに乗っかって自分たちだけでは立てない規模の会場でもコンスタントに歌うことが出来る。いいポジションなのではないだろうか。ビタ・スイといえば札幌在住の某紳士(一度お会いしたことがある)がリリース・パーティを観覧したところ隣に関係者らしき人が来て色々と話しかけてきた挙げ句「独身ですか?」と聞かれて気分を害した話が好きだ。

ヘアスプレー (2022-09-24)

タカセはいつもそうだった。ツナ・ポテト以外のサンドウィッチは微妙。タカセはいつもそう。開店30分後でもツナ・ポテトがケースに置いていない。タカセはいつもそう。政治はいつもそう。日本はいつもそう。それが君の口癖(参照:Moment Joon, "TENOHIRA")。想像するに、作る側の業務ルーティンでツナ・ポテトは後回しなんだろう。順番は勝手だが開店した時点で一通り揃えておいてほしい。むしろ他のサンドウィッチは作らなくていい。ツナ・ポテトだけでいい。仕方なくたまごのサンドウィッチを手に取りレジへ。

ボディ・ビルディング大会の出場経験があるトレーナーの青年に一対一で激しくシゴかれる(そっちの意味ではない)。このジムには8月7日(日)から週一で通っている。たしかにパーソナルは高い。60分で一回一万円近く。週一なら一年で約50万円になる。冗談じゃない。数ヶ月で区切りをつける必要がある。でも経験してみたかった。ちゃんとしたトレーナーの元で、質の高いトレーニングを。私にはスポーツ経験もトレーニングの知識もない。何が正しいのか、自分が何をどれだけやるべきなのか、その基準をプロに教えて貰いたい。それに私には一人で追い込むだけの意思と忍耐はない。私はいつも不思議に思っている。自重だけとか、自分でメニューを組んで身体を鍛えて結果を出せるような人が、なぜうだつの上がらない労働生活を送っているのだろうか? 自分の身体が変わるくらいのストイックな努力を続けられるのであれば会社員の仕事なんて楽勝じゃない?

自分が短髪にしてからロン毛の男を見ると不潔だなと感じてしまうし、トレーニングしてから入ったステーキ・ハウスの客にふくよかな紳士がいると不摂生なデブがステーキを食うなと思ってしまう。人間なんて勝手なものだ。プロテイン25gを飲んでから食べるランプ・ステーキ320gは思っていたよりも多く感じる。池袋駅北口。巨乳店舗型ヘルスが入居しているビルヂング一階の店。強くなる雨足。

快活クラブを利用しようとしたら、全国的なシステム(サーバー?)・エラーにより全店舗で入室が出来ない状況になっていると受付のお兄さんが言っている。何だよそれ。すごすごと引き返す。公式Twitterは沈黙中。快活クラブで飲むために買ったド・トールのレーコー(R)を持て余す。タリーズでホット・コーヒー(S)。ほぼ満員。『大東亜共栄圏』(安達宏昭)を読む。

18時の開演前に夕食をサクッと済ませておく必要がある。東京建物ブリリア・ホールを出るのが21時頃になるからだ。先週も台風が来ていたけどまた台風。クソみたいな天気。止んだり大雨になったりと落ち着かない。蒸すし。不快極まりない。五苓散を飲んでいるおかげか頭痛はないが、体調も気分もあまりよくない。昨日は14時頃からずっと眠かった。晴れやかな気分は皆無の三連休二日目。会場前の広場でちょうどフード・フェスをやっている。ここでいいや。結果、大失敗。激辛担々麺。量が少ない。JPY1,000。会場に入ると、そこの間隔を詰めろ、二列になれと異常に細かく高飛車に指図してくる係員の女。募るイライラ。物理的に打撃を加えたい。目を逸らし無視するように努める。二人、一人(俺)、二人って並びなのが分かんだろ、馬鹿が。どういう知能してるんだよ。

オタクのどんよりした瘴気がない客席。想像だけど主演の渡辺直美さんに憧れる若い女性が主な観客層のように見える。やたらとお洒落だったり(服とマスクの色まで合わせている美少女っぽいティーン二人組とか)キレイだったりする人もちらほら。おそらくカタギじゃない人(おととい観劇したJuice=Juice植村あかりさんのように)が混じっている。そっち系の人々が結構観に来ているっぽい。それだけ有名なミュージカルっぽいんだよね。このあいだ四季香でメシ食ったときにお会いしたD君もご存じだったし。

『ヘアスプレー』に関して私が持っていた予備知識は、渡辺直美さん(トレーシー)が主演。何かのオーディションを受けるが、ふくよかな体型で相手にされない。田村芽実さんは渡辺さんのライバル役(アンバー)で、彼女に意地悪をして貶めようとする。めいめい自身がよくよくいじわるアンバーと言っていたので、そういう役だというのは頭に入っていた。実際にトレーシーとアンバーのバチバチは劇を通して大きな見所だった。私、この番組に出るのが子供の頃からの夢だったの! と興奮気味に言うトレーシーに、じゃあ帰って寝れば? と返すところとか、体育の時間にドッジ・ボールをトレーシーの頭に叩きつけて気絶させ、そのまま立ち去るところとか、立ち去る前に言う、可哀想……可哀想すぎて涙も出ないわ。という捨て台詞とか。痺れた。

でも不思議とそこまで性格の悪いイヤな子……という感じもしなかった。この作品が差別を扱いながらもあくまでコメディとして作られているのもあったと思うけど、それ以上に渡辺直美さんのヴァイブスが半端なかった。当たり前なのかもしれないけどシンプルに華のある人だった。開幕し最初にステージ中央に一人で現れ“Good Morning Baltimore”を歌い始めた時点でパッと会場全体が華やかな空気に包まれた。渡辺直美さんという人間自身のポジティブなエネルギーやにじみ出る芯の強さが強烈すぎて、むしろアンバーの意地悪さが物足りないくらいに感じた。普通に考えるとめっちゃきついことを言われているのに(他に例を挙げると私このオーディションに参加するの遅すぎましたか? と聞き、遅すぎないわ。でも重すぎる、とアンバーの母親でもあるプロデューサーに笑われる場面とか)、なんかそういう感じを受けなくて。この渡辺直美さんと対をなす重要な役であるアンバーになれるというのは凄いこと。おそらくめいめいの経歴に燦然と輝く実績になるんだろう。

終盤、ミス・ティーンエイジ・ヘアスプレーの座を逆転でトレーシーに奪われ、番組中に失神し椅子で介抱されるアンバー。現場スタッフが差し出す飲み物。見覚えのある緑の瓶。双眼鏡で確認したらやはりウィルキンソンのジンジャー・エール。N列から6倍の双眼鏡で見ただけではプレインなのか辛口なのかは確信が持てなかった。

低気圧など諸々が重なって蓄積していた私の不機嫌さとつらさを吹き飛ばしてくれる最高の時間だった。ステージはもちろん客席も含めポジティブな空気に満ちた、幸せな空間だった。私の後ろにいたナオン数人組がよく笑っていた。それに釣られて私も笑って楽しく観劇できた。めいめいはワキをよく見せてくれたし、体育の時間で見せてくれた体操服姿も眼福だった。タイツを履いていたとはいえ赤い短パンから脚をたっぷりと見せてくれた。大勢の役者さんがステージにいるときでもめいめいにはいつも独特の存在感があって、引き込まれる魅力がある。作品によって異なる、役とめいめいという人間の化学反応。それがミュージカルを媒介してめいめいを観る醍醐味だと改めて思った。

私がジムでやっているトレーニングの一つに、3kgのダンベルを両手に持って横に上げ下げするのがあって。一見、簡単そうに見えてめちゃくちゃきつい。30回を2セットをちゃんとやるのは無理。でもそれで肩を少し鍛えたおかげか、最後にずっと拍手をしていても前より疲れにくくなったような気がした。

2022年9月4日日曜日

夏焼雅バースデーイベント2022 ~えっ!気づいたら30歳だって!~ (2022-08-27)

最近、家の近くにちょこざっぷっていうライザップが運営する安いジムが出来て、行き始めたんだ。家から歩いて5分なんだけど、その5分の間に、5人も配置されているんだよ。老人が。シルバー人材センターと書かれた蛍光黄色のベストを着せられて、交通誘導に使うペンライト的なのを持たされてさ。いくらなんでも多すぎる。げんなりしてくるんだ。あいつらがいるのって朝と昼だけなんだよ。意味ないじゃん。あの装備。何となく与えられた持ち場でぷらぷらして、おはよーございまーすとか行ってらっしゃいとか通行人に声かけて。子供にはやたらと絡みに行って。まるで自分の孫であるかのように。それでお駄賃を貰っているわけ。おはようはまだ我慢できるとして、行ってらっしゃいは本当いらつくわ。俺が朝ジムに行く日はそこから家に帰って在宅勤務だし。勝手にどこかに送り出すなよ。そもそも誰だよお前。これだけ数が膨れ上がって弱者どころか一大利権集団と化した老人という社会集団に無条件で慈悲の目を向けるのは無理なんだよ。あの「お仕事」に従事している彼らはおそらく老人の中でも恵まれた部類。みんながみんなあの職にありつけるわけがない。俺たちがあの歳になったときにはさらに厳しい競争が待っている。決まっている。あいつらは少なくとも東京都の最低賃金である千数十円は貰ってるわけでしょ。たとえば1日4-5時間やったとして。月に20日でJPY100,000くらい貰って。年金と貯金とそのお金でまあ不自由なく暮らして。お金だけじゃない。毎日決まった時間に外に出る規則正しい生活。自分が社会と繋がって何らかの意味がある役割を果たしているという幻想。そういうのを手に入れているんだろうね。でもさ。何かやらせるにしてももう少し人の役に立つことがあると思うんだよね。ゴミ拾いとかさ。この間「お仕事」の老人たち4、5人が道ばたで集まって、雇っている側の人間とおぼしき四十前後くらいの男の指示を聞いているのを見た。ジジイども、すげーペコペコしてんの。はい!はい!ってハキハキした返事で。よろしくお願いします!って頭下げてんの。自分の子供でもおかしくない年代の男が親分。やってるのは虚無の労働もどき。なんていうか、それまでおそらく何十年も働いてきて、色んな経験を積んできて、行き着く先がそれなのか? 在宅勤務の日でも、出社する日でも、ただお駄賃を貰うための「働いた」という見せかけの実績を出すためにそこに立っているとしか思えないような、強度の欠片もないお気楽な「お仕事」をしている彼らが目に入る度、俺は心底イライラするんだ。でも、なぜ? 俺がここまで気分を害する理由は何なのか? 私はおそらくどこかで彼らのことが羨ましいんだと思う。もし私が自分の労働生活に満足していれば、彼らのそれに対して怨嗟など抱くはずがない。本当は彼らのようにプレッシャーもノルマも期限もない緩くてぬるい労働生活を送りたい。ただ何時間か外の空気を浴びてそれでお金が貰えるなんて。彼らを見ると、自分にそれが出来ていないことが苦痛で不愉快になる。だからイラッとするんだ。俺がここまで書いてきたことはかなりの部分、上々軍団の鈴木啓太にも当てはまる。要はその人を食わせること自体を目的に設定されたようなゆるゆるな職。おいしい立場。私が居住できていない、優しい世界。それ故にどうしても抱いてしまう過剰な敵意。俺は鈴木くんと同年代なんだよね。それでなおさら自分と重ねてしまうんだと思う。夏焼雅さんのバースデー・イヴェント。私にとっては初めて。つまり初焼雅。この週末は何も予定がなくて。夏焼さんは数ヶ月前のリリース・パーティで観て強い印象を受けた。せっかくM-Lineファンクラブ会員になったことだし1公演入れてみようと。3部あるうちの真ん中。15時半。渋谷シダックス・ホール。身分証とかを確認されるとき、お顔を確認させていただきますと言ってマスクをずらすよう要求してきた。コヴィッドで死ぬ人もいるんですよ?! 私がマスクを外したことでコヴィッドに感染し重症化けし、後遺症に苦しんだら、あなたは責任を取ってくれるんですか!? コヴィッドはその一瞬を狙ってくるんですよ?! マスクはそれを防いでくれるんですよ?! 私の中のコロナ脳が騒いだ。小ぶりで(フル収容で160人)いい感じの会場で。貰った席もよくて。C列の右側。赤いドレスを纏って登壇する夏焼さん。ハッとするようなキレイさと華やかさ。夏焼雅というドープな氏名。いっさい名前負けしない容姿とヴァイブス。すごいなあ……見とれるも、それを台無しにする展開。司会進行役はあの方です的なことを言う夏焼さん。それではお呼びしましょう。イヤな予感。的中。そう。鈴木くん。啓太くん。じゃないほうの鈴木啓太。元浦和レッドダイヤモンズのフットボーラーじゃないほうの。腸内フローラ・サプリメントを開発した事業家じゃないほうの。最近Hello! Projectのイヴェントに司会で出てくる頻度が減っていて。いい傾向だと思っていたら。M-Lineを観始めた私を追いかけるようにこっちに出てきた。GUで買ったような、せめて二十代前半くらいが着ないとサマにならない、襟なしの安いセットアップ。一張羅なんだろうね。啓太くんが進行する異常につまらないカス・コーナー。一番意味が分からなかったのが、何かのランキングで30位までに入った回答が五つスクリーンに表示されて、一つが30位の回答。で、30位じゃない残りの四つを当てるってやつ。最初の問いドラえもんの映画名だったんだけど、夏焼さんはドラえもんの映画は特に観ていないし好きでもなさそう。じゃあなんでドラえもんの映画名をお題にしたの? あれ啓太くんが考えたの? あとはチョコ菓子の人気ランキングとか、男が言ってみたい台詞ランキングとか。そもそもランキングの出典すら明示されないし啓太くんも知らない。ふわっとしてんの。たとえば今日の来場者による回答のランキングだったらもうちょっと面白くなりようもあったと思うんだけどね。啓太くんはどう思ってたの? まともな芸人だったら焦るんじゃない? 待って、これって面白い? こんなんでいいの? って我に帰るはずだ。睡眠に支障が出るはずだ。うなされるはずだ。こんなレベルで芸人を名乗っている自分の将来が不安になるはずだ。トゥ・ビー・フェア(to be fair)、他のコーナーはまだマシだった。夏焼さんが色んなことにステージ上でチャレンジ。成功できるかどうかをヘッズが色で回答(片面赤、片面青のA4紙が入場時に配られた)卓球のラケットで30回リフティングが出来るか8人を除いて全員が出来ないに上げて脱落。私も脱落。30回を成功させ、みんなみやのことなめすぎ〜!と言う夏焼さん。なめたい。事前に募集したファンからの質問に答えるコーナーでで得られた夏焼さん情報:コンビニで買える食べ物・飲み物だと最近ではローソンの生カヌレが好き。セブン・イレブンのカフェ・オレが好きで前からよく飲んでいる。最近選べるようになった濃いめも気に入っている。『警察24時』が好き。録画して観ている。街中で怪しい人がいたら警察目線で観察している。駅のホームで駅員に詰められているオジサンがいたら携帯をいじるふりをして近くを通り聞き耳を立てる。啓太くんがステージに居座っていた虚無の時間は置いておいて(置いておけないくらい占める時間の割合が大きいのだが……)ミニ・コンサートは凄くよかった。夏焼さんの歌を、このような小さな会場でじっくりと聴けるのは心地がよかった。彼女が着用なさっていたのは足下まであるドレスだったから肌面積は狭かったけどノン・スリーヴだったからワキをしっかり見せてくださったのもありがたかった。ヘッズがBerryz工房の曲とBuono!の曲でペンライトの色を変えていたのが面白かった。本物のBerryz工房がBerry工房の歌を歌っている! というちょっとした感激があった。特に『蝉』とか、『大人なのよ!』とかを聴けたのは嬉しかった。私がHello! Projectに対し音楽として心酔していた時期を思い出す。これって解散(Berryz工房は名目上は活動停止だが)した集団だから得られる感慨なのかもしれない。オリジナルが他にないから。仮にBerryz工房がメンバーを入れ替えて今でも続いていたら、こうは思えないだろうから。自分の中にこの感覚が残っているうちは、M-Lineを細々と観ていきたい。それもなくなったときが、私が完全に離れるときだと思う。

2022年8月28日日曜日

ENCORE PARADE/The ANGERME Encore (2022-08-20)

東京都民が名古屋に行く必要はない。本来。仕事で平日に行くなら分かるが、土日、それも自腹を切ってである。新幹線往復JPY20,000強。宿泊代JPY7,500(同じ宿にJPY4,500で泊まったことがある。お盆の時期だから値段が釣り上がっている)。コンサートのチケット代は言わずもがな。東京にとどまっていれば週末にそのお金を使って出来る楽しいことはたくさんあっただろう。敢えて名古屋に赴くということは、それを上回るだけの魅力を私がこの名古屋遠征に見出しているということ。普通に考えて相当な熱意である。日本特殊陶業市民会館フォレスト・ホール。つばきファクトリーとアンジュルムのコンサート。楽しみで仕方ないのだろう。じゃないと辻褄が合わない。だが実際のところ、凄く強い興味があるわけではない。興味がないわけではないが、どうしても観たいかって言われると……。でも一度は入っておきたいという微妙な線。だったら遠征を避けて近場の会場で入ればいいというのが普通の発想だが、関東だけに絞って申し込んだら当選ゼロもあり得る。それに名古屋には会いたい地元民たちがいる。仮にコンサートが中止になったとしても(※最近のアップフロントは、体調悪いんで今日は休みますと一労働者が会社に連絡を入れるような感覚でいきなり当日になってコンサートを中止にすることに躊躇がない)私にはこの土地に行く理由がある。

お金、時間、興味。一人の人間が割ける量は有限。私は横浜F・マリノスの年間チケット会員になりホーム(日産スタジアム、三ツ沢)で行われるほぼ全試合をスタジアムで観戦するようになった。田村芽実さんが出演するミュージカルにこれまで最低一回ずつは入ってきたが、これからは二回、三回と観るようにしていきたい。Hello! Projectはそれらの下にある。コヴィッド前と比べると明らかに序列が変わっている。コンサートを(数は少なくとも一応は)継続的に観に行くだけの意欲はギリギリで保っている。ただもう以前のようなライフ・ワークではない。風前の灯火と言ってもおかしくない私のHello! Projectへの興味がまだ消えていないのはファンクラブからの案内に従って申し込んでいくという前からの習慣を惰性で続けているというのがあるのは否めない。もちろんそれ以上に小野瑞歩さんが現役のうちは最後まで見届けたいというのが最大の理由だ。付け加えるなら、Hello! Projectを通して親交を持つようになった紳士たちとの付き合いを維持したいというのもある。この歳になって年代、職業、収入などなどを超えた(そういった事柄に深入りしない)人間関係を築けたのは本当に奇跡のようなことだと私は思っている。稲田豊史さんの『映画を早送りで観る人たち』によるとZ世代の若者たちは常に繋がっているLINEグループ内の話題についていくために大量のコンテンツを消費する必要がある。お金も時間もなく、コスパ、タイパ(タイム・パフォーマンス)を重視する彼らは映像作品の倍速再生、10秒飛ばし、シリーズものの話丸ごと飛ばしを活用している。私もいずれそれに近いことをするようになるかもしれない。Hello! Project関連のYouTube動画やヴィデオ・クリップだけざっとチェックして話を合わせるという。いずれにせよ小野瑞歩さんが退団するその日が来たら、私はHello! Projectのファンクラブを退会するつもりだ。アイドル・オタクとして生き恥を晒すのをやめ、ミュージカル女優の田村芽実さんを追いかける健全な生活を送るようになるだろう。

移動と宿泊のコストは極力切り詰めたいが、コンサートのスケジュールやそれ以外の過ごし方、夜行バスを利用した場合の疲労など総合的に考えて今回は往復を新幹線に頼ることにした。品川駅構内のJRが運営する売店でサンドウィッチを買うときにパスモでと言ったら、スイカですね!と無駄に大きな声で言ってくるレジ係。意味が分からない。いや、スイカじゃねえし。別の場所でも同じ目に遭ったことがあるので、おそらく彼らはそうするように教育されているんだと思う。気色が悪い。行きの新幹線で赤松利市さんの『女童』を読み終えた。名作『ボダ子』(未読? 強くお勧めする)の前日譚。冒頭からぞわぞわとイヤな気持ちにさせ最後まで読み手を離さない文章の巧みさ。登場人の小児性愛精神科医は創作だとあとがきに書いてあったが、それを疑うほどのリアリティがあった。

名古屋駅。家には過剰なほどTシャツがあるのに明日用の着替えを持ってくるのを忘れた。仕方なくエスカの古着屋でTMNT(tnmtではない。Teenage Mutant Ninja Turtlesのこと)のTシャツを購入。JPY3,000。まあ今後これを着ると名古屋を思い出すだろうし、旅のいい記念になったととらえる。一週間以上前からパラグアイ(腹具合)が悪かった。もたれに加え、何かを食べる度に腹痛に襲われる状態が続いていた。自然派で鳴らす私もさすがに薬物に頼った。池袋西口のセイムスで購入したパッケージに胃痛と大きく書かれた薬物(スクラート)を飲んだらよくなってきた。もう痛みは出ないが本調子ではない。あまり腹が減っていないし、夜は会食をする予定なので、昼は軽めに。名古屋サンロードのよもだそば。ほうれん草のおひたしそば(冷)とささみ天。

金山駅。改札を出る前に小便をしようと思いトイレに向かっていると後ろからトントン。振り返るとF君だった。偶然にも同じ電車に乗っていたようだ。駅前のサテンで合流。初対面のお二人もいた。その片方の紳士からオチャ・ノーマのコンパクト・ディスクを頂戴した。私は6月15日(水)に引っ越してから二ヶ月が経過したが未だにコンピュータを段ボールから出して部屋に設置できていない。つばきファクトリーと宮本佳林さんのシングルもまだ取り込めていない。いい加減やらないと。最低限の生活空間だけは確保したのだが、片づいていない段ボールがまだまだある。フォレスト・ホール。喫煙所にいた森川さんと合流。岸本ゆめのさんの写真集をいただく。「あのキャラクターを知らないで見れば、まあ、使えますね」。

つばきファクトリー。14時半開演。
  • 小野瑞歩さんの髪型が目を引いた。頭の後ろを編み込んでいた。サソリが張り付いているような。左の脚に肌と同系色の太いテープをぐるぐる巻きにしていた。Tokyo Idol Festivalの公演前に火傷をしたのは知っている。今日のテーピング範囲は割と広かった。それがそのまま傷の広さではなく、激しく動いてもずれないようにするためだといいのだが。一日も早く小野さんのふとももがテーピングから解放され我々の鑑賞が許される日が来ますように。
  • 前回ツアーをベースに調整を加えた内容。私が酷評した一着目の衣装は消えていた。このツアーでは最初が前回の二着目、次に武道館で最後に着ていたハワイアンおばさん衣装。メンバーさんが衣装を替えるコンサートのハーフタイムのような時間に流れる映像は変わらず。衣装的には前のツアーから改善されていた前半だったが、それでも私は眠かった。映像が流れているときがピークだった。私は目を瞑っていた。まあコンサートがどうというより、私自身に疲れが溜まっている。転職、引っ越し。環境変化。気の休まらない日々。疲労が蓄積している。単発のマッサージや入浴で癒せるようなものではなく。もっと根深い。
  • コヴィッドで岸本ゆめのさんと山岸理子さんが欠場。急なことでしっかりと準備する時間もなかったのだろう。二人の穴を埋める(※下ネタではない)ことが出来ていない。誰かがカヴァーすべき二人のラインを誰も歌わない場面が多発。一方で『マサユメ』における岸本ゆめのさんのソロ・ラインを代行する豫風瑠乃さんの威風堂々ぶり。付け焼き刃感なし。自分のものにしていた。『表面張力〜Surface Tension〜』で歌詞を飛ばした小野さんが「ダ、ダダダダ〜ダ、ダダダ、ダダダダ……」とダだけで乗り切ろうとした稀少な場面を見ることが出来たのは嬉しかった。小野さんは最後のコメントで、不在だった二人の偉大さを感じた、そして自分の小ささを感じた、という旨のことを言っていた。
  • 私は最後の挨拶から耳栓を外してみた。そこで改めて思ったのが、コンサートへの没入は音量と大きく関係しているのではないかということ。単純に感覚をどれだけ占有されるか。とはいえあまりの大音量は不快だし耳に悪い。そのバランスが難しい。
  • ミュージカルや舞台と違って、Hello! Projectのコンサートは座ってじっと黙って観てもあまり楽しいものではないというのが私の個人的感覚。それがコヴィッド仕様になってからこの団体に対する私の熱が冷めている要因のひとつだと思う。コヴィッド前にはワックな曲をいかに馬鹿になって楽しむかの勝負というところがあった。飛んで(途中から禁止になったけど)、声を出して、拳を振って。今ではワックな曲をワックなままで受け止めなくてはならない。Hello! Projectの音楽はあんまりこう、じっくり黙って鑑賞するタイプの音楽ではない。

カフェ・ド・クリエで森川さんと歓談。不慣れで要領を得ない店員、何を頼むか迷ったあげく使用期限切れのプリペイド・カードで払おうとしてはねられる前の客、抹茶を使った飲み物はないのか、コーヒー・ゼリーはないのかなぞと前にはみ出して確認しに来る老婆たち。上々軍団の仲間Tシャツを着用した白髪男性。「アンジュルムは、『戦闘集団』とか言っている支持者たちを見ると嫌悪感を抱きやすいですし、ヤリサー、飲みサーみたいな雰囲気はありますけど、観る分にはいいですよ。圧がありますね。Juice=Juiceもそうですけど、つばきと比べると超えられない壁がありますね」という森川さんによる推薦の言葉。

アンジュルム。18時開演。
  • これが私が観る生涯最後のアンジュルムのコンサートになる可能性が高い。この集団の支持層は若い男女のイメージが強かったが、会場内にはメンバーさんの名字がプリントされた研修生風Tシャツを纏ったキモ・ハゲ・ジジイもちゃんといる。
  • 開演前に謎の手拍子が始まってちょっとこわかった。声を出すのが禁止されているからみんなただ無言なのがなおさら。ここ愛知が地元の橋迫鈴さんに向けた手拍子だったらしい。
  • 今日のつばきファクトリーは10人。それでもステージを観て多すぎると私は感じていた。アンジュルムも同じ10人のはずだったが、どういうわけかつばきと異なり多すぎるとは感じなかった。衣装にしてもコンサートの構成にしても、集団としての完成度にしても、アンジュルムが上を行っていた。生粋のつばきストである私もそれは認めざるを得ない。まず衣装は噂に聞いていた通り肌面積が広く、上に羽織っているジャケットにしてもダンスの途中ではだけて中を見せることを前提にデザインされていた。なりんさんのアジアン・エステ感。コンサートの構成という点では、集団を数名ごとに分割してパフォームする時間があったのがよかった。ずっと全員が出ずっぱりよりもこちらの方が変化があって楽しい。
  • 開演して数分も経たないうちに私は川村文乃さんに目が釘付けになった。ダンスや表情の魅せ方、唯一無二の甘い歌声、トークで出る高知の方言。公演中、私はほぼ彼女だけを観ていた。彼女を目当てにこれからもたまにアンジュルムを観たいと思うほどだった。
  • 何かの曲で佐々木莉佳子さんが二度ほど右脚を時計回りに蹴り上げて股間を我々に見せつけていた。

終演後、森川さん、享平くんと合流。ゾス!と挨拶を交わす。森川さんの紹介でネパーリ・チュロというネパール料理店へ。今だから言うが、言うても本場(新大久保)には劣るんだろと高を括っていたのが正直なところ。ところがどっこい。本場(新大久保)でもやっていけるし、何なら本場(新大久保)でもそう巡り会えないくらいのクオリティだった。頼んだすべての料理がことごとくおいしくて。値段も安くて(三人でJPY10,790)。素晴らしかった。名古屋らしくスパイス手羽先というのもあったけど、味はジャップに迎合しているわけではなく。金山にコンサートを観た後の会食はココで決まりでしょ。何なら金山に用事がなくても名古屋から移動して(電車で数分だし)でも利用する価値がある。

2022年7月16日土曜日

クラウディア (2022-07-09)

洗濯機がまだ6月15日(水)の引っ越しでアート引っ越しセンターのボーイズに搬入してもらった状態のまま。上の蛇口、下の排水をつなげばいいのだが、なかなか手がつけられない。(アートに頼むと追加料金をJPY6,000も取られる。いくらなんでも高すぎないか。専門的な技能は不要だし、時間もさほどかからない。)新生活に慣れるのに精一杯で余裕がない。荷物はまだ片づいていない。洗濯機の前にも鎮座している。新居付近は生活感のある庶民的な区域で、徒歩圏内にコイン・ランドリーがいくつかある。今は専らそっちで洗濯をしている。けっこう楽しい。洗濯機は小さいのがJPY200、大きいのがJPY300。乾燥機は10分あたりJPY100。乾燥機を使うのは2005年4月からの数年間、会社の寮に住んでいたとき以来だ。

午前中は洗濯、再配達、集荷(羽毛布団のクリーニング。きらきらWASH)。家から徒歩で池袋駅方面へ。11時48分、いちばという焼き肉屋。初めて入る。上ハラミランチJPY1,300+ウインナー焼きJPY100。並。リピートはない。オキニの店だけに入れば失敗はない。それでも安パイだけを選ばず、気になった店に一度は入ってみる。経験として。稀に思わぬ大発見がある。12時8分、モリヴァ・コーヒー池袋二丁目店。モリヴァ・ブレンド(R)JPY280、チョコ・スコーンJPY220。13時52分から16時半くらいまで池袋プラザ。岩盤浴と書かれた、二人が横になれる空間が好き。寝落ちしてしまう。ハッテン場だったら確実にちょっかいを出されている。休憩所で1分以上iPhoneのアラームを大音量で鳴らしたまま微動だにせず眠り続ける紳士。一時的に起きるが今度はド派手ないびきをかき始める。

18時に池袋の東京建物ブリリア・ホールで開演する『クラウディア』が本日のメイン・ディッシュ。いかにしてそれまでに最大限、心身の調子を整えるか。それを第一に一日の過ごし方を設計した。私は7月3日(日)にチケットを受け取ってからというもの、この日を心待ちにしてきた。何せ席が最前の中央付近。席の位置を検索し、「え、やば!」と声が出た。土曜日にこの公演に入れるのを励みに一週間の労働を乗り切ってきた。とうとう来たなこのときが! と叫びたくなる席を頻繁に恵んでくださる田村芽実オフィシャル・ファンクラブさん。いつもありがとうございます。公演時間が休憩を含めて2時間45分もある(第一幕60分、休憩20分、第二幕85分)ので、夕食は公演前に軽く済ませることにした。フォーティン・トーキョー。牛肉のフォーJPY950。追加牛肉JPY240。卓上の調味料で味を調整。チリ・ソース、ニンニク酢、マクマム。

17時半くらいに着席。最前であるというのを事前に分かった上でもなお驚くほど近い。脚を伸ばしてさすがにステージには届かないが、脚の長さが二倍あったら届く。それくらいの距離。で、実際に開幕すると凄いの何の。これっていいの? って戸惑ってしまうくらい。慣れるまで少し時間がかかるくらい。劇を観るという概念が変わるくらい。こんな体験があるのかと度肝を抜かれる。人生でそう何度も味わえない感覚だった。Hello! Projectファン・クラブのエグゼ会員だった2017年に広島でJuice=Juiceのコンサートを最前中央で観させてもらったことがあるけど、それを思い出した。まず幕が上がると壇上には後ろ姿の女性が一人だけいて、歌い始めて。めいめいだ! 私の席は最前から二つ左にずれた位置だったんだけど、そのときにめいめいは(たぶん)私の席の真正面にいて。その瞬間からめいめいに、この劇に心を鷲掴みにされた。次の場面でめいめいの後ろにあった障子を破って大勢の出演者さんたちが一気に出てくる。そのときに勢いよく前方に飛び出してきた出演者さんたちの纏う香水のいい匂いが漂ってきた。もしかしてオタク最終回? 終演直後に死ぬのか私は? と思った。それでも悔いはないと思えるくらいだった。Hello! Projectであれば潰すであろう近距離の最前席だったので、めいめいが前方に来たときはライブハウス(和製英語)の小箱でもかなりステージに近いくらいの距離で彼女が歌い演じるのを観ることが出来た。

めいめいがHello! Projectを去るとき、ミュージカル女優を目指す、表現者としてまた皆さんの前に戻ってくる的なことを言っていた。彼女ならやれると私は信じてはいたけど、実際に絵に描いたような大成功をおさめていると改めて感じた。それを最前のほぼ中央で観ることが出来、感慨深かった。めいめいの掲げた夢が叶っている。それをこの席で見届けることが出来ている。めいめい支持者冥利に尽きる。めいめい支持者として、これ以上の幸せはないのではないか? 既に(元)Hello! Porjectのめいめいよりもミュージカル女優のめいめいの方が大きな存在になっている。直近でも『クラウディア』のクラウディア役、『弥生、三月-君を愛した30年-』の弥生役と、分かりやすく重要な役を射止めている。次の『ヘアスプレー』でも主役・渡辺直美さんのライバル役らしいし。(『ヘアスプレー』は2公演に申し込んで両方当選した。数時間前にファンクラブからJPY30,000の振り込み依頼が来た。)

愛をテーマにした舞台だと(めいめいのYouTube配信で)聞いていたけど、全体の印象としては何よりも殺陣の迫力に圧倒された。コメディ要素も割とガッツリあって、そこまでシリアスではなかった。少人数の落ち着いた場面と大人数のワイワイガヤガヤが交互に来る感じで、そのメリハリがあったから長丁場でもダレることはなかった。めいめいは基本、どんちゃん騒ぎや殺陣には参加せず。劇の静と動でいうと静を主に受け持ち、物語の鍵となりつつ、ソロ歌唱を聴かせてくれた。全体歌唱時にはマライヤ・キャリーさんばりの高音フェイクも。どういうアレなのか知らないけどSAS(※Strong Arm Steadyではない方)の楽曲が要所要所で使用されていた。(それと関係しているのかは分からないが、きわどいホット・パンツをお召しになった複数のキレイで若いナオンが出演陣に配備されており、彼女らが目の前で激しく踊ってくれたのはありがたかった。)物語としては、神が愛を消した世界。敵対している二つの国。密かにお互いを思う敵国同士の男女(めいめいと敵国の男)。この構図は『ウエスト・サイド・ストーリー』と同じだと思った。劇の脚本として一つの定番なのだろうか? めいめい国のしきたりで女は二十歳で妊娠するように逆算して望まない相手と強制的にファックさせられる。国の祝祭で。めいめいはそれがイヤ。なぜなら愛する人がいるから。愛する人の子供を産みたい。だから祝祭への参加を拒否したい。男は諦めるようにはじめは諭す。それでも逃げるめいめい。両国の人々に捕まえられて磔にされる。めいめいの行動を見、やっぱり大事なの愛だと男が気付く。めいめいを守るために戦う。両国入り乱れる。最終的にはめいめい以外の全員が死ぬ。神が世界から愛を消したのは愛があると憎しみが生まれるから。やっぱり神が正しかったのかと絶望するめいめい。(私は話を細かく追いきれなかったけど結局みんな生き返って歌っていた。神なのか分からないけどそういう雰囲気の登場人物が、これまで見てきた人間たちの戦いと違ってこの戦いは美しい……的なことを言っていたので、温情で生き返らせたのかな?)凄まじい熱量のミュージカル。異常に近い席。演者さんたちの熱がビンビンに伝わってきて、陳腐だけど元気をもらえた。自分も日々の労働や生活で大変なこと、難しい状況があってもそれに立ち向かい、乗り越え、前を向いて生きていかなきゃという気持ちになれた。別にそういう教訓のある劇ではないが、なぜかそう思えた。

少し余韻に浸りたくなった。家に直帰せず一旦サンシャインへ。正面入り口の左に階段があるじゃん。それを上った先の自販機でチル・アウト(ゼロ・グラヴィティ)を買って、そこの広場で飲みたくて。下の公園に人だかりが出来ている。何だろうと思って見ると、若い男たちがいくつかの輪を形成し、サイファーをやっている。輪から少し離れ、どさくさに紛れてベンチがあるところの木に向かって立ちションをする青年。私は彼のちんちんを見てしまった。チル・アウトを飲んで、北口のドン・キホーテ。王老吉5缶とロレッタ ハード・ゼリー。フェード・カットが乗っている黒いメルセデス・ベンツ。この辺じゃよく見る光景。歩いて帰宅。

2022年7月10日日曜日

つばきファクトリー 9thシングル発売記念 ミニライブ&お見送り会イベント (2022-06-29)

公式のコンパクト・ディスク販売開始時刻は10時半。その前に並ぶ、場所取りをする、付近に溜まる。その類の行為は禁止。というのは建前。現実は違う。それはそう。パー券の数量が限られていて、売り切れる前に買わないと参加出来ないんだから。私が7時25分にクラブ・チッタ前に着いた時点でざっと100人を少し切るくらいの人数が壁沿いに列を形成していた。カバンでの場所取りもちらほら(ニュー・ヨークではあり得ない。盗難に遭うか、誰かの通報を受け爆発物処理班が駆けつけ、周囲の人々が避難させられるかのどちらかだ)。アスファルトにレジャー・シートのようなものを敷き、ふとももの大部分が露出するホット・パンツをお召しになり股を広げドテッと座り込むふくよかな淑女。浮浪者のサークル内で身体を売っていそうな貫禄があった。最近読んだ『ルポ池袋アンダーワールド』(中村淳彦・花房観音)にそういう事例が載っていた。コンビニで売っている実話系マンガでも同様の話を読んだ気がする(一時期ちょっとはまっていた)。今日は早くから並ばないとパー券をゲトれないなと何となくは思ってはいたが、具体的に何時に川崎に着くという算段は立てていなかった。目覚ましをかけずにたまたま早起き。呼吸筋トレーニングと筋トレを行い、プロテイン・バーを食い、支度をし、家を出たらこの時間になった。6時31分池袋、7時11分川崎。川崎駅前のタリーズでホット・コーヒーのトール。少し前に川崎に着いていたF君と合流し、一緒に並ぶ。列の前にはつばきファクトリーを応援する大切な仲間たち。子供を身ごもっていないと説明のつかない腹の出方をした紳士たち。頭髪の大部分を失った紳士たち。折り畳みの椅子に腰掛け、背中を丸め、ブックオフのレシートを栞に、ブックオフで求めたであろう文庫本を読みふける物静かそうな老紳士。チェック柄シャツに帽子。近くの誰かが発し続ける、押し入れに長年放置された服のようなカビ臭。

誰か(おそらく気象予報士)が明日(6月29日)は異常な暑さになると昨日Twitterで警告していた。私は池袋プラザでまったりと風呂に浸かりながら、明日の気温が何度になろうが仮にチッタに1,000人が押し寄せようが、アルビさんたちは売り方を変えることは出来ない。なぜなら彼らにはこれまでやってきた規模のイヴェントをこれまでのやり方で運営するノウハウしかないし、そうではない何かが起きたときにそもそものやり方を変えるなどの知恵を働かせることは出来ないから。などとぼんやり考えていた。恐ろしいが、労働というのは、労働者というのは、そういうものだ。もっとこうすればいいのに、と消費者の目線で言うのと、実際に当事者として業務を変えていくのは別物だ。客の立場から労働している誰かを無能と罵るのは簡単だ。ところで池袋プラザは7月1日から値上げをするらしい。サウナ3時間がJPY1,600→JPY1,800。10時間がJPY2,300→JPY2,500。3時間の回数券(3枚)がJPY4,200→JPY4,800。駆け込みで回数券を3冊買った(1冊で3毎。2冊買うと1枚おまけでついてくる。7月からそのおまけも廃止される)。有効期限3ヶ月。

蓋を開けてみると私とF君が並んでいた場所はずっと日陰で、長時間並ぶのもさほど苦ではなかった。同じ場所に長いあいだ立ち続けることによる疲れはあれど懸念されていた異常な暑さは体感せず。F君は1リットルの麦茶を買っていたが、結果的には不要だった。F君は何度か喫煙で列を抜けたが、私は尿意や便意に襲われることもなく最後まで列にとどまった。6月25日(土)にスタジアムで観た横浜F・マリノス対柏レイソルの前半をiPhoneで観直した。そういえば川崎に来る電車で知ったけどヴィッセル神戸がまた監督を解任するとかで。このあいだ就任したばかりじゃなかったっけ。彼らの勝ち点と順位、残り試合数を見ると、そろそろ冗談ではなくJ2降格が現実的になってきている。リージョさん、フィンクさんの頃はこわいチームだった。あれだけの資金力を誇るクラブにまともにやられたら他のクラブは太刀打ちできないと思っていたが……。9時45分から列を動かすという噂がストリートを駆け巡る(後から知ったが公式アカウントがtweetしていた)。実際に動き出したのは10時15分。10時22分には私たちはクラブ・チッタ内に入っていた。10時31分、アルビ兄さん(高見沢さん)にカウンターで数えられた。10時43分、宮本さんのパーティにもいたおまいつの汚らしい紳士と列の折り返しですれ違う。仕事で抜けられなかった。と知り合いに言いつつもこの時間には抜けて並んでいるし、当たり前のようにありとあらゆる現場に顔を出している。何の仕事に就いているんだ彼は。販売窓口が五つ用意される手厚さ。10時51分、JPY3,900でコンパクト・ディスク3枚とパー券を獲得。300番。あー、と顔を歪める私。一方、ホクホク顔で券を見せてくるF君の手には最前をゲトれる番号があった。

F君と神田。私が一時期メンタル・クリニックに通っていた頃に重用していた江戸牛のランチ。私はおまかせ盛り(大盛り)+牛すじ煮込み。二人でほぼ言葉も交わさず、淡々と肉を焼き、塩かタレをつけ、頬張る。久々に来たけどこの店はやっぱりいい。焼き肉店のランチは数多くあれど、この価格で、シンプルに肉と米だけで満足させてくれる店に巡り会うことは稀である。パーティは19時からなので、一回ここで解散。池袋に戻ろうかと思ったが、戻ったとして行くのはサテンと風呂。池袋と川崎では微妙に移動時間が長い。川崎で風呂に入れればてっとり早い。川崎 サウナで検索して最初に出てきた川崎ビッグ。風呂の種類が多く、3時間でJPY1,100の魅力的な価格設定(東京ではこの1.5倍〜2.5倍が相場)。吉田雅也さんにもオススメしてもらったので間違いないだろう。再び川崎まで移動。14時34分に入店。16時35分に退店。全種類の風呂とサウナを3、4周。もうさすがにいいだろとなるまで堪能。サウナで熱を浴びるあの感覚は、日焼けサロンで焼いているときと似ている。川崎駅前の普通とは違うドトール・コーヒー。値段が高い。一番安いドトール・ブレンド。JPY500。近くのブックオフで今日のコンパクト・ディスクを売りに出す。3枚(通常盤A、B、C)でJPY90。いくら何でも安い。今日発売の新曲だよ。ただこれから同じ収録内容のコンパクト・ディスクが二十枚くらい届く予定の私からするとゴミでしかない。少しでもお金に換えられるならプラスだ。仮にブックオフがこれを1枚JPY600で売りJPY1,530の粗利を得ようとも、私には関係がない。

18時28分、チッタ前。240番まで呼ばれている。18時44分、着席。後から左に来たナオン3人組によると10列目らしい。見た感じどうやらすぐ後ろの列から席がひとつ置きになっている。パーティ中に、今日は客席が75%収容だとおのみずさんが言っていた。それから推測するに全体で20列あって、前の10列が100%、後ろの10列が50%。合算すると75%ということなのだろう。無意味で馬鹿馬鹿しい。

私はつばきファクトリーをメジャー・デビュー前から観ているのだが、当時からいるメンバーさんたちはすっかり発育し、もう完全に女の形になっている。年月の経過を感じる。それを引き立てる要素が二つあって、一つは年齢層の低い新加入組。スイカに塩をかけると甘さが引き立つような。もう一つはそこまで派手に肌を露出するわけではないものの身体にぴったりした『アドレナリン・ダメ』衣装。特にtnmtがやばかった。一見の価値あり。当初は無邪気な子供のようだった秋山さんも今では筋肉質だけど性的なお腹を気前よく見せてくださるいい女になった。それでいて自らの性的さをまだ自覚しきっていない無垢さを残す今の感じが凄くいい。fkdは衣装のパンツ(パンティのことではない)がお尻のワレメに食い込んでいた。『今夜だけ浮かれたかった』でonmzがぴったりした短パンで思い切りキックしたときは白アンスコ感があって興奮した。こういうときによく思うけど、一時停止したい。ステージに上がって詳しく観察したい。askrとymgsは衣装で表に見せている部分の下の短パンがやけに小さく、性的な感じがした。見所はたくさんあったが、いかんせん席がよくなかったので詳細が見えず、もどかしく、欲求不満が残った。双眼鏡は持ってくるべきだった(リリース・パーティだと双眼鏡を使う人がほぼ皆無なのはなぜだろうか?)。

おのみずさん:レコード店回りで結心ちゃん、栞ちゃんと一緒だった。二人との絆が深まった気がする
河西さん・八木さん:(わざとらしく「みずほさん!」を連呼する)
岸本さん:楽屋では小野さん言うとったやん
八木さん:(シーッと口の前で人差し指を立てるジェスチャー)

渋谷だったかどこかのレコ屋でつばきファクトリー全員の紹介文が書かれているらしい。私は危険人物と書かれているんです、とtnmtが言うと、合ってるじゃんとonmzが即座に返した。そういった面白いやり取りもあったけど、全体としてMCのセグメントは冗長だった。新メンバーさんたちが延々と宣伝を読み上げる時間は完全に不要だった。最終的には、これ全部ホームページに書いてありますんで、詳しくはホームページをご覧ください、と岸本ゆめのさんが締めて終わった。この時間は何だったんだ。唖然とした。もちろん新メンバーさんたちの慣れていない感じ、たどたどしい感じは可愛かったが、私はそれを観たくて7時半から並んだわけではない(並んだのはこっちの勝手だが)。あと山岸理子さんから今回の新曲がオリコンでデイリー1位だったという報告。一人一人がコメントをする流れ。12人もいると一人一人のコメントが簡潔でも全体としては冗長になってしまう。宣伝の時間、デイリー1位のコメント、それらを削って曲を増やしてほしかった。特に今日は一回まわしなんだから、もっとミニ・コンサートを拡充してほしかった。

最後の曲は新曲三つから我々の拍手による投票で決められた。私は『アイドル天職音頭』に拍手をしたが、明らかに他の二曲に比べ拍手をしたヘッズが少なかったようで真っ先に切り捨てられた。マジかよ。むしろ披露機会の少なさと曲の面白さからしてお代わりするならこの曲以外にあり得ないと思っていた。残りの二曲は拮抗。どちらにするかお兄さんに決めてもらおう、とメンバーさんが裏にいるお兄さん(高見沢さん)に聞く。彼の鶴の一声で『弱さじゃないよ、恋は』になった。3曲の中で曲としては一番凡庸で面白味がないが、メンバーさんが前に屈む振り付けが多く、『アドレナリン・ダメ』衣装だとツーケーが強調されるのが非常によかった。左寄りの前方から双眼鏡で確認したかった。

今日のパーティはコンパクト・ディスクを3枚買うことでパー券が1枚、お見送り会の参加券が2枚ついてくる。お見送りの一周目では岸本ゆめのさんがお前だよという感じで目配せして私に目を合わせ、私が逸らすまでじっと見続けてくださった。それでまだ救われたが、肝心のおのみずさんに気付かれないという事故があった。おのみずさんに限らずだがどうも全体的にメンバーさんは一人一人を細かく見て相手をするというよりは目の前を通り過ぎる人の波として対応している感があった。実際、こんなにわーわー騒がしい中で歩きながら会話なんて出来たものではない。立ち止まらず、横に流れながら、近距離で美女たちをジロジロ見る、JK見学クラブのような楽しみ方をせざるを得ない。二周目では私が対面するちょっと前におのみずさんは、感謝感謝〜(?)とかいうおそらく若者の間で流行っている何かを口ずさんで周りのメンバーさんたちと陽キャ的に盛り上がっていた(このときマスクがずれて鼻が覗いた。彼女はこうなるときが結構あって、その度に私はラッキーと思う)。そのまま二周目も目も合わず終わる雰囲気があった。が、私が通り過ぎる前に私に気付いてくれた。あー! ありがとう! の言葉で何とか命拾いした。

会場外で合流したF君。開口一番、楽しかったですねと同意を求めてきたが、100%掛け値なしの同意は出来ず、やや返事に窮した。あの席だったらだいたい何をやっても楽しいですよ、と私は返した。我々は同じ会場にはいたが、最前と10列目では同じ体験ではない。私にとって今日のパーティはウォーミング・アップが済む前に終わってしまった感がある。それは今の私が日常的につばきファクトリーやおのみずさんに対してそこまで強い関心・興味・熱を持っていないからだと思う。現在の私は横浜F・マリノスの虜だし、先日、田村芽実さんのファンクラブ先行で『ヘア・スプレー』に申し込んだ。2公演でJPY29,000する。私にとってHello! Projectはもう興味的にも金銭的にも他のすべてを差し置いて最優先する対象ではない。前から書いているけど、特に最近。F君の案内で、成喜という町中華。チャーハン、焼売、肉野菜炒め、餃子、蒸し鶏、ピータン(F君の好物)など。梅酒。

私:(成喜の看板を見て)コレってせいきって読むンすか?
F君:たぶんそうじゃないですか
私:せいきってのも……笑
F君:ちょうどいいんじゃないですか。チッタから出てきたオタクは歩く男性器みたいなものなので

正しい読み方は、なるきだった。

2022年6月30日木曜日

宮本佳林「なんてったって I Love You/ハウリング」発売記念 ミニライブ&お見送り会 (2022-06-24)

クラブ・チッタ着10時45分。40数名。11時に販売開始。おとといの池袋の感じからするとさほど並ばないだろう。変に早く着いても時間を持て余すかもしれない。だから早く行く必要はない。という判断。壁沿いに列を作る浮浪者風の紳士、土のような顔色の紳士、チェック柄シャツをお召しになったシンプル老紳士などを通り過ぎ、列の最後尾につく。椿直起さん(横浜F・マリノスから水戸ホーリーホックにローン中の左ウィンガー)系の若手エスタシオン。この会場でちょっと前に行われたBEYOOOOONDSのリリース・パーティで販売の窓口が少なかったため列の進みが異常に遅く、並んでいた女が体調を崩して苦情を送ったらしい。その反省を生かしてだと思うが、今日は検温とアルコール消毒のクソバカ儀式の先に、販売窓口が四つある。倒れた女の犠牲の上にある、サクサク進む列。憧れのStress-free。11時15分にコンパクト・ディスク購入完了。JPY5,200。パー券を箱から引く前にもまた手を除菌させられる。呆れて失笑する私。アルコール散布役の淑女も苦笑いしていた気がする。1部が38番、2部が189番。買い増しはせず。

横浜駅に移動。今日の私は小さいTHE NORTH FACEの肩掛けポーチで来ているのでコンパクト・ディスクが収納できず、邪魔。そもそも既におとといゲトっているので不要。11時39分に横浜駅西口モアーズのハングリー・タイガーで整理券を発行。43番。しばらく待ちそう。下の階のハンズでぶらぶらしていたる間に整理券を紛失する。私らしからぬミス。腹立たしい。イライラする。その辺の老紳士や変な声色で接客している女店員を殴りたくなる。仕方ない。整理券を発行し直す。62番。ビブレまで歩く。ブック・オフ。さっき手にしたコンパクト・ディスク4枚を買い取りカウンターに持って行く。通常盤AとBを1枚ずつでJPY160。同一商品なのでと2枚目は買い取りを拒否される。タダでいいから引き取ってくださいと言って押しつける。どうせそれも店で売るんだろう。モアーズに戻ったらちょうど60番くらいまで進んでいた。13時19分、ダブル・ハンバーグ。食後のレーコー。平日価格JPY2,660(土日はJPY2,900)。

再び川崎。モバイル・バッテリーを持ってきていない(電源に繋ぐケーブルは持ってきている)。その辺のiGen(Z世代)よりもiPhoneへの依存度が高い私。既に電池残量が怪しい。充電したい。駅前のサテンをいくつか見るも大抵が満員もしくはコンセントなし。探した挙げ句、駅を出て右にある商業施設の上の方にあるタリーズで電源席を発見。本日のコーヒー。アニバーサリー・ブレンド・フル・ボディ。タリーズは何をとち狂ったのかレーコーの容器を紙コップに変えストローも廃止した。本当にびっくりするくらいレーコーがまずくなった。最低最悪のレーコー。プラスティックごみがどうのと言うのならグラスで出せよバカが。もうホットしか頼めない。1部は16時集合、16時半開始。右の方の2列目。だいたいこういうリリース・パーティだと5曲が標準なんだけど、6曲やってくれた。
  • 『なんてったって I Love You』
  • 『ハウリング』
  • まったりしたやつ(『氷点下』という曲のようだ)
  • 『どうして僕らにはやる気がないのか』
  • 『黄色い線の内側で並んでお待ちください』(宮本さんは緊張していたらしく歌い出しがうまくいかず二度の歌い直しがあった。二度目は捌けて水を飲み、リリックを思い出す時間があった)
  • クラップをたくさんする曲
室内のちゃんとした会場で、魅せるための照明が当たった宮本さんは、おとといの商業施設内の公共広場で観た彼女とはまた見え方が違った。より神秘性、スター性が強調されていた。

宮本さんご発言要旨
  • Twitterで#佳林(※表記不明)をお気に入り登録していつも見ている。#なんlove (のtweet数)が#佳林 を上回ることはなかったけど、私がしつこく#なんlove でつぶやいてとお願いしたらみんながやってくれて#なんlove が上回った。
  • 私のチケットはハロ・プロのユニットに比べて取りやすい。いや本当に。苦笑いしないでください。今がチャンスです。落選があまりないらしいよと言ってお友達を沼に誘ってほしい。
  • 新幹線で寝ている間にカバンの中でピンクのモンスターをぶちまけていた。周りが騒いでいる音で目が覚める。なんなら「なんだよ……(迷惑そうに)」くらいの感じで。寝ぼけながら、モンスターの匂いがするなと思っていたら自分のだった。周りのスタッフさんに迷惑をかけた。その日は実家に帰る日だった。このカバン、モンスターをこぼしたからもう捨てる! と家でゴネたら知らないうちに父親が洗濯して干してくれていた。

お見送り会では、めっちゃ可愛かったです。あー、よかった! ありがとー、的なやり取りをさせていただいた。宮本さんを観ると、本当に嘘偽りのない率直な感想として、めっちゃ可愛いというのが第一に出てくる。

会場と大通りの間の、ハンバーグだかステーキだかの店だったと記憶していた場所がPCR検査センターになっている。

2部は18時半集合、19時開始。18時37分、100番まで呼ばれる。18時46分、着席。後ろから4列目。ほぼ最後。後ろの2-3列はあえて空いているところに座りたい人がちらほら数名いるだけ。

セットリストは1部と同じだった(たしか)。最後の曲の前のトークで、ある違いに気が付いた人? と我々に挙手を求める宮本さん。今日は『氷点下』と『どうして僕らにはやる気がないのか』のオケが2019年バージョンなのだという。(私はそもそも2019年バージョンも聴いていないので知る由がなかったのだが。)宮本さん的には1部にも同じ問いかけをなさっていたので、一定数は手が挙がるだろうという感じだったんだけど、ほとんど挙がらない手。じゃあ1回目に来た人は皆さん帰られたということで……(笑)と私のファンの人って手挙げさせられるのこわがってる? 全然手挙げてくれないときあるよね。挙げてくれていいんだよ? 的なことをおっしゃっていた。宮本さん曰く、今回のシングルの通常番A、Bに収録されているのが2019年当時にレコーディングされたバージョン。声が若い。2-3年の違いは大きいんです。

マグネシウム(Mg)さんことマネージャーの淑女が登壇し、Tiktok用の動画を撮影する。我々を背景に屈んだ宮本さんが『なんてったって I Love You』に合わせて踊る。体調が悪いと言って会社を早退してきたから映ってしまうと都合が悪いという人がいるのも分かる。そういう人はうつむいてください、と我々に気配りする宮本さん。(これは2部だったか1部だったか忘れたが、#なんlove のtweetを読んでいたら始業前に並ぶか、それとも終業後にダッシュするか、でも券は残っているのか? 的な戦いを皆さんがしてくれていてありがたかった的なことを言っていた。)

宮本さん曰く、
  • マグネシウムさんは色んなものを持っている。コンビニで貰って使わなかったお箸とかスプーン?とかも私みたいにカバンの奥から発掘されたとかじゃなくてちゃんとジップロックに入れて持ち歩いている。
  • ブドウ糖をカバンに入れていたが、なくなっていた。そんなに食べていないのにな……と思ったらカバンの奥に、食べたやつの殻も含めてぶちまけていた。お風呂場でカバンを逆さにして上から叩いてキレイにした。

お見送り会。
私:リリ・イベ凄く楽しかったから、
宮:うん!
私:これからソロの現場とか行きます!
宮:あ! ぜひ〜!(待ってますだったかありがとうだったか、何か一言加えてくれる。そして目を細めた笑顔で手を振ってくれる。)
何というか、宮本さんの名前で画像検索しても出てくる表情じゃないんだよね。対面して言葉を交わさないと味わえないあの感じ。これを書きながら脳内で再生したのだが、やはりあの可愛さは尋常ではない。

家に帰る途中、池袋北口の平和通りを歩いていたら太陽城の前あたりで周囲の人々が振り返るくらいの発砲音がした。汎記 西安肉夾餅の店主も何が起きたんだという感じで表に出てきた。結局、何もなかったがやや緊張が走った。ここで何かの事件に巻き込まれて死ぬのはイヤだなという思いと、でも今死んでも悔いはないかもなという思いの両方がある。結果としてうまくいくかは別として、今の私は自分の希望を叶えるためにもがいて、自分の意志で自分の道を歩いている。こうなりたい、こうしたい、という何かしらの望みを抱き、それを実現するために行動する。結果、転んで傷ついたとしてもその結果を受け入れる。そしてまた立ち上がり、次の一歩を踏み出す。それが人生であり、自由に生きるということだ。

ソロ歌手としての宮本佳林さんを観ると、私がM-Lineのファンクラブに入るのも時間の問題だったと分かる。あの高橋愛・田中れいなさん・夏焼雅さんのリリース・パーティがなかったとしても、いずれは入会していたのだろう。今回は引っ越しもあったから次の会社に勤め始めるまでの有休期間に派手な予定は入れていなかった。でも22日(水)、24(金)に宮本さんのリリース・パーティに行けたことで、楽しいことが盛りだくさんの有休期間にすることが出来た。明日は日産スタジアムに横浜F・マリノス対柏レイソルを観に行く。もし何も予定がなかったら今から名古屋に行って宮本さんのリリース・パーティを観に行っていたくらいには楽しませてもらった。

2022年6月28日火曜日

宮本佳林「なんてったって I Love You/ハウリング」発売記念 ミニライブ&お見送り会 (2022-06-22)

最後に思い残すことは何かないんですか? と聞いてきたのは、私が担当していた業務の9割以上を引き継いだ同僚。何もないですと私が即答すると、彼だけでなく向かいで聞いていた別の同僚も笑っていた。一年前から辞めようとしていた会社に今さら未練があるわけがない。嫌いな部長にも一応挨拶しておくかと思い席の前に行ったら耳にイヤフォンをつけ会議中だった。後にしてくれ的なジェスチャーをしてきたので、私はそのまま挨拶せずに帰った。私がここの社員でなくなった瞬間から、ストリートで遭遇したら私は彼を殴る側。彼は殴られる側の貧相なジジイに過ぎない。人事に社員証を返し、ビッグ・ボーイに直行。私は退職を宣言してからの3週間、ほぼ毎日ここで夕食を摂った。残業続きで昼休みもほぼなかった怒涛の引継ぎ期間を乗り越えられたのはビッグ・ボーイのおかげだ。割と冗談抜きで私はそう思っている。朝はドトールでレーコーのみ、昼はサンドイッチと豆乳が定番だった。夜に米国資本のレストランで栄養の帳尻を合わせられたから体調を崩さずに済んだ。一日の終わりに食べる喜びを存分に味わうことで気分もよくなった。期間限定でサラダ・バーつきのプレートをやっていて。グリル・チキン・プレートというJPY858の破格メニューには本当に助けられた。多少の安堵はあるが無邪気な解放感はなく、長年つとめた会社を離れる寂しさもなく、特に感慨などもなく、希望に満ち溢れているわけでもなく、ただただ睡眠を削った3週間の疲れと、これから引っ越し準備や諸々の手続きをやらないといけないという思いだけが残る。帰り道にライムスターの『プリズナーNo. 1, 2, 3』を聴く。囚人の歌なのだが、会社員に通ずる部分がかなりあって、沁みる。それが6月10日(金)。

6月15日(水)に引っ越し。だいたい目途がついてきたな、なんとかなるだろうと思ってからが長く、14日(火)から15日(水)にかけて徹夜した(たしか5年前、前回の引っ越しでも徹夜したような……)。私は普段、毎日7-8時間寝ていたのだが、最後の3週間は5-6時間に減らさざるを得なかった。それに徹夜が重なり体力の限界だった。18日(土)には新幹線で大阪に向かい、ガンバ大阪対横浜F・マリノスを現地で観た。翌日に名古屋にバス移動。ホーミーたちとサテンで歓談したり伍味酉で飲んだり一人でサテンをハシゴしたり。21日(火)の夜行バス(JPY3,000)で東京に帰還。24:15名古屋駅発、5:18東京駅鍛冶場駐車場着。池袋駅北口のコメダでレーコーとトーストのモーニングB。コメダのコーヒーは池袋だとJPY580だが名古屋ではJPY500だった。かるまるというサウナ施設に入る。施設は新しく、風呂の種類も豊富。ただ、一人での来店しか許さない、入店したらいの一番に手の消毒、マスクを着用しますなどと書かれた誓約書への署名を求めてくる、感染対策マナーを守っているか常に見回りをしているぞ的な貼り紙など、神経質なコヴィッド対策ごっこがかなりキモい。誰かに言われて嫌々したがっているんじゃなく、自分たちは正しいと心から信じてやっている感じなので根が深い。おそらくこの集団パニックが本格的に収束してきてもこの店は自主的に感染対策(笑)を続けるのだろう。店も店だし、利用する方もする方だ。まあ、いいんじゃない? マスクとアルコールを崇めるコロナこわいこわい教を信じる同士で需要と供給が成り立つんなら。自由なんだし。勝手にやっていれば。個々の店員の感じが悪いわけではない。経営に関わる人たちがだいぶ病んでしまっているのだろう。無駄な制約をかけられ常に監視されている感覚。リラックスするために来るはずのサウナ施設。本末転倒。60分で1,480円。それならすぐ近くの池袋プラザが3時間でJPY1,600(回数券を買えば3回でJPY4,200)だから私はそっちを利用する。

北池袋の新居に帰宅し、荷物を軽くしてからすぐに出発。サンシャインまで歩く。今日は10時からパー券販売開始。9時ちょうどくらいに現地着。列は出来ておらず、人も15人いないくらい。9時21分、20人弱くらい。9時40分、エスタシオンが正式に販売列を作る。私の立っていた場所はたまたま先頭に近く、10人目くらいで並ぶことが出来た。いちいち細かく割り込んでくるおまいつの某汚いおっさん。こういうときの振る舞いに人間性が出る。一度の会計で2セット(通常盤AとBが1枚ずつで1セット。JPY2,600。1セットごとに1枚、優先エリア入場券を獲得できる)が上限。10時17分くらいに2周目の購入を完了。計4セット。結果は、1回目が1部83番、2部31番。2回目が1部69番、2部13番。お代わりをする予定はなかったのだが、列が空いていてすぐに買えたのと、F君が券を欲しがっているようだったので。豊島区役所で転入手続き。新大久保で昼食。川覇王。水煮肉片定食。王老吉。池袋に戻り、サンシャインの屋外広場でチル・アウトZERO GRAVITYを飲む。果糖ぶどう糖液糖を含まないZERO GRAVITYを売っている自販機はここしか見たことがない。チル・アウトを飲むのと飲まないのとでは生活の質が違う気がする(個人の感想です)。L-テアニンなのかな? 14時からサンシャイン内のシアトルズ・ベスト・コーヒーで時間調整。夜間のバス移動でまともに休めていないので、座っていると寝てしまう。パーティを寝過ごす前に席を立つ。優先エリアのすぐ後ろの無銭エリアにF君。2部の優先エリア券(31番)と1部、2部のお見送り券を渡す。ついでに名古屋のハロ・ショで当てた八木栞さんのキーホルダーと大須店限定写真を贈呈。JPY3,000を受け取る。1部は15時10分集合、15時45分開始。開始直前に公開リハーサルで登場する宮本佳林氏。息を呑む可愛さ。
  1. 『少女K』
  2. 『なんてったってI Love You』
  3. 『ハウリング』
  4. ゆったりした何か
  5. クラップをたくさんする何か
宮本氏ご発言要旨
  • こうやってみんなが立って観ているのが久しぶり。自粛期間になってから初めてこうなった。ここに立ってくださいというシールの上に立っているとはいえ、元に戻ってきているな、と。みんながこうやって(宮本氏を視界に入れるために身体をくねらせる動作)している感じが懐かしい。
  • (コンパクト・ディスクに封入されているランダムものの)トレ・カはほぼほぼ私しか出ない。研修生が写っている写真もあるけどそれにも私が写っている。どれを引いても私が写っているから、私を推している人にとってはお財布的にも精神的にも優しいアイドル・アーティストとなっております。だから推していただきたい。
  • 今日は後ろに宮本佳林と大きく書いてあるので、通りすがりの人が名前を検索してくれているのが見える。いつもだといったん足を止めてくれてもそのまま立ち去ることが多い。ありがたい。
  • エゴ・サが好き。常にTwitterでエゴ・サしている。#なんlove をつけてつぶやいてほしい。こういう格好をしていたなどを書けば、私が認知する日も遠くはない。
つばきファクトリーなど集団のリリース・パーティとは違い、お見送り会で対面できる時間が個別(お話し会)くらいあるとさっきF君から聞いていた。たしかに最初の方の人たちを見ていると、普通にちょっとした会話が出来るくらい長い。私がつばきファクトリーの個別お話し会に参加した経験で言うとその2枚分くらいあるんじゃないかと思った。だってさ。あれってブースに入ってメンバーさんに対面した次の瞬間にはまもなくでーすとエスタシオンが言ってくるし、1枚ではほぼ無に等しいんだよ。それがJ1のインテンシティだとすると、J3くらいに時間を与えてくれる感じがする。と思って私の番になったらまず第一声を聞き取ってもらえず、詰んだ。ソロのイベントに初めて来ましたと申し上げたが、宮本氏に聞き返され、言い直すも動揺し噛む。初めて来たことを何とかお伝えることには成功。マスクと社会的距離(笑)だけじゃなくアクリル板まで置いてあって、思っていたよりもお互い聞き取りづらい。氏は初めて来たのー? ありがとー! と返してくださった上に、なんだっけそれ。シンプソンズ? と両手で四角を作って私のTシャツのプリントを示しながら問いかけてくださった。私は頷きながら捌けた。宮本氏はJuice=Juice退団時に次の方向としてDIYがどうのとおっしゃっていたが(私の知る限りでは)その方向に進まず、こうやって曲をドロップし、人前で歌って踊る正統派な活動を続けてくださって本当によかったな、としみじみ思った。一人でステージに立ってそれで成り立つ、それだけの華がある。スキルはもちろんだが、トレーニングでは何ともならない天賦の才があってこそ。

2部は17時半集合、18時開始。セット・リストは1曲目がどうして僕らにはやる気がないのか的な曲だった。それ以外は1部と一緒。13番のパー券。右端付近ではあるものの最前に立つことが出来た。間近で宮本氏をじっくりと観ることを許される至福の時間だった。特に今回着用なさっている『なんてったってI Love You』の緑衣装では氏の強みであるふとももを存分に見せてくださるので、非常にありがたかった。
  • 宮本氏が通りがかりの一般人にご自身を宣伝なさる際、インスタのフォロワーは10万人いるんで、とセルフ・ボースト的におっしゃっていたのが可笑しかった。
  • 自粛期間が始まってから噴水広場でリリ・イベをやるのは私が初めてらしいですね、ハロ・プロはもう卒業しちゃいましたけど、同じ会社で(笑)。言いかた統一してほしいですよね。ハロ・プロOGと言ってしまうとそれこそ安倍なつみさんとか、もう歌唱活動をされていない先輩方も含まれてしまうじゃないですか。私はその意味でハロ・プロOGという括りに自分がいるとは思っていなくて。まだまだ現役でやっているつもりなので。だからハロ・プロと同じ会社という言い方をしています。……的なことを宮本氏がおっしゃっていたのが印象に残った。
  • 今日はハロ・プロ界隈のリリース・パーティでは知らない人のいない有名スタッフ、アルビ氏が朝からいたが、彼が前説をするわけではなく、声を聞くことははなかった。公演中はムスッとした様子で腕を組み観客方面を睨みつけていた。公演の前後には出身サークルに顔を出した大学の先輩のような雰囲気を漂わせつつ、若めの女スタッフと駄弁っていた。フットボールの服は着ておらず、ベージュのチノ・パンとカーキの半袖ポロ・シャツ。
  • お見送りでは、『ハウリング』めっちゃ好きです。え、ほんとー? で、川崎も行く! おっけー待ってるね! 的なやり取りをさせていただいた。
前からちょっと気になっていた老四川麺館 金満軒に入店。重慶汁なし担担麺(麺大盛とコメが無料サービス)と、揚げた鶏モモ肉。歩いて家に帰り、コイン・ランドリーでたまった洗濯物を洗う。近所を歩いて思うのだが、洗濯物を外に干している人が異様に少ない気がする。治安的な理由? それとも外国人が多いから外に干す習慣がない? いずれにしても外の物干しは狭く、風呂場には乾燥できる設備がないので、部屋干し用の道具を買う必要がある。

2022年5月28日土曜日

PARADE 日本武道館スッペシャル (2022-05-16)

グランド・スケープ池袋のタリーズ・コーヒーで私がこれをタイプしているのは5月28日(土)。つばきファクトリーさんを日本武道館で観たのが12日前とは思えない。つい最近観たコンサートという感じがしない。もうだいぶ過去のことのような気がする。その間に色んなことが起きすぎた。あまりに目まぐるしく、振り返る余裕がない。5月18日(水)に某社の最終面接を受け、翌日18時頃に採用オファーを貰う。その日中に受諾。5月20日(金)に現職の上長に退職を告げ、退職届を提出。5月21日(土)には不動産の仲介会社(お部屋探しCAFEヘヤギメ!池袋店)に飛び込みで入店。二つの物件を内見し、その片方への入居を申し込む。以降、現職を離れるための引き継ぎや、退職、入社、転居に伴う諸々の手続きや準備に追われている。転職については約10ヶ月前から動いていた。数え間違いがなければ計18社の面接を受けた。思っていたよりも時間はかかった。そのぶん本当に勉強になった。かけがえのない経験になった。途中でイヤになりかけたが根気強く続けた。私は強くなった。自分で自分を褒めてあげたい。引っ越しも前からしたいと考えていた。再び池袋に住みたい(2013〜2014年頃に1年半ほど住んでいたことがある)と思っていたが、次の会社の勤務地が判明してからにしたほうがいいので保留していた。そのタイミングが来たので実行している。前からずっと考えていたから迷いがない。すぐに決められる。その場の思いつきで行動しているわけではない。

この2週間弱、気が張って、睡眠時間も減っている。久しぶりに味わう強い疲労感。この記事は先週末にも書こうとしたのだがしんどくて無理だった。5月22日(日)、新宿のほぐし職人に駆け込んだ。担当してくれた紳士に頭、首、肩が疲れていると言うと、たまたまその紳士(山下さん)がそれらの部位を得意とされていた。私は月一で整体に通っている。そこの先生も十分に腕はあると思うが、ちょっと山下さんはモノが違う。指名ランキング上位らしいのも納得。明らかに調子がよくなった。身体が軽くなったし、疲労は軽減した。それが少なくとも5月27日(金)までは持続した。この一週間は彼のおかげで乗り越えられたようなもの。引っ越してからの月一整体は山下さんにお願いしようかな(いま通っているところは引っ越すと遠くなるので)。

5月16日(月)に話を戻す。というかまだその話をしていなかった。7時25分から在宅労働を始め、11時半頃に切り上げる。今の担当業務は曜日毎、さらには一日の中でも時間によってやらないといけないことがかっちり決まっていて、非常に休みづらい。落としどころとしての午後半休。繰り出す新大久保。川覇王。麻婆豆腐定食。生ビール。生ビールだけすぐに出してくる。放置するわけにもいかないので飲む。麻婆豆腐定食が出てくる前にほぼ飲み終えた。なにせ15分くらい時間差があった。これがよくなかった。空きっ腹にアルコールを注入し。次回からは先に料理を注文し、料理が出てきたら酒を頼むように業務フローを変更する必要がある。店員の機転に期待は出来ない。麻婆豆腐は期待を裏切らないおいしさだった。痛み寄りのからさ。汗と涙。甘いものが欲しくなる。ともかく魔の15分に飲んだ生ビールによるダメージは大きかった。サテン(シュベール)に入ったがだるすぎて本が読めなかった。ネカフェにでも入ってしばらく横になりたくなった。ただ前回の武道館と違うのはアルコールを入れたのが昼だから夜までには回復する可能性が高いこと。不幸中の幸い。高田馬場駅構内のNEWDAYS。カンゾコーワ。九段下。セブン・イレブン。水道代とガス代を支払う。JPY12,905。プロパン・ガス屋とかいうマザー・ファッカー集団。日本武道館の前でF君、Lさんと合流。Lさんから自作フロランタンをいただく。彼曰く、歯にくっつく。入れ歯や差し歯の人は要注意。Dさんは歯、大丈夫ですかね? と後でこのお菓子を渡す予定の年輩者を気遣っていた。大丈夫だよ、とF君が言った。D君と言えば、今日の私は無関係なエメラルド・グリーンのTシャツでコンサートを観覧するというワックなスタイルだ。以前、無関係なピンクのTシャツ(譜久村聖さん支持者)でコンサートに臨むD君に対し、それは違うと思うんですよねと苦言を呈したことがある。17時33分に席に着く。アリーナB5。アリーナの一番うしろのブロック。のさらに一番うしろの席。後ろに人がいない席は好きだ。横浜F・マリノスのシーズン・チケットも私はそういう席を貰っている。ゴールが決まって立ち上がっても他人の視界を遮ることを気にしなくていい。

  • つばきファクトリーさんの公演で久しぶりに心から楽しいと思えた。翌日も余韻が残った。5回入った平場のツアーよりも格段によかった。アリーナ席の中では最もステージから遠いとはいえ、サブ・ステージ(いわゆるへそ)にメンバーさんたちが来たときにはそれなりに近かったし、双眼鏡を使うと高精細の絵を得られた。前半にメドレーと新曲を入れたことで平場で感じた退屈さは払拭されていた。(それでも一つ目の衣装への低評価は変わらず。せめて武道館仕様で布を減らしてほしかった。)
  • 入場直前にペン・ライト(新メンバーが加入する前の、公式のやつ)の電池を入れ替えたのだが、なぜか却って光が弱くなった。エメラルド・グリーンは色自体が光らなかった。序盤はそれが気になって公演に集中できなかった。ペン・ライトを諦めて使うのをやめた。エメラルド・グリーン単体でも、二色でも三色でも何色でもいいんだけど、とにかくエメラルド・グリーンが安定して強く光るペン・ライトがほしい。
  • メドレーのアレンジが面白かった。編曲的な意味でもそうだし、台詞を挟んでいるのも。メドレーの途中くらいからアルコールによるだるさが完全に抜け、とても楽しめるようになった。コンサートを通し、私に限らず徐々にヘッズたちがのめり込み、熱気が増し、グルーヴが生まれていった。
  • 『だからなんなんだ!』を聴いていて今さら思ったのだが、冒頭の「はっきり聞かせてよ だからなんなんだ!」の箇所は、はっきり聞かせてよがメンバーさんから我々への煽りで、ヘッズ全員でだからなんなんだ! と叫ぶところだよね。本来は。叫びたかった。この曲では曲が始まる前の無音状態でのSaoriのムーヴが新しくなっていた。初演のような新鮮さがあった。
  • 『だからなんなんだ!』のときだったかな。浅倉樹々さんを見てふと思ったこと。『行くぜ!つばきファクトリー!』の学力テストや、DVD MAGAZINE 19を観てからこのコンサートを観ると、アイドルさんたちはセカンド・キャリアに不満や不安を抱くよりもこうやってファンに支持され大人に守られステージで自分を表現する稀有なファースト・キャリアを築けた奇跡を祝福し味わい尽くした方がいい。アイドル業から足を洗ってから稼ぐのが難しいのはそうなのだろうが、もしアイドル業に就けなかった場合のファースト・キャリアがどうだったか(どういう職に就けて、どれだけの収入を得て、それがいつまで続いたのか等)も考えた方がいい。
  • 6月29日(水)にドロップされる新曲のうち『弱さじゃないよ、恋は』と『アドレナリン・ダメ』の2曲が初披露された。この公演で一度だけ聴いた印象では、『弱さじゃないよ、恋は』はどこかAKBっぽい感じがした。私はAKBをちゃんと聴いたことがないのだが、メロディの運び方などが何となく。評価は保留するがピンと来なかった。『アドレナリン・ダメ』は結構いいんじゃないか? 一回ずつ観ただけだとこっちの方が好き。題名的にヘッズがいちばん気になっていたのは『アイドル天職音頭』のはずだが、こちらの披露はお預けとなった。アンコール明けでハワイのおばさんのような出で立ちでステージに現れたメンバーさんたちのボディ・パーカッション。リズムとノリが祭りっぽかったので、題名が何とか音頭だったし、これが噂のアレにつながるわけか! と期待させ、満を持して始まるのが『表面張力〜Surface Tension〜』というのはズッコケどころだった。それはそれでよかったけど。
  • 最後のハワイのおばさん風衣装はツアーにはなくこの武道館公演で追加された。平場だと『帰ろう レッツゴー!』は最後にメンバーさんたちが捌けていくためのBGMとして使われていたが、この武道館公演では実際にパフォームしてくれた。ひとつの嬉しい驚きだった。ハワイおばさん衣装はメンバーさんによって形が違うのだが、小野さんは両ワキを完全に見せる形。サブ・ステージに来て『帰ろう レッツゴー!』で両腕を上げて左右に振る動きをなさっているときは、しっかりと双眼鏡で目に焼き付けさせて貰った。

2022年5月3日火曜日

PARADE (2022-04-30)

千葉に向かう武蔵野線。デート・アプリ会社の車内広告。
#そろそろデート再開しませんか
コヴィッド騒ぎで減ったであろう利用者数が回復していないのか知らないが、デートをするしないの個人が判断する問題を企業がわざわざポスターで促していること自体がどこまでも受け身、不安症、陰気なジャップの国民性をよく表している気がした。誰かの指示やお墨付きがないと何も出来ない。生きる上での価値観や理念がなく、ただ空気に従うことに命を懸けている。山本七平さんが『空気の研究』で書いたように空気が日本人の宗教。いやまあデートなんてのはどうでもよくて、もっと大事なのは
#そろそろ握手会再開しませんか
だ。私たちにとっては。コヴィッド劇場が始まってから握手会が廃止され代わりに開催されているお話し会。お互いマスク着用で数メートル離れた上にビニールのパーティションを隔てて数秒対面するだけでJPY1,300。こんなのヤクザでも思いつかない。本当に鬼畜の所業。握手会ってのはな、触らせてもらえるから価値があったんだ。会話なんておまけなんだ。私はみずほさんを触りたい。触らせてくれ。デートは個人同士が勝手にやればいいけど私たちは勝手にアイドルさんに勝手に触るわけにはいかないんだ。

宇都宮、座間が(自分的に)低調だったし、水曜の高橋愛さん、田中れいなさん、夏焼雅さんのリリース・パーティで私の心は満たされていた。今日は席がよくないし、千葉に魅力もない。面倒くさい。気が乗らない。もちろんチケットがあるからと言って行く義務はない。行きたくなけりゃ行かないのも私の自由。ただ行かなかったからといって代わりにもっと楽しい何かがあるわけでもないんだよね。

今日の会場。千葉県文化会館。2016年に℃-uteのコンサートで行っていた。それ以来。現地で昼食を摂ろうかと思ったが当時の自分のブログを見ると本千葉駅周辺は飲食店環境に恵まれていなさそう。家の近くで食っておく。魚介系居酒屋のランチで寿司15貫。13時40分すぎに本千葉に到着。前を歩く某有名おまいつ。会場のすぐ近くに何やら城があって、それを眺めたりストレッチしたりして少し時間を潰してから入場。14時21分に席に着く。慣れていない感じの場内アナウンス。「つぶ……つばきファクトリーコンサートツアー」。15時の開演に合わせるかのように順調に眠くなってくる。でも今日は一度も眠ることなく最後まで観ることが出来た。

16列。カス席かと思いきや、思っていたよりは近かった。6倍の双眼鏡を使うとちょうど観測対象の全身が収まる感じ。私にとってはこのツアーがこれで最後なので、思う存分にみずほさんを目に焼き付けようと決めた。前半はほぼ彼女だけを観ていたが、後半から他のメンバーさん、特に谷本安美さんと山岸理子さんらの性的な誘惑に耐えきれず、ちょくちょくよそ見をしてしまった。二着目の衣装で谷本さんがガッツリ見せてくれる両ワキはウクライナ情勢を差し置いてでも注視せざるを得ないし、山岸さんがキック時に一瞬だけ見せてくれた短パンが小さいように見えたとき私は気が気でなくなった。もっと観たい、あと2回、3回と入りたいという考えが頭に浮かんだ。

しかし冷静になって考えるとこのツアーに関しては5回入ったし、それで十分だったと思う。仙台以外の地方遠征を入れなかったのは賢明だった。というのが、このつばきファクトリーさんのツアーには、交通費と宿泊代に何万円も出して観るほどの価値を私は見出せない。その熱意を持てない。もっと自分にとって突き抜けた楽しさを感じられる経験のためじゃないと、遠征してアイドルさんを観に行くというクレイジーな行為には及ぶことが出来ない。席の間隔を空け、立ち上がらず、声も出さず、おとなしく、決められたとおりに、お行儀よく観てくださいね〜、なんていう興行のために長距離バスや新幹線を駆使し地方まで行くのははっきり言って馬鹿馬鹿しい。価値観も財力も金銭感覚も人それぞれだから、遠征しまくっている人を否定する意図はまったくない。自分にとって今のハロー!プロジェクトがそうだというだけの話。

このコンサートを5回観ての総括としては、前半が退屈で衣装もいまいち。何度も観ていると前半は飽きる。翻って後半は楽しい。衣装も目を引くし何といっても『だからなんなんだ!』という目玉が配置されている。いやいやそれは流れとしてメリハリをつけているのであって、あの前半があるから後半が楽しいんだという意見もあるかもしれないけど、どうだろう。それはちょっと違うような気がするな。まあ私の個人的な感想に過ぎないし、議論をするつもりはないけど。

公演毎にヴェテラン・メンバーさんたちが髪型を変えて目で楽しませてくれたのは印象的だった。みずほさんはたしか今年の抱負として多彩なヘア・アレンジをしていきたいと何かで書いていたような記憶がある。その言葉通り、本当に公演毎に新しい一面を見せてくれた。対照的に毎公演の髪型が変わらない新メンバーの4人の初々しさ。今後コンサートを重ねていって、徐々に髪型を遊ぶようになるのかな。それを見るのは楽しみ。

新沼希空さんが特技と自称する、あいうえおきそらんという例の下手なあいうえお作文。先週は栃木の「と」を栃木で始めていたが(仙台と座間がどうだったかは覚えていない)、今日も千葉の「ち」を千葉で始めていた。あいうえお作文の意味がなくなるだろ。誰かが言ってやった方がいい。私が知るかぎり、このあいうえおきそらんというのがよかった試しが一度もない。つばきファクトリーさんだけを観に来た人が集まった場でさえきついのだから、外部仕事で特技ですと言うのはもっとやめた方がいい。みずほさんは会社の人の指示でフルートを特技ではなく趣味と言うようにしたらしいが(何かで言っていた)、あいうえおきそらんこそ特技から外した方がいい。そういえばどういう話かは忘れたけど、何かをしてくれないと、キソちゃん、怒っちゃうゾ! と思いっきりぶりっ子な感じで言い、我々の反応を見て「引かないでください」と2回言っていたのは面白かった。

秋山眞緒さんが、『断捨ISM』だったかな、何かの曲で新沼さんが貰っている歌割りを自分がいいな(欲しいな)と前から思っているという話をしていた。絶対にあげませんと新沼さんが一蹴すると、卒業したら私が受け継ぐということを秋山さんが言ってドッと会場が盛り上がった。すぐに訂正し、一生卒業はしなくていいけど〜、たまには私に歌わせて欲しいという風に言い直す秋山さん。そのとき新沼さんが笑って崩れ落ちたんだけど、衣装の中の短パンを見せてくれた。

会場を出て少し歩いた道路沿いに店を出していたアンオフィから42番(みずほさん)を購入。そのまま帰ろうとした本当にそのタイミングで目の前にF君、そして去年10月に初対面を果たして以来のLさんに出くわす。████さんからTwitterで依頼を受け36番(浅倉樹々さん)を代理購入。千葉が地元のLさんの案内でちょっと歩き、貴族館というサテンに三人で入る。レトロ感を出しているのではなく地でレトロ。隣が歯医者だったかな。二階から上がアパートメントで。まだこういう風景が日本に残されていたんだという感じの。50代くらいの淑女が一人で回している。18時閉店らしいが、17時にオーダーしたLさんのクリーム・ソーダが17時30分に来、F君と私のレーコーが来たのが17時38分。レーコーはおいしかった。18時間際に退店しようとするとお店の淑女がお手洗いに行っているか何かで不在で。ごめんねちょっと待ってねと出口付近のカウンターにいた常連客に言われる。ほのぼのした時間、空間。その後、錦糸町に移動。東京ムスリム飯店。ついさっきまで5時間に渡り昼飯を食っていたらしい████さんと合流し、夕食。羊のマーラー鍋的なものが四川料理店の感じとは違い油ギトギトではなく、スープを飲んでも胃がもたれない、薬膳っぽい味だった。前に来たことがあるというF君にお任せして頼んでもらった。全部おいしかったけど一つ挙げるなら羊の焼売が絶品だった。

高橋愛・田中れいな・夏焼雅「ラフ・アンド・ピース」 ミニライブ&お見送り会イベント (2022-04-27)

洗練されてる面々。ハロー!プロジェクトのキング・ギドラ。ウェスト・サイド・コネクション。高橋愛、田中れいな、夏焼雅。この三人がアルバムを出すと聞いた。聴かない手はない。聴くには買わないといけない。買わなくても誰かがくれるシステムはない。Juice=Juiceやモーニング娘。なら個別特典会のために大量購入し持て余したブツをストリートの仲間たちから回してもらえるが、高橋、田中、夏焼の熱心なフォロワーは周りにいない。どうせ買うなら何かの特典つきがいい。ちょっと調べてみたがピンと来ない。コロナ騒ぎが始まって給与の減った会社員が副業でウーバー・イーツをやり始めたような感じでアイドルさんたちが一斉に参入したリミ・スタ(YouTubeで配信されるオンラインのサイン会)。私はたまに切り抜き動画を覗くことはあるが、自分があれで名前を呼ばれてコメントを読まれたいという希望はいっさいない。オンラインでのお話し会もあった気がするが、話したいことや伝えたいことなどない。小野瑞歩さんとさえ話したいことはないのに、日頃追っていない高橋、田中、夏焼と画面上で対面して何を言えばいいのか。それにオンラインで顔を出しての対話は企業の採用面接を思い出す。相手が違うとはいえわざわざお金を払ってやりたくない。それで一旦は買うのを保留していたんだけど、たまたまタワレコの通販サイトを観ていたらリリース・パーティ参加抽選券つきのがあって。平日で横浜だけどまあ何とかしようと思って。買って。当選して。当日は労役を何とかして。たどり着いた桜木町駅。ランドマーク・ホール。開演19時。入り口に掲示してある入場時間。整理番号1番から100番が18時30分、101番から200番が18時40分、201番以降が18時50分。整理番号はタワレコのマイ・ページに表示されている。私は165番。まあ後ろのほうか。と思っていたんだけど謎のひとひねりがあって。入場は整理番号の順なんだけど席は早いもの勝ちではなくて。入る前に机にトランプみたいに10枚の紙が置いてあって。リリース・パーティで見慣れたあの参加券。あれを裏返して並べてあるの。一枚を選ぶ。これって指さしたら係員のお姉さんがそれを渡してくれる。その番号の席に座る。私の番。何か野生の勘が働いて。調子がいいときの仲川輝人さんがドリブルをしながらゴールへのコースが見えるのと同じようにあの紙が良席だというのが何となく見えた。お姉さんから渡された紙を裏返すと、60番。4列目の右から三番目。素晴らしい。タワレコの整理番号が若かったのに後方席を引いた人もきっといただろうと思う。ぬか喜び。意味不明なシステムだが私は結果として助けられた。ステージへの近さ、高橋、田中、夏焼を生で観られて彼女たちの歌を聴けること、リリース・パーティ特有の雰囲気、そういったものが合わさってワクワクした。楽しい時間になることが約束されていた。私はこの感覚を最近ハロー!プロジェクトでは久しく味わっていない。前説のアルビ兄さんにはつばきファクトリーのときのイキリ感がなく、オフ・モードのようなしおらしさ。やたらと「ならびに」「また」を連発する緩慢な喋り。登壇する高橋、田中、夏焼。アイドルアイドルした衣装。存在がキラキラ。いわゆる絶対領域を全員が露出。田中に至っては両ワキを丸出し。帰りの電車で年齢を調べたら高橋35歳、田中32歳、夏焼29歳。もちろん一般的にはまだ若いは若い。しかしいわゆるアイドルという枠組みでは現役を外れる年齢。実際に三人ともとうの昔にハロー!プロジェクトを退団し、同じアップフロント内のエム・ラインという団体に属している。職業としてのアイドルという意味では第一線から退いている。高橋にいたっては結婚している。だがそういったことに関係なく、今日の彼女らが放っていた輝きは紛れもなくアイドルのそれだった。職業としてではなく、存在としてのアイドル。往年のハロー!プロジェクトのそれだった。現役のハロー!プロジェクト・メンバーさんはこうはなれない、ここまではたどり着けない、そう思わせるスターのヴァイブスがあった。モノが違う。夏焼が、愛ちゃんとれいなちゃんと一緒に歌っているとモーニング娘。に入った気分だと言っていた。たしかに高橋、田中といえばモーニング娘。の主要な歌割りをほぼ二人で独占していた時期もあった。2ちゃんねる利用者たちは高橋の重用をタカハシステムなぞと揶揄していたが、システム(要は事務所やつんくによる贔屓)が仮にあったとしてもそれに耐え得るだけの素質が高橋になければ成立しなかった。高橋と田中がモーニング娘。で一時代を築いたレジェンドであるのは間違いない。高橋、田中、夏焼。彼女たちは単なるアイドルではない。アイドルのアイドル。久しぶりに聞いた田中の博多弁のトーク。私がモーニング娘。で観ていた頃の田中と何も変わっていなくて驚いた。田中が歌の合間にたまにニコッとして客席に目配せするのが可愛かった。アイドル・サイボーグという言葉があるけど、今日の三人からは仕事モードで思いっきり作り込んだアイドルというよりは、リラックスしてありのままの自分で居続けているだけで勝手にアイドルになっている(自分とアイドルという概念の境目がなくなっている)凄みを感じた。アルバムの8曲中、5曲が披露された。各人の歌声が極めてドープな上、三人組という少数編成なので一人一人の歌声を存分に味わえた。聴いていて本当に気持ちがよかった。約35分の短時間にもかかわらず大満足。余韻が残った。今のハロー!プロジェクトよりはエム・ラインの方が私には合っている可能性がある。

セットリスト

1.『わさびじゃないのよ鰹は
(トーク)
2.『およげ!たいやきくん
3.『愛のドンデン返し
4.『誤爆〜We Can't Go Back〜
(トーク)
5.『十人十色三者三様』

2022年5月1日日曜日

PARADE (2022-04-24)

西村拓真さんはCSKAモスクワでプレイしていた頃、ヨーロッパ・リーグで現地時間21時(モスクワ時間だと23時)キックオフの試合に出場したときにまったくアドレナリンが出なかった。交代で下げられてからも眠いと思いながらベンチで観ていた。寝るのが早い西村さんにとって23時は戦いではなくリラックス、睡眠の時間なのだ。身体が慣れ親しんだサーカディアン・リズムを急に変えることは出来ない。調子が狂う。私も西村さん同様、早寝早起きの身体になっている。というか労働上そうせざるを得ない。学生の頃はどちらかというと夜型だった。Hello! Projectが紅白出場の道を諦めてから恒例行事となった年末年始のカウ・コンに私は行ったことがないし行こうとしたこともない。眠くてしんどくなるのが見えている。私は2012年と2013年を跨ぐ坂本真綾さんのコンサートに行ったことがあるが途中ちょっと寝た。夜は寝たい。‪横浜F・マリノス‬が出場しているACLの試合を私はDAZNで観ている。4月16日(土)は20時キックオフだったからよかったものの4月19日(火)と4月22日(金)は試合開始が23時だった。短期間に二度の夜更かしをしたのが響いている。昨日の宇都宮公演と同様、コンサートの前半が眠気の頂点だった。ハーモニーホール座間で席に着くと、開演に合わせるように徐々にだるさが増してくる。昨日よりも長く寝た感触がある。前半の大半は寝ていたと思う。あの悪夢のザ・バラッド並の眠さ。後半は起きていたのも昨日と同じ。昨日は宇都宮まで行ってコンサートの何割かを寝て過ごし、今日は座間まで来てコンサートの何割かを寝て過ごした。自分が何をやっているのかよく分からなくなる。

私の席は左寄りだった。角度的に『ガラクタDIAMOND』でみずほさんが座っているときに写真集でよくあるあの感じ(脚で股間を隠して何も履いていないように見せるアレ)になって嬉しかった。その後に座り直して角度をちょっと変えて私を誘うように中の短パンもちらっと見せてくれた。同曲で谷本安美さんが脚が出過ぎるのを気にして生地で隠そうとするのには腹が立った。出せよ。と思ったが、ああやって恥じらいを見せてくれるのもそれはそれで却って趣があるのかもしれない。あけっぴろげに露出するだけが芸ではない。もちろん秋山眞緒さんがホット・パンツで脚を組み惜しみなく見せてくださる大迫力のふとももを否定する意図はない。

  • 豫風瑠乃さん:今日は靴下を新沼さんとお揃いにしたあとアイ・シャドウ(だったか? 目の下に塗る何か)をメンバー・カラーにした。ファンの皆さんとお揃いの色で心がひとつになれた。
  • 福田真琳さん:上京してから初めて親と八景島シー・パラダイスに行った。そのときに買ったシロイルカさんの靴下を履いている。今は汚いからお見せ出来ないんですけど。
  • 浅倉樹々さん:『断捨ISM』は振りVの時点では振りが今とは違った。サビの音程も一段階高かった。(この話をしながら浅倉さんの他にも小野田さん、小野さんら数名がオリジナルの振りをちょっとやっていた。貴重な情報、貴重な光景。)
  • 小野瑞歩さん:今日はこの前にいいことがあった。何かは言えない。エメラルド・グリーンはキレイな色だなと思った。初心を思い出した。Hello! Projectにいてよかった。これからもここで頑張っていきたい。(「いいこと」ってもしかして男関係!? と私の心がざわついたが、エメラルド・グリーンの件とその後のブログを見る限りどうやら佐藤雅樹さんと会ったようだ。)
  • 小野田紗栞さん:双眼鏡で観ている方いるじゃないですか。特に遠くの席の方は。双眼鏡を使うとよく見えるらしいんですよ。今日、双眼鏡で観ていた方は、これ(モニターで大写しになっている自分を指す)くらいの私と目が合っていたと思います。(豫風瑠乃さんがおどけて双眼鏡のポーズをし、小野田さんの話が終わってからもしばらく続けていた。)
  • 山岸理子さん:今日は(座間出身で、この後に同じ会場でコンサートをする)モーニング娘。の小田さくらさんからカレー・パンの差し入れをいただいた。たくさん汗をかいたのでこの後カレー・パンを食べるのが楽しみ。(終演後の会場ロビーで「カレー・パン買わなきゃな〜」とおまいつさんがお仲間に言っていた。これからみんなで車に乗って買いに行く流れのようだ。小田さくらさんがつばきファクトリーに差し入れをしたというだけで自分も買いに行く思考がよく分からないが、彼らはこのような行動が楽しくてたまらないのだろう。こういう幸せな脳を持っていないとアイドルのオタクを長く続けることは出来ない。)

モーニング娘。さんがよくコンサート・ツアーの初日で使っていたためかハーモニーホール座間という会場には変なブランドがあるが、何の変哲もない凡庸な会場であり、周辺環境にもまったく魅力はないし、相武台前駅にも微妙に行きづらい。ちょっと早めに入って現地でメシを食おうとしても町に受け入れ体制がない。コンサートの前後に何か食う場合は新宿付近で済ませるべき。新宿から徒歩込みで片道約1時間。移動のための移動。それ以外の価値がない往復2時間。その上、今日は雨と来た。コンサートが終わり外に出ると、開演前よりも強くなっている雨。相武台駅までの道中にある酒屋前の喫煙所で一服するF君と合流。自販機でコーヒーを買ったら力水が出てきたらしい。炭酸入り白濁液。DHA配合が売り。懐かしい。たしか私が小学6年生のときに発売したんじゃなかったっけ。少なくともその頃からあった。近所の自販機で買った記憶がある。当時、DHAがブームになっていた。頭がよくなるとかで。メーカーは菓子パンとか色んなものにDHAを入れていた。みんな頭がよくなりたかったんだね。で、その頃にDHAに飛びついた奴らはどうなっている? 風邪にビビり散らかし、言われるがままに二回、三回と注射を打ち、着ければ恐ろしいヴァイラスから守ってくれる設定の汚い布切れを一日中顔に装着し、私はルールを守る良き市民ですみてえな面でほっつき歩いてやがる。奴らには何か信念があるわけではなく、従順なだけ。異端になるのを避けたいだけ。周りに合わせているだけ。テレビ様や専門家様の号令でしなくてもいい空気になったら外す。コロナが明けてよかったね〜なんて言ったりして。お前らがそんなに頭がいいのはきっとDHAのおかげだよ。私のようなフェイク情報に踊らされる社会性の低い低学歴の馬鹿ではついていけないな。

新大久保駅の改札前。人が溜まる空間をわざわざ作っておきながら実際に人々が待ち合わせ場所として使っていると通行の邪魔だからそこにとどまるなと拡声器を通して延々と言い続ける駅員たち。あいつらのやっていることがまさにジャップの労働という感じがする。川覇王さんでF君と夕食。鄧小平の大好きな成都風角煮、水煮肉片、汁なし担々麺、ちぎり羊肉の自家製味噌添え、ピータン。瓶ビール、梅酒。大満足。どれもうまい。この四川料理店は期待を裏切らない。また4、5人で来たい。

2022年4月29日金曜日

PARADE (2022-04-23)

昨日18時から田村芽実さん主演のミュージカル『弥生、三月』をサンシャイン劇場で観た後、23時から家でACLのシドニーFCさん対横浜F・マリノスを観た。今日はミュージカルとフットボールの余韻が残った状態で鈍行で宇都宮に向かい、つばきファクトリーさんを観た。さほど楽しめなかったというのがコンサートの正直な感想だ。少なくとも今日のこの公演にはさほど心が躍らなかったし、このツアーにも飽きた。私は普段、22-23時に寝て6時頃に起きている。日付が変わっても起きていることはほぼない。昨日は午前1時頃までフットボールを観ていた。起床時間は普段とほとんど変わらなかった。そのぶん睡眠は短かった。質もおそらく低かっただろう。寝る直前まで観ていた試合はイライラが募った。特に前半は苦しい展開。何とか勝ったが。コンサートの前半はだるくて居眠りした。何度か船を漕いだ。別にいいや。まどろみながら私は思った。そこまで必死で観るほどのもんでもないだろ。前半の衣装はあんまりよくないし。休むのも大事。身体が疲れているなら睡魔に身を任せればいい。衣装を変えてからの後半はちゃんと起きていよう。睡眠といえば、最近の私はSWITCHmeというビター・オレンジ・オイルのスプレイを寝具に噴射したり、YouTubeで雨や嵐の音を流したりしている。両方とも効果を感じているが、特にYouTubeの方は何かを買う必要がないから入眠を改善したい人は試してみるといい。睡眠やストレス用に作られた8時間や10時間の雨動画(音声)がYouTubeにはたくさんある。布団の中で聞き入っているとすっと眠れる。

宇都宮駅前にタリーズもあったはずだが、栃木に来た感を味わうためにパーラー&喫茶BC(ブラジル・コーヒー)に入る。庶民的な雰囲気に油断していたがメニューを開くと一番安いホット・コーヒーがJPY700で卒倒しそうになった。タリーズの倍。栃木を舐めていた。関東の僻地にもかかわらず高いのか、関東の僻地だからこそ高くしないと(客数的に)商売が成り立たないのか。やっぱやめますと言って店を出るわけにもいかず。仕方なくJPY750のレーコーを注文。次に来る機会があればタリーズに入ろう。

F君と駅前で落ち合い、宇都宮駅前の餃天堂という餃子の店に入った。入店待ちの行列が出来ていて、入るまで1時間以上かかった。Aさん(私がみーたんと制服チェキを撮った日に会場前で挨拶だけしたことがある、小学生女アイドルを追いかけるイルな女性)、Bさん(初対面のシュッとした若者)と4人で入るつもりだったが4人の席が空かず。先にF君と私が入店。入って注文してからも待ち時間は思ったより長かった。焼き餃子と水餃子以外はライスと作り置きのつまみ数種類、あとは飲み物だけのメニュー構成だが、常に外に人が並んでいるにもかかわらずどうも全部注文を受けてから作っているらしい。飲食店の仕込み動画を観るのにはまっているF君によると、かなり大変そうな稼業なのだという。一日体験するくらいならいいですけど毎日は自分は無理ですね。そんなに儲からないだろうし。何で飲食店をやろうと思うのか、理解が難しい。そうですよねと私は頷きながら、考えた。きっと私の労働を見て同じようなことを思う人はいる。そして会社員全体に対して同じようなことを思う人もいるだろう。さて、餃子。皮がモチモチで見た目より食べ応えがある。ただ皮を食っている感じで、2-3個食べたら飽きる。ご飯が進まない。ライスは要らなかった。具材もタレも味が弱い。よだれ鶏を出せ。餃子を麻婆豆腐に浸けさせろ。まあ経験として、観光として一度入ってみる価値はあったかなという感じ。Aさんに車で会場まで送ってもらう予定だったが、後から入った彼女たちを待っていると開演(14時半)に間に合わなさそう。Aさんを襲撃し車を奪って逃走しようかとF君に持ちかけるが、実行には移さなかった。駅前からバスを利用。市役所前という停留所で降りる。私はゴミ箱から拾ってきたような2階後方席のチケットがアップフロントから送付されたが、F君は良席を貰っていた。入場後に発覚したが、彼は最前だった。やろうと思えばステージに上がってエスタシオンの二、三人は軽くなぎ倒し素手でメンバーさんを殺傷出来る紳士が最前にいる恐ろしさ。

今日の私たち可愛くない? と開演前にみーたんがメンバーさんに問いかけ、集団内で同調の輪が広がったらしい。普段そんなことは言わないし、顔なんて変わるものではないのに、なぜか今日はそう感じた。栃木に来てくださった皆さん(栃木の皆さんとは言わないのがおそらく地元民はごく少数であろうという現実をよく分かっている)はいつもより可愛い私たちを観られてラッキーですよ的なことを彼女は言っていた。みーたんをはじめ多くのメンバーさんからは髪型を日毎に七変化させて目で楽しませようという努力がよく伝わってくる。みーたんはおでこを出して、左と右の後方をそれぞれ団子っぽく結んであった。登壇する彼女を観る度、今日はこういう感じなんだという新鮮さがある。谷本安美さんは今日は髪にリボンをつけておらず下ろしていた。浅倉樹々さんもシンプルに下ろしていて毛量が多い感じでよかった。

さおりは今日あることをはじめて試みたらしい。何か分かった人? と客席に聞くが、拍手の小ささに苦笑するさおり。答えはウインクをたくさんしたこと。分かった人? 8人くらい……。悔しがるさおり。さおりは例の一件があってからしっかりと支持者が減少し、こういうときでもしっかりと反応が薄いのがいい。

新沼希空さんが恒例のあいうえおきそらん(あいうえお作文)を会場の地名で披露。お題が「とちぎ」なのにとで栃木を使うという大技を見せる。

今日のつばきファクトリーさんは、私に残っていた田村芽実さんたちのミュージカルの余韻をかき消すことは出来なかった。田村さんがファンクラブ会員向けの音声配信で、演歌を歌ってほしいというファンの声に対し、歌ってみたいが演歌は特殊。歌には各ジャンル毎の技能がある。歌が歌えればあらゆるジャンルが歌えるわけではないと言っていた。それはその通りで、ミュージカルとアイドルさんのコンサートも異なる。少人数でそこまで動かずにじっくり歌う昨日の『弥生、三月』と、激しく踊って動きながら多人数で細切れに歌う今日のコンサートを単純に比較することは出来ない。ただそれを踏まえた上でも、歌の表現力には大きな差があると感じた。

帰りも鈍行。昼の炭水化物偏重の薄味な食事による欲求不満を解消すべく、家の最寄り駅前にある焼き鳥日高。ホッピー(黒)、山芋スライス、白菜キムチ、スタミナ焼き、いわしフライ、フライドポテト。JPY1,450。こういうのでいいんだよ。

弥生、三月-君を愛した30年- (2022-04-22)

木、金、土、日の四日間しかない東京公演。土曜は宇都宮、日曜は座間につばきファクトリーさんを観に行く。移動時間的に無理なハシゴ。となると木、金のどちらかに行くしかない。気安く休みを取れない労働の状況だが、どちらかというと金曜の方が調整はしやすい。ということで申し込んだ今日の夜公演。ファンクラブ先行申し込み段階では視野にあった午後休。業務的に難しくなった。何とか逃げるように退勤したのが16時。池袋着が17時14分。開演が18時。駅からサンシャイン劇場への道中でケバブ・ラップ(チキン)をゲトる。歩きながら食う。前よりおいしくなっている気がする。サンシャインの成城石井でジン・トニックとグルテン・フリーのマフィンを購入。劇場に上がるエスカレーターの手前にあるバス乗り場の待合い空間で胃に入れる。劇場内でファンクラブの特典写真を受け取る。小便器に陰茎から尿を放つ。入念に絞り出したつもりが陰茎を服に仕舞い込んでからじわっと第二波が来て焦る。泌尿器まわりの加齢。私もボッさんのように夜中に何度も尿意で目が覚めるようになるのだろうか(参照:THA BLUE HERBさんのアルバム“THA BLUE HERB”)。席に着いたのが17時51分。席の間隔はなし。左右が若い女。左は十代に見える。5列22番。右ブロックの4列目。通路席の一つ右。いつも良席をくださる田村芽実オフィシャルファンクラブさん。ありがとうございます。

題名もあやふやなまま劇場まで来た私だが、入り口のポスターと開演前にステージに投影されている文字で『弥生、三月』だと把握した。劇が始まってから田村芽実さんの役名が弥生であることを知った。『弥生、三月』で弥生役ということはめっちゃ主役じゃん。気分が高揚。登場人物が4人しかおらず、内容的にも小難しいところはなかったので、物語は追いやすかった。同じ登場人物の30年間を田村さんが何かで言っているのを覚えていた。物語がカヴァーする期間はもっと長かった。私の記憶が正しければ、1986年3月から始まり、1988年3月、1991年3月、1996年3月、2011年3月と場面が切り替わっていき、最後は2021年3月。だから35年間だね。田村さん演じる弥生が高校生のところから話が始まる。親友のサクラがサッカー部の太郎に好意を寄せている。その恋を応援する弥生。エイズ持ちのサクラは卒業式を迎える前に亡くなる。一旦はサッカーを辞めた太郎だが、サクラとの約束を果たすため大学に進学せずJリーガーを目指す。夢はW杯で得点王。だが一向に受からない入団テスト。26歳から31歳の間のどこかでようやく入れた下位カテゴリーのクラブも怪我で契約解除。副題の『君を愛した30年』は、弥生が親の借金のカタで結婚させられそうになって太郎に救い出される1991年(21歳)から、二人が東京の書店で再会する2021年(51歳)までを指しているようだ。

Jリーグの発足、大震災といった現実の出来事に影響を受ける登場人物たち。仙台(最後の方は東京)という実際の土地。しかし、架空の世界ではなく我々が生きるこの現実世界を舞台としている割に登場人物たちの生活の描き方はちょっと詰めが甘いと感じた。たとえば2021年3月の大震災から連絡が取れなくなった弥生を、太郎が10年がかりで探し出すのだが、その間は少年サッカーのコーチをパート・タイムでやって食っていたのだという。無理がある。たしか『フットボール批評』で読んだ話だが、少年クラブのコーチになりがたる元選手は非常に多く、供給過多。なおかつ採用されても給料が出るとは限らず、出たとしても多くはお駄賃程度。十分な生活費が稼げる職業ではない。それで10年間、太郎はどうやって生きてきたのか? Jリーガー志望の無職時代に太郎は結婚して子供まで作っている。どうやって妻子を養っていたのか?(私の記憶にないだけで妻の収入でやりくり出来ていたという説明があったのかもしれないが。)離婚して(たしかそうだったと思う。もし記憶違いだったらごめん)昼から家でビールを飲んでいた太郎は、どうやって家賃やビール代を払っていたのか?

弥生、サクラ、太郎という三人の人間関係に彼女たち(サクラは亡くなったが)は一生縛られている。51歳になっても。弥生も太郎も、あまりに過去にとらわれすぎている。高校時代から好きな女と41歳で連絡が取れなくなり、お互い51歳になるまで10年間探し続ける太郎。病的なストーカー。異常者。恐ろしい。この物語における社会には他に人間がいないのだろうか? 無垢すぎる。この異常な過去への執着は、何がそうさせたのだろうか? それを正当化する説明が必要ではないだろうか?

出演者同士でサッカー・ボールをパスし合う場面が何度か出てくるのだが、太郎を含め全員がすべてのパスを徹底して足裏で止めていた。これはサッカーにおける通常のトラップの仕方ではない。たしかにフットサルではあえて足裏で止めることがある。サッカーと比べ空間が狭いから足裏でボールを止めてそのままつま先でシュートを打つようなプレイが有効だからだ。しかし舞台上で行われていたあの一連のパスとトラップから、遊びでもボールを蹴ったことがない人のぎこちなさを私は嗅ぎ取った。たしかにサッカー未経験(おそらく)の役者さんたちが短期間の稽古で川崎フロンターレさんの選手たちのような止める・蹴るの技術を身に付けるのは無理だ。ただ、私の中では太郎がサッカーをやっているとかJリーガーだとかの設定の現実味が薄れてしまった。もちろん太郎役の林翔太さんにケチをつけるつもりは毛頭ない。くだらないことにイチャモンをつけるなとあなたは思うかも知れない。でも考えてみてほしいんだが、たとえば登場人物が料理人の設定でフライパンの持ち方がおかしいとか鍋を振れないとかが劇中に露呈すれば観ている人はおいおいホンマに料理人なんかい(笑)ってなると思う。料理人やサッカー選手のところを自分が好きだったり詳しかったりする何かに入れ替えて考えてみてほしい。

つい批判で雄弁になってしまった。だが強調しておきたい。物語を無視すれば、ミュージカルとしてとても満足が出来た。ピアノが生演奏で。田村芽実さんの魂がこもった歌と演技をたっぷりと堪能できて幸せだった。他の演者さんたちもしっかりと歌がうまく、ユニゾンも各人の魅力が掛け合わさって見事だった。私の耳が喜んでいた。労働で荒んだ心身が癒された。だから、歌のショウとして素晴らしかった。弥生の親友サクラを演じた岡田奈々さんという方を私は存じ上げなかったが、宮本佳林さんと川村文乃さんを足して二で割ったような雰囲気。見た目だけじゃなく歌声や息の抜き方(?)が宮本さんを感じさせた。元AKBということで正直、私は若干舐めていたが(物理的に舐めていたわけではない。舐めたいが)べっぴんさんなだけでなく歌も魅力的だった。終演後、私の前にいたヒョロガリの紳士がNO OKADANANA NO LIFEという文字に加え岡田氏のInstagramアカウントのQRコードを印刷した赤いTシャツをお召しになっていた。岡田さんの支持者とおぼしき肥満もしくは頭髪の薄い中年男性が4-5人で群れていた。全体としては客の男女比は半々くらい、もしくは女性が少し多いくらいだったと思う。

41歳の弥生と太郎との不倫ワン・ナイト・ラヴの場面があるのだが、駅弁、正常位、騎乗位、対面座位と次々に体位を変えていく弥生を観ていると、それどこで覚えてきたんだよ芽実……と私は父親の心境にならざるを得なかった。

2022年4月17日日曜日

PARADE (2022-04-09)

日課のトレーニングを朝7時前に完了。いつもは夜にやっているんだけど、今日は家に帰らないので。エアロ・フィットはともかくコア・スクイーズ(デカいクッション)を持ち運ぶのは難しい。実際は一日やらないくらいで日々の継続が台無しにはならない。でも今日はやらなくていいでしょという内なる声は黙らせないといけない。その甘えは容易く二日、三日、一週間のサボりに繋がっていく。そういうもの。顔を洗うように、歯を磨くように、毎日やるのを当たり前にしないといけない。

二つ早い電車に乗ったが成城石井でチョコ(大麻のことではない)味のベーグル、タリーズでレーコーを買っていたら新幹線の発車時刻が数分後に迫っていた。ご存じのようにコヴィッド・ヴァイラスは飲食物を忌避するため、我々は電車でもスタジアムでも飲み食いしている最中にマスクを着ける必要がない。私は一時間くらいかけてゆっくりレーコーを飲み、ベーグルを食った。そのため降りるまでほとんどマスクをしなくて済んだ。最近思う。そもそもノー・マスクという言い方をしている時点で相手の術中にはまっている。マスクをしているのが正常で当たり前、しないのが異常でどうかしているという前提を受け入れているからだ。おかしいのは何も考えずにいつでもどこでもマスクをしている君たちだ。多数派であるかどうかと正しいかどうかは区別しなくてはいけない。

世の中でコヴィッド対策という名目で奨励されるアレコレの馬鹿馬鹿しさ。手を30秒洗えと書いてある公衆便所。これからハンバーガーを作るマクドの店員でもないのに本当に毎回30秒手を洗う人は精神を病んでいるだろう。さすがに異臭を放つイチモツを触った後に洗面台を素通りする老紳士を見ると私も引く。ただ、そもそも人間は菌の塊みたいなもんなのであって、さまざまな菌と共生して成り立っている。私も腸に関する本を読むまでは菌=悪、除菌や殺菌はすればするほどいいと思っていた。(興味があれば、たとえば『腸科学』あたりを読んでみるといい。)しかしそれではアンパンチでバイキンマンを退治して問題が解決する『アンパンマン』で世界の認識が止まっている。
ヒトはまさに細菌との共同体です。
てゆーか、腸内細菌の数は百兆個、ヒトの細胞の数は六十兆個ですから、この共同体では、むしろヒトの方がマイノリティなのです。
「細菌目線」で我々を見れば、我々は「ヒトの肉で出来た服を着ている細菌の集団」に見えるのかもしれません。
(茨木保、『まんが 人体の不思議』)

 

先月の地震によるダメージからまだ完全に復旧していない新幹線。直行出来ない仙台。福島駅から10時8分の臨時快速。ちょうど座席が埋まるくらいの乗客数だった。誰かと隣り合わせになるよりは空いている場所で立っていた方がいいと思いドア付近でチルしていたら10時4分くらいに大量のオジサンとオバサンがドカドカ乗り込んで来、周囲の乗車率が150%になった。
上がっていく一方の不快指数 だからきたねえ言葉使いディス(ラッパ我リヤ、『大東京 feat. K DUB SHINE』)
左にオバサン、右にオジサン。恋人気分の距離感。足下にはオバサンのスーツ・ケース。オバサンが身体の向きを調整し、私と対面するような状態になるというプレイを仕掛けてきた。70分コースを耐え、11時18分くらいに仙台駅。今日は14時半開演。その前に昼食。あの店で水煮肉片を食おう。F君とご一緒したかったが彼は13時くらいに仙台空港に着くようなので(仙台に空港があると私は知らなかった)、時間的に無理そうだ。途中で目に飛び込んできたマリンブルーグループ ソープランド千姫という文字を見、福田真琳さんを思い出す。成龍萬寿山。水煮肉片。ライス。瓶ビール(サッポロ)。私は複数の四川料理店で水煮肉片を食べたことがあるが、それと比べるとマイルドな味。麻辣というよりはとにかくニンニクが強い。たっぷりのキャベツとニンニク。家系ラーメン的な。これはこれでおいしい。私はゴリゴリの四川料理店が出す水煮肉片の方が好み。

起きてから頭が痛い。10時過ぎにバファリンを飲んだがさほど効いていない。ベローチェ。Chuck Palahniukさんの“Survivor”を読む。この著者の“Invisible Monsters”を前に読んだことがあるが、読んだと言っていいのか微妙なくらい内容が理解できなかった。文の順番をめちゃくちゃにシャッフルしてあるので、話を追うのが難しい。“Survivor”は289ページから始まって読み進めるごとにページ数が減っていく。こういう実験的なことを好む作家さんのようだ。

婦人服っぽいフレアの効いたピチピチのジーンズを履いた50代くらいのオジサンが、信号が点滅する横断歩道を女走りで渡った。彼の目的地もおそらく私と同じ。仙台サンプラザ。14時10分くらいに会場に入る。私の席は2階の右側。一般的な2階席の悲壮感はなく、十分に近い。どの席でも決して悪くはない、みんなが幸せになれる会場。「皆さん、ハロー!プロジェクトの、オフィシャル・ファンクラブはご存じですか?」と河西結心さんが問いかける、例のファンクラブ宣伝映像。意図を掴みかねる。ファンクラブを知らないでここにたどり着く人がいたとしたら奇跡に近いのではないか?

座って黙って観なければならないコヴィッド騒ぎの制限下においては、割り切って常に双眼鏡を構えるのが私の答えだ。座間のときよりも近かった分、臨場感のある絵を得られた。遠征の荷物を最小限にしたいのと、双眼鏡との両立が難しいのとで、ペンライトは持参しなかった。でもやっぱり次以降は持って行った方がいいかも。最後のコメントで瑞歩さんが、私が歌う前にエメラルド・グリーンのペンライトをグルグル回してくれる人がいて、私を応援する気持ちが伝わってきて嬉しかった的なことを言っていたからだ。公演後にF君にも言われた。僕はこうやってます、と双眼鏡とペンライトを同時に持つやり方を吉田さんが身振りで示した。何かこう、首輪のように手で持たなくても光らせられる何かがあればいいんだけどね。

コヴィッド騒ぎになってからHello! Projectのコンサートは音量は抑えめになっていたが、今日はちょっと予想外に音が大きかった。ポケットに入れていた耳栓(Loop Quiet)を途中からつけた。コンサートではなく移動中に使うつもりだった。27db低減。ちょっと感激するくらい音がマイルドになった。だけどその分、会場の盛り上がりや一体感が感じられなかった。耳が守られている安心感はあったものの、ちょっと音を弾きすぎ。たとえば『だからなんなんだ!』の冒頭で小野田紗栞さんが一人でしばらくクネクネしていたときに会場がざわついたのかどうかが分からなかった。(最後に小野田さんが語ったところによると、客席でこのクネクネをコピーしている人がたくさんいたらしい。そのとき左右に捌けてステージにいなかった他のメンバーさんたちは、そうなの? と口々に驚いていた。私がその景色を独占していたんです的なことを言う小野田さんは満足げだった。)次はコンサート用のTHUNDERPLUGS(18db低減)を持って行くことにする。

谷本安美さんが醸し出すゼロイチ・ファミリア感。メンバーさんがそれぞれの可愛さを持つ中でも異質な存在。つばきファクトリーさんにいてくれてありがたい。口紅が真っ赤で、セックスを感じさせた。新沼希空さんをコンサートで観る度に歌が弱いなと思うが、谷本さんの場合は見た目があまりに可愛すぎてそもそも歌が頭に入ってこない。気にならない。今日の私は瑞歩さんの次に谷本さんを長く見た。

岸本ゆめのさん:この会場は皆さん(観客)全員が1メートル以内にいる感覚。私のことを見ている人のことも見ているし、私のことを見ていない人のことも見ている。今日は5周くらい出来た(視線を送った)。私のことを見ている人は5回くらい目が合ったし、私のことを見ていない人は私から一方的に5回見られている。

コンサート開演直後、いい感じのインストに合わせて二人ずつポーズを決めて登壇し全員が出揃ったつばきファクトリーさんを見、今さらだが人数、多! と思った。

仙台は私が好きな石田亜佑美さんが生まれた土地で、そんな場所でコンサートが出来ることが嬉しい、的なことを新沼希空さんが言うのを聞いているときの八木栞さんの表情が大袈裟すぎて、顔芸の域に達していて可笑しかった。

みなさんこんばんワラビー♪(こんにちだったか?)と福田真琳さんが言うと、殺すぞという言葉が私の頭にわいてきた。反射的に。

公演後、F君、吉田さん、D君、私の4人で仙台サンプラザの裏で歓談した。モーニング娘。さんがインスタで生配信を始めた。たぶん仙台サンプラザの中の、すぐその辺でやっている。場所を特定できるかもしれない。乱入してください、全裸で、とD君にお願いしたら彼は首を横に振った。小田さくらさんが棒状のブツ(笹かま)を召し上がっているので、「歯立てないで」とコメントするようD君にお願いしたが、やってくれなかった。腹が減ったというD君がその場を離れ近くのファミマに行った。D君不在時に昔でいうボディコンのようなピチピチの服を着た女がケツを振りながら近くを通り過ぎた。D君の好きなやつじゃないですか、なぞと口々にD君の名前を隠れ蓑にして三人でジロジロ見まくった。それを後から戻ってきたD君(随分遅いなと思ったら買ったものをファミマの前で全部食ってから来たらしい)に伝えると、一番いいやつじゃないですか! と悔しがっていた。

「かなともがな〜。辞めるときに、ケツを残してほしかった」
「ケツを残すってどういうことですか?」
「ケツの文化を……」

件のボディコン女はモーニング娘。の観客だった。終演後、彼女の後ろにぴったり張り付いて会場から出てくるD君が目撃された。
「どうやって見つけたんですか?」
「いや何となく。いいケツしてんな〜って。さっき言ってたのってこの人のことかなと思って」

つばきファクトリーさんの後に行われたモーニング娘。さんのコンサート終演後(私はホテルショコラ エスパル仙台店でアメリカーノを飲んでいた)、石田亜佑美さんを支持する二十歳の若者と合流し、5人で焼き肉レストランひがしやまに入った。割り箸の袋にアプリ会員は誕生月に10%OFFになる旨が書いてあったので、今月誕生日の人っています? と私が何気なく聞いてみたら、D君が名乗りを上げた。今月どころか今日が誕生日らしい。その瞬間からD君のバースデー・イベントが開演したが、もちろん我々が気を遣っておごるようなことはせず、むしろD君がやや多めに出してくれた。

2022年3月21日月曜日

PARADE (2022-03-20)

Twitterを気持ちよく利用したければ意見を書かないことだ。このサーヴィスはあまりにも多くの民衆に行き渡りすぎた。公開アカウントでtweetを投稿するのは知人や友人同士の歓談ではない。@をつけるつけないに関係なく、その辺の他人にいきなり話しかける行為に近くなっている。どの発言が誰にどう届くかは事実上、制御できない。都市や公共空間は構成員がお互いに必要以上に干渉しないから成り立っている。たとえば私は今コレをほぼ満員状態のタリーズ・コーヒーで書いているが、店員や客の中には私とさまざまな考えや価値観が相容れない人々もいるはずだ。それでもこのサテンが平和なのは、我々がお互いに無関心だからだ。もし外出する度にその辺の他人が思っていることすべてが文字で表示され目の前に飛び込んできたら我々は正気を保てないだろう。実際にそれが起きているのがTwitterだ。毎日のように新しい知らないムカつく意見や情報が無限にわいてくる。その度にカッとなる。脊髄反射的に反論する。スクショを晒す。私も身に覚えがある。狂っている。眠りは死の従兄弟(Nasさん)だが、Twitterは精神病の従兄弟である。Twitterには日頃から本を読み複数の本から共通するテーマを抽出して物事を考えられる人と、140文字を長文と認識するような認知能力の人々が同居している。ブログで数千文字を書くことの利点の一つが、そういった人々を弾けることだ。

13時10分に着いた八王子の駅前で一息ついていると、建物のLEDスクリーンから八王子スーパー強盗殺人事件に関する情報提供を呼びかけるメッセージが流れていた。私はそれを見、何気なく「八王子スーパー強盗殺人事件」とtweetした。すると間もなく知らない奴が引用RTで絡んできた。「このツイートを見て元カノを思い出して気分が悪くなった。どこにクレーム入れればいい?」的な感じだった。恐くなってスクショを撮る前にすぐブロックした。アカウントがその日中に消えていたようなので正確な引用は出来ない。ちょっとヤンキーが入った10代くらいの実写アイコン。最近わたしは安田峰俊さんの『みんなのユニバーサル文章術』を読んだ。労働のメール、Twitter、LINEにマッチング・アプリと風呂敷を広げすぎ。面白い箇所もあったが、期待はずれだった。中でも私が首を傾げたのが、未だにバズるとかフォロワーを増やすとかをTwitterで万人が目指すべきゴールであるかのように指南している点だ。たしかに有名人やインターネットを主戦場とする自営者ならそうなのかもしれない。しかし一般民衆が多数のいいね、RT、フォロワーを得たところで利益はない。そういうのを無邪気に喜ぶ時代は終わった。今のTwitterにキチガイや洒落にならない異常者がどれだけいるかをちょっと考えてみれば分かるはずだ。Twitterでは鍵をかけてフォロワーを相当に絞らないと自由はない。(ちなみに私は安田さんの本をこれ以外に4冊読んでいる。『独裁者の教養』、『和僑』、『さいはての中国』、『性と欲望の中国』。好きなライターさんだが『みんなのユニバーサル文章術』は駄作だと思う。)

今日の会場名、J:COMホールには聞き覚えがなかったが、検索してみると場所的にどうもオリンパス・ホールっぽい。2021年4月からJ:COMがネーミング・ライツがJ:COMに移っていたようだ。駅前のあの建物の、4階。コンサートの度にメンバー・カラーのジェラートを販売していたジェラート屋はもう潰れていた。日高屋で見覚えのあるおまいつ集団が入店待ちの行列を作っていた。開演が15時で、今が14時前。サテンに入るにも中途半端な時間。会場に入るとき、エスカレーターを上がってグッズ売場の手前に来たときと、2回もチケットを提示させられた。いやさっき下で見せたばっかなんだけどと文句を言いたくなったが、どうせ彼らは指示された労務を最低賃金に毛の生えた時給でこなしているだけだし、ここで言ってもしょうがないので黙って従った。売場の姉ちゃんがど新人丸出しで、隣に付き添う先輩からすべての動作と発言にダメ出しを受けていた。声が小さすぎて私は彼女の言うことをほとんど聞き取れなかった。マスクとアクリル板越しだったのを差し引いても、労働者としてやっていけるのか気がかりになる声量だった。DVDマガジン2種類を1枚ずつと、日替わりの小野さんをくださいと私が言うと、付き添いの先輩が番号でお願いしますと言ってきた。それくらい分かれやど素人が(苦笑)と思いながら、私はTの6番と言い直した。懐かしい。この感じ。その割に商品を渡してくるときの確認では日替わり写真の小野さんですねと言ってくる。その言い方で通じるのか通じないのかはっきりしろや。番号で言ってくださいとそのとき私も言えばよかった。14時過ぎにファミ・マでヤクルトのY1000を買って飲んだのだがどれだけ関係しているかは不明だが、14時半に席につくと何だかだるくなってきた。目をつむり、少し居眠り。寝起きの状態でコンサートが始まった。

ハイライトは『だからなんなんだ!』の初披露。それに尽きる。これだけでも今日ここに来た意味があった。前の曲が終わり左右に捌けていくメンバーさんたち。よく見ると真ん中に一人残っている。小野田紗栞さんだ。彼女が仏頂面でクネクネ動き出したときの、ヘッズのどよめき、笑い。曲中、みんな座って黙っていても充満しているのが分かる高揚感。小野田紗栞さんのヘンテコ・ダンスを最大限に生かした振り付け。全員、無表情のメンバーさん。やばすぎ。独特の空気。つばきファクトリーさんの歴史でも特別な瞬間の一つと言っていいのではないだろうか? 『だからなんなんだ!』ほどにつばきファクトリーさんのヘッズが生での披露を待ち望んだ曲は他にないだろう。去年5月にアルバムがドロップされてから散々じらされてきた。会場に足を運んだ全員が、今日はやってくれるんじゃないかという仄かな期待を抱いていたに違いない。終演後に喫煙所で会った吉田さんに楽しかったですかと聞かれた。感想を述べる前の私とF君の表情を見、めっちゃいい笑顔じゃないですか! と吉田さんは言っていた。『だからなんなんだ!』を観た後ではそうなってしまう。

衣装は二つ。二つ目の赤を基調とした衣装がきらびやかでステージに映えていた。着替えの時間にスクリーンに映像が流れたのは戦前のコンサートの片鱗を感じさせたが、それ以外の質素さはコヴィッドになってからの流れを継承していた。ほぼ剥き出しのようなステージだと、衣装が分かりやすくゴージャスじゃないと視覚的に物足りない。その点で、二つ目の衣装はスゴくよかった。一つ目の衣装は派手なわけでも露出度が高いわけでもなく何だか中途半端で、早い段階で見飽きてしまった。衣装自体は決して悪くはなかったのだろうが、ステージ全体の中で見栄えがしなかった。皆さん右だけ肩がついているデザインだったのだが、どうせなら両肩、両二の腕、両ワキをバンバン見せてほしかった。
  • 豫風瑠乃さんが楽しそうで、お父さんとしては何よりだった。動きにも人一倍キレがあった。
  • 歌やダンスは別として、新沼希空さんの容姿がとてもチューン・アップされていた。
  • たしか『ガラクタDIAMOND』で本来のダンスではなく数名のメンバーさんが座る形を取っていたのだが、八木栞さんが座った状態で小さな短パンからふとももを全部見せてくれた。その後に秋山眞緒さんも座って脚を組みふとももを丸出しにしてくれた。
  • 新沼希空さんが最後のコメントで、12人もいるから他の子に負けないように頑張りたい。目立つために頭に大きなリボンをつけてるんです、と言っていたが、そのとき隣にいた谷本安美さんの赤い大きなリボンの方が目立っていた。谷本さんは1着目の衣装のときも大きな白いリボンをつけていて、それがとても可愛く、似合っていた。
  • 小野瑞歩さんが2着目の衣装でキックするとき何度もアン・スコを見せてくださった。2階のクソ席からたかだか6倍の双眼鏡を使って得る景色には限界があったが、私は集中してその一瞬を捕らえた。
  • 小野さんは何かの曲でメンバーさんがV字のフォーメイションをとるとき、一番真ん中の前にいた。12人いる中で真ん中にみずほちゃんがいるのは何だか壮観だった。
  • 公演後にドロップされたブログで小野田紗栞さんが「初日にしては、とても良かったと思っています!」と書いたが、これは今シーズンの明治安田生命J1リーグ第1節、セレッソ大阪さん戦後の仲川輝人さんの「開幕戦のわりには内容が良かったです」というコメントと酷似している。

公演後にF君とメシを食うことになり、八王子 四川料理で検索して出てきた店に入った。なかなかよかった。駅のすぐ近く。

2022年3月19日土曜日

薔薇と海賊 (2022-03-05)

G君との待ち合わせが13時になったのでその前に身体を焼こうとブラッキーPersonal池袋店に電話を入れたが午前中は既に予約で埋まっていると店員さん(ギャル)に言われた。あーそうですか。じゃあまた改めます。失礼します。と私は爽やかに答え、電話を切った。タリーズ・コーヒーでホット・コーヒーを頼むと、新しいものを抽出しておりますのでお時間5分ほどいただきますと言われ、承諾した。iPhoneのストップ・ウォッチで計ったら実際の待ち時間は9分を超えていた。私は2015-2016年頃によく朝のロッテリアでエビ・バーガーを注文していたが、そのときも5分かかると毎回言われ、計っていた。ロッテリアの場合は本当に4-5分で提供していた。もっとも、どの時点からその5分が始まるのかは明確に示されていない。厨房にオーダーが伝わった瞬間なのか、5分かかりますと店員さんが言った瞬間なのか、支払いを済ませ番号札を渡された瞬間なのか。ハングリー・タイガーで店員さんがハンバーグ・ステイクを切ってソースをかけた後、余熱で最終調理を行いますので60秒ほどお待ちくださいと言うときもそうだ。いつから60秒? 私はいつもストップ・ウォッチで計っているが、ハンバーグ・ステイクがテイブルに到着してから店員さんが前述の言葉を発し、一礼して去るまでがいつも約40秒。60秒のカウントはその40秒のどこかで既に始まっているのだろうか? 私はいつも疑問に思っている。

G君は前の用事(スーツを買っていた)が少し長引いたらしく、神保町駅のA3出口で私と合流したのは13時半くらいになった。私が着ている上下ターコイズ色のジャージを見て、派手ですね的なことをG君が言ったので、あやぱんジャージです(※元こぶしファクトリー広瀬彩海さんのメンバー・カラーがターコイズだった)と私は自虐的なジョークで返した。あやぱんでは着られなさそうなサイズ感ですね。そうかもしれませんね。私は笑った。その後、いくつか古本屋を回った。おそらく収集目的で買う人がいるのだろう、年代物の本がぎっしり棚に並べられたお店に入ると、図書館あるいは博物館にいる感覚。そんなに売れないだろうに、これらのお店の人々の生活が成り立っているのが不思議だった。記憶にあるかぎり私が神保町を訪れるのはこれが二度目だ。前回は10年以上前。2011年3月のトルコ旅行に向けてTHE NORTH FACEのシェルを買った。有名な店でカレーを食った。Kと二人で。Kは新卒で入った会社の同期で、公私ともに親友と呼べる仲だった。一緒にインドとトルコを旅した。寮では隣部屋で、毎晩のように会社の愚痴を言い合い、議論を交わしていた。毎週末のように一緒に出かけていた。Kが結婚してからは嘘のように疎遠になった。このあいだM君も横浜のドロップ・コーヒーで言っていたが、結婚した人たち(特に子どもが出来てから)と私たちは別の世界を生きている。彼らが子どもの学資保険をどうしようか悩んでいる間、我々はツアーどこ入ります? なぞとサテンで話し合っているのである。あのときに買った中国製のゴア・テックスを私はその後も愛用したが、2018年11月30日に新幹線の乗り場で走ってこけた際に生地が破れた。そのときにイヤフォンから流れていたのがつばきファクトリーの『初恋サンライズ』だった。

G君が目星をつけていたいくつかのサテンは入店待ちの行列が出来ていた。14時半くらいだというのにラーメン二郎神田神保町店にも行列が出来ていた。ギャラリー珈琲店瀬戸というところに入った。くそマンボーでアルコールは出せなくなっていたが、アイリッシュ・コーヒー(ウイスキー入りのコーヒー)の注文は受け付けてくれた。私はこのあと田村芽実さんが出演する三島由紀夫さんの戯曲『薔薇と海賊』の舞台を観る。G君から三島由紀夫さんや谷崎潤一郎さんに関するレクチャーを受けた。三島さんに関しては『金閣寺』のような代表作の小説よりは『文章読本』と『不道徳教育講座』から入るのがお勧めだそうだ。私が読んだ三島由紀夫さんの本は『命売ります』の一冊だけだ。『文章読本』は数年前に買って寝かせてある。部屋の大体どこにあるかは把握している。(帰ってから探したら実際にそこにあった。)谷崎潤一郎さんの『春琴抄』における文体実験。昔の作家は文体へのこだわりがあった。今の流行作家は別に本業があってその専門知識を小説に盛り込んでいる場合が多い。文体ではなくまさかの展開に重きを置いている。映像化を前提で書いている。たしかに。小野瑞歩さんの愛読書、『元彼の遺言状』がまさにそれだった。4月からドラマ化が決まっている。私は読んでみたが、文章としてのドープさが皆無。私のブログの方が遙かにドープ。商業的に成功している最近の小説をごくたまに手に取ってみると大体こんなん。「キメえ曲作ってヒット狙う でまた今月も一個セルアウト」(K DUB SHINEさん)の小説版。作者の新川帆立さん、そしてこんなカス文章、カス小説をもてはやす民衆に中指を立てたい。ただ、はっきりさせておきたい。小野瑞歩さんは別である。『元彼の遺言状』を文庫化される前に買い、夢中になって一気に読み、ドラマが始まる前にまた読み直そうとしているみずほちゃんは愛しい。チューしたい。和田彩花さんも読んでいることでお馴染みのという枕詞でG君が解説してくれた『陰翳礼讃』。和田さんが読めるのであれば私も問題なく読めますね。あやちょがちゃんと読めているかは分かりませんが……。でも和田さんは私よりも高学歴ですからね。院卒ですから。苦笑いするG君。

G君と別れ、池袋。東京芸術劇場。地下一階。D列8番。アルファベットをそらんじるほどのインテリゲンツィアである私はD列だから4列目だろうと思っていたが、会場内の座席表を確認すると最前がC列だった。D列8番は2列目の中央ブロック左端通路席という、かなりの良席だった。田村芽実オフィシャルファンクラブさん、いつもありがとうございます。毎度ながら田村さんのソロ活動の追っかけが多すぎないのは本当に助かっている。Twitterで大アンジュルム(退団者を含めた総称らしい)とか言ってワイワイやってらっしゃる紳士淑女たちはたぶん一人も観に来ていないだろうし。そういえばこの間、田村さんがInstagramにドロップした動画で、リニューアル予定のファンクラブについて構想を話していた。曰く、最近YouTubeでキャバクラのドキュメント映像を観るのにはまっている。キャバ嬢の方々が休日にお客さんにラインをしているのを見て、自分もそれをやりたいと思った。ファンの人を10人ずつとかに小分けにしてそれぞれにラインをする案を考えている。私がもっとみんなの手の届かない、雲の上の存在になったら出来なくなるけど〜(大意)。私は一支持者として、田村さんに女優として成功してほしい、報われてほしいという思いは当然持っている。一方でファンクラブで良席を安定して貰える範囲の人気であってほしいという思いもある。

コヴィッド陽性者が何人いるとか増えたとか減ったとか、本当は我々の生活とは関係がなかった。気にしなくても生活に支障はなかった。コヴィッドについては人によってさまざまな意見があるが、カンセンカクダイボーシに協力しなければならない、それこそが我々の社会で最優先すべき課題であるという前提にほとんどの人たちが与してしまっている時点で、立場に関係なくコントロールされている。洗脳されている。マジ興味ねぇ(DJ OASIS feat. K DUB SHINE)、それこそがコヴィッドに関して最も賢い立場だ。出来るものなら私もそうでいたかった。ところが私の生活への直接的な影響があまりに大きく、無視するだけではやり過ごせない。人間が社会的な存在である以上、その社会で重要とされている価値観や議題から完全に自由になるのは不可能だ。

私が会社で受けさせられたコヴィッドに関するオンライン講習では、心肺蘇生を行う際には飛沫からの感染を防ぐためにまず患者にマスクを着けましょうという、コントのようなことを大真面目に言っていた。あと、マスクを会社で捨てるときには必ず紙かビニールの袋に入れてからにしないといけないらしい。じゃあなんで鼻をかんだティッシュはそのまま捨てていいんだよ。本当に頭が痛くなる。今日、東京メトロの駅構内にヘッドフォンからの音漏れに注意を喚起するポスターが貼られていた。音漏れなんかより駅員や乗務員が毎度きったねえ声で読み上げるコクドコーツーショーからのお願いの方がよっぽどイライラする。カンセンカクダイボーシのカンテンからってやつ。観点なんて言葉を人生でロクに使ったこともない頭の空っぽな奴が原稿をただ読まされているのが見え見え。慣れない言葉を使うその間抜けな声から薄ら馬鹿さがにじみ出ている。舞台上の演者さんたちが近距離でマスクなしで唾を飛ばし合い、客席の私たちがマスク着用を義務づけられ黙って観ているという状況。フットボールも同じ。コント。フィクション。コヴィッド劇場。もともと受け身で従順な上、確固たる価値観・理念を持たないジャップどもは他人に設定された世界観をそのまま受け入れやすい素地があるのかもしれない。まあ狂っているのはジャップに限らないが。

『薔薇と海賊』は現実の会話としては台詞がリリカル過ぎるし、登場人物が素直に本心をさらけ出し過ぎている。現実味がない。にもかかわらず、それが気にならないくらい作品の世界が出来上がっていた。ひとつの建築物のようだった。シリアスで哲学的な言葉の城。そんな中にもスパイス的にクスッと笑える台詞が何度か挟まれていて、その匙加減が三島由紀夫さんのプロの技だなと思った。かなりスゴい舞台だった。田村芽実さんが何の違和感もなく溶け込んでいるのが誇らしい。田村さんの支持者でよかった。彼女のぱっつんボブ、クリクリしてぱっちりした目、醸し出す雰囲気。(この舞台では役作りの一環なのか、巨乳にさせられていた。)私は彼女のアンジュルム時代の映像を最近たまに観るのだが、当時よりも格段に魅力的になられていると思う。女性として。表現者として。そしてこれを契機に三島由紀夫さんの本を何冊か読まないといけない。そう思わせてくれる舞台だった。『薔薇と海賊』は全集にしか収録されていないようで、手に取るには敷居が高い。しかし田村さんが稽古中に必死に習得しようとしていた「三島のレトリック」に私も触れてみたい。田村さんといえば、「私と寝たい?」と誘惑をして老紳士を油断させ短剣を取り上げ白痴青年に返す場面がある。「あ!」と叫んで指を指した方向に老紳士が向いた隙に短剣を持って走り去るというベタすぎる手法に客席から笑いが起きた。

実際には30歳だが自分を8歳で童話の主人公だと思い込んでいる白痴青年の役の紳士による、幼児性と純粋さ、危うさの演じ方が見事だった。冒頭に登場してわずかな時間のいくつかの挙動で、そわそわさせるものがあった。田村さんの口から遠慮なく発せられる白痴、キチガイといった単語。それを聞けたのは貴重な経験。今日の客層は分別のある感じ(私の列にいた淑女たちはちゃんとすみませんと言ってから中の席に入っていて礼儀正しかったし、休憩時間中の雰囲気で何となく分かる)の中年女性が多かった。観客の大半が男性陣の支持者だった感じがする。休憩時間には白痴青年役の青年の支持者とおぼしき集団が、あのスーツが……なぞと衣装について盛り上がっていた。

2回の休憩を含め計3時間に及んだ。17時開演だったので外に出た時間にはくそマンボーによってほとんどの飲食店は店内利用を締め切り済みだった。夕食難民としてしばらくストリートをさまよったが、ミトヤが21時まで店内飲食をやっていたので助かった。ジャワ焼き肉定食。安くてしっかりおいしい。テーブルに常備されているごま塩のふりかけ。こういうのでいいんだよ。

2022年3月13日日曜日

つばきファクトリー メジャーデビュー5周年記念ライブ ~君ならで誰にか見せむ椿の花色をも香をも知る人ぞ知る~ (2022-02-20)

高齢独身者は陰で親戚・近所の子どものための生きた教材にされている可能性がある。「あんな歳まで結婚できない人になってはいけないよ」「ああなったら人生終わりだよ」と、あなたの人生はあなたの知らない所で子どもたちへの教訓として使われているかもしれない。(樋口康彦、『崖っぷち高齢独身者』)
ただでさえおっさんは被差別階級(現に私たち自身が若いときから蔑んできた。数十年前、この国では25歳を過ぎた女を売れ残ったクリスマス・ケイクと揶揄するのがまかり通っていたらしい。その風習は消え去った。その代わり今でも中高年男性のことは好きなだけ嘲っていい。たとえば女は会議で喋りすぎると森喜朗が言うのは看過されないが、その発言を非難する際にはこれだから森みたいなジジイはという言い方が許される)。そのうえ独身でオタク。揃った三拍子。クレジット・カードは作れても我々に本当の社会的信用はない。中年期以降は何もしなければ心身共に弱っていく。人間も動物。パッと見フィジカルで自分より劣る相手のことは下に見るのが本能。弱れば弱るほど社会から舐められる。多くの人々は中年期以降、ちゃんと結婚して子どももいるという事実によって社会における自分の存在を正当化している。動物としての弱体化をそれで埋め合わせている。その道を歩めなかった高齢独身者は別の方法を採らないといけない。

昨年末から通い始めた日焼けサロン。今日で10回目。自分としては納得の行く焼き色に仕上がった。これを維持していきたい。店員さん(全員ギャル)によると週一で通わないと色は徐々に落ちていくらしい。が、普通に考えて入るマシンの強さと焼く時間によっても必要な頻度は変わってくるだろう。ともあれ、これまではほぼ週に一度来ている。最初の4、5回は大変だった。赤み、ヒリヒリ、ボロボロめくれる皮。ちょっとした負傷。6回目、7回目あたりになると肌に耐性がついてきた。7回目から12,000Wのマシン(V56)に毎回35分入っている。15年前から私の髪を切っている美容師さんは、入店した私を遠巻きに見て一瞬誰か分からなかったと言っていた。F君もこのあいだ仙台サンプラザで私が目の前に現れたとき最初は知らない人に話しかけるやばい地元民だと思ったらしい(道理でサツアイしたとき反応が鈍いなと不思議に思っていた)。もちろん自分でも焼けているのは分かるが、毎日自分のことを見ているので細かい変化は却ってよく分からない。他人から言われてそんなに焼けているのかと驚く。11月末からコア・スクイーズを使った筋力トレイニングとエアロ・フィットを使った呼吸筋トレイニングをほぼ毎日欠かさず行っている。髪型も前よりおでこを出すように変えた。自分のことを強くしていく。強そうにしていく。自信を持てるようにする。
常に毅然と胸張って堂々と(ZEEBRA、『男の条件 feat. MACCHO, Q, BOY-KEN』)
人間は40歳くらいで死ぬのが本当はいいのではないか? 最近そう考えることがたまにある。じゃあお前がすぐに死ね! 賢明な読者諸兄はそう叫んでiPhoneを地面に投げつけたくなるだろう。違うんだ。何というか、80歳くらいまで生きるつもりだったのがいきなり40歳で死ぬということじゃなく。最初から40歳くらいで死ぬことが分かっていてそれまでの人生を送ってきての話。今は死んでいない状態という意味での生が延びすぎたし、尊ばれすぎている。長くなった分だけ中身は薄い。1対0で勝っている中東のフットボール・チーム(もしくは鹿島アントラーズさん)がちょっとした接触でわざとらしく痛そうに長時間ピッチに倒れ込むような、終了まで現状のままやり過ごすことを目的とした生。イノチより大切なものはないとのたまう奴が言うイノチとはそういうスカスカな時間のことだ。人の一生で気力と体力に不自由しない時期は案外、限られている。その時期を将来のため、老後のためと言って(言われて)何かを我慢することに費やすと、自分が本当に何をやりたいのかも分からなくなる。

独身者であるか既婚者であるかとは必ずしも関係ない。たしかに既婚者は(子どもがいれば)子どもの成長や人生行事を見届けることで、感動や達成感を得ることができるかもしれない。しかしそれは自分以外の人間に入れ込みああだこうだ言うことで自分のことを不問に付している点においてアイドル、役者、アスリートの応援を生き甲斐にしている我々とそんなに変わらない。客やファンとしてお金を払ってショーや試合を観るのは自分の子どもを育てるのとは違うという反論があるかもしれない。しかし、相手に自分の遺伝子が入っているかどうかという違いこそあれ、根底は同じである。子育てが無償の愛で成り立っているわけではない。豫風瑠乃さんのつばきファクトリー入団が発表されたときに彼女はJuice=Juiceに入れてほしかったとSNSでゴネていた人々と、自分の子どもが特定の大学や会社に入らないと許せない親は、私には重なって見える。血縁関係のあるなし以外で両者の根本的な違いがあるなら、説明してみてほしい。

家庭を築いた人たちの様子を見ていると、土日祝日の予定は家族の相手で勝手に埋まっていくようである。崖っぷち高齢独身者たちは自分で予定を埋めていかないといけない。私は無職のとき、池袋の文芸坐と大森のキネカ大森によく行き二本立ての名画を鑑賞していた。映画を観ている間は職がないことの焦燥や将来への不安を忘れることが出来た。労働生活を送っている今でも、休みの日には観客としての時間を作り予定を埋めていかないと人生の無意味さに耐えられなくなる。

早朝に横浜駅にバスで到着しスカイ・スパで休まれていたM君と合流。マロリー・ポーク・ステーキで昼食。富士山(450g)とハイボール(M君はたしかウーロン・ハイだったかな?)。本当に味わい深いポーク・ステイク。用意された調味料の一つ一つが本当に合うし、色んな味を楽しめる。約JPY2,000。相武台前駅に向かう車窓。徐々に生活の匂いが強くなっていく風景に、愛知在住のM君も驚きを隠せない。横浜と聞いて人が一般的に思い浮かべる景色はみなとみらいとかのごく一部であって、ちょっと離れたらこんなもんですよ。ま、地方都市。そういえば今日はD君も観に来る。現在、彼は新宿でモーニング娘。さんの個別に参加中。座間でつばきファクトリーさんの昼公演を観たらすぐにとんぼ返りしてまた個別に戻るらしい。どういうスケジュールの組み方なんだ。「あの人、別につばきがメインじゃないんですよね……?」とM君も恐がっていた。しかもD君、今日の公演は途中退出をほのめかしている。M君の方が席が後ろだったのだが、そっちの方が途中で出やすいからとわざわざ席の交換を申し出ていた。私とM君がハーモニーホール座間の食堂で茶を飲みチルしていると、昼公演開演まであと10分というところでサイコパスの笑みを浮かべながら颯爽と現れたD君。ゆっくり話す時間もなく、彼はM君と連れ立って入場口に向かった。私がD君の姿を見るのはそれが最後となった。

夜公演のみを鑑賞する私は、そのまま食堂に残って『雑司ヶ谷R.I.P.』を読んだ。昼のポーク・ステイクがまだ腹に溜まっていたが、今を逃すと食べるタイミングがなさそうなので刺身定食を注文した。今日はちょっと食い過ぎた。ただ、私は平日は控えめにして土日はガッツリ食べるというメリハリをつけている。昼公演が終わり、戻ってきたM君が、浅倉樹々さんの内ももに注目してくださいと真っ先に言ってきた。他には:
  • 小野さんがおでこを出す髪型。顔が汗だくになっているのが見えて妖艶だった
  • 既存メンバーの肌の露出度が低い
  • 河西結心さんのワキ見せ大サーヴィス
  • 新沼さんが、あと何年やれるか分からないから思い出を残していきたい的な、含みのある言い方をしていた
浅倉樹々さんの内ももです、と再度強調し、M君はハーモニーホール座間を去った。

アップフロントさんが私に与えた2階の席。あらかじめ分かっていたが、実際に座ってみるとかなりのカス席だった。今日は落選者が多いことからこの場にいられるだけでよしとすべき。中野と仙台のハロ・コンでいい席を貰っていたし、さっきM君から聞いて衣装的に見所が少ないと分かっていた。ここで運を使う必要はない。衣装の肌面積が広いときは前方で観たい。(布面積が狭いというとメンバーさんを性的に見ている感じがしてよくないから肌面積が広いという言い方をするべきだ。これがポリティカル・コレクトネスだ。)M君が言っていたように衣装はいまいちだった。お金がないなら過去に彼女たちが着た肌面積の広いやつを使い回してほしかった。公演を通して一着しかないのも残念だった。まあファンクラブ・イヴェントで衣装が一通りなのは戦前でも普通だったか。今日の公演はファンクラブ・イヴェントなのか、コンサートなのか、位置づけがよく分からないが。そうは言っても見所がまったくなかったわけではない。私は秋山眞緒さんのお腹と小野瑞歩さんの左ワキを注視した。小野さんは仙台でのハロ・コンのときと同様におでこを出していたが、また違う新しい感じの髪型をなさっていた。エメラルド・グリーンのゴム?二つで左右の上の方を縛っていた。公演の終盤にはお顔だけでなくデコルテの汗が光っていた。どんな匂いがするんだろうか? 近くで嗅いでみたいし、みーたんの身体が発する熱を感じてみたい。

正確な曲数や曲目についてはGoogle検索に譲るが、10曲前後やっていたと思う。間に挟まれたのが川柳のセグメント。昼公演と夜公演でメンバーさんを二分してそれぞれの川柳が発表される。小野さんは昼公演で披露済みだった模様。谷本安美さんの作品は「まかせとけ ビジュアル担当 ここにあり」。これ聞いてSaoriはどう思う? とたしか岸本ゆめのさんあたりに振られた小野田紗栞さん。安美ちゃんと私では美人と可愛いでジャンルが違うから〜。そうそう芝生が違うから。的にお互いを認めつつも一歩も譲らない谷本さんとの掛け合いが小気味よく、熟練の域に達していた。福田真琳さんの「青椿」から始まる一句の感想を求められた豫風瑠乃さんがいつものちょっとおどおどした感じで、青椿という言葉の選択に対し、さすが……と言ってから「でござる」と付け足し、忍者? と複数のメンバーさんに突っ込まれていた。受け狙いではなく自分なりに適切な言葉を絞り出そうとした結果としてそうなっているのが可笑しかった。浅倉樹々さんは、過去にリリース・パーティで沖縄に行ったとき、他のメンバーさんが海には行っていたが自分は大人ぶって入らず撮影係に回ったことを川柳に落とし込んでいた。その流れで、またみんなで海に入りたいねという話になった。それを聞きながら私は思った。そう。ぜひみんなで小さな水着(ではなかった。肌面積の大きな水着)を着て海辺で遊んでほしい。アロ!ハロ的なBlu-rayをドロップしてほしい。

昨日は日産スタジアムで明治安田生命J1リーグの横浜F・マリノス対セレッソ大阪さんを観ていた。今日はつばきファクトリーさんを観てM君に(+ちょっとだけD君とも)会うことが出来た。文句なしに楽しい週末だった。明日とあさってをスキップしたい。そうしたら2月23日(水・祝)はまた日産スタジアムで横浜F・マリノス対川崎フロンターレさんを観ることが出来る。そう思いながら帰途についたが、東武東上線の車内に漂う強い雑巾臭が私を現実に引き戻した。