2017年10月29日日曜日

Beyond the Beyond (2017-10-22)

軽い気持ちで申し込み、重い腰を上げて家を出た。台風が接近している。今日の未明から明朝にかけて関東地方を通過するという予報だ。強くなっていく雨。近場で夕飯を済ませるかスーパーで食材を買ってきて、家でゆっくりインターネット、読書、Blu-rayやDVDの鑑賞でもしているべきである。でも私は持っている。山梨県の甲府CONVICTIONで18時半に始まるコンサートのチケットを。Juice=Juiceが山梨、石川、香川、和歌山、大分、佐賀の順にライブハウス(和製英語)を回るツアーの、今日が初日である。ファンクラブ先行受付で、私は山梨の2公演だけを申し込んだ。もっと観たかったのは言うまでもないが、遠い場所が多すぎる。今年は5回も遠征をしているので、宿泊を要する土地は避けたかった。費用的に。私のJALマイレージバンクには九州の往復が出来るだけのマイルがまだ残っているが、それは後に取っておきたい。甲府公演の昼公演は外れて、夜が当選した。残念だが、私がこのツアーに入るのは1回だけだ。番号は結構よかった。69番。甲府は地図で見ると近かったし、ジョルダンで検索したら日帰りで行けそうだった。申し込むときにはちゃんと見ていなかったが、交通費が片道で4,000円くらいかかる。山梨ごときに往復で8,000円も払わないといけない理不尽さ。無駄に高い交通費をかけて、台風が近づく中、わざわざ山梨まで行くのは気が進まなかった。しかもTwitterを眺めていたらある方が甲府CONVICTIONはクソ会場だと言っていた。いっそのこと延期になってくれないかとすら思ったが、当日の昼に更新されたJuice=Juiceメンバーのブログには台風のたの字も出てこない。コンサートを楽しもうという思いが伝わってきた(「たの字も」、「楽しも」で韻を踏んでいる)。

池袋の「千里香」で昼飯。定食はやっていない。焼きそばを注文した。串焼きを頼もうとしたが、5本からしか頼めないと言ってきた。ケチくさいシステムだ。普通は2本からだし、1本で頼める店もあるよ。私はもうジジイだし、5本も食えないので諦めた。ピーナッツともやしと大根のつまみが支給された(頼まなくても全員に配られるようだ)。あてがあるのに酒を飲まないのもなんなので、焼酎を追加した。焼きそばは上げ底の逆で、見た目よりもたくさん入っていた。味はパンチが足りなかった。山手線で新宿。中央線プラットフォームの発券機で甲府行きの自由席特急券を買う。1,340円。指定席でもよかったのだが、ここでは指定券が買えなさそうだった。自由席で座れたし、最後まで隣に乗客は来なかった。甲府で2両編成の身延線に乗り換える。15時すぎに南甲府駅に着いた。この駅は、というか身延線では、ICカードが使えない。駅員さんに申し出る必要がある。「池袋からパスモで来たんですけど…」という自分の口から発せられた言葉を聞いて、何で池袋から南甲府に来たんだという疑問が拭えなかった。運賃を現金で支払った。「ICカード処理連絡票」というのを渡された。ICカードが使える駅でこれを見せて、パスモの処理をしてもらってくれ、一番近いのは甲府駅だ、とのこと。とても感じのいい紳士だった。

雨は降っているが、風は普通。問題なく傘が差せる。昼公演(15時開演)の最中なのもあって、甲府CONVICTION前の物販には誰も並んでいなかった。係の女性はスチロール容器に入ったほうとうのような麺を食らっていた。私が現れると、面食らっていた。「すみませんね、食事中に」と私が愛想を振りまくと、彼女は特に返事もせず淡々と私の注文をさばいた。いや、別にそれでいいんだけど。宮崎由加さん、宮本佳林さん、高木紗友希さんの日替わり写真と、コレクション生写真を4枚買った。日替わりは誰のも売り切れていなかった。15時26分。近くのオギノというスーパーマーケットに入った。中の書店に併設されている喫茶店でアイス・コーヒーを飲んだ。コレクション生写真を開けた。宮本佳林さん、高木紗友希さん、段原瑠々さん、梁川奈々美さんだった。当然のように宮崎由加さんはいない。コレクションものを買って自分の一推しのが当たるのは稀である。18時開場、18時半開演で、終わったらまっすぐに帰らないといけないので、夕飯は事前に食べることにした。17時すぎに会場のすぐ横にある喫茶店あさげに入って、ハンバーグ定食を頼んだ。子供の頃に好きだったハンバーグの味だった。後から入ってきたオタクさんご一行が店内を見渡して「ここはオタが一人もいないな」と言っていた(近くにマクドナルドがあって、おそらく皆さんそちらに行かれている)ので、私がオタクではないことが証明された。いい歳をした大人が、(マクドナルドならまだしも)静かな個人経営の喫茶店で「佳林ちゃんが…」「あーりーが…」などと盛り上がっているのは同類ながらキモかったし、ヒヤヒヤした。公共の場ではアイドルさんのことを名字にさん付けで言及するべきである。あたかも職場の同僚の話でもするかのように。

甲府CONVICTIONは入場前に500円で荷物を預けられる。これが出来る会場は少ない。助かる。傘と宮崎Tシャツを手に持って、チケットとお金をポケットに入れて、カバンを預ける。傘は建物に入るところにあった傘立てに差した。盗まれるかもしれないと思ったが、そのときはそのときだと腹を括った。69番でどれくらいの位置を取れるのか楽しみだったが、入ってみると既に感覚的に半分くらい埋まっていた。これはキツい会場だ。左が女性エリア。右端に行っても大勢は変わらなさそうだったので、真ん中ら辺に立った。(最前の右側に三大迷惑マサイで有名な紳士がいることに後から気が付いた。右に行かなくてよかった。)私の後に入ってきた人たちが、70番台でこれかよ…と落胆していた。近くの人たちが前方にいる180センチ超の紳士に視線を向けて「あの壁がなければ…」と言っていた。背が高いだけで迷惑がられるのは不憫だが、ライブハウス(和製英語)では前にいる人の身長が見え方に大きく影響するのは事実。ライブハウス(和製英語)はとにかく他の観客との距離が近すぎるのである。後ろの人たちが視界の悪さを嘆きつつも「俺から見えなくてもメンバーから見えればいいや」と発言なさっていた。真ん中はメンバーの視線が来ますからねと彼の仲間が言っていた。

コンサートが始まってから気が付いたが、私が立った位置は「真ん中ら辺」どころではなかった。まんまんなかであった。ゼロの位置だった。こんなドセンターでコンサートを観たのは初めと言っていい。4月1日、福岡の夜公演でも真ん中だったが、あのときは酒を入れすぎていたし、あまりの尿意でそれどころではなかった。中央付近はいつも人が密集しているので、私は普段そこを避けて横(通常は女性エリアが左なので、右)に流れる。今日はどういうわけか混み方が均等だった。しかもコンサートが進んでいくにつれ前の人たちが微妙にずれたことでいい具合に視界が開けた。メンバーがゼロの位置に来たとき、何と足元まで見えた。靴紐が見えた。私とステージとの間に5列くらいあったにも関わらず、である。私は旧約聖書の十戒で海が割れる場面を思い出した。

観る位置によって見え方は変わるというのを理屈では分かっていたが、ここまで異なるのかと驚いた。それくらいにゼロの位置は特別だった。宮本佳林さんの格(cockではない)の違い。公演を通して、ほとんど宮本佳林さんしか目に入らなかった。宮本佳林さんが凄すぎて凄すぎて、それを目の当たりにできるのが幸せすぎて、涙が出てくるのではないかと思った。結局、泣きはせんかったけど、その二歩くらい手前まではいった。圧倒的な自然の美しさに触れたときの、こんなものがこの世に存在しているのかという、あの感覚。トルコで目にした、カッパドキアの大地。インドのマハーバリプラムで目にした、クリシュナのバターボール。甲府CONVICTION、ゼロの位置から目にした、Juice=Juiceの宮本佳林。宮本佳林さんの一挙一動を観ることと歌声を聴くことに集中しすぎて、あんまいオイオイとかフーとか言えなくなった。ゼロの位置から観る宮本佳林さんは、この人だけを見ていればいいという存在だった。私がJuice=Juiceで一番に推しているのは宮崎由加さんであるにも関わらず、公演中の8割以上は宮本佳林さんを観ていた。ダンスにおけるしなやかな身のこなし。曲の展開によって使い分ける細かい表情の変化。それだけでなく、髪の毛の動きや、頭を振ることで変化する前髪までをも表現の道具にしているように見えた。歌を届けるとか、ダンスを見せるとかという技術的な階層を超越して、全身で、宮本佳林という存在そのもので表現している。パフォーマーとして抜きん出ている。

金澤朋子さんのファンでペンライトを紫に光らせてくれた人がいた(最前にいた三大迷惑マサイで有名な紳士のことかもしれない)、と宮本佳林さん。そういうファンを「浮気者」と称しつつ、「他の子のファンが浮気したくなっちゃうくらい、魅力的な女の子になりたい」と続けた。

最後のコメントで「私は皆さんの足が心配ですよ」と我々を気遣う宮本佳林さん。観客から、関西は帰れないという声。唖然とするJuice=Juice。事態を理解していなさそうな植村あかりさんが隣(我々から観て右)の梁川奈々美さんに聞いて、梁川さんが答えていた。私の想像だが、「帰れないってどういうこと?」「台風で電車が止まって…」というようなやり取りをしていたのではないか。そこで宮本佳林さんが発した言葉が、「帰ることよりも、家で寝ることよりも、私たちに会いに来ることを優先してくれるJuice=Juiceファミリーの皆さんが大好きです」だった。ここに来てよかったと私は思った。打ちのめされた。このツアーを、最低でも14公演は観たかった。

その他
・セットリストが最高だったNEXT ONEツアー以来に、『この世界は捨てたもんじゃない』『銀色のテレパシー』の両方を聴けて嬉しかった。(『この世界は捨てたもんじゃない』はSeven Horizonツアーでもやっていた。二曲とも聴けたのはNEXT ONE以来。)これらの曲や、まだ私が聴いたことがないハバグッダイ的な題の曲を網羅したセカンド・アルバムを早くリリースしてほしい。
・『続いていくSTORY』は昨年11月の武道館ぶりだったんじゃないかな。来月の武道館まで取っておくのかと思っていた。
・このツアーは衣装が至高だ。初めはど派手な、複数柄の組み合わせ。第二形態はそこから下を脱いで、第三形態で上を脱ぐ。ステージ上で脱ぐのがいい。脱ぎ方がまた我々をエクサイトさせる。中にはお腹を出した黒の上下。段原瑠々さんだけ、おへそがちらっと見える。アンコール明けでは下がそのままで、上にはアレンジしたツアーTシャツ。金澤朋子さんがえりを付けていた。高木紗友希さんはいつものようにデコルテを出していた。いつも積極的にデコルテを見せてくれてありがたい。
・段原瑠々さん+梁川奈々美さんのトーク・セグメント。どうやら回替わりで先輩メンバーが一人登場するようだ。この夜公演は宮本佳林さん。ロンドンに滞在中、段原さんが宮本さんとお揃いのパーカーを買った。同じ袋を持っていたら、梁川さんが「へー、お揃いなんだ…」と分かりやすく拗ねた。その代わりに梁川さんはパリで宮本さんとお揃いのリップを購入した。これからも他のメンバーともお揃いの物を買って、絆を深めていきたいという梁川さん。
・段原さん+梁川さんのトークに合流するや否や「その前に金澤朋子!」と金澤さんを呼び出す宮本さん。その前の曲中で金澤さんが水を蹴ってステージにこぼしたらしい。滑りそうになったと興奮気味に苦情をまくし立てる宮本さん。平謝りの金澤さん。「甲府CONVICTIONのスタッフさんに謝れ!」と宮本さん。本当にすみませんと頭を下げて、しゃがんで水を拭いてから捌ける金澤さん。
・“Magic of Love”でお馴染みとなった「ここだよ朋子!」の直前に「せーの」という掛け声を大勢の人が叫んでいて、それ自体が一つの集合的なチャントのようになっていた。「ここだよ朋子!」の音量に驚くようなおどけた顔の植村あかりさん、嬉しそうな金澤朋子さん。
・段原瑠々さんが歌い終える度に漏らす息。マイケル・ジャクソン的な。個性として残してほしい。
・「いちばん前の人は分かったかもしれないけど」、と脚にあざが出来たことを話す高木紗友希さん。コタツのテーブルを設置する際に出来たという。「今は痛くないので心配しないで」
・梁川奈々美さんは今日の髪型を宮崎由加さんに作ってもらった。昼はポニー・テール。夜は横に流したテール。
・梁川奈々美さんの歌にはまだまだ向上の余地がある。まだJuice=Juiceの水準ではない。
・“Fiesta! Fiesta!”のフックを歌う人がちらほらいたので、私もそれに乗っかった。ハロ!ステかアプカミか、どっちかは忘れたがインターネットで公開されたメキシコ公演における現地の観客のオマージュである。めっちゃ楽しかった。最後のコメントでそれが嬉しかったと述べた段原瑠々さん。「メキシコで皆さんが歌ってくださって…それを再現してくださったんですよね?」
・植村あかりさん曰く、髪型をハーフ・アップにしたところ“Fiesta! Fiesta!”の「情熱を解き放て」で本気で頭を振り乱すことが出来た。「いつも本気ですよ」。でもこれまでに比べて髪が広がらなくなったのでやりやすくなった。
・終演直後、近くの紳士が「やなみんがMCでカントリーのときより楽しそうにイキイキしているのを見てつらかった。ゲロ吐きそうだった」とおっしゃっていた。私は意味が分からなかったが、各人が見てきたものによってそれぞれ思うところがあるんだろうなとは思った。
・高速握手で植村あかりさんが感じのいい笑顔をくださった。植村さんは怖い時期もあったが最近はいつも感じがいい。
・会場を出ると雨は弱まっていた(傘は残っていた)。甲府駅までは問題なく行けたが、特急は運休。30分くらい待って、各駅で帰った。途中で梁川という駅に止まった。家に帰ったのは日付が変わって0時22分。山梨県は地図で見るよりも遠かった。

2017年10月28日土曜日

つばきファクトリー 新沼希空バースデーイベント 2017 (2017-10-20)

上司①が体調不良で早退し、上司②が体調不良で自宅勤務だったので、16時過ぎに退勤するのは容易だった。まあ別に、彼らが事務所にいたとしても早く上がるのに大きな支障はない。嫌味を言われることもない。そうは言っても監視の目があるのとないのとでは気持ちが違う。例によって大久保のナングロ・ガルでサマエボウジを食って、ホッピー(黒が売り切れていたので白)の焼酎割りを飲んだ。1,650円。山手線で目黒。そこから東急目黒線ってのに乗り換えて、武蔵小山駅。初めて降りる駅だった。iPhoneでGoogle Mapを確認しながら歩く。商店街を右に抜けたところに会場はあった。スクエア荏原、ひらつかホール。聞いたことがなかった。最初、会場名を見たときは神奈川県の平塚にあるのかと思った。ベルマーレ。足を踏み入れたことのなかった土地、会場。使ったことのない移動手段、宿泊施設。脳に与えられる新しい刺激。Hello! Projectのファンとしてさまざまな現場を経験していくと、ボケ防止になる。会場に入ると、開演を待つおまいつたち。私が着いたのは19時20分頃。19時15分前から入場が始まっていた。グッズはほぼ全種類が売り切れていた。

メールに記載された席は3列だった。1列目は潰してあったので、実質2列目だった。よく考えてみると私は新沼希空さんのことをそこまで推しているわけではない(10月2日に行ったソートでは25位)。ハーコーな新沼希空さん支持者にはちょっと悪いなという気持ちがあった。仮に新沼さんを一推しにしている人が席を替わってくれと言ってきても応じないけどさ。気持ち的にね、すみませんねってのがあった。今日は後ろでもよかったから小野瑞歩さんのイベントで前方をくれよってのが正直な気持ちだった。今日は午後から暑くなっていた。半袖Tシャツ一枚でも十分というか、ちょっと不快なくらいだった。

司会はニレンジャーの川田さん。36歳、独身、実家住まいという自己紹介が面白かった。川田さんの呼び込みで登場する、今日の主役。2回公演で、これが2回目。1回目の感想を聞かれて、緊張しすぎて「あずみさん」のことばかり見てしまった、という新沼さん。誰のことかと思ったら川田さんの下の名前だった(青澄とかいてあずみ)。「下の名前?」と戸惑う川田さん。「ドキッとしました?」と、ちょっといたずらっぽく新沼さん。「誰か分からなくなりました」と川田さん。しばらく二人の問答。
・最初に連絡をくれたHello! Projectのメンバーは山木梨沙ちゃん。つばきファクトリーでは山岸理子ちゃん。その次が誰だったかは分からない。全員くれた。順番は覚えていない。
・小野田紗栞ちゃんからCDをもらった。まだ開封していない。
川田さんが話を引き出そうと奮闘していたが、新沼さんがこれを話そうというエピソードをあまり用意していない感じだった。

モーニング娘。石田亜佑美さんからの動画メッセージ。私のことを好きと言ってくれる唯一と言っていい人だが、会っても写真を撮って終わり。普通の話が出来る仲になりたい。声をかけてきてほしい。先輩から行けって話だけど、私も人見知りなので。というような内容だった。画面内の石田さんが音頭を取ってハッピー・バースデーの歌を歌った。名前を言ってから歌に戻るときに、せーの、がなかったので我々のタイミングが揃わなかった。次から石田さんには気を付けてほしい。メッセージの感想を川田さんに求められた新沼さんは、ポカーンとして「こんなに可愛かったっけ、と思いました…」と言った。「可愛いなって…」。話しかけてきてほしいと言ってますよと川田。「私は応援していた側なのでそんな気軽に話しに行くなんて恐れ多いです」「本人がいいって言ってますよ」「話してみようかな」

一人運動会。プレゼントは秋の味覚、カキ(果物)。カキはお好きですかという川田さんの問いに、首を傾げる新沼さん。あまり得意ではないとのこと。苦笑いを浮かべて、いいカキですから、好きになるかもしれませんと取り繕う川田さん。この時点で企画倒れ感があった。新沼さんが欲しいものを手に入れられるように我々が応援するという構図が(ウソでも)出来ないと、こういうゲームの意味がない。成功するインセンティブがない。これは裏方のリサーチ不足。この一人運動会は、選手宣誓、スリッパ飛ばし、あいうえおきそらんの三本立てだった。スリッパ飛ばしは、ステージの右側から左に向けてスリッパを飛ばして、設定されたゴールを越えられるかどうか。可愛いと思うものを言いながら脚を上げる。新沼さんが言っていたのは「綿菓子」、「ピンク」、あと一つは私が忘れた。三回目の前に川田さんがゴールを近づけるというお約束の展開。成功。借り物競走は、名前の希空にちなんでき、そ、らから始まる物を観衆から借りてくる。「希空ちゃんのグッズ」「双眼鏡」「ラップトップ」を時間内に借りてきて、成功。集めてきた物品を公開する際、「希空ちゃんのグッズ」のときに新沼希空のグッズと言いそうになって言い直す新沼さん。自分のことを希空と言ったのはこれが初めて。もう一回ききたいな、と追加で二、三回、新沼さんの口から「希空」を引き出す川田さん。

ミニ・コンサート。
1.『The 美学』(松浦亜弥)
2.『君の戦法』(℃-ute)
一息ついて水を飲む新沼さん。客席の誰かが「おいしい?」というありがちなキモい質問。うん、と頷く新沼さん。『The 美学』は研修生の頃、実力診断で歌いたかった、『君の戦法』も気になっていて歌いたかった、というようなコメント。
3.『タチアガール』(スマイレージ)
4.『彼と一緒にお店がしたい!』(モーニング娘。)
5.『彼女になりたいっ!!!』(ハロプロ研修生)

・『彼女になりたいっ!!!』のアウトロで「キソランちょうだい!」
x4のシャウトを発する我々。嬉しさが隠しきれない様子でニヤつく新沼さん。
・開演前にジャンプ禁止が通達された会場で当然のように飛びまくる、中央ブロック前方のおまいつ軍団。馬鹿。その都度、慌てて止めに入るエスタシオン。
・終演し、前の列から順番に案内されてお見送り会に旅立っていく。最前列の中央には当然のように満面の笑みを浮かべる某有名新沼さん支持者の紳士。
・私が立ち上がったときに後ろを振り返ると、後半ブロックは3-4割が空席。

あくまで私の印象だが、今日の新沼さんはいつになくご緊張されて固いように見えた。元からある不思議ちゃん的な持ち味との区別が難しいのだが、普段はもっと余裕があるように思えた。ミニ・コンサートの後半でようやくほぐれてきたところで終了、という感じだった。曲をパフォームされる際も動きが小さく、あまり躍動的ではなかった。もしかすると衣装(黒のメイド服)が動きづらかったのかもしれない。

新沼さんはこのイベントが決まった際、バースデー・イベントをやるのが夢だったというようなことをブログに書いていた。それが実現して、気負いすぎたのかもしれない。イベント中、ご本人としては夢心地だったのかもしれない。今日のイベントは正直なところ私にとってはとても楽しかったとは言えないが、客のような、批評家のような視点から文句をつけるのはおそらく間違っている。お誕生日の当日に、ガチガチになりながら夢だったイベントにご出演される新沼さんを見られた。最後のお見送りで「おめでとう」「ありがとう」というやり取りが出来た。それだけでも光栄であることを忘れてはいけない。

2017年10月23日月曜日

夢見るテレビジョン (2017-10-14)

西新宿は眠らず働くターミナル
My city 歌舞伎町 眠らずクリミナル
職安通り 893 闇上がり
荒稼ぎ路地裏に 大久保通り
(MSC, 『新宿 U.G.A Remix 03'』)

MSCの名盤“MATADOR”に出てくる大久保通りがどこなのかふと気になって検索してみたところ、私がよく行く場所だった。週末に新大久保駅を出てお気に入りのネパール料理店「ナングロ・ガル」に向かう道がまさに大久保通りだったのである。一時は収まっていた私のサマエボウジへの欲求が再燃している。サマエボウジとホッピー(黒)というのが最近の定番である。昨年の12月、宮本佳林さんのバースデー・イベントの帰りにふらっと入って以来、この店に通うのをやめられなくなっている。普段は新大久保で降りて、これをいただいたら電車で池袋に戻るのだが、今日は隣駅の新宿に用事がある。新宿は私にとって、好んで訪れる場所ではない。ここに来る数少ない理由の一つが、演劇女子部である。新宿駅南口を出て5分ほど歩いた場所にあるスペース・ゼロ。アンジュルム主演の『夢見るテレビジョン』。15時開演の公演を観させてもらった。

12時半頃に会場に着いた。公演の最中ということもあって物販には誰も並んでいなかった。日替わり写真は誰のも売り切れていなかった。室田瑞希さんの日替わり写真と、コレクション生写真を1枚買った。コレ生が1枚だけなのは私がアンジュルムをグループとして推しているわけではないからである。まあ運試しに1枚買っておくかという感じ。出てきたのは勝田里奈さんで、私にとってはおみくじでいうと凶くらいの結果だった。これだったら上國料萌衣さんの日替わり写真でも買っておけばよかった(値段も同じ500円だし)という思いが頭をよぎったが、これ(コレクションのコレと音を合わせている)ばかりは事前に何が当たるか分からないから仕方がない。伊東屋で来年の手帳を物色した。私は2015年から三年連続でタワレコ手帳を愛用してきたんだが、迷惑なことに2018年版は発売をしないという。ちなみにこの手帳、2016年までは道重さゆみさんのお誕生日が載っていたのに2017年には削除されていた。発売しない旨を告げる事務的な通知文といい、タワーレコード日本法人は信頼できない企業と言わざるを得ない。ポイント10倍とクーポンを併用すればAmazonより安いしセブン・イレブンで受け取れるのが便利だからオンライン・ショップは使うけど。

伊東屋ではDrawing Diary 2018 <Light>というのを買った。来年はこれでいく。ついでにAcroballのボール・ポイント・ペンとブログ執筆に使うための情報カードを書った。スペース・ゼロに着く頃にちょうど前の公演が終わったらしく、たくさんのオタクさんが駅の方向に向かっていた。会場前で時間を潰す。アンジュルムの現場に私は滅多に来ないから、誰がおまいつかを認識できないから精神衛生上、よい。

ありがたいことに今日は2列目という絶好の席をいただいた。実際に椅子に座るとステージの近さにワクワクが止まらない。すると前にハンプティー・ダンプティーのような見た目であられる紳士がお座りになった。ややユニークな出で立ちであられたのでつい注目してしまったのだがTシャツに「俺は腹ぺこだ」的なことが印字されていて、いやいやお前は食い過ぎやねんと私の中のリトル大阪人が突っ込みを入れた。しかもその隣にさらにもう一人のハンプティー・ダンプティーが現れた。兄弟かよ。よりによって二人連続かよ。二人ともサイズが大きめだったので視界は悪くなりそうだった。彼らは何も悪くない。ただ、最高だと思っていた状況が立て続けに不利になるのがコメディ的であり、物語の定石のようで、可笑しかった。

『夢見るテレビジョン』を私が観るのはこれが最初で最後である。1公演しか申し込んでいなかった。それは今のアンジュルムにそれほど心が躍らないからである。春ツアー『変わるもの 変わらないもの』を観て、あまりポジティヴな印象を持たなかった。詳しい理由は当時の記事に譲る。7月には船木結さんと川村文乃さんがグループに加入した。私は「新メンバーが必要、というかおそらく近いうちに入るのではないか」とそのときに書いた。予測が的中したと胸を張りたいところだが、この予測には欠陥があった。“Superforecasting”でPhilip Tetlock & Dan Gardnerが書いたように、予測は具体的でないと当たったのか外れたのかが分からない。たとえば「半年以内」と書いていればよかった。「近いうちに」では想定している期間が1ヶ月なのか1年なのか、はたまたもっと長いのかが分からない。アンジュルムはグループの性質上いずれ新メンバーが加入する可能性が高かったので、時期を明示しないと予測として意味がなかったのである。それはともかく、船木さんと川村さんの加わったアンジュルムをハロコンで何度か観たが、私のアンジュルムに対する興味が増すということはなかった。それでもなぜ1公演は申し込んだかというと、演劇女子部が好きだからである。どのグループであろうと一度は観ておきたい。

結果からいうと、『夢見るテレビジョン』はとっても面白かった。もう一度、観たかった。私は11月に行われる研修生主演の演劇女子部公演を3回観るのだが、そっちを一回減らしてでも『夢見るテレビジョン』に最低二回は入るべきだった。今日のアンジュルムはとても輝いていた。『変わるもの 変わらないもの』ツアーの埼玉公演で私が感じた物足りなさは、見る影もなかった。はじめから最後まで引き込まれたし、ニヤニヤが止まらなかった。なぜここまで満足度が違うのか。約半年の間にグループが劇的に変わったとは思えない。人員の歌唱やダンスの技量が急に伸びたとも考えにくい。おそらく、私が三郷市文化会館で観たときから今日に至るまで、アンジュルムは「変わらないもの」の方が大きかったはずだ。コンサートとミュージカルは、リンゴとリンゴの比較ではない。いや、リンゴとリンゴの比較だが、リンゴの調理法が違った。同じリンゴでも、『変わるもの 変わらないもの』と『夢見るテレビジョン』ではアップル・パイとリンゴ・ジャムくらいの違いがあった。この件はあくまでたとえだから、どっちがパイでどっちがジャムとかは別にない。そもそも私はリンゴを使ったレシピをよく知らない。何を言いたいかというと、『夢見るテレビジョン』の方がアンジュルムの素材の味を引き出し、魅力的に仕立てていたのである。

単語ひとつで言うと、プロデュース。その違いが出た。つんくさんはHello! Projectのプロデューサーだった頃、そのときに在籍しているメンバーの特徴や境遇に合わせた曲を書いていた。それがガッチリはまって曲の世界とメンバー・グループが切り離せなくなったとき、それらの曲はクラシックとなった。たとえばプラチナ期と呼ばれる時期の、一連の歌謡曲じみた恋愛ソング。当時のモーニング娘。は高橋愛さんと田中れいなさんを筆頭に歌唱力に秀でたメンバーが揃い、20歳前後のメンバーが中心になっていた。また2ちゃんねるではタカハシステムと揶揄されるほどに事務所として高橋愛さんを前面に押し出していた。当時の楽曲の方向性についてファンがみんな歓迎していたとは言い難い。もっと明るい曲を待ち望む声も多かった。しかしメンバーの技量、年齢構成、中心メンバーの特徴といったさまざまな要素と噛み合った楽曲群なしではあの頃がプラチナ期と語り継がれることはなかったであろう。今のモーニング娘。が同じ曲をパフォームしたとしても、同じようにはいかないのである。現在のHello! Projectからは、今の、こういう個性を持ったこのメンバーがいるからこの曲を作った、というメッセージをあまり感じない。ジェネリックな注文で出来上がった曲を、一貫した信念なしに割り振っているような印象を受ける。コンセプトを創造する人が見えない。決断者が見えない。責任者が見えない。

ちょっと話がそれたが、『夢見るテレビジョン』は役柄、衣装、台詞、歌を通して、アンジュルム一人一人の魅力を存分に味わわせてくれた。コンサート、イベント、ブログ、ラジオ等々、彼女たちが活躍する媒体は色々あるけれども、本作では舞台でしか見られない彼女たちを引き出していた。それがHello! Projectでミュージカルをやることの最大の意味だと思う。演出とか、脚本とか、舞台を構成する色々と要素はあると思うけど、それらを単体で切り出すのではなく、出演者たちの魅力をどれだけ引き出していたかという見方をするのが重要だと最近、気付いた。

船木結さんがいちばん私の目をひいた。低い身長を逆手に取った、ダボダボなサイジングの衣装。愛くるしい動きと表情。何より、声! カントリー・ガールズとアンジュルムの曲では(船木さんに限らず)ソロ・ラインは限られる。船木さんに与えられたのは若い放送作家の役だった。割と多かった台詞を通じて、彼女の声を存分に楽しむことができた。あの声は本当に最高だよ。私が初めて船木さんの歌を聴いたのは2014年12月6日の生タマゴShow!だった。そのときから印象的だったハスキーでドープなダミ声。声を張ったときにいっそう生きる。Hello! ProjectのTalib Kweli。はじめは室田瑞希さんを中心に見るつもりだった。もちろん室田さんも素晴らしかったが、開演直後からつい船木結さんに目と耳を奪われてしまった。

室田さんは、過剰でひょうきんな動きを付けながら台詞を言う場面が三回くらいあって、笑いを取っていた。あと、劇の中で生放送をやっていたら時間が足りなくなって室田さんが歌い出したらすぐに番組が終わるという場面があったんだけど、イントロの振り付けは毎回、ご自身で考えて変えていたのだという。和田彩花さん、勝田里奈さん、竹内朱莉さん、室田瑞希さんの四人によるポスト・パフォーマンス・トークの中で明らかにされた。誰かがそれを話題に挙げると「振り付け師です」と、室田さんが手を挙げていた。今日はこんな感じだったと室田さんが実践すると、観客から笑いが起きた。いつも鏡の前で真剣に練習しているのが可笑しかったと誰かが言っていた。

話の内容としては『モード』の延長上にあった。なりたい自分になる手段としての労働。その特権を男性が握りしめている。男性中心の労働社会に食い込んで生き延びている、強い女性の和田彩花さん。アルバイトで雇用されて和田さんの下で働くことになった上國料萌衣さん。テレビ局。制作の仕事。最大の違いは、『モード』が男対女という図式だったのに対して、『夢見るテレビジョン』ではその大きな構図は維持しつつも、女対女という視点を取り入れている点であった。男性が支配的なテレビ局で和田さんが地位を築くには、男性化する必要があった。自分を守るには他人を蹴落とすことも厭わない。『モード』のときのようにキラキラしているだけではいられなくなったのだ。そこに入ってきた、純粋でまっすぐな情熱を持った上國料さん。過去の自分を思い出して優しく接するのではなく、必要以上にきつく当たり、上國料さんの手柄を横取りする。女性の地位が無から有になるまでが『モード』で、その先の世界を描いているのが『夢見るテレビジョン』だと私は解釈した。

『モード』だけではなく『気絶するほど愛してる!』とのつながりもあった。同舞台で、船木結さんと梁川奈々美さん(いわゆる「やなふな」)がザ・カシューナッツというユニットを組んでいた。『夢見るテレビジョン』では同ユニットを高瀬くるみさんと石井杏奈さんが組んでいた。テレビの中で高瀬さんと石井さんが歌っているのを見た船木さんが「ザ・カシューナッツってもっと可愛いと思ってたんだけどな…」とぼやいて、画面の中の高瀬さんがムッとして船木さんを睨みつけるという場面があった。ここはとても面白かったが、観客にはそこまで受けていなかった。分からなかった人が多数だったのかもしれない。それも無理はない。『気絶するほど愛してる!』が上演されていたのは一年半前だし、会場も167人しか入れない池袋のシアター・グリーンだったから。こうやって複数の舞台の世界が地続きになっていくのは面白いし、もしあるのであれば『夢見るテレビジョン』の続きが観たい!

2017年10月15日日曜日

LIVE AROUND 2017〜World Tour→J=J Day Special〜 (2017-10-10)

吉越浩一郎さんが『「残業ゼロ」の仕事力』『デッドライン仕事術』をはじめとする多数の著作で訴えていたのが、仕事に期限をつけることの重要性である。これは又聞きだが、吉越社長から残業を禁止されたトリンプ・インターナショナル日本法人の社員たちは家に仕事を持ち帰っていたらしい。一部の社員がそうしていたのか、それが普通だったのかは分からない。でも現実は彼が本に書いていたほどにきれいには行っていなかったであろうことは想像に難くない。ビジネス書の著者によるボーストを額面通りに受け取ってはいけない。ある経営者は、私には短時間の面接でも応募者がウチに向いているかどうかを見抜く野生の勘があるなぞと本に書いていた。私は彼の最終面接を受けて入った会社があまりにも合わず、一ヶ月で辞めた。節穴しか付いていないのに俺には野生の勘があると大ボラを吹いて、それを出版物として世にばらまいて恥じないくらいの神経じゃないと、事業の運営なんぞは務まらない。奴らが本で言うことには偶然と必然の区別がない。個人的な体験と法則の区別もない。所詮、その程度の頭しか持っていない。それはともかくとして、明確な時間制限があった方が仕事を速く進めやすいというのは、一般論としては正しい。

ご存じのように10月10日はJ=J Dayである。10月10日だから、じゅう、じゅうでJuice=Juiceの日。9月10日に℃-uteがやっていた℃-uteの日のように、語呂合わせから生まれた記念日である。私は昨年、一昨年に続いて三回目の参加となる。今年の10月10日は、三連休の翌日である。休みの取得や早退が難しい日取りだ。しかしこちらの事情は関係ない。我々が合わせなければならないのである。私は、この日にやっておかないとまずい仕事があった。午後半休を取得していた。12時すぎに会社を出る必要があった。タイム・リミットの効果もあって気が引き締まり、時間までに懸案を片付け、事なきを得た。店に入って昼飯を食っている時間はないので、ローソンでLチキ旨辛(レッドから改名して分かりにくくなった)とLチキ用のバンズと一本満足バーとGRAND KIRIN IPAを買って、電車で飲んで食った。周りが素面で日常生活を送っている中、自分だけが酒を飲んでいるのが愉快だった。本(“Brave New World”。14年間の積ん読を経てついに読み始めたが、面白くない)を読むつもりだったが、寝てしまった。

たどり着くべきなのが東京テレポート駅であることはMC松島さんのEP『セルアウト』の一曲目『東京テレポート』で知っていたし、「Zepp Tokyoと Zepp Diver City Tokyoは まったく別物 だから気を付けろよ」というストリートの知識も二曲目“Zepp Tokyo”から得ていた。だから一切の迷いなく、Zepp Diver City Tokyoに着いた。近くにあったガンダム像の前で、東京都に住むギャンブル依存症の無職・中島(仮名)と合流した。今年に入ってから彼を何度かHello! Projectの現場に招待している。私が彼を呼ぶのにはいくつか理由がある。一つだけ言うと、私は彼の文章が好きだし、私とは視点が異なるので、彼が口頭で、また文章で語るHello! Projectに興味があった。私の脳内にあるHello! Projectと、彼の目に映るHello! Projectは違う。彼には私が言えないことが言えるし、私が書けないことが書ける。それが何なのかを確認したいという願望があるのだ。

開場が17時半、開演が18時半なのだが、グッズ販売は14時半に始まる。それが多少の無理をしてでも12時に退勤した理由である。日替わり写真はどうしても買っておきたい。これを書いている10月15日の最高気温は16℃くらいだが、10月10日は10℃くらい高かった。半袖一枚で十分だった。日差しを浴びながら、なかなか進まない列に並んだ。日替わり写真の宮崎さんと宮本さん、ツアーTシャツ、コレクション生写真4枚を買い終えたのが16時24分。2時間近くかかった。この間、話し相手がいるのは助かった。中島と、刑務所にポルノの差し入れは可能だが女子高生モノは没収されるらしい(参照:井川意高、堀江貴文『東大から刑務所へ』)、長野刑務所のメシはうまいらしい(参照:収監中の堀江貴文さんのメルマガ)といった知的な会話に興じたり、Twitterのタイムラインをさすったり、アイドル見るのが呼吸さんの最新記事を読んだりして過ごした。日替わり写真はこの場でしか買えない。それ以外は通販で買える。日替わり写真さえなければこんな行列に長時間並ばなくて済むのだが…。地下のコイン・ロッカーはまだ大半が空いていた。持参してきたピンクの宮崎Tシャツと買ったばかりのツアーTシャツのどちらを着るのがいいと思うかと中島に聞いたら、いやこっちでしょうと宮崎Tシャツを指し示した。「そっち(ツアーTシャツ)という選択肢はないでしょう」。

セブン・イレブンでサントリー角ハイボール缶<濃いめ>500mlを買って、ガンダムの前で座り込んで、飲んだ。アイドルさんがあのガンダムくらい大きければみんな見えるし、飛んでいる奴が多少いても気にならないよね、という話をした。いい感じにアルコールが回ってきた。目の前のフード・コートに入って、梁の家という韓国料理屋のスンドゥプ・チゲ定食850円を頼んだ。定食というわりにご飯とキムチの切れ端がちょびっと付いているだけだったが、フード・コートにしてはチゲが随分とおいしかった。

トレイを下げて会場前に戻ったのが17時35分。呼び出されている番号はまだ170番までだった。私たちの番号は1,370と1,371。番号の進み方もゆっくりだったので、まだまだかかりそうだった。私は芝生に寝っ転がった。Zepp Diver City Tokyoは付近の空間にゆとりがあって、ストレスを溜めずに待てる。気持ちよい。このまま寝ていたい気分だった。この程度で酔ってるんですか、という感じで中島は笑った。アルコール依存症の彼にとって、空っぽの胃に流し込むアルコール9%のハイボール500mlは水と同じだった。17時56分時点で、1,000番までと2階席の全員が呼び出されていた。私にとってZepp Diver City Tokyoは初めての会場だった。ステージがあって、フロアに段差があって、段の区切りごとに手すりがあって、というライブハウス(和製英語)のつくりだったが、ライブハウス(和製英語)では体験したことのない広さと開放感。あれだけ広い空間にみんなが立っているのは野外フェス的な雰囲気があった(私は野外フェスには行ったことがない)。

当然ながら、約1,369人が入った後だったので、もう後方しか空いていなかった。人の間に隙間はあったので、強引にかき分けて前に行くことも出来なくはなさそうだったが、それはHello! Projectの現場ではお行儀がよくない。私は紳士なので、それはやりたくなかった。後ろから3割くらいの位置に立ってみた。悪くはないが、しっくりこない。中途半端だ。かといって前方に陣取るのは望めない。じゃあどうする? 私が出した結論が、いちばん後ろに行くということである。鑑賞コンセプトの絞り込みが肝要なのである。我々はアイドルさんの技量についてエラそうに語るが、我々も楽しむ技量が試されているのを忘れてはならない。それは席が後ろのとき、整理番号が大きいときにこそ問われる。実は昼にビール、開演前にハイボールを入れたのも今日の整理番号を見ての判断だった。今日はアルコールを入れて、いちばん後ろで飛びまくって、叫びまくって、多少ヤケクソになって楽しむ。自分から楽しみに行く。そう決めた。

その判断は、大正解だった。なるべく前に行こうとして中途半端な位置から観るよりもコンサートを何倍も満喫できたと思う。曲中は各メンバーさんのソロ・ラインに合わせて「ゆかにゃ!」「朋子!」「紗友希!」「佳林!」「あーりー!」「瑠々ちゃん!」「やなみん!」をほぼ全部叫んだ。トークのセグメントでも、普段よりもためらいなく「エー?」「フー」「オー」といった声を出したし、よく笑った。2016年6月26日を思い出す。あのときも同じように番号がよくなかったので、酒を飲んで、いちばん後ろで飛びまくった。ここで何をやっても何を言っても、演者には聞こえないしまともに見えない。だからこそためらうことなく好き勝手やれた。あといちばん後ろは他の場所と比べて観客が少なくて、動いても周りにぶつかる心配がなかった。ある程度、身動きが取れた方が楽しさを身体で表現できる。この位置から飛んで一瞬だけ見える、びっしり客が埋まったフロアとステージ。その光景は爽快感があった。

中島も、Juice=Juiceのコンサートが二度目にも関わらず、ためらうことなく声を出せていた。二回目であれだけ出来れば言うことはない。彼はそれに加えて海外ツアーの思い出を語るトークのセグメント中に「それはそう」「そんなことないよ」等、Twitterの馴れ合いのような合いの手を入れていた。

ステージとの距離は遠かったが、Juice=Juiceは会場の前にそびえ立つガンダムのように大きく見えた。と書いたら文章としてはきれいだが、さすがにそういうわけにはいかなかった。肉眼(+メガネ)では誰がどこにいるかが分かる程度で、細部は分からなかった。その分、ステージの後ろに設置してあるモニターが巨大かつ高精細で、非常に助かった。メンバーさんの名前をシャウトする際には誰が歌っているかをモニターで確認することが多かった。ただ、会場の印象としてはモニターがあるのを除けばあくまで大きなライブハウス(和製英語)だった。座席のある会場でのJuice=Juiceコンサートと比べて、演出は簡素であった。

こんなに大人数が入る立ち見の会場は私にとって初めてだったが、Juice=Juiceの皆さんにとっても同じだった。彼女たちは口々にステージから見る観客の多さへの驚きを表していた。開演前にフロアの様子をモニターで見ていたという植村あかりさんは(「どアップじゃないから安心して」と付け足す)、(1、2、3…と数えて)10列毎くらいに映ってから全体が映っているのを見て、こんなにいるんだとびっくりしたとおっしゃっていた。

地団駄ダンス』が完成されていた。私は4月1日の福岡公演で単独コンサートでの初披露に居合わせたのを皮切りに、この曲を結構な回数、観てきた。ハロコンでも観たしね。今日がいちばん熱く、会場が一体となっていた。ステージとフロアの温度差がなかった。もちろん披露回数を重ねたことでJuice=Juiceと我々の双方にオートマティズムが生まれたのが最大の理由だが、メンバーさんたちが法被を着たことの効果はでかい。お祭り感が強調される。空間がパッと華やぐ。私は福岡で初めてこの曲を体感して、こう書いていた。
…次にJuice=Juiceが目指すのは単純な拡大路線ではなく、表現の幅を広げるために今までとは毛色の違う楽曲に挑戦していくことなんだな、と合点した。夢を叶えて目標を喪失し、次にどこに向かえばよいのかよく分からなくなると終わりの始まりだ。彼女たちが常に何かしらの難しい課題に向き合っていくのは好ましいことだ。植村あかりさんは『地団駄ダンス』をもっと盛り上がるように育てていきたいと言っていた。彼女たちならきっとこの曲をRakimのようにMove the Crowdするまでに高められる。ついて来られるのか試されている我々。理解できないフェイク野郎はバレバレ。
MISSION 220という数値的な目標を達成した彼女たちは、次は質的な課題と向き合っているのだと私は解釈していた。今日のJuice=Juiceは紛れもなく『地団駄ダンス』でMove the Crowdしていた。彼女たちはこの半年間でこの曲の表現を磨き上げた。私たちはついて行った。10月10日、2,000人がこの曲で一つになった。この日にこの曲でぶち上がった観客は、自らがリアルであることを証明した。MISSIONは大成功である。

今日の私がどれくらい乗っていたかというと、“Magic of Love”の恒例チャント「ここだよ朋子!」の前に「せーの!」と叫び周囲のチャントを誘導するほどのリーダーシップを発揮した。『地団駄ダンス』では某最前おまいつがハロコンで発したとされるチャントのように「上を見て 下を見て」の箇所で「オレを見てー オレを見てー」と叫びたくなった。

Wonderful World”をみんなで歌えたのが嬉しかった。この曲が合唱付きで披露されたのはもしかして昨年11月の武道館公演以来じゃないか? 8月31日の宮本佳林さんの復帰試合でも一曲目に追加されていたけど、そのときは我々の歌唱パートがなかった。来月の武道館でもセットリストに入るかな? また武道館で歌いたい。今日はリリックの一番が日本語、二番が英語で、ワールド・ツアーの日本公演という特別感があった。アンコール明けの3曲目となったこの曲がコンサートの最後かと思ったら、『未来へ、さあ走り出そう!』が始まった。“Wonderful World”で終わっていた方が、収まりはよかったと思う。

コンサートの中盤に、海外公演の思い出を写真で振り返るセグメントがあった。今日の公演はいずれ円盤に収録されるだろうからその詳細を思い出してここに記録する意味を感じないのだが、「スケベ!」と「100キロ以上太るのは才能。普通はそんなに太れない」が印象に残った。前者は、フランスでの写真。Juice=Juiceに並んで写り込む淑女。関係者かと思いきや、撮影中にも関わらずガツガツ話しかけてきた現地のおばさんだという。こんな可愛い子たちがいるのが信じられないと言っていたが、膝を出し過ぎだと苦言を呈してきた。「膝を出すのやめようかな」と誰かが言うと、当然ながら私たちがエーイングを浴びせる。そこで高木紗友希さんが見せた切り返しである。「膝まではよしとしましょう」と金澤朋子さんは言っていた。後者は、ドイツでの一枚。Juice=Juiceと一緒に集合写真に入った中に、ふくよかな少女。体重が100キロ以上ある。本人が言っていたという。そこで宮崎由加さんが残したのがこのパンチライン。

Juice=Juiceの、コンサートを通しての力配分と緩急の付け方に感嘆した。以前、何かのインタビューで、サッカーの井原正巳さん(当時、横浜マリノスに所属)がフォワードは89分ダメでも残りの1分で点を取ればヒーローになれるが、ディフェンダーは89分守り抜いても最後の1分で点を取られれば戦犯になるという旨のことをおっしゃっていた。そういう、押さえるべき勘所というのはポジション毎にもあるだろうし、競技毎にもあるんだろうと思う。私が従事する賃金労働でも、職種によってそういうのはある。今日のJuice=Juiceは、コンサートという土俵で、勘所を完璧に押さえている感じがした。自分たちの動きだけではなくて、我々の反応も含めて、コントロールしているというか。コンサートが身体に染み付いているというか。そういう頼もしさを彼女たちから感じた。

終演してから会場の建屋を出るまでに私は水500mlを飲み干した。ZEPP DIVER CITYと東京テレポート駅の中間くらいにある、自販機が併設されたベンチでしばらく中島と歓談した。そこでも水500mlを飲んだ。ベンチから見えたSUNTORYの本社とおぼしき建物は、21時くらいになってもまだ半分くらい電気が付いていた。「来年の10月10日も空けておいてください。前後に大阪もあるかもしれないし。分からないですけど」と高木紗友希さんはおっしゃっていた。一年後の今日は水曜日だ。私はJuice=Juiceを観るために仕事を調整しているだろうし、SUNTORYの奴らはコンサートが終わっても会社にいるんだろう。

2017年10月3日火曜日

つばきファクトリー 小野瑞歩バースデーイベント2017 (2017-09-29)

ワイの天使(※1)が17歳になりました。17歳になったということは、彼女がこの世に生を授かってから365日が17回(※2)経過したということです。でも、おかしくないですか。誕生日が何回もあるのって。だって、同じ人間が誕生するのは一回だけでしょう(※3)。一年に一回、産まれ直すんなら分かりますよ。おぎゃーって。365日(※4)に一度、人生が終わって、また0歳から始まるんならね、その都度、誕生日と言えるでしょうね。でも人生にリセット・ボタンはないですから。ファミコン(※5)と違って。「チャンスはいつもたった一回 二度目が来なきゃすべて失敗」(※6)なんですよ。そもそも一年って何ですか? 1月1日が始まって12月31日が終わるまで。じゃあ月ってなんですか? 一日から、月ごとに異なる最後の日が終わるまで。となると、一日って何ですか? 0時になった瞬間から、0時になる直前まで。じゃあ一時間って何? という風にね、分解していくことは出来ても定義はできないんですよ。最終的には1分は60秒のことで、1秒は1分の60分の1という風に、戻ってくるんじゃないですかね。それで1分は1時間の60分の1、1時間は一日の24分の1、という風にループする。はじめは年→月→日→時間→分→秒と説明していったのが、秒までたどり着いたら今度は逆の流れになっていく。振り子のように、左右にずっと揺れ続ける。つばきファクトリーのリリース・パーティで大量の握手券をゲトッた青年が握手列をループし続けるかのように。で、時間を区切っている尺度の正体が何なのか、みんなよく分かっていない。まあたしかに太陽の動きで一日は繰り返している気はするし、いつもだいたい同じくらいの時期に暑くなったり寒くなったり花粉症になったりする。だからそれなりに理にかなってはいるんでしょう。今を生きる我々からすれば生まれたときには空気のように存在していて、それに合わせて世の中が動いている。私たちは時間に合わせて生きている。身体が求める睡眠時間を取るのではなく、仕事に間に合うために逆算された時間に目覚まし時計で起きる。相手に頼んだ仕事の期限が10時で、11時になっても終わっていなかったら依頼主はイライラする。18歳にならないとポルノにアクセスできない。一人一人がこの時間の区切り方に合わせて生きますって、選んだわけじゃないんですよ。みんなが知らぬ間に従わされている尺度なわけで。それで何周年とか何歳になったとか、数字に意味を見出して、祝ったり、嘆いたりしている。そう考えると、誕生日が何なのか、おめでとうって何を祝っているのか、明確に理解するのは難しいんですよね。

「何月何日何曜日とか
いつか誰かが決めたモノの尺度
縛られて生きてるお前はみじめ
大昔のルール守らされてるやつめ
俺は毎日大晦日のような気分で生きて
元日のような気持ちで死ぬ
特に意味はないけど格好いいだろう?」
(Magos、『火曜日つらい』)

ワイの天使(※7)はバースデー・イベントの1回目と2回目の間にグッズ売り場にご登場されていました。よくTwitterでね、メンバーさんがイベントの合間に物販に現れたというのをストリートの噂としては聞いていましたけど、実際に目にするのは初めてでした。一回目が17時半開場、18時開演。2回目が19時15分開場、19時45分開演。私が観覧させてもらったのは2回目でした。通常の平日であればね、私は1回目にも行っていましたよ。私は普段から休みが取りやすい恵まれた環境にいますが、一年のうち3月末と9月末はそうもいかないんです。半期の締めと、年度の締めの時期ってのはね、棚卸があったり、売上の締めがあったりで、バタバタします。でも今日に関しては、思いのほか早く片が付きまして。大胆に早退をすれば1回目の当日券(※8)も狙えたかもしれません。でもね、18時の回から入るのではなく、19時45分からの回だけに入って、ワイの天使(※9)に「俺はちゃんと働いてるんだぞっていう感じ」を見せたかった。あと正直ちょっと疲れて(※10)いましてね、公演を追加する気になれなかった。池袋の「蘭州拉麺 火焔山」で夕飯(※11)を食ってから、半蔵門に向かいました(※12)。私がTOKYO FM HALLに着いて列に並んだのは19時13分頃でした。何か上の方からワイの天使(※13)の声が聞こえてきて。はじめは1回目のイベント後の、お見送りの声が漏れてきているのかと思いました。でも少し列が進むと、売り場で販売員たちの後ろにお立ちになっているワイの天使(※14)が見えました。声を張り上げて、ありがとうございます、キーホルダーがおすすめですとおっしゃっていました。19時15分に横にいたスタッフが「次の準備がありますので」と言ってそれを合図にワイの天使は売り場を離れました。去り際に、1回目とはまた違った私を見せますというようなことをおっしゃっていました。彼女が姿を消すや否や、それまではグッズ列にいたのに雲散霧消する現金な奴らによって列の長さが半分以下になりました。つまり彼らはワイの天使(※15)を間近で見たかっただけで、グッズ列に並ぶふりをしていただけなのです。ワイの天使(※16)がキーホルダーをお薦めになっていたのはあまり売れていないからなのかなと思っていましたが、私のときにはもう売り切れていました。ひねくれた見方をしてしまった自分を恥じました。キーホルダーとあともう一つくらい何かが売り切れていました。私は買える商品をすべて一点ずつ購入しました。席はJ列。13列あるうちの10列目でした。近くにいた紳士が、1回目の衣装はお尻のラインが見えたのでそこばかり見ていたと嬉しそうに話していました。開演前に周囲を観測して、あのおまいつがあそこにいる、あのおまいつは今日も良席なのかとか、そんなことばかり考えていると気分が悪くなってきました。「見回そう 360度 上下確認 今日の状況(おまいつの集まり具合)」(※17)。9月最後の平日という難しい日に、開演時間に間に合ったという喜ぶべき状況だったのですが、先述のように妙に疲れていて、気分はそれほど高揚していませんでした。

ワイの天使(※18)はステージに現れると、特技に挙げているフルート演奏を披露しました。何回か失敗してしまい、その度に私たちから温かい笑いがこぼれました。最後はこちらに背中を見せて練習していました。三回目くらいで成功。司会のニレンジャー川田さんに「一回で成功できてよかったです!」と言うワイの天使(※19)に、私たちはわざとらしい拍手と歓声を送りました。はじめのサツアイ(※19)では「17歳になりました、東京都出身、16歳の…」と言い間違えて、17歳と訂正していました。衣装に関して、1回目はファンキーみずほ、2回目はポップみずほというコンセプトだというご説明をされていました。ワイの天使(※20)の憧れ(※21)である佐藤優樹さん(※22)からの動画メッセージが始まった瞬間、ワイの天使(※23)が悲鳴を上げて崩れ込んでいました。メッセージが終わって、司会のニレンジャー川田さんから感想を聞かれたワイの天使(※24)は、佐藤さんのことは好きで尊敬しているので、お名前を何度も言っていただいて嬉しかったです、と涙ながらに話していました。思いがけない人物からのお祝いが届いたことに舞い上がって、詳しい内容が頭に入らなかったのかもしれません。実際のところ、佐藤さんの発話する内容は破綻していました。私が17歳のころは…と切り出して、何かエピソードを披露するのかと思いきや、「覚えていない」。そう言ってからご自身が18歳であることに気付いて、私は今18歳か!みたいな感じになって。めちゃくちゃでした。カメラの向こうに清水佐紀さん(※25)がいたらしくて、何度もしみさんしみさんと言っていました。佐藤さんの仕切りで私たちがハッピー・バースデーの歌を歌ったんですけど、佐藤さんが途中で笑ってしまったりして。彼女の天真爛漫さと自由奔放さに客席からは何度も笑いが起きました。普通に考えれば18歳でアレはかなりまずいです。それが個性として許される職業に就けてよかったなと思いました。彼女のメッセージからまともな部分を抽出すると、『初恋サンライズ』でのワイの天使(※26)のソロ・パート「君の愛に触れたい」が好きでバックトラックとの音の重なり具合がいい、落ち込んだときに聞くと元気になれる。18歳になったときは切なかった。17歳を楽しんでほしい、というようなことを言っていました。佐藤さんからお名前を呼んでもらえて嬉しかったとワイの天使(※27)がおっしゃったとき、私はエグゼクティブ・パス特典でいただいた彼女からのバースデー・ボイス・メッセージを思い出しました。

ワイの天使(※28)を褒めるセグメントは「褒めまくりSHOW」という割にはあっさりしていました。ファンからの投稿で読まれたのは五つくらいだったかな。笑顔とか、歌声とか、妥当なところが選ばれていました。「従業員」というペンネームが観客にやや受けていました。私も応募しましたが、採用されませんでした。そこからつばきファクトリーの同僚からのダメ出し(二レンジャー川田さんが代読)に移りました。「褒めまくりSHOW」からダメ出しに行くときの「褒められているだけでは立派な大人にはなれません」「なれます!」「なれません」「なれます!」「なれません」「…はい」というニレンジャー川田さんとワイの天使(※29)とのやり取りが面白かったです。同僚からのダメ出しには、笑顔が素敵すぎて私のハッピースマイルが目立たなくなる(小野田紗栞さん)、変な顔で向かってくるのが妖怪っぽい(秋山眞緒さん)といったものがありました。後者に関しては、ニレンジャー川田さんを秋山さんに見立てて、どういう感じなのかを実演したのですが、これが思った以上に面白かったです。満面の笑みで、顔を突き出して、手を前後に振りながら、大きな歩幅でドカドカ音を立てて走っていく感じでした。ニレンジャー川田さんが驚いて怖いよ的なことを言うと、皆さんが笑ってくださったのでこれでいいんですとワイの天使(※30)はおっしゃいました。その後、同僚が考えたクイズにワイの天使(※31)が正解すると出題者にちなんだプレゼントがもらえるというセグメントがありました。小片リサさんからは、私(小片さん)の飼っている動物と名前。プレゼントは、小片さんのメンバー・カラーにちなんでオレンジ。「ブログを見ていたら分かる」と小片さんが言っていたとニレンジャー川田さん。インコのアフリカと答えて不正解の、ワイの天使(※32)。正解はセキセイインコのぴーちゃん。こういうイベントのお約束のようなもので、ヒントにヒントを重ねて、書き直して正解。岸本ゆめのさんからは、大阪で「レーコー」は何のことでしょう? プレゼントはタコ焼き機。客席にいたのはまさにサテンでレーコーを頼むような紳士たちばかりだったので、全員が分かっているような雰囲気でした。ワイの天使(※33)は、飲み物だというヒントをニレンジャー川田さんからもらったのに「かき氷」と答えて、かき氷を飲み物ととらえているのかという突っ込みを受けていました。その後、コーヒー牛乳?等と答えて苦戦していましたが、アイス・コーヒーという正解にたどり着きました。次のクイズは浅倉樹々さんからでした。「私の愛犬の…」とニレンジャー川田さんが質問を読み上げると「あぁ、この時点で苦手だ…」とうなだれ、客席から笑いが起きました。日頃から興味のない浅倉さんの愛犬話を聞かされてワイの天使(※34)がうんざりしているのを想像しました。クイズの内容は、私(浅倉さん)の愛犬・琥珀とチャーリーの、好きな部位はどこでしょう?というものでした。プレゼントは、「(浅倉さんの出身地である)千葉といえば、夢の…」というニレンジャー川田さんの前置きで「夢の国のチケット?」と興奮を隠せないワイの天使(※35)でしたが、らっかせいでした。彼女はニレンジャー川田さんの思わせぶりな前置きに抗議していました。顔である、あまり化粧はしない、というヒントをニレンジャー川田さんから引き出して、耳という正解を答えました。最後の出題は、谷本安美さんから。夕張市のゆるキャラクターは何でしょう?というもの。正解はメロン熊だったのですが、ワイの天使(※36)は一発で当てていました。プレゼントは、ハム(谷本さんの好きな日本ハム・ファイターズにちなんで)。タコ焼き機以外は半分ゴミのようでしたが、くだらないプレゼントでもふてくされずに「欲しい!」と大げさなくらいに喜ぶワイの天使(※37)が最高でした。

ワイの天使(※38)がやりたかったことらしいのですが、ミニ・コンサートの前に、会場全体で『かえるのうた』の合唱がありました。ニレンジャー川田さん→客席左ブロック→客席中ブロック→客席右ブロック→ワイの天使(※39)という順番を説明して「最後は私が歌い上げます」と言うワイの天使(※39)が「最後ひとりで歌うことになりますね」というニレンジャー川田さんの発言を受けて「恥ずかしいです。一緒に歌ってもらえますか?」と聞いて、それだとまた元に戻って輪唱が終わらないでしょうという突っ込みを受けていました。はじめに練習をしたのですが、右ブロックの観客が歌い始める前にワイの天使(※40)が合唱を止めて、これで練習終わりと打ち切っていました。まだ右の人たちが歌っていないでしょうとニレンジャー川田さんが言うと、「全部やったら楽しみがなくなるでしょ」とニコニコ顔のワイの天使(※41)、自由奔放でした。この合唱での発声がいいウォーミング・アップになりました。ミニ・コンサートは最初からよく盛り上がりました。セットリストは:

『大人の事情』(Juice=Juice)
『青春ど真ん中』(モーニング娘。)
『自転車チリリン』(スマイレージ)
『声』(モーニング娘。)
『私の魅力に気付かない鈍感な人』(モーニング娘。)

でした。私は『声』(モーニング娘。)は聴き覚えがありましたが、曲名が分かりませんでした。『青春ど真ん中』が終わったところでワイの天使(※42)は一息ついて、選曲の理由をご説明されました。『大人の事情』(Juice=Juice)については、初めて聴いたときからこの曲好きだと思って、よく聴いていたので歌いたかった。『青春ど真ん中』(モーニング娘。)については17歳という年齢がまさに『青春ど真ん中』だと思うので、選んだ、というお話をされました。残りの三曲についてもセットリストに入れた理由や思いを私は知りたかったですが、公演では言及がありませんでした。翌日の個別握手会で聞ければよかったのですが、私は彼女の券を一枚しか所持していなかったので、聞けませんでした。

ワイの天使(※43)はイベントの最後に感想を求められて、皆さんが祝ってくださるこんな空間が初めてだと感激なさっていました。その後「こんな空間、初めて」と、『初恋サンライズ』の台詞風に言い直していました。ステージから捌ける際には「一生、忘れません!」とまでおっしゃっていました。この場に居合わせることができて私は幸運だったし、ここに来るために仕事の調整をするのは当たり前だったと再認識しました。2017年9月29日(金)は、特別な日でした。特別な日だと思えば特別な日なんです。みんなが祝福して、ワイの天使(※44)が感激したら、彼女の誕生日はめでたいんです。何年何月何日何曜日、何歳。いつか誰かが決めたモノの尺度。そんなフィクションも、みんなが信じればリアルなんです。理屈じゃないんです。フェイクな奴らはお誕生日おめでとうございますとTwitterに書き込み、リアルな奴らはバースデーイベントに行く。

※1 良いところ・魅力:ファンに優しいところ
※2 4年に一回、うるう年があるので、正確には違います
※3 生まれ変わるというのは抜きにしてね
※4 うるう年の場合は366日
※5 任天堂が1983年に発売した家庭用ゲーム機
※6 DJ YUTAKA feat. ZEEBRA, “CHANCE”
※7 良いところ・魅力:自分のことだけでなく、他の人を喜ばせようと考えているところ
※8 事前の通知によると1回目の開場時間の17時半から発売をしていたようです。2回目は当日券がありませんでした
※9 良いところ・魅力:応援したら喜んでくれるところ(もっと応援したくなる)
※10 脳が原因です。(参照:梶本修身、『すべての疲労は脳が原因2 <超実践編>』)
※11 羊肉の刀削麺をいただきましたが、麺が多すぎました。半分でよかったくらいです。
※12 半蔵門駅の改札を出たところで岸本ゆめのさんとすれ違いました。マスクをしていませんでした。他にもつばきファクトリーの同僚が2-3人いたようでした。
※13 良いところ・魅力:真面目なところ
※14 良いところ・魅力:周りの状況をよく見ているところ(例えば、トークで自分が前に出るタイミングを、他のメンバーを見て見計らっている)
※15 良いところ・魅力:いつも笑顔なところ
※16 良いところ・魅力:ラジオで楽しそうにしゃべっているところ(こちらも楽しい気分になる)
※17 キングギドラ、『見まわそう』(アルバム『空からの力』より)
※18 良いところ・魅力:いつも一生懸命なところ
※19 挨拶の業界用語(どこの業界で使うんだ)。キングギドラ『最終兵器』の1曲目でK DUB SHINEが使っているのを聴いて以来、私は愛用している
※20 良いところ・魅力:大変でも弱音を吐かないところ
※21 現代日本ではアイドルが職業名のようになっていますが、誰かの憧れというのが語義どおりのアイドルです
※22 モーニング娘。の一員
※23 良いところ・魅力:体力があるところ
※24 良いところ・魅力:お茶目なところ(新曲に関するまだ言ってはいけない情報や、アプリの名前を言いそうになることがある)
※25 元Berryz工房のキャプテン。つばきファクトリーの人選に関わったらしいんですが、もしワイの天使の抜擢に一枚噛まれていたのであれば、心より感謝を申し上げます 
※26 良いところ・魅力:ヘア・アレンジを工夫して色んな自分を見せようと努力しているところ
※27 良いところ・魅力:自分ばかり目立とうとするのではなくグループのことを考えているところ
※28 良いところ・魅力:プロ意識が高いところ
※29 良いところ・魅力:見ているだけで元気をくれるところ
※30 良いところ・魅力:ブログをほぼ毎日更新してくれるところ
※31 良いところ・魅力:アイドルの仕事を楽しんでいるところ
※32 良いところ・魅力:メキメキ成長してどんどん自信を付けているところ(ブログの自撮りと文章が日を追うごとにあざとくなっていく)
※33 良いところ・魅力:元から抜群なのにどんどん洗練されていく容姿
※34 良いところ・魅力:癒し効果のあるしゃべり声(聞いているだけでストレスが消えていく)
※35 良いところ・魅力:歌声(声量がある。低い音がしっかり出る)
※36 良いところ・魅力:舞台度胸がある(『ネガポジポジ』のソロ歌唱が堂々としていた)
※37 良いところ・魅力:しっかり役に入り込んだ演技(『ネガポジポジ』、シリアス・イベント)
※38 良いところ・魅力:表情が豊か(笑顔だけでなく、困ったときの顔や、ここぞというときに見せる泣き顔等、見ていて飽きない)
※39 良いところ・魅力:優しい雰囲気がある(癒される)
※40 良いところ・魅力:ファンをメロメロにする握手対応(一度はまると抜け出せなくなる)
※41 良いところ・魅力:考えることが面白い(例:長生きをしたくて、長生きについて調べて本を書く)
※42 良いところ・魅力:言ってはいけない情報を言ってしまった後に「あ!いけない」という感じで口を抑える仕草が可愛い
※43 良いところ・魅力:お洒落
※44 分からない人もいるかもしれないので書いておきますが、この言葉の元ネタは「小川麗奈 彼氏」で検索してください