2017年12月27日水曜日

キャメリア ファイッ! vol. 6/サンタday ハッピーメリー クリスマス!! (2017-12-23 and 24)

先攻:5年前の自分 後攻:今の自分

お前マジでだっせえじゃん 推しに覚えてもらって達成感? 変な方向に行っちまったな 目を覚ましやがれこの▒ッチマザファカ 未成年の少女たちとの接触 法律に抵触 する前に手を引け これは俺からの警告だ アイドルたちを気の毒に思わないのか? お前のキモさまるで麻原彰光 加担すんじゃねえよ感情労働 握手 それは少女たちへの搾取 そのにやけ面 漂ってるぜ悪臭

悪臭が漂ってるわけねえよ 俺は毎日ちゃんと身体と髪を洗ってるからな それだけじゃねえ 握手に備えて爪を切る 使う顔パック ハンド・クリーム お肌ぷるぷるだぜ 無修正で中継 そう俺はまるでハロプロ研修生 いちごのベッドで寝てるからな お前なんかよりよっぽど気を使ってるんだよ 『会いたい 会いたい 会いたいな』 分かるか? どうせ妻帯者 になるような人生じゃねえ 俺にはもうこれしかねえ

これしかねえ? それじゃ仕方ねえ なれよ屍 そんな言い訳 俺は聞きたかねえ お前が行くべきはコンサートじゃなくキャバクラ それかインサートするまたぐら つまり風俗 お前の居場所は音楽の現場じゃねえ 俺がお前に売ってるのはケンカだぜ お前が予約したCDは49枚 つまり48のファンよりも一枚上手のキモさだぜ お前を殺して四十九日に墓の前に並べてやるよ

笑わせんな お前のその歌詞 聴かされるこっちの方が恥ずかしい 買ったCDが何枚 それが何だい 枚数が少なかったら正常? 楽曲派ぶってんじゃねえよこの野郎 正直に言ってみろ アイドルとの接触が恐いんだろ? 人と話すスキルがないんだろ? 身だしなみと服装に気を遣って推しと接触するオタク 接触が苦手な自分を正当化する御託をほざくオタク どっちがキモいかは明白だろ

つばきファクトリーFCイベント~キャメリア ファイッ! vol.6 ミニミニ☆クリスマス会3~
2017年12月23日(土) 16時半~

ペンネーム:おいしいポテトオムレツ
つばきファクトリーのメンバーに疑問・質問・ムチャぶりなど:ラップ好きの岸本ゆめのさんにお願いです。メンバーから対戦相手を一人選んで、ラップでバトルしてください。

司会を務めるニレンジャー・川田青澄さんの口から「おいしいポテトオムレツ」という言葉が聞こえたときは、マジかよと思った。何を隠そう、おいしいポテトオムレツとは私なのである。敬愛するダチのハンドル・ネームを(失礼ながら無断で)拝借した。彼がこの場に居合わせていないのが残念だ。しかも岸本ゆめのさんは、彼が上國料萌衣さんと並んで最も強く支持するHello! Projectメンバーさん。彼は19時に始まる次の公演を観るためだけにわざわざ名古屋から新幹線で東京にやってきて、1万円くらいする夜行バスで帰る。モノホンである。

川田さんがおいしいポテトオムレツさんの投稿を読むと、東京総合美容専門学校に集った男性たち(美容とは無縁)から暖かい笑いが起きた。私はホッとした。鼻息荒いシマウマことZEEBRAさんをはじめとする『フリースタイル・ダンジョン』(テレビ朝日)の関係者に感謝。彼らが一般社会にMCバトルを広めてくれていなければ、あれが読まれても場はシラケていただろうし、そもそも読まれなかったかもしれない。「私フリースタイルできないんですよね…」と言いながらも乗り気な岸本ゆめのさん。「え~わたし絶対ヤだ~」と腰が引けるメンバーたち。白羽の矢が立ったのが、小野田紗栞さん。あんまり悪口にならないように、お互いの直してほしいところで、とお題を出す川田さん。

先攻・後攻をどうするか問いかける岸本さん。先攻・後攻の意味が理解できず戸惑う小野田さん。結局、岸本さんが先攻。「声がでかい、くっついてくるのは可愛い、でも可愛さでごまかすな!」的なヴァースだった。しばらく「ヨーヨー」を連呼してから最終的に「ヨーヨー きしもん ヨーヨー」で締める小野田さんが笑いをかっさらう。「呼びかけただけですよね」と突っ込む川田さん。笑いに包まれる会場。「負けた気がするー」と悔しそうな岸本さん。私が投稿したネタが、Hello! Projectの現場で初めて読まれた。記念すべき日となった。

「サンタday ハッピーメリー クリスマス!!」
2017年12月24日(日)

「『ヨーヨー さおりん ヨーヨー』と言って入ろうか」
ベルサール飯田橋ファースト。個別握手会の待ち時間。建物内の壁沿いに座って、iPhoneのnotesを見ながら小野瑞歩さんとの会話のプロットを練っていると、近くの紳士が笑いながらお仲間に話していた。彼はこれから小野田紗栞さんとの個別握手会に参加するようだ。私が投稿したメールが握手のネタにまでなっているのは嬉しかった。

個別握手会 小野瑞歩 3部 7枚

「ムチャぶりしていい?」
「はい」
「昨日のイベントで、岸本さんがラップの対決をしたじゃん」
「あー! やる?(私とあなたでという手振り)」
「いや」
「あ、違うの」
「あのメール、書いたの俺なのね」
「え? そうなの?!」
「もし小野さんが対戦していたらどうなっていたか知りたいから、やってみてもらっていい? 岸本さんの直してほしいところで」
「直してほしいところ…ゆめちゃんはYO! ゆめちゃんはYO! ゆめちゃんはYO! ゆめちゃんはYO! …ゆめちゃんの直してほしいところない」
「ない? じゃあ好きなところ」
「好きなところ。ゆめちゃんはYO! ゆめちゃんはYO! 優しいYO! ゆめちゃんはYO! ゆめちゃんはYO! いつも助けてくれるYO! ゆめちゃんはYO! ゆめちゃんはYO! 大好きだYO!」

とろけるかと思った。

Melty Love (Shazna)

私はずっと、アイドルさんは崇拝の対象であるべきだと思ってきました。ですので「会いに行けるアイドル」という、某集団の売り文句を撞着話法だと思ってきました。手が届かないからアイドルなのであって、友達みたいに会えるのはアイドルじゃねえだろっていう。CDに握手券を付けて売る商法は音楽への侮辱だし、握手のためにCDを山のように買うファンも馬鹿だと思ってきました。CDは音源を聴くために買うもの。コンサートやイベントは音楽空間を楽しみに行くもの。円盤に収録されている音源と、ステージ・パフォーマンスがすべてであって、握手なんて余計なんだ。アイドルさんにも余計な負担になるだろう。だって向こうはお人形さんのような美少女たち。こっちは大半が年上の気持ち悪い男性たち。むやみに向き合わせるべきじゃない。Juice=Juiceさんのコンサート後の握手会を放棄して帰ったこともあるくらいです。イヤなら一度と言わずぜんぶ放棄してりゃよかったじゃんって思いますよね。それはそうなんですが、せっかく権利があるんだから行使したいという貧乏性な考えがあって、そこまでは踏み切れませんでした。あとはまあ、何度もやっていると多少は慣れてきて、何かしら言ってみようという欲が出てきたというのもありますね。ただ、公演におまけで付いてくる握手には参加しても、「会いに行く」を目的にするという発想を持ったことはありませんでした。

小野瑞歩さんがすべてを変えてしまいました。つばきファクトリーさんが来年2月にドロップする3rdシングルを、私は今のところ49枚、予約しています。もう少し増えると思います。収録されている音楽を聴くという目的に関して言えば、1枚だけで十分です。その1枚も、mp3にしたらディスクは抜け殻です。結局はmp3があればいいのですから、そもそもディスクは必要ではありません。Amazonでmp3を買えばいいのです。物理的なCDが何枚もあったところで、置き場に困る。かさばるだけです。普通に考えて、おかしい。自分がこうなるとは思っていませんでした。小野瑞歩さんを見るためにリリース・パーティに足を運び、小野瑞歩さんと握手をしてお話をするために盛りだくさん会に申し込んでいたら、この枚数になってしまったのです。今までこんなことはありませんでした。まずリリース・パーティにはほとんど行ったことがありませんでした。時間のあり余っていた無職時代にたまたま近場のサンシャイン(当時は池袋に住んでいた)でやっていたパーティを何回か覗いた程度。Juice=Juiceのメジャー・デビュー日のときは一度だけ握手をしたことはありますが、朝から並んで優先エリア入場券をゲトるなんてことはしたことがありませんでした。ましてや、個別握手会なんて、行きたいと思ったことすらありませんでした。接触に興味がないんで…と言うと音楽ファンのようで格好が付きますが、要は他人とコミュニケイトする技術がとても低いので、逃げていたという面も大きい。今ではその技量が不足しているのを分かった上でも行きたいんです。私がHello! Projectに興味を持って見始めて10年近くたちますが、接触を目的とした催しに参加したのは2017年4月30日が初めてでした。自分はあくまでコンサートとかミュージカルとかの公演が観たいのであって接触には興味がないんだぞっていうスタンスをずっと続けてきました。小野瑞歩さんがそれを崩してしまいました。

つばきファクトリーFCイベント~キャメリア ファイッ! vol.6 ミニミニ☆クリスマス会3~
2017年12月23日(土) 19時~

12月24日(日)に最初の握手で私がブースに入ると、小野瑞歩さんは手を振りながら「あー! ありがとう! 昨日、見つけました」と言ってくれた。私は危うく映画“8 Mile”でエミネムが決勝で戦った相手のようになるところだった。彼女が指していたのはおそらく19時の公演のことだと思う。というのが、私の席が16時半の回は15列目、19時の回は7列目だったからだ。15列も悪くはなかった。こじんまりした会場だったので。後ろから5列目くらいだったが、双眼鏡を使えばいい画が得られた。もっとも、二列前の紳士が付けていたトナカイのカチューシャによってステージが3割くらい見えなくなったが。とはいえ、7列目の方がよかった。双眼鏡を使わなくてもステージ上のつばきファクトリーを十分に近く感じられたし、前の公演よりもステージ上の熱量が伝わってきた。

クイズにつばきファクトリーが協力して答えるセグメントで、ナマケモノは一週間に一度、木から降りる。それは何のため?という問いがあった。某テレビ番組(『ミリオネア』)を真似て(といっても『ミリオネア』自体がアメリカのパクリだろう)、オーディエンス(四つの選択肢を出して観客が拍手をする)、フィフティー・フィフティー(選択肢が二つに絞られる)、用意されているいくつかの辞書類を30秒間見ることができるというオプションがあった。この問題が出た時点で、最後のオプションを使う権利だけが残っていた。行使するメンバーたち。広辞苑や電子辞書で調べるが、分からない。一般常識の本をめくりながら「これ絶対ちがうよ! 日本の国家予算とか(が載っている)」と怒ったような口調の小野田紗栞さん。最終的には「理子ちゃん、何で週に一度、木から降りるの?」と山岸理子さんに聞くメンバーたち(彼女がナマケモノっぽいということで)。結局、彼女たちがたどり着いたのは「食料(を確保するため)」という回答だった。不正解。ニレンジャー川田さんが正解を発表しようとすると、小野瑞歩さんが手を上げた。彼女はしゃべらずに、一瞬、身をかがめて手で何かが地面に落ちていくようなジェスチャーを見せた。正解はトイレ(排泄)だった。どうやら答えを分かっていた彼女はこう言った。
「そんなのアイドルとして答えられないですよ!」

テーブルに置いてあるにんにくの使い道が分からない

「何だろう、脂身のような…」
「あー、そうですね。脂っこくない脂身のような」
池袋北口の中華料理店「京華閣」で串から外した牛の▒ニスをゆっくりと噛み締める名古屋のダチ。私は彼の感想を聞いて、2016年1月3日に食べたときの食感を思い出した。そんなにおいしいものではなかったので、私は今回は口にしなかった。一度であれば人生経験としてありだ。それにしてもこの店は本当に最高だよ。安くてうまい。アルコホール56度の白酒が頭にガツンと来た状態で唐辛子、花椒、香菜、クミンまみれの絶品料理を味わう愉悦。そこそこ食って、酒はお互い二杯ずつだったかな、それに急須入りの菊花茶も飲んで、合計6,339円だった。ダチのバスの時間があったのでそこまで長居できなかったのもあったけど、それでも安い。

スターダスト(池袋に同名のラブ・ホテルがある)からHello! Projectに流れてきたダチが、はじめに見ていたのはアンジュルムだった。私のTwitterとブログを見たのがきっかけで、つばきファクトリーとJuice=Juiceも観るようになったと言ってくれた。嬉しかった。今ではむしろつばきファクトリーが彼の贔屓集団である。リリース・パーティのために愛知から兵庫に駆け付けるし、1時間強のクリスマス・イベントのために東京まで移動するのである。私はおまいつ軍団(ましてや転売集団)とは距離を置きたいし絶対に彼らと馴れ合うようなことはしたくないが、Hello! Projectを通じてドープな個人とのつながりを持てるのは喜ばしい。

例えばの話、もしHello! ProjectのDVD Magazineで牛肉を食べて部位を当てるゲームがあったとする。牛の▒ニスが出たとする(出るわけないだろ)。小野瑞歩さんは途中で出されるヒントで理解するも、シラを切り通すに違いない。正解を聞いても、▒ニスという言葉を生まれて初めて聞いたような反応を見せるだろう。そうであってほしい。


併せて読みたい:つばきファクトリーFCイベント ~キャメリア ファイッ!vol.6 ミニミニ☆クリスマス会3~

2017年12月21日木曜日

Juice=Juice 植村あかりバースデーイベント2017 (2017-12-07)

Hello! Projectで私が31番目(12月3日時点)に応援しているメンバーさんの、23日後のお誕生日を祝したイベントを観覧するために、埼玉から川崎まで来ました。東京都を跨いでいます。平日です。仕事は調整して早く退勤しました。意味が分からないですよね。普通に考えて。でもね、私には意味が分かっているんですよ。私は今年の誕生日(8月16)に、HEAVEN'S ROCKさいたま新都心VJ-3にJuice=Juiceさんのコンサートを観に行きました。終演後の握手会では恐れ多くも、自分の誕生日である旨を皆さん(当時、休養中だった宮本佳林さんを除くJuice=Juiceの6名)にお伝えしたんですね。全員が祝福のお言葉をかけてくださって、私にとって忘れられない誕生日になりました。中でもいちばん大袈裟に祝ってくれたのが植村あかりさんだったんです。感激しました。そのときに心に誓ったんです。この恩は絶対に返すって。次の彼女のバースデー・イベントには足を運んで、いただいた祝福を返さないといけない。だってさ。こっちは追加料金を払っていないんですよ。誕生日お祝いオプション(そんなものはない)を購入したわけじゃないんですよ。それなのに身に余るほどのお祝いをいただいてしまって。このまま一方的に受け取って終わりじゃ乞食じゃないですか。そうなりたくなかったんですよ。8月16日は植村さんの日替わり写真すら買っていなかったんで、なおさらでした。ジブン、義理堅い人間なもんで。ちなみに二年前の誕生日もJuice=Juiceのコンサートを観ていました(山口県の周南チキータでした)。当時は「今日、誕生日なんだ」なんてメンバーさんに申し上げる勇気と技量はありませんでした。

クラブ・チッタがヘッズから評価の高い会場とはいえ、平日の公演で場所が川崎というのは、申し込みボタンを押さない言い訳になり得る要素でした。あー、ちょっと川崎はきついよ。平日だしなあ、残念だけど見送るか―イベントの詳細が発表された際、そんな考えが私の頭をよぎったのを認めます。その内なる声を振り切って、19時45分からの回に応募しました。正直なところ、外れてもいいやという思いが頭のどこかにあったのも認めます。はじめから申し込まなかったらクソ野郎だけど、申し込んだけど落選して行けなかったのであれば、格好はつくじゃないですか。筋を通すために植村さんのお誕生日を祝いに参上しようとしたけどアップフロントにそれを遮られたという体裁が取れますからね。でも、当選しまして。仕事場を16時すぎに出て、池袋へ。電車でHunter S. Thompsonの“Songs of the Doomed”を少し読みました。トンプソンがモーテルのトイレに豚の頭を置くいたずらをする話を読みました。揺れていたし、少し疲れたので目を閉じました。まどろみつつ周りにいる中国人の喋り声を聞いていると、昔の記憶がよみがえりました。私は海外に住んでいた小学生時代、香港出身の友人が何人かいました。彼らから「食包皮(セッバオペイ)」という中国語を習いました。チ▒コの皮を食えという意味です。学校でそのフレーズを中国系の女子にシャウトして男子から笑いを取る、そんな時期が私にもありました。池袋の「串串香 麻辣湯」で麻辣湯(魚丸、肉丸、香菜、黒木耳、油あげ、細い麺、エノキタケを選択)を掻き込みました。川崎駅に着いたのが19時15分。開演の30分前。入場を始める時間でした。

「無視する悪魔の囁き 『リアルMC』肩書き まばたきの間に川崎」(K DUB SHINE、『陽はまた昇る』)

川崎といえば『フリースタイル・ダンジョン』初代モンスターの一人だったT-PABLOWさんが所属するBAD HOPです。まあ私は未だに彼らの音楽を聴いたことがないのですが。磯部涼さんの『ルポ 川崎』によると川崎じゃ地元民にとって希望の星らしいですね。植村あかりさんのバースデー・イベント会場がクラブ・チッタであるという事実は、彼女が上下スウェット、ハロー!キティのサンダルでドン・キホーテに出没しBAD HOPのような連中とつるむ人生ではなく、ハロー!プロジェクトとJuice=Juiceに入る人生を選んでくれたことのありがたみをよりいっそう強く感じさせてくれます。前に川崎に来たときに、うっすらと治安の悪さを肌で感じました。何となくですけどね。川崎駅を出ると、右前方にクラブ・チッタのロゴが見えます。『ルポ 川崎』によるとこの近辺には風俗店とそれを取り仕切るヤクザの事務所があるらしいです。私は深入りしていないんでよく分かりませんが、ただならぬ町ですよ。ここは。

「スケートパークで、『Compton』とオールド・イングリッシュで書かれたTシャツを着た若者に『いいTシャツだね』と声をかけると、彼は『最近、『ストレイト・アウタ・コンプトン』を観たんですけど、川崎ってコンプトンみたいじゃないですか』と答え、ランプ(坂状のセクション)に向かって滑り出した。」
(磯部涼、『ルポ 川崎』)

私が会場前に着いた時点で、グッズの全部セット(グッズが全種一つずつに加えておまけの写真一枚付き)が売り切れていませんでした。これくらいの時間になると売り切れていることが多いので、ちょっと珍しかったです。19時26分に中に入りました。私に与えられた席はJ列でした。あんまりよくないんだろうなと思って、期待せずに入りました。ちょうど真ん中くらいでした。なぜか列のアルファベットはIがなくて、一つ前がH列でした。思ったよりは近かったです。クラブ・チッタに来るのは私にとって二回目ですが、いい会場だと再認識しました。前回は前方に行けたので言わずもがなですが、今日のように普通の位置でも見やすかったですからね。双眼鏡を堂々と使うのを少し戸惑うくらいには近くて視界がよかったです。ステージ上の植村あかりさんから見られている感覚がありました(レスをくれたという意味じゃなくて)。

BAD HOPだけじゃなくてさわやか五郎さんの地元でもあるんですね、このマッド・シティは。それもあるのかな、彼が司会でした。最近はイベントの司会が複数の芸人さんに分散されて彼の姿を見る機会は減りましたが、さわやか五郎さんは一味違いますね。鈴木啓太さんは別にしても、他の芸人さんはさわやか五郎さんの域には達していない。彼が登場するとお約束のブーイングを浴びせる我々。1回目よりも声が大きいと喜ぶさわやか五郎さん。

私の目の前にインパクトのある禿げ方をなさった紳士がいて、しかも開演前にはのけぞって頭頂部を間近に寄せてくるもんだから、笑いそうになってしまいました。視覚的なインパクトが凄かったです。今でも思い出しますもん。でもね、植村あかりさんが登場されるや否や、その脳内記憶は上書きされました。もう、美しすぎて。30センチ先の“Deep Impact”(いよいよ壁ならぬ髪はなくなるぞ)を十メートル以上の距離から打ち消す植村あかりさんの美貌。(いや、今でも前の紳士の頭頂部を覚えてるってことは上書きされてないですやん。)いやあもう、めっちゃくちゃきれいでした。Hello! Projectメンバーさんのよさを計るには色んな尺度がありますけど、美人という括りでは格が違うんじゃないかなって思いました。“UNSTOPPABLE”(何使ったって止めらんねえ 誰がやったって超えらんねえ)ですよ。衣装がまたよかったんです。露出度はそこまで高くはなかったですけど、身体の線が出る服装で。それがまた植村さんの色気を強調していました。わたしという戦うボディをタイトなジーンズにねじ込んでらっしゃって、ぴったりしたタンクトップに黒いジャケットを羽織られていました。あんまりHello! Projectぽくない、大人な感じ。眼福でした。ミニ・コンサートでは二曲目の『悲しき雨降り』(℃-ute)と三曲目の『愛のダイビング』でタンクトップがたくし上がって、おへそが見えました。この状況で双眼鏡を使わないのは無理です。生唾を飲み込む艶めかしさでした。『愛のダイビング』の前後でずれたタンクトップを直してらっしゃいました(たまに隠すのがまた、見せたくないものが見えているんだぞっていう感じが出ていいですよね)。四曲目と最後の五曲目はあまり踊らない曲だったのでおへその国は鎖国状態でした。昨今のHello! Projectではおへそが見えるオポチュニティが稀少になっています。そんなご時世で、レベルが違うボディをお持ちの植村あかりさんのおへそを見られただけで川崎まで来た甲斐がありました。どこを見ているんだお前はという読者の声は、現場に来もしないで他人が書いた文字を見て文句を垂れるヘイターの戯れ言として一蹴したいと思います。『悲しき雨降り』は私が℃-uteの中でも最も好きな曲の一つです。そんな楽曲派である私が、同曲における植村さんの歌唱とダンスの素敵さをさておいておへそが見えた嬉しさを記録したくなるくらい、植村さんが色っぽかったのです。後から発売される画質の悪いDVDでは部分的にしか感じ取れないと思います。現場に来ないと感じられないことってのはあるんですよ。サプライズで登場したカントリー・ガールズの山木梨沙さんが「私はカントリー・ガールズのセクシー代表なんですけど、植村さんを倒さないとHello! Projectのセクシー代表にはなれない」という旨のことをおっしゃっていました。いやいやと恐縮していましたが、植村さんの場合は私はセクシーだなんてボーストをしたら突っ込みどころがなさすぎて嫌味になってしまうくらいに本当にセクシーです。そんな植村あかりさんが、そう遠くない距離で歌い踊り笑う姿を見られたのが幸せでした。他には『愛のダイビング』で、Juice=Juice全体で披露するときは代わる代わる踊るメンバーさんの名前を我々が叫ぶ場面で、我々による連続した「あーりー!」のチャントを浴びながら植村さんが浮かべた、驚くような照れるような嬉しそうな表情が印象的でした。

ミニ・コンサートの選曲について植村さんは「私がやるにはハードルの高い曲ばかりだった。ある曲についてはマネージャーがやってみなよと背中を押してくれた。挑戦してよかったと思う。難しいことに挑戦するからこそ、次にこうしたいと思える」という旨のいいことをおっしゃっていました。アイドルさんはこうやって、問題なく出来ることをやるだけじゃなくて、伸びしろとか、可能性を想像させてくれると応援のしがいがあります。

客席から参加者を募っての漢字書き取り対決(さわやか五郎チーム対植村あかりチーム)、風船が割れるまでに与えられたひらがなで始まる漢字を植村さんが19個書けるかのゲームがありました。小▒田▒栞さんの有名おまいつさんが最前中央にいて、ゲームに参加しステージに上がっていました。さわやか五郎さんがけっこう彼のことをいじっていました。「お兄さん、それ頭に芝生のせてますよね?」から始まって。ミニ・コンサート中は飛びまくっていました。この公演で飛んでいたのはおそらく彼一人です。現地に来られなかった方は彼の跳躍を後日DVDでお楽しみください。 漢字書き取り対決は植村あかりさんチームが圧勝。植村さんの漢字タイム・アタックは「と」から始まる漢字を書き始める。順調に書き進める植村さんだが、ネタが尽きる。分からなくなったらもう一つ引いていいという事前にさわやか五郎さんが追加した特別ルールによって植村さんが箱から引いた文字が「そ」。これは思い付かなくて、結局12個で終了。 「そはないですよ」と愚痴る植村さん。来年も同じゲームをやろう、そのときは数が(20歳だから)20個に増えているけど、とさわやか五郎さん。

20時39分、本編が終了。近くから「あそこで人形を掲げてたバカ」「人形?」「ほら、パペットだよ。手にはめて高く上げやがって。あれがちょうどオレの目線に入ってさ。ぶん殴ってやろうかと思った」という会話が聞こえてきました。お見送りでは私の前のおまいつらしき紳士が何か変なことを言ったっぽくて植村さんは呆れたような顔で「……? バーカ」という反応。そこで時間を食われて私は流れつつありましたが、何とか「『悲しき雨降り』よかった」とお伝えできました。植村さんは満点のアイドル・スマイルで「あー! ありがとう!」と返して両手を振ってくださいました。つばきファクトリーのrelease partyで鍛えられたおかげで、こういうイベントのお見送りで手短に端的に感想を伝えられるようになりました。相手が多人数だときついですが、一人だと苦じゃなくなりました。20時51分、クラブ・チッタの外に出ました。2017年に観覧したバースデー・イベントではいちばん楽しかったし、後味がよかったです。心地よい余韻を噛みしめながら、子供でも犯罪・暴力と無縁ではいられない町(『ルポ 川崎』)を後にしました。

2017年12月16日土曜日

Conti→New! (2017-12-02)

前の記事からの続き)非凡な宮本佳林さんに「おめでとう。楽しかった」という平凡さの極みのような言葉をおかけし「ありがとう」をいただいて会場を出た。ゴミ袋(握手やお見送りがある公演では必ず所持品をすべてゴミ袋に入れさせられる)を破いてカバンを取り出していると、付近の青年が高揚した様子でお仲間に話していた。「佳林ちゃんがいつも言っている言葉通りだった…感謝の気持ちをパフォーマンスで伝えたいって…」。なかなか優等生的な感想だな。会場の外にアンオフィが出店していた。これまでにドロップされたJuice=Juiceのアンオフィ写真がすべて置いてあるんじゃないかというほどの品揃えだった。大塚愛菜さんのまであったよ。でも見物するだけで立ち去る人が多く、買っている人はあんまいなかったな。10分ほど圧倒されながら眺めていると人がまばらになり風が強くなり、ディーラーは店じまいを始めた。慌てて紳士に品番を告げ、1,000円札と宮崎由加さんの写真8枚を交換した。何て素敵な宮崎さんの表情。買わずにはいられないでしょ。『笑顔の君は太陽さ』…。

多忙なビジネス・パーソン(宮本さんのバースデー・イベントを観覧するために15時に退勤)である私は、このまま家には帰らない。富裕層向けの最高級バス、リボーンに乗って次の用務先である名古屋に向かうのである。23時10分の発車までウロウロして時間を潰す大崎駅前のストリート。コンビニ内の飲食空間で飲んだオレンジ・ジュースはストレート。定刻通り、翌朝の5時半頃にささしまライブのバス停留所に着いた。冷える。5日前に仕事で行った宮城よりも格段に寒いぞ(その日は宮城が暖かかったというのはあるが)。服装選びに失敗した。Tシャツにスウェットシャツ、アノラック・パーカーという格好では不十分だった。震えながら駅の方に歩く。炭の湯に入ってからNICK STOCKでモーニングをいただくというのは前々から決めていた。炭の湯が開く6時半まで適当に歩いたりカバンの余計な荷物をコイン・ロッカーに預けたりして時間を潰す。開店直後、行列が出来ている炭の湯。ナオンの群れ。何らかのオタク現場のためバスで来たようだ。番台ジジイと彼女らのやり取りを聞いていると、どうやら高速バスの予約時に抱き合わせでここの入湯券を買ったようだ。私もウィラーの予約サイトでいくつか風呂の選択肢が出てきた。でもたしか値段はそんな変わらへんかったで。多少は安かったかもしれへんけど。年季の入った設備。まともに出ないシャワー。人がいっぱい。漂う途上国感。独特の匂いがするお湯。単純に温度が高いだけなのか他の理由があるのか知らねえが、すげー暖まる。入湯料420円、タオル160円。7時半にNICK STOCK。NICKバーガーとアイス・コーヒー。バーガーは噛むとじゅわっと汁が出てくる。この店は近所に欲しい。公式サイトによると東京だと渋谷と調布にある。518円。

単なるアイドル馬鹿とは一線を画する文化的な一面を持つ私は、ボストン美術館に行きたかった。2018年度末で閉館するしね。でも今日は昼公演(開演15時半)と夜公演(開演18時半)の両方を観るし、その前にグッズを買うのを考えるとゆっくり美術館を見る時間はない。また今度。閉館する前に一度は行く。NICK STOCKを9時11分頃に出てそのままZEPP Nagoyaに歩いた。物販が11時半に開始だが、中途半端なのでそのまま並ぶことにした。9時36分に列の最後尾。この時点で前に30人強。ーさん、マさん、Gさんといったおまいつさんを観測。私の前には、フケまみれなのが見て分かる頭髪、そのフケとおぼしき白い粉がエリ付近にまぶされたVERA VALENTINOの黒い上着、ボロボロの黒い太パンツを着用して朝の10時前からクリアクーラー シャルドネサワーを飲んでHello! Project研修生のグッズ列に並ぶきったねえ紳士。身体をボリボリ掻いている。ほのかに臭う。彼は抜きん出ているけど、ここにいる奴らは総じて清潔感には欠けるよ。物販には2時間前に来られるのに家を出る前に15-30分かけて身だしなみを整えられない人たち。9時59分、私の後ろに8人くらい。10時15分、後ろに13人くらい。10時20分すぎ、係員の指示で2列に分割。11時11分、前に進む。11時27分、さらに前進。後ろの奴は他人との適切な距離を保つ能力に欠陥があるようで細かくぶつかってくる。前も後ろもおかしい。11時42分、「コレクション・キーホルダー本日分終了しました」と係員。落胆の声を漏らす紳士たち。私は元から買うつもりがなかったのでノー・ダメージ。11時45分、購入完了。日替わり写真の小野瑞歩さんと西田汐里さん、ソロ2L写真の小野瑞歩さん。コレクション生写真を2枚。

栄まで歩いて昼飯の店を物色したが、だいたい東京でも食えるものばかりだし、決め手がなかった。せっかく名古屋に来たんだしあんかけスパゲッティ店に再挑戦することにした。とはいっても今回はあんかけではないスパゲッティ。去年も入ったコモ。タラコ。少なめ。普通においしかった。名古屋のあんかけスパゲッティ屋さんではあんかけではないスパゲッティを頼むとおいしいという知見が得られた。メニューには750円と記されていたが、請求されたのは700円だった。少なくしたからだろう。去年に来たときは量が多すぎて困った記憶があったので今回のタラコは少な目で頼んだが、これだったら普通でも食べられるなという感じの量だった。前回は半分でもいいと思ったくらいだったが。でも昼は軽めでちょうどいい。夜はイルな現地民たちと飲むから。

14時13分、再びZEPP Nagoya付近。ーさんと歓談するに似た青年を目撃。どこにでも来やがるんだな。すぐ近くの窓口で当日券が売っているのに「チケット譲ってください」と書いた紙を掲げているちょっとアレな紳士を通り過ぎて、15時前に会場に入った。席がね、T列。一番後ろ。わざわざ大東京から名古屋くんだりまで来て最後列。チケットを受け取った二週間前から私はややふてくされていたのだが、会場に入るとだいぶ元気を取り戻した。ZEPP Tokyoに比べて小じんまりとしていてね、感覚的にはZEPP Nagoyaの一番後ろでもZepp Tokyoの後半ブロック最前かもっと近いかも。ZEPP Nagoyaで研修生発表会を観れば、ステージから一番遠い席になったとしてもZEPP Tokyoを基準とするとそこまで悪い位置にはならない。したがって研修生発表会は東京よりも名古屋に入った方がコス・パがいいのである(交通費を考えるとコス・パがいいわけがないだろ)。15時10分、研修生発表会名物、開演前に観客のTシャツに印字された名字を集計して回る紳士を観測。某有名新沼希空さん追っかけの紳士が最前中央にいるのを15時13分に観測。愛知は新沼さんの地元だから軍団から融通してもらっているのだろう。私の周囲は、左に7割白髪の紳士(推定60代後半。待ち受けは中菜さん)、右に9割白髪の紳士(推定60代前半)、前に4割白髪の紳士(推定50代前半)、右前に黒髪の紳士(推定40代半ば)という布陣。

・つばきファクトリーが二つの新人賞を受賞したことの報告。まことさんが、受賞を知らされたときの気持ちを岸本ゆめのさんと小野瑞歩さんに聞く。「驚き半分、嬉しさ半分だった。すぐに親に報告した。お母さんとご飯を食べに行った」(岸本ゆめのさん)。「嬉しかった。賞に相応しいグループにならないといけないなと思った」(小野瑞歩さん)。
・江口沙耶さんが美しさを保つためにやっていることは、毎日お風呂上がりにローラーをかけてから全身にクリームを塗る。お弁当に必ず入れてほしいのはトマト。もし魔法が使えたらブラジルに行ってサンバを踊りたい。(観客の手拍子に合わせて自己流のサンバを披露。)
・前田こころさんが美しさを保つためにやっていることは、美しい人を見る。工藤遥さんの写真集を買った。
・右の紳士がトーク・セグメント中の研修生たちを双眼鏡で凝視しながらまことさんの質問に対する彼女らの受け答えにいちいち「へええぇ~(笑)」「そうなんだぁ(笑)」「ほぉー(笑)」などと声を出していて、ちょっとやべえなと思った。
・恒例となった降臨では近くに小野田紗栞さんが出現なさった。何度も拝見しているはずなのに、こんなに小さかったんだって驚いた。
・新しい緑の衣装になってからHello! Project研修生はおへそが見えづらくなっている。以前の白と黒の衣装ではおへそが出るのがデフォルトだった。『おへその国からこんにちは』で全員のおへそが出ていないのはフェイク。曲のコンセプト、ひいてはHello! Projectそのもののコンセプトのぶち壊し。つんくさんが総合プロデューサーを離れてからの改悪を象徴する事象である。西口猛さんと橋本慎さん。

昼公演の後に、会場近くのセブン-イレブンの前で地元民のM_Iさんと合流した。さっきのコンサートの感想を求められ、ちょっと冷静に見過ぎたんですよね…というような回答。あのセットリストでですか?と驚くM_Iさん。そうなんだよね、盛り上がることが必至のセットリストだったんだけど、何か自分の気持ちが乗ってこなくて。これはまずい。アルコホールを入れないと。セブンでハイボール350mlとせんべいを買った。M_Iさんと話しながらハイボールを胃に流し込む。悪くない。足りひん。アンコール。ジュース、もう一杯。追加で350mlを入れるといい感じに仕上がった。そこに現れたもう一人の現地民、nismさん。対面するのが3回目(私)と2回目(M_Iさん)の二人を相手に開口一番、「セックじゃないですか」などと言いながら現れた。既に酒を摂取して仕上げている我々でも咄嗟に対応できない。「え、今日そういう会じゃないんですか?」。言葉を失う私とM_Iさん。nismさんもセブンで何かを買って飲む。入場すると、中の物販所に出演者たちの写真(売っている写真のサンプル画像)が貼りだしてある。どの子が気になるのかnismさんに聞いてみたところ、彼はひとしきり眺めた後、さんに白羽の矢を立てた。理由は「裏を舐めてくれそう」だから。酒が入ってハイになっていた私は倒れ込んで笑い転げた。

昼もそうだったが、「いっちゃん! いっちゃん! いっちゃん!」を連呼するキガイじみた紳士、その後に「どーいどい! どーいどい! どぅいどぅい! どぅいどぅい! 土居奈さん!」(正確な文字起こしではない)と絶叫するキチガじみた紳士がもはやコンサートの演出の一部のようにシャウトを繰り広げていた。東京だけじゃないんだな。そういえば昼公演のときはさ、私の右側にPA席があったんだけど、これらの名物チガイ紳士のシャウトが始まるとPAのお姉ちゃんが来た来たって感じでニヤニヤしながら見ていた。

夜公演はお酒のおかげで昼公演よりも没入して楽しむことができた。けど、尿意で途中から声が出せなくなった。声を出すと別の物が出ちゃいそうで。終盤は早く終わってくれと願っていた。終演するや否や「おしっこが我慢できない、後で合流しよう」とnismさんに告げて小走りで隣の映画館が入った建物の一階のトイレに駆け込み、から黄色いシャワーを放出した。いや、さすがに私も大人だから学ぶよ。4月1日の福岡での失敗を踏まえて開演前におしっこはしていた。一缶で我慢しておくべきだったんだろうか。アルコール摂取による高揚と、尿意という副作用のバランス。難しい。まあ指定席だったら、いっそのこと公演中にトイレに行っちゃうのも一つの手かもしれないよな。でもそれだと見所を見逃してしまう可能性があるし、降臨の前後は中に入れなくなるし、通路席じゃないかぎり他の観客の前を横切らないといけないから、色々と不都合はあるよな。私の席は左から三番目で、左がずっと空席だった。途中から左の席にずれた。小野瑞歩さんがすぐ近くを二回くらいお通りになった。レスはもらえなかったけど、近くで見られてよかった。昼の最後列に続いて夜も後ろから4列目という、よいとは言えない位置ではあったけど、小野さんを間近で見られたのは救いだった。nismさんは小野田紗栞さんのことがたいそうお気に召されていた。

・小片リサさんが工藤遥さんの写真集を見ている姿をマネージャーが写真を撮って工藤さんご本人に送った。「買ってくれてありがとう」とご本人からメッセージが来て、恥ずかしかった。
・小野瑞歩さんは山岸理子さんの写真集はネット限定版を買った。後で本人から通常版をくれるという申し出があった。迷ったけどもらった。観賞用と保管用。
・渋谷センター街でつばきファクトリーの曲が流れている。山岸理子さん、谷本安美さん、小野瑞歩さん、新沼希空さんの四人で現地に行った。『初恋サンライズ』に合わせてサンライズ・ジャンプをした。その後、ピザを食べに行った。その場にいなかったうちの四人もたまたまピザを食べていた。その偶然が「気持ちわる…」と言いかけて言い直す谷本安美さん。小片リサさんだけはそのときかき氷を食べていたという。

無駄に人が多い名古屋駅前。店探しに苦戦したが悪くないところに入ることができた。炭火焼き処 よし木 名古屋駅西口店。中ジョッキが200円。会計が約11,500円。「うちの会社、早死にする人が多いんですよね。40代でガンで死んだり。最近も課長が死にました」というnismさんに早めのお香典として私が5000円、M_Iさんが4000円を出した。


併せて読みたい:Hello! Project 研修生発表会 2017 12月 ~Conti→New!~ ZEPP NAGOYA

2017年12月15日金曜日

Juice=Juice 宮本佳林バースデーイベント2017 (2017-12-01)

この公演の目撃者になれたかどうかで宮本佳林さんの支持者としての格に差がつくと言ってもいい。そういう類のバースデー・イベントだった。世の中には分野を問わず、押さえておかなければならないクラシックというのが存在する。たとえばキングギドラの『空からの力』も聴いていない人がジェイラップ・オタクを名乗ろうものならにわかファンとディスられるのは避けられない。マルコムXの自伝さえ読んだことがない人がアメリカの人種差別の歴史に関する専門家を称するのは無理がある。これを観なければ・聴かなければ・読まなければ○○は語れない、というのはどの世界でもある。2017年12月1日、宮本佳林さんに関してそれが一つ増えた。19時からディファ有明で開催されたのは、私たちが知っているHello! Projectのバースデー・イベントではなかった。宮本佳林さんはこの日、バースデーイベントの概念をぶち壊し、新たな基準を打ち立てた。凄いものを見せてもらった。大袈裟かもしれないが歴史が作られる瞬間に居合わせた。そう実感できる公演だった。

私が知っているバースデー・イベントというのはね。芸人さんの助けを借りてのゆるいトーク。仲の良いHello! Projectメンバーさんもしくは憧れの人からのビデオ・メッセージ。観客みんなでハッピー・バースデーの歌。ゆるいゲーム。5曲前後のミニ・コンサート。最後にお見送り会。型が出来上がっている。私は今年に入ってから井上玲音さん、小野瑞歩さん、新沼希空さん、小片リサさんの(+執筆時点では植村あかりさんの)バースデー・イベントにお邪魔してきたけど、皆さん先述したテンプレート通りだった。それが悪いって言っているんじゃない。誕生日を祝うということ自体が定型的な行為なので、イベントの形式が似たり寄ったりになるのは当然なのかもしれない。ご本人のお誕生日に(当日じゃないときもあるが)Hello! Projectメンバーさんと同じ場所にいさせてもらえて、祝わせてもらえる。それ自体に大きな価値がある。彼女たちは年頃の女性である。本当だったらご家族、恋人、友人と一緒に過ごして然るべきなのである。にも関わらず我々のような気持ち悪いオジサンたちに愛想を振りまいてくださる。それに対する感謝を忘れてはならない。バースデー・イベントを純粋にショーケースと捉えて、面白いだのつまらないだの歌やダンスがどうのと批評するのは野暮なのである。

今日に関しては、野暮だったのは宮本佳林さんが通常のバースデー・イベントから大きくはみ出ないショーを見せるだろうと思っていた私だった。お誕生日を祝うための緩めな演目の一環としてのミニ・コンサートではなく、宮本さんは本気で魅せていた。もはや宮本佳林さんのソロ・コンサートといった方が相応しかった。ニレンジャー川田さんのややお寒いイントロダクションは先行きを心配させたが、宮本佳林さんがステージに現れるとすべては変わった。怒濤の14曲。トークを挟まずに12曲。通常のバースデー・イベントに慣れきった我々からは曲が続くごとにおーという驚きの声が上がった。トークを挟んで、エレクトリック・ギターの弾き語りによる『雨』(森高千里)。最後には自作曲“Pink Moment”(表記不明)。オープニングとダンス中の音楽は、機能性発声障害による休養期間中に始めたDTMでご自身でお作りになったトラック。私はセットリストを覚えるのは5曲が限界。はじめの12曲に関してはすべてを覚えていない。色んな人がTwitterやブログに載せているだろうから、ここに貼り付けることもしない。個人的には『独り占め』(つばきファクトリー)と『奇跡の香りダンス。』(松浦亜弥)を宮本さんの歌声で聴けたのが嬉しかった。『独り占め』はつばきファクトリーの名曲だし、松浦亜弥さんは私がHello! Projectをフォローするようになったきっかけだからさ。『独り占め』に関してはイントロと中盤のオイ!オイ!オイ!からの手拍子二回というのを出来ている人が少なかった。そうか、宮本佳林さんとつばきファクトリーのファンはそれほど重なっていないんだな。

・お誕生日のお祝いメッセージは、「植村あかり以外からは」来た。やなみん(梁川奈々美さん)は明日『おはスタ』で早いので(12月1日の朝に宮本さんと一緒におはスタに出演)と前日にメッセージをくれた。るるちゃん(段原瑠々さん)は私とのツーショットをまとめた画像にメッセージを付けて送ってくれた。朋子(金澤朋子さん)は熱いメッセージをくれた。再度、「植村あかり以外からは来ました」。
・『おはスタ』出演とこのバースデー・イベントへの緊張から昨晩は23時半から1時半の2時間しか眠ることが出来なかった宮本さん。
・ビデオ・メッセージは梁川奈々美さんと工藤遥さんの二本立て。
・サプライズで金澤朋子さんがケーキを運んでくる。彼女がステージにいるとトークにリズムが生まれる。最前にいた子供に「あなた何歳よ?」と問いかける金澤さん。「私のこと好き?」と宮本さん。どうやら無反応らしい子供。「そうでもないか」。「緊張してるんだよね」と金澤さん。今度は「隣のこのお姉ちゃんは好き?」と金澤さんを指して宮本さんが再び聞く。再び反応がない模様の子供。「そこはうんって言うんだよ」と宮本さん。「何を仕込もうとしてるんですか」と川田さん。

完成度の高さだけではなく、未熟さと成長の余地も見せてくれたのがよかった。弾き語りにおけるエレクトリック・ギターの演奏は、詳しくない私でも相当に低水準であると推察できるものであった。始めたばかりだとご本人もおっしゃっていた。また、人参のピーラーで指を傷めているから弦をまともに押さえられないとおっしゃっていた。あえてこの場でギターの演奏を披露されたのは、未熟な部分を私たちにさらけ出すことで、ここからの成長を見守ってほしいというメッセージを発しているように見えた。ご自作曲の“Pink Moment”(表記不明)にしても、一回聴いただけだから断定的な評価はできないが、ありがちな感じがして、私はそこまでいいとは思えなかった。Twitterを見ると絶賛している人が何人もいた。ファンとしてはそれが正しい反応なんだろうけどさ。まったく同じ曲が、他の人が作詞作曲したものとして発表されていたら称賛を送るどころかこきおろしていた可能性もあったんじゃないの? いや、私はあの曲をディスりたいわけじゃない。定評のある歌やダンスの表現に安住せず、新しい挑戦をしてご自身の幅を広げようとしているのが分かって、今後の宮本佳林さんがますます楽しみになった。

2017年12月11日月曜日

つばきファクトリー 3rdシングル発売記念ミニライブ&握手会イベント (2017-11-26)

「その衣装、洗ってンの?」と握手で聞いたら嫌われそうだな、と電車の中でぼんやり考えた。23日(木・祝)、25日(土)に続き、26日(日)もつばきファクトリーさんのrelease partyである。23日は大宮、昨日は池袋、そして今日は新三郷。彼女たちが着用するのは、おそらく今日も新曲『低温火傷』の衣装だろう。Hello! Projectの衣装がほぼ全部そうだが、気軽に洗濯機に放り込めるような服ではない。おそらく各メンバーごとに一着しか作っていないんじゃないかな。クリーニングはどうなってるんだろうか。まあ冬だからそこまで汗はかかないだろうし、仮に同じ衣装を使いまわしていたとしても問題はないだろうけど。24日(金)は平日だったが私は休みを取っていたので、四連休である。といえども、純粋な休みは24日(金)だけである。これは冗談のようで冗談ではない。Release partyがある日の拘束時間は労働と変わらない。肉体的な負荷に関しては労働を超えている。ほぼ立ちっぱなしだからね。私は事務職なもんで。労働がないという意味では休日だが、休息の日ではない。出勤するような感覚で、新三郷に向かった。ここは家から職場よりも近い。それに会場のららぽーとは駅に直結しているので、たどり着くのが楽である。前にもいちど来たことがあるので勝手は分かっている。

9時40分頃に駅に着いた。某有名最前おまいつの手下とされる小太りの茶髪紳士が前を歩いていた。小片リサさんのバースデー・イベントのときと同じhoodieを着用している。手下がいるということは親分も来ているのだろうかと思ったが、今日は見なかった。私がCD予約の列に着いた時点で100人以上は並んでいた。アルビ兄さんは朝から連日のrelease partyでお疲れなのだろう、あくびをしていた。今日の彼は黒いフリース・ジャケットにチャコール・グレーのトラック・パンツ(adidas。横に赤のライン)をお召しになっている。列にラッパ我リヤのQさんのような面構えの紳士がいる。10時25分頃にCDの会計を終え、優先エリア入場券を手にした。今日は1回目から順に17番、191番、324番。17番はサグい。3回のうち一つでも若い番号が来るとアガる。アルビ兄さんの上着が赤いジャージになった。今日は全体的に赤のコーディネートだが、AFCを制したばかりの浦和レッズへの祝福かもしれない。彼はそういうことをやる。後から近くで見るとリバプールFCのものだった。どうやら同クラブの愛称がレッズらしい。さすがに応援するチーム(アルビレックス新潟)と同じリーグ(来年はディヴィジョンが違うけど)の浦和レッズの服は着用できないのだろう。しかしアルビ兄さん、どれだけ海外強豪クラブDDなんだ。

まだ早いけど1回目の集合時間(11時40分)前に軽く飯を食おうかな、お昼時にはフードコートが混むからな、銀だこも悪くないな、どうしようかなあ、と迷ってウロウロしていると、10時58分につばきファクトリーがすぐ近くを通ってステージに向かっていた。リハーサルだ。思っていたより早い。優柔不断に過ごしていたおかげでリハーサルに居合わせることができた。
岸本ゆめのさん:白地に大きな黒い星のTシャツ。オーバーサイズでワンピースのように着ている。その下に柄物のタイツ。
谷本安美さん:前を開けたブルゾン。中には紫のTシャツ。
小野瑞歩さん:20日(Juice=Juie武道館の客席)、23日(release partyリハーサル)と同じスウェットシャツ。下は黒いロング・パンツ。
小野田紗栞さん:ピンクのくるぶし丈カーゴ・パンツ。派手な柄の白黒ジップアップ・ブルゾン。
秋山眞緒さん:黒いブルゾンの前を開けて、中には数字の36と何かの文字が書かれた赤いTシャツ。
山岸理子さん:派手な柄のセーター?Tシャツ?の上に黒い上着、上着の袖はまくっている。
浅倉樹々さん:スウェットシャツ。袖が白でピンクの線。
新沼希空さん:黒いスウェットシャツ。退散時にちらっと見たかぎり、どうやら道重さゆみさんのグッズ(背中に羽が書いてあるやつ)。人違いだったかもしれないが誰かが道重さゆみさんのスウェットシャツを着ていた。
小片リサさん:紺のパンツ。横に赤い線。黒いスウェットシャツ。前を開けている。中に白いTシャツ。
衣装よりもこういう普通の服の方がメンバーさんたちの可愛さが映える。それに各人の選択だからそれぞれの特徴が出て興味深い。小野瑞歩さんのバースデー・イベントの日に半蔵門駅で私服姿の岸本ゆめのさんを見たときにも思った。普通の服でその辺のストリートに紛れ込むと一般ピーポーとの差が浮き彫りになる。リハーサルは『低温火傷』と『うるわしのカメリア』。

1回目 12時~

5分遅れの11時45分から呼び出し。0番ど真ん中の2列目というドープな位置を確保。今日のエスタシオンにはオタクを迫害していそうな顔の青年が一人混じっている。説教から始まるアルビ兄さんの前説。イベントの盗聴音源をサーバーに上げた奴がいる、聴いてみると結構クリアな音だった。個人で楽しむ分には、許すというわけではないが、まあいいかなと思うが、サーバーに上げるのは論外。誰がやったかは調べれば簡単に分かる。はっきり言って営業妨害だ、といわゆる激おこチンチン丸のアルビ兄さん。注意事項を続ける。今日の会場は、「程度を超えた声援」が禁止。ここまではピリピリしていたが、統率の取れたジャンプ以外は禁止というくだりで空気が和んだ。統率されたジャンプとは、統率する人と統率される人がいるジャンプのこと。統率する人はステージにいるメンバー。される人はお客さん。セットリスト。

なんちゅう恋をやってるぅ YOU KNOW?』(Berryz工房)
笑って
『低温火傷』
就活センセーション
青春まんまんなか!
Just Try!
ハナモヨウ

この距離だと、楽曲派で知られる私でも誰の脚がきれいだとか、“そういう”目で見てしまう。さすがに具体的な名前を挙げるのは控えるが、美さん、さん、さんの三名が、質感の観点からグループで脚が最もきれいだと思った。あとはステージに近いときの楽しみとして、『青春まんまんなか!』でメンバーさんがピョンピョン跳ねるときの着地音。あれを聞くと、アイドルさんも体重のある生身の人間なんだなと実感できる。

我々の盛り上がり方について「多少、大目に見ていただいている部分がある」ので、お礼としてお昼ご飯はららぽーと新三郷で食べて還元してくれ、とアルビ兄さん。2階から私たちを背景にセルフィーを撮る、襟足を伸ばした茶髪の青年。

握手は右から小野瑞歩さん、新沼希空さん、岸本ゆめのさん、山岸理子さん、小野田紗栞さん、谷本安美さん、小片リサさん、秋山眞緒さん、浅倉樹々さん。小野さん、右目に何か入ったような感じ。「目、大丈夫?」と声をおかけしたら苦笑してはい、大丈夫です的なご対応。岸本さんには「リハーサルのTシャツ、超でかいね 」と申し上げたら「そうです、あれでかいんです!」とおっしゃった。谷本さんには「リハーサルの、ブルゾンが似合ってる」と申し上げたら「あ、ホント?」と微笑みになられた。一言が交わせるか交わせないかというスピードだった。小野田さんに『なんちゅう恋をやってるぅ YOU KNOW?』の「彼方」がよかったとお伝えするつもりだったが言えなかった。岸本ゆめのさんの握手対応からはいつも徳の高さを感じる。

丸福珈琲店で高いランチ。いまいち。レーコーは濃くておいしいが、サンドウィッチがしょぼい。正直なところ23日、25日と3回まわしのrelease partyを続けて観覧して間もないので、私のmotivationが落ちている。今日の気付きとして、リハーサルの服装を観察し、それを褒めることが高速握手で何も言葉が思い浮かばない問題への対策として有効である。それくらいしてひねり出さないと話題がない。

2回目 14時半~

番号を呼び出す青年の声がか細くてすぐ近くにいないと聞こえない。14時15分、彼にマイカフォンが与えられて、その問題は解決した。

二階から覗く見物者には家族連れがちらほら。ニヤついた彼らに撮影される私たち。つばきファクトリーさんは小さな子供に積極的に手を振る。親たちも喜んで子供につばきファクトリーさんのショーを見せる。しかしその子供たちが大人になってアイドルを応援しようものならイヤがって気味悪がるに違いないのである。

1回目の私たちの声量について「(許容範囲の)ギリギリかちょっと超えてるくらい」という認識を持って臨むように、とアルビ兄さん。今日は本当に本当に大目に見ていただいておりますので、3時のおやつはららぽーと新三郷さんでお買い上げくださいと先ほどに続きららぽーと新三郷への配慮を見せる。統率の取れたジャンプ以外は禁止と言いながら1回目はその曲をやりませんでした、と笑うアルビ兄さん。2回目はどうでしょうか? と含みを持たせる。セットリスト。

笑って
気高く咲き誇れ!
初恋サンライズ
寒いね』(スマイレージ)
ハナモヨウ
うるわしのカメリア
『低音火傷』

握手は右から浅倉樹々さん、新沼希空さん、岸本ゆめのさん、山岸理子さん、小野瑞歩さん、谷本安美さん、秋山眞緒さん、小片リサさん、小野田紗栞さん。困り果てた私は、「カレーにナスを入れる?」という東京都に住むアルコール依存症のロリコン・中島から以前に学んだ質問を繰り出すことにした。すると、面白いくらいに皆さん「入れない」という回答だった。もしかしたら小片さんは「入れる」とおっしゃったかもしれないが、定かではない。というのが、この単純な一問一答すらままならないくらいに流れが速かったんだ。小野さんは以前ラジオ(“Hello!SATOYAMA&SATOUMI Club”)でカレーにナスを入れるのが好きだとおっしゃっていた。それなのに、私が山岸さんに聞いているのを隣でお聞きになって、私がお聞きする前から「わたし入れなーい」とおっしゃった。次に流れながら「好きなんじゃないの?」と伺ったら「あ、夏野菜カレー…」とおっしゃっていたが、真相は闇の中である。皆さん総じて「何でカレーにナスなんか入れるんだ」という感じの表情だった。もしかすると「何でそんな質問をするんだ」だったのかもしれないが。

握手の様子を二階から眺める。通行人が「何あれ? 誰?」などと言って通り過ぎるのだが「誰?」はお前だよ。「つばき? シャンプー?」というオモシロコメントを残して通り過ぎる男性。15時57分に岸本ゆめのさんのサツアイで2回目は終了。岸本さんは「ありがとうございますと私たちは言う。それだけだと何に対してか分からないかもしれないが、来てくださったことに対して、私たちのことを思ってくださることに対して、すべてを指している」というような素敵なことをおっしゃっていた。2階からだと細かい言葉が聞き取りづらかった。

3回目 16時半~

我々の熱狂がららぽーと新三郷の許容範囲的に「ギリギリ」であり「本当に大目に見ていただいている」と再度、強調するアルビ兄さん。セットリスト。

『低音火傷』
Kiss me 愛してる』(℃-ute)
ハナモヨウ
付き合ってるのに片思い』(Berryz工房)
笑って
『低音火傷』

ハナモヨウ』のイントロが流れてくるとげんなりするようになった。元から私はこの曲があまり好きではない。これだけ聴いて好きになれないんだから、もう無理だ。もちろん冒頭の「エル・オー・ブイ・イー・ラブリー・小片!」をはじめとする各種のチャントは大きな声でちゃんと入れる。それは気持ちいいんだが、曲そのものへの否定的な気持ちは拭うことができない。

付き合ってるのに片思い』の「ねいいでしょ」は一番が小野田紗栞さん、二番が新沼希空さんだった。

「カバーの曲で凄く盛り上がってくださって…」と言う小野瑞歩さん。ドッと笑いが起きる。「私たちの曲でも同じくらい盛り上がってもらえるように頑張りたい」と今後の意気込みを語る。

握手は右から浅倉樹々さん、小野田紗栞さん、秋山眞緒さん、山岸理子さん、谷本安美さん、新沼希空さん、小野瑞歩さん、小片リサさん、岸本ゆめのさん。小野田さんと新沼さんに「『ねいいでしょ』がよかった」とお伝えした。小野田さんは笑ってありがとうございますと返してくださった。新沼さんは左手の人差し指を立ててお顔の前に持ってきて「そうでしょー」とおっしゃった。

最後のメンバーさんたちのサツアイが始まる前に、後ろの方を睨みつけて「下りて!」と怒るアルビ兄さん。見ていないが、誰かが円形のベンチに立った模様。

新曲の振りをやってくれる人が今後も増えるように頑張っていきたい、という小野瑞歩さん。今後のリリイベの予定はよく分かっていると思うので予定を開けて来てください、と小片リサさん。17時42分、終わり。

今日、気付いたこととして23日に衣装の「マント」に言及していたのが今日は「ケープ」に統一されていた。言い間違いを防ぐためだろうか。

そういえば1回目か2回目だったと思うけど、小野瑞歩さんが研修生発表会でつばきファクトリーはBerryz工房さんの曲をやりますと言って、他のメンバーが顔を見合わせてちょっと怪訝な顔をしていた。研修生発表会のセットリストは11月30日になって初めて発表されたので、もしかするとまだ言っちゃいけない情報だったのかもしれない。そういうところが愛しいですよね。

23日、25日、26日の三日間で、来年2月にドロップされるつばきファクトリーさんの新曲『低音火傷』を私は13回フルで聴いた。この四日間のうち三日は終日release partyを観覧した結果、労働をしたのと変わらない気持ちになっている。労働の後にまた明日から労働かよという感じになっている。もし毎日休みなしで朝から晩までrelease partyを観覧「しなければならない」生活になったとしたら、そのうち心身の疲れで鬱になってしまうだろう。

2017年12月9日土曜日

つばきファクトリー 3rdシングル発売記念ミニライブ&握手会イベント (2017-11-25)

7時半すぎに起きてiPhoneでTwitterを開くと元Hello! Projectの真野恵里菜さんがフットボーラーの柴崎岳さんと交際しているというニューズでTLが賑わっていた。久々に、というか自分がリアルタイムで追い始めてからは初めて?(と思ったが里田まいさんがいたか)、Hello! Project出身者が分かりやすいスターとカップルになった。もちろん芸人さんも舞台役者さんも凄いけど(元芸人は凄くない)、言うても無職と紙一重ですやんか。そりゃごく一部の売れっ子さんは別ですよ。変な話、資格も要らないし、どこかに所属していないと名乗れないわけではないからさ。自分は芸人です言うたら芸人やし、役者です言うたら役者。そういう職業なわけで。Hello! Projectにいた人たちがそこまで有名でもない芸人や役者、ましてや一発すら当てた経験のない「元」芸人と結婚しますってなったときにね。うわあそんなの俺にはなれねえわ、俺らとは社会的な階層が違いすぎるっていう、圧倒される部分がないわけ。別にそれが悪いっていうんじゃなくてさ。それはそれでつんくさんがモーニング娘。のいわゆるプラチナ期の楽曲群で描いた恋愛を体現している感じがしてハロプロらしい気もする。今回の真野さんの報道は、Hello! Projectメンバーさんが間違っても我々には手の届かない存在なんだぞっていう現実を明確に突きつけてくれているのがね、いいなって思った。他人様の交際相手にいいも悪いもないんだけどさ。

柴崎岳さんといえば、小片リサさんがお好きなサッカー選手なんだよね(前にイベントの握手で直接お聞きしたことがある)。仮に報道が事実だとして(本人たちのコメントはまだ発表されてない)、これをきっかけにHello! Projectメンバーさんとフットボール選手とのコネクションが生まれるのかな。例えばさ、柴崎選手に一度お会いしてみたいですと小片さんが真野さんにアプローチして、そこでアントラーズの選手も交えた食事会が開かれてさ。当然、小片さん側もHello! Projectの同僚を何人か見繕ってさ。柴崎さんが持ち前のパス回しとゲームメイクでカップルを成立させて…なんて想像しちゃうよね。

DOTAMA×ハハノシキュウの名盤『13月』を聴きながら池袋に向かう。東武百貨店。地下の入り口。今日の販売開始は10時。9時から列を作って、9時45分に会場に移動するとホームページには書いてあった。私が入り口に着いたのが9時55分。その場にいた係員にどこにいればいいのかを聞いたところ、もう列は上の階に行っているので、10時にここに来てくれという答えだった。「10時にここですか?」と念押したところそうだというので「分かりました」と言って10時を待った。10時になってから「ここ」で様子を見ていたんだけど、当の係員たちがエスカレーターで上がってやがる。どうやらここで集まるのではなく屋上の会場に行くのが正解らしい。集合は「ここ」じゃねえじゃねえか馬鹿。まともに日本語が使えねえのかよ。イラっとしたが、すぐに「要らねえ怒りなんて封印」(GK MARYAN)した。彼らのような人たちが真面目に働いてくれているから、私たちはイベントを楽しむことができるのだ。

10時6分に8階のスカイデッキと名付けられた屋上広場の、CD予約列の最後尾についた。ざっと100人強かな。「大体 毎回 いつも同じメンバーと再会」(RIZE, “Why I'm Me”)。おとといお見かけした面々が勢揃いしている。池袋というアクセス良好の大都会、なおかつ広い会場だけあって、半年くらい見ていなかった方々も散見される。小野瑞歩さんを推されているとっつぁん坊や。私が所属する会社の人事部長を少し崩した感じの紳士。長く見ていない人でも特徴の強い見た目であれば覚えているものである。今日の会場はよさそうである。大宮宮原のワック会場と比べて観覧エリアが横に倍くらい広い。10時52分にCD3枚の予約購入を完了し、番号を確認。1回目から順に248、43、308。二部でイルめ(韻)な番号を引いた。この横に広い会場で43番は期待できる。一旦、東武百貨店を出る。成都草堂の後に出来た四川料理店で麻婆豆腐定食を食って、梅酒とアルコール56度の白酒を混ぜたものを飲んだ。白酒、好きだ。ストレートで飲みたい。リハーサルは見なかった。昼飯を優先した。

1回目 13時~

番号の呼び出し。12時33分、40番。12時35分、80番。12時36分、125番。12時39番、250番。優先エリアがおおかた入りきっても後方は割と空いているので、この感じが続くなら3回目ではそこで楽しむのもありだ。

左端付近、ステージよりも少し左、スピーカーの目の前、4列目の位置を取った。アルビ兄さん。今日はアルビレックスのワッペンが縫いつけられた黒のadidasベンチウォーマー、グレー(裏地イエロー)のhoodie、黒いパンツ、青いナイキのスニーカー。「いかなるジャンプ行為も禁止です」という兄さんに、一部の紳士たちが冗談めかしてエーイング。「ダメです、ここは」とアルビさんが強面で突っぱねて、笑いが起きる。そこでちょっと空気が和む。「あれ、何言おうとしてたっけ…」と兄さん。今日は(おとといの)大宮よりもスピーカーが一つ多い。スタッフも気合いが入っている。ジャンプは出来ないが、声で盛り上がってほしいと我々を鼓舞する。彼はアルビ兄さんというだけあってアルビレックス新潟のサポーターらしいけど、サッカーのゴール裏でも応援団長が「声出してくぞお前ら」みたいなのやってるじゃん。群衆をmotivateして盛り立てる技術に関しては通ずる部分があるのかもね。

小野瑞歩さん曰く、この東武百貨店には買い物でよく来る。合間に屋上に来る。小さな子供にも見てもらえるようにしたい。我々から見て右の方にいた通りがかりの子供が手を振ったらしく、ステージのメンバーさんたちは喜んで反応していた。スマイレージが販促イベントをやっていたときも池袋のサンシャインに母親と買い物に来ていたというし、池袋にアクセスがいい場所に住んでいるんだね。前に一度、川越に遊びに行ったとブログに書いていたよね。もしかすると東上線沿いに住んでいるのかな。そうだったら一緒だね、みずほ。何だかよく分からないけど今日は小野瑞歩さんがやたらと可愛い。見とれてしまった。この会場は何とメンバーさんの全身が見える。昨日との差が大きすぎて、驚いた。

今日は、ゲーム等なし、トークも少な目にひたすら曲をパフォームするという構成だった。おとといは各部で二回ずつやっていた『低温火傷』は、一回だった。セットリスト。

“OK YEAH!”(モーニング娘。)
気高く咲き誇れ!
笑って
『低温火傷』
独り占め
うるわしのカメリア
初恋サンライズ

リアルタイムで追って現場でも体験していた曲がスピンされると嬉しい。私の場合は2011年以降の℃-uteと、2010年頃から2014年頃のモーニング娘。“OK YEAH!”(モーニング娘。)に関しては私は道重さゆみさんがいた頃のモーニング娘。現場でチャントを発していたクチなんでね。そりゃ高揚しますわ。

ステージに仁王立ちする11人のエスタシオン。高速握手は右から順に谷本安美さん、小野田紗栞さん、新沼希空さん、浅倉樹々さん、秋山真緒さん、山岸理子さん、岸本ゆめのさん、小野瑞歩さん、小片リサさん。小野田さんの強い握り、新沼さんのロック。山岸理子さんには「昨日おめでとう」とお伝えした。お誕生日の前日に「明日おめでとう」、翌日に「昨日おめでとう」と言葉をおかけし、当日には拝見しないというシュールなことをしている。私を見て「あ! ありがとうございます」という感じで身を乗り出す小野さん。本人を目の前にして急に緊張が襲うが「今日かわいいです」という言葉が私の口から発せられた。小野さんはびっくりした感じで文字にするのは難しい音を発されていた。いわゆる「変な声が出た」というのに近いかな。それで左手で口を押さえた。Twitterを見ていると可愛いと言われ慣れているHello! Projectメンバーさんは「そんなことないよぉー」的な返しをしたりするようだが、小野さんは明らかに意表を突かれていた。興奮した。1,080円でミニ・コンサートを楽しんだ上に美少女の手を握り可愛いですと伝えて捕まらない。イルすぎる。お前もやってみろよ。人の握手会を笑うな。人生は一回だぞ。

ちょっと酒を入れたくなったので東武の地下に行ったが、しばらく行かないうちにお酒の売り場は一つ上の階に移っていた。缶ビールの棚を見ていたらお姉さんがスーパードライの小さいのをくれた。BIG WAVE 350mlを買った。スカイデッキに戻って、飲んだ。BIG WAVEの後に飲むとスーパードライのまずさが強調された。ステージ付近に目をやると、アルビ兄さんはベンチウォーマーを脱いでいた。

2回目 15時30分~

3列目のほぼど真ん中、ゼロのほんの少し左。アルビ兄さんが「1回目はお昼ご飯がまだだからお腹が空いているのかと思った。東武百貨店では山形物産展をやっている。お前らがおいしいものを食べたという書き込みは見ている。もっと声を出して行け」(大意)的な演説で我々を煽動する。今日の池袋はサンシャインでもHMVでもアイドルのイベントが開催されているということで、12月15日のスッペシャル・ライブの告知。セットリスト。

笑って
就活センセーション
Just Try!”
『低温火傷』
ハナモヨウ
Be 元気(成せば成るっ!)
初恋サンライズ

この間、甲府CONVICTIONのJuice=Juiceのコンサートでも実感したが、真ん中それもステージに近い位置ってのは特別だ。ど迫力だった。メンバーさんが代わる代わるこちらを見てくる感覚がある。別に私にレスをくれているとかそういう意味じゃなくて、振り付けの構造上、真ん中に視線が来やすい。

就活センセーション』でこけそうになって、笑う小野瑞歩さん。『Be 元気(成せば成るっ!)』では小野さんにソロ・ラインがたくさん与えられていた。この回を前方中央で見られて幸運であった。「季節は冬なのに汗かいてます、私」と岸本ゆめのさん。熱中して歌って踊ると冬でも汗ってかくんだなと思った、と続ける。

高速握手は、右から浅倉樹々さん、小片リサさん、秋山眞緒さん、新沼希空さん、岸本ゆめのさん、小野瑞歩さん、山岸理子さん、谷本安美さん、小野田紗栞さん。気温が少し上がったので私はBattenwearのアノラックパーカを脱いでColumbiaknitのラガー・シャツ姿になっていたのだが、岸本さんが「私もそれに似た服、持ってます。ラガー・シャツ的な」とおっしゃった。小野さんには「『Be 元気』の、ソロがよかった」とお伝えしたところ「本当! ありがとう」と返してくださり、次に流れつつある私に向いて時間を長めに引っ張ってくれた。2回目は模範的な感想を述べたが、もし「瑞歩chanに『低温火傷』しちゃって、いいカナ?」とでも聞いていたらもうブラックリストに入れられていたでしょうね。私は自分の握手を終えるとすぐに退散した。さっきの酒で、尿意が来ていた。トイレに行く道でアルビ兄さんが言及していた山形物産展を通った。おいしそうな食べ物がたくさんあった。コンビーフとかね。買うのはやめておいた。

今日は最前おまいつがあんまり最前にいない。握手もルーパーが数名いるにはいるが、常識(常識って何だよ)の範囲内であり、平和な光景である。16時46分時点で、1回目で鍵閉めをしたTeam ℃-ute hoodieの紳士、アーバリアンジムさん、あと二人の計四人が残っていたが、16時50分ちょい前くらいに終わった。谷本安美さんが締めのサツアイを担当されたのだが、最後に「バイバイ、うふふ。バイバイ、ふふ」と笑う仕草が上品で、高貴だった。

3回目 18時~

呼び出し。17時35分、100番。17時37分、200番。308番の私は17時40分に優先エリアに入る。左端の後方に立つ。近くの紳士二人組の会話、「さっきより人が多いな」「ジュースを観てからきてるんだよ」。Juice=Juiceがどこかで何かをやっていたらしいのだが私は把握していない。開演前に流れる『就活センセーション』に合わせてファイヤー、サイバー、タイガー的なアレをふざけて入れている紳士が後ろにいた。「うちら就活生」オレモー!「翼羽ばたかせ」オレモー!という調子であった。面白すぎて、笑いをこらえきれない。『笑って』でも同様のかけ声とうりゃおい、オーレモー!オーレモー!等を挟み込む。『ハナモヨウ』の「また君に」の後にオレモー!を入れてきたのにはさすがにふき出した。彼の悪ふざけのおかげで最後の回に向けて私はいい気分に仕上がった。(もちろん、彼は本番ではそれらのアンダーグラウンドなチャントは入れていなかった。)

アルビ兄さんの前説。関東は12月15日のスッペシャル・ライブが関東では今年最後のリリース・イベント。我々のお約束的なエーイングを受けたアルビさんが「色々あるんです。ハロコンのリハとか、レコ大のリハとか」と真面目に釈明をし、ドッと笑いが起きる。その後、再び我々へのアジテーション。「前も思ったんですけど、皆さん寒いとテンション下がるんですか?」「こんな大きな音を出せるのはここと幕張新都心だけです。スタッフも本気を出すと言っていました。(PA席を見て)出すんだよね?」。セットリスト。

青春まんまんなか!
ハナモヨウ
『低温火傷』
笑って
独り占め
Kiss Me 愛してる
初恋サンライズ

Kiss Me 愛してる』のイントロが始まったときのヘッズの高まり方。この曲の「愛してる」という決めのラインは一番が小野瑞歩さん、二番が小片リサさんがご担当された。『初恋サンライズ』ではサンライズ・ジャンプをしたくてうずうずした。ジャンプ禁止なのでサンライズ・ストレッチ(たしかこう呼ぶらしい。以前に雑誌のインタビューで読んだ記憶がある)で抑えたが、我慢するのが大変だった。

高速握手は右から浅倉樹々さん、山岸理子さん、新沼希空さん、小野瑞歩さん、谷本安美さん、岸本ゆめのさん、小野田紗栞さん、小片リサさん、秋山眞緒さん。小野さんと小片さんに「キスミーの、『愛してる』がよかった」とお伝えした。小野さんは照れくさそうに笑って、小片さんは「イエー!」とおっしゃった。本来なら握手会を最後まで見届けて、メンバーさんのサツアイを聞きたいところだが、私は19時1分でお先に失礼した。また明日も新三郷でrelease partyがある。飯を食ってジム風呂に入って、早めに寝たい。池袋駅北口のカウンター席しかなくて長細い「グレート・インディア」でマトン・マサラとガーリック・ナンを食ってラッシーを飲んだ。いや、おいしいわ。この店に入るのはたしか今年の1月1日以来である。さすがに認知が切れてると思ったが、会計を済ませて「おいしかったです」と言って帰ろうとするとネパール人の店員は「ナガイヒサシブリネ。ドコカイッタ?」と聞いてきた。今日のrelease partyは凄く楽しかった。しかし、また明日も朝から晩まで拘束されるのはきついな正直(誰もお前に行くことを強制していない)。東京近郊に住む人間の贅沢な悩みである。

2017年12月8日金曜日

つばきファクトリー 3rdシングル発売記念ミニライブ&握手会イベント (2017-11-23)

休日だが労働のある日と変わらない時間に起きて、家を出た。寒い上に雨が降っている。傘を持つ手がかじかみ、B地区が勃つ。つばきファクトリーの皆さんもB地区が勃っているんじゃないかな。大丈夫? オジサンは心配だよ。土呂駅という聞いたこともない(とろと読むらしい)駅から10分ほど歩いたところにある、大宮宮原ステラタウンというショッピング・モール。たしか施設のホームページには駅からのシャトルがあると書いてあった気がする。それらしき車は見なかった。時間が早すぎたのかもしれない。CDの予約販売が始まるのが9時半。私が列に並んだのが9時19分。この時点でざっと50人程度。前倒しで販売を始めたようで、9時25分頃から列が進み始めた。売り場の近くにアルビ兄さん。今日はオレンジ×青のシェルをお召しになっている。前の紳士が発する、ケモノの臭い。言うまでもないがおまいつさんがそこら中にいる。私の二つ前に新沼希空さんの有名支持者の紳士。目を合わせないように気を付ける。おまいつ軍団の個々人にはあまり悪い感情はないのだが、あのコミュニティに関わりたくない。私がCD3枚を予約し、優先エリア入場券を手にしたのが9時47分。1部から3部まで順に321番、391番、180番。顔をしかめる。きっつい番号だ。かといって並び直して買い増すことはしない。それをやるとキリがない。与えられた番号を受け入れる。節度のあるファンだから。おまいつっぽくない買い方をしないで普通の買い方をして自分はおまいつじゃないんだぞっていう感じで…。CDの値段が3枚で3,240円。送料が750円もかかる。ちょっと前まで相場は600円だった。750円を払うくらいなら商品は別に送ってもらわなくてもいいくらいなんだが。どうせ何十枚も手にすることになるので。店で受け取るということにして受け取りをすっぽかせば送料は払わないで済むが、さすがにそういうわけにもいかない。

雨天の場合、握手会のみになる場合があるとHello! Projectのホームページには書いてあった。そうなったらつらい。握手だけのためにこんな天候でこんな場所に来ないよ。ほら、ご存知だと思うけど私は楽曲派なので…。接触とかさ、『マジ興味ねぇ』(DJ OASIS feat. K DUB SHINE)んだよ。いや、興味ねぇっていうか、まあ、あるよ興味は。少しだけね。12月24日と2月12日のつばきファクトリーの接触イベントには両方とも申し込んでるし。でもそれはあくまでワイの天使(小野瑞歩さん)が目当てなのであって、それ以外のメンバーさんとの接触はそれほど望んでいないんだよね。もちろん向こうもそれ以上に望んでいないだろうけど。施設内のパン屋さんでアイス・コーヒーを飲んで、ごま団子を食う。イベント会場のそばにあるイトーヨーカドーで買った焼き芋とビールで、軽めの昼飯。11時23分に会場近くに戻ると、雨は95%やんでいた。応援されているチームのJ2降格にもめげずに粛々とステージの準備をするアルビ兄さん。黒いハイキング・パンツにグレー×黒のTHE NORTH FACEのフリース・ジャケットをお召しになっている。フリースの下にはワイン色とネイビーが覗いている。バルセロナかな。たしかに彼のイベント運営の技量はバルセロナ級である(実際にはパリ・サン・ジェルマンのユニフォームだった。ユニフォームの下には同系色の長袖ボーダー柄Tシャツ)。靴紐は蛍光オレンジ。11時34分の時点で並ばずにCDを買えるし優先エリア入場券も売り切れていなさそうだったので、私が9時半前にここに来て並んだ意味はなかった。結果的に。番号も早けりゃ若いってことはなく、ランダムだしね。まあこの結果がはじめから分かればいいんだけどさ、読めないからね。これってさ、一人で何十枚も買う奴がどれだけいるかで左右されるんだよね。いつも大量買いをする小片リサさん推しの有名おまいつが今日はどうやら北海道にいるっぽい。今日は優先エリア入場券が売り切れたという声は最後まで聞かなかったけど、彼が来なかったのがその一因だったと思う。今日は1回目が12時半から。過去の例を見ると11時40分からリハーサルが始まるはずである。皆さんそれを見越してステージが見える位置に立って待機している。11時50分、太陽の光が差してくる。11時53分、エスタシオンとアルビ兄さんが総動員で、雨に濡れたステージを雑巾で拭いている。

リハーサルが始まったのは12時だった。そもそも11時40分に始まるというのは私の勝手な予想に過ぎないが、おそらく予定よりも遅れたのだろう。後述するように1回目のイベント開始時間が12時半から13時に延期されたからだ。リハーサルでつばきファクトリーの皆さんが登場される度に顔がほころんでしまう。みんな可愛い…。少しずつ大人っぽくなっている。リリース・パーティのショッピング・モール巡りもいいけど、早く本格的な活動をしてほしいな。小野瑞歩さんはグレーにエメラルド・グリーンの線が入ったフード付きスウェットシャツに、ハーフ丈の白黒迷彩パンツ。岸本ゆめのさんはぴたっとしたスウェットシャツとスウェットパンツ。新沼希空さんは黒い(おそらく合成皮革の)ライダース・ジャケット。谷本安美さんはブルゾン。谷本さんはいつもリハーサルでブルゾンを着ている印象がある。とても似合う。『気高く咲き誇れ!』、新曲の『低温火傷』(一番のみ)。打ち合わせをしてまた『低温火傷』(一番のみ)。打ち合わせでゴツンと頭をぶつけて爆笑する小野瑞歩さんと秋山眞緒さん。浅倉樹々さんは『気高く咲き誇れ!』には参加せず、まだ我々が入ることを許されていない優先エリアから見ている。上着を脱いで『低温火傷』に入る浅倉さん。プリント入りの白黒ラグラン・スリーブTシャツ。リハーサルが終わったのが12時20分頃。アルビ兄さんが1回目の開始が13時と言ったが、さらっとしていてあんまりはっきり周知させる言い方ではなかった。エスタシオンまで浸透していなくて、すぐに我々を集合させようとする(本来の集合時間は12時10分)。私の近くにいた紳士が、13時からになったんだと言ってアップフロントのアカウントのtweetが表示されたiPhoneをエスタシオンの紳士に見せていた。エスタシオンは、そうなんですねという感じだった。

1回目 13時~

集合時間はイベント開始の20分前。だから1回目は12時40分。QBハウスの裏が集合場所。12時42分、75番。12時44分、130番。12時45分、155番。ここから5番ごとの呼び出し。12時46分、200番。ここから10番ごとの呼び出し。12時46分、250番。12時48分、350番。300番以降は50番ごとだったかな。321番で入った位置、厳しかった。あまり見えない。メンバーさんの下半身はまったく見えなかった。だから衣装の全容もつかめなかったし、ダンスを楽しむこともできなかった。おそらく今日が初披露となる『低温火傷』の衣装だった。全員がキャスケットをかぶっている。セットリスト。

『低温火傷』
“I'm So Cool!”(Berryz工房)
気高く咲き誇れ!
就活センセーション
『低温火傷』
笑って
初恋サンライズ

就活センセーション』の前に、明日19歳になる山岸理子さんがプロデュースするセグメント。5分。大縄跳びにチャレンジ。今日まで18歳なので、目標は18回。四回くらいやって、たしか数回、15回、数回、19回と最後に成功していた。終わって息が切れるメンバーたち。「トシだからきつい、もう18だから」(発言者は誰だったか…新沼希空さんだったかな)、「15でもきついよ紗栞」(小野田紗栞さん)。何で大縄跳びなんかやらせるんだという感じのメンバーたちに、朝だから身体を温めようと思って、と説明する山岸理子さん。

Berryz工房や℃-uteのクラシックがスピンされてイントロで我々がおーってなるのはつばきファクトリーのrelease partyでは恒例の光景である。“I'm So Cool!”が流れたとき、私もご多分に漏れず声を出したが、曲は知っているもののよく考えたら乗り方が分かっていない。どこで名前を叫ぶとか。私はBerryz工房の現場には2回くらいしか行ったことがないのである。

13時47分、本編が終了。13時50分、「お子様連れのお客様がいらっしゃいましたら別途ご案内しますので申し出てください」とアルビ兄さん。誰も申し出る気配がない。「いらっしゃらないですか?」とアルビ兄さんが念を押す。家族を持つこととは無縁な人だけが揃ったリアルな現場だと感心したが、一人だけいた。さっきまで全体が見えなかったつばきファクトリーの衣装は膝上のミニ丈だった。そういえばメンバーさんが衣装の「マント」に言及する度に言い間違えてしまわないかとヒヤヒヤしました。老婆心ですが…。

高速握手の順番は、右から小野瑞歩さん、新沼希空さん、小片リサさん、秋山眞緒さん、谷本安美さん、山岸理子さん、岸本ゆめのさん、小野田紗栞さん、浅倉樹々さん。恐ろしいくらいに言うことが思い浮かばなかった。小野瑞歩さんにさえ、何と言っていいのか分からなかった。後方からの観覧で、メンバーさんの全身やステージで行われている演目の全容すらちゃんと見えない30分を経て放り込まれる(自分から入っている)高速握手は難しい。と言うと、まるでいい位置で見られたら上手く立ち回れていたかのようだが、そういうわけでもない。私の技量不足の言い訳にすぎない。小野さんは私を見ると「久しぶり」と言ってくださった。「楽しかった」という苦し紛れの言葉をひねり出すと「私も楽しかった」と返してくださった。新沼さんは左手で私の右腕をしっかりロックしてくださった。秋山さんには「帽子似合う」と申し上げたところ「あーありがとう」的なことを返してくださった。山岸さんとは「明日(のお誕生日)おめでとう」「ありがとう」という感じだった。小野田さんには「スマイルよかった」とお伝えしたところ、思いっきり強く握ってくださった。浅倉さんは今日からパフォーマンス復帰だったので、復帰おめでとうという意味で「おめでとう」と申し上げたら頷いていた。他のメンバーさんには楽しかったですというテンプレートで済ませた。当然お返事は普通「ありがとうございます」なんだが、小野さんだけは「私も楽しかった」と言ってくれて、会話をしたような感覚を味わわせてくれる。そこが他のメンバーさんと違うところだ。

延々とループする金髪の青年がいないから高速握手列に狂気がない。14時18分、第2部は15分押しとアルビ兄さんからの通達。元の開始予定は15時。14時23分、浅倉樹々さんのサツアイ。メンバーさん退場。

『低温火傷』をリハーサルで2回(short ver.)とrelease party本編で2回聴いたが、今の私の所感としてはワックとまではいかないが平凡な曲という感じだ。路線としては『ハナモヨウ』的な感じかな。この曲をカンバンに半年間release party巡業はきついと感じてしまう。もちろんこれから育っていくのだろうが、『初恋サンライズ』や『就活センセーション』のようなパンチに欠ける。まあ私はもう42枚予約したのだが(この翌日に出た抽選結果で、2月の個別握手が1枚外れたので、この時点での正確な予約数は41枚)。衣装も私はあんまり好きじゃないし、曲のコンセプトとどうつながるのかが見えない。リハーサル衣装の方が百倍よかった。

2回目 15時15分~

アルビ兄さんの前説。新曲『低温火傷』はどうでしたか? と我々に投げかける兄さん。我々の拍手の大きさに、思っていたよりも評判がいいと喜ぶ。額面通りに受け取らないでほしい。少なくとも私の拍手は社交辞令だよ。彼の前説から、橋本慎さん主導で『低温火傷』が今回のトリプルA面のリード・シングルに設定されたことが明かされた。これまでのシングルではリード曲が後から披露されたが、今回は一発目からリード・シングルだと自信に溢れた口調で説明するアルビさん。

よう見えんかった1回目(321番)に輪をかけて番号が悪かった(391番)ので、開き直って優先エリアのいちばん後ろに陣取った。女性エリアの後ろだったのだが、これが思いのほか見やすかった。1回目よりもずっとよく見えた。周りも空いていたので、快適だった。セットリスト。

次々続々』(アンジュルム)
ハナモヨウ
『低温火傷』
笑って
独り占め
『低温火傷』
うるわしのカメリア

独り占め』の後に、プレゼンテッド・バイ・明日19歳になる山岸理子さんの枠。今回はジェスチャー・ゲーム。二つのチームに分かれて、制限時間内にどれだけ当てられるか的なやつだったと思うけど、詳細を覚えていないし、iPhoneのNotesにも残っていない。

一曲目に『次々続々』がスピンされるとヘッズはぶち上がった。この曲は強い。全体的に1回目よりもずっと盛り上がったように感じた。3回まわしのイベントだとどうしても1回目はウォーミング・アップになってしまう。今日に関してはそれだけでなく、1回目に比べてセットリストがよかったと感じた。

高速握手は右から浅倉樹々さん、山岸理子さん、小野田紗栞さん、岸本ゆめのさん、小野瑞歩さん、新沼希空さん、谷本安美さん、秋山眞緒さん、小片リサさん。思い浮かんだ言葉は1回目でほぼ出し切ってしまったので困ったが、セットリストがよかったと感じたのでそれを皆さんに伝えた。皆さん喜んだ反応をくださった。山岸さんは「えー本当?」と疑問形で返してくる感じだった。山岸さんの、手を噛み合わせる意思をまったく感じさせないゆるゆるの握手。小野さんには「セットリスト誰が考えたの?」と聞いたら首を傾げてから、彼女じゃないかなという感じで(私から見て)左の新沼さんの方を向いた。その流れで「セットリストよかったよ」と私は新沼さんにお伝えしたが、彼女は左手をお顔の前で振って「違う」とおっしゃった。私はBattenwearのフリース・ジャケットの上から小野(瑞)Tシャツを着ていたのだが、私の袖を見て小野田さんが「凄いあったかそう」とおっしゃった。フリース・ジャケットはたしかに温かいが、風を通すので上にシェルを羽織らないと十分な防寒性は発揮しない。

2回目は有名新沼支持者さんともうお一人がループされていたが、後者を見て私の近くにいた人たちがやれ腕毛だのUDGだのとざわめき立っていた。UDGといえばZEEBRAさんである。アーバリアンジム代表。それはUBG。16時20分、3回目は定刻通りに開始するとアルビ兄さんが発表。

3回目 17時30分~

2回目に比べると半分以下の番号(180番)だったが、私が入った時点で優先エリアの目ぼしい位置は埋まっていた。2回目と同様、女性エリア側のいちばん後ろで観た。

『低温火傷』
Just Try!
『低温火傷』

3回目の山岸理子さんによる企画は、制限時間内に山岸さんをどれだけ褒められるかという対決だった。最初、15秒で全員が挑戦。小片リサさんと谷本安美さんが9個で引き分け。二人による決勝戦。20秒。優勝者へのプレゼントは山岸さんに食事をおごってもらえる権利。「叙々苑かな」と谷本さんがおっしゃったのだが(高いご飯というと条件反射のように叙々苑が挙がるのが可愛いですよね)「3,000円以下で」と山岸さんが言うと「結構かぎられる…」と調子が下がった。最初の挑戦では小片リサさんがさすがのマリーシアを発揮し、身体の部位を名詞で連呼していたのだが(「目、口、鼻…」のように)が、決勝では具体的にどこがいいのか言うように山岸さんから注文がついた。谷本さんは、お尻が気持ちいい、脚がきもちいい、ほっぺが気持ちいいといった変態的なフレーズを連呼し、12個で優勝した。

エスタシオンの一人がmol53さんのような見てくれだった。高速握手は右から秋山眞緒さん、新沼希空さん、谷本安美さん、山岸理子さん、小野瑞歩さん、岸本ゆめのさん、小片リサさん、小野田紗栞さん、浅倉樹々さん。全員に「寒いけど風邪ひかないように気を付けてね」と申し上げることにした。新沼さんは「メガネおしゃれですね」とおっしゃった。山岸さんのところで少し停滞して、時間が長かった。握手ラインにてトヨタ生産方式では忌避されるよどみが生まれたのである。「コーナー面白かった」と申し上げたら「本当?」と喜んでいただき、「寒いけど風邪ひかないように気を付けてね」と申し上げたところ頷き、余った時間で私の手を両手で撫で回してくださった。小野さんは「うん。風邪ひかないように気を付けてね」と私の言葉をそのまま繰り返すように返してくださった。今日の彼女はミラーリングと呼ばれる技術を意識して用いているように思う。勉強しているのかな。小野田紗栞さんは相変わらず力強くて素晴らしい握りをくださった。谷本さんは「うん。気を付けないとね」とおっしゃった。

最後のサツアイで小野瑞歩さんは、「一年前の今日は“Just Try!”の初披露だった。一年がたつのは早い。みなさんが支えてくださるおかげで続けられている。これから気持ちをパフォーマンスで返していけるようにしていきたい」という旨のことをおっしゃった。最後のパフォーマンスで返していけるようにのくだりは宮本佳林さんのサンプリングだよね。この間、武道館で観たJuice=Juiceのコンサートで宮本さんの言葉に影響を受けたのかな。

帰りは西川口に寄って、「王府景」という店に初めて入った。イカの香港漁師風炒め800円。ラム串120円を2本。饅頭串100円を1本。ラムと饅頭が激ウマ。あと豚マメ1本。アサヒスーパードライ中瓶。これで計1,770円なんでね、最高ですよね。Release partyは半日は楽しませてくれるし、仮に円盤なしで純粋にイベント+握手代と考えても納得できる。そりゃ各部に何枚も突っ込めばコス・パは変わって来るが、1枚ずつであれば値段的に文句を付ける余地はない。ただし、楽ではない。私は今日、朝9時19分頃に会場に着いて、19時8分にすべてが終了したんだが、完全に労働の拘束時間じゃん。3回まわしのリリ・パをすべて観覧するには朝から晩まで立ちっぱなしでも平気な足腰が必要だ。日頃からたくさん歩き、運動をして体力づくりに励むべきなのである。

2017年11月29日水曜日

Seven Squeeze! (2017-11-20)

11月11日(日)に台湾式マッサージを受けても体調は好転しなかった。平日は仕事帰りの電車で酔って気持ち悪くなってしまう(自分自身がキモくなるという意味ではない)。iPhoneや本を見るのをやめても焼け石に水。18日(土)は外にいるだけでしんどかった。困ったときの葛根湯を服用して12時間以上の睡眠を取ったが、ほとんど治らなかった。19日(日)には頭痛がひどくなった。バファリンで何とかごまかして、カラダ・ファクトリーに駆け込んだ。元々、体調がこうなる前から予約していた。武道館の前日は身体を整えるタイミングとして最良だろうと思っていたのだ。結果的にその通りになった。この体調で明日を迎えるわけにはいかなかった。症状を訴えると、先生は私の首と顔を中心に歪みを調整してコリをほぐしてくれた。

「何か、上に来るんですかね? 僕、昔は腰が痛くて、それが治ってきたら背中になって、今度は頭で…」
「よく言われるのは、いちばん悪いところがよくなってくると、二番目に問題のあるところが浮き彫りになってくるということですね。もともと腰が悪かったのがよくなって背中に来て、今度は背中がよくなってきた分がこうやって頭に集中しているんでしょう」

「おそらくですが、最大の原因は眼(の疲労)だと思います。電車に酔うのは、そこから三半規管に影響が出ているんでしょう。眼と耳と鼻はつながっていますから」

最近カラダ・ファクトリーに通うようになって分かったのだが、身体の慢性的な張りやコリを治すには骨盤や骨格の歪みを調整する必要がある。単なるほぐしのマッサージだけでは一時しのぎだ。しばらくすると再発する。『なには友あれ!』(モーニング娘。)、19日(日)に受けたわずか40分の施術で問題は解消した。明らかに楽になったのである。電車に酔わない、頭痛のない、しんどさのない『新しい私になれ!』(スマイレージ)という願いは叶った。一日を楽しむのに支障をきたさない状態で月曜日を迎えることに成功した。危なかった。滑り込みセーフ。カラダ・ファクトリーのN先生が救世主。次に行ったときに心からのお礼を言いたい。

今日はグッズ販売が13時半から。当然その何時間も前から列はできる。昨年の武道館ではグッズを諦めたが、今回は日替わりを買う。今日は東京都に住むギャンブル依存症のロリコン、中島(仮名)と一緒に観る。彼と11時に新大久保駅の前で待ち合わせる。10時半頃、電車が遅れているから到着が11時18分になるという連絡が中島から入る。既に新大久保にいた私、風月堂に入る。チョコレート・ケーキとホット・コーヒーを頼む。800円。私が入った時点で他に客がいない。後から二人入ってきた。ケーキ、おいしい。Anker PowerCore 20100でiPhoneを充電する。Hunter S. Thompsonの“Songs of the Doomed”をカバンから出したが惰性でTwitterのTLを眺めていると中島が着く時間になって、結局は本を開かなかった。新大久保駅前のパチンコ屋の前で中島と落ち合う。彼は前に会ったときから髪がだいぶ伸びて椎名誠さんのようになっていた。私は中学生の頃、椎名誠さんの本が大好きで、たしか40冊くらい読んだ。ナングロ・ガル。中島はサマエボウジ1,200円。私はネパールローカル料理セット1,300円。私はいつもサマエボウジを頼んでいるので、店員さんはサマエボウジを私の前に置いた。違うと言うとびっくりして笑っていた。サマエボウジはおととい食べたばかりので、たまには違うものにしたかったのだ。

13時頃に武道館の前に着いてグッズ列じゃ「モロ最後部な奴ら」(ZEEBRA, “MR. DYNAMITE”)になった。中島という話し相手がいたし、何より中からリハーサルの音が漏れてきたので待つのは苦ではなかった。いわゆるネタばれではあるが、そもそもJuice=Juiceは持ち歌の数が限られているのでセットリストに驚きが介在する余地はほとんどない。『イジワルしないで抱きしめてよ』、“Fiesta! Fiesta!”、“CHOICE & CHANCE”、『地団駄ダンス』、『愛・愛・傘』、『東京グライダー』、『背伸び』、Ça va ? Ça va ?等が聞こえてきた。『地団駄ダンス』が漏れてきたときは嬉しかった。言ってみればイロモノの曲なので、一定の期間が終わればコンサートでやらなくなっても不思議ではなかったからだ。℃-uteの“The Power”も聞こえてきたときは、つばきファクトリーが前座のリハーサルをしているんだと思った。売り場に近づく。START POINTに雇われている案内係たちは不慣れなようで、勝手が分かっていない。窓口によって売っているものが違うようだ。売り場の手前にいた男の係員に日替わり写真はどこで買えばいいのかを聞いたらあたふたし始めた。不憫だったので「分からなかったらいいです」と言ったらすみませんと謝ってきた。その先にいた女の係員が「グッズによって列が分かれています」と言ってきたので「どう分かれているんですか?」と聞いたら答えられず、目が泳いでいた。彼女は私が窓口に並んでいると「そこはグッズ列に並ばないと行けません」と言ってきた。「並んでここに来たんです」と返した。13時から3時間近く並んでいたんだよと語気を荒げそうになったが、怒りを抑えた。労働者が労働者を責めてどうする。

「こういう派遣の人たちは歯の欠損率が高いんですよね」
「あー、何かそういう記事を読んだことがある。お金がなくて歯医者に行けないとか」

「みんな派遣なのかな? いつもいるリーダー的な人もいてね、そういう人たちはよく分かってるんだ。彼らも正社員じゃないのかな?」
「いやあ、正社員にはしないでしょう」

15時40分くらいに購入を終えた。DVD MAGAZINEのVOL.14と15。宮崎由加さん、宮本佳林さん、高木紗友希さんの日替わり写真。コレクション生写真3枚。その時点で日替わりの売り切れはなかった。コレクション生写真の内訳は梁川奈々美さん、金澤朋子さん、植村あかりさんだった。当然のように宮崎由加さんは当たらない。写真をアルバムに収め、中島と神保町方面に歩いた。17時までランチをやっている中華料理店に入ると、店主らしき紳士に何で来たんだというような顔で出迎えられた。メニューの品切れが多く、二つの料理を組み合わせられるコースも選択肢が炭水化物×炭水化物しかない。『炭水化物が人類を滅ぼす』(光文社新書)のである。話にならない。店を変えることに決めた。「また今度にします」と言うと、店主はそうだろう、むしろその方がこっちも助かるという顔で気持ちよく送り出してくれた。二度と来ないだろう。そこから10分ほど歩いた中華料理店に入った。あんまりおいしくなかった。ニラ玉は、自炊といえば納豆ご飯くらいしか作らない私でも作れそうなレベルだった。フェイクな飲食店。フェイクな町。池袋とは大違いだ。

17時半くらいに武道館の中に入った。A8ブロックの一番うしろだった。これはどうでもいいことだが、私は高校のときのクラスがA8組だった。A7ブロックを挟んでサブ・ステージがある。なかなか見やすそうである。前座はつばきファクトリー。彼女たちが今日のステージに立つのは朝の風月堂で知った。迂闊だった。事前に知っていれば小野(瑞)Tシャツを持ってきていた。周りを観るとちらほらつばきファクトリー構成員の名字が印刷されたTシャツを着ている人がいる。つばきファクトリーの衣装は『ハナモヨウ』。各人の自己紹介の後、就活グリーティングとサンライズ・ジャンプを一緒にやってくださいという岸本ゆめのさんの前振りで『就活センセーション』と『初恋サンライズ』が披露された。ヘルニアを抱える浅倉樹々さんは欠場。曲は盛り上がり、いい雰囲気だった。℃-uteのさいたまスーパーアリーナ公演の前座の、どこか冷めた感じとはだいぶ違った。Hello! Projectメンバーズがいつも座るエリアには、たしか二列目のこちらから見て右から三番目に牧野真莉愛さんがいらっしゃった。姿勢よく、微動だにせず、一人ポツンと真顔でお座りになっているお姿に気品を感じた。牧野さんの右上、二列後ろだったか、にはこちらから見て左から井上玲音さん、浜浦彩乃さん、広瀬彩海さんがじゃれ合っていた。浜浦さんは顔の大半をマスクで隠しているのに一目で判別できた。あとはHello! Project研修生。前田こころさんと西田汐里さんといった、『僕たち可憐な少年合唱団』で見た人たちもいた。開演の直前くらいにアンジュルムがゾロゾロ入ってきた。

コンサートが始まると、Juice=Juiceはサブ・ステージから登場した。一定数の観客はすぐには気付かず、メイン・ステージの方を眺めていた。全身白の衣装で、“Wonderful World”。これは2016年11月7日(月)の武道館公演の最後の数分間の再現のようだった。あの時間の続きのような感覚を覚えた。この曲といえば、観客の合唱である。はじめから我々に声を出させてぶち上げていく作戦かと思ったが、今回は合唱部分はなかった。他の違いとしては、歌詞が英語ヴァージョンだった。この曲における英語の発声は、金澤朋子さんが一番いい。この曲が終わると昨年の余韻を振り切るかのように衣装を変える。外側の衣装を下→上という二段階で脱いで、中には上下に分かれたお腹を出す衣装。Beyond the Beyondツアーの衣装と同じ方式であった。今回はさらにその状態から上にヒラヒラした布を羽織ったり、別の衣装に着替えたりしてくれた。武道館公演ではさすがにライブハウス(和製英語)公演よりも衣装が多く、目で大いに楽しませてくれた。海外公演の思い出映像を流してから“Ça va ? Ça va ?”で出てきたときの衣装は手が込んでいて、思わず双眼鏡で凝視した。黄色と黒のチェックのような模様が織り交ぜられていたのだが、もしかしてボルシア・ドルトムントのチーム・カラーを取り入れたのか?と思った。ドルトムントはワールド・ツアーの開催地の一つだったので。おそらくそういうわけじゃないだろうけど。全体を通してお腹を出してくれる時間帯が長かったのは嬉しかった。

Juice=Juiceがサブ・ステージに来たときと、ステージの右端(上手)の2階客席近くに来たときは近さを感じられた。そこからさらに双眼鏡で見ると大迫力だった。私の位置からはJuice=Juiceを左から、後ろから、前からとさまざまな角度から堪能することができた。去年はあえて双眼鏡を持参せず、ひたすらヴァイブスをぶち上げることに専念した。今日は要所では双眼鏡を使い、声を出すところではしっかり出す、バランスの取れた鑑賞スタイルを採った。私の左が空席だったので場所を0.5席分くらい広く使えて快適だった。去年に比べて今日の方が、Juice=Juiceも我々も地に足が着いた公演だった。経験者の五人(宮崎由加さん、宮本佳林さん、高木紗友希さん、植村あかりさん)の落着きが、主役として武道館に立つのが初めての二人(段原瑠々さんと梁川奈々美さん)の緊張をうまく包み込んでいたように思う。2016年11月7日(月)はひたすら感情の高ぶる公演だった。私はあのコンサートのソロ・アングルDVD(ファンクラブ会員向けに販売された、各メンバーだけを追いかけたDVD)の宮崎由加さんヴァージョンを所持している。このブツを再生すると始まった直後から彼女が涙ぐんでいるのが分かる。今日は終盤に段原瑠々さんが感極まっていたのを除けば、メンバーが涙を流す場面はほぼなかったはずである。昨年の武道館はMISSION 220というストーリーの締めくくりだった。その分、忘れられない、感動的な時間になった。一方で、時間がたってから動画で観たときに完成度が高いと感じるのは今日のコンサートだったと思う。Blu-rayで観るのが楽しみである。

よくも悪くも、ではなく、よい意味で「普通の」コンサートだった。もちろんクオリティが標準的だったとか、凡庸だったという意味ではない。今回はアンコールが一度で終わったが、これは盛り上がりの不足というより、むしろ「普通に完璧なコンサート」であったことの証左と受け止めるべきである。アンコールは重ねればいいってもんじゃない。今日のアンコールは、はじめは「ゆかにゃ、ゆかにゃ、朋子、朋子…」と年齢順にメンバーの名前を形式で沸き起こったが、浸透せずグダグダになった。武道館のような大きな会場でやるには難易度が高すぎた。結局、会場を支配したチャントはいつもの「ジュース! もう一杯!」だった。そのアンコールのチャントのせめぎ合いに、最後のサツアイで触れる宮本佳林さん。ファンの思いを感じ取り、泣いてしまったという。宮本さん曰く、次に武道館で公演をする機会があれば、年齢順に名前を呼んでほしい。やなみん(梁川さん)はカントリー・ガールズでのキャリアがあるので、最後はるるちゃんにしてほしい(我々のチャントは「るるちゃん」だが宮本さんは「るーる」と言っていた)。

アンコールといえば、「ジュース! もう一杯!」のチャントに合わせて小野瑞歩さんと秋山眞緒さんが身体を交互に寄せ合っていた(ジュース!で小野さんが秋山さんに寄って身体をぶつけ、もう一杯!で秋山さんが小野さん側に傾くという風に)。小野瑞歩さんはグレーのスウェットシャツ(最近よくリリース・パーティのリハーサルで着ているやつ)に青系の膝上丈スカート。たしかこっちから見て左に小野さん、右に秋山さんがいた。

前述したように、Juice=Juiceのコンサートでセットリストに驚くことはほとんどない。唯一“The Power”のイントロが流れてきたは観客がどよめいた。私もつばきファクトリーの前座用の曲だと思っていたので、おーって声を出してしまった。久しぶりなのに、乗り方を身体が覚えている。昔取った杵柄。自分は元Team ℃-uteなんだというのをつくづく実感する。過去のクラシックがスピンされてヘッズが活気づくのはつばきファクトリーのリリース・パーティでよくある光景である。なくなったグループの曲を、現存グループがこうやって歌い繋いでいくのは素晴らしいことだ。現行のサウンド・プロデュース体制がまともにアルバムも制作できない人たち(橋本慎さん)である以上、過去の資産を大切にする重要性はますます高まっているのである。11月11日(土)のBeyond the Beyondツアー大分公演で新曲『東京グライダー』と“Never Never Surrender”が初披露された。アプカミに公開された。私は予習しないで武道館に臨むつもりだった(曲の第一印象を現場で得るというのも、それはそれで贅沢な体験である)が、段原瑠々さんが何度も観ておくようにとブログで要求していたので従った。何回か観た感触では『東京グライダー』が好きだった。開演前に中島は、この曲が東京女子流っぽいと言っていた。曲が始まると武道館のモニターに作詞・作曲・編曲の名前が出てきたのだが、編曲は松井寛さんという方だった。私は知らなかったのだが東京女子流の音楽に深く関わっている方らしい。コンサート後に中島から薦めてもらった東京女子流のアルバム“Limited Addiction”を聴いたらとても気に入った。これを書いているのは11月29日(水)だが、25日(土)から毎日一回は聴いている。グルーヴィーで、ソウルがあって、まさに私の好みにドンピシャではまる。その音の世界が単発のシングルやトリプルA面(今のHello! Projectの得意技)ではなく、フル・アルバムの長さに閉じ込められている。今のHello! Projectでは成しえない仕事である。自分の好みにピッタリ合致する作品に出会えたことを喜ぶとともに、Hello! Projectの現状が悔しくなった。橋本慎さんと松井寛さんをトレードしてほしい。Juice=Juiceに“Limited Addiction”をカヴァーしてほしい。彼女たちが歌ったらどう聞こえるのだろうかと想像しながら聴いてしまう。

私はHello! Projectがアルバムという単位で音をプロデュースできないことに対する不満を強く抱いている。ただ、曲単体で見ると良質なシットはそれなりにドロップされている。児玉雨子さん、CMJKさん、中島卓偉さんといった才能がHello! Projectの楽曲に関わるようになったのはポスト・つんく時代の明るい部分である(CMJKさんは最近は出てこないが…)。橋本慎さんの功績として認めるべきであろう。最近のJuice=Juiceだと『この世界は捨てたもんじゃない』が私はとても好きで、公演で聴けないと物足りない身体になりつつある。今日のコンサートでやってくれたのは嬉しかった。“Magic of Love”の大団円で、声を出し切った直後に『この世界は捨てたもんじゃない』が始まったのにはびっくりした。当然のように息を切らさずきれいに歌いきるJuice=Juice。(“Magic of Love”といえば、我々の「ここだよ朋子!」チャントは完全に浸透しているとアリーナの最前線からは感じられた。相当な音量になったのではないだろうか?)

Juice=Juiceらしい、トークはほどほどの、楽曲の波状攻撃だった。トークでいちばん私が笑ったのが、加入当初は先輩が恐かったという段原瑠々さんに「誰がいちばん恐かった?」と高木紗友希さんが聞いて、「やっぱり…金澤さん」と段原さんが答えた場面。え?私?という金澤朋子さんの顔がモニターに大写しになる。(この金澤さんを映すところはバッチリだったが、その他の場面では映像の切り替えタイミングがうまくいっていないことが多い印象を受けた。)「だよねー、普通に考えて」と追い討ちをかける植村あかりさん。最もしんみりしたのが、新メンバーが入るかもしれないと聞かされた際、最初はイヤだったと金澤朋子さんが吐露した場面。素直な言葉は人の心に響く。実際に梁川さん・段原さんと対面してからはすぐに考えが変わったと続ける金澤さん。

『Goal~明日はあっちだよ~』でタオルを振り回すようにJuice=Juiceは要求してきた。この曲ってタオルを使うのが通例になっていたっけ? 恥ずかしながら把握していなかった。ペンライトで代用した(代用できていない)。タオルね…。たしかに一体感は演出できるし絵としては爽快だが、湘南乃風じみたことはやらなくてもいい。

グループの増員に伴って中島卓偉さんが書き直した“GIRLS BE AMBITIOUS”の新リリックはちょっとやっつけに感じた。内容的に、今ははまるかもしれないが、賞味期限が長くなさそうな印象。半年に一度くらい更新していくのであれば理解ができる。

私の前列に、スティンキーな(2012年8月11日に秩父・両神山で11時間の登山を終えた私のような臭いの)紳士がいた。常にそのスメルと対峙しながらの鑑賞となった。でも、昨晩に受けた整体のおかげで体調がよかったし、クリアな頭で、集中してコンサートを楽しむことができた。幸せな時間であった。今日は金澤朋子さんから嬉しい知らせがあった。来年のJuice=Juiceは全国のライブハウス(和製英語)での公演を続けていくのに加えて、4月28日の静岡を皮切りにホール会場を回るツアーを開催する。私はエグゼクティブ会員の限定特別シートで広島に応募し、当選した。あとは静岡と中野に申し込んだ。

2017年11月24日金曜日

僕たち可憐な少年合唱団 (2017-11-11)

体調がよくない。といっても熱があるとか咳が出るとかそういう分かりやすい症状がない。目覚めが悪い。日中も微妙にしんどい。帰りの電車ではほぼ必ず寝てしまう。夏にもこういう時期はあった。ここ何ヶ月かは平気だったのだが、再発している。こういう具合のときは早起きして会社に行って朝から夜まで最低限のことをこなして帰るというルーティンに耐えるのが精一杯だ。その平日の流れを断ち切れなかった。疲労感を引きずったまま目覚めた土曜日。真野恵里菜さんの名盤“More Friends Over”を久しぶりに聴きながら埼玉から東京へと向かった。新大久保「ナングロ」でサマエボウジを食った。池袋「フラミンゴ」でコーヒーフロートを飲んだ。ポメラDM100を開いてブログを書こうとした。思うように進まなかった。

今日も先週に続き池袋で演劇女子部。15時からの♭公演と18時半からの♯公演。先週も今日も全部A列だったが、実際に座ってみた感触としてはA列よりもB列の方がよかったと思う。というのが、A列の前に段差なしで3列追加されているので。B列はそこから一段上なんだ。とはいっても、私の前にはいい具合に空席が二、三個あって(あんな良席をもったいない…)視界がよく、ストレスなく、間近で舞台を堪能することができた。A列の中央ブロックだけなぜか椅子にクッションが置かれていた。そのおかげもあってケツの痛さで集中を切らすということもなかった。ただ、自分の調子が整っていなかった。残念なことに、15時の♭公演では途中で少し寝てしまった。18時半の♯公演では何とか回復し、起きたまま観ることができた。(そのかわり隣の紳士が居眠りをしていた。親近感を覚えた。)私が何かの公演中に寝るということは基本的にない。普段からちゃんと寝ているし、週末に影響が出るほど平日の仕事で無理もしない。最近ではほとんど残業すらしていない。記憶にある限り、私が寝た最後の現場は2012年12月31日から2013年1月1日にかけて行われた坂本真綾さんの年越しコンサートである。あのときに関しては時間が遅かったからしょうがない。寝てる時間だから。

♭公演は、♯公演と内容が違うのではないかと私は予想していた。♭チームの四人は、先に私が観ていた♯公演ではヒールだった。コンテスト優勝を目指すHグループの四人から自信を奪おうとしてくる、Aグループの四人であった。そのAグループの視点から、♯公演とは同じ期間を描きながらも別の視点からのストーリーが展開されるのではないかと思っていた。視点を変えれば実は彼女らにも感情移入すべき事情があって、それが描かれるのではないかと思っていた。実際に観てみると、内容は同じだった。もちろん細かい部分は違ったけれど(たとえばHグループを嘲笑した後の、Aグループ全員の声を揃えての笑い方)、役も台詞も歌も一緒だった。

このミュージカルの最終公演は観客のアンケート投票でどちらのチームになるかが決められる。私は三回とも、♯に投票した。先週は片方しか観ていなかったので判断のしようがなく、困ったが、♯にチェックを付けた。

というところまで、11月19日(日)に、バファリンでもサファリン(sufffering)を抑えきれない頭痛を堪えながら書いた。限界が来て筆を置いた(ポメラを閉じた)。以降は11月23日(木・祝)と11月24日(金)に万全の体調で書いている。

♭チームの公演を実際に観て、♯チームの方が全般的に完成度が高いと感じた。もちろんアイドルを比較してどっちの方がよかったとか悪かったとかを語るのは野暮である。エンターテインメントはスポーツとは違う。『みんなちがって、みんないい。』んだし、成長の余地を楽しむのもアイドル鑑賞の醍醐味である。でも、このミュージカルに関してはある程度、優劣という観点から比較せざるを得ない。最後の公演をどちらのチームが務めるかを観客の投票で決めるということ自体がそれを促しているわけで。考えてみるとこの投票制度は合唱コンクールで優勝を目指すという劇の設定にリアリティを持たせるための仕掛けなのかもしれない。劇の中でAグループとHグループが争っているのと同じように、リアル・ライフでも♯組と♭組が最終公演の主演を巡って争っているというね。先週の投票を仮にやり直せたとしても結果は変わらない。

私がこのミュージカルを観たのは♯2回、♭1回である。ファンクラブ先行で申し込んだ時点では、どちらの公演に誰が出るかは分からなかった。そもそもHello! Project研修生が出演するというだけで、具体的に誰が出るのかすら明らかにされていなかった。それでいい。ホンモノは「演劇女子部」「Hello! Project研修生」という情報だけで申し込むのである。出演者の割り振りが発表されると、♭を二回にしたかったと思った。なぜなら♯組には私が注目する研修生は特におらず、一方の♭組には研修生発表会を観て気になっていた金津美月さんがいたからである。でも実際に観て、♯公演が二回でよかったと思った。

私にそう思わせたのは、西田汐里さんと島倉りかさん。このお二人は私に強い印象を与えた。西田汐里さんは本当に声が魅力的。声量も安定していて、彼女の歌声には場を引き込む力がある。彼女が一人で歌うとそこは西田汐里ワールドになる感じがした。島倉りかさんは、ヴァイブスが抜きん出ていた。ステージにいるだけで、この子はちょっと違うんだなというスペシャル感があった。演技も役に入り込んでやりきっていた。今日はポスト・パフォーマンス・トークがあった。新たな面を発見したメンバーというお題。この劇における島倉さんが普段とあまりに違って共演する研修生たちも戸惑っているというのが話題になった。堀江葵月さんは、島倉さんはいつもおっとりしていて研修生の間では山岸理子さんに似ていると言われている。けど安藤(Aグループの意地悪な生徒役)を見てびっくりしたのだという。「金津ちゃんからも『意地悪なの?』と聞かれたんですけど、違うので。そう思わないでください」と島倉さんは笑った。「演技がうまいんだね」と誰かが言うと島倉さんは反射的に「はい」と答えて、違う違うという感じで顔の前で手を振っていた。笑いが起きた。西田さんと島倉さんには今後も注目していきたい。

先週に観たときに比べて観客の温度が低いと感じた。意外だった。なぜなら公演を重ねるごとに演者も観客もこなれてきていい雰囲気が醸成されていくものと認識していたからだ。先週は開演直後に拍手が起きたが今日は昼も夜もなかった。あと、先週は笑いが起きていたところで起きなかった。もしくはごくわずかだった。かくいう私も先週の方が声を出して笑っていた。先週は終演後に私の近くで「(自分がこのミュージカルを観たのは)何回目? 覚えてねえや」「これまでの(開催された)公演を数えれば自ずと分かるだろ」という会話が交わされていた。彼らは極端にしても、何度も観る人にとっては、話の内容も、劇中の細かい笑いどころも、少し浅かったかもしれない。

20時半から池袋で90分6,000円の台湾式マッサージを受けた。この店は着替えが生臭いのと客がケチくさい(細かい値段について揉めているのが聞こえてくる)のを除けば非の打ち所がない。帰りの電車である駅に着いたところ、プラットフォームで酔っぱらいらしき紳士が三人の駅員たちの手で車椅子に乗せられて搬送されるという光景が私の眼前で繰り広げられた。

2017年11月12日日曜日

つばきファクトリー 小片リサバースデーイベント2017 (2017-11-06)

タイミングよく上司が目眩と吐き気を訴えて早退したため、誰に断ることもなく16時すぎに会社を出ることができた。向かう先は半蔵門。TOKYO FM HALL。小片リサさんのバースデー・イベント。その前に新宿。飯屋を探してさまよった結果、歌舞伎町、川香苑。麻婆豆腐(1,080円)とご飯(300円)と麦焼酎(500円)を頼んだ。間違えて芋焼酎を入れたので芋焼酎でいいかと聞かれ、戸惑いながらも了承した。会計のときにはきっちり600円(芋焼酎の値段)を取られた。だからというわけじゃないが、夜に一人で入ってサッと食って出ていく店としてはいまいちだ。川香苑は。二人以上で歓談しながら飲み食いをしないと金額分の価値がない。「ぼったくり条例 そんな法律あてにならねえ 結局最後は自分で自分守るしかねえ」(MSC、『新宿U.G.A. Remix 03'』)。地下鉄で半蔵門。駅の周辺を少し散策して気付いたが、意外と店がある。次回はこの辺で食おう。U.S.A.のトランプ大統領が来日中。東京都では駅のゴミ箱を封鎖するという最先端のテロリズム防止策が施されている。意味があるのか? TOKYO FM HALL付近にもpopo(警察官。Kendrick Lamarの曲で学んだ。日本語でいう「お巡り」のような感じだろう)がうろついている。そういや皇居が近いのか。開演が19時45分、開場が19時15分。19時すぎにTOKYO FM HALL前に着いた。うつむいて電話をさすっていると目の前に警棒を持ったpopoが現れた。『フルートベール駅で』『ストレイト・アウタ・コンプトン』といった映画を観ている私はpolice brutalityを警戒し思わず身構えたが、何もしてこなかった。

おまいつさんがたくさんいる。小片リサさんといえばこの人というあの有名な青年。ド派手な柄物に定評がある彼が今日はモノトーンでお決めになっている。その取り巻きとされる、顔付近に身体の脂肪をかき集めてきたような紳士。ハロコンの度に中野サンプラザ前でよくコレクション物のトレーダーをなさっている紳士。新沼希空さん支持者の有名な紳士。今日はスーツを着用されている。労働に従事されているのか。いつぞやの金澤朋子さんのバースデー・イベントでステージに上がってゲームに参加された、最近のハロコンでは自作らしき小野瑞歩さんのTシャツをお召しになっている紳士。入場。今日は後方の左端。勝負服なのかいつもユーズド加工でボロボロに破れたパンツをお履きになっている50代とおぼしき紳士が通りがかり、ギョッとする。なぜなら彼は公演中に帽子を脱がないからだ。でけー黒いハット。近くに来たら厄介だ。この紳士を初めてお見かけしたときはが客席に紛れ込んだのかと思った。それくらいに服装が独特の雰囲気を放っている。孤独で独り身のままファッションを変にこじらせたらああなり得るというのは私も痛いほど分かる。私もかつてはヨウジ・ヤマモトの信者だった。私はヨウジの服をほぼすべて捨てたか売ったが、信者のままだったら彼のようになっていた可能性がある。私は彼の中に、そうなっていたかもしれない自分を投影しているのである。だからこれはディスではない。ピース。結局、彼の席は前方中央付近だったから私は何を逃れた。後ろの人たちは災難である。こんなイルなヴァイブスの紳士が高速握手で流れてきても目を合わせニコッとして「帽子がお似合いですね」と咄嗟に言える小野瑞歩さんは、ワイの天使なのである。他にも、さまざまなHello! Projectメンバーさんのバースデー・イベントに顔を出しその度にメンバー・カラーの派手な服で決めてくる紳士がいた。今日はオレンジ。想像だがいつもドンキホーテのパーティ・グッズ売り場あたりで調達しているのではないだろうか。

小片リサさんは、ステージに出てきた瞬間からめっちゃ美人だった。髪の毛がツヤツヤ。薄オレンジのドレスがきれい。司会は鈴木啓太。ジャケットの中にオレンジのシャツを着ている。この方からメッセージが来ています、え、誰?というお決まりの展開。画面に映ったのは福田花音さん。私は喜び驚く気持ちが半分、苦い気持ちが半分。福田さんはTwitterを始めてから私からのプロップスをだいぶ落とした。作詞家という自己像と、我々の目に入ってくる活動とのギャップ。Hello! Projectを辞めて、約2年。片手で数えられるほどのリリック。数え切れないほどのTwitterとInstagramへの投稿。もちろん歌詞はボツ作もたくさん書いてはいるのだろう。それくらいは分かる。けどさ。地道な創作活動に耐えきれず、SNS更新でお手軽に承認欲求を満たさずにはいられない。有名人ではあり続けたい。私はそういう自己顕示欲の強さを彼女から嗅ぎ取ってしまう。それが私が「作詞家」福田花音を素直に好きになれない部分だ。彼女のリリックにケチを付けているわけではない。特に『明日やろうはバカやろう』は好きだ。Juice=Juiceの現場で盛り上がる定番曲。その福田さんから小片さんへのメッセージは、「私のことを好きと言ってくれる人がHello! Projectにいると、私がHello! Projectでやってきてよかったと思える。私のどこが好きかを人づてに聞くと、マニアック。ふくらはぎが好きとか、私と同じアクセサリーを買ったとか。ガチオタだなと。嬉しい。今度、食事、買い物、カラオケに行こう」的な内容だった。ハッピー・バースデーの歌は名前のところが「リサちゃん」だったが、福田さんがその前に「せーの」を入れないから我々のタイミングが統一できなかった。これは新沼希空さんのバースデー・イベントのときに映像で出演した石田亜佑美さんもそうだった。何年やってるんだ。映像を観ながら小片さんは何度も指を目の下にやっていた。涙が出てきたようである。ふくらはぎが好きなんだって?という鈴木さんの問いかけに、この辺なんです、と自らの脚を指さした。ふくらはぎの下部、くるぶしに近い位置だった。

つばきファクトリーのメンバーがブログに載せている写真から、あざとさランキングのトップ3を発表。診断を下すということで先生っぽく見せるためにドレスの上から白衣と黒縁メガネを着用する小片さん。こうやって変化を付けて我々を楽しませてくれるのは理解(わか)っている。3位は小片リサさんご自身。両手を握ってお顔の下に持ってきている写真。目線。目が合っているような、目の前にいる感じ。2位は小野田紗栞さん。萌え袖。口の形。「こんな口の形してるの見たことない。写真でしか見られない表情だなと」。1位は新沼希空さん。制服を着て、顔を両手で隠している。最後に自分はつばきファクトリーの中で何番目にあざといと思うかと鈴木さんから聞かれ、「7位」と答える小片さん。観客からエーイング。「え? そう?」。小片さんがあざといポーズをいくつかやって、鈴木さんがスマートフォンで撮影。「後で俺のTwitterに載せる。そうすると上がるので(たぶんRTとかふぁぼとかフォロワー数が伸びるという意味)」。

小片さんのジェスチャーをファンが野次で当てるジェスチャー・ゲームを経て、新しい特技の披露。タップ・ダンス。何でタップ・ダンスを選んだのという鈴木さんの問いかけ。Hello! Projectでできる人が今はいないのでやってみようと思ったという小片さんの答え。私は感心した。発想が戦略的というか。他の人ができないことが自分の強みになるというのをよく理解した発言である。どれくらい練習したの?という鈴木さんが聞くと、3回、1時間ずつという小片さん。3時間の練習で特技にするのかと笑う鈴木さん。タップ・シューズに履き替え、スタッフが運んできた木の板に乗ってダンスする小片さん。手拍子を促すが、みんながクラップをするとタップが聞こえなくなる。それにみんな気が付き一部の人を除き手拍子をやめた。自己採点は92点。鈴木さんによると1公演目は84点だったので上達したそうだ。無表情で淡々とやっていたので、次はもっと表情を付けてやるべきだと指摘する鈴木さん。靴を履き替えるために捌ける際にニコニコする小片さんを見て、「そうそんな感じで」と鈴木さん。小片さんが捌けている間を埋めるために鈴木さんがタップ・ダンスをやったことがある人がいるか客席に問いかける。前方の中央付近の老紳士が挙手。一ヶ月くらいやっていたそうだ。どうでしたかと鈴木さんが聞くと、3時間やったらあんなもんだろうと老紳士は答えた。

ミニ・コンサート。
1.“Moon Power”(Berryz工房)
2.『秋麗』(モーニング娘。)
3.『Don't STOP! 恋愛中』(T&Cボンバー)
4.『co・no・mi・chi』(Buono!)
5.『シューティングスター』(スマイレージ)
『Don't STOP! 恋愛中』というのが、私にとっては初めて聴く曲だった。いい曲だと思ったし、今回の5曲では最も小片さんの魅力を引き出していると感じた。声に合っているというか。ミニ・コンサートを終えた小片さんは、一人でこんなに歌うことはなかなかないと言っていた。多人数グループにあって一人の歌唱をこれだけじっくりと聴ける機会は他にない。それがバースデー・イベントの醍醐味である。この子はこういう声をしていたんだとか、こういう歌い方もできるんだ、という発見がある。最後のお見送りでは「おめでとう。衣装きれいだった」と私が言うと「あーありがとう」と小片さんは言ってくれた。コスプレ感が出る前に制服を着ておきたいというご本人の意向でお見送りの衣装はセーラー服だったが、一瞬だったし、目を見て言葉を交わすのに精一杯で、制服を凝視する余裕はなかった。そういえば書くのを忘れていたが、小片リサさんは昨日で19歳になった。

僕たち可憐な少年合唱団 (2017-11-04)

ハロプロ研修生が主演の演劇女子部『僕たち可憐な少年合唱団』を観させてもらいました。以前に行われたミュージカルの再演らしいのですが、私は元を知りません。もちろんハロプロ研修生発表会には何度か入っているので出演者の皆さんを知らないわけではないですが、特別お目当ての出演者がいるわけでもない。ですので、なぜ自分がチケットを手にして会場に足を運んだのかがよく分かりませんでした。席に着いてからふと冷静になって、奇妙な気持ちになりました。しかも今日だけじゃなくて来週も観るんですね。計3公演。アンジュルムの『夢見るテレビジョン』は1回だけなのに、なぜこっちは3回入るのか。首を傾げざるを得ません。逆じゃないでしょうか。『夢見るテレビジョン』を3回、『僕たち可憐な少年合唱団』を1回にするべきだったのでは。せめて2回ずつですよ。まあ思い返すとファンクラブ先行受付の時点ではJuice=Juiceとつばきファクトリーのスケジュールが出ていなかったので申し込みには慎重にならざるを得なかったのと、私の中でのアンジュルムの優先順位が大幅に落ちていたのが大きな要因でした。

池袋「みなと」で刺身定食1,620円をいただいてから、シアターグリーン BOX in BOX THEATERに歩きました。このミュージカルは回替わりで♯(シャープ)公演と♭(フラット)公演の二種類があります。今日、私が入ったのは15時開演の♯公演でした。来週の土曜日にも二回、観させてもらうのですが、アップフロントが私に送付したチケットは三枚ともA列でした。最前と思っていましたが、違いました。A列の前にパイプ椅子が3列設置されていました。真の最前は普通のパイプ椅子とは違う、ミニチュアのような椅子でした。ふくよかな方は収まらないかもしれません。出演するハロプロ研修生は8人。堀江葵月さん、野口胡桃さん、西田汐里さん、島倉りかさんが♯組。前田こころさん、金津美月さん、小野琴己さん、山田苺さんが♭組。彼女たちにはまだ目立つほどおまいつが付いていないのでしょう、見覚えのある人は最前付近にいませんでした。(つばきファクトリー主演の『ネガポジポジ』ではいつも例のあの人が最前にいました。)本当にステージのすぐ前まで椅子が置いてあって、前方は下北沢の小劇場(何度か行ったことがあります)的な距離感でした。そう、そこはまるでシモキタ。席を埋めていたのはキモオタ。

話の内容が分かりやすく、暴力や過激な描写もなくて、安心して観られるミュージカルでした。堀江葵月さん、野口胡桃さん、西田汐里さん、島倉りかさんは、音楽学校の級友。同じ寄宿舎に寝泊まりしています。一週間後に迫ったコンクールに向けて練習をしているのですが、チームがまとまりません。そんなとき、西田さんの中身が少年に入れ替わってしまいます。他の三人が戸惑っていると、守護天使(高橋愛さん)が現れて事の顛末を説明します。西田さんに乗り移ったのはウィーン少年合唱団の少年で、友人をかばって車にひかれて亡くなりました。彼が成仏して西田さんの身体から抜けるには、夢を叶えてあげる必要がある。それはウィーン少年合唱団のコンサートで歌うこと。実現したと思わせるためには一週間後のコンクールで優勝しなければならない。一週間という制限時間の中で、西田さんの中にいた女の子を取り戻すためにチームが一体となってコンクール優勝を目指します。西田さんに合わせるために、残りの三人も一週間は少年になりきります。もう片方のチーム(前田こころさん、金津美月さん、小野琴己さん、山田苺さん)は要所でヒールとして登場します。自信をなくさせようとしたり、チームの分断をはかろうとしてきます。物語が終盤にさしかかるにつれ、西田さん(に乗り移った少年)にとって大事なことは大きな舞台で歌うことではなく、大好きな友達と歌うことだったということが判明します。

このミュージカルの内容には、彼女たちがHello! Project研修生として置かれている現実と重なる部分があると感じました。この演劇における音楽学校をHello! Projectに置き換えると、ウィーン少年合唱団はもっと大きな動員力を持つ事務所になるでしょう。劇の中のコンクールやコンサートは、たとえば日本武道館、横浜アリーナ、さいたまスーパーアリーナといった大会場でコンサートをやることと置き換えることができます。大事なのは規模ではない、好きな仲間と好きな歌を歌うことだ、というのがこのミュージカル内で彼女たちたがたどり着くメッセージです。私としては、彼女たちには大きな会場でコンサートをやってみたいという野望を胸に抱いてほしいです。お友達と歌えればいいのであれば、そもそもデビューする必要すらないですからね。とはいえ、規模の拡大には限界がありますし、それだけを追い求めても自分を見失ってしまうかもしれない。その意味で、前述の教えは、彼女たちが今後アイドルとして活動をしていくにあたって立ち返るべき原則と言えるのかもしれません。どうやったらうまく歌が歌えるようになるのか、と聞く島倉さんに、西田さんが答える場面があります。彼女(彼)の答えは、上手く歌おうとしないこと、歌を楽しむこと、という二点でした。こういった台詞も、このミュージカルに関わった大人たちから出演したHello! Project研修生たちへのメッセージのように思えました。

私に最も強い印象を与えたのは、西田汐里さんです。開演するまでまったく注目していなかったのですが、紛れもなく本公演のMVPでした。声が魅力的で、声量にも安定感がありました。ずっと聴いていたい歌声でした。次点は、島倉りかさん。間近で見るとアイドルとしてのヴァイブスを強く感じました。演技では細かい表情の使い分けが見事でした。あまり注目していなかったこの二人に引きつけられました。この二人だけでなく、全員よかったですけどね。

研修生の他には高橋愛さんと扇けいさんが出演していました。扇けいさんは寄宿舎のシスター役でした。歌って踊る高橋愛さんを観られるというのは地味に凄いことです。何せタカハシステムという言葉を生むくらいに一時代を築いた方ですからね。容姿と技量において長い間、モーニング娘。の中心にいた人です。当時を知る身からすると、数メートル先にあの高橋愛さんがいるというのはちょっと緊張を伴う体験でした。私にとってはステージでご自身を表現する高橋さんを観るのは2011年9月29日(木)の日本武道館以来でした。

2017年11月5日日曜日

We are MORNING MUSUME。 (2017-11-03)

あまり大きな声じゃ言えないが、グラム5.6円でハイになれるブツを売ってくれる店がある。横浜駅西口。モアーズ。8階。ハングリー・タイガー。取引開始の11時にはいつも20人近くのジャンキーが上物を求めて待っている。440グラムで2,470円。この値段で、付け合わせ、パンか米、飲み物まで付いてくる。静岡にも有名なディーラーがいる。私はそっちのお世話になったことはないが、こっちが一番だと自信を持って言える。通常のサイズは220グラム。440グラムというのはダブル・ハンバーグ・ステーキ。ちょいと多すぎるくらいだが、わざわざ前後の食事を軽くしてでもダブルに挑戦する価値がある。私を横浜に呼び寄せたのは15時からパシフィコ横浜で開催されるモーニング娘。のコンサート・チケットである。でもこの公演に申し込むにあたって、このドープなレストランの存在が動機の一つであったのは間違いない。モーニング娘。のコンサートを観に来るのを口実にハングリー・タイガーに来たと言っても過言じゃないくらい、好きなのである。老人になっても、ダブルは無理にしてもここのハンバーグをおいしくいただける身体でいたいものである。

SKE48の現場に通うイルなブラザー(東京都に住むギャンブル依存症の無職・中島)も、スター・ダストからHello! Projectに流れてきたイルな名古屋のブラザーも、Hello! Projectの現場をご一緒した際、異文化体験だったと異口同音に言っていた。私にとっても、モーニング娘。の現場は異文化体験だった。何せ、このグループの単独コンサートに私が参上するのは一年半ぶりなんだ。会場に着くと若えのがたくさんいるし、ぱっと見3割くらいはナオンである。同じ団体の興行なのを疑うほどにJuice=Juiceとは雰囲気が異なる。一般社会に溶け込んでいる、とまでは言えないが、会場前で開場を待つ人だかりはオタク特有の邪気をそれほど発していなかった。目の前に海が広がる爽やかな空間が認識に補正をかけている可能性はあるが、それを差し引いても客層が違う。以前、Juice=Juiceの宮本佳林さんがもっと女の子に応援してもらえるようになりたいとブログに書かれていたけど、それを叶えるにはモーニング娘。に入るのが手っ取り早いんじゃないかな、と思ってしまう。男性陣には安定感がある。「MM☆ Reina Tanaka fanclub tour in FUKU★KA 2011.11.11-13」と背中に印刷された、ボロボロに色褪せた(どんだけ着てるんだ。他に服を持っていないのか?)hoodieを着用する「ホンモノ」の紳士。皆さん服装がちょっとアレなのはいいとして、寝癖さえ直していないのは何なんだ。寝癖がつくほどの髪の毛がない人と合わせると過半数を占めるのではないか。彼らは身支度の一環として朝にシャワーを浴びないのか? どういう生活をしているんだ。

深夜からグッズ列に並んでいる人がいたという情報をTwitterで見ていた。だから半ば諦めていたが、売り場を覗いてみると意外に並んでいなかった。私がDVD MAGAZINE vol.101と牧野真莉愛さんの日替わり写真とコレクション生写真2枚をゲトるのに5分とかからなかった。販売の窓口が40くらいあった。さすが天下のモーニング娘。。13時過ぎの時点で日替わりは誰のも売り切れていなかったので、一部の人たちが深夜から並んでいたのは意味がなかったね。

何かしらCDをコジキろうと目論んでいたが、配っているオジキがいなかった。会場前のコンクリートに腰掛ける。海を眺める。思い出す。あれは2013年の6月。℃-uteのコンサートを友人二人と観に来た。そのときにもちょうどこの辺に座った。その様子は一瞬だけ『ハロー!SATOYAMAライフ』(今の“The Girls Live”の枠で放映していたテレビ番組)に映った。私の右に座っていた人物は2014年11月のJuice=Juice新潟公演を一緒に観て新幹線のプラットフォームで別れたのを最後に音信不通になった。もう二度と会わないのかもしれない。

過ごしやすいにも程がある清々しい日。しかも会場と海の間は公園になっていて。もう、野外飲酒、待ったなしですよ。いま飲まなくていつ飲むんだと。今でしょ、っていうね。と言いつつ、飲まなかったけど。この陽気と気温は6月11日を思い出すな。新潟。屋外。つばきファクトリー。

私のチケットに印字された席は20列だったが、意外と近かった。最前が10列くらいだったので、実際には10列目くらいだった。しかもど真ん中で、ゼロの位置だった。ここから目撃するモーニング娘。のショウは、壮観であった。14人いるからこその圧力、熱量。どちらが優れているという問題ではなく、7人のJuice=Juiceとはまた違う表現を見せてもらった。14人ともなると、ソロ・ラインがほぼゼロに近いメンバーもいるわけですよ。主要なソロ歌唱は小田さくらさん、譜久村聖さん、佐藤優樹さんあたりが受け持っている。彼女らの歌が骨組みのように曲を支えて、安定させている。他のメンバーたちは脇を固める存在だった。でもダンスではそういうことはなかった。歌で出番の限られるメンバーもダンスではアクロバティックな見せ場を与えられていたりして、総合的に見ると、主役と脇役という棲み分けは感じなかった。

私はモーニング娘。の中では牧野真莉愛さんがいちばん好きでね、その割に彼女がホストを務めるラジオ番組『牧野真莉愛のまりあんLOVEりんですっ』をちゃんと聴けていなかったんだ。だからこの一ヶ月で未聴だった50数回分をまとめて聴いた。この番組ではおバカな一面を見せている彼女だけど、ステージで歌って踊るとヴァイブスが違う。同じ人とは思えないくらい。まずスタイルがずば抜けている。大人数でステージに立ってもすぐに目立つ。そして、笑顔の力がひときわ強い。表情から心から楽しんでいるのが伝わってきて、こちらも笑顔になってしまう。モーニング娘。の全員にその技能が備わっているけど、牧野真莉愛さんの笑顔はひときわ強い。たとえばモーニング娘。をよく知らない人を初めてコンサートに連れてきたとして、誰が牧野さんかを理解させるのは難しくはない。一番スタイルがよくて、ニコニコ・キラキラしていた子と言えば分かるはずである。今日も開演の直後から、牧野さんすげーなって。圧倒された。主に彼女を観ざるを得なかった。

このツアーに限らないが、モーニング娘。の衣装はお腹をふんだんに見せてくれる。Juice=JuiceのBeyond the Beyondツアーくらいのを当たり前にやってくれる。これはHello! Project全体が倣うべきベスト・プラクティスである。Hello! Projectメンバーのお腹(もっと言えばおへそ。何度も書いているが、Hello! Projectはおへその国なのである。)は文化遺産であり、隠すのは文化的な損失なのである。「生み出す文化遺産 薬にたとえるなら太田胃散 心に残す壮大な資産」(ラッパ我リヤ、『七人の侍 feat.三善/善三、GINRHYME DA VIBERATER, ARK, SKIPP, PAULEY』のPAULEYバースより)。

資産といえば、モーニング娘。はセットリストの厚みが違う。2017年の新曲と、1997年に出した曲を同じコンサートで披露できるグループやアーティストはこの世にほとんど存在しないでしょう。大量のつんく曲を所持しているのがこのグループの最大の強みだ。『愛の種』(これはつんく作ではない)は20年前の同じ日(11月3日)に発売されたらしい。同曲のリメイク版がこの公演からセットリストに入った。モーニング娘。の歴史にそこまで思い入れのない私でも、畏敬の念を抱いてしまう。セットリストにクラシックを混ぜ込むことで、新曲が多少ワックであろうとも、コンサート全体では帳消しできるのだ。今日のセットリストに含まれていた『涙ッチ』『気まぐれプリンセス』は、私が初めて入ったモーニング娘。のコンサートでも聴いた曲だった。2010年春。当時のメンバーは一人も残っていない。でも曲はこうやって大切に歌い継がれている。それがモーニング娘。の偉大さである。『弩級のゴーサイン』はこの公演で披露された過去のクラシックと肩を並べるような曲ではない。年月の経過に耐えるだけのクオリティに欠ける。五年先、十年先まで歌い継がれるような曲ではない。(この曲の見所である某ムーヴ時に森戸知沙希さんのそこを見ようとしたが、ちょうど肝心な部分に最前のカメラが重なって見えなかった。)もちろん、つんくを美化しすぎる必要もない。彼も『がんばれ 日本 サッカー ファイト!』のような箸にも棒にもかからない曲を大量にドロップしている。しかし、彼が築き上げてきた膨大な曲の資産があるからこそモーニング娘。がHello! Projectの看板として持ちこたえているのもたしかである。

『私のなんにもわかっちゃない』を初めて生で聴けたのは嬉しかった。2015年(まだ鞘師里保さんがいた頃)にモーニング娘。のコンサートで初めて披露された曲だ。ハロ!ステでもコンサート映像が公開された。ファンから大評判でありながら本日に至るまで未だに円盤にもmp3にもなっていない。12月に(ようやく!!三年ぶりに!!)発売される15枚目のアルバムに収録されるらしい。聴くのが楽しみである。

尾形春水さんの丸さにビビった。鈴木香音さんの後継者を狙っているのだろうか。今ヤングタウン土曜日に出演したら明石家さんまさんから金玉呼ばわりされるのが目に見えている。その尾形さんと、飯窪春菜さん、羽賀朱音さんの三人によるトーク・セグメントはパンチが効いていて面白かった。EMOTION IN MOTIONのトーク・セグメントはつまらなかったが、今日は笑わせてもらった。今日のメンバーがよかったのかもしれないし、それだけじゃなくグループとしても上達したのかもしれない。片方の眉を上げることができるという飯窪さんが、こういう感じと実践する。「それ使うところがないですよ」と突っ込む尾形さん。「格好いい曲で使えるかなと」と構想を語る飯窪さんに、「格好いい曲では、ない」と否定する羽賀さん。「それ家で鏡の前でやってください」ととどめを刺す尾形さん。もう二度とやらない、と拗ねる飯窪さん。「私と尾形ちゃんとくどぅー(工藤遥さん)でトリプル・エーというユニットを組んでいる。諸事情により」という飯窪さん。今日からオープンしたというモーニング娘。のカフェ。各メンバーをモチーフにした飲み物がある。「トリプル・エー」は三人とも豆乳を使っているのだと話す。「あとマシュマロとか。マシュマロも効くらしいです」と尾形さん。その話に入ってこない羽賀さんを見て、「あ、何、羽賀ちゃん、わたし関係ないからみたいな顔して」と飯窪さんが言うと、「豆乳は効かない」「遺伝ですから」とバッサリ切り捨てる羽賀さん。「どうする? 何も言えない…」と話し合う飯窪さんと尾形さん。

アンコール明けのコメントで加賀楓さんが「今日は私にとってモーニング娘。として初めてのパシフィコ横浜で…」と言うと間髪入れずに「俺もー!」と元気な紳士がシャウトし、客席から失笑が漏れた場面は公演のハイライトの一つだった。メンバーが無反応というのもまたよかった。その紳士は1階の前方にいたのだが、3階からでも聞こえたらしい

泡沫サタデーナイト』の台詞部分を今日は森戸知沙希さんが担当した。「皆さん、私のこと見えてますか? 今日は横浜のあなたに言いたいことがあります。今度、私と中華街デートしよ?」だった。アンコール明けの森戸さんのコメント時に飯窪さんが「何て言ってたの? 聞こえなかった」と促し、その場でもう一度言わせた。個別握手会で森戸さんに付き合いたいと言ったら「無理」と一蹴されたという報告をTwitterで見たことがある。「中華街デートしよ」と申し出ても同じように「無理」と言われるのは確実である。このコンサートの翌日には握手会があった。おそらく何人かは無謀にも森戸さんを中華街デートに誘ったことだろう。

2017年10月29日日曜日

Beyond the Beyond (2017-10-22)

軽い気持ちで申し込み、重い腰を上げて家を出た。台風が接近している。今日の未明から明朝にかけて関東地方を通過するという予報だ。強くなっていく雨。近場で夕飯を済ませるかスーパーで食材を買ってきて、家でゆっくりインターネット、読書、Blu-rayやDVDの鑑賞でもしているべきである。でも私は持っている。山梨県の甲府CONVICTIONで18時半に始まるコンサートのチケットを。Juice=Juiceが山梨、石川、香川、和歌山、大分、佐賀の順にライブハウス(和製英語)を回るツアーの、今日が初日である。ファンクラブ先行受付で、私は山梨の2公演だけを申し込んだ。もっと観たかったのは言うまでもないが、遠い場所が多すぎる。今年は5回も遠征をしているので、宿泊を要する土地は避けたかった。費用的に。私のJALマイレージバンクには九州の往復が出来るだけのマイルがまだ残っているが、それは後に取っておきたい。甲府公演の昼公演は外れて、夜が当選した。残念だが、私がこのツアーに入るのは1回だけだ。番号は結構よかった。69番。甲府は地図で見ると近かったし、ジョルダンで検索したら日帰りで行けそうだった。申し込むときにはちゃんと見ていなかったが、交通費が片道で4,000円くらいかかる。山梨ごときに往復で8,000円も払わないといけない理不尽さ。無駄に高い交通費をかけて、台風が近づく中、わざわざ山梨まで行くのは気が進まなかった。しかもTwitterを眺めていたらある方が甲府CONVICTIONはクソ会場だと言っていた。いっそのこと延期になってくれないかとすら思ったが、当日の昼に更新されたJuice=Juiceメンバーのブログには台風のたの字も出てこない。コンサートを楽しもうという思いが伝わってきた(「たの字も」、「楽しも」で韻を踏んでいる)。

池袋の「千里香」で昼飯。定食はやっていない。焼きそばを注文した。串焼きを頼もうとしたが、5本からしか頼めないと言ってきた。ケチくさいシステムだ。普通は2本からだし、1本で頼める店もあるよ。私はもうジジイだし、5本も食えないので諦めた。ピーナッツともやしと大根のつまみが支給された(頼まなくても全員に配られるようだ)。あてがあるのに酒を飲まないのもなんなので、焼酎を追加した。焼きそばは上げ底の逆で、見た目よりもたくさん入っていた。味はパンチが足りなかった。山手線で新宿。中央線プラットフォームの発券機で甲府行きの自由席特急券を買う。1,340円。指定席でもよかったのだが、ここでは指定券が買えなさそうだった。自由席で座れたし、最後まで隣に乗客は来なかった。甲府で2両編成の身延線に乗り換える。15時すぎに南甲府駅に着いた。この駅は、というか身延線では、ICカードが使えない。駅員さんに申し出る必要がある。「池袋からパスモで来たんですけど…」という自分の口から発せられた言葉を聞いて、何で池袋から南甲府に来たんだという疑問が拭えなかった。運賃を現金で支払った。「ICカード処理連絡票」というのを渡された。ICカードが使える駅でこれを見せて、パスモの処理をしてもらってくれ、一番近いのは甲府駅だ、とのこと。とても感じのいい紳士だった。

雨は降っているが、風は普通。問題なく傘が差せる。昼公演(15時開演)の最中なのもあって、甲府CONVICTION前の物販には誰も並んでいなかった。係の女性はスチロール容器に入ったほうとうのような麺を食らっていた。私が現れると、面食らっていた。「すみませんね、食事中に」と私が愛想を振りまくと、彼女は特に返事もせず淡々と私の注文をさばいた。いや、別にそれでいいんだけど。宮崎由加さん、宮本佳林さん、高木紗友希さんの日替わり写真と、コレクション生写真を4枚買った。日替わりは誰のも売り切れていなかった。15時26分。近くのオギノというスーパーマーケットに入った。中の書店に併設されている喫茶店でアイス・コーヒーを飲んだ。コレクション生写真を開けた。宮本佳林さん、高木紗友希さん、段原瑠々さん、梁川奈々美さんだった。当然のように宮崎由加さんはいない。コレクションものを買って自分の一推しのが当たるのは稀である。18時開場、18時半開演で、終わったらまっすぐに帰らないといけないので、夕飯は事前に食べることにした。17時すぎに会場のすぐ横にある喫茶店あさげに入って、ハンバーグ定食を頼んだ。子供の頃に好きだったハンバーグの味だった。後から入ってきたオタクさんご一行が店内を見渡して「ここはオタが一人もいないな」と言っていた(近くにマクドナルドがあって、おそらく皆さんそちらに行かれている)ので、私がオタクではないことが証明された。いい歳をした大人が、(マクドナルドならまだしも)静かな個人経営の喫茶店で「佳林ちゃんが…」「あーりーが…」などと盛り上がっているのは同類ながらキモかったし、ヒヤヒヤした。公共の場ではアイドルさんのことを名字にさん付けで言及するべきである。あたかも職場の同僚の話でもするかのように。

甲府CONVICTIONは入場前に500円で荷物を預けられる。これが出来る会場は少ない。助かる。傘と宮崎Tシャツを手に持って、チケットとお金をポケットに入れて、カバンを預ける。傘は建物に入るところにあった傘立てに差した。盗まれるかもしれないと思ったが、そのときはそのときだと腹を括った。69番でどれくらいの位置を取れるのか楽しみだったが、入ってみると既に感覚的に半分くらい埋まっていた。これはキツい会場だ。左が女性エリア。右端に行っても大勢は変わらなさそうだったので、真ん中ら辺に立った。(最前の右側に三大迷惑マサイで有名な紳士がいることに後から気が付いた。右に行かなくてよかった。)私の後に入ってきた人たちが、70番台でこれかよ…と落胆していた。近くの人たちが前方にいる180センチ超の紳士に視線を向けて「あの壁がなければ…」と言っていた。背が高いだけで迷惑がられるのは不憫だが、ライブハウス(和製英語)では前にいる人の身長が見え方に大きく影響するのは事実。ライブハウス(和製英語)はとにかく他の観客との距離が近すぎるのである。後ろの人たちが視界の悪さを嘆きつつも「俺から見えなくてもメンバーから見えればいいや」と発言なさっていた。真ん中はメンバーの視線が来ますからねと彼の仲間が言っていた。

コンサートが始まってから気が付いたが、私が立った位置は「真ん中ら辺」どころではなかった。まんまんなかであった。ゼロの位置だった。こんなドセンターでコンサートを観たのは初めと言っていい。4月1日、福岡の夜公演でも真ん中だったが、あのときは酒を入れすぎていたし、あまりの尿意でそれどころではなかった。中央付近はいつも人が密集しているので、私は普段そこを避けて横(通常は女性エリアが左なので、右)に流れる。今日はどういうわけか混み方が均等だった。しかもコンサートが進んでいくにつれ前の人たちが微妙にずれたことでいい具合に視界が開けた。メンバーがゼロの位置に来たとき、何と足元まで見えた。靴紐が見えた。私とステージとの間に5列くらいあったにも関わらず、である。私は旧約聖書の十戒で海が割れる場面を思い出した。

観る位置によって見え方は変わるというのを理屈では分かっていたが、ここまで異なるのかと驚いた。それくらいにゼロの位置は特別だった。宮本佳林さんの格(cockではない)の違い。公演を通して、ほとんど宮本佳林さんしか目に入らなかった。宮本佳林さんが凄すぎて凄すぎて、それを目の当たりにできるのが幸せすぎて、涙が出てくるのではないかと思った。結局、泣きはせんかったけど、その二歩くらい手前まではいった。圧倒的な自然の美しさに触れたときの、こんなものがこの世に存在しているのかという、あの感覚。トルコで目にした、カッパドキアの大地。インドのマハーバリプラムで目にした、クリシュナのバターボール。甲府CONVICTION、ゼロの位置から目にした、Juice=Juiceの宮本佳林。宮本佳林さんの一挙一動を観ることと歌声を聴くことに集中しすぎて、あんまいオイオイとかフーとか言えなくなった。ゼロの位置から観る宮本佳林さんは、この人だけを見ていればいいという存在だった。私がJuice=Juiceで一番に推しているのは宮崎由加さんであるにも関わらず、公演中の8割以上は宮本佳林さんを観ていた。ダンスにおけるしなやかな身のこなし。曲の展開によって使い分ける細かい表情の変化。それだけでなく、髪の毛の動きや、頭を振ることで変化する前髪までをも表現の道具にしているように見えた。歌を届けるとか、ダンスを見せるとかという技術的な階層を超越して、全身で、宮本佳林という存在そのもので表現している。パフォーマーとして抜きん出ている。

金澤朋子さんのファンでペンライトを紫に光らせてくれた人がいた(最前にいた三大迷惑マサイで有名な紳士のことかもしれない)、と宮本佳林さん。そういうファンを「浮気者」と称しつつ、「他の子のファンが浮気したくなっちゃうくらい、魅力的な女の子になりたい」と続けた。

最後のコメントで「私は皆さんの足が心配ですよ」と我々を気遣う宮本佳林さん。観客から、関西は帰れないという声。唖然とするJuice=Juice。事態を理解していなさそうな植村あかりさんが隣(我々から観て右)の梁川奈々美さんに聞いて、梁川さんが答えていた。私の想像だが、「帰れないってどういうこと?」「台風で電車が止まって…」というようなやり取りをしていたのではないか。そこで宮本佳林さんが発した言葉が、「帰ることよりも、家で寝ることよりも、私たちに会いに来ることを優先してくれるJuice=Juiceファミリーの皆さんが大好きです」だった。ここに来てよかったと私は思った。打ちのめされた。このツアーを、最低でも14公演は観たかった。

その他
・セットリストが最高だったNEXT ONEツアー以来に、『この世界は捨てたもんじゃない』『銀色のテレパシー』の両方を聴けて嬉しかった。(『この世界は捨てたもんじゃない』はSeven Horizonツアーでもやっていた。二曲とも聴けたのはNEXT ONE以来。)これらの曲や、まだ私が聴いたことがないハバグッダイ的な題の曲を網羅したセカンド・アルバムを早くリリースしてほしい。
・『続いていくSTORY』は昨年11月の武道館ぶりだったんじゃないかな。来月の武道館まで取っておくのかと思っていた。
・このツアーは衣装が至高だ。初めはど派手な、複数柄の組み合わせ。第二形態はそこから下を脱いで、第三形態で上を脱ぐ。ステージ上で脱ぐのがいい。脱ぎ方がまた我々をエクサイトさせる。中にはお腹を出した黒の上下。段原瑠々さんだけ、おへそがちらっと見える。アンコール明けでは下がそのままで、上にはアレンジしたツアーTシャツ。金澤朋子さんがえりを付けていた。高木紗友希さんはいつものようにデコルテを出していた。いつも積極的にデコルテを見せてくれてありがたい。
・段原瑠々さん+梁川奈々美さんのトーク・セグメント。どうやら回替わりで先輩メンバーが一人登場するようだ。この夜公演は宮本佳林さん。ロンドンに滞在中、段原さんが宮本さんとお揃いのパーカーを買った。同じ袋を持っていたら、梁川さんが「へー、お揃いなんだ…」と分かりやすく拗ねた。その代わりに梁川さんはパリで宮本さんとお揃いのリップを購入した。これからも他のメンバーともお揃いの物を買って、絆を深めていきたいという梁川さん。
・段原さん+梁川さんのトークに合流するや否や「その前に金澤朋子!」と金澤さんを呼び出す宮本さん。その前の曲中で金澤さんが水を蹴ってステージにこぼしたらしい。滑りそうになったと興奮気味に苦情をまくし立てる宮本さん。平謝りの金澤さん。「甲府CONVICTIONのスタッフさんに謝れ!」と宮本さん。本当にすみませんと頭を下げて、しゃがんで水を拭いてから捌ける金澤さん。
・“Magic of Love”でお馴染みとなった「ここだよ朋子!」の直前に「せーの」という掛け声を大勢の人が叫んでいて、それ自体が一つの集合的なチャントのようになっていた。「ここだよ朋子!」の音量に驚くようなおどけた顔の植村あかりさん、嬉しそうな金澤朋子さん。
・段原瑠々さんが歌い終える度に漏らす息。マイケル・ジャクソン的な。個性として残してほしい。
・「いちばん前の人は分かったかもしれないけど」、と脚にあざが出来たことを話す高木紗友希さん。コタツのテーブルを設置する際に出来たという。「今は痛くないので心配しないで」
・梁川奈々美さんは今日の髪型を宮崎由加さんに作ってもらった。昼はポニー・テール。夜は横に流したテール。
・梁川奈々美さんの歌にはまだまだ向上の余地がある。まだJuice=Juiceの水準ではない。
・“Fiesta! Fiesta!”のフックを歌う人がちらほらいたので、私もそれに乗っかった。ハロ!ステかアプカミか、どっちかは忘れたがインターネットで公開されたメキシコ公演における現地の観客のオマージュである。めっちゃ楽しかった。最後のコメントでそれが嬉しかったと述べた段原瑠々さん。「メキシコで皆さんが歌ってくださって…それを再現してくださったんですよね?」
・植村あかりさん曰く、髪型をハーフ・アップにしたところ“Fiesta! Fiesta!”の「情熱を解き放て」で本気で頭を振り乱すことが出来た。「いつも本気ですよ」。でもこれまでに比べて髪が広がらなくなったのでやりやすくなった。
・終演直後、近くの紳士が「やなみんがMCでカントリーのときより楽しそうにイキイキしているのを見てつらかった。ゲロ吐きそうだった」とおっしゃっていた。私は意味が分からなかったが、各人が見てきたものによってそれぞれ思うところがあるんだろうなとは思った。
・高速握手で植村あかりさんが感じのいい笑顔をくださった。植村さんは怖い時期もあったが最近はいつも感じがいい。
・会場を出ると雨は弱まっていた(傘は残っていた)。甲府駅までは問題なく行けたが、特急は運休。30分くらい待って、各駅で帰った。途中で梁川という駅に止まった。家に帰ったのは日付が変わって0時22分。山梨県は地図で見るよりも遠かった。