2017年9月5日火曜日

Go NEXT! (2017-09-03)

この会話はフィクションであり、アイドルという存在もまたフィクションである。

1.

「岡村美波さん、犬派か猫派で言えば大型犬派なの、大型犬が怖くない=大型犬と接する機会が多かったとなり家庭が裕福でとても育ちが良さそうと推察出来るし、人さらいは犬派か猫派かで大型犬派かを質問したほうがいいぞ」
「プロの目から見て気になるのは岡村さんなの?」
「そうですね。あとは中山、土居、松永、江口の各氏が気になりました」
「その人選は、年齢の低い順のトップ5とほぼ同じだね(※1)」
「バイブスの至らなさ(※2)が露になってますね…」
「幸盛(※3)な時間になるといいね。日曜日だけど、席が後方(※4)だから双眼鏡があったら持ってきたほうがいいよ」
「わかりました、持参します。後方の席なら、だれの目に憚ることなく、視認出来るので良いですね」

※1 2017年9月現在、ハロプロ研修生を生年月日の遅い順に並べると上位7名は以下の通りである:

1.橋迫鈴:2005年10月6日
2.中山夏月姫:2005年7月20日
3.山田苺:2005年7月15日
4.松永里愛:2005年7月7日
5.清野桃々姫:2004年12月22日
6.岡村美波:2004年10月20日
7.土居麗菜:2004年9月1日
出典 http://www.helloproject.com/helloprokenshusei/profile/

※2 SuchmosのYONCEメンバーが自身のInstagramで「バイブスの至らない部分もあったり」という表現をした。
https://instagrammernews.com/detail/1591070891377587891

※3 以下のインタビューでSuchmosのYONCE氏が提案した年号である。
https://www.cinra.net/interview/201701-suchmos?page=4

※4 昼公演(15時開演)はこの会話における「プロ」が20列でそうでない方が7列、夜公演(18時開演)は23列で連番

2.

「Zepp Tokyoに行けばいいですか?」
「TOYOTAのショー・ルームがある建物の2階にカフェがあるので、そこに来てもらえるかな?」

「10時半頃から会場近くにいたんですか?」
「グッズの販売がね、10時半だったから。10時45分くらいから並んで、一時間くらいかかった」
「変な場所ですよね。初めて来ました」
「うん。飲食店もなさそう」
「横の建物は商業施設なんですか?」
「そう。さっきちょっと入ったけど、洋服屋さんがたくさんあった。あとはフードコードもあったんだけど、どれも千円くらいするし、まずそうだし、席も空いてなかった」

「○○さんは岡村美波さんが気になるんだよね」
「そうですね。歌やダンスを見ていないんで、顔での判断になりますけど」
「彼女はね、SunRisaって言ったかな? たしかそんな名前のローカル・アイドルをやっていて、そこからHello! Projectに移ってきたみたい」
「そうなんですね、聞いたことがない」

「今日は、誰に注目するんですか?」
「そりゃ、小野瑞歩でしょ」
「ああ、そっちですか。研修生じゃないんですね」
「そうだよ。つばきファクトリーが出ていなければたぶん来ていないよ。12歳や13歳の子には関心を示さないで高校生以上を推して自分はロリコンじゃないぞっていう感じで…(※5)。小野さんはもうすぐで17歳になるからね。研修生で挙げるなら、高瀬くるみさん。あとは金津美月さんがいいかな」

※5 高校生以上を推すのはロリコンではない。中学生以下を推すのはロリコンである。

3.

「20列って、段差のいちばん前か。めっちゃいいじゃん。」
「こっちで観ます?」
「自分の席に行ってみる。ちょっと来て」
「さすがに7列目の方がいいんじゃないですか?」
「あ、こっちの方がいいわ」
「ですよね」
「うん。端っこだけど、ステージが横に広いから悪くなさそう」

「研修生のTシャツはみんな黄色なんですか?」
「そう。研修生はメンバー・カラーがないからね。今は違うんだけど、以前は黄色いTシャツに苗字が印字されたものがレッスン着だった。ファンが着ているTシャツはそれをモチーフにしている」
「公式で売ればいいのに。Tシャツは儲かりそうですよね」
「一時期は売ってたよ。でもある時期にグッズのデザインが『クール』な路線に変更されて、そういう商品が一掃された。ファンは外部の業者に注文したり、自分で作るようになった」
「前も言ってましたよね」
「あそこに岸本って書かれた黄色いTシャツを着ている人がいるじゃん。デビュー済みのメンバーを応援する場合でも、あえて黄色いTシャツを着ることで、研修生の頃から見てるんだぞって感じを出すことができる(※6)」
「めんどくさいですね…」

「研修生発表会は、観やすいと思う。比較的おとなしく観ている人が多い。あと各メンバーを何て呼ぶかが定着していないから、チャントがうるさくならない。例えば清野桃々姫さんだったら、『ももひめ』だと長い。『清野』なのか『ももちゃん』なのか、他の呼び方なのか、どうするのかが決まっていないから掛け声が揃わないんだ(※7)」
「オフィシャルで決めないんですか?」
「オフィシャルでは決めない。でも開演前に名前を叫ぶ人はいるね。有名な一岡伶奈さんのファンがいて、開演前に『いっちゃん! いっちゃん! いっちゃん!』ってひたすら叫び続けるんだ。拍手が起きる。一般社会であれをやったらキチガイだと思うんだけど、ここでは暖かく受け入れられる」
「我々でさえね、普通の人から見たらおかしいと思うんで、僕たちから見ておかしいような人は医学的に見ても疾患があるでしょうね」
「あ! いま通った。あの人だ。あとで聞けるかもしれない(※8)」

※6 よく考えたら岸本ゆめのさんはデビュー後もメンバー・カラーが黄色だった。

※7 ハロコンではほとんど誰も名前を叫んでいなかったが今日の研修生発表会では「清野」というチャントがちらほら聞こえてきた。

※8 開演前に彼は例によって「いっちゃん!」を連呼し、観客からどよめきと拍手が起きた。他には「どいどい! どいどい! どいどい! どぅい…どぅい…」という感じのシャウトを放つ、土居麗菜さんを応援する新しいキチガイが登場した。

4.

「研修生発表会を初めて観て、どうだった?」
「想像通りでした」
「双眼鏡は使った?」
「ずっと使ってましたね。あんまり興味がないときは使いませんでしたけど。こぶしファクトリーのときとか」
「年齢が高い子たちはちゃんと見ずに、年齢が低い子たちだけを双眼鏡で凝視したと」
「まあ、ちょっと大きな声では言えないですけど」
「こぶしファクトリーは当時の強い研修生を選りすぐったグループだったんだ。○○さんもその頃に見ていたらはまっていたかもしれない。浜浦さんなんか特に。今は高校生だけど、当時はもうロリコンに大人気で。彼女の人気を示しているのが『彼女になりたいっ!!!』の最後に起きた「浜ちゃんちょうだい! 浜ちゃんちょうだい!」っていうチャント。浜浦さんがいないときにもあれが発生するんだよ。もうちょっと前だとJuice=Juice。彼女たちも研修生から出来たグループなんだ」
「Juice=Juiceの人たちが一番下だった頃のハロプロ研修生は、知ってます。宮本さんとか」
「うん、宮本さんは研修生の頃から大人気だったね」
「でも僕がいちばん好きなのは吉川友さんでしたね」
「その頃はまだロリコンじゃなかったの?」
「いや、当時の吉川さんは年齢が低かったです」
「ああ、そうか」
「××さんは、双眼鏡は?」
「使ったよ」
「あの近さでもですか?」
「前の方で使う双眼鏡ってのもね、また格別なものがある」

「どうでしたか、つばきファクトリーは?」
「うん、よかったと思うけど、場所的にこぶしファクトリーの方がよく見えた」
「最後なんかそうでしたもんね」
「そう。俺が右端だったから。つばきがずっと左側にいてさ。それもあって、こぶしファクトリーが凄く印象に残った。今回の面子だと、頭一つ抜けているなと」
「そうですね。ダンスは大したことないと思いましたが、歌はよかったです」
「こぶし以外だと、山﨑夢羽さんがよかった。あとは全体的に歌では高瀬くるみさんが引っ張っていた。『Memory 青春の光』のユニゾンは聴き応えがあった。岡村美波さんはどうだった?」
「いや、スキル不足が目立ちました。周りのレベルが高すぎて」
「歌やダンス以外に、表情も重要なスキルの一つだと思うんだけど、その点では岡村さんはよかったんじゃないかな?」
「岡村さんはハロプロっぽくないなと。松永さんはハロプロっぽいなと思いました。松永さん、よかったです。岡村さんは後ろにいる分にはいいんですがセンターにいるとスキル不足が目立ちます」
「岡村さんは目立つ位置によくいたよね。歌割りも多かったし。それだけ評価されているんでしょう」
「期待されているんでしょうね」
「彼女を含む年少組による『素肌ピチピチ』には、ついニヤついてしまった。あれはよかった」

「MCのコーナーで小野さんが出ていましたよね」
「謎の発言をしていたよね。流しそうめんでモッツァレラを流したいと。あとは切ったトマト。小野さんが言っていたモッツァレラの丸い形ってよく分からないんだけど、あのでっかいチーズの塊?」
「いや、色んなサイズがあるじゃないですかね。流せると思いますよ」

5.

「レジの前のあのテーブルにさ、すっげー派手な柄の服を着てる金髪がいるじゃん。あいつがヨシタツ。紫のTシャツ着てるのがね、段田」
「あのテーブルにオールスターが集結してるんですね」
「オールスターだね」
「何か作戦会議してましたよ」
「そうなの? さっきの公演が初演だからね。自分の好きなメンバーがあの位置にいることが多かったから夜公演ではそっちのチケットを俺にくれとか、そういう話をしてるんだと思うよ」
「あ、仲間の一人がチケットの取引をしていますね」
「大量に買って、よくない席をああやって売ってるんだろ、Twitterとかで」
「何口も申し込めるんですか?」
「公演によって違うんだけど、たしか研修生発表会は3枚くらいまでいけたと思う。例えば仲間のグループが10人いたとして、全員が毎回上限まで申し込む。で、30枚のうち、最前は仲間同士で融通しあって、そこそこの席とか微妙な席はああやって売りさばいてるんでしょ」
「やり方としてはだいぶ古典的なんですね」
「うん、たぶんだけどね」

6.

「昼と夜と、○○さんはだいたい同じくらいの席で観ていたわけだけど、周りの盛り上がりはどうだった?」
「夜の方が盛り上がっていましたね。昼はあんまり周りが声を出していなかったです」
「夜の方がどうしても盛り上がるよね」
「前の方に飛んでいる人がいましたね」
「あの浅倉Tシャツの奴ね。何で浅倉Tシャツで飛ぶんだ(※9)。あいつ邪魔だったね。昼もさ、最前中央で中年のデブが飛んでたね」
「ああ、いましたね。最前で飛んで何がしたいんですかね」
「まあでもね、最前以外ではどこかしら視界が塞がれるのは仕方のないことで。見えない部分に憤っても仕方ない。見えるところを見るしかないんだ。邪魔な奴がいる場合、俺は双眼鏡を使って見える場所だけを拡大して見るようにしている」

「スキルがどうとか誰がどうだったとか、小難しいことを抜きにして、公演としてとても楽しかった。それが何より大事なことだと思う」
「そうですね、色んな曲を、色んなメンバーでやって、よりどりみどりでしたからね。トークが少なく、パフォーマンスを見せて終わりという感じの構成がよかったです」

「今日はやっぱりこぶしファクトリーがよかった。広瀬さんと井上さんは元から歌が強くて、野村さんも伸びている。彼女たちはそれこそこぶしを効かせた歌い方が出来る」
「曲が、逆なんじゃないかなって思うですよね。こぶしファクトリーがつばきファクトリーの曲を歌って、つばきファクトリーがこぶしファクトリーの曲を歌った方が合うんじゃないかって」
「こぶしはちょっとコミカルな感じ、つばきは清楚な感じ、という風に棲み分けはされている。Berryz工房と℃-uteみたいな」
「あー、たしかに」
「『シャララ!やれるはずさ』は、はじめは好きじゃなかったけど、ハロコンで3回観て、今日も2回観て、すっかり好きになってしまった。フックに入る前のオイ!オイ!オイ!オイ!とか、フックで腕を回しながらメンバーの名前を叫ぶところとか、シャラララってみんなで歌うところとか、会場が一つになれるポイントがいくつもある曲だ」
「観客も含めて作り上げるという面はありますよね。この間、他のグループも出るイベントで武道館で観たときはぜんぜん盛り上がっていなかったです」

「山﨑夢羽さんは近いうちにデビューするんじゃないかな」
「そうですか」
「凛とした雰囲気と、スッキリした甘さがある。出番も歌割も多かったから内部でも評価されているんだろう。(公式サイトのプロフィールを見ながら)まだ14歳なのか! 17歳くらいかと思った」
「いや、17歳には見えないでしょう。山﨑さんはTwitterのフォロワーに似てるんですよね…顔が」
「そのフォロワーって男だよね? 中性的な顔立ちなの?」
「そうですね、目元がそっくりです」

※9 浅倉樹々さんはヘルニアの治療のためトークのみの出演だった。