2023年5月21日日曜日

谷藤海咲KissBee卒業ライブ-FINAL IMPACT!! (2023-05-15)

いや、それが本当に偶然で。たまたま通りがかったんです。昨年末、正確には12月29日(木)。28日(水)まで働いて。6連休の初日だったんですね。特に予定もなく。ドトール・コーヒー・ショップ池袋グリーン大通り店で本(ジェイムズ・C・モア『ホノルル ペストの火』)を読んで、エーラージでタンドール・セットJPY1,980を食べて。何となくサンシャインに入ってぶらぶらしていたんですよ。そうしたらね、噴水広場ってあるじゃないですか。そこから音が聞こえてきたんで、ちょっと覗いてみました。リリース・パーティのリハーサルをやっていたようで。この後の本場もよろしくお願いします、的な感じだったんです。時間を見たら12時55分で、5分後の13時に第一部が始まるようで。群衆はそこまでいなくて、二階(あそこが一階かな? ステージの一つ上の階です)の手すりからほぼ視界の妨害なしに見られる感じだったんです。まあちょうど予定もなかったし、正月休みの初日ってことで非日常感もほしかったんで、そのままとどまって観てみたんです。二階からじゃパンツが見えないじゃんって気付いて、途中からステージのある階に下りました。視界はよくなかったですが、無銭でもメンバーさんたちを近距離で見られる位置には行けました。パンツは見えませんでした。KissBeeという集団の名前もメンバーさんのこともまったく知りませんでした。でもこの度3枚目のアルバムを出すらしく。集団自体も8年前から活動しているとかで。リスペクトの念を抱きました。トークなし(簡単な自己紹介のみ)で5曲を駆け抜けるストロング・スタイルに好感を持ちました。15時半からの二部も観ることにしました。無銭ですが、開演直前に優先エリアと一般エリアの区別がなくなって、右側の4列目くらいには行けました。この規模感がいいですよね。気軽にふらっと行ける感じの。近くの青年が話しかけてくるので何か因縁をつけてくるのかと思い身構えたら、動画とか撮ります? 撮るんなら前の方に…とわざわざ譲ろうとしてきてくれて衝撃を受けました(無銭の身で恐れ多いので丁重にお断りしました)。Hello! Projectの現場でそんなことが起きたことはないので。前方左側の定められたエリアを除いて基本的に撮影禁止だったんですけど、一曲だけ誰でも動画撮影してよかったんです。右隣の紳士がちょくちょくステージを見ずに文庫本を読んでいました。そういうのも含めて楽しかったです。この中でいわゆる推しにするなら誰だろうと考えながらステージを見ていましたが、私は中山星香チャンかな、とそのときは思いました。後から氏の画像を見ると(私がかつて支持していたJuice=Juiceの)宮崎由加さんの面影を感じてイヤでした。

検索し、彼女たちがYouTuberとしても活動していることを知りました。うらきすというチャンネル。全部メンバーさんが企画、撮影、編集。27万人の登録者。ちょっと観てみたらこれがまた面白くて。物凄い勢いで過去動画を漁りました。いちど数えたんですけど2023年1月1日(水)から13日(月)だけで120本くらい観ていました。数ヶ月で過去動画をほぼ視聴し尽くしました。(ひなちょすが亡くなったのを割と早い段階で知り、しばらくショックを引きずりました。)今でも好きな動画を何度も繰り返して観ています。特に私が気に入っているのが、みさきチャンの無限寝起きドッキリ、ブス即帰宅台湾旅行(旅の節目節目で現地の人に一番ブスな人を選んでもらいそのメンバーさんが帰国させられる)、あと多数あるパンティー関係の動画。メンバーさんがスタッフさんに電話で怒られているやつも好きですね。サブ・チャンネル(うらきすのすっぴん)の緩い動画もよく部屋のBGM的に流しています。公式オンライン・ショップでDVD(『ウラビデ』)とTシャツを買いました。あと中古ですがKISSBEE JIGOKU Vol. 1と2を買いました。私がHello! Projectに感じている閉塞感をぶち破るような面白さがあって、はまってしまいました。いつだったか、今つばきファクトリーよりもKissBeeが好きですよね? とF君に聞かれ、否定できないところまで来ました。今思うとKissBeeは私の心に出来た空白を埋める存在でした。Hello! Projectへの関心低下に加え、11月の途中から2月の途中まで明治安田生命Jリーグが休みだったので。手持ち無沙汰だったんですよね。あの日のリリース・パーティ。絶妙のタイミングでした。

Spotifyで曲も聴きました。面白い曲がいくつもあるなという印象を持ちましたが、あくまでYouTuberとして好きだという気持ちの方が強かったです。彼女たちのアイドル活動を追うために現場に足を運びたいとまでは思わなかったです。というのが彼女たちのアイドル活動はいわゆる地下とカテゴライズされるような形態に近いっぽくて、コンサート30分で特典会が60分みたいな感じのが多いんですね。Twitterの公式アカウント経由で流れてくる予定を見るかぎり対バンとリリース・パーティが主のようで。単独のコンサートというのがそう定期的にはなさそうなんです。私はコンサートが観たい。特典会なんて私の苦手分野じゃないですか。単純に勝手も分かりませんし。おまいつが多いであろう現場に飛び込んで一から作法を習得していくのが億劫。現場には行かず、うらきすチャンネルを観ていればひとまずは満足でした。ところがそうは言っていられない事態になりました。みさきチャン(谷藤海咲チャン)が退団するというのです。5月15日(月)にみさきチャン最後のコンサートが開催されるとのこと。池袋でリリース・パーティを観たときは何となくリーダーっぽくてちょっと平井美葉さんに似ているかなくらいの印象でした(実際にはあまり似ていなかったですけどね。初めて見る人を認識するときの脳による雑なカテゴライズでした。ちなみにリーダーでもありませんでした)。今はもはやただの他人とは思えません。あれだけYouTubeで寝起き姿やパンティー(モザイクあり)を見せてくれた関係です。ただの他人に何度も寝起き姿やパンティーは見せないでしょう。そんなみさきチャンのアイドルとしての最後の晴れ舞台。観に行かないわけにはいかないのです。発売開始直後にチケットを買いました。みさきチャンのインスタグラムのストーリーに、池袋のリリ・イベに通りがかって初めて知った、それからずっとYouTubeを観ていた、卒業コンサートのチケットを買ったという旨のメッセージを送ったところ、ハートをくれました。仕事はまあまあキツい時期だったのですが、午後半休を取得しました。

5月5日(金・祝)には汐留でリリース・パーティを観ました。その日は夜に六本木で上原ひろみさんの無銭現場をひやかそうと思っていました。それまでの時間が空いていて、場所的にも近かったので、2部だけ覗いてみました。声を出すならマスク着用必須という規制はまだありましたが、コヴィッド前の、あの楽しかったリリース・パーティの空気感がそこにはありました。開放的な雰囲気。みんなが思い思いに楽しんでいるあの感じ。開演前の注意事項を説明するスタッフさんが、たまに座り込んで飲酒されているお客様がいますが……と言っていて、最高じゃんと思ってしまいました。アイドルさんの現場に来て、アイドルさんを無視して飲酒。楽しいに決まっています。近くのベンチ(ステージは屋外でした)に座って本(水谷竹秀『だから、居場所が欲しかった』)を読んでいたら、KissBeeのオーディションを受けているという若くてスラッとした女の子が話しかけてきてビラを渡してくれました。その子が名乗った名前で検索してみるとTwitterのアカウントが見つかりましたが、フォロワーが9人しかいませんでした。そして大学二年生だそうです。大学二年生からアイドルを目指すなよ。カタギの職を見つけろ。と言いたいところですが、実際間近に現れて話しかけられるとオジサンはどきどきしてしまいます。

Zepp Shinjuku。17時開場、18時開演。私の整理番号はA188。番号の許すかぎり前方に行きたいというわけでもなかったので、開場時間がちょっと過ぎたくらいの時間に適当に入れればいいや。そう思って、池袋でコーヒーを飲んで、日焼けサロンに行ってから17時12分に会場前に着きました。係員の若者に聞いたらもう開場しているので番号順には並んでいない。この列の一番後ろに続いてくれとのこと。会場にコイン・ロッカーがあるのは事前に調べていましたが、誰も預ける様子がないのでそれに倣うことにしました。少し迷いましたが、結果的には特に支障はなかったです。そこまで中は混んでいなかったので(でも預けたほうがよかったはよかったです)。JPY600のドリンク・チケットをPASMOで購入。ハイネケン。アルコールがあるのは嬉しいですね。黒いメイド衣装に身を包んだややふくよかな中年メガネ男性。ドリンク・カウンターの近くで歓談する、元KissBeeのちゆうさんに似た女性(ちゆうさんでした。ゲストで登場しました)。フロア入り口で青のペンライトを配布してくれる頭髪の少ない中年男性たち。みさきチャンのメンバー・カラーが青であることを私が知ったのは昨日でした(たしか藤井優衣チャンのtweetで)。今日はみさきチャンの卒業公演なのでペンライトは青だけを振ってくださいという貼り紙をさっき見ました。フロアに入ると前半分はギッシリ埋まっていましたが、後方にはいい感じに空間が余っていました。開演までには人が増えてきましたが、ギチギチにはならず、心地よい、ちょうどよい混み具合でした。客層は前方と後方で少し異なるように見えました。前方には茶髪で後ろを振り返って会場全体に睨みを効かせるやや強面の紳士がいたり、公演中のジャンプ行為の予行演習をする青年がいたりしました。(茶髪だと一見若そうですが、歳はまあまあ行っている方が多そうでした。)一方で、私を含む後方エリアはおとなしそうなぼっち客が多く、仲間と連れ立っている饒舌な青年もいわゆるチー牛でした。オタクの立ち位置が、テストステロンの量に応じた序列を示しているように見えました。テストステロンの多い人たちほど女(ステージ)に近い位置を得て、少ない人たちほどそれを遠巻きに眺めているのです。これは残酷な社会の縮図です。だからといって、前方にいる彼らがKissBeeの素晴らしい美女たちのおまんこにたどり着けるわけではありません。メンバーさんたちのご友人とおぼしき若者たちが差し入れを手に関係者受付から入場していましたが、そういうところを経由して紹介で交際するに違いないのです。メンバーさんのご友人たちはオタクとは纏っているヴァイブスが異なります。住む世界が異なるのです。

マスクの着用判断がこの公演から自由だと、13時43分のtweetで告示されました。これは本当に嬉しかった。私にとってはコヴィッド馬鹿騒ぎが始まって以来、その影響を受けない初めてのコンサートとなりました。公演の終盤にみさきチャンも、みんな! もうマスクしなくてもよくなったんだよ! こんな日が来るなんて……! と感極まっていました。マスクをつけなくてよくて、自由な雰囲気が漂っていて、開演前にアルコールを一杯入れて……。最高。これが、私が好きだったコンサートです。Zepp Shinjukuの空調も絶妙に快適で、開演前から楽しい気分になりました。私にとって初めて入るKissBeeのコンサートでしたが、最高の時間になるのはその時点で約束されていました。お酒をもう一杯入れたくなりましたが、我慢しました。

曲は半分くらい分かりませんでしたが、関係なく楽しめました。実を言うと、今日来るまで少し疑っていました。KissBeeは普段、リリース・パーティや対バンばかりやっている。曲をやるのはせいぜい30分くらい。フル・サイズのコンサートを魅せるだけの体力や技量はあるんだろうか、と。そういう色眼鏡で見ていました。その疑いは、完全に晴れました。色眼鏡から色がなくなり、無色透明になりました。まったく問題なく、といったら失礼なのでしょうが、当たり前のように約90分のコンサートを楽しませてくれました。たとえば現役Hello! Projectで言うところの段原瑠々さんや井上玲音さんといったクラスの特別な歌唱力を持つメンバーさんはいないようです。それでも総合的にアイドルさんのコンサートとして十分に目と耳で楽しめる水準にあると感じました。何よりメンバーさん一人一人がキラキラしています。人数が6人というのもちょうどいい。各人の個性を楽しめる。同じダンスでもそれぞれ異なる身体の使い方、表情、魅せ方。衣装(アンコールで上にTシャツを羽織っただけで一種類しかありませんでしたが)。照明効果、音響効果、映像も作り込まれていました。メンバーさんたちの話しぶりから判断するに、映像やどうやら彼女たち自身が作ったようです。この映像を作るときに昔の写真を入れるのが恥ずかしくて……と当たり前のようにさらっと言っていましたが、スゴいことです。さすがYouTuber。

『駆け出せBravery!!』、『どっきんふわっふー』、“Just Sing!”あたりが私は最も高揚しました。『どっきんふわっふー』はメンバーさんたちがフックでグルグル円形に移動していくダンスが観ていて楽しい。“Just Sing!”は汐留で初めて聴いたと思うのですが、いつだって忘れないよ(ないよー!)、変わらないものがあるよ(あるよー!)という括弧内のオタクによるコールが面白い。コールはHello! Projectと作法がまた違って、慣れるのに少し時間はかかりそうです。地下でよくある例のジャージャー、ファイバー、サイバー的なやつも要所で入ってきます。私はアレをずっと生理的に嫌ってきましたが、コンサート中にそれが起きても案外、イヤではなかったというか、むしろ盛り上がりの一部として楽しむことが出来ました。というのが、アレって別にみんながやっているわけではないんですね。本当の地下アイドルで客が10人しかいなくて全員がやっていたらマジでキモくて近寄りたくないかもしれませんが、こうやって何百人もいる中でそれをやる人もいれば、やらない人もいる。全員が同じコールを一斉に入れなきゃいけないという雰囲気が案外なくて、それぞれが自由に楽しんでいる感じがしました。それが私にとっては心地がよかったです。初心者でも疎外感がなかったです。そういえば驚いたのが、最後のアンコール(みさきチャンコール)が自然発生せず、おまいつの重鎮みたいな人が会場全体に呼びかけて音頭を取る形で始まったことです。それまではみんな黙っていました。予定調和的なアンコールとはいえ、普通だったらそのままコンサートが終わりかねないくらいの間がありました。別にそれが悪いと言っているわけではなく、そういう文化なんだなと。

今日は開演前、終演後、そして深夜(!)と三部に渡る特典会が開催されていたらしいです。どんだけ特典会をやるねんという感じですが、私としてはフル・サイズのコンサートを楽しみ、みさきチャンのKissBeeとしての最後の勇姿を目に焼き付けられたので満足しました。みさきチャンも、伝えたいことはコンサートにすべて込めた的なことを言っていました。今後も単独コンサートがあったら必ず足を運びたいです。リリース・パーティも都合がつけば無銭でひやかしに行きたいです。特典会への参加はまだ私にはちょっとハードルが高いです。でも今日のコンサートを観て藤井優衣チャンがちょっと気になってしまいました。(彼女はうらきすにはそこまで登場しないんですよね。)いつか一回くらい、優衣チャンと写真でも撮ってみたいかもしれません。そういえば5月18日(木)に発表されたのですが、6月9日(金)から10日(土)にかけて24時間ライブ(何だそれ?)、10月には単独コンサートをやるそうです。誰か一緒に行きませんか?