2025年4月29日火曜日

LiVS ミニアルバムリリースイベント (2025-04-17)

遠いよ川崎。家からタワ・レコまで一時間くらいかかる。行かないつもりだった。平日。重要な公演ならまだしもrelease party。前の日に横浜F・マリノス対清水エスパルスを観に新横浜まで行っている。二日連続で神奈川県に行くンすか。だるいって。疲れるって。厳しいって。17時にコンパクト・ディスクの予約受付開始、18時半集合、19時開演。普通に定時まで働いていたら間に合わない。二日連続で早く上がる必要がある。そこまでして行くか? この日はいいっしょ。近場でおとなしく過ごして、ゆっくり銭湯に浸かって身体を休めるべきでしょ。うんうん、そうしよう。という常識的な考えを持っていたが、この日のために当然のように仙台や岐阜から遠征してくる紳士たちの存在を知るとそんなことは言っていられなくなった。彼らは私にとって目撃者(LiVS支持者の総称)かくあるべしという基準を示す存在である。たしか梶川裕嗣選手がインタビューで言っていたと思うのだが、数年前の強かった横浜F・マリノスには選手たちがお互いにもっと出来るだろと要求し合う(=「プッシュする」)文化があった。トレーニングで全力を出し切っていないと浮く雰囲気があったという。そうやって選手同士で高め合うサイクルが強いチームにはあるのだろう。長距離バスや新幹線を駆使して東京近郊の現場にほぼ毎回現れる紳士たちは、私にとって誰よりも率先してハイ・プレスをかけてチーム・メイトたちを鼓舞していたマルコス・ジュニオール選手のような存在である。

川崎には行ってみたいバングラデシュ料理店があった。なかなか来る機会のない街なので入ってみることにした。タンドリ・チキン・セットJPY1,750、シャミ・ケバブ 2ピースJPY950。足すとJPY2,700だが、請求額はJPY2,950だった。おそらく差額のJPY250はタンドリ・チキン・セットのビールに無料サーヴィスのような雰囲気で提供されてきたナッツの分なんだろうとは思うが、モヤモヤする。味はおいしかった。だがそれ以前の問題として、会計が明朗ではないと人として信用が出来ない。(前にも池袋のサンシャイン近くにある某中華料理店で晩酌セットを頼んだらお通し代を請求されて絶句した。もちろんその店には二度と入っていない。)メニュウをざっと見ても首を傾げる部分があった。複数料理の盛り合わせがお得になっていないように見える。むしろ個別に頼むよりも高くなっているようである。そして私が通っているバングラデシュ料理店に比べて明らかに値段が高い。もちろん値段設定は店主の自由。それに見合う価値や満足度を提供しているかについて、明言は避ける。一つ言えるのが、私は再訪しないということだ。これからLiVSのコンパクト・ディスクを買うってのに無駄に金を使ってしまった。私の中での川崎という街への評価も下がった。苦々しい気持ちで店を出る。

ちょっとイヤなことがあったときはいいことが起きる前触れだと考えるようにしている。そして実際にいいことがあった。LiVSのrelease partyの整理番号8番を引いた。一回目で79番。どうやら80番までしか番号がないらしい。良番にそこまでこだわらないとはいえさすがに限度がある。せっかく川崎とかいう僻地まで来たんだし。二回目のチャレンジ。8番。大逆転。先ほどのバングラデシュ料理店を完全に許した(再訪はしない)。コンパクト・ディスク一枚がJPY2,200だから夕食代がちょっと高かった分は余裕で取り返している。某紳士は5-6回引いて一番良くて40番台くらいしか出ていなかった。コンパクト・ディスクを予約する前、私がタワ・レコに着くとリハーサル中だった。メンバーさんたちが私服姿だった。ユニちゃんの服装の肌面積の広さに注意力の9割を持っていかれ、他のメンバーさんの記憶があまり残っていない。マルコちゃんは上下ダボ・ダボだった。バンジー・ジャンプのときもオーヴァー・サイズドな服をお召しになっていた。そういうのが好きなんだね。リハーサルが終わって、パー券を確保し、近くのトイレを利用し、出てくると通路にメンバーさんが溜まっている。スズカス・テラさんと目が合い、気まずくなる。慌ててトイレに引き返す。メンバーさんたちの気配が消えるまで(しばらく話し声が聞こえた)恐怖におののきながら待った。アイドルさんと不意に“人として”遭遇してしまうとパニックになってしまう。お金を払った上でアイドルと支持者という関係で会わないと精神が耐えられない。なぜならこの物語(アイドル)はフィクションだからだ。どんな形であれ“人として”アイドルと交じり合うことはあり得ない。フラットに“人と人”になって、フィクションが崩れ去った刹那、彼女たちから見れば私は単なるキモいオジサンなのである。

LiVSがステージにいて私がフロアにいる間は、そして特典会という形式でLiVSと接している間は、これがフィクションの世界であるということを忘れていられる。というよりフィクションをリアルと心から信じることが出来る。大好きな音楽で繋がるあの時間。フィクションではあるけど、そこに嘘はない。フィクションであるからといってそれが一概にフェイクで価値がないということではない。フィクションに本気になれるからこそ人間の文明は発達した。人間を他の動物と区別する最大の分岐点はそこだろう。(人類を戦争に駆り立ててきた一因も国民国家や人種といったフィクションへの信仰である。)フットボールとかいう玉蹴り合戦や、アイドルとかいう音楽と若い女を混ぜた麻薬に大の大人が熱中し、感情を揺さぶられる。人生を捧げてしまう。馬鹿馬鹿しいかもしれない。でもそれは美しい。人生にはそれ以上の意味が本当にあるのだろうか?

ところで、目撃者の皆さんはこのrelease partyで予約したコンパクト・ディスクを受け取るのだろうか? 私はHello! Projectのrelease partyに参加していた頃、予約したコンパクト・ディスクを受け取らないと売上枚数にカウントされないと聞いたことがある。それが本当だとすると、実際に我々が購入した枚数に比べて正式な売上枚数はかなり少なくなることが予想される。遠征組がこれだけ多いと店舗で受け取れというのも無理がある。かといって一会計(=実質的に一枚)毎に送料JPY900を払って宅配便で受け取れというのも殺生な話である。私は東京住まいなので予約したコンパクト・ディスクは極力、受け取るつもりである。

私にとって川崎といえばフロンターレだが、音楽だとA-THUGさんである。SCARS(A-THUGさんが属する集団) in the building。(※ロックに行こうぜ! なぞと公演中にLiVSのメンバーさんが煽ってくることがよくある。私はイエーイとその場のノリで返すが、実のところロックはよく分からない。私はヒップホップで育ってきた。)A-THUGさんのラップは言葉の選択が絶妙。並外れた言語感覚、文才、ユーモア。歌唱や作詞が技術的に凄いという感じではないのだが、他の人が練習して同じにはなれないであろうラップ。写メ/チェキで使えるポーズはないかと画像検索したら、A-THUGさんが親指と中指の先端をつなげて残りの指を立てるハンド・サインをよくしているのに気付く。Grokに聞いてみたところアメリカ手話(ASL)でI love youを表すらしい。俺が好きな川崎のラッパーがよくやるポーズで…。A-THUGっていうんだけど。BADHOPっているじゃん。BADHOPの先輩っていうか。ひとつ前の世代で…。という感じで雑に説明する。(マルコちゃんはBADHOPのことは何となく知っている様子だった。)アーティスト名を聞き返してくるマルコちゃん。エーサグね、聴いてみる。マルコちゃんの口からエーサグという言葉を聞けるとは。何だか可笑しかった。その余韻を噛み締めながら、帰りの電車でSCARSの“THE ALBUM”を聴く。改めて聴くと名盤である。あとSpotifyにあるやつだと“YEEEAH THUG”(Various Artists扱い)が非常にお勧めです。

2025年4月25日金曜日

MONEY BACK LiVE/LiVS ミニアルバムリリースイベント (2025-04-12)

満足出来なかったらチケット代を返金するという。ただ、そもそも常連しか来ていない。常連にとっては返金を要求することで得られる利益よりも不利益が大きい。利益は返ってくるチケット代JPY3,000。不利益は要注意人物として運営側からマークされること。「あのとき返金手続きをさせられた、冗談の通じない要注意人物」という一生剥がれることのないレッテル。目先のJPY3,000を得る代わりに今後のLiVS現場での立ち回りが難しくなる。嫌がらせとして自分だけ特典会での時間を所定よりもシレッと短くしてくるかもしれない。チェキを撮るときにわざと微妙に手ブレさせてくるかもしれない。返金を求めるならその場で立ち去ってもう二度とLiVS現場に来ないくらいの覚悟がないと釣り合わない。公演に不満だったからとチケット代を返還してもらった直後にヘラヘラと特典会に参加していたら示しがつかない。その意味で、何も恐れることなく返金を求めることが出来るのは初見さんくらいであろう。来場者の中に初見さんなど下手すると一人もいなかったかもしれない。どういうわけか今日は特に来場者が少なめで「大体 毎回 いつも同じメンバーと再会」(RIZE, “Why I'm Me”)状態だった。常連客は運営側とある程度の友好的な関係を維持する必要がある。だから返金は実質的には出来ないに等しかった。もし『リアルにやる』(キングギドラ)のならチケット代を無料にした上で投げ銭方式にした方がよかったんじゃないだろうか? 誰がいくら入れているかを分からないようにしてさ。

まあそんなことはどうでもいい。そんなことよりも、今日の会場よ。下北沢Flowers Loft。忘れもしない。2024年11月30日(土)。私が初めてLiVSを観た場所。初めてミニ・マルコさんを見て、お話をした場所。私の狂いが加速し始めた場所。今思えばいくつもの偶然が重なっていた。体調を崩し前の週末のBLUEGOATSの単独公演を干していた。そこを逃すとしばらく期間が空きそうなので、近々に観ておきたいと思い急遽、申し込んだのがLiVSとの対バン。そもそも私は対バンに興味がなかった。お目当ての集団だけをじっくり観たかった。興味のない他の集団に時間を割きたくなかった。私が買ったチケットはA90番。完売になる数人手前だった。もしあのとき私が体調を崩さずに11月24日(日)にBLUEGOATSを観に行っていたら。もしやっぱ対バンだから行くのはやめようと判断していたら。もし私が買う前にチケットが完売になって買えなくなっていたら。おそらく私は一生、LiVSを観ることはなかった。そう考えるとちょっと涙が出そうになる。チケット完売の判断を遅らせることで救われる命がある。ここにある。私はあの日に、新たな生きる理由を見つけた。あの日、会場前で記念撮影をしていたLiVSのファンたち。随分と仲が良さそうだなと思った。あれから三ヶ月半が経ち、多くのLiVS支持者たちと顔見知りになった。その始まりの始まりが下北沢Flowers Loft。本当に思い入れのある場所。

満足しないわけがない。楽しくないわけがない。返金が頭をよぎるわけがない。前に来たときはほぼ一番最後にフロアに入り、段差のある後方から一人で観ていたが、今日は整理番号6番で入り、最前で同志の紳士たちと一緒に楽しんだ。あのときとはまったく異なる体験で、まったく異なる景色だった。私にとっては単なる一公演ではない、特別な感情を伴う時間だった。初めてライブハウス(和製英語)で観る“業 TO HEAVEN”。レコ屋はレコ屋でいいが、音楽のために作られた箱の中で観るのは格別。迫力、臨場感。照明、音響、ステージ。横に長く見やすい会場。コンサートをレコ屋内で観るのとまともなライブハウス(和製英語)で観るのとでは、映画を家庭で観るのと映画館で観るくらいの差がある。2nd EP “WARMiNG”収録の新曲はこれからライブハウス(和製英語)で披露される回数が増えていくにつれ、よくも悪くも曲が育っていくことになる。悪くもって何だよと思うかもしれない。フロア側の練度が上がってくると当然コールが増えていくことになる。それはある意味では元の曲をスポイルする行為でもある。「よくも」だけで括っていいのかという疑問が私にはある。その意味で、まだ手垢がつく前の、初期の“業 TO HEAVEN”に居合わせるのは貴重な体験である。

最初にご対面したときの会話を再現していいかと特典会で聞いたら、ミニ・マルコさんはちょっと呆れたような顔をしつつも(?)いいよと言って付き合ってくれた。

下北沢 The Pizza。店内満席。ペパロニとアンチョビ&ブラック・オリーヴをテイクアウェイ(JPY1,350)。近くのストリートで立ち食い。うまい。14時キックオフのアビスパ福岡対横浜F・マリノス。iPhone 14で観る。ストリートで観る。後半は美容室内で観る。久しぶりにパーマをかけてもらう。このために伸ばしていた。スティーヴ・ホランド監督就任当初の堅守はどこへやら。攻められ放題。当たり前のように耐えきれない。負ける。今シーズンになってからマリノスの試合から与えられるストレスは増えたが、視聴体験のストレスはAbema de DAZNに切り替えてから劇的に減った。普通のDAZNを使っている人は絶対に次からAbema de DAZNにしたほうがいい。新大久後ラト・バレでダル・バートと生ビールセットを食って、新宿タワ・レコへ。

日程が発表された時点で、私はそこまでrelease partyに乗り気ではなかった。LiVSがタワ・レコという一般的に名の知れたレコード店で、彼女たちを知らなかった人々の目に入るチャンスのある場所でイヴェントを行う。それに対する祝福の気持ちはもちろんあった。じゃあ自分がどうするかというと、行きます行きますという感じではなかった。私にとってはかつて通ってきた道だからだ。そしてもう通らないつもりだった道だからだ。私はHello! Projectのつばきファクトリーを追っていた時期にこういうrelease partyに何度も参加してきた。その記録はすべてこのブログに残っている。各地のショッピング・モールで通行人たちから好奇の視線を向けられながら美女の集団に性的な視線を送っていた。Hello! Projectというカルト村を脱会したのを契機にアイドル・オタクという恥ずべき生き方からは身を引いたはずだった。たしかにその後もジャンルとしてはアイドルに分類される集団をいくつか観てきた。KissBeeとかBLUEGOATSとか。Hello! Project出身の田村芽実さんのことも引き続き追い続けていた。何も知らない部外者から見れば追う演者が変わっただけでやっていることは変わってへんやんと思うかもしれない。だが自分の中では明らかな変化があった。アイドルというものに対して醒めた見方をするようになった。いい歳をしてアイドルというシステムに依存しながら若い女を追いかける。そのために自分のお金、時間、生活を捧げる。人として成熟度が低いのではないか。見てみろよ。50歳を超えてHello! Projectへの高すぎる熱量を維持している著名なオタクたちを。揃いも揃って精神年齢の低さが滲み出ているじゃないか。自分はジジイになってきているのに10代のコからのレスがどうのとかでキャッキャして。自分はそうなってはいけない。麻薬のようにアイドルに頼り続け、自分の生活や仕事の問題から目を逸らし続けるのには限界がある。アイドルに限らず趣味というのはまず自分の人生ありきで、自分の食い扶持(仕事)を優先しつつ、息抜きとして、ほどほどに楽しむべきなのである。しかしながら2024年11月30日(土)にミニ・マルコさんを発見してしまってから、私がHello! Projectから離れて以降、アイドルという存在との間に築いてきた壁がガラガラと崩れ始めた。ミニ・マルコさんがすべての元凶なのである。このrelease partyに関しても4月7日(月)の池袋、4月10日(木)の渋谷と参加するとスイッチが入ってしまい、今日も当然のように新宿のタワ・レコに足を運ぶこととなった。

パー券をゲトる。一回目で14番を引く。二列目。今日は熱かった。私も周囲の目撃者たちも遠慮なく全力で声を出した。同じ日に二度現場があると、結果的に一度目がウォーミング・アップ(LiVSの2nd EPが“WARMiNG”だけに)になって、二度目が更に熱くなる。昼夜公演で夜の方が盛り上がるという、よくある現象。今日に関しては公演が11時半から、release partyが19時半からと間は空いたが効果は持続していた。“Colorful”のコンニチハクリニックさんのソロ・ライン中の「あ! あ! あー! コンクリ! どるっちぇへいへい! どるっちぇへいへい! おーれーの! コンクリ!!」というコール(和製英語)が私はとても好き。どるっちぇへいへいの意味は分からないが、シャウトしていて気持ちいい。(もっともこういうコールはメンバーさんの歌声を打ち消しているという罪悪感、ディレンマが私にはある。)先ほど美容室でカットとパーマを施し髪型を変えた私と同様に、ミニ・マルコさんも昼の公演から髪型を変えていた。ミニ・マルコさんになる前の声優さんのときを思い起こさせるような髪型だった。

2025年4月22日火曜日

LiVS ミニアルバムリリースイベント (2025-04-10)

いんでぃらで夕食をご一緒してから渋谷のタワ・レコでLiVSを観ませんかとF君をお誘いしたところご快諾いただく。やんわり断られるかもしれないと思っていた。氏が支持するHello! Projectの某メンバーさん退団までのファイナル・カウント・ダウン。4月30日(水)に迫った最終公演。それまでは極力、そのコに向き合うことに集中したいはずである。気が進まなかったとしても十分に理解できる。なので来てくださるのはありがたかった。

スクランブル交差点。渡りながら、あるいは立ち止まって、ソーシャル・メディア映えする動画や静止画を撮影する外国人観光客たちを通り過ぎるたびに思う。ここは私が好んで近寄る場所ではない。今回のように何かが渋谷で行われるから来るのであって、その目的以外の理由で長居したいとは思わない。強いて言えばIKEAのソフト・クリームは素晴らしい。特筆すべきなのが植物由来の材料だけを使っている点である。それでJPY50。あと最近知ったいんでぃら。仕方なく渋谷に来たときにはせめてこのどちらかは楽しみたい。どっちも池袋にはないからね。

17時半からコンパクト・ディスク予約開始。19時入場開始、19時半開演。先に私がタワ・レコでパー券をゲトり、18時すぎにF君と合流。58と68。しょっぱいね…(つんく♂)。この番号だと取れる位置に差はないに等しい。一緒に入ることにする。前に #KTCHAN のワンマン(和製英語)で来たときには臨時休業で辛酸をなめさせられたいんでぃら。今日は営業している。私はポーク&ベンガル・チキンと瓶ビールを注文。まろやかで家庭的なポーク・カレーに、ベンガル・チキンの追いルーでガツンと来る味変。やっぱりここはベンガル・カレーがおいしい。容赦なくからいんだけど、口の中にも胃にも変に残らない。清々しくて爽やかなからさ。ビールとの相性抜群。次に来たときはベンガルの大盛りにゆで卵をつけたい。

私は今、基本的に月曜日と火曜日が出社日。今日は木曜日。在宅業務だったので、好きな服を着て家から向かうことが出来た。Release partyの利点は盛り上がり方に制限があるため、激しく動くことがない分、汗をかくことを考えずに服装を決められる点である。今日も最近ゲトッた古着を駆使して会心のコーディネートを組んだ。たまたま会社に属して働いているという点を除けば社会との繋がりに乏しい独居独身者である私は、いくらお洒落をしたところで純然たる自己満足に終わってしまう。その点で、特典会で好きな服を着た状態でアイドルさんと並んだ写真を残せるのは嬉しいことである。服と言えばLiVSを見たF君が、分かりやすいアイドル的な風貌というよりは服飾学生のような個性的な感じのコが多いという旨のことを言っていて、初見の反応として視点が面白かった。

渋谷タワ・レコの5階。前に来たことがある。去年、F君に入場券をいただいて稲場愛香さん(以下「MNK」)のrelease partyを観覧したのと同じ場所。あれは楽しかった。オタク側がオール・スターズと言っていい顔ぶれだった。有名どころが一通りいた。とにかくノリが仕上がっていた。曲の中でまなか!と我々がコールする箇所で、気付かれない程度にたまにまんこと言うスリル。有意義なストレス解消が出来た。もしまんこと言っているのがバレたとして、仮に白い目で見られようが出禁になろうが、Hello! Projectの村を出た私にはどうでもよかった。

入場時間の時点で我々の58番と68番は本当に最後の最後だった。「いや、最後かよ」と声が出た。58と68の間にほぼ誰もいなかった(記憶があやふやだがゼロだったかもしれない)。3-4列目くらい。開演時間になるとさすがに少しずつ埋まってはきたが、収容人数に対しては余裕のある客入りだったと思う。そもそもここは広めの会場。MNKのときも後ろ半分はほぼ人がいなかった。日産スタジアム(収容人数約7万人)が2万人入ってもガラガラに見えるのと同じ。これくらい余裕があってまったり見られるくらいの方が、F君に初めてLiVSを体験してもらう分にはちょうどよかった気もする。

MNKのときに熱く盛り上がった思い出の場所ではあったが、今日のrelease partyはどういうわけかやや不完全燃焼感が残る。あくまで私個人の体感として。もっといけたやろ、もっとやれたやろという感じ。LiVSが、じゃなくて自分が。なんか乗り切れなかった部分がある。こういうときもある。

部類の貧乳ギャル好きで知られるF君。具体名は伏せるが実際にこれまでも貧乳のギャルばかりを推している。そういう意味ではLiVSの中におそらく刺さるメンバーさんは見つからないであろうとお伝えしていた。ところが終演直後の開口一番、「貧乳のギャルいたじゃないですか」とF君。「え、いました? 誰ですか?」。お話を聞くとスズカス・テラさんだった。是非ともスズカス・テラさんとチェキを撮ってお話をしてほしかったが、時間の都合で特典会が始まる数分前にお帰りになられてしまった。代わりにスズカス・テラさんと撮ってくださいと、F君に使ってもらうはずだった特典券を託される。スズカス・テラさんがギャルと言われても私はピンと来なかったのだが、実際にお話をしてみるとなるほどギャルだった。印象が変わった。恐るべきF君のギャル・センサー。初めて一対一でお話をする彼女に「実は(あなたのTwitter)アカウント知ってるから。LiVSのこと呟いてくれてるよね」と言われ、驚く。

2025年4月19日土曜日

LiVS ミニアルバムリリースイベント (2025-04-07)

女のコの初めてを一目見ようと、池袋のパルコ別館、タワー・レコードに集結する紳士たち。LiVSとして初のrelease party。一般的にアイドルさんにとっての初めての何かには絶対に居合わせたいのがアイドル支持者の性である。初めてのコンサートとか、イヴェントとか、地元公演とか。もっと顕著なのが特典会である。これはHello! Projectの話だが、支持するメンバーさんの列の先頭になることを鍵開け、最後になることを鍵閉めという。自らがそれらを担うことに特別なこだわりを持つ紳士たちが実在する。もっと神聖な意味を持つのが、そのコがアイドルとして握手(お話会)をする正真正銘の最初の相手になることである。そのコにとっての本当の一人目だからだ。俺があのコの初めてを奪ったんだ的な。全体から見ればごく一部かもしれないが、Hello! Projectのファン・ベースにはそういうキショい発想の紳士たちが確実に存在する。ちなみにつばきファクトリーの豫風瑠乃チャンが似顔絵お絵描き会で初めて描いた相手は私のはずである。小野瑞歩チャンがエグゼ2ショットを初めて撮った相手も私である。Hello Projectにおいては支持者たちが(はっきりとそう言語化しないだけで)メンバーさんの少女性ひいては処女性を求めていて、事業側もそれを売っている面がある。私はそういう世界を通ってきたものだから、LiVSの特典会でも振る舞いには気を遣っていた。空気を読まずにマルコ列の一人目に並んだら古参から目を付けられ、裏に呼び出されてボコられるんじゃないかという懸念が頭のどこかにあったからだ。今ではそんな気遣いは不要だと分かっている。鍵開けだの鍵閉めだの、そんなことを言う人はいない。それでも思考の癖が抜けきらず、特典会で一人目になるのは今でもやや躊躇してしまう。去年 #KTCHAN が二十歳になる当日に行われたコンサートでゲストのD.O.さんが、 #KTCHAN がオトナになる瞬間を見てえよな的な感じでフロアを煽っていたのだが、そのときもそういうアナロジーが感じられた。アイドル支持者のみならずギャングスタ・ラッパーでさえ、女のコの初めてとか、オトナになるとか、そういったことにオジサンは興味津々なのである。

池袋。普段はLiVSを観に行っているけど、今日に関してはLiVSがこっちに来てくれている。感覚が違う。だって家から歩ける範囲にLiVSがいるんだから。もっとも今日は出社日だったので私も池袋に向かう立場だった。レコード店のrelease partyに参加するというのが本当に久しぶり。何度か無銭では冷やかしてきた。私は在宅で仕事を終えた後によく散歩がてらサンシャインのあたりをウロウロしている(サンシャインのタリーズとか、向かいのヴェローチェをよく利用する)。そこでたまたまHello! Projectの集団がrelease partyをやっていて、遠巻きに眺めたことはある。でもこうやってコンパクト・ディスクを予約して、入場券をもらって、列に並んで、という一連のプロセスを経てrelease partyに参加するのは数年ぶりだ。懐かしい。こういうことからは半分足を洗ったはずなのに、またここに戻ってくるのか。複雑な思いである。すべてはマルコのせいだ。このrelease party専用の予約窓口。QRコードを読み込み、空メールを送信。しばらくするとメールが来る。そのメールのリンクをタップすると予約の申し込み画面に。予約枚数などを記入し登録すると出てくるQRコードをお店の人に見せて支払い。箱から入場券を一枚引く。LiVS券二枚が渡される。整理番号は、52。良くないがもう一度JPY2,200を払ってサイコロを振ることはしない。別に見えりゃいいや。そう割り切れる分別のある人間。パルコ別館の横に広がる池袋最大の喫煙所こと豊島区立池袋駅前公園(※禁煙)で時間調整。タワレコに戻る。階段で並んでいると、某紳士が複数枚買って余った券を交換してくださる。35番に格上げ。数人分しか変わらなかったけど。

三列目だったかな、の左側。周囲にはお互い顔を知っている人が多い。会釈を交わす。概ね「大体 毎回 いつも同じメンバーと再会」(RIZE, “Why I'm Me”)状態。開演直前、いい具合の客入り。後ろの方にはスペースがあり、たまたま通りがかった人でも中に入って雰囲気を感じられるくらい。同じ平日の19時開演でもライブハウス(和製英語)で行われる定期公演よりも人は来ている。いくら新規無料などで敷居を下げているとはいえ、ライブハウス(和製英語)とレコード店のイヴェント空間とでは来やすさが違う。もちろんおまいつはどちらも関係なく行くのだが、こういう場所だとそうではない人々が本当にふらっと入ることが可能になる。私は普段のLiVSのアンダーグラウンド感、秘密クラブ感が好きでたまらないが、こうやって日の当たる場所で観るLiVSも新鮮である。場所が違うだけでステージ上のLiVSはいつもの彼女たちだった。いつものように曲と曲の間に休む時間もなくハイ・テンポで繋いでいく。Release partyだからこんなもんだろうと事前に想定していた五割増しくらいで曲を演ってくれた。Release partyってたぶん相場は5曲くらい、下手すると3曲くらいだったりするじゃん。今日のLiVSは8曲も披露してくれた(二回やった初披露の新曲は2曲とカウント)。今回のrelease partyにおいてはフロア上の行動に制約があった。普段のLiVS現場で定常的に発生している行為としてはジャンプとモッシュが禁止されていた。ケチャと呼ばれる集団的な前方への密集がモッシュに該当する。なのでフロアのインテンシティは通常の公演よりも低かったが、それでも楽しむことが出来た。新曲の“業 TO HEAVEN”。(曲名を聴いたとき、咄嗟に私の頭に浮かんだのはSPEEDの“Go! Go! Heaven”である。世代。)2回聴いただけですぐに感想を述べるのは難しいが、振り付けはとても印象に残った。メンバーさんたちが前に屈み、両手を頭の横でねじを巻くように回しながらその場で回転する。目が回りそう。あとは両手をおろして、目線も下に落とした状態で直立し、跳ねながらステージの端から端へと動く。従来のLiVSにはあまりない感じの見せ方で、面白かった。このrelease partyにはスタンプ・カードがあって、押してもらう毎に写メ券がもらえる。整理番号にこだわらなければJPY2,200だけで約30分のミニ・コンサートに特典会(写メ+チェキ)まで参加できて、満足度が高い。特典会ではマルコが髪型を変えておでこを出していた。それを見た周囲の紳士たちが口々に「やば…」と言っていた。

2025年4月13日日曜日

#KTCHAN LIVEHOUSE TOUR “ワンチャン” (2025-04-04)

二日前からイー・プラスのアプリで発券出来るようになってて、見てみたらまさかの整理番号一番。それ以来ずっとソワソワ。ついに当日。時間が近づくにつれ緊張。絶対に出来ない遅刻。18時半開場、19時開演。念には念。あり得る大幅な電車遅延。早めに渋谷に着いておく。この機会にまたいんでぃらのカレーを食いたかった。前にBLUEGOATSを観に来たときにたまたま入ったら凄くおいしかった。そしたら臨時休業。ファック。うろつく。場所はセンター街。目に入る元祖寿司。そういえばこの店はF君の聖地。巡礼する。F君一押しのつぶマヨを二皿。たしかにこれを食べたくなるのは分かる。皿の値段をあまり気にせず油断して取っていたら、え、これがJPY600するんですか? というのを二皿食べてしまっていた。請求額がJPY2,500を超える。苦虫嚙み潰す。こういう類の回転寿司屋はファスト・フードにしちゃ変に割高だし、寿司にしちゃリアルじゃないしで、私にとっては満足度が低い。だってさ、ランチだけどたとえば池袋の海鮮山でちゃんとした寿司9貫くらいと味噌汁と漬物とちょっとした小鉢までついてJPY1,200で食えるわけで。18時13分くらいに会場のegggman付近。少し離れたところでもも裏を伸ばしたりしていると近づいてきた紳士に話しかけられる。#KTCHAN の公演に入る同志だった。少しお話すると、たまたまTOKYO FMに #KTCHAN が出ているのを聴いて今日のことを知ってチケットを買ってみたのだという。番号を伺うと30番台後半だった。開場時間間近になっても何の案内もない。会場に下りる階段でヘッズが自主的に列を作っていた。聞いてみると番号順ではなく何となくいるとのこと。頃合いを見計らって先ほどの紳士と別れ、下におりる。LiVSで鍛えた社交性を遺憾なく発揮し、先頭付近の方々に話しかける。だって単騎で乗り込んで誰とも会話を交わさずに黙々と先頭に来る謎の整理番号一番って不気味すぎるだろ。そういうのはよくない。人見知りだからって済まされる話ではない。それにこういうそこまで大規模ではない興行ではちょっとでも周りの同志たちと打ち解けておいた方が楽しめる。皆さんはツアーの大阪、名古屋は行かれたんですかと聞くと誰も行っていなさそう。一人だけ、リリース・パーティの大阪には行ったという紳士がいた。どこにでも #KTCHAN を追いかけていくコアなおまいつ層というのはまだ存在していないようで、ちょっと意外だった。公演の前後にちょっと周りと交流が出来たことで公演そのものも余計な心配なく楽しむことが出来た。次に現場で一緒になったら飲みに行こうという話にもなった。新しい世界に飛び込んだときは知らない人に自分から話しかけることが大事。それがその後に繋がってくる。生きる上で基本的なことではあるが、LiVSを契機に私はこの歳になって学び直している。

開演予定時間は19時だったが、 #KTCHAN がステージに登場したのは20時過ぎ。まず単純に15分くらい開始が遅れた。その後にゲストの9forさんとreichiさんのショー・ケースがそれぞれ20分あった。そして #KTCHAN の出番は約45分だった。このタイム・テーブルは我々には事前に知らされていなかった(どこかに書いてあったらごめんなさい)。私はヒップホップのコンサートに来たことがほとんどないので普通が分からない。ヒップホップの大事なフック・アップ文化なのかもしれない。だが、 #KTCHAN が好きで、彼女のワンマン(和製英語)・コンサートを観るために平日の渋谷に集まった人たちの中には、これを歓迎できる人とそうではない人がいるだろう。最初から20時に出てくると分かっていれば仕事で無理をせずに済んだという人もいるかもしれない。 #KTCHAN の出番が45分くらいしかないんだったら今回はパスするわ、遠征しないと行けないし、という人もいたかもしれない。あとさ、最悪のケースとして移動の関係上20時頃には出ないといけないっていうパターンも考えられるわけじゃん。そういう人がいた場合、19時から1時間は #KTCHAN を観られるつもりが、実際には一秒も観られないっていう。平日に来てもらって、その人たちのお金と時間をもらうということに対する主催側の感覚がちょっと鈍い気がする。ヒップホップではこれが普通と言われたら私は黙ってしまうが。もちろん、9forさんとreichiさんのショー・ケースは熱量が高く、音楽も魅力的で、観る価値はあった。またreichiさんは衣装の肌面積が非常に広く、背中はほぼ丸出しで、ヴィジュアル的にも楽しませてくれた。

整理番号一番の人間として、まだ誰もいないフロアに入っていく感覚は本当に特別なものがあった。前に一番だったのはいつかな。たしかめいめいのリリース・パーティのときだったかな(あのときは私の番号が二番だったけど一番が不在だった)。最前の真ん中。始まる前から凄まじかった。このような幸運、幸福を受け入れるには自分自身のキャパシティも必要。自分のキャパシティが小さければ受け止めきれない。耐えきれない。いやいや自分なんてモンは末席で十分ですよというマインドでいると、あっという間にチャンスは他の人の手に転がってしまう。「チャンスはいつもたった一回 二度目が来なきゃすべて失敗」(DJ YUTAKA feat. ZEEBRA, “Chance”)。そのときが来たときに堂々としていないといけない。精神的な準備が出来ている必要がある。人生全般に言えることなのだろう。こういういい位置にはいい位置なりのプレッシャーもある。前の人の動きや反応を見てそれに合わせるということが出来ない。そして演者さんに絡まれることもある。実際、私は9forさんの出番中に話しかけられた。お兄さん、今日はどこから来ましたかって。池袋ですって答えると、池袋ですか。だいぶ近いですね。そこは横浜という答えが聞きたかったです(※9forさんは #KTCHAN 同様に横浜出身)的なことを言われた。何でやねん。それは理不尽やろ。

9forさんは自身が普段相手にしている客層と年齢差が異なる(もちろん今日の方が歳が上)点に言及し、やや戸惑いが見られた。私も両隣にいる紳士も程度の差こそあれオジサンである。そうだよね、典型的なヒップホップの現場に来る層とはちょっと違うよね漏れたちって。オジサンでごめんね…という申し訳なさがある一方、お前よりも長くヒップホップを聴いてきたんだゾっていう自負もある。いま調べると9forさんは22歳らしい。reichiさんは25歳。このお二人が生まれる前から私はヒップホップを聴いて、ヒップホップに影響を受けている。そういう意味では気後れする理由はない。ただ、ここにいるヘッズがみんなそうかっていうと必ずしもそうではなさそうである。実際、今日知り合って多くの会話をさせていただいた紳士は元々ヒップホップを聴かれていたわけでもMCバトルがお好きだったでもなく、たまたまYouTubeで観た動画で可愛い女の子として #KTCHAN を発見し、アイドル的な感覚で彼女を支持なさっている様子だった。そういうファンを掴んでいるのは #KTCHAN の特徴であり強みでもある。

手を伸ばせば触れる距離で #KTCHAN が、私が大好きで繰り返し聴き続けている曲たちをパフォームしてくれている。たとえJPY50,000出されようがJPY100,000出されようが誰にも譲れない、とてつもなく幸せな時間だった。過去の曲も好きだけど、メジャー・デビュー後の新曲にはどれも食らい続けている。特に3月31日(月)にドロップされたばかりの『キャp@い』には衝撃を受けた。ラップの技巧、フロウの多彩さ、リリックのユーモア。遊び心。ご本人のお人柄も曲全体に感じられ、等身大。お仕着せではない、 #KTCHAN にしか表現できない独自のラップ世界がこの曲にはある。最初から最後までずっと必殺技を出し続けているような。おいしいところだけが詰まっている。耳が喜ぶ。この曲をいち早く生で、目の前で堪能できたのは本当に感無量だった。音源とはちょっと違う歌い方。特にフック。直接的に感情を乗せる、切羽詰まった感じだった。トラックが始まる前に「キャp@~~~~!!!」と叫んで、曲の後にはアカペラの早口ヴァージョンで歌い直していた。終演後の物販で、ご本人に『キャp@い』の感想を伝えることが出来た。キャp@いときにたくさん聴いてね、と彼女は言ってくれた。

客入りはちょっと寂しかった。開演の直前になるとまばらながらもフロアが全体的に埋まってきたけど、それでも50人くらいだったんじゃないかな? 数えたわけじゃないけどね。もうちょっといたかな。 #KTCHAN 自身もeggmanに来場した我々に何度も感謝を述べるとともに、完売に出来なかった悔しさを露わにしていた。より音楽に専念するためにこの春から大学を中退したという。大学を辞めたと言った直後に噛んでいて、この事実を公にすることへの緊張が伝わってきた。彼女トゥイッターのフォロワー数が約26,000人いる。界隈の認知度はかなり高い。ラップのスキル、楽曲のクオリティも伴っている(この私が言うのだから間違いない)。個性的なお人柄。愛嬌。ファンに対するサーヴィス精神。バトルで得た抜群の知名度をテコにして始めた音楽活動。YouTubeのヴィデオ・クリップが叩き出しているそこそこの再生回数。1月からメジャー・レーベルに所属。輝かしく、華々しい経歴。順風満帆に見える。しかし今日の動員を見るに、意外にも苦戦しているようだ。LiVSを見ているとクオリティが高いだけでは人がたくさん集まって会場がパンパンに埋まるわけではないのはよく分かったが、 #KTCHAN で解せないのはクオリティに加え知名度も非常に高いのにeggman程度の箱でも動員に苦しむという点である。ソロで両国国技館に立つという #KTCHAN がかねてから掲げている目標が、眩暈がしそうなくらい遠く見える。誰もが発信でき、定額のストリーミングで楽しめるエンタメ、無料で楽しめるエンタメ、その他多くのエンタメが無数に存在し、なおかつ日本に住む多くの若者は貧乏である。この状況下でそれなりのお金がかかる興行にて足を運んでもらうことの難易度は計り知れないのかもしれない。

どういう人に来てもらって、何を見せるのか。何を売るのか。その辺をもう一度はっきりさせる。ベンチマークとなるアーティストやグループなどをヒップホップ内外でいくつか設定する。どういうところから客を引っ張ってくる(つまりどこで戦うのか)かを決め、そのための施策を打つ。それくらいやっとるわボケと言われるかもしれないが、 #KTCHAN が活動規模を大きくしていくためには、今一度そういった作業が必要なのかもしれない。 #KTCHAN 自身のスキル、キャラクター、音楽のクオリティには疑いの余地がない。ただ、この時代に曲をリリースしているすべてのアーティストに言えることかもしれないけど、いくらクオリティの高い音楽を作ったところで、彼女の曲をしっかりと聴き込んでいる人って実はごく少数なんじゃないか。私は結構トップ級のリスナーなのではないか。ヒット曲を出せば売れるという発想には限界があるんだろう。

New Year Rally (2025-04-01)

前に読んだ記事(URL削除済み)によると東上線は利用者一人あたりの死亡率が日本で第一位らしい。2008年のデータなので今がどうかは分からないが、東上線といえば人身事故の権化のような存在である。今朝も東上線の人身事故がバタフライ・エフェクトの如く各路線に連鎖し、朝の通勤ラッシュに大混乱をもたらした。私は業務の都合上(朝の会議を家で出てから出社)、遅めに家を出たのだが、それでも信じがたいほどの混雑だった。都営三田線には日頃から不機嫌な空気が充満している。行きたくもない会社に、乗りたくもないギューギュー詰めの電車に乗って移動している。他の乗客に手を出したくなる衝動と、会社員としての立場や収入を失うリスクとを天秤にかけ辛うじて我慢している人が一定数いると感じる。とにかくみんながカリカリしている。

新年度の始まりといえば4月1日とジャップの大半は信じて疑わないが、そうとは限らない。たしかに日本では一般的に学校や会社が4月から始まる。しかしこのカレンダーは普遍的ではない。法律で決まっているわけでもない。現に私の勤める会社では年度は12月31日に閉まり1月1日に始まる。これはたとえば明治安田Jリーグは2月に開幕するけど欧州の主要フットボール・リーグは8月に開幕するというような話。住んでいる世界が違えば採用されるカレンダーも異なり得る。そして明治安田Jリーグが秋春制への移行を決定したように、変えることも可能。いずれにせよいま私が身を置いている環境において4月1日は新年度の始まりではない。特別な日でもない。大学を出たばかりの若者がこの時期に入社してくるという風習はない。時期にかかわらず新卒採用をしていない。4月1日に人事異動が一斉に発令される風習もない。人事異動自体がそう滅多にあるものではない。

今日の公演ではメンバーさんが新年度の目標を書初めで発表するという企画がある。書初めを4月1日にやるというのはやや無理がある。書初めをやるのは年度ではなく年の始まりだろう。(もちろん面白けりゃなんでもいいんだけど。)実質的には定期公演とほぼ変わらないという認識である。定期公演は先週の3月25日(火)に終わったことになっているがそのちょうど一週間後。同じ時間。同じ会場。来ている人たちもだいたい同じ。開場前、CLUB CRAWLの上にあるセヴン・イレヴン前に集う、馴染みの面々。「大体 毎回 いつも同じメンバーと再会」(RIZE, “Why I'm Me”)。18時26分時点で待っているのが9人ほど。今日は大人数なんで頑張っていきましょうと冗談を飛ばす某紳士。4月にして冬の寒さ。私がLiVSを観に来て以来、初めての雨。

開場時間が定刻から10分遅れて18時40分になった(開演も10分押して19時10分になった)。どうやら運営のササガワカンタさんが遅刻されたのが理由のようである。同氏が18時25分頃に会場前に到着された際、てっきり会場側の都合で遅れるものと思い込んでいた我々サイドから「(原因が)そっち?」という感じでちょっと笑いが起きた。お疲れ様ですという目撃者たちからの挨拶に見向く余裕もなく、氏は小走りでCLUB CRAWLへの階段を下りて行った。我々が階段で入場列を形成しているとフロアからリハーサルの音が聞こえてきた。

(本来の)開場時間には10人強だった目撃者は、開演時点で20人くらいにはなった。私のチケット番号は6番。最前で観ることが出来た。CLUB CRAWLの最前というのは手を伸ばせば、というかそんなに伸ばさなくてもメンバーさんに触れるくらいの距離である。この距離で、視界を遮るものがなくLiVSの公演を観られるというのは本当に幸せなことだ。奇跡のような、稀有な体験。しみじみと嚙み締める。これが自分の中で当たり前になってしまったらこわいなと思う。たとえば家庭を築いて子どもがいれば、子どもの生育段階に応じてさまざまな喜びがあるのだろうが、そういう人生ではない以上、私にはこの時間が最大の喜びで、生きている意味である。メンバーさんがフロアに下りてくる『RとC』ではマルコとハイ・タッチ出来た。ランルウさんとも。どういうわけか今日はやけにランルウさんと目が合った。“Shall Weeeee Dance???”を間近で観られたのは嬉しかった。やはり私はこの曲がとても好きだ。ユニセックスさんが自己紹介を終えてから“Shall Weeeee Dance???”と何度もメンバーさんと目撃者に問いかけてからこの曲に行く流れが愉快だった。LiVSはロックを標榜している。ロックに行こうぜと公演中に我々を煽ったりもする。とりあえず私はイエーイと乗っかるもののそこで言われているロックが何なのかよくわかっていない。単に音というだけじゃなく精神性を指しているんだろうけど。私は若者なのでロックではなくヒップホップに強い影響を受けてきた。“Shall Weeeee Dance???”はおそらくロックとはちょっと違う。LiVSの本流からは少しずれているのかもしれない。勝負どころでは披露されない印象。ロックとは何ぞやという話は、いずれ特典会でメンバーさんに聞いてみたいなと思っている。野暮かもしれないが。「んなもん知ったとこでそれがなんぼや」(ライムスター、『Rhymester曰く、』)という話かもしれないが。

コチャキンTVさんが脱退した直後のタイミングで書くのはさすがに薄情すぎると思い黙っていたのだが、実のところ私はアイドル集団において五人がベストの人数だと思っている。もちろんコチャキンTVさんがどうのということではなく、一般的に。℃-ute、初期Juice=Juice。私がこれまで恥知らずにも積み重ねてきたアイドル支持者としてのキャリアの中で、最も完成度が高いと思ってきた二つの集団はいずれも五人だった。一人一人が不可欠で、それぞれの個性が十分に発揮され、集団としてのバランスも保てる。それを実現する最適な人数が五人だと私は思っている。私はコチャキンTVさんの不在をもう感じていない。もし自分の中でLiVS=コチャキンTVさんと言えるほど氏の存在が大きかったとしたら話は違っていただろう(実際、田村芽実さんが抜けた後のアンジュルムには物足りなさを感じた)。だが五人の集団として前に向かっているLiVSを、私は六人だった頃にも増して好きである。現金な話をすると、コチャキンTVさんの退団以降はマルコの見せ場が目に見えて増えている。マルコ支持者としてはおいしいところが増えているということである。

特典会。マルコとコンニチハクリニックさん以外のメンバーさんにもたまには行きたいと思っていた。今日だいぶ構っていただいたランルウさんの列に並ぶ。ご対面したところ「何ですか~?? 何ですか~??」と警戒された。「デコ出しのときだけ来るんですか~?」「たまには来ようと思って」「そうですよね」。ランルウさんと一対一でご対面するのは1月5日(日)以来、約三ヶ月ぶりの二度目なのに、どういうわけか私のハンドル・ネームを認識していて、手でCの形を作るポーズを氏の方からしてくれた。いつもお洒落だから私はステージに出る側なのに見るのを楽しみにしている的なことを言ってくれた。マルコには筋トレ何やってるの? 家に道具あるの? と聞いた。曰く、道具はない。やっているのはプランク、お尻、足の内側。あとは筋膜リリース。マルコに行く前にコンニチハクリニックさんとチェキを撮っていた。そのときにコンニチハクリニックさんがチェキを私のスーツのジャケットの胸ポケットに入れていた。その上部がはみ出していた。それを見たマルコが「これ何?」とチェキを取り出す。思わず私は「あっ…」と声が出てしまった。「(マルコ以外と撮るのは)悪いことじゃないもんね」「うん、悪いことじゃない」。わざとらしい口調と表情でマルコが言ってくれるというプレイが発生し、気持ちよかった。

2025年4月6日日曜日

SEASON OF CHANGE LiVE (2025-03-30)

今年度中に解散した集団(アイドルに限らずお笑いなど何でもOK)のグッズを持参すればチケット代が無料。(春は出会いの季節なのでこれを機にLiVSに出会ってほしいという趣旨のようだ。)と言われてもそんなグッズは持っていない。過去を振り返っても見ていた集団が解散したという経験がほとんどない。ちゃんと見ていた集団でいうと℃-uteくらい。後はまあ℃-uteほど見てはいないけどBerryz工房とこぶしファクトリーか。私がこれまでの人生で主に見てきたHello! Project(アップフロント)はよくも悪くも大手の安定企業。メンバーさんが抜けたら新しいメンバーさんを継ぎ足して秘伝のタレのように集団を存続させていくのが近年の同社である。なので、私は好きだったメンバーさんの退団こそ数多く見てきたけれど、集団そのものがなくなるショックを味わったことはほとんどない。いずれにしても今年度に解散した集団のグッズは持ち合わせていない。有料でチケットを購入した。JPY3,150で特別にサイン入りチェキ券がついてくる。なおサイン入りチェキ券は通常だと対バンでしか販売しておらずJPY2,000である。

今日の公演では3月22日(土)に▒▒歳のお誕生日をお迎えになられたミニ・マルコさんの生誕企画が行われる。LiVSには運営主導でメンバーさんのお誕生日を祝う風習がない。一般論だが、これには良し悪しがある。メンバーさんも人間だから歳をとるわけで、誕生日を隠し通すのも無視するのも無理がある。運営が祝わなければ支持者側が祝うことになる。その企画と実行において支持者同士の序列が可視化される。ファン歴とか、現場に通っている頻度とか、応援の熱量とか、他のファンからの信頼とかで、誰々チャンの支持者といえば何々さん的な。だからその人が中心になって企画していくっていう。そういうトップ・オタク(TO)的なキモい概念がつきまとうことになる。たとえばHello! Projectの場合は公式にバースデー・イヴェントが開催されるため、そういうことが起きない。だがHello! Project方式が一概に優れているとも言い切れない。なぜなら公式に誕生日を祝うというやり方は、メンバーさんの年齢を強調することに繋がるからだ。Hello! Projectはメンバーさんの年齢(数字上の若さ)で訴求している面が確実にある。たとえば2025年2月6日(木)付の「ハロプロ研修生に新メンバー加入のお知らせ」。加入者たちの名前の横にわざわざ学年を添えてある。中学2年生、小学5年生、小学5年生、小学5年生、小学5年生、小学4年生、小学4年生、小学4年生、小学4年生、小学4年生、小学4年生。これを見て興奮と喜びを隠そうともしない紳士たちを見ると、自分がHello! Projectから離れ、二十代前半の地下アイドルを追いかける正常な人生を歩めて本当によかったと思える。LiVSはメンバーさんの生年月日を公式に公表していない。これには本名を公開していないのと併せてメンバーさんのプライヴァシーを守る意味もあるだろうし、より根本的には年齢で売ってねえンだよウチらはということだと思う。もっともミニ・マルコさんは前職の声優を実名でやっていたため、ちょっと検索すればお名前も生年月日も分かる。だから私は彼女が何歳になられたのかも実際には知っている。3月18日(火)に特典会で氏にお誕生日の話をしたところ、私は年齢は非公開なんだけど祝ってもらえるのは大歓迎的なことを言っていた。Belated Birthday LiVEでも誕生日は3月22日だと自ら言ってきたので、日付までは公知としてOKのようである。

LiVSにはメンバー・カラーがない。衣装の色分けもない。公演中にペン・ライトやサイリウムを光らせて振る習慣もない。そんなことよりもオキニのソロ・ラインで前方中央に突っ込みケチャをする。肩を組む。インテンシティの高い肉弾戦が好まれる。男臭さ(文字通りの臭さはない)、無骨さのあるフロア。それがLiVS現場の特徴である。(先日ある紳士に伺ったところによると、この激しさがイヤで他に移っていく人もいるらしい。)音楽からしてそうなんだけど、あまりアイドル・アイドルしていない。例外が生誕祝い。そのときだけは目撃者たちが事前に示し合わせたタイミングで光る棒を掲げる。そのときの色はメンバーさん毎に決まっているようである。ミニ・マルコさんは黄色。どうやら氏が一番好きな色。ちなみに先日の定期公演会で私が黄色と水色のネクタイで特典会に参加した時、二番目に好きな色は水色と彼女は教えてくれた。これまで私が洋服を買う際、黄色は積極的に選ぶ色ではなかった。この色で頭に浮かぶのは柏レイソル。実利的な問題として、横浜F・マリノスの試合をスタジアムに観に行くとき、服装がまっ黄色だとあまりよろしくないことがある。フットボール・ファンをやっているとさまざまな色が政治的な意味を持つようになる。ミニ・マルコさんがお好きな色が黄色というのを知ってからはこの色に対する見方が少し変わった。adidasのイケてる黄色の古着トラック・ジャケットを注文した。家を出る30分くらい前に届いた。それに着替えて家を出た。

“ZOMBiES→”におけるミニ・マルコさんのソロ・ライン「待たず引き寄せるdestiny…」が始まると同時に一斉に黄色を点灯することになっていた。サイリウムは開演前に有志の紳士がフロアで配布していた。準備万端だったが、なかなか同曲が始まらない。そしてそろそろ公演も終わそうな雰囲気を帯び、雲行きが怪しくなってくる。私の頭には一瞬、この生誕企画を運営ぐるみで阻止しにかかっているのではないかという陰謀論が浮かんだ。昨日だったかな、“ZOMBiES→”が急にストリーミングから削除されたんだ。生誕企画を嗅ぎつけた運営さんからの“ヒント”だったんじゃないかとそのとき思った。幸いにもそれは杞憂に終わった。それは公演の本当に最後の曲だった。“ZOMBiES→”が始まった。約束のタイミング。満を持して目撃者たちが掲げたサイリウム。黄色で満たされたフロアを見たミニ・マルコさんは本当に嬉しそうだった。ケチャで自分に向けられたサイリウムを一本奪い取って歌っていた。「頭の中の素敵景色達にまた一つ仲間入りです」と後にトゥイッターで感謝を表していた。その景色の構成要素になれたのを、私は支持者として幸せに思う。一方で、この企画にただ乗っかっているだけで、何も貢献をしていないという後ろめたさもある。企画の考案と周知、メッセージ・カードのデザインと業者への発注、記入の呼びかけ、回収、サイリウムの調達、配布、ゴミの回収……。首謀者の紳士たちには頭が下がる。私もミニ・マルコさん支持者の端くれとして、せめてちょっとくらいカンパをしなければならないのではないかと思っている。(なお“ZOMBiES→”がいきなりストリーミングから消えた理由だが、2nd EP “WARMiNG”に収録されるから重複を防ぐために削除したんじゃないかというのが私の仮説である。“WARMiNG”の収録曲が判明したら分かる。)

おそらく次のEPが出るまでの限られた期間限定で特典券の販売が対バン仕様になっていた。つまりサイン入りチェキJPY2,000と写メJPY1,000の二種類。チェキ二枚と写メ二枚を購入。チケットについてきたチェキ券一枚もある。特典会ではミニ・マルコさんの列が圧倒的に長かった。その間隙を縫っていつものコンニチハクリニックさんだけではなくユニセックスさんにも行ってみた。ユニセックスさんはサインがカッコいい。だってsexって入ってるんだよ。一枚はゲトりたかった。彼女は1月5日(日)以来、二度目のご対面にも関わらず、おーcteki! もう覚えたよ的な感じで歓迎してくれた。驚いた。眼鏡と服の話をした後、配信(※二日前のツイ・キャス)で火鍋の話してたじゃん。うん。俺、一時期毎週食ってて。通勤中に三回くらい▒▒▒を漏らしたことある。と去りながら申し上げた。めっちゃ笑ってくれて、やめてよー! と言っていた。マルコとの会話の中で、いつも(服装を)褒めてくれるから、最近前の日くらいからずっと考えてる。明日マルコに会うから何着ようかな…って。お風呂の中とかで。重荷になってない? 大丈夫。というやり取りをした。LiVSに通うようになって服装に前よりも気合を入れるようになったのは間違いない。メンバーさんが褒めてくれるから「ドープな服装で武装」(HILL THE IQ, ZEEBRA, 『飛んで火にいるWACK MC』)し、それをまたメンバーさんが褒めてくれるというポシティヴ・フィードバック・ループが成立している。コーディネートや服選びにおいて攻めの気持ちが強くなっている。アイドルの公演を観に現場に行くという行為には音楽という本体に付随し、マブな女との接触、男同士の交流と、テストステロンを増加させる要素がふんだんに含まれている。先日パーソナル・トレーナーの青年から、初めて会ったとき(約二年半前)に比べて受け答えもハキハキしているし間違いなくハイT(参照:ジョージ・メンズ・コーチ)になっていると言われた。自分でも変化を感じている。これにはLiVSも一役買っている。