また名古屋。また遠征。前回から二ヶ月も経っていない。言うまでもない。遠征は交通費が馬鹿にならない。何の考えもなしにポンポン行くわけにはいかない。冷静な判断が必要。理由が必要。今回の理由:ゴールデン・ウィークの四連休に何の予定もなかった。厳密に言えば後ろに有給休暇を一日追加してLiVSの下北沢シャングリラ公演(ツアー千穐楽)を観に行くわけだが、本体(?)の四連休にも何か一つ楽しみがほしい。それで行くことを決定。超最高チケットなるものを初購入。最高(3150)だからJPY31,500という悪ノリの価格設定。特典が「最優先入場、全員集合チェキ、終演後デコチェキ会、感謝の10秒動画、感謝の手紙、サイン&コメント入りチェキ券」。今回のツアーではすべての公演で発売されている。自分がこれに手を出す日が来るとは思わなかった。通常のチケットはJPY3,000。新規客なら無料。既存客でも新規客を招待すれば相手も自分も無料で入れる。それを知った上で買うJPY31,500のチケット。もう完全にお布施じゃねえか。新興宗教じゃねえか。決済の瞬間は少し緊張した。しかし私に迷いはなかった。数か月前の私が見たら正常ではないと言うだろう。狂いが加速している。『定額制夫の「こづかい万歳」~月額2万千円の金欠ライフ』の世界観ではあり得ない消費行動。交通費とチケット代で五万何千円も出している経済的な余裕は私にない。それが正常な思考である。一方で、やるなら今しかねえという思考も私の頭にある。機は熟した。一度“あっち側”に足を踏み入れてみるべきだ。どんな景色が見えるのか知りたい。景色というのは単にフロアからステージがどう見えるかという意味ではない。諸々の特典も含め、超最高チケットの世界を体験したら自分がどういう心境になるのか、それを知りたい。
新幹線。10時すぎに名古屋駅。今日は12時からタワ・レコ名古屋店でrelease party。17時半から新栄DAYTRIVEで公演。最初は14時頃に名古屋に着くバスを予約していた。Release partyに参加するとなると新幹線を使わないといけない。当然release party自体にも費用がかかる。高いチケットを買っている分、少しでも出費を抑えたい。だからrelease partyは回避するつもりだった。だが各地で参加していくにつれ、あえて名古屋でrelease partyに行かない選択肢はないなと思うようになった。そりゃお金はかかるけど、しゃーないやん。名古屋に来ると決めた以上、腹を括るべきだ。バスの予約はキャンセルした。新幹線の中で読む『アイドルだった君へ』(小林早代子)。アイドルをテーマにした短編集。リアル。陳腐さ、嘘臭さを感じない。あのしょうもない『推し、燃ゆ』とは比較にならない。それにしてもLiVSを観始めてから本を読む時間がほとんどなくなってしまった。フル・タイムで働いて、スタジアムにマリノスを観に行って、ライブハウス(和製英語)に今の頻度でLiVSを観に行って、ブログを書いていたら、他に何かをする時間は残らない。でもこういう時期があっていい。この熱がずっと続くわけではない。夢中になれるうちはなっておこう。狂えるうちは狂っておこう。運良くそのまま死ねたら素敵やん。
名古屋駅前のセヴン・イレヴン。ホット・コーヒー(R)と、ご愛顧五目ごはん。東海限定のおにぎり。結構おいしい。名古屋近鉄パッセ9階。タワ・レコ。既に入場整理券は完売したと顔見知りの紳士に知らされる。販売開始時点で15-20人並んでいたらしく。用意されていた整理券は80枚(本release party各地共通)。最初の人たちが何周か購入すれば券は枯れる計算。お店の人に聞くとイヴェント参加者向けのコンパクト・ディスクは屋上で販売しているという。せめてLiVS券だけでもゲトろうと屋上に行くと、タワ・レコの人間にこれからリハーサルが始まるからここにいるなと言われ追い返される。LiVS券もゲトらせてくれないしリハーサルも見せてくれない。名古屋の陰湿な仕打ち。結局、入場前に某紳士経由で某紳士が余らせていた42番の整理券をいただく。それで入場。二列目の右側に行くことが出来た。私にとって屋外の自然光でLiVSを観るのは初めてだった。音響に関してはライブハウス(和製英語)の閉鎖された地下空間のほうが好き放題できるのだろうが、光に関しては晴れた野外に勝る条件はないのだろう。私は専門的なことは分からないが、光の量が多いからなのか、iPhone 14で何気なく撮ったLiVSの写真がパキッとしていた。明らかにライブハウス(和英英語)の照明下で撮った写真と違う。写メもいい感じに撮れた。ただ、天気がいいのは結構なんだけど、急に暑くなりすぎている。半袖teeで十分。まだこの気候に身体が慣れていない。T.M. Revolutionが言うところの「カラダが夏にナル」(“HIGH PRESSURE”)という状態になっていない。絶好のrelease party日和ではあったものの、身体は消耗した。気分もちょっと落ちてしまった。
栄に移動。前に中島さん、森川さんと入って大当たりだったインカ飯を再訪。(無料のrelease partyだけでも来てもらえればと思っていたが、お二人には会えずじまいだった。)Lomo Saltado (L) JPY2,200。生ビールJPY600。一人で入るとお得感がない。Lomo Saltadoはこの値段ならもっと量が欲しい。ファミリー・マート東新町店でなごやん(パスコ社)というご当地の饅頭JPY174を買ってみる。脂質1.4g。カフェ・ヴェローチェ栄四丁目広小路店でレーコーを飲んで涼む。京都に転勤になった享平くんを呼び出してみるが来てくれない。京都から名古屋なんてすぐですやん。ジョルダンで検索したらのぞみ28号で33分。苦情のあった客先にはすぐにすっ飛んでいくクセに。ノリ悪いな~。
私のチケット番号はSS12番。チケットの購入日時は3月16日(日)21時4分。発売開始から4分。ちょっと出遅れてますやんと思うかもしれないがアクセスの集中でサイトが重く、21時になった直後から購入手付きを始めてこの時間になった。12番目だと最前には行けないだろうなと思っていた。新栄DAYTRIVEは小さめの会場なので。結果としては行けた。どういうわけか1-11番の間で呼び出されても不在の番号がいくつもあった。JPY31,500のチケットを買ったら普通は多少の無理をしてでも来るだろう。なんでいなかったんだろうと思っていた。後から知ったが、不在だったのはコチャキンTVさんの脱退に伴い返金対応を受けた人々だった説が有力である。本日のチケットは3月16日(日)に発売された。3月21日(金)にコチャキンTVさんの当日付けでの脱退が発表された。そしてそれに伴うチケットの購入取り消しと返金対応は3月31日(月)まで受け付けられた。この時系列を鑑みると上記の説は信憑性が高い。いずれにせよ、結果として私の整理番号は実質的に繰り上がり、本来よりも良い位置で観ることが出来た。識者によると超最高チケットは各メンバーさんあたり三人くらいの枚数が売り出されるのが通例らしい。メンバー六人(コチャキンTVさん在籍時)であれば18枚。五人(現在)であれば15枚。今回、SSチケットが20番くらいまであったので、その差分がおそらくコチャキンTVさん支持者の返金分。
前回この会場で行われた公演で、次にここでやるときは二階にも人が入るくらいいっぱいにしたいと言っていたのがコチャキンTVさんだった。(二階席と言えるほどガッツリあるわけではないが、部分的にせり出した空間がある。)前よりも来場者は多かった。二階から観ている人もいた。チケットは完売間近だったとのこと(ソース:後日のササガワカンタ氏のツイートかInstagramのストーリー)。つまりほぼ満員だったわけで、コチャキンTVさんの願いは叶ったと言っても差し支えない。氏はこの光景を見たかったはずだ。もし氏がまだLiVSにいて今日ステージに立っていたら、どういう反応をしていたのだろうか。
“He Meets”を初めて聴いたときはピンと来なかった。ツアー初日の時点ではふーんという感じだった。その後、YouTubeでヴィデオ・クリップを何度か観ていくうちに映像自体の出来の良さもあってこの曲にはまっていった。癖になる瞬間があった。そこから何度も何度も繰り返しYouTubeとSpotifyで聴いている。今年に入ってからだと特定の曲にここまでずっぽりとはまって抜け出せないのは #KTCHAN の『キャp@い』以来だ。今のところ2025年に私が最も多く再生することになる曲は『キャp@い』と“He Meets”の一騎打ちである。“He Meets”は曲調的にLiVSのフロアで好まれるノリ(ケチャとかコールとか)の枠にはまりづらい。沸く曲というよりは聴く曲。それがまたいい。実際のところ、何でもかんでもミックスとかケチャばかりだと私は疲れる。そうじゃない定番曲がひとつ増えたのは嬉しい。ぜひ聴いてみてほしい。“He Meets”はLiVSのリスナー層を広げるポテンシャルのある名曲だと思う。
スピーカーが近いけどあえて耳栓をつけずに挑んだ。鼓膜を損傷してでもすべての音をそのままで受け止める覚悟。開演。身体を動かし、声を出し、音楽を感じていると、数分もしないうちに身体が熱くなってきた。心に火がついてきた。これはイケるなと感じた。もしこれがマリノスの試合だったらスタンドからWe are Marinosの合唱が沸き起こるくらいには勝利を確信した。先ほどのrelease partyで落ちた気持ちは完全に盛り返した。ネガティヴな気持ちも疲れもすべて吹き飛んだ。一日に二公演(二現場)あるときは二つ目の方が盛り上がるといういつものアレとはまた違う気がする。ウォーミング・アップというより、回復。開演前にフロアで流し込んだ缶ビールによる軽微な酔いも功を奏した。出し尽くした感、燃え尽きたがある。終演後はしばらく呆然として何も考えられないくらい。全員写メのときに凄く楽しくて燃え尽きたと言ったらシャングリラまで(元気を)取っておいてね的なことをランルウさんに言われた。実際のところ、そのときの正直な気持ちとしてはシャングリラは半ばどうでもよくなっていた。もちろんシャングリラの方が今日より大きな会場で、LiVSにとってはもっと大切なコンサートなのかもしれないが、私個人の体験としてシャングリラがこれを超えるはずがない。