2017年11月12日日曜日

つばきファクトリー 小片リサバースデーイベント2017 (2017-11-06)

タイミングよく上司が目眩と吐き気を訴えて早退したため、誰に断ることもなく16時すぎに会社を出ることができた。向かう先は半蔵門。TOKYO FM HALL。小片リサさんのバースデー・イベント。その前に新宿。飯屋を探してさまよった結果、歌舞伎町、川香苑。麻婆豆腐(1,080円)とご飯(300円)と麦焼酎(500円)を頼んだ。間違えて芋焼酎を入れたので芋焼酎でいいかと聞かれ、戸惑いながらも了承した。会計のときにはきっちり600円(芋焼酎の値段)を取られた。だからというわけじゃないが、夜に一人で入ってサッと食って出ていく店としてはいまいちだ。川香苑は。二人以上で歓談しながら飲み食いをしないと金額分の価値がない。「ぼったくり条例 そんな法律あてにならねえ 結局最後は自分で自分守るしかねえ」(MSC、『新宿U.G.A. Remix 03'』)。地下鉄で半蔵門。駅の周辺を少し散策して気付いたが、意外と店がある。次回はこの辺で食おう。U.S.A.のトランプ大統領が来日中。東京都では駅のゴミ箱を封鎖するという最先端のテロリズム防止策が施されている。意味があるのか? TOKYO FM HALL付近にもpopo(警察官。Kendrick Lamarの曲で学んだ。日本語でいう「お巡り」のような感じだろう)がうろついている。そういや皇居が近いのか。開演が19時45分、開場が19時15分。19時すぎにTOKYO FM HALL前に着いた。うつむいて電話をさすっていると目の前に警棒を持ったpopoが現れた。『フルートベール駅で』『ストレイト・アウタ・コンプトン』といった映画を観ている私はpolice brutalityを警戒し思わず身構えたが、何もしてこなかった。

おまいつさんがたくさんいる。小片リサさんといえばこの人というあの有名な青年。ド派手な柄物に定評がある彼が今日はモノトーンでお決めになっている。その取り巻きとされる、顔付近に身体の脂肪をかき集めてきたような紳士。ハロコンの度に中野サンプラザ前でよくコレクション物のトレーダーをなさっている紳士。新沼希空さん支持者の有名な紳士。今日はスーツを着用されている。労働に従事されているのか。いつぞやの金澤朋子さんのバースデー・イベントでステージに上がってゲームに参加された、最近のハロコンでは自作らしき小野瑞歩さんのTシャツをお召しになっている紳士。入場。今日は後方の左端。勝負服なのかいつもユーズド加工でボロボロに破れたパンツをお履きになっている50代とおぼしき紳士が通りがかり、ギョッとする。なぜなら彼は公演中に帽子を脱がないからだ。でけー黒いハット。近くに来たら厄介だ。この紳士を初めてお見かけしたときはが客席に紛れ込んだのかと思った。それくらいに服装が独特の雰囲気を放っている。孤独で独り身のままファッションを変にこじらせたらああなり得るというのは私も痛いほど分かる。私もかつてはヨウジ・ヤマモトの信者だった。私はヨウジの服をほぼすべて捨てたか売ったが、信者のままだったら彼のようになっていた可能性がある。私は彼の中に、そうなっていたかもしれない自分を投影しているのである。だからこれはディスではない。ピース。結局、彼の席は前方中央付近だったから私は何を逃れた。後ろの人たちは災難である。こんなイルなヴァイブスの紳士が高速握手で流れてきても目を合わせニコッとして「帽子がお似合いですね」と咄嗟に言える小野瑞歩さんは、ワイの天使なのである。他にも、さまざまなHello! Projectメンバーさんのバースデー・イベントに顔を出しその度にメンバー・カラーの派手な服で決めてくる紳士がいた。今日はオレンジ。想像だがいつもドンキホーテのパーティ・グッズ売り場あたりで調達しているのではないだろうか。

小片リサさんは、ステージに出てきた瞬間からめっちゃ美人だった。髪の毛がツヤツヤ。薄オレンジのドレスがきれい。司会は鈴木啓太。ジャケットの中にオレンジのシャツを着ている。この方からメッセージが来ています、え、誰?というお決まりの展開。画面に映ったのは福田花音さん。私は喜び驚く気持ちが半分、苦い気持ちが半分。福田さんはTwitterを始めてから私からのプロップスをだいぶ落とした。作詞家という自己像と、我々の目に入ってくる活動とのギャップ。Hello! Projectを辞めて、約2年。片手で数えられるほどのリリック。数え切れないほどのTwitterとInstagramへの投稿。もちろん歌詞はボツ作もたくさん書いてはいるのだろう。それくらいは分かる。けどさ。地道な創作活動に耐えきれず、SNS更新でお手軽に承認欲求を満たさずにはいられない。有名人ではあり続けたい。私はそういう自己顕示欲の強さを彼女から嗅ぎ取ってしまう。それが私が「作詞家」福田花音を素直に好きになれない部分だ。彼女のリリックにケチを付けているわけではない。特に『明日やろうはバカやろう』は好きだ。Juice=Juiceの現場で盛り上がる定番曲。その福田さんから小片さんへのメッセージは、「私のことを好きと言ってくれる人がHello! Projectにいると、私がHello! Projectでやってきてよかったと思える。私のどこが好きかを人づてに聞くと、マニアック。ふくらはぎが好きとか、私と同じアクセサリーを買ったとか。ガチオタだなと。嬉しい。今度、食事、買い物、カラオケに行こう」的な内容だった。ハッピー・バースデーの歌は名前のところが「リサちゃん」だったが、福田さんがその前に「せーの」を入れないから我々のタイミングが統一できなかった。これは新沼希空さんのバースデー・イベントのときに映像で出演した石田亜佑美さんもそうだった。何年やってるんだ。映像を観ながら小片さんは何度も指を目の下にやっていた。涙が出てきたようである。ふくらはぎが好きなんだって?という鈴木さんの問いかけに、この辺なんです、と自らの脚を指さした。ふくらはぎの下部、くるぶしに近い位置だった。

つばきファクトリーのメンバーがブログに載せている写真から、あざとさランキングのトップ3を発表。診断を下すということで先生っぽく見せるためにドレスの上から白衣と黒縁メガネを着用する小片さん。こうやって変化を付けて我々を楽しませてくれるのは理解(わか)っている。3位は小片リサさんご自身。両手を握ってお顔の下に持ってきている写真。目線。目が合っているような、目の前にいる感じ。2位は小野田紗栞さん。萌え袖。口の形。「こんな口の形してるの見たことない。写真でしか見られない表情だなと」。1位は新沼希空さん。制服を着て、顔を両手で隠している。最後に自分はつばきファクトリーの中で何番目にあざといと思うかと鈴木さんから聞かれ、「7位」と答える小片さん。観客からエーイング。「え? そう?」。小片さんがあざといポーズをいくつかやって、鈴木さんがスマートフォンで撮影。「後で俺のTwitterに載せる。そうすると上がるので(たぶんRTとかふぁぼとかフォロワー数が伸びるという意味)」。

小片さんのジェスチャーをファンが野次で当てるジェスチャー・ゲームを経て、新しい特技の披露。タップ・ダンス。何でタップ・ダンスを選んだのという鈴木さんの問いかけ。Hello! Projectでできる人が今はいないのでやってみようと思ったという小片さんの答え。私は感心した。発想が戦略的というか。他の人ができないことが自分の強みになるというのをよく理解した発言である。どれくらい練習したの?という鈴木さんが聞くと、3回、1時間ずつという小片さん。3時間の練習で特技にするのかと笑う鈴木さん。タップ・シューズに履き替え、スタッフが運んできた木の板に乗ってダンスする小片さん。手拍子を促すが、みんながクラップをするとタップが聞こえなくなる。それにみんな気が付き一部の人を除き手拍子をやめた。自己採点は92点。鈴木さんによると1公演目は84点だったので上達したそうだ。無表情で淡々とやっていたので、次はもっと表情を付けてやるべきだと指摘する鈴木さん。靴を履き替えるために捌ける際にニコニコする小片さんを見て、「そうそんな感じで」と鈴木さん。小片さんが捌けている間を埋めるために鈴木さんがタップ・ダンスをやったことがある人がいるか客席に問いかける。前方の中央付近の老紳士が挙手。一ヶ月くらいやっていたそうだ。どうでしたかと鈴木さんが聞くと、3時間やったらあんなもんだろうと老紳士は答えた。

ミニ・コンサート。
1.“Moon Power”(Berryz工房)
2.『秋麗』(モーニング娘。)
3.『Don't STOP! 恋愛中』(T&Cボンバー)
4.『co・no・mi・chi』(Buono!)
5.『シューティングスター』(スマイレージ)
『Don't STOP! 恋愛中』というのが、私にとっては初めて聴く曲だった。いい曲だと思ったし、今回の5曲では最も小片さんの魅力を引き出していると感じた。声に合っているというか。ミニ・コンサートを終えた小片さんは、一人でこんなに歌うことはなかなかないと言っていた。多人数グループにあって一人の歌唱をこれだけじっくりと聴ける機会は他にない。それがバースデー・イベントの醍醐味である。この子はこういう声をしていたんだとか、こういう歌い方もできるんだ、という発見がある。最後のお見送りでは「おめでとう。衣装きれいだった」と私が言うと「あーありがとう」と小片さんは言ってくれた。コスプレ感が出る前に制服を着ておきたいというご本人の意向でお見送りの衣装はセーラー服だったが、一瞬だったし、目を見て言葉を交わすのに精一杯で、制服を凝視する余裕はなかった。そういえば書くのを忘れていたが、小片リサさんは昨日で19歳になった。