2019年7月11日木曜日

JuiceFull (2019-06-17)

いちど自分の中でJuice=Juiceの優先順位を下げようと思っている。Juice=Juiceの現場にいても以前のように没入できないことが続いている。自分の体調が悪かったのだろうと思っていた。もしくはテストステロンが不足しているのかもしれない。しかしそれだけでは説明がつかない。つばきファクトリー、田村芽実さん、横浜F・マリノスを観るときは、熱中できるんだ。明らかに感覚が違う。原因が何なのか、明確に分からない。メンバーさんの脱退加入と、好みではない楽曲のリリースが続き、私が無意識で抱いていたJuice=Juice像が崩れてきたのかもしれない(楽曲はともかく、私はメンバーさんの追加に対する不満は一切ない)。いずれにしても、この集団から少し距離を置いてみる。次のツアーは、10月10日(木)のJ=J Dayだけを申し込んだ。10月10日に、私は2015年から四年連続でJuice=Juiceの公演を観ている。まだそれを途切れさせるまでには踏ん切りがつかない。(もちろんファンクラブ先行で落選し結果として途切れる可能性はある。)

Hello! Projectはつばきファクトリー中心で。それ以外の集団については今よりも厳選する。9月7日(土)と8日(日)には田村芽実さんのコンサートを観るために大阪と名古屋に行く。横浜F・マリノスの試合も、ニッパツ三ツ沢球技場で開催される試合はなるべくスタジアムで観たい。11月、12月には上原ひろみさんの日本ツアーがある。出来れば二、三回入りたい(eplus先行で三公演に申し込んだ)。アメリカ合衆国のドナルド・トランプ大統領がアメリカ・ファーストを掲げるのと同じように、ここ数年は私の生活もHello! Projectファーストだった。それを変えつつある。今年の夏ハロコンはAパターンとBパターンの一回ずつだけにしておいた。それでも二回は入るのだが、以前は三、四回、いちばん多いときは五、六回入っていた。こぶしファクトリーとBEYOOOOONDSの演劇女子部も二公演だけにしておいた(まだ当落は発表されていない)。もっと観たとしても満足できる可能性が高い。でも、そうやってHello! Projectばかりで予定を埋めていくのは避けたい。今の自分が本当に観たいのは何なのか、Hello! Projectという枠に限定せずに考えて、そこにお金と時間を使いたい。せっかくの休みに(もしくは平日に労働を調整して)、貴重なお金と時間を使うのだから、心の底から楽しみに出来るようにしたい。Hello! Projectだけを観ていると却ってHello! Projectの優れている点やありがたみが分からなくなる。かといって別に他のアイドルさん(スタダとか、AKBとか)には『マジ興味ねぇ』(DJ OASIS feat. K DUB SHINE)。そういえばfox capture planのコンサートにまた行きたい。最後に行ってからだいぶ時間がたつ。

今日は宮崎由加さんの、Juice=Juiceとしての最終出勤日だった。明日からも彼女はショウビズの世界には残るので、永遠の別れではない。ただ、Hello! Projectからの退団というのは大きな節目であるのは間違いない。当ブログの熱心な読者はご存知の通り、私はしばらくの間Juice=Juiceファーストだった。宮崎由加さんファーストだった。それらが崩れるには二つの契機があった。まず小野瑞歩さんの登場。彼女を追いかけるためにつばきファクトリーを観に行く機会が増え、いつしか同集団をJuice=Juiceよりも重んじるようになった。次に、Juice=Juiceへの稲場愛香さんの加入。2018年11月23日に甲府で彼女のダンスを最前で観てしまい、目と心を奪われた。宮崎由加さんから稲場愛香さんへの支持変更を決意した。そのわずか4週間後、宮崎由加さんの退団が発表された。このタイミングはバツが悪かった。まるで私が宮崎さんの退団を見越して稲場さんに乗り換えたようにすら見える。何て冷たいんだ。(もちろんそんなのは私が勝手に考えていることで、誰も気にはしないのだが。)もし宮崎さんの退団が11月23日の時点で分かっていれば、その時点で稲場さんに鞍替えはしていなかった。宮崎さんのJuice=Juiceでの最後を見届けるまでは支持変更を我慢していただろう。

もし小野さんがHello! Project研修生からつばきファクトリーに昇格していなければ、もしあの日に甲府でJuice=Juiceのコンサートを観ていなければ、私は宮崎さんの最終公演にもっと感情を移入できていたかもしれない。しかし、今の私とそれらの出来事が起きる前の私は違う。あの頃と同じ熱量で宮崎さんに思いを寄せることは出来ない。というか、これは宮崎さんに限らずなんだけど、過去に誰か・何かに心酔していたときの感情を思い出すのが難しい。たとえば五年前の私が℃-uteや岡井千聖さんをどういう気持ちで応援していたのか、鮮明には分からない。今、語ったとしても後知恵の捏造が多分に入り込むだろう。興味関心が次に移ったら、前に自分が抱いていた気持ちはだいぶ忘れてしまう。自分の記憶力が弱いというよりは、人間の脳がそう出来ているのだろう。Daniel Gilbertの“Stumbling on Happiness”を読めば分かる(『明日の幸せを科学する』という題名で日本語の文庫版が出ている。一読をおすすめする)。その場その場で娯楽を消費して、時間がたつと忘れてしまうだけでは悲しい。私が現場ごとに感じたことや考えたことをブログに書き続けるのは、そうなることへのせめてもの抵抗なのだ。

宮崎由加さんはHello! Projectに在籍してきた中で最も偉大な功績を残したメンバーさんの一人だ。松永里愛さんと工藤由愛さんがJuice=Juice加入を知らされたときの様子を思い出してほしい(まだの人はこの動画を観よう)。この集団に心から憧れていなければあの反応にはならないはずだ。宮崎さんをはじめとするJuice=Juice初期メンバーさん五人は、名声が確立した集団を引き継いだわけではない。ゼロから始めて、Hello! Projectを代表する集団を作り上げたのだ。たしかに一般的な認知度ではモーニング娘。には歯が立たないが、少なくともステージでの立ち振る舞いや歌唱、ダンスの習熟度に関してはモーニング娘。に引けを取らない。むしろ凌駕している。MISSION 220という後にも先にもないクレイジーなライブハウス(和製英語)行脚。あり得ない数の公演。疲労、ストレス、不満で集団が空中分解してもおかしくなかったはずだ。そして、日本武道館での単独公演という夢を叶えた後、集団のタガが緩んでも不思議ではなかったはず。そうならなかった。彼女たちはその後も継続的に地方ライブハウス(和製英語)から日本武道館まで大小さまざまな規模の会場での公演を成功させ続けた。集団を去る初めての初期人員になったという事実が、宮崎さんがリーダーとしていかに優れていたかを物語っている。誰もリーダー宮崎由加さんに愛想を尽かさなかった、ついていったということだからだ。(別に集団を抜けることがリーダーへの不信任を意味すると言っているわけではない。仮にそういう気持ちがあったとすると2013年から2019年まで全員が残り続けるのは難しかっただろう、というのが主旨だ。)

Juice=Juiceを選んだのを皆さんが正解にしてくれました、という旨のことを宮崎さんはおっしゃった。正解にするというのは、彼女が好きな言い回しだ。人生の選択はあらかじめ正解かどうかが決まっているのではなく自分次第で正解にしていくものなんだというのを誰かから聞いて感銘を受けたんだと、以前にどこかで彼女がおっしゃっていた。ご存知のように宮崎さんはJuice=Juiceでの活動に専念するために大学を中退している。アイドルさんというのは若さを売っている(我々側もそれを求めている)面があり、年齢に関係なくいつまでも出来るわけではない。将来カタギの職業に就く可能性を考えると、高卒よりも大卒であった方が選択の幅が広がるし、待遇面でも有利なはずだ。私もJuice=Juiceを応援して正解だった、宮崎由加さんを応援してよかったと書いて締めれば文章としてはキレイにまとまる。はじめはそう書こうとしたが、躊躇する。なぜなら、さまざまな試練を乗り越えてJuice=Juiceを拡大した宮崎さんと違い、私はお金を払ってそれを見ているだけだからだ。宮崎さんはJuice=Juiceをやり遂げて次の道に進んでいるが、私は他の集団や個人に目移りしながら観客としての生活を続けているだけだ。Juice=Juiceが発展したからといって、私の人生は発展していない。彼女たちの努力は、私の努力ではない。むしろ自分の人生ですべき努力から逃げているからこそ、私はいつまでも少女たちを追いかけ続けることが出来るのだ。人生の選択が正しかったかどうかは、後にならないと判断できない。たとえば私は一年と二ヶ月ばかり無職だったことがあるが、その後に再就職して安定した生活を手に入れたからこそ無職だった時間に意義を見出すことが出来た。あの期間があったから今の自分があるんだと思える。もし今でも無職を続けていれば、無職を選んだのは失敗だったとしか思えなかったはずだ。これまでに自分が歩んできた道は正解だったと胸を張れる人生を送れれば、宮崎さんに顔向けが出来る。それが出来る自信は、私にはない。