2022年3月13日日曜日

つばきファクトリー メジャーデビュー5周年記念ライブ ~君ならで誰にか見せむ椿の花色をも香をも知る人ぞ知る~ (2022-02-20)

高齢独身者は陰で親戚・近所の子どものための生きた教材にされている可能性がある。「あんな歳まで結婚できない人になってはいけないよ」「ああなったら人生終わりだよ」と、あなたの人生はあなたの知らない所で子どもたちへの教訓として使われているかもしれない。(樋口康彦、『崖っぷち高齢独身者』)
ただでさえおっさんは被差別階級(現に私たち自身が若いときから蔑んできた。数十年前、この国では25歳を過ぎた女を売れ残ったクリスマス・ケイクと揶揄するのがまかり通っていたらしい。その風習は消え去った。その代わり今でも中高年男性のことは好きなだけ嘲っていい。たとえば女は会議で喋りすぎると森喜朗が言うのは看過されないが、その発言を非難する際にはこれだから森みたいなジジイはという言い方が許される)。そのうえ独身でオタク。揃った三拍子。クレジット・カードは作れても我々に本当の社会的信用はない。中年期以降は何もしなければ心身共に弱っていく。人間も動物。パッと見フィジカルで自分より劣る相手のことは下に見るのが本能。弱れば弱るほど社会から舐められる。多くの人々は中年期以降、ちゃんと結婚して子どももいるという事実によって社会における自分の存在を正当化している。動物としての弱体化をそれで埋め合わせている。その道を歩めなかった高齢独身者は別の方法を採らないといけない。

昨年末から通い始めた日焼けサロン。今日で10回目。自分としては納得の行く焼き色に仕上がった。これを維持していきたい。店員さん(全員ギャル)によると週一で通わないと色は徐々に落ちていくらしい。が、普通に考えて入るマシンの強さと焼く時間によっても必要な頻度は変わってくるだろう。ともあれ、これまではほぼ週に一度来ている。最初の4、5回は大変だった。赤み、ヒリヒリ、ボロボロめくれる皮。ちょっとした負傷。6回目、7回目あたりになると肌に耐性がついてきた。7回目から12,000Wのマシン(V56)に毎回35分入っている。15年前から私の髪を切っている美容師さんは、入店した私を遠巻きに見て一瞬誰か分からなかったと言っていた。F君もこのあいだ仙台サンプラザで私が目の前に現れたとき最初は知らない人に話しかけるやばい地元民だと思ったらしい(道理でサツアイしたとき反応が鈍いなと不思議に思っていた)。もちろん自分でも焼けているのは分かるが、毎日自分のことを見ているので細かい変化は却ってよく分からない。他人から言われてそんなに焼けているのかと驚く。11月末からコア・スクイーズを使った筋力トレイニングとエアロ・フィットを使った呼吸筋トレイニングをほぼ毎日欠かさず行っている。髪型も前よりおでこを出すように変えた。自分のことを強くしていく。強そうにしていく。自信を持てるようにする。
常に毅然と胸張って堂々と(ZEEBRA、『男の条件 feat. MACCHO, Q, BOY-KEN』)
人間は40歳くらいで死ぬのが本当はいいのではないか? 最近そう考えることがたまにある。じゃあお前がすぐに死ね! 賢明な読者諸兄はそう叫んでiPhoneを地面に投げつけたくなるだろう。違うんだ。何というか、80歳くらいまで生きるつもりだったのがいきなり40歳で死ぬということじゃなく。最初から40歳くらいで死ぬことが分かっていてそれまでの人生を送ってきての話。今は死んでいない状態という意味での生が延びすぎたし、尊ばれすぎている。長くなった分だけ中身は薄い。1対0で勝っている中東のフットボール・チーム(もしくは鹿島アントラーズさん)がちょっとした接触でわざとらしく痛そうに長時間ピッチに倒れ込むような、終了まで現状のままやり過ごすことを目的とした生。イノチより大切なものはないとのたまう奴が言うイノチとはそういうスカスカな時間のことだ。人の一生で気力と体力に不自由しない時期は案外、限られている。その時期を将来のため、老後のためと言って(言われて)何かを我慢することに費やすと、自分が本当に何をやりたいのかも分からなくなる。

独身者であるか既婚者であるかとは必ずしも関係ない。たしかに既婚者は(子どもがいれば)子どもの成長や人生行事を見届けることで、感動や達成感を得ることができるかもしれない。しかしそれは自分以外の人間に入れ込みああだこうだ言うことで自分のことを不問に付している点においてアイドル、役者、アスリートの応援を生き甲斐にしている我々とそんなに変わらない。客やファンとしてお金を払ってショーや試合を観るのは自分の子どもを育てるのとは違うという反論があるかもしれない。しかし、相手に自分の遺伝子が入っているかどうかという違いこそあれ、根底は同じである。子育てが無償の愛で成り立っているわけではない。豫風瑠乃さんのつばきファクトリー入団が発表されたときに彼女はJuice=Juiceに入れてほしかったとSNSでゴネていた人々と、自分の子どもが特定の大学や会社に入らないと許せない親は、私には重なって見える。血縁関係のあるなし以外で両者の根本的な違いがあるなら、説明してみてほしい。

家庭を築いた人たちの様子を見ていると、土日祝日の予定は家族の相手で勝手に埋まっていくようである。崖っぷち高齢独身者たちは自分で予定を埋めていかないといけない。私は無職のとき、池袋の文芸坐と大森のキネカ大森によく行き二本立ての名画を鑑賞していた。映画を観ている間は職がないことの焦燥や将来への不安を忘れることが出来た。労働生活を送っている今でも、休みの日には観客としての時間を作り予定を埋めていかないと人生の無意味さに耐えられなくなる。

早朝に横浜駅にバスで到着しスカイ・スパで休まれていたM君と合流。マロリー・ポーク・ステーキで昼食。富士山(450g)とハイボール(M君はたしかウーロン・ハイだったかな?)。本当に味わい深いポーク・ステイク。用意された調味料の一つ一つが本当に合うし、色んな味を楽しめる。約JPY2,000。相武台前駅に向かう車窓。徐々に生活の匂いが強くなっていく風景に、愛知在住のM君も驚きを隠せない。横浜と聞いて人が一般的に思い浮かべる景色はみなとみらいとかのごく一部であって、ちょっと離れたらこんなもんですよ。ま、地方都市。そういえば今日はD君も観に来る。現在、彼は新宿でモーニング娘。さんの個別に参加中。座間でつばきファクトリーさんの昼公演を観たらすぐにとんぼ返りしてまた個別に戻るらしい。どういうスケジュールの組み方なんだ。「あの人、別につばきがメインじゃないんですよね……?」とM君も恐がっていた。しかもD君、今日の公演は途中退出をほのめかしている。M君の方が席が後ろだったのだが、そっちの方が途中で出やすいからとわざわざ席の交換を申し出ていた。私とM君がハーモニーホール座間の食堂で茶を飲みチルしていると、昼公演開演まであと10分というところでサイコパスの笑みを浮かべながら颯爽と現れたD君。ゆっくり話す時間もなく、彼はM君と連れ立って入場口に向かった。私がD君の姿を見るのはそれが最後となった。

夜公演のみを鑑賞する私は、そのまま食堂に残って『雑司ヶ谷R.I.P.』を読んだ。昼のポーク・ステイクがまだ腹に溜まっていたが、今を逃すと食べるタイミングがなさそうなので刺身定食を注文した。今日はちょっと食い過ぎた。ただ、私は平日は控えめにして土日はガッツリ食べるというメリハリをつけている。昼公演が終わり、戻ってきたM君が、浅倉樹々さんの内ももに注目してくださいと真っ先に言ってきた。他には:
  • 小野さんがおでこを出す髪型。顔が汗だくになっているのが見えて妖艶だった
  • 既存メンバーの肌の露出度が低い
  • 河西結心さんのワキ見せ大サーヴィス
  • 新沼さんが、あと何年やれるか分からないから思い出を残していきたい的な、含みのある言い方をしていた
浅倉樹々さんの内ももです、と再度強調し、M君はハーモニーホール座間を去った。

アップフロントさんが私に与えた2階の席。あらかじめ分かっていたが、実際に座ってみるとかなりのカス席だった。今日は落選者が多いことからこの場にいられるだけでよしとすべき。中野と仙台のハロ・コンでいい席を貰っていたし、さっきM君から聞いて衣装的に見所が少ないと分かっていた。ここで運を使う必要はない。衣装の肌面積が広いときは前方で観たい。(布面積が狭いというとメンバーさんを性的に見ている感じがしてよくないから肌面積が広いという言い方をするべきだ。これがポリティカル・コレクトネスだ。)M君が言っていたように衣装はいまいちだった。お金がないなら過去に彼女たちが着た肌面積の広いやつを使い回してほしかった。公演を通して一着しかないのも残念だった。まあファンクラブ・イヴェントで衣装が一通りなのは戦前でも普通だったか。今日の公演はファンクラブ・イヴェントなのか、コンサートなのか、位置づけがよく分からないが。そうは言っても見所がまったくなかったわけではない。私は秋山眞緒さんのお腹と小野瑞歩さんの左ワキを注視した。小野さんは仙台でのハロ・コンのときと同様におでこを出していたが、また違う新しい感じの髪型をなさっていた。エメラルド・グリーンのゴム?二つで左右の上の方を縛っていた。公演の終盤にはお顔だけでなくデコルテの汗が光っていた。どんな匂いがするんだろうか? 近くで嗅いでみたいし、みーたんの身体が発する熱を感じてみたい。

正確な曲数や曲目についてはGoogle検索に譲るが、10曲前後やっていたと思う。間に挟まれたのが川柳のセグメント。昼公演と夜公演でメンバーさんを二分してそれぞれの川柳が発表される。小野さんは昼公演で披露済みだった模様。谷本安美さんの作品は「まかせとけ ビジュアル担当 ここにあり」。これ聞いてSaoriはどう思う? とたしか岸本ゆめのさんあたりに振られた小野田紗栞さん。安美ちゃんと私では美人と可愛いでジャンルが違うから〜。そうそう芝生が違うから。的にお互いを認めつつも一歩も譲らない谷本さんとの掛け合いが小気味よく、熟練の域に達していた。福田真琳さんの「青椿」から始まる一句の感想を求められた豫風瑠乃さんがいつものちょっとおどおどした感じで、青椿という言葉の選択に対し、さすが……と言ってから「でござる」と付け足し、忍者? と複数のメンバーさんに突っ込まれていた。受け狙いではなく自分なりに適切な言葉を絞り出そうとした結果としてそうなっているのが可笑しかった。浅倉樹々さんは、過去にリリース・パーティで沖縄に行ったとき、他のメンバーさんが海には行っていたが自分は大人ぶって入らず撮影係に回ったことを川柳に落とし込んでいた。その流れで、またみんなで海に入りたいねという話になった。それを聞きながら私は思った。そう。ぜひみんなで小さな水着(ではなかった。肌面積の大きな水着)を着て海辺で遊んでほしい。アロ!ハロ的なBlu-rayをドロップしてほしい。

昨日は日産スタジアムで明治安田生命J1リーグの横浜F・マリノス対セレッソ大阪さんを観ていた。今日はつばきファクトリーさんを観てM君に(+ちょっとだけD君とも)会うことが出来た。文句なしに楽しい週末だった。明日とあさってをスキップしたい。そうしたら2月23日(水・祝)はまた日産スタジアムで横浜F・マリノス対川崎フロンターレさんを観ることが出来る。そう思いながら帰途についたが、東武東上線の車内に漂う強い雑巾臭が私を現実に引き戻した。