2023年3月5日日曜日

The Musical Day~Heart to Heart~ 2023 (2023-02-09)

平日だし、めいめいの出番は(多数いる出演者の一人なので)限られているし、チケットは高い(特別席JPY15,000、一般席JPY12,000)。見送るのも理にかなっていた。同じ金額を出すならもう一度『ミーンガールズ』を観劇したほうが満足できるかもしれない。少なくともJPY1あたりのめいめい鑑賞秒数は多いはずだ。とは思いつつも、特別席で申し込んだ。何の先行受付だったのか、覚えていない。めいめいのファンクラブ先行は今回なかったと思う。ここで辺にJPY3,000をケチって真ん中や後ろで観るよりはなるべくいい席で観たい。どっちにせよ高いんだから。席種は第二希望か第三希望まで選択できたんだけど、特別席にしか興味がなかった。第一希望のプル・ダウンだけ選んだ。おそらく外れることはないだろうという読み。そして仮に外れたら観に行けなくてもいい。席を妥協してまで何が何でも入場すべき公演には思えなかったので。目論見通り、当選。チケット代JPY15,000。サービス料JPY770。システム利用料JPY220。店頭発券手数料JPY110。新大久保のファミリー・マートで発券したチケットを見て高揚。A列。「Zepp DiverCity Tokyo 座席」で検索するかぎり、おそらく最前。こんなに最前ばかりで観させてもらえるなんて、めいめいの支持者としてこんな幸福があるだろうか。

Zepp TokyoとZepp DiverCity Tokyoはまったく別物 だから気を付けろよ(MC松島、“Zepp Tokyo”)

2022年末のFC会員向け配信だったと思うが、このコンサートの告知をする際にめいめいもZepp TokyoとZepp DiverCity Tokyoを混同していた。Zepp Tokyoは既に取り壊されている。それを知った彼女は唖然としていた。アイドルの聖地だったZeppのステージにミュージカル女優として再び立てることを心待ちにしていた彼女だったが、そのZeppがどっちのZeppだったのか、配信ではちょっとモヤッとしていた。めいめいご本人も分かっていなかったかもしれない。私がZepp DiverCity Tokyoに来るのはどうやら2017年10月10日以来のようだ。Juice=Juice。宮崎と印字されたピンクのTシャツ。一番後ろ。汗だくになるまで飛んだ。翌日ふくらはぎが筋肉痛になった。あのとき一緒にコンサートを観た中島さん(仮名)は今でも会うとあれは楽しかったと言うことがある。もう5年以上経つんだな。

在宅業務を16時くらいに切り上げ、東京テレポート駅へ。食の選択肢はあんまりない。会場すぐ近くにあるフード・コート。2017年にここの韓国料理店で食べたチゲがおいしかった記憶がある。だから迷わず韓国料理を選んだが、あのときに感じたほどおいしくはなかった。チゲとキンパの定食JPY1,419。あと缶ビール(サッポロ黒ラベル)JPY385。フード・コート内に韓国料理店はひとつだけだった。別の店になったのか、私の味覚が変わったのか。しかし割高。表示されている価格が税抜きだっだからなおさら。なんか高いよねこういうところのメシって。モノの割にさ。家族連れで来たら相当な金額になる。

平日の公演に顔を出すには労働者としてなにかしらの調整が必要になる。午後半休、全休、フレックス制度を利用しての早めの退勤。どの手段を取るにせよ神経は使う。公演に間に合う時間に現地入り出来るとホッとする反面、まだ緊張が抜けきらない部分がある。そういう意味じゃ、さっき缶ビールを飲んだのはよい打ち手だったかもしれない。一本じゃ全然酔わないけど、飲まないよりはリラックス出来た気がする。最近思うけど酒はちょっと飲んだ方が生活の質は上がる。たくさん飲む必要はないけど。ストレスのかかった脳をたまには麻痺させる必要がある。感情の抑圧(労働)から感情の解放(コンサート)に向かう中継点。

予想していたようにめいめいの出演時間は長くなかった。ソロで1曲、デュエットで1曲、最後の全員曲。あとはちょっとトークに参加。以上。(特にめいめいの扱いが小さかったのではなく、単純に出演者が多かった。)出番はこれだけですと事前に示されていたらJPY15,000のチケットを申し込んでいた自信はない。めいめいをもっと観たかった。めいめいの歌をもっと聴きたかった。それは間違いない。じゃあコンサートに不満があったというと、それはまったくない。むしろ最高に楽しめた。素晴らしかった。来てよかったと心から思えた。理由はいくつかある。まず何よりも、我々が声を出すことが許されていた! マスクを着けていればという制約は残っていたものの、声を自由に出せるというだけで開放感が段違いだった。猿ぐつわを解かれたような。なんかもう、無駄に吠えた。ずっと家に閉じこめられてから久し振りに外に出てはしゃいでる犬みたいな。出演者が我々に立ち上がること、一緒に歌うこと、コール・アンド・レスポンスに応えることを要求してくる。私にとって三年ぶりだった。感慨深い。2023年2月9日(木)は私にとって記念すべき日となった。客同士の監視、運営の監視、陰気な注意事項やお願いの場内放送がなく、一定の自由の下で各人が思い思いに楽しんでいる。私たちは三年間もこれを奪われていた。めいめいがソロで“Into the Unknown”を歌い終えて目の前を捌けていくとき、めいめい! と私は叫んだ。それが合図だったかのように複数の紳士が続いた。魂の叫びだった。(客は8割方女性だったが、私の付近はめいめい支持者の男性が多くキモ度が高めに設定されていた様子。そういえばチケット申し込みのときに誰が目当てかを記入させられたので、近いエリアに固められていた可能性がある。)めいめいは一瞬ちょっと驚いたようにも見えたが、ニコッとしていた。声だしOKになってから私がめいめいと初めて叫んだパイオニアだったかもしれない。
Everyone felt self-conscious expressing emotion alone. They needed a scream that gave them permission to scream. They needed to feel part of a larger limbic system. The way all dogs howled, that was limbic resonance (Chuck Palahniuk, “The Invention of Sound”)

めいめいは短時間の出演でも確実に観衆の心を掴む鮮烈なパフォーマンスを見せてくれた。我々のような支持者はもちろん、初めて彼女を目の当たりにする他のヘッズにも強い印象を残したに違いない。“Into the Unknown”はMusical de Nightで聴いたのとは別の曲に聞こえるくらいアレンジが違って。一瞬の隙も与えずに我々を圧倒して押し切る感じ。憑依系。とにかくカッコよかった。後ろに流しておでこを出した髪型も決まっていた。美しかった。先週末に観た『ミーンガールズ』ではジャニスの人格が乗り移っているかのようだった。変な話だが、ちゃんとめいめいの人格が残っているのを確認できてホッとした。

出演者さんたちは例外なくクオリティが高かった。レ・ミゼ出演経験のある紳士が二人(西川大貴さん、藤田玲さん)いたし、ムーラン・ルージュに出演が決まっている淑女(平原綾香さん)もいた。バック・コーラスを担当したお三方が冒頭に披露したABBAの“Money, Money, Money”は相当ドープだった。私の口角は上がりっぱなしだった。平原綾香さんと西川大貴さんによる“Jouful, Joyful”で西川さんがタップ・ダンスを披露した場所が私の目の前だった。私はめいめい以外に誰が出演するのかを調べずに来たので、森久美子さんが登壇されたときには声が出た。往年のティー・ヴィー・スターじゃんか。私でも知っているくらいの。ステージで歌う氏にはゴスペル歌手のような貫禄があった。最後の全員曲(“One Day More”)同じステージに立って歌う森久美子さんとめいめい。スゴいものを観ている感じがした。