2024年6月8日土曜日

吉田琴音生誕祭2024 (2024-05-12)

AFCアジア・チャンピオンズ・リーグ決勝戦、1stレグの翌日。土曜日に試合、日曜日にこのコンサート。身が入るわけがない。集中できるわけがない。あらかじめ分かっていた。試合がどんな結果になろうとも、私は他のことを考えることが出来なくなっているに違いない。5月11日(土)の試合が終わってもまだ2ndレグがある。2試合目が終わるまでは気が気でないはずだ。吉田琴音さんのお誕生日? それがどうした。KissBee? それがどうした。藤井優衣チャン? それがどうした。アイドル? それがどうした。そういう精神状態になることは、この公演を申し込む前に分かっていた。横浜F・マリノスが蔚山現代を破って決勝進出を決めたのが4月24日(水)。今日のチケット販売が始まったのが4月29日(月)。コンサートに足を運んだとして、私のモチベーションが低いのは既に見えている。行かないのも手。というか賢明。しかし5月末が使用期限の特典券が2枚残っている。コレを逃すともう今月はKissBee現場に来ることはない。ということでチケットを購入。

アル・アインとの試合は、16時から横浜駅近くで整体を受け、そのまま先生と一緒に観に行った。試合前に瀬戸うどんにでも入るつもりだったが先生がお酒を飲みたがるので新横浜駅とスタジアムの間にある適当な居酒屋に入った。(居酒屋北海道という店。調理含めすべてを大学生アルバイトで回しているかのような居酒屋。安いようでいて結局まあまあ行く金額。二度と利用しない。)先生曰く中国の地元では毎日のように何かにかこつけた集まりがある。誰かの誕生日とかで。その度にお金を払わないといけない。自分がそういったパーティをやらなくても他人のには顔を出さないといけない。イヤでも一回目は出て、二回目から断るというような配慮をしないと人付き合いに影響が出る。給料では足りないくらいにお金が出て行く。自分も会を開いてお金を徴収しないとやっていけない。複数人で食事に行ったときはその中で稼ぎがいい人が全額を払わないといけない。それが当たり前。先生はそういった風習があまり好きではないのだという。

試合前、選手入場時に立ち上がってゴール裏有志が用意してくれた紙(スタジアム全体でトリコロールを表現。私のエリアは白だった)を両手で頭上に掲げながらアジアを勝ち穫ろうのチャントを歌う。物凄い雰囲気だった。ウルッと来てしまった。2022年W杯の日本対スペイン戦で試合終了前に泣いていた男性が中継に抜かれたときに本田圭佑さんが言ったように「まだ早い」のは百も承知。まだ早いどころか試合が始まってすらいない。だが横浜F・マリノスがこの大舞台にたどり着き、私はスタジアムでそれを応援できている。それが本当に幸せだった。2-1でマリノスの勝利。僕が引退した後も思い出す試合になるだろう、と試合後にヤン・マテウスさんは言った。2週間後の2ndレグでは色々あって1-5で負け。合計スコア6-3でアル・アインがアジア・チャンピオンになった。それでも私にとって5月11日(土)のあの経験が特別だったことに変わりはない。

私が生きていて健康なうちに横浜F・マリノスがAFCアジア・チャンピオンズ・リーグで決勝に行くことは、もしかするともうないかもしれない。それくらいの大きな試合。一晩寝て何事もなかったかのようにKissBeeのコンサートに没頭できるわけがない。上の空。無理もない。昨日の試合で使い果たした感情。会場も良くなかった。五反田のG4。見づらい。整理番号38番。チケット発売後1分で決済購入してこの番号。おそらく年間パス(というのがあるっぽい)で最初の20-30人は埋まっている。会場によってはこの番号でももっと見やすい位置に行けると思うけど、G4では私たちのような一般層は残飯のような位置しか得られない。何と言えばいいのか、最前付近以外はすべてカスみてえな作りの会場なんだ。当日券で入っても大差なかった。
The odds are stacked against us like a casino
Think about it, most of the army is black and latino
(Immortal Technique,“Harlem Streets”)
マジでコンサートがほとんど印象に残っていない。ショッピング・モールでやっている知らない集団のリリース・パーティを遠巻きに眺めているのに近い感覚。あー、なんかやってるんだねっていう。入り込めていない。藤井優衣チャンの美貌は相変わらずだった。崩れる瞬間がない。お人形さん。それでもずーっと頭から横浜F・マリノスのことが離れない。昨日の試合のこと、次の試合のこと。マリノスに夢中すぎて、意識にKissBeeが入り込む余地が残されていない。視界の中ではKissBeeのコンサートが開催されている。メンバーさんがステージにいる。好きな曲も流れている。見える。聞こえる。それでも私に今日のコンサートは見えていなかったし、聞こえていなかった。ただそこに居ただけだった。私はこのコンサートの一部ではなかった。終演後、期限切れが近い特典券2枚を使ってツー・ショットの写メを2枚。藤井優衣チャン。実物も写真でも氏が美しすぎて毎度ながら感心する。すぐ隣に立たせてもらって、一緒に写真を撮ってもらう。それに1枚千円を払うのも納得である。