2025年3月28日金曜日

Let's Meet LiVS (2025-03-25)

3月21日(金)、18:01。LiVS公式アカウント。コチャキンTVさんの脱退発表。当日付け。わずか数時間。跡形もなく削除される同氏のソーシャル・メディア・アカウント。あまりにも呆気ない幕引き。チケット販売サイトやTwitterの告知で使用される、宣材写真というかフライヤーというか、公演毎に用意される写真。2025年4月1日(火)の公演ではコチャキンTVさんがデカデカと写っている。2nd EP『WARMiNG』Release Tourにはメンバーさん全員がデコルテを露出した写真が使用されている。そこにもコチャキンTVさんはいる。となるとこれはあらかじめ予定されていた脱退ではなく本当に急転直下で決まった可能性が高い。私がこの脱退について何か意見を言うのは難しい。なぜなら基準が分からないからだ。LiVSではこれが普通なのか? 過去にもマナツサマーさんというメンバーさんが抜けているが、そのときはどういう感じだったのか? 私にとっては約四ヶ月前に初めて見たばかりの集団。歴史が分からない。というかコチャキンTVさんのこともそこまで知らない。これまでの流れ(線)を知らずに、今回の脱退劇というひとつの点だけを見て物を申すことは出来ない。それに私がLiVSを観に来ているのは楽しむためである。LiVS(音楽、ミニ・マルコchanをはじめとするメンバーさん、目撃者の皆さん、フロアの雰囲気といった総体)が好きだから。ムカつくとか、悲しいとか、つらいとか、ネガティヴな感情を極力、持ち込みたくない。お笑いのファンが笑うために劇場に足を運ぶように、私も楽しくなるためにLiVSの現場に来ている。好きなはずの時間と場所でわざわざイヤなことに目を向けてモヤモヤするほど私の人生に時間は残されていない。

コチャキンTVさんを支持して特典会の列を形成していた皆さんの心中を察するに余りある。もしミニ・マルコchanが同じようにある日とつぜん会えない存在となったら、私は一体どうすればいいのだろうか? どうなってしまうのだろうか? ちょっと想像するだけで胸が締め付けられ、頭が痛くなる。次に会える保証もない生身の人間に心酔し、観に行く、会いに行くという行為そのものの危うさ。いつ崖から突き落とされるか分かったものではない。当日付けかどうかは別にして、その日は必ず来る。それは重々承知している。昨年11月30日(土)に初めてミニ・マルコchanとご対面して以来、12月23日(月)12月28日(土)2025年1月5日(日)1月18日(土)1月28日(火)2月2日(日)2月11日(火)2月22日(土)2月23日(日)2月25日(火)3月9日(日)3月15日(土)3月18日(火)とチェキや写メを同氏と撮影し、今日3月25日(火)も撮る。そして直近だと3月30日(日)、4月1日(火)にも撮る予定がある。もはや感覚が麻痺してくる。自分が何をやっているのかよく分からなってくる。もしかして自分は頭がおかしいのではないかと心配になってくる。だが生きていてこれだけ夢中になれる対象、場所に巡り合えるのは稀有なことである。理性的であり過ぎてもそれはそれで悔いが残るだろう。狂い過ぎない程度に、狂いたい。

観ている集団からメンバーさんが抜けることに対して、私はある程度の耐性がついている。伊達にアイドルというものをそれなりの期間に渡って見ていない。「俺の長年のキャリアが生んだバリア」(キングギドラ、『コードナンバー0117』)で守られている。さまざまな出来事に対し、過去に経験してきたからという理由でどっしり構えられる。それは年齢を重ねることの数少ない利点のひとつである。私は今の勤め先の事業が他社に売却される予定なのだが(このことは一般に向け発表済み)、前に勤めていた会社で吸収合併をされたことがあるので、今さら動揺することはない。なるようにしかならないと分かっている。ある意味、諦めている。自分が感情的になっても、強い意見を持っても、結果に対して何の影響も持ち得ない。であれば起きたことは起きたこととして、受け入れるしかない。同僚と事業売却の件で話すと、過去に勤務していた会社が買う・買われるのを経験してきた人たちはおしなべて落ち着きがある。こういうことは起き得るし、普通だよねっていう反応。今回のコチャキンTVさんの件は、もちろん残念だ。さすがに急すぎるとは思う。最初は動揺した。でも先に進まなければならないのが人生だ。

アイドルとファンはお互いの人生に一切の責任を持てない。たしかにアイドルがアイドルとして活動している場所と時間においては、ファンは必要不可欠である。ファンがいなければアイドルはアイドルでいることはできない。しかしそれは公演や特典会や配信の最中においての話であって、それ以外の私生活でファンが同じように絡めばそれはつきまとい、ストーキングであり、迷惑であり、犯罪である。ファンからの愛はあくまでアイドルがアイドルとして活動している特定の場所と時間において許される。そして、アイドルがずっとアイドルで居続けることは出来ない。アイドルがアイドルでなくなってからの人生を、ファンは保証できない。アイドルと違ってファンは気力と体力と財力さえあれば(そして恥さえ知らなければ)年老いても続けることが出来る。別の若い子に乗り換え続けるのがアイドル・ファンの性である。

これまでコチャキンTVさんを支持されていた方々が頭を冷やすため、あるいは一種のボイコットとして一旦現場から遠ざかるのは理解できる。むしろ至極真っ当な判断である。みんながみんな変に達観し、何事もなかったかのように、あたかもコチャキンTVさんが最初からいなかったかのように振る舞うのは、それはそれでおかしい。そういう方々が一定数いたのか(コチャキンTVさんの脱退に伴い、販売済みチケットの払い戻しを受け付けていた)、チケットの番号では私は六番目だったのに入場が二番目だった。A1, A3, A4, A5が呼び出されても不在だった。そもそも脱退とは関係なく今日のチケットはそれほど売れてはいなかったようである。私がA6番を買ったときにはチケット発売開始から何日か経っていたはずだ。いま見たら2月6日(木)だった。入場前にお話しした某氏は、3月23日(日)に買って12番だったとおっしゃっていた。そこに今回の脱退劇が重なって払い戻しを選択した人が一定数いれば、それは少なくなる。今日の定期公演に向けてメンバーさんや運営さんの告知ツイートがいつもより多かった気がする。おそらく動員の状況を見てのことだったのだろう(勘違いだったらすみません)。いずれにしても、二人目にフロアに入れたおかげで、初めてLiVSの公演で最前に行くことが出来た。とうとう来たな、この時がという感慨があった。

この前の土日は、今年に入ってから初めて二日とも一切の予定がなかった。貴重な休養。名古屋遠征の時期から崩した体調もだいぶ回復した。咳はほとんど気にならなくなった。LiVSの公演を楽しむための万全な状態が整った。ただ大きな障壁があって、直前まで非常にソワソワした。よりによって今日という日に会社で参加しなければならない行事があった。海外から偉い人が来日している(来ンなよ)のに伴い、夕方からグループ・ディスカッション。そのままオフィスで懇親会。それぞれが何時に始まり何時に終わるのか知らされていない。どう転んだとしても絶対に17時半には会社を出ると心に決めた。17時20分頃にグループ・ディスカッションが終了。同僚たちがオフィスの共用テーブルに飲食物を運んでいるどさくさに紛れて退勤した。無事に渋谷駅に着いたときの安堵感。KEBAB CHEFSでスペシャル・ケバブ・ラップ(ビーフ)JPY900を持ち帰りで購入。食いながら向かうCLUB CRAWL。会社で食う懇親会のメシなんかよりも歩くながら食うこのケバブ・ラップの方がうまいに決まっている。どこで何を食うかは自分で決めるんだ。路肩に咲く桜。半ば強引にでも労働をぶった切って現場に行くことで分泌される脳内物質。緊張や不安。そこから解放されて手に入れる喜び。その落差。

本当に来てよかった。今日ほど強くLiVSの公演を観に来てそう思えたことはほとんどない。もっとも私は2024年12月23日(月)に初めてこの集団のソロ公演に入ったばかりである。そんな新参者がそう感じてしまうほど、重要な公演だったように思う。たとえばツアー・ファイナルや大きな会場での記念すべき公演とはまた違った意味で特別な日だった。コチャキンTVさんが3月21日(金)に電光石火で籍を抹消されてから初めてのフル・サイズのコンサート。同氏の脱退に関しては公演中にメンバーさんから一切のコメントや言及もなし。明らかに箝口令が敷かれている(敷かれていなかったらごめんなさい)。メンバーさんからはどこか思い詰めているような、息苦しそうな感じを受けた。だけど、彼女たちはステージ上の表現に、音楽に、思いのすべてをぶつけていた。今日の彼女たちは鬼気迫るものがあった。気持ちが存分に伝わってきた。どんな気持ちなのか説明してみろと言われても、私もはっきり言語化できない。でもとにかく、彼女たちの姿勢は胸を打つものだった。終盤、ミニ・マルコchanの目には涙が浮かんでいた(他の誰かも泣いていた)。おそらくメンバーさんもフロアの目撃者たちも、程度に差こそあれ誰しもが何かしらのモヤモヤを抱えて臨んだと思う。そのモヤモヤがこの一回の公演で晴れたとは言わない。ただ、この状況で実現し得る最良の公演、最高の空間だったのではないだろうか。少なくとも私はこれからもLiVSを追いたいと思った。そういったことを特典会でコンニチハクリニックさんとミニ・マルコchanに伝えようかと思ったが、ほとんど伝えられなかった。

蛇足だが、メンバーさんたちがフロアに下りてくる『RとC』の最中、誰かに後ろから頭をはたかれ、振り返るとコンニチハクリニックさんが笑っていた。

2025年3月22日土曜日

Let's Meet LiVS (2025-03-18)

渋谷駅の中央改札を抜けてからCLUB CRAWLに行く途中にあるKEBAB CHEFS。スペシャル・ケバブ・ラップJPY900。エフェスJPY650。これは本物のケバブ・ラップだ。その辺のストリートで手に入るブツとは質が違う。本場トルコとほぼ本場のドイツでケバブ・ラップを食べてきた私が言うのだから間違いない。残念ながら日本で売っているケバブ・ラップはほとんどがフェイクだ。ありがちな特徴を挙げると、
  • オープン・サンドウィッチかと思うほどゆるゆる。本場ではきつく巻かれている。それに伴い具もギッシリ詰まっている
  • 入っている野菜がキャベツだけ。本場は何種類も入っている。トルコで食べたとき芋まで入っていることがあってびっくりした
トルコやドイツに比肩し得るケバブに日本で出会うのは極めて稀である。というか、今回が初めてかもしれない。支払いを済ませ、店主らしき紳士に絶賛のコメントを伝えた。

憶測だが日本でフード・トラックの中でケバブを作っている紳士たちの大半は、素人に毛が生えたようなものなのではないだろうか? 本国であれを出してもいい評判は得られないのではないだろうか? トルコ人だからリアルっぽく見えるだけで。そうでないと説明がつかない。彼らが提供するケバブ・ラップはトルコやドイツに比べ、明らかに劣るのだ。たとえば私がろくに修行もせずどこかの国に移住して寿司を握っているような。もちろんそれは極端なたとえだが、彼らは必ずしも本場で通用する技能を身につけた上で来日しているわけではなさそうである。トルコ料理店を修養なしでやっていくのは無理だろうが、ケバブ・ラップだけなら道具さえ揃えれば誤魔化しが効くのではないか? 少なくとも日本では。

この定期公演は18時半開場、19時開演。顔馴染みになった紳士によると先週は18時45分の時点で2-3人しかフロアにいなかったらしい。熱すぎる。その場にいたかった。あいにくその日はAFCチャンピオンズ・リーグ・エリートのラウンド16、上海海港戦と被っていた。私はアイドル・オタクではなくフットボール好きな一般人である。日産スタジアムでマリノスのベスト8進出を見届けた。翻って今日はしっかりと人が入っている。とある別の集団の支持者たちが大勢で(10人くらい? もうちょっと少なかったか)新規無料チケットで来ていたようである。そもそもの客入りが30人とか40人とかなので、その集団がいるといないとではフロアの人口密度がだいぶ違う。なぜか全員?がマルコ推しだった。マルコのソロ・パートで一斉に前に押し寄せていた。会場の半分くらいが今日はマルコ推しだった。血気盛んな彼らと違い、私はまだ体調が回復途上。荒くれ者たちの群れを搔き分けて前方中央に割って入っていく気力はない。今日はおとなしく、端っこでまったりと観ることにした。ケチャは一回もしなかった。これはなかなかいい判断だった。メンバーさん一人一人の表情、ダンスなどをじっくりと味わうことが出来た。端だからメンバーさんたちが気を配ってくれているのか、よく目を合わせてくれた。私はインテンシティ高く前方に突っ込んでいくLiVSのフロアも好きだけど、ステージをちゃんと観る方がどちらかというと性には合っているかもしれない。こう文字にすると当たり前なんだけど、見方を変えると見え方が変わる。メンバーさんたちを見ていると全然飽きないというか、見れば見るほど見所が見つかる。今日はLiVSのひとりひとりがステージで放つ魅力を存分に目に焼き付けることが出来た。これまであまり着目していなかった点として、ユニセックスさんの身のこなしには引き付けられるものがあった。何回かに一回はあえて今日みたいにゆっくりと観たいなと思った。今日はずっとステージを見ていたわけだが、特典会で対面したコンニチハクリニックさんに、(私のことを)見てたでしょ? と言われた。そして畳み掛けるように、見たらいつもニコッとしてくれるけん、嬉しいんよ、と博多弁で殺しにかかってきた(氏は福岡のご出身)。

コンニチハクリニックさんの特典会に参加するのはおすすめできない。なぜなら軽い気持ちで一度行ってしまうと好きになってしまい、抜け出せなくなるからだ。私も2024年12月28日(土)に初めて氏の列に並んだときは、冷やかし程度のつもりだった。別にリピートするつもりはなかった。今ではもう、特典会で氏をスキップできない身体になってしまった。いつもチェキを1枚だけとはいえ(あとはチェキ2枚と写メ1枚をマルコと撮る)、必ず氏と対面するのが終演後のルーティンになっている。完全に調教されてしまった。BLUEGOATSとの対バンで彼女を初めて観たときは、やたらと一生懸命で必死な人がいるなという程度の認識だった(2ちゃんねる風に言えば「必死だなwww」)。こんなことになるのは想定外である。思い出すのが、F君が言っていた理論である。曰く、接触するアイドルさんをその集団で一人に絞るのではなく、推しメン+逃げ場メン(スケベ担当)というように二人に分散させる方が精神衛生上、いいのだという。私にとって誰がどっちとはあえて言わないが(メンバーさんにも失礼だし)、理にかなっている。ここまで露骨に言語化していないだけで、実際には多くの人がやっていることである。

IGNiTED SOLiD TOUR FINAL 東京公演 (2025-03-15)

花粉症のような、風邪の入り口のような、どっちとも判別がつかないような、両方が入り混じったような状態。3月12日(水)に鍼の先生に言われた:春はデトックスの季節。花粉症と一緒に風邪の症状が出やすい。豆もやし、春菊、せり、わかめ、大根。この五つの食材をよく食べること。肉は控えめに。症状があるうちはカレーはやめた方がいい。約一時間後、私はネパール料理店でチキン・カナを頼んでいた。俺にはこれしかねえ(DJ PMX feat. MACCHO, ZEEBRA, “NO PAIN NO GAIN”)。急にカレーをやめろって言われたって無理だって。厳しいって。それに言うてもカレーはちょっとだから。

開演前にちょっとお話した有識者によるとSSチケットが20番くらい、Sチケットも20番くらい、Aチケットは80番くらいまで出ているらしい。その後に学生チケット、新規無料チケットと続く。SHIBUYA CYCLONEの収容人数を検索すると300と書いてあるけど、300人を入れるのは実際には無理だろう。満員電車のような状態になると思う。今日フロアにいたのは200人前後だったのかな? 実際に何人入ったのかは分からないけど、盛況だった。完売はしていなかったのかな。でも満員と言って差し支えがなかった。先日の名古屋とは比較にならない。このフロアの客密度の違いが、遠征してまで公演を観に行く大きな利点のひとつだろう。フロアに人が少ない方がステージは見やすいので。新栄DAYTRIVEのフロアにいた人たちの多くも結局はSHIBUYA CYCLONEにもいる。遠征して観に行っている人が大きな割合を占める。彼らがいるから地方巡業が成り立っている。ちなみにこれ(地方公演でも遠征者が観客の大多数を占め、地元民の割合が低い)はHello! Projectでも同じだった。LiVSがどうという問題ではなくそもそもアイドルが東京の文化ということだろう。だったらハナから東京だけでやればええやんって思うかもしれない。たしかに効率だけを考えるとその方がいいだろうけど、おそらくツアーで東京以外を回ることにはそれ以上の意味がある。メンバーさんの気分転換、モチベーション維持である。普段と異なる土地に行って、普段と異なる会場で、(東京にも来るおまいつがコア層とはいえ)普段は目にしない現地のファンの存在を確認すること。それがあるとないとでは、メンバーさんの気持ちが大きく変わると思う。なぜそう思うかというと、私も労働で海外出張をするとそういう効果を感じるからだ。引っ越しもそうなんだけど、場所を変えることで得られる力ってのはある。

そういや前の記事で書き忘れていた。名古屋の特典会でマルコに聞いたら、3月8日(土)はLiVSの遠征で初めて宿に泊まれたと言っていた。メンバーさんたちが3月7日(金)の夜に車で東京から大阪に向かっていたのはTwitterで把握していた。さすがに三日連続で車中泊というのは過酷すぎるので、一泊だけでもベッドで眠れてよかった。そのうち新幹線で移動できるようになるといいねとマルコに言うと、本当にね…的な反応だった。あと、大阪で551のぶたまん、名古屋では矢場とんの肉まんを食べたと言っていた。矢場とんの肉まんは皮が薄くて中身がずっしり入っているらしい。その話を中島さんにしたら矢場とんはフェイクだと一蹴された。

『RとC』でメンバーさんが下りてくるだけの空間はフロアに残されていなかった。人の多さに伴いフロアの熱量も高かった。フロアを見るステージのメンバーさんたちの笑顔がいつも以上に弾けていた。いつもよりも彼女たちが生き生きしているように見えた。当たり前かもしれないけど、彼女たちが見たいのはフロアに人がいっぱいいる光景なんだな。フロアの激しさはいつも以上だった。私がこれまでに入ってきたLiVSの現場ではいちばん激しかった。はっきり言うとちゃんとステージを見ている余裕がなかった。LiVSの現場ではほぼ常にとっかえひっかえケチャのため人が移動する。今日の人の多さと空間の少なさでは、前に行くときも戻るときも人と強くぶつからないように(多少ぶつかるのは避けられない)注意が必要だった。移動距離が長い分、戻るときにステージを背にする時間も長い。自分の定位置に戻るのも簡単ではなかった。ここはどこだ? 自分はどこにいた? 空中戦で競った後の着地後、視界から消えたボールの位置を探すフットボーラーのように頭を左右に振る必要があった。何をしに行っているんだという本末転倒感があるのは否めない。それでも最前に侵入し間近で見るマルコはうっとりしてしまうほどに神々しかった。消耗したが、間違いなく熱い公演だった。ツアー・ファイナルに相応しい。熱いライブ(和製英語)だったね、と特典会でマルコに伝える。LiVSのフロアって激しいじゃん。今日は特に激しくて。と言うと、こうなってたよね(片足立ちでおっとっととバランスを崩しそうになる私を再現する)と言ってから、初めての人は(フロアのこの激しさが)こわいかな? と気にしていた。コンニチハクリニックさんがフロアにダイヴしたあの光景は忘れられない。LiVSではこんなことまで起きるのかと衝撃を受けた。あのガンギマリの表情。躊躇が微塵も感じられないダイヴ。氏をしっかり受け止め、落とすことなく数メートル後ろに流してからステージに戻す目撃者たちの対応。この一連の流れには呆気に取られた。強烈だった。演者さんがステージにダイヴするのを現地で観るのは、私にとっては二度目。前回は約20年前。K DUB SHINEさん。ちなみにK DUB SHINEさんは床に落ちて負傷した。特典会でダイヴの感想を伝えたら、次やったときは受け止めてよとコンニチハクリニックさんは言った。頑張ります、と私は答えた。鼻が詰まって話しづらかった。

会場を出ると頭が痛い。19時から同じ渋谷でBLUEGOATSのリリース・パーティに行くつもりだったが見送ることにした。十条に移動し、サテン(梅の木)で休憩と時間調整。レーコー2杯。JPY800(一杯目JPY500。おかわりJPY300)。光屋でホッピー・セット(黒)とポテ・サラ、枝豆、もも串二本、鶏レバー串二本、野菜入りピザ。JPY1,947。早めに帰宅し、銭湯でゆっくり身体を温めた。

2025年3月20日木曜日

IGNiTED SOLiD TOUR 名古屋公演 (2025-03-09)

今シーズンはアウェイの名古屋グランパス戦が平日に開催される。4月2日(水)。行くのは不可能ではないが、無理がある。当日は午後半休を取る必要がある。豊田スタジアムで試合が終わるのが21時過ぎ。新幹線の最終が名古屋駅発22時過ぎ。たぶん間に合わない。夜行バスで帰るのはダルい。宿代を考えると一泊するのも現実的ではない。仮に一泊したところでさらに新幹線代もかかるわけで。そんな何万円も使ってまで観に行く試合ではない。DAZNでいいや。正確に言うとABEMA de DAZNで観る。DAZNは3月23日(日)をもって退会する。動作が軽くて快適であるという利用者の声をTwitterで見、ABEMA de DAZNに乗り換えることにした。年に一度、マリノスを観るために名古屋に行くというのは自分の中で既定事項だった。それがなくなった。その遠征費用が浮いたという都合のいい解釈で、LiVSのツアーを観るため名古屋に行くことにした。

3月8日(土)に大阪公演、3月9日(日)に名古屋公演。私は大阪にも行く気満々だった。3月9日(日)の大阪発、名古屋着のバスまで予約した。大阪の宿を探したところで立ち込める暗雲。宿がない。いや、宿はあるが高すぎる。名古屋でも見つからない。コヴィッド騒ぎ以前の時代にはJPY5,000-6,000も出せば最低限のビジ・ホやカプセルには泊まれた。楽天トラベルを見る限り今ではその最低金額がJPY15,000くらいに跳ね上がっている印象である。JPY15,000とかJPY20,000とかを宿泊施設に取られ、さらに大阪と名古屋の移動費もかかるとなると、それぞれを日帰りで行くのと大差ないんちゃう? 馬鹿馬鹿しくなる。なんかもう、友達の家に泊めてもらえるとかでもないかぎり、気軽に国内旅行は出来ないね。ということで今回のLiVSのツアーは名古屋と東京だけに入ることにした。ちなみに3月1日(土)の仙台公演は横浜F・マリノス対湘南ベルマーレと被った。

大阪公演を断念した3月8日(土)には新宿のナルゲキでサスペンダーズのPodcastイヴェントを観た。春とヒコーキのお二人を初めて生で見ることが出来た。イヴェント自体は面白かったのだが、思わぬ落とし穴があった。過剰な暖房である。半袖teeでものぼせるような暑さ。普段は女性客が多い会場だから空調の設定温度が高いのだろうか? 眠くなった。実際に少し居眠りをしてしまった。会場を出たのが16時頃だったが、時間が経っても眠気が取れない。寒暖差で調子が狂った。こんなに簡単に体調を崩す自分が情けない。厳しいって。弱いって。モテないって。テストステロン低いって。やることやれって。そういえば、数日前からちょっと咳が出てはいた。弱りかけていたところでナルゲキにとどめを刺されたんだと思う。隙を見せた自分が悪い。

大阪ではなく名古屋に行くのはもちろん、現地にダチがいるからだ。LiVSを観に行くついでに彼らと会えれば。何なら公演に来てもらえれば。そう思って中島さん(仮名)と森川さん(仮名)を誘ってみたところ、二人とも公演に来てくれることに。LiVSにはペア・チケットと新規無料チケットという新規客に異常に優しいシステムがある。
  • ペア・チケット:既存客が買うチケット。新規客を連れて来れば二人とも無料になる。しかもLiVS全員との囲みチェキが撮れる。その代わり二人は公演中、手錠で繋がれる
  • 新規無料チケット:新規客が自ら買うチケット。LiVSの単独を観るのが初めてなら無料(対バンで観たことがあってもOK)
本当にいいのかと思うくらい太っ腹だが、新規のお客さんに来てもらうというのはそれくらい大変かつ重要なのだろう。私が中島さんとペア・チケットで、森川さんが新規無料チケットで入ることに。つまり三人ともチケット代がタダ。中島さんは金融ブラックなので彼自身による登録や決済を発生させるのは避けたかった。チケットが無料とはいえlivepocketの登録の時点で弾かれる(有効なクレジット・カードがないとかで)のではないかという懸念があった。

ご都合がつけばお昼ご飯からご一緒したいという旨のメッセージを事前にLINEで送っていた。定期的に会えるわけではないので、この機会にゆっくりと旧交を温めたかった。蓋を開けると森川さんは14時半頃、中島さんに至っては開場時間17時のちょい前に合流。11時半に名古屋に着き、独り寂しくサンモールのよもだそばでにしんそば(温)大盛りJPY730とコロッケJPY130を立ち食いする私。忘れてはいけない。無料だったとしても休日にアイドルさんの公演に誘って来てくれるという時点で社会的には外れ値だ。まともな大人はこんな申し出に付き合ってはくれない。変わり者だから私と交流してくれるのである。感謝しないといけない。ここで急に常識を持ち出してはいけない。私たちはその枠の中で生きていない。「俺たちに常識を求める それはお門違い」(漢 a.k.a. GAMI, “M.M.I.”)なのである。森川さんと栄に移動。広場でコーヒーをしばく。会場の場所を確認。新栄DAYTRIVE。本当にここで合っているのかと戸惑う場所にあった。小さな飲み屋が集住しているビルヂングの、それも地下ではなく3階。近くのデイリー・ヤマザキで酒を買い、開場時間が近くなるまでストリートで飲(や)る。

入場列で近くにいた紳士が元々BiSHの支持者で(目撃者は元BiSH支持者が多い)、好きだったメンバーさんのコス・プレやメイク・アップまで施して擬態していたというお話を伺って面白かった。そのメンバーさんに自分自身がなりたいというのは、アイドルさんを支持する者が抱く欲求のひとつの終着点なのではないだろうか。たとえば「聖地巡礼」と称してアイドルさんと同じ場所を訪れ、同じものを食べる行為も、アイドルさんのやったことを追体験し、究極的にはそのアイドルさんになりたいという願望が根っこにあるのではないか。

場内にバーはなく、置かれた缶を各自が選んで取る。横浜F・マリノスを含むシティ・フットボール・グループとの複数年に渡るグローバルパートナーシップを締結したアサヒグループホールディング株式会社(本社 東京、社長 勝木敦志)が展開するグローバルブランドのAsahi Super Dryがあったので、当然ながら私はそれを選択。開演前の時点でフロアに漂うイルなヴァイブス。その場を埋めた人だけでなく会場そのものもドープ。森川さんは呆気に取られたように「ハーコーすね」を連呼し、「アンダーグラウンドが一番タフ」(ZEEBRA, “GOLDEN MIC (REMIX) feat. KASHI DA HANDSOME, AI, 童子-T, 般若”)というパンチ・ラインを呟く。ちなみに以前の定期公演でアイドルのライブに来るのは初めてですか開演前に聞かれた新規客の紳士が「そうすね、地下は…」と答え「地下って言うな!」とおまいつの紳士に(笑いながら)叱責されていた。この言葉はLiVSでは禁句なのかもしれない。

私の体調は明らかに微妙だったが、フロアに入った途端に不調がすべて解消し100%元気になった。(この旨を終演後、中島さんに言うと「逆に病気ですね。本当のクリニックじゃないですか」と言われた。)公演を心から楽しむことが出来た。フロアの目撃者側にもメンバーさん側にも、この場にいるみんなで楽しむというヴァイブスが充満している。たしかにフロア上の立ち位置の違いはある。高いチケットを買った紳士たちが当然、前方にいる。だが、前にいるから(高いお金を払っているから)偉いとか後ろにいるから(チケット代が安いもしくは無料だから)軽い存在だとか、公演中にそんなことをまったく感じさせない。どれだけ後ろにいたとしてもオキニのソロ・パートでは前に行くこと(所謂ケチャ)が可能。可能どころかどんどん行けという雰囲気。よけてくれるし物理的に押してくれる。暗黙の了解で移動しやすいように空間を作っている。奇跡のような空間だと毎回、思う。ただミニ・マルコさんが可愛すぎるだけでも、音楽が素晴らしいだけでも私はここまでLiVSに夢中にはなってはいない。目撃者の皆さんが作り出す、激しさと平和と楽しさが併存したこの空間。これがたまらなくて何度も来ている。LiVSのフロアにはアンジェ・ポステコグルー監督のフットボールに通ずるポジションの流動性がある。サイド・バックでもチャンスでは当たり前のようにゴール前に顔を出す。コーナー・キックでディフェンスの選手が上がってから戻るのに似ていたと、終演後に森川さんは言った。その他、森川さんが述べられたご感想として、
  • 映像(私が送った昨年末のツアー・ファイナルと、それ以外にもいくつかの動画を観てくれたようだ)で見るよりもメンバーがみんな可愛い
  • スズ・カステラの顔がエロい(一番誰が気になったかという質問に対し)
  • コチャキンTVが女子プロ・レスラーの岩谷麻優に似ている
とのことだった。ちなみに、鈴カステラという名前の食べ物が存在することを公演後の会食中にお二人の指摘で初めて知った。検索してみるとブツ自体は見たことがあった。文字通り、鈴の形をしたカステラである。これを鈴カステラというのか。

『RとC』でフロアに下りてくるメンバーさんたち。「頭振ってクレイジーになろうぜ!」と我々を煽るコンニチハクリニックさん。いや、ここに来ている人たちは既にクレイジーである。曲中にフロアを回りながら私のところに来て「あーcteki! ありがとう!」と私が被っているキャップをポンポン叩いてくれるコンニチハクリニックさん。アイドルになった理由はちやほやされたいからだと氏はインタビューで言っていたが、私は氏にちやほやされっぱなしである。メンバーさんたちが下りてくるこの時間で、初めてマルコとハイ・タッチが出来た。それにとどまらず私が構えていたiPhone 14に向けてピースと目線をくれた。

先週に開幕したこのツアーからコンニチハクリニックさんの発声が解禁されている。ひとまずは無事に治って、久しぶりに声を聞けて嬉しかった。慣れとは恐ろしいもので、氏がどういう声なのか、特典会で喋るとどういう感じなのか、パッと思い出せなくなっていた。声が出ない間も来てくれて嬉しかったと、特典会で言ってくれた。これからも喉に休みが必要なときには必要なだけ休ませて、無理をせずに続けてほしい。

ペア・チケットの手錠は実際のところどこまで真面目につけていればいいのか。先輩たちに伺ったところMC中や全員チェキのときくらいつけていれば他は外していても問題ないようだ。実際、つけたままだとケチャに支障をきたす。公演中、ほとんどの時間で手錠は私側の手だけについていた。囲みチェキ(多くの先輩たちが過去の公演でそうしていたように写メにしてもらった)の列に並ぶ直前に中島さんと繋いだ。全員チェキ(写メ)は初めて経験したが、なかなかいいものだった。メンバーさんたちと一斉に対面したときを振り返って、全員に歓待されてましたよと中島さんは後に述べた。彼がこう言ってくれたのは嬉しかった。というのが彼は社会性が低い分、変なおべんちゃら(大人の社交辞令)を言わないという点において信用が出来るのだ。
私:彼はSKE48が好きで、
メンバーさんたち:(大袈裟に反応してくれる)
私:SKE48を観るために栄に移住したんだよ
メンバーさんたち:(大袈裟に反応してくれる)何をしてる人なんですか?
中島さん:無職です
というようなやり取りがあったと記憶している。その後、コンニチハクリニックさんが乃木坂?(他の坂だったかもしれない)が好きだみたいな話を中島さんに振ってその何とか坂のメンバーの名前を一人挙げたが、彼の微妙な反応を見たコチャキンTVさんが「違ったみたい(笑)」と言っていた。

本来は全員チェキに参加する権利がない森川さんにとあるおまいつの紳士が手錠を譲渡してくださるという、普通では考えられない利他的な行為を見た。列に並ぶ森川さんは見るからに緊張の面持ち。アイドル現場に行くのは浅倉樹々さんの最終公演以来というだけあってブランクを感じさせる立ち振る舞い。順番が来ると開口一番、緊張してるでしょ~とメンバーさんにいじられたらしい。その後、何で知ってくれたのか的な質問をメンバーさんがしたようで、先輩が…と森川さんが私の方を指し示した。視線が私に集中する。「先輩なの~??」とマルコが目を丸くしていた。

地元民の中島さんによるとこの辺は中国人が経営する中華料理店が多いらしい。そのうちのどれかに入ろうかと思っていたが、私がふと気になる店を見つけ、そこに入ることにした。インカ飯という、ペルー料理の店。炭火焼ロースト・チキンJPY3,680、インカ飯海鮮四種盛りJPY3,000。二杯ずつ飲んで三人で約JPY12,000。素晴らしかった。大当たり。再訪したい。今お金がないので明日以降に払いますと言った中島さんから、これを書いている3月20日(木・祝)に至るまで連絡がない。彼らしい。まあいいけど。公演、特典会、ペルー料理。森川さんと中島さんとの歓談。名古屋に行ってよかった。今のところ今年で一番の思い出である。

2025年3月7日金曜日

DEAD OR A LIVE (2025-03-02)

BLUEGOATSの楽曲とフロアの熱さをよく知っているだけに、自分の気持ちの置きどころに難しさを感じていた。この集団を観に行く(いや「あなたと私でBLUEGOATS」なので正確にはBLUEGOATSになりに行く)のが二ヶ月ぶり。私にとっては、ただ二ヶ月の間隔が空いたという以上の意味がある期間だった。この間に物事が大きく変わった。こうなるはずではなかった。1月11日(土)の対バン。1月19日(日)のワン・マン(和製英語)。2月22日(土)のリリース・パーティ。いずれもチケットを購入済みだった。それぞれ体調不良、海外出張、LiVSとの日程重複により参加を見送った。体調不良と出張は仕方ないとして、2月22日(土)にBLUEGOATSを観に行く上での障壁は何もないはずだった。LiVSの公演よりも先にチケットを買っていたので、当然BLUEGOATSを優先するはずだった。しかしその頃にはもう明白に私の中でLiVSの序列がBLUEGOATSより上になっていた。2024年11月30日(土)にBLUEGOATS目当てで行った対バンでLiVSに出会って以来、本当にBLUEGOATSをほとんど聴かなくなってしまった。この数ヶ月はLiVSそして #KTCHAN ばっかり聴いている。Apple Musicと違って私が利用するSpotifyは年末になるまでどのアーティストを何分聴いているというデータが出ないカス仕様なのだが、あの日以来の私が最も長く聴いているアーティストはLiVS、その次が #KTCHAN なのだけは間違いない。BLUEGOATSはこの三ヶ月でせいぜい1-2時間しか聴いていないんじゃないかな? それくらい極端に、自分の中の勢力地図が塗り替わった。最後にBLUEGOATSを観た2024年12月29日(日)から今日に至るまで、私はLiVSを8回(9公演)観ている。この間の定期公演では常連中の常連のような某紳士からほぼ毎回いますよねと言われるまでになった。その間にBLUEGOATSは8曲もの新曲をドロップした。私はそれらをまともにチェックしていない。一、二回だけ聴いて放置してある。なんというかもう耳がLiVSと #KTCHAN じゃないと受け付けなくなっている。アクセルを踏み込んだBLUEGOATSに取り残されつつある。かといってそんなに追いつきたいとも思わない。BLUEGOATS支持者としての身の振り方をどうするのかという問いが頭にちらつき始めている。完全に撤退することはないにせよ、優先すべきがLiVSなのははっきりしている。BLUEGOATSの何かが気に入らなくなったというわけではない。2024年12月29日(日)のコンサートは2024年で一番熱い現場だった。あの日から今日までの間に私の中でとにかくLiVSが急上昇し、ハマり込み、いくつかの偶然が重なってBLUEGOATSに行く機会も潰れた。LiVSの現場に居心地の良さも感じている。それで今日に至る。

コンサートが18時半から。後から同日に別のイヴェントが追加された。14時から。ほんま・かいなさんがファンから集めたお金を競馬に賭ける様子を見守る会。予算は三本立てで、一つ目がほんま・かいなさんのツイートのRT数に応じた金額(1RT毎にJPY100を会社がかいなさんに貸す)。二つ目がYouTubeでの配信で視聴者が送ったスーパー・チャットの金額からYouTube社のマージンを引いた金額。三つめが、会社からの追加融資JPY50,000。それらの合計約280,000が軍資金。行こうと思えば行けたが、こちらを現地で観るのは遠慮しておいた。私はどうしても競馬を含むギャンブルに興味が持てない。BLUEGOATSのギャンブル動画は好きだ。YouTubeで観る分には楽しめる。だが彼女たちが目の前でギャンブルしているイヴェントに行って自分が楽しいかというと、ちょっと違う気がする。あれは自分もやる側にならないと入れ込むことが難しいと思う。私の誠実で実直な性格が災いし、どうしてもギャンブルにハマることが出来ない。越えられない壁がある。(後日、配信アーカイヴを覗かせてもらう。)ギャンブルに関してみんな(BLUEGOATS及びその支持者たち)が熱狂しているノリに、私はちょっと乗り切れない。一歩引いて、醒めて見ている部分がある。ただ、フロアのノリに関しては大好きである。左右とも知らない紳士たちと笑顔で目配せをして、肩を組んで左右に揺れたり、公演を通してメンバーさんたちと一緒に歌ったり、拳を突き上げたり、フロア前方に圧縮して行ったり。二ヶ月ぶりにこれを体験して、やっぱり最高だなって思った。新曲のチェックをサボっていた分、ややついていけなかった部分もあるにはあったが、これまでの経験で大方は乗り切れた。十分に楽しめた。『君の唄で生きていたい』での感情の高ぶりよ。“IWGP”の一体感よ。新曲の中では『DAYS』が印象に残った。最近の路線とは違う感じ。いいグルーヴ。欲を言えば『戦う日々』も歌いたかったが、今日のセット・リストにはなかった。BLUEGOATSはカッコいい部分もカッコ悪い部分もすべてをさらけ出している。取り繕わない。本気で音楽と向き合い、本気でフロアの私たちと向き合っている。だから私たちの胸に響く。魂がこもっているよ。この音楽には。このフロアには。泣く二歩手前まではいった。BLUEGOATSは特別な集団だ。BLUEGOATSのフロアは特別な空間だ。胸を張っておすすめできる。是非、一度は来てみるべき。今のうちに来い。物凄いスピードで前に進んでいるよ、奴らは。数ヶ月もすると今とは変わっているかもしれない。ファンを増やし、動員を増やし、曲も増やし、という拡大、発展路線という点では明らかにLiVSの一歩、二歩先を行っている。私としてはまたLiVSとBLUEGOATSの対バンを観たい(その日が来たら私はLiVSの公式teeで、目撃者として参加するであろう)。だが、もはや今のBLUEGOATSにはLiVSと対バンする利点がないかもしれない。三川さんの高笑いが聞こえてくる。あいつらじゃ勝負になんねえよって思ってそう。(もし見当はずれだったらごめんなさい。私の勝手な想像です。)特典会。青チェキ(JPY2,500)を二枚。BLUEGOATSでは一枚しか買わないことが多いんだけど、久しぶりだし、次にBLUEGOATSを観に来る予定は今のところ5月2日(日)までないし。チャンチーさんとチェキと写メの両方を撮ることにした(青チェキ一枚で、チェキ一枚か写メ三枚を選べる)。久しぶりにチャンチーさんと対面してお話が出来て嬉しかった。写メの一枚でギャルピを指定すると、え、ギャルピ? と笑っていた。チェキでチャンチーさんのポーズを真似ながら、これ何? と聞いたら、撮影後に、お金だよ! みんなこれ何って聞いてくるんだけど。私がお金ポーズを理解できなかったのを不思議がる。服を褒めてくれる。古着にさらにダメージを施してある旨を説明する。いつもお洒落だねと言ってくれる。髪、明るいの似合うね。え、ウチ? 嬉しい。でも明るいの見るの初めてじゃないよね。初めてではないかな。単純に見るのが久しぶりだからかもしれない。そうだよ。/眼鏡もいいね(チャンチーさんは今日の特典会で黒ぶちのメガネをお召しになっている)というと、花粉症で顔がパンパンだからとのこと。ブルーベリーを薦める。えー? それは初耳学。色々試したんだけど効かなくて、でもブルーベリーだけは本当に聞いた。完全に? いや、100%じゃないんだけど、80-90%は。薬と違って副作用ないし。たしかに! 試してみる。目にもいいしね。的な反応。

2025年3月5日水曜日

Let's Meet LiVS (2025-02-25)

前に来たときに気になっていた、会場から徒歩2-3分のところにある飲食店。パッと見、イン・ネパ店。店の表に掲示してあるメニュー。カレーとナン、ガパオ・ライス、パッタイ、バインミー、フォー、冷麺、ワンタン、チキン・シャシリク、ハンバーグ・カレー、等々。何ヶ国分の料理を作んねん。ハズレの臭いしかしない。それでも気になってはいた。このタイプの店でちゃんとおいしいという奇跡に立ち会う可能性もゼロではないからだ。たとえばヨコハマ・アジアン・ダイニング&バーという横浜駅とニッパツ三ツ沢球技場の間にある店はイン・ネパ店でありながらタイ式のカレーも出しているのだが、おいしくてリピートしている。とはいえこの店に関しては広げる風呂敷の大きさが度を越えている。インド、ネパール、タイ、ベトナム、韓国、旧ソヴィエト圏。よほどスーパーなシェフでもいないかぎりこれらの地域の料理のすべてを高いレヴェルで作れるわけがない。とりあえず値段は安い。失敗しても大きな痛手ではない。物は試しだ。ということで入ってみた。タンドール・ライス JPY1,190。ソフト・ドリンクがJPY100でつけられるのには好感。クオリティについては可もなく不可もなくという面白みのない結果となった。これでJPY2,000とかしたら氏ねやってなるけどさ。もし時間がなくてこの店に入るかメシを抜くかの二択だったら飛び込むかもしれない。積極的に再訪することはない。

ほぼ毎週、火曜日の夜に開催されているLiVSの定期公演。私にとっては1月28日(火)以来。あのときとはだいぶ異なる心持ち。安心感。自信。渋谷CLUB CRAWLの場所も大体覚えていた。渋谷駅と恵比寿駅の真ん中くらい。渋谷の中央改札から出るとスッと行ける。あの日に優しい先輩方の導きで、オキニのソロ・パートでフロア前方に密集する行為(ケチャというらしい)を何度もさせていただいた。あのOJTは本当にデカかった。あれできっかけをつかんだ。あの日以降、五回、LiVSの公演に入った。その間に私は圧倒的成長を遂げた。フロアにおける立ち振る舞いをだいぶ習得してきた。下北沢MOSAiCでフロアの激しさに戸惑っていたあの日の私はもういない。ポジションが流動的でインテンシティの高いフロア前方中央付近を避け、端っこの後方付近でおとなしく観ていたあの頃の私はもういない。

1月28日(火)は在宅勤務だったが、今日は会社から直行。動きづらいスーツで公演に臨まないといけないのはダルい半面、ちょっと楽しみでもあった。正直を言うと特典会でミニ・マルコchanとコンニチハクリニックchanにスーツ姿を見てもらいたいというキモい欲求があったのを否定できない(キモいが、私の可愛い一面でもある)。俺はちゃんと働いてるんだゾっていう感じで…。スーツは作業着と割り切って買ったGINZA Global Styleの安物(モノは悪くない。ちゃんと身体を計って作ってくれたし、色々とカスタムも出来たし。同社がマリノスのスポンサーだったときに買った)だが、ネクタイにはこだわった。コム・デ・ギャルソン青山店で、吉田さんの接客で買ったやつ。少なくとも10年以上前。まだまだクタッていない。そういえば今の勤め先の採用面接でもこれを締めていた。勝負ネクタイと言える。

LiVSの現場では黒い公式teeの着用率が異常に高い。別に他の服を着ていても何も悪くないはず。咎められることももちろんない。だが着ていないとちょっと浮くくらいに皆さんがお召しになっている。メンバーさんの衣装は毎回同じなので、私も毎回同じ黒teeだといつも同じ格好同士で写メやチェキを撮ることになる。私としてはこれはあまりイケてないと感じる。落としどころとしては、公演は黒の公式teeで参加し、終演後にteeシャツの上から自分なりの服を着て変化をつければいいのかなと今では思う。(と書いていて思ったが、じゃあ夏はどうやって着替えるんだ。それはそのときに考える。)スーツのジャケットを脱ぎ、シャツの上から公式teeを被る。

整理番号、A11。定期公演はSチケットがないので11人目。がっつけば最前に行くのも無理ではなかった。が、そもそもLiVSのフロアでは最前はギチギチに詰めるものではなく、ある程度は流動的に入れ替わるもの。二列目左寄りの位置を取った。恒例となりつつあるアルバム(JPY3,300)の2枚購入。チケットJPY3,000、特典会JPY6,600。毎回JPY9,600かかる。安くはない。一回の公演に約一万円を出す価値がこの集団そしてこの公演にあるのか? そう問われれば、あるというのが私の答えだ。間違いなくそれだけの価値がある。LiVSと目撃者が作り出す幸せな空間。掛け値なしに高品質な音楽。それを表現しきるメンバーさんたちの技能。ミニ・マルコchanの存在。メンバーさんたちの歌声のケミストリー。激しく情熱的ながら平和なフロア(最前管理でガッチリ既得権益を守っておらず誰にでもケチャで前に行く自由がある)。フロア内の(目撃者同士の)信頼関係(ケチャで前に行く人のために道を開けたり身体を押してもっと前に行けるようにしたりする)。ステージとフロア間の信頼関係(メンバーさんがフロアに下りてくる)…。そして(メンバーさんや運営さんは不本意かもしれないが)現状の“適度な”集客もこの空間を特別たらしめる要素のひとつである。この定期公演に、この規模の箱で、来場者が30人くらい。どこにいてもステージが近いし、メンバーさんが見えやすい。スペースを見つけて要所で前方にケチャすることも出来る。メンバーさんがフロアに下りてくることも出来る。すべてが絶妙なバランスで成り立っている。奇跡のような空間。

LiVSはもっと多くの目に触れることさえ出来れば今の数倍の集客は容易なのではないか。私はアイドル業界の商売的な話は何も分からないのだけど、少なくともこの集団にはそれだけのクオリティがあると一人のオタクとしては感じる。読者の皆さんはご存じのように、私には見る目というものがある。私がいいと言ったものはいい。この俺についてくりゃ心配ねえ(ZEEBRA, “Supatech”)。メンバーさんたちのTwitterフォロワー数は少なくて1.2K、多くて1.8K。明らかに少ない。この10倍いても全然おかしくない。最近、昨年12月23日(月)のツアー・ファイナルのフル動画がYouTubeにドロップされたのだが、約五日間を経過してようやく再生回数が1Kを超えたところである。桁が少なくとも一つは違って然るべきである。そこのお前も今すぐに観るべきだ。LiVSが発揮しているクオリティと、彼女たちを追う目と耳の数が明らかに釣り合っていない。現状のLiVSに決定的に欠けているのは知るきっかけである。私もBLUEGOATSとの対バンで観るまで名前も聞いたことがなかった。仕方のない面もある。アイドルと呼ばれる集団が世の中に溢れすぎて飽和状態であるという現実がある。ただそれにしても今LiVSを知らない人がどうやってこの集団を知って現場に足を運ぶようになるのか。動線がほとんどイメージできない(そりゃ新規無料チケットとかはあるけどさ)。マスに届き得る発信がほとんど皆無だからだ。たとえばBLUEGOATSの場合、YouTubeからの集客が多い。一連のギャンブル動画をきっかけに公演に来るようになった紳士たちもいる。動画は一気に何千、何万もの人々の目に入る可能性がある。LiVSの場合、現状だと(私のように)対バンでたまたま目にするくらいしか知る術がない。対バンに来る客は数十人から100人程度だろう。もしLiVSがこれから会場の規模を大きくしていきたいのであれば、肝はライト層のファンをいかに増やすかにあるのではないだろうか。要はライトなファンの背中を押せば公演に来てくれるかもしれないけど、まず知らなければその土俵にも上がってもらえないから。そのためにはYouTubeなど、多くの目と耳に触れ得る場所での定常的な発信が必要である。私はLiVSのメンバーさんたちに報われてほしい。目標や夢を叶えてほしい。一方で、前述したように、今の知名度と動員規模だからこそ成り立っている良さというのも間違いなくある。一人のファンとしての利己的な願望としてはこれを崩してほしくないという思いもある。

特典会。当初のキモい考えを貫きスーツ姿で参加。私を見るなりネクタイを褒めてくれるマルコ。その流れで写メはマルコが私のネクタイを指すポーズに。スーツは安いやつなんだ。二着で5-6万とか。え? 高いよ? 二着でね? それって安いの? スーツって本当にちゃんとしたやつは15万とか20万とかするよ。そうなんだ…スーツを着たことがない…/最近お仕事は忙しいの? いや、そうでもない。そっか。海外出張から帰ってきて、それからは落ち着いてるんだね。そうだね/そういえばさ、昨日池袋に(対バンで)行ってたじゃん。うん。俺、池袋に住んでて。あの会場、家から徒歩20分くらいで。あのすた丼屋(会場の池袋アダムに隣接しているすた丼屋)も何回か行ったことある。私すた丼食べことなくて、昨日メンバーと食べてみたいねって言ってたの。俺もすた丼は食べたことがなくて、野菜炒めしか頼んだことがない。そうなんだ。健康に気を遣わないと。あーたしかに健康にね。健康にいいもので食べてるものある? 私はサツマイモ食べてる。サツマイモ! 俺も食べてる。私レンチンで蒸して食べてるの。俺は焼き芋メーカーってのがあって、それで焼き芋作ってる。1分レンチンしてから、その機械に入れて、60分くらい待つと出来るの。アマゾンにあるよ。へー、いいこと聞いた。調べてみよ。私はね、百均で、水を入れてレンジで蒸すやつがあるの。それを使ってる。/的な会話(いつも言っているけどあくまで記憶。正確な書き起こしではない)。コンニチハクリニックさんはすーつかっこいい、ねくたいかわいい、おしごとおつかれさま、といった言葉をスマ・フォ筆談で伝えてくれて(声帯結節の影響でまだ声が出せない)、きもちくしてくれた。こうやってお二人と特典会でお話をさせてもらって気付いたが、お仕事お疲れ様だとか、最近は忙しいのなぞと誰かに気遣ってもらえるような機会が私の生活に存在していない。その欠落をここで埋めてもらっている。悲しきモンスター。

翌日、日産スタジアムで横浜F・マリノス対▒浜FCを観た。ホームで、この相手にまともなチャンスすら作れず、0-0の引き分け。通常なら許すことが出来ないが、前日に観たLiVSの余韻でギリ許せた。スティーヴ・ホランド監督の戦術がチームに浸透するまではしばらく我慢が続きそうである。公演中にiPhone 14で撮った動画や、特典会でコンニチハクリニックchanと撮ったチェキ、ミニ・マルコchanと撮った写メとチェキを見返すと、頬が緩み、フットボール由来のストレスが和らぐ。

アイドルを熱心に追う生活から引退したつもりでも、引退できていない。一時的に距離を置いたとしても、結局はアイドルを欲している自分に気付く。私は冷静になりたいんじゃなかったのかもしれない。きっと狂いたいんだ。狂う理由が欲しい。狂える相手を求めている。狂ったまま、楽に死にたい。