2025年10月12日日曜日

リブマッパ (2025-08-31)

たとえばこれが数ヶ月に一回とかせいぜい月に一、二回とかだったらその日に合わせて心身の状態を整えるということが出来る。平日も土日も関係なく月に10回前後も現場があるとそういうわけにはいかない。日常の細かい体調の浮き沈みをそのまま現場に持ち込まざるを得なくなる。もちろん熱が出て寝込んでいるとかの明確な体調不良なら行くのを断念するけど、現実の我々って常に体調不良みたいなもんじゃん。40点と70点の間を行き来してるようなさ。もはや100点がどういう状態なのかも分からなくなっている。バッテリーの摩耗したiPhone。LiVSのメンバーさんの場合は70点から100点くらいの幅で推移しているのかもしれないけど、好不調の波自体がないわけがない。今日は何かイライラするとかダルいとか調子が悪いとか、そういう日はあるはずだ。いくら若いとは言っても、毎日同じように絶好調は不可能。人間だもの。でもそれを感じさせない。プロフェッショナル。やっていることの性質が異なるとはいえ、彼女たちにとってのLiVSでの活動は私たちにとっての労働に相当するわけで、それをこれだけ強度高く、魂を込めて、熱意を持続させながら継続してくれているのは本当に尊敬に値する。私に関して言うと、正直なところ、今日はちょっと調子が出ないなと感じながらやり過ごしているときも、公演によってはある。根本にあるのは疲れでしょうね。一応フル・タイムで働いた上でこれだけの頻度でフロアに来ていると、疲労のマネジメントが容易ではない。昨日はいまいち肌に合わない対バン相手の音楽とフロアのノリを横目で見ながら、このままLiVSの現場からフェイド・アウトしようかなという考えが頭をよぎっていた。

今日は幸いにも昨日の精神状態を引きずることなく楽しめた。対バン相手のMAPAによるところが大きい。LiVSとMAPAではフロアの親和性は低い。スタイルが全然違う。お互いの支持者たちが一緒になってわちゃわちゃ盛り上がるというよりは、MAPAの時間とLiVSの時間で完全に棲み分けが起きている。それも当然。LiVSの支持層は9割がむさ苦しいオジサン。MAPAは若い女性が多数派。LiVSは多発するケチャで最前中央付近が目まぐるしく人が入れ替わる。ミックスやコールがけたたましい。MAPAは立ち位置固定で、皆さんおとなしくペン・ライトを振りつつ(それも行儀よく、周囲に配慮して低い位置にとどめている)音に聴き入っている。MAPA支持者たちが私たちのことを野蛮な奴らと思ったとしても無理はない。おそらく私がMAPA支持者ならそう思うだろう。私がまだLiVSに通い始める前の段階で、まだミニ・マルコchanを見つけていない状態で、第三者としてMAPAとLiVSのフロアを見たら、MAPAの方が性に合うと思っていたかもしれない。私はLiVSに行き始めた頃、後方や端っこで観ていた。フロアの激しさに面食らっていた。今では前で観ることやマルコchanのソロ・ラインで前に突っ込むことに躊躇いがなくなった。諸先輩に優しく導いていただき仲間に入れていただいたのが大きい。フットボールでいうとLiVSのフロアは全員がゴール裏、MAPAはメイン・スタンドって感じ。私が実際にフットボールを観るときはそのどちらでもなく、ゴール裏に近いバック・スタンドを選ぶ。試合(ショウ、コンサート等々)を隅々までちゃんと観たい。その上でピッチ(ステージ)で表現されているプレイにしっかりと声や拍手で反応したい。ゴール裏に近いバック・スタンド民というのが、フットボール以外の興行においても私の根っこにあるスタンスなんだと思う。

MAPAは前に対バンで観たことがあった。そのときは曲が全然いいとは思わなかった。今回、再び観させてもらって印象が変わってきた。前より近くで観たからなのか、二回目だからなのか、どういうわけか今日は彼女たちの音楽に徐々に引き込まれてきた。二つくらい、おっと思う曲があった。Spotifyでちゃんと聴いてみようと思った。『アイドルを辞める日』とかいいよね。後で知ったが大森靖子がプロデュースしている集団らしい。客層にも納得。そういえば、私がLiVSを知るきっかけとなったBLUEGOATSとのツー・マン(和製英語)は、その前の週に行くはずだったBLUEGOATSのツー・マンを風邪で干したことで急遽、チケットを取っていた。そのツー・マンの相手がMAPAだった。あのとき風邪をひいていなければLiVSとミニ・マルコchanに出会うことはなかったかもしれない。もしその後に何かの機会で観ることがあったとしても、はまることはなかったかもしれない。『風邪の効用』(野口晴哉)である(意味が違う)。