2015年11月1日日曜日

MISSION 220 (2015-10-31)

当選したのは昼公演だと思っていた。手帳にも14-16時に「J=J西川口」と書き込んでいた。今朝カバンに入れる前にチケットを確認したら17時開演と書いてあってびっくりした。危なかった。というのも今日は友人に18時からの食事会に誘われていて、承諾していたのだ。二日前に料金を知らされ、高いからという理由で直前に断っていた。だってそりゃ、軽い誘いのつもりで受けた食事会に1万円を超える金額はポンと出せねえよ。船に乗って飯を食う豪華な会らしいから(昔『ハロモニ』でモーニング娘。がそういうのやっていた)、ぼったくりじゃないのは理解できる。それくらいするだろうよ。でも事前まで知らされていなかったんだから、この値段はキャンセルの理由として正当でしょ。結果的にはよかった。断っていなかったらRobert GlasperばりにDouble Bookedになっていた。そうなっていても当然Juice=Juiceを選んでいたけどね。

西川口Heartsという焼き鳥のような名前の会場だ。西川口駅の間近になってから気付いたが、ここって先週℃-uteさんのコンサートを観に行った川口駅の隣だ。駅から徒歩で数分。一度行けば覚えられる分かりやすい場所だった。15時半頃に会場に着いて外にいた係員の紳士に「グッズって買えますか?」と聞いたら「確認します」と言って中に聞いてから「どうぞ」って入らせてくれた。日替わり写真の宮崎さんと宮本さん各500円。コレクション生写真500円も2枚。計2,000円。日替わり写真は衣装が前回に江戸川で買ったときのと一緒だった。同じ日に撮ったのだろう。DVD MAGAZINE VOL. 4のときの。それぞれが自分で選んで買ったっていうやつね。私が聞いてグッズ販売が再稼働したくらいだから、あっけないほどに早く買えたわけ。開場時間の16時半までまだ1時間あるから駅前に引き返して、BOOKOFFを物色(韻を踏んでいる)。モーニング娘。のDVD MAGAZINEが結構たくさん置いてあった。松浦亜弥のファンクラブツアーを収めたDVDなんてのもあった。しかも別々の年のが二回分。東武ストアに行って銀河高原ビールを買って店のすぐ外でつまみなしで飲み干した。短時間で流し込んだのでちょっと苦しかった。ゲップが出た。

16時15分ごろに再び西川口Heartsに着くと人だかりが出来ていた。中でクローク料金の500円を払ってゴミ袋を受け取った。150番以降のチケットを持っている方は左側のデッキにいてくれと係員が案内していたので従った。喫煙所だった。係員は二人いて片方は中川淳一郎のような見た目だった。宮本佳林を崇め奉る文言を刺繍した特効服を着た人がいた。ハロウィンということで特殊な格好をしている紳士がちらほらいた。相撲取りの仮装をした紳士、デーモン小暮のようなメイクアップを施した紳士、顔に傷を書いた紳士。白髪で痩せ身の、誰が見てもおじいちゃんとしか形容しようがない紳士が「金澤朋子激推し」と背中に印字された一般に販売されていないTシャツをお召しになっていた。自転車で会場前を通りがかった競馬と風俗が好きそうな地元の紳士が、興味津々で何だと聞いている相手がそのじっちゃんだった。「何やるの? え、ライブ? 何のライブ?」と徐々に核心に迫っていく自転車紳士の声から、回答をぼかしながらやり過ごそうとしているじっちゃんの様子がひしひしと伝わってきた。

16時40分の時点で50番までしか呼ばれていなくて、17時の開演までに全員の入場が間に合うのか不安になった。案の定、ハロプロには珍しく開演時間は少し遅れた。正確な遅延時間は見ていないが5分遅れているまではiPhoneの時計で確認した。私の整理番号は154番だったのだが、予想以上に後方、というかほぼ一番後ろだった。右に女性エリアがあったので(大体左なので珍しい)せめてその後方であれば前方に男性がいるよりは見えやすいのではないかという一縷の望みに懸けて右に位置を取りかけたが、以前にも言及した驚異的な身体能力でjumpする長身の金澤オタクがいたのでギョッとして左にずれた。無理のない程度に少しずつ前に詰めてくれという中川淳一郎の呼びかけで一歩は前に行けたが大勢は変わらず。これじゃ殆どJuice=Juiceさんが見えそうにない。

実際、見えなかった。今までに見てきたすべてのハロプロのコンサートやシリアルイベント、リリース記念イベント、そういったすべての現場の中で、最も出演者が見えなかった。これはきつい。感情を高ぶらせるのが難しかった。前の方の奴ら、このコンサートを盛り上げるのはお前らに託したっていう、そういう気分だった。顔ですらたまに見える程度。人と人の間を縫って出来た少しの空間に、ちょこっとご尊顔がチラ見する。全身どころか腰より下が見えたことは一度もなかった。信じがたいことにJuice=Juiceさんがお立ち台に乗ったときでさえ、視界が人に塞がれてあまり見えなかった。断片的に見える彼女たちの表情から輝きを感じ、お姿がすべて見えたらどれだけ神々しいのだろうか、どれだけ楽しいのだろうか、と想像し、悔しかった。だからもう、ゲームのルールを変えるしかなかった。途中から自分の中でこの公演は、歌声だけでどれだけ早く誰かを当てるというtrainingに変わっていた。今まで以上に各memberの声の特徴や歌い方の癖に注意を払うことが出来た。そのおかげで、この人はこういう息の抜き方をするんだな、というような着目の仕方が出来るようになった。だから悪いなりに収穫も得たけど、もうイヤだよ、見えないってのは。定価を出して得る体験じゃないよ。2,000円ならまだ分かる。結局さ、ライブハウス(和製英語)がいくら近いからといって、見えなきゃ意味がないのさ。こういう人を救済するために毎回、公演後に握手会があるのか?って思った。公演中には見えない、握手会もない、では救いがない。

客の中に顔にパックをしていた人がいたらしく「パックしてるよねあなた」と植村さんがいじった。すると宮本さんが「パックって付けすぎると逆にお肌の水分が失われちゃうんだよ! 15分くらいにした方がいい。15分したら外して」と身を乗り出して力説していたのが面白かった。顔に凄いメイクアップをしている人がいるけどそれは元は何ですか?とメンバーの誰かが聞くと、KISSだとその人は答えた。あーバンドの、とJuice=Juiceさんは納得していた。もしかして私がデーモン小暮だと思っていたあの人のことか?と思った。KISSをよく知らなかったので後から画像検索してみたが多分そうだ。

終演後、近くにいた来場者が「こんなのはライブハウスではない。掘っ建て小屋でライブをやっているだけだ」というようなことを仲間に言っていた。私は会場に詳しくないのでここがどれくらいの水準にあるのかあんまり分からないのだが、ステージを見せるために設計された場所ではないのはよく分かった。人を詰め込んで音を聞かせるだけ。耳が悪くなるような爆音ではなかったので、その点は中の人が周南チキータよりはマシだったと思う。しかし、私が今までに訪れた中でも上位の劣悪会場であることに疑いはない。今日に関してはひどい経験だったというのに尽きる。コンサートの中身について書くことはない。いや、おそらく素晴らしいコンサートだったのだろうし、Juice=Juiceさんが至高の存在であるのはたまに見える彼女たちの表情から見て取れた。しかし、今回は環境が悪すぎた。こういう日もある。

そう言えば金澤さんは肩を傷めて最近の公演を休んでいたが今日は(わずかに見えるお姿から判断するに)元気そうだったので安心した。だが終演後の高速握手会で一人目の金澤さんに「肩、治った?」と聞いたら「んー……なおっ…た…かな?」と迷いながら歯切れが悪かったので治っていなさそうだった。高木さん無言。植村さんに「写真集、買ったよ」と言ったら「あ! ありがとう」。宮崎さん、宮本さんは無言。もう少し各memberに言葉をかけるつもりだったが、思った以上に流れが速く、つべこべ言わずにさっさと次に行けやという係員たちによる無言の圧力に屈した。しかしJuice=Juiceさんは最後の握手会まで抜かりなく笑顔を見せてくれて、本当にprofessionalだ。