2016年11月5日土曜日

ネガポジポジ (2016-11-03)

題名にするくらいだから『ネガポジポジ』という言葉には深い意味があるのかと身構えていましたが、そんなことはなさそうでした。見ての通りネガティブとポジティブを掛け合わせた造語です。劇の中で言動がネガティブな役とポジティブな役がいるという、その程度でしょうね。実際には作り手の側にはもうちょっと意図があったのかもしれませんが、この劇を楽しむ上ではそんなに重要じゃないと思いますね。というか、観れば分かりますが、劇の主題や台詞や歌詞の意味をじっくり考える余裕はいっさい与えてくれません。何かに浸る暇はないです。浸ると必ず何かを見逃します。見逃すまいとひたすら注視してもすべてを把握することは出来ません。あまりにも多くのことが同時に起きるのです。あれだけの情報を処理するには速読トレーニングは必須です。私は「クリエイト速読スクール」というところに通っていたことがあります。だから速読に関しては完全なトーシローという訳じゃないんですけど、そんな私でも無理だと思いました。でもやらないよりはマシじゃないですかね。『ネガポジポジ』を観ようとする人は「クリエイト速読スクール」で訓練を積んで情報処理の能力を高めた方がいいです。『ネガポジポジ』会場のシアターグリーン BIG TREE THEATERから歩いて15分くらいのところにあるんですよ。ああ、でも千秋楽が11月20日(日)ですから、今から通い始めても間に合わないですね…。いずれにしても、ステージで起きているすべてを把握しようと臨んでも呆気に取られてよく分からないまま終わる可能性が高いです。2週間くらい前に私はロンドンに行ったんですけど、大英博物館がそんな感じでした。あまりにも広いし、展示物が多すぎる。今回はこれを見るというのを決めないと、何となくさまよっているうちに時間が過ぎてしまいます。しかもその日は急にお腹の調子が悪くなりましてね、トイレの空きを探すのに30分以上うろうろして、本当に苦しくて汗をかきました。それは関係ないですね。

大英博物館ではけっきょく何を見るかが絞れず、何となく歩き回って2時間を消費しました。大英よりも大便の問題が大変でした。『ネガポジポジ』は始まって数秒で何を見るかが明確に決まりました。開演の直前に前の列に座った紳士がタオルをはちまきのように頭に巻いて、その上からバンダナを巻いて、水を飲んでいました。何か動きに落ち着きがなくいちいちコミカルで、私の気が散りました。でも開演して間もなく、ステージにいた一人の人物に意識のすべてを持って行かれました。私の席はE列の真ん中のブロックの右端だったんですけど、ちょうど正面の位置に彼女はいました。その瞬間からこのミュージカルは『ネガポジポジ』ではなく、事実上の『オノミズミズ』になりました。そう、オノミズミズ。おのみずみず。え? いや分かるでしょう、自ずと。小野瑞歩さんね。オノミズホさん。覚えてくださいね。今後のハロー!プロジェクトを担う重要人物です。何かの映像でつばきファクトリーの同僚からおみずという愛称で呼ばれていましたけど、おみずでいいんですかね? おみずっていうとね、ほら水商売という単語が連想されるじゃないですか。いま水商売の定義をネットで検索したら彼女たちの仕事も当てはまっているっぽいので間違ってはいなさそうでしたけど。

公式ホームページには出演者情報がこう書いてありました(今日はチームA):
キャスト:山岸理子、加賀楓、堀江葵月、金津美月、清野桃々姫
アンサンブル:小野瑞歩、高瀬くるみ、前田こころ、川村文乃、横山玲奈、吉田真理恵、西田汐里
アンサンブルというのが何なのか予想できませんでしたが、端的に言うと、前に出てくる黒子でした。黒子といっても顔を出して、誰なのかを識別できる形で出演します。さっき情報量が多いと言いましたけど、それを生み出すのがアンサンブルの皆さんなのです。たまに声は出しますし、全体の歌にも参加するのですが、台詞と言えるような台詞はないです。しかし決して脇役ではないんです。とにかく常に何かしら目を引く動きや表情を見せています。キャストの皆さんが台詞を回している最中、道具を動かすという本当の黒子としての役割を果たしつつ、変な踊りをしたり、キャストが通る道に物を置いてこけさせたりします。この公演で初めての笑いが起きたのがキャストの誰かが「何だこいつらは」的にアンサンブルに言及したときでした。

アンサンブルの皆さんは、話の展開上、必要な役ではありませんでした。そうでありながら、このミュージカルにはなくてはならない存在でした。もしアンサンブルの皆さんがいなければ『ネガポジポジ』は本当に退屈な舞台になっていたと思います。劇の主題とか物語の内容にはほとんど見るべきところはありませんでした。その辺は気にしなくていいんだと思います。ステージ上でキャストとアンサンブルが繰り広げるドタバタと混沌。それを楽しむのが醍醐味であって、内容そのものはおまけ程度なんだと私は受け止めました。つい最近観させてもらったばかりのアンジュルム主演『モード』や他のハロプロの舞台やミュージカルとはまったく異なりました。公演が始まってからしばらくの間は、何だこれは、ステージで何が行われているんだという感じで、独特の世界に適応するのに時間がかかりました。特に今回は初演だったので、このミュージカルがどういうものかという情報も出回っておらず、我々も全員が初体験だったので、観ている側にも少し不安が入り交じっていたと感じました。前述した笑いが起きたことで徐々に空気がほぐれていきました。

話を戻すと、とにかくオノミズミズでした。小野さんは笑顔を作るとき、目を見開いて口を大きく開いてから思いっきりニコッとするんですけど、そのスマイルを浮かべたときの雰囲気、ヒップホップ的に言うとヴァイブス、に引き付けられます。私にとってアイドルの魅力を語る上で、どう笑うかというのは凄く大事なポイントです。表情もそうだし、ステージ上のちょっとした所作にしても、私の注意を釘付けにして離さない何かが小野瑞歩さんにはあります。今、私の脳内におけるハロー!プロジェクト現役メンバーの順位は一位が宮崎由加さん、二位が宮本佳林さん、三位が牧野真莉愛さんなんですけど、小野瑞歩さんがこの三人を脅かす可能性は十分にあります。配布されたアンケートは普段は提出しないんですけど、今日は出しました。たぶんアンケートって中の人や出演者の方々が目にすると思うので、そこで小野瑞歩さんを褒めておきたかったんです。願わくば私が書いた言葉が小野さんに届いて少しでも嬉しく思ってくれれば。少しでも自信の元にしてくれれば。

今日、観させてもらったのはAパターンでした。あとチケットを持っているのが11月6日(日)のCパターン(小野瑞歩さんの出演なし!!)と11月12日(土)のAパターンです。チーム編成を見ると、Bパターンで何と小野瑞歩さんがキャストの主役を張っているんです。一度は観に行かないといけない。これを書き終えたら昼飯を食って、原宿の娯楽道に行くつもりです。昨晩ホームページを見たところたしか来週末のBパターンのチケットがE列で8,000円くらいで売っていましたので、その辺のを一枚、ゲトるつもりです。このミュージカルはファンクラブ先行受付の段階ではチーム編成が決まっていませんでしたし、つばきファクトリー全員が出る予定でしたし、ハロプロ研修生の出演予定はたしかなかったはずですし、小野瑞歩さんに至ってはつばきファクトリーに加入すらしていませんでした。