2016年11月20日日曜日

ネガポジポジ (2016-11-12)

土日の開演時間が11時半、15時、18時半の三通りあって、私にとって一番あり得ないのが11時半だった。昼飯の時間なんだよ。お昼に何をいただくか。それは私にとって土日の成否を左右する決断事項である。別の場所に用事があるときを除けば、土日はほぼかならず池袋に足を運ぶ(大半の行程は電車で運ばれる)。その主な目的はお昼ご飯を食べに行くことで、他に確たる目的がないこともある。それだけ通っていると、いくつかお気に入りの店やメニューは出来てくる。ただ、そこに安住は出来ない。お店が潰れることもあるし、お気に入りだったメニューが消えることもあるし、味が落ちることもある。ランチ営業をやめることもある。たまには新しい店を開拓していかないと手駒は減っていくばかりである。お昼ご飯は一日に一回。土日は週に二日。その二回の選択をどうするかに私の現在と未来の満足度がかかっているのである。私の土日は昼ご飯を中心に回っている。大抵の店ではお昼の営業が11時半から始まる。この時間帯は私のゴールデンタイムなのである。だから『ネガポジポジ』のファンクラブ先行では、11時半からの回は申し込まなかった。A、B、Cのパターンのうち土日のBはすべて11時半からだった。Bを観ないことになるが、仕方ないと割り切っていた。Aを二回、Cを一回の計三回で終わりにするつもりだった。それでいい、はずだった。

そうは問屋が卸さなくなった。オノミズミズ(小野瑞歩さんのことです)がBでキャストの主役を張ることが後になって分かったからだ。そもそもファンクラブ先行受付の段階(7月)では、たしか三つのパターンで出演者が違うということは明らかにされていなかったし、つばきファクトリーは全員出るはずだったし(新沼希空さん、谷本安美さん、岸本ゆめのさんが出演しないことが8月2日に発表された)、当然ながらパターンごとの割り振りは決まっていなかったし、オノミズミズ(小野瑞歩さんのことです)に至ってはつばきファクトリーに加入すらしていなかった(8月13日に加入)。インサイダー情報でも握っていない限り、7月の時点でBにオノミズミズ(小野瑞歩さんのことです)が主役として出ることを知るのは不可能だった、というよりおそらくインサイドでも決まっていなかった。チームAのアンサンブルで躍動するオノミズミズ(小野瑞歩さんのことです)を観て、キャストとして出演するチームBの公演も一度は観なければまずいという思いを強くした。11月5日(土)に原宿の娯楽道に赴き、泣く泣く(実際には泣いていない)大枚(10,800円)をはたいて11月12日(土)11時半からのチームB公演のチケットをゲットした。前日の夜にホームページを見たら8,000円くらいのチケットがあったのだが、売れたようで、店頭にはなかった。

五日前のJuice=Juice武道館公演があまりにも鮮烈で、その感触が頭と身体に残っていた。この週末は新たな刺激を取り込むのではなく、ぼーっとして11月7日の余韻を噛みしめたかった。あの日のことを消化してブログを書きたかった。でも本当にサボる訳にはいかない。今日は11時半からチームB、18時半からチームAの公演を観させてもらう。これで『ネガポジポジ』は見納め。11月16日(水)にはギロッポン(六本木)で上原ひろみちゃんさんトリオ・プロジェクトのコンサート、11月23日(水・祝)には℃-uteのコンサートが待ち構えている。これまでの人生で今年は現場の数がいちばん多い。

つばきファクトリーにおける私の一推しの座をめぐってオノミズミズ(小野瑞歩さんのことです)と小片リサさんが争っている。私のために争わないで。11月3日(木・祝)の『ネガポジポジ』初演、チームAを観させてもらってからオノミズミズ(小野瑞歩さんのことです)が頭一つ二つ三つ突き放していた。チームAには小片リサさんはいなかった。次に観させてもらったのが11月6日(日)のチームC。キャストとして主役を務める小片リサさんに引き込まれた。3日前にオノミズミズ(小野瑞歩さんのことです)に付けられた差は、取り返せないかと危惧されていたが、この日の大活躍で挽回のチャンスを残した。今日11時半からのチームBでは前述したようにオノミズミズ(小野瑞歩さんのことです)がキャスト、小片リサさんはアンサンブル。18時半からのチームAではオノミズミズ(小野瑞歩さんのことです)がアンサンブル、小片リサさん不在。つまり、11時半からの回がこの両雄が私の一推しを勝ち取るための直接対決となった。

対決の結果はどうだったかというと、引き分けだった。ハロプロソートでは引き分けをほとんど選ばない白黒はっきりさせる性格の私でも、甲乙付けがたかった。チームBのオノミズミズ(小野瑞歩さんのことです)は、キャストの中でも二人いる主役の片方に抜擢されていた。出演者たちの中で台詞とアドリブの見せ場が最も多く、目立つ役所(やくどころ)だった。すべてのチームの公演を観させてもらって分かったのだが、同じミュージカルを違うメンバーがまったく同じように演じている訳ではなく、細かい部分で違いがある。たとえば序盤の「ミチ・リサ・マイ・ルミ」を連呼する歌では、チームAの山岸理子さん、チームCの浅倉樹々さんに比べてオノミズミズ(小野瑞歩さんのことです)はキーが高かった。アドリブの場面ではチーム毎の違いがよく分かった。ユミ(A:山岸、B:小野、C:浅倉)がリサ(A:加賀、B:高瀬、C:小片)にアイスクリーム代として1万円を受け取らせようとする場面がある。「お金が苦手なんだ」と固持し逃げ回るリサをユミが追い回すのだが、オノミズミズ(小野瑞歩さんのことです)は「じゃあこれを機会に好きになろうよ」と言って我々を笑わせていた。他のチームではこの台詞はなかった。お風呂の椅子に座る場面では横の桶を「兄弟みたいだね」と言ってなでていた。オノミズミズ(小野瑞歩さんのことです)の歌声をちゃんと聴いたのは初めてだったのだが、ほんわかした見た目とは異なり低い声が出て意外とドスがあった。他にあまりいないタイプなので、つばきファクトリーの歌唱を牽引する一人になるのではないか。ユミ役はステージに一人で立って何分か歌う場面がある。オノミズミズ(小野瑞歩さんのことです)はつばきファクトリーに加入して間もないし、こんな機会はまだほとんどないだろうから、嬉しいだろうな、いい経験になるだろうなと思いながら観ていた。全般的に、オノミズミズ(小野瑞歩さんのことです)ならではの優しい雰囲気が演技によく生かされていた。一方の小片リサさんに関しては、今まで思っていたように雰囲気が好きだし、(決していやらしい意味ではなく芸術的な観点から)身体の線が魅力的で目を奪われた。アンサンブルの衣装は、脚を出したぴったりした衣装。太いボーダー柄のストッキング。その中でも小片リサさんは脚を多めに露出していて、(決していやらしい意味ではなく芸術的な観点から)目に焼き付けざるを得なかった。キャストのときとはまた違う魅力を感じた。あと今日わかったこととして、小片リサさんはけん玉がお上手だ。アンサンブルでけん玉をやる場面があるのだが、慣れた手つきで巧みに玉と棒を扱っていた。(後で彼女のブログに「けん玉お上手ですね」というコメントを送ったのに掲載されなかったようなのだが、検閲者が金玉と読み違えたのかな。)こうやってお二人がそれぞれの魅力を発していたので、私の注目はどちらかに偏ることはなかった。

11時半の回に関しては、MVPは高瀬くるみさん。私にとっての個人的なMVPです。オノミズミズ(小野瑞歩さんのことです)と小片リサさんを差し置いての受賞である。歌にソウルがあった。オノミズミズ(小野瑞歩さんのことです)の歌もよかったけど、高瀬さんの歌の方が強く印象に残った。終演後のアンケートにもMVPが高瀬くるみさんである旨を書いて投函した。後にハロプロ研修生のブログを見たら「今日は高瀬絶好調だったかなぁーって思います!」と書いていたので、本人にとっても会心の出来だったのだろう。私はアイドルオタクではなく音楽ファンなので、パフォーマンスの出来については推しがどうとかに関係なく公平に評価するのである。高瀬さんは前田こころさんと言い争う場面で「このくちびる!」というアドリブのディスをぶっ込み我々の笑いを取っていた。

会場から出ると13時半。駅の逆側に一目散。14時半までランチをやっている「美そ乃」。いま私の中でいちばん熱い店「美そ乃」。A5黒毛和牛ランチ1,480円+税、金メダル。特選牛タンランチ1,180円+税、金メダル。特選ハラミ・サガリランチ980円+税、金メダル。特選ホルモンランチ980円+税、金メダル。「美そ乃」のランチは全部、金メダル(参照:MC松島“She's a Hero”)。少し変な時間にも関わらずほぼ満員だった。左にいた青年二人が「向かいの焼き肉屋より4倍うまい」「ランチのコスパが最強」と言っているのが聞こえてきた。特選ホルモンランチと芋焼酎オンザロック。味噌ダレと塩でいただく。1,544円。店を出ると14時11分。

18時半のチームA公演。4回目なので、さすがに話の展開や台詞がだいたい頭に入った状態で観ることが出来た。他のチームと比べて演技がどう違うのか、台詞の言い方がどう違うのか、アドリブではどう遊んでくるのか、この演者はどういう表情を見せるのか、といった細かい部分に注目して鑑賞するだけの余裕があった。アンサンブル、キャスト、アンサンブルの順番でオノミズミズ(小野瑞歩さんのことです)を観察したが、アンサンブルとして躍動する彼女により引き付けられた。道具をアンサンブル4人くらいで動かすときに小声で「せーの!」と言って他の子たちとタイミングを揃えていた。はちきんガールズからハロプロ研修生に加入した川村文乃さんがすべてのチームでアンサンブルとして出演していた。彼女は宮本佳林さんに似ていると評判で、Juice=Juiceのメンバーたちもラジオか何かで言及していたのだが、実際に見た印象としてはそんなに似ていなかった。ただいつでも心底たのしそうにしていて、観ているこちらも顔がほころんでしまう感じ、ハツラツとしたアイドルサイボーグ的な雰囲気を醸し出している点は共通していた。あらゆる動きが大きくて、マシンのようだった。清野桃々姫さんは身体は小さいけど舞台上の振る舞いは年齢が下な感じが全然しなかった。堀江葵月さんには人を引き付ける笑顔があって、彼女を観ているとこちらも楽しい気持ちになった。

千秋楽は来週の11月20日(日)だが、私はこれで最後だ。観させてもらった4公演を通して、ハロー!プロジェクトの新たな魅力を発見することが出来た。たしかに少し難しくはじめは呆気に取られたが、何度も入るに値するミュージカルだった。一回観ただけではよく分からない方が、分かりやすいけど一回で飽きるよりはずっといい。これからも演劇女子部にはファンが付いてこられて興業として成り立つ範囲内で、どんどん難しいこと・高度なこと・新しいことに挑戦していってほしい。今までに観たことがないミュージカル、舞台を見せて我々を魅了してほしい。ハロー!プロジェクトのメンバーや研修生たちが活躍できる場所、才能を発揮できる場所を広げていってほしい。

11時半の回に入る前に、私はオノミズミズ(小野瑞歩さんのことです)の日替わり写真と、コレクション生写真を3枚買っていた。当たったのは山岸理子さんが2枚(別種類)と横山玲奈さんという何役だったか記憶にないハロプロ研修生が1枚。それほど知らない出演陣のコレクション生写真を買って開封して「誰だこれ?」「うわ3枚しか買っていないのに2枚が同じ人、しかも特に推していない人だ」となるのは大人の遊びという感じがした。結果を受け入れるつもりだったが、18時半の回を出ると会場前でアルバムを広げている紳士がいたので、交換してもらった。
「何かお探しですか?」
「小野瑞歩さんが欲しくて、持っているのはこれです」
「じゃありこりこセットで」
「ありがとうございます」
山岸理子2枚と引き替えにオノミズミズ(小野瑞歩さんのことです)2枚を手に入れた。それにしても『ネガポジポジ』の写真類は日替わりがあんまり日替わっていないし、日替わりとコレクション生写真の違いが小さすぎる。まあこんなもんっちゃこんなもんか。

私のつばきファクトリーでの一推しをめぐるオノミズミズ(小野瑞歩さんのことです)と小片リサさんの戦いはまだ完全に決着がついていないのだが、12月のハロプロ研修生発表会は「小野(瑞)」と印字されたTシャツを着て臨むことになる。もう注文した。