2017年1月5日木曜日

Kaleidoscope/Crystal Clear (2017-01-03)

昨日ストリートできしめんの看板を見て頭に浮かんだのが、明日になればきしもん(岸本ゆめの)を見られるということである。歌って踊るきしもんを目にするのは、私にとっては正月の終わりを意味する。正月は早く終えたい。会社に行くのを待ちわびているわけじゃない。休みは大好きだ。『上手く言えないが、正月という時期はあまり好きではない。Fuck初詣。Fuck家族の集まり。Fuckお節料理。Fuckテレビ番組の正月特番。Fuckこの時期だけに流れる三味線だか琴。Fuck年賀状。よく分からないけどイヤな気持ちになる。早く抜け出したくてしょうがない。ネガティヴな感情を鎮めるため、1月1日も2日もジムで汗を流した。待ちに待った1月3日。ハロコンで私の正月を終わらせる。正月を殺すための儀式、それが私にとってのハロコンである。

2017年の冬ハロコンは1月2日(月)から始まっている。私が観させてもらうのは以下の公演である:

1月3日(火)14時45分開演 “Kaleidoscope”
1月3日(火)18時30分開演 “Crystal Clear”
1月4日(水)18時30分開演 “Kaleidoscope”
1月7日(土)18時30分開演 “Crystal Clear”
1月8日(日)14時45分開演 “Kaleidoscope”

“Crystal Clear”と“Kaleidoscope”という二種類の演目がある。こうやって二通りやるようになったのはたしか2012年冬の『ロックちゃん』と『ファンキーちゃん』からである。二通りの片方は既存ユニット、もう片方はシャッフル・ユニットを中心とした公演なのが最近の定番である。2013年夏の『ソレゾーレ!』(既存ユニットそれぞれ)と『マゼコーゼ!』(既存ユニットの垣根を越えた混ぜこぜ)という題名が分かりやすい。今回の場合は“Crystal Clear”が『ソレゾーレ!』、“Kaleidoscope”が『マゼコーゼ!』にあたる。

受け取った5枚のチケットのうち3枚はとんでもなく前方の席だった。いくら普段からアップフロントに愛されている私とはいえ、こんなに凄い席ばかりをいただくのは初めてだった。ありがたい。嬉しいのだが、今回に関してはそれだけでは済まされない。いわゆる小野瑞歩問題である。つい数ヶ月前までは宮崎由加が問答無用で私の一推しであった。したがってハロー!プロジェクト全体のコンサートでは宮崎と黒で印字されたピンクのTシャツを着ていけばよかった。2016年8月につばきファクトリーに加入した、杏仁豆腐を好む少女が私の中で急浮上し宮崎由加と並ぶ存在になってきたせいで、ハロコンでどちらのTシャツを着ていけばいいのかという悩みが生まれたのである。もし小野(瑞)Tシャツを着ていった場合、宮崎由加には若手に寝返ったというメッセージを送ることになる。もし宮崎Tシャツを着ていった場合、小野瑞歩には一推しはあなたではないというメッセージを送ることになる。たしかに心配のしすぎかもしれない。私はJuice=Juiceの個別握手会には一度も行っていない(Juice=Juiceに限らず接触だけのイベントには一度も行っていない)。Juice=Juiceのコンサートを観させてもらった回数も限られている。したがって、宮崎由加が私ごときを一人のファンとして認識している可能性は低い。しかし、数日の間に3回もステージに近い席でコンサートを鑑賞すれば、上記のメッセージが彼女たちに伝わってしまうリスクはあるのである。ハロプロのメンバーが、自分のファンだと思っていた人がハロコンで別の子のTシャツを着ていたというのをネタにするのを何度も聞いたことがある。上記の懸念はあながち誇大妄想とも言い切れないのである。

「着替えますか」―「ハロコンでどっちのTシャツを着るか迷うんですよね」とつばきファクトリーの現場で顔見知りになった紳士に相談した際にいただいた助言である。それも考えた。しかし、コンサート中に何度もTシャツを着替えると鑑賞に支障をきたしそうである。その上、目立つ。仮にそんな人が近くにいたら私だったらTwitterやブログに書く。それはイヤなので、却下。他にはニュートラルなTシャツを着るという案もあった。それこそ無地の、誰のメンバーカラーでもないような。でもそれはつまらない。葛藤の末、私はカバンに一枚のTシャツを入れた。業者への発注で指定した色はミント、印字された人物の特技はフルート。宮崎由加の目にはピンクの宮崎Tシャツに見えて小野瑞歩の目にはエメラルド・グリーンの小野(瑞)Tシャツに見える、そんなTシャツが欲しい。それが叶わない以上、どちらかを選ぶしかなかった。「リスクないところに利益なし 理屈並べてる暇もなし」(漢、『一所懸命』)。

「初めてやったの10代で葉っぱ はまりすぎたらバカになった バカになったらラッパーになった ラップやったらブッダに化けた」(BES,“Pyrex feat. NIPPS”

Twitterのダチが薦めていた“BES ILL LOUNGE Part. 2/MIX BY DJ GEORGE”というMIX CDを聴きながら中野へ向かった。BESというラッパーのことは知らなかったが、逮捕歴があるらしい。このMIXに収録されている曲でも獄中のことや麻薬のことを歌っている(上に引用した歌詞は客演したNIPPSによるものである)。奇しくも私は、見つかれば塀の中にぶち込まれても不思議ではない行為に手を染めようとしていた。ハロコンで着用するTシャツの色と名前を変える。いくら本人にそのつもりがなくても、外から見れば「推し変」(推しているメンバーを変えること)に他ならない。

14時45分開演 “Kaleidoscope”

開場の13時45分に向け、13時すこし前に中野サンプラザ前に着いた。早めに入場列に並んで、中でグッズを買うつもりだった。ところが今日はいつもと違った。グッズ列の最後尾にいたエスタシオンの青年に入場列はどこかと聞いたところ、
・グッズ列が入場列を兼ねている
・途中からグッズ列と入場列に分離すると聞いているが、いつからかは分からない
・早く入場したいのであれば、このグッズ列に並ぶのが早いと思う
とのことだった。つまり、グッズ列ではなく入場列に並んで中でグッズを買うといういつもの作戦を取ることが出来なくなっているのだ。そういえば研修生発表会のときに同じようなことをエスタシオンの青年が言っていた。あのときは結局エスタシオン側の言った通りにならなかった。今日の中野でもいつもの習慣で来場者たちが自主的に入場列らしきものを作っていたが、「これは入場列ではありません。グッズ列から先に入場列を作ります」とエスタシオンのリーダー格の青年に言われて解散させられていた。2人くらいは日本語の意味が理解できなかったのか、なお同じ場所に立ち続けた。結局、今回はちゃんとエスタシオンが宣言した方法を貫いた。グッズ列でチケットを持っている人に手を挙げさせて、別の列を作らせていた。やたら難しいやり方だと感じたが、何かを改善したくて実験しているのだろう。でも問題は列の作り方ではなくて、買うときに時間がかかりすぎることだと思うんだけどね。事前にネットで注文と決済をして、予約番号で受け取るとかに出来ないのかね。

場内の最終調整という、遅延するときのいつもの理由。チケットのもぎりが始まったのは15分遅れの14時ちょうど。チケットをもぎられる前の階段で、日替わり写真の小野瑞歩と小片リサが売り切れているのを知り、キレそうになった。他に売り切れていたのはモーニング娘。の新加入組、それ以外には一人か二人いたくらいである。Juice=Juiceは誰も売り切れていなかった。ということはそもそもの仕入れ数が少ないのだろう。小片リサの売り切れはまだ我慢できるとして、小野瑞歩までを切らすとは。まだ今日の1公演目すら始まってないぞ。なめやがって。しかもつばきファクトリーで売り切れているのはよりによってその二人だけである。その二人のが欲しかった。直筆でもないのにこんなに稀少にするなよ。頭が熱くなり、うっすらと痛みが走った。2017年で今のところ最大の怒りを覚えた。日替わりはいつもの宮崎由加と、あとは小野田紗栞を買ってみた。2016年最後の握手が小野田紗栞とだった。あの強すぎる握力が印象に残っている。普段からやる気満々の彼女だからさぞかし気合いのみなぎった書き込みをしているのだろうと思ったが、意外と普通でちょっと可笑しかった。これから彼女の日替わり写真の書き込みがどう進化していくのか楽しみ。コレクション生写真は奮発して8枚も買ったが、当たったメンバーは私が2016年12月22日に行ったハロプロソートで32位、圏外(36位以下)、31位、33位、14位、35位、圏外(36位以下)2枚かぶりという散々な結果であった。14位は船木結。それ以外の名前は伏せる。Juice=Juiceとつばきファクトリーは一枚も当たらなかった。

コンサートはダンス部のパフォーマンスから始まった。緩めの白いスウェットシャツに、黒タイツに黒ハーフパンツという衣装で統一。音楽もダンスも演出も冷たくて格好いい感じにまとめられていて、こちらがワーワー合いの手を入れる余地はなかった。“Kaleidoscope”はこれが初演で何が起きるのか誰も把握していなかったので、なおさら静かに見守る感じになった。公演を重ねていくとこの冒頭のセグメントにおける客席の雰囲気は少し変わっていくかもしれない。カジュアルで緩い格好が本当によく似合う船木結に目が行った。

新しくハロー!プロジェクトのリーダーに就任した和田彩花から観客に向けて簡単な挨拶があった。彼女は本コンサートの見所として、シャッフル・セグメントにおける衣装を挙げた。すべて本人たちが自分でコーディネートしたのだという。コンサート終盤のまことによる説明によれば、それが“Kaleidoscope”という公演名の理由である。各メンバーの個性豊かな衣装が目まぐるしく入れ替わっていくのが万華鏡(kaleidoscope)のようであり、それがハロプロの醍醐味であるというようなことを彼は言っていた。中西香菜と佐々木莉佳子が出てきて話すセグメントで、中西が衣装に関するこぼれ話を披露した。衣装が一緒じゃ意味がないとか何とか、わざとらしい口調で嬉しそうに駄洒落を言う中西。黄色か青にしてくれと指定されて、自分で探したという。しかし季節柄それらの色の服はなかなか見つからなかった。アマゾンで「黄色いトップス」で検索して、在庫が残り一点の商品を買った。それが今着ている服だという。小野瑞歩は黒くて普通の厚みとシースルーが二重になったスカート。上は黒の半袖。

シャッフルの一曲目は井上玲音、宮本佳林、岸本ゆめのによる『チョコレート魂』(松浦亜弥)だった。井上玲音が最初に出てきたときには宮崎由加と見間違えた。それくらい近い雰囲気をまとっていた。曲は半分にぶつ切れされていて、え、もう終わり?という呆気なさがあった。『チョコレート魂』はじっくりと聴かせる曲だけに、こうやって短いバージョンで披露されると物足りなかった。一瞬で会場が盛り上がるタイプの曲なら短くてもまだ様になるかもしれないが、こういうしっとりした曲は完全版で聴きたい。今日の印象ではシャッフルのセグメントは全体的にピンと来なかった。知らない曲がいくつもあって、しかも時間が短いので曲の世界に私が入る前に次に移ってしまう。

モーニング娘。に新加入の加賀楓と横山玲奈がまことと話すセグメント。研修生をずっと続けてモーニング娘。に抜擢された加賀に「シンデレラみたいだね」というまこと。意味を理解できない加賀。「色んな人に意地悪をされて…」というまことの説明を「意地悪はされてません!」と笑い飛ばす加賀。二人を対比する形でまことが質問をしていく。研修期間は? 横山が「約3ヶ月」、加賀が「4年」。参加した研修生コンサートの数は? 横山が「2回」。加賀が少し考えて「発表会が年に4回あって、実力診断が年に1度あるので…21回くらい?(この21という数字は記憶違いかもしれない)」。娘。入りが決まったときの祝福メールの数は? 横山「武道館の日(発表があった日)、100通以上のおめでとうメールをもらった」。加賀は「17通。半分は○○(ハロプロ?)の公式アカウント」。娘。と言えば『愛の種』を披露していた。モーニング娘。の一番はじめの曲だ。イントロで観客がどよめいた。

こぶしファクトリーを中央に立たせて他のグループからダメ出しをするセグメントがあった。10分で終わらせましょう、と時間を気にするまこと。“Kaleidoscope”の公演毎にディスられるグループを変えるようだ。
・カントリー・ガールズの嗣永桃子が先陣を切る。曰く、こぶしファクトリーは曲調も男性的なものが多く、女性らしさ・セクシーさがまったくない。うちのメンバーがレクチャーする。山木梨沙と小関舞が立ち上がる。対面し、山木が小関の太ももを持ち上げる。小関、のけぞる。その後、思い思いのセクシーな動きを見せる二人。終始、恍惚とした表情を崩さない山木と小関。次にセクシーではない言葉をセクシーに言えるという嗣永の触れ込みで「謹賀新年」をセクシーに言う(山木が「謹賀」、小関が「新年」だったかな)。思い切りあえぐような声の出し方をやり切っていて、会場が笑いに包まれる。広瀬彩海と藤井梨央が「謹賀新年」をやらされる。
・モーニング娘。の牧野真莉愛が手を挙げ、「こぶしファクトリーには可愛さが足りない」と無邪気な笑顔で言い放つ。完璧な可愛さを備えた牧野がこれを言うのは公開処刑的な残酷さがあった。客席からはどよめきに近い反応が起きる。しかしまことから牧野の順番は後だと制され「ごめんちゃいまりあ」。
・「田口夏実に言いたいことがある(ここで『呼び捨てですか』と田口)、仕事を真面目にやれ」と高木紗友希。田口は仕事の途中で飽きてしまうのだという高木の告発に「それは仕方ない。人間だもの」と相田みつを引用した切り替えしで会場を沸かせる田口。この話の流れから藤井が「うちのメンバーはリーダー(広瀬)の話を聞いていない。そこを直せばもっとよくなるのでは」と言う。「あなたがいちばん聞いていないから」という広瀬の指摘に驚く藤井。会場のスクリーンに自身の顔が大写しになったときにやめてくれと嫌がる田口。「毛穴が映る。気になるお年頃だから」。
・アンジュルムの勝田里奈いわく「小川麗奈の笑い方が変。それをもっと出していけばいいのでは」ということで笑わせる役で室田瑞希が前に出てくる。PPAPを披露するが序盤で小川が笑う。何度かやり直してもオチに辿り着かない。「ここからが面白いんだからまだ笑わないで」と和田彩花。最後は小川が室田の頭を手ではたいて強制終了。
・最後に牧野。こぶしファクトリーは可愛さが足りないから「まりあんLOVEりんです」をやってほしいという注文。各メンバーが自分の名前(愛称)を使って「○○LOVEりんです」をやる。

2列目(0列が2列ぶんあるので実質4列目)のまんなか付近という素晴らしい位置だった。こんなときに限ってJuice=Juiceご一行がステージの一番前まで来て、客席のすぐ近くでパフォームする場面が何回も訪れた。このときの気まずさといったら、なかった。Juice=Juiceご一行、特に宮崎由加さんが近づく度に、とてつもない殺気を感じた。出来る限り私の方に視線は向けて見てほしくなかった。Tシャツの文字は腕で隠した。繰り返すが、私はJuice=Juiceや宮崎由加さんから個人的に認識されているとは思っていない。言うまでもなく、ステージから個人的に糾弾されたわけではない。それでも宮崎由加さんが間近に来たときの重圧が凄まじかった。私が勝手に感じているだけなのだが。これからもハロコンで小野(瑞)のTシャツを着続けるのは、自分が耐えられない気がした。

すべてのグループの中でJuice=Juiceが一番すばらしかった。彼女たちのステージでの立ち振る舞いには、観客を自ずと引き込む力があった。次に彼女たちの単独公演を観させてもらうのは4月1日。福岡まで行く。楽しみ。2月の新宿は外れた。さいきん気が付いたのだが、成熟したグループを一つ、発展途中のグループを一つ見るのが自分にとって最適なバランスのようだ。2017年はJuice=Juiceとつばきファクトリーを中心に見ていくことになる。以前はそれが℃-uteとJuice=Juiceだった。

公演中、喉が渇きすぎた。コンサートを存分に楽しむのに支障をきたすほどだった。それも原因の一つかもしれないが、何かいまひとつ楽しめなかった。私の体調のせいだったのか、暖房のせいだったのかは分からない。前の紳士のPEPSIをパクりたかった。会場を出るとすぐに自販機で黄色いアクエリアスを買って飲み干した。

「コレ生の宮崎由加か、小野瑞歩が欲しいんですけど。で、持ってるのはこれ。どれでも出せます」
会場前のドラッグ・ディーラーに声をかけた。宮崎由加はまだ手元にないが、小野瑞歩はあるというディーラーは、私が差し出した写真をひとしきりじっくり見て悩んでから「ハルナで」と、無くなっても痛くもかゆくもない尾形春水の写真を指定してきた。こころよく受け入れ、小野瑞歩のコレクション生写真を手に入れた。

泰陽飯店。黒ホッピー。枝豆。牛肉と玉ねぎの炒め物。

18時30分開演 “Crystal Clear”

開演前にずっと独り言をスピットしているヤバめな紳士が近くにいた。29列目。中野サンプラザの1階は、いちばん後ろが32列だ。さっきまでの“Kaleidoscope”と比べてだいぶ気が楽だった。至近距離で宮崎由加の視界に入る心配がない。気を張る必要がない。双眼鏡を使ってまったり観させてもらった。後方の席をありがたく思ったのは初めてかもしれない。

トークはほとんどなし。ダンス部のような変わり種のパフォーマンスもなく、みっちり2時間、歌と踊りを届けるハーコーなコンサート。“Kaleidoscope”とははっきりと構成を区別している。

横山玲奈は、数年前の牧野真莉愛に雰囲気が近いような気がした。ずっと笑顔で愛らしい感じ。天性のアイドル・ヴァイブス。牧野真莉愛と言えば、彼女が初めてセンターを務めた曲『そうじゃない』がクセになる。最近のモーニング娘。の曲の中では飛び抜けて好きだ。

一番

牧野「そうじゃない」
我々「オイ!」
牧野「そうじゃない」
我々「オイ!」
牧野「真面目なんかじゃないよ」
我々「まりあー!」

二番

牧野「そうじゃない」
我々「オイ!」
牧野「そうじゃない」
我々「オイ!」
牧野「ふざけてなんかないよ」
我々「まりあー!」

このオイ!→オイ!→まりあー!の三段階コールが気持ちいい。

後方だったので基本的には双眼鏡でじっくりと静観するスタンスを取ったが、『ギャグ100回分愛してください』の宮本佳林にはにやけざるを得なかった。この曲は嗣永桃子と各グループから一人ずつという構成で披露されたのだが、宮本の表現力がずば抜けていた。彼女のパートは、歌でもあり、台詞のようでもあり、普通に話しているようでもあるように聞こえた。与えられた曲を歌っているのではなく、曲を通して宮本佳林を表現していた。それだけ曲の世界を自身の中に取り込んで、演じきっているということだと思う。

つばきファクトリーの“Just Try!”の、頭を下ろして髪を振り乱すダンスが最高。何度でも観ていたい。メンバーがみんな下を向いて誰か分からない状態で、この子のダンスに凄く惹かれるなと思った人が頭を上げたら浅倉樹々だった。

最後の曲『みかん』が始まると会場の雰囲気が一気に華やいだ。この曲はいつも、やたらとコンサートで盛り上がる。この曲は2007年に発売された。ハロコンに来る層は、旧来のモーニング娘。ファンが多いのだろうか?

今日の感触としては、“Crystal Clear”の方がいいコンサートだと感じた。ただ、2公演とも、自分は十分に没入が出来たとは言いがたい。どこか煮え切らなかった。調子が悪いという自覚はなかったが、自分の気力と身体の状態が、ハロコンの圧倒的な情報量と熱量に負けていたようだ。正月を完全に殺すことが出来なかった。