2019年11月29日金曜日

月光 (2019-11-24)

日頃の生活で山梨県のことを考える機会が一切ないので、私はGoogle mapで検索しないと同県が日本地図のどこにあるのかがよく分からない。訪れるのが三度目であるにもかかわらず。Juice=JuiceJuice=Juice、そして今日がつばきファクトリー。すべて日帰り。観光をするわけでも地元の名物に触れるわけでもない。山梨といえば何? 分からない。強いて言えば、東京から甲府に向かう特急あずさ。甲府から乗る身延線。山に恵まれた田舎の風景。それらが私にとっての山梨。ああ、そういえば子供の頃、山があるのに山梨県と地理の授業で誰かが言っていた気がするな。私が山梨公演に申し込んだ最大にして唯一と言っていい理由が、泊まりなしで行って帰って来られること。特にいい会場だったわけでも、周辺施設が充実しているわけでもなかった。今日が山岸理子さんのお誕生日だというのは、前日にTwitterで見るまで知らなかった。彼女のフォロワーたちにとっては絶対に外せない一日。私は番号がよくはなかった(181番)ので、特にやる気をブーストする要素はなく。小野瑞歩さんを観ることが出来る、そして全員握手で一瞬とは言えご対面できる。それだけが楽しみだった。昼公演は外れた。夜公演は17時半開場、18時開演。家に近いお店でリアルなロティサリー・チキンを食べてから山梨に向かった。

特急あずさはけっこう揺れる。立っているとよろける。通路でHUHさんの“HELL HELL YOU,HOLY HOLY ME”(めちゃくちゃな音楽)を聴いて『アメリカの高校生が学んでいるお金の教科書』(アンドリュー・O・スミスさん)を読んでいると、三半規管への負担が大きいのか、酔ってきた。甲府駅で降りると、典型的な鉄道ファンという感じの風体の中年男性が車掌さんに延々と何かを話しかけていた。車掌さんは慣れた様子で適当に相手をしているようだった。身延線に乗り換える。停車中の電車。別のやばそうな男性がニヤニヤしながら車掌さんに話しかけていた。キチガイから解放された車掌さんに今度は私が話しかける。身延線はICカードが使えない。ICカード処理連絡票というのを発行してもらって、ICカードが使える駅で精算しなければならない。連絡票を出してもらう。私のICカードが必要だというので定期券入れを渡したところ、彼はおもむろに私のPASMOを取り出して裏返した(PASMOの番号を連絡票に記す必要があったため)。PASMOの裏側は小野瑞歩さんのステッカー(何度も剥がして貼り直せるやつ)で覆われていた。

車掌さん:あっ…!
私:あ…

前に来たときは、国母駅近くのとりすみというお店で昼食を摂った。気に入ったので夜もそこにした。今日も夜公演の後に行こうかと思っていたが、電車の時間を調べたら時間に無理があった。あの日に比べて今日は夜公演の開演が30分遅い。夜公演まで時間があるので散歩がてら勘で歩いていたら予期せずとんでもない遠回りになった。前に来たときはクロークがあったのだが、今日はないようだ。50代くらいのエスタシオン係員さんに聞いたら荷物を預けるならコイン・ロッカーだと言われた。まだ空きはあった。開けると中は砂塵まみれ。野ざらしだから放置したらこうなる。掃除くらいしとけや甲府KAZOO HALLの関係者ども。こんなロッカーに金を取るな。たまたま持ち合わせていたフェイシャル・シートで拭き取るが、完全には汚れが取れない。日替わり写真は当然ながら山岸理子さんのは売り切れていたが、それ以外はまだ残っていた。小野瑞歩さん、秋山眞緒さん、贈答用の岸本ゆめのさん。会場から歩いて数分のセブン・イレブン(甲府KAZOO HALL来場者たちのオアシス)でアイス・コーヒー(R)とアサヒグループ食品 1本満足バー プロテインチョコを購入。それが今日の夕食。お店の前。アサヒグループ食品 1本満足バー プロテインチョコを食い始めた16時22分、ちょうど昼公演が終わったらしく、応援するメンバーさんの色を身に纏ったキモめな人たちの群れがこちらに近づいてきた。Twitterを眺めていると京都サンガさんが柏レイソルさんに1-13で大敗していてびっくりした。

そういえば。さっき通り過ぎたとりすみが求人の看板を出していた。時給は高校生800円、大学生と一般が850円。山梨県の最低賃金は10月から837円に改正されている。もし高校生を本当に800円で働かせているとしたら法律違反である。9月まで800円を切っていたのだろうな、と思って調べてみたが、2018年の時点でも810円だったようなのだが…大丈夫なのだろうか。でも何かいま調べてみると特定の産業では高校生の扱いは例外のようだね。おそらくうまいこと法の目をかいくぐっているのだろう。

番号の呼び出し。17時34分、60番。17時38分、100番。17時44分、160番。私がフロアに入った時点でもう7割くらいは埋まっていた。真ん中から右にかけてはだいぶ視界が悪そうだったので、私は左側の女性エリア後方を選んだ。会場の収容人数は公式には300人だけど、開場前におまいつの紳士がお仲間に言っていたようにモッシュ前提の人数だからね。Hello! Projectではモッシュどころか足元に荷物を置く人がたくさんいるから。私の近くには集団の姫として男オタク集団に一人混じって一般エリアにいた女オタクさんがいたが、開演10分前に考えを変えて女性エリアに入って行った。影アナは山岸理子さん。何度も噛んで、もうダメだ~と言ってフロアを笑いで包んだ。和む。

ステージに小野瑞歩さんが現れた瞬間から、私が何に集中すべきかは百パーセント決まっていた。そうさ百パーセントみずほ(勇気)…。視界が許すかぎり彼女の一挙一動をこの目に焼き付けること。それだけ。それ以外はおまけ。他の何を見逃そうとも、小野さんから目を離さない。この気持ちが残るかぎり、私は小野瑞歩さん(つばきファクトリー)を追いかけ続ける。髪型がとても可愛かった。前髪がぱっつん気味になっていて(途中から汗で束になっていた)。翌日にご本人がブログで言及なさっていた:
昨日のライブは
髪の毛を下ろしてストレートでやってみたの!
どんな髪型にしようかな〜?
って考えてたんだけど、
逆になにもしないって
やったことないな〜!って思って笑
就活センセーション』で彼女にニコッと笑いかけていただいた感触があった。私は嬉しくてたまらなかった。他にも一、二回はレス的な何かをいただいたような気がしなくもないが、私の勘違いだったかもしれない。私の周囲にはペン・ライトをエメラルド・グリーンに光らせる青年たちが何人もいたので。誰に向けての笑顔だったかを判定するにはVAR (video assistant referee) が必要だ(明治安田生命J1リーグでは来期から全試合で導入されるんだよね)。この『就活センセーション』のときだけは、ほぼ確実だったと思う。私は在宅ファンだった頃は本気で自分が楽曲派だと信じていた。実際、私は昔からヒップホップを中心にさまざまなアルバムをディグってきた音楽好きなのは間違いない。Hello! Projectであってもワックな曲を連続的にリリースされるとその集団には醒める。音楽は大事、根本。でもこと現場に関して言えば、自分が熱狂的に支持するメンバーさんがこちらの愛情(変態的な凝視)に笑顔等で返してくれることに勝る喜びはない。もちろん皆さんからの愛情をパフォーマンスで返すという宮本佳林さんがよくいうアレは正しい。正しいんだが、コンサート中に好きな人とほんの一瞬でも一対一になれる時間、それは至上の喜びなんだ。

トークお題:皆さん(我々)へのオススメ
小野田紗栞さん:LUXの高いシャンプーとトリートメント。(皆さんも使ってみてくださいね。さおりちゃんと同じ匂いになりたい人はね、的なことを言ってから谷本安美さんが大笑い。)
谷本安美さん:TSUBAKIプレミアムのトリートメント。シャンプーやリンスではなく、金色のパッケージの。あれを使うとトゥルントゥルンになる。(みんな高いのを…とやや引き気味の小片リサさん。)
男性もトリートメント使うんですか? と我々に問いかけ、使うというフロアの反応に驚く岸本ゆめのさん。(谷本さんも同様にええそうなのという感じで驚いていた気がする。)男性の場合はシャンプーでそのまま全身を洗うという人も多そうですね。どこ情報よという感じで他のメンバーが笑うと、北島三郎…(と一旦呼び捨てしそうになりながら)さんの付き人がそうしているのをテレビで観たと答える岸本さん。
小片リサさん:インスト。自分たちの曲のカラオケ・バージョンを聴くのが好き。オススメは、と何かの曲名を言いかけてからやめる。これからやるやつにする(一曲ネタバレですね、と他のメンバーさん)。『純情センチメートル』。Aメロの前の音がオススメ。口で再現する小片さん。

トークお題:悩み
新沼希空さん:友達が欲しい。
小野瑞歩さん:私も。きそちゃんとか、メンバーとはよく遊ぶけど。
新沼希空さん:それだけメンバーの仲が良いってことだけど、それ以外の友達もほしい。私は愛知県出身で、今は東京だから地元の友達がいない。
秋山眞緒さん:私も大阪出身だから同じ。
山岸理子さん:(友達の作り方を理子ちゃんに教えてほしいという流れになって)私も人見知りだから…(嘘でしょと小野さん)。でも、自分から話しかけるようにしている。人見知りじゃない自分になり切る。
秋山眞緒さん:趣味を聞くのがいいんじゃないかと提案し、ステージで実践する。趣味は何? と小野さんに聞く。いま探してるんだ…という小野さんの回答に地団駄を踏む秋山さん。何か言ってよ…! 新沼さんからは、友達を作ることという謎の回答。困惑する秋山さん。山岸さんに同じ質問をして、え、漫画? じゃあ今度図書館に行こうよ。と強引に話を進める。このように映画なら映画に誘えばいいんだと言う秋山さん。

秋山眞緒さん:私はいつもりこちゃんのことをふざけて馬鹿にしている。でも理子ちゃんはすべてを受け止めてつばきのメンバーを優しく包み込んでくれる。理子ちゃん大好き。これからもずっとつばきにいてほしい。
小野瑞歩さん:いつかの公演で誰かがファンは推しに似ると言っていた。きそちゃんか。それは本当なんだろうかと考えながら公演をやっていた。理子ちゃんのファンの皆さんは笑うときの目が理子ちゃんに似ていて、本当だなと思った。
岸本ゆめのさん:私は理子ちゃんのことをいつもおばさんとかいじっている。家に帰ってから言い過ぎたかな…と反省している。(本当に~? と山岸さん。)
新沼希空さん:理子ちゃんと一緒だと落ち着く。正直、親といるよりも落ち着く。つばきファクトリーのママ的存在。
小片リサさん:(トーク・セグメントの流れを踏まえて)『今夜だけ浮かれたかった』のインストの一部を理子ちゃんにあげる。
山岸理子さん:(お立ち台に立ってから言いたかったことを思い出せず、しばらく考えてから何かを言う。)言いたかったのはこれじゃない。大したことじゃないんだけど。思い出したらブログに書きます。

全員握手

小野瑞歩さん:見えた!
私:可愛かった

私:里山のラジオ面白かった
岸本ゆめのさん:あ! ありがとうございます!

秋山眞緒さん:また来てくださいね

私:おめでとうございます
山岸理子さん:(頷く。ありがとうと言っていたかもしれないが周りの音で聞こえなかった)

公演の前にエスタシオン係員さんからジャンプ禁止という通達があった。フロア中央付近のおまいつ中高年男性たちは当然のようにそれを無視していた(もっとも、エスタシオン係員さんの伝え方が不十分ではあったと思う)。ルールの是非はさておき、公的空間での振る舞いについて(同じ客の理不尽なイチャモンならともかく)係員からお願いをされてそれを無視するのはオタクという以前に人としての分別に問題があると私は思う。こんな日本語が通じない奴らが、赤信号みんなで渡れば怖くない的に好き勝手やっているようでは、ルールが厳格化するのも致し方ない。残念だが。Hello! Projectでは来年からジャンプが全面禁止だが、その前から会場によってローカル・ルールがある。たとえば新宿Renyはジャンプ禁止。昼公演ではジャンプが許容された会場でも夜公演で禁止になることもある。おまいつならそれは重々承知のはず。私の近くにいたおまいつたちは律義に言われたことを守っていた。私の近くにいた、植村あかりさんから谷本安美さんに推し変した紳士とか。そう言いつつ『初恋サンライズ』では私も飛んだ。さすがに同曲ではフロアのほぼ全員が飛んでいた。(それをもって私が自分のジャンプを正当化してしまうと、これも赤信号みんなで渡れば怖くないだが…。)

帰りも一年前に来たときの記憶を元に適当に歩いたら、訳の分からない迂回ルートになった。未だに正解が分からない。20時13分、国母駅に到着。乗ろうとしていた電車には乗れた。20時21時分発。一時間に一本から三本しか来ない身延線。改札も切符売り場もない。

21時5分、今度は帰りの特急あずさ内で運賃の精算をしていたらPASMOに貼り付けられた小野瑞歩さんのステッカーを若い女性の車掌さんに見られた。一日に二回もこんな羞恥プレイ。体幹を鍛えるためにかなり揺れる特急列車で座らずにバランスを取った。スクワットもした。どこかで別の電車がイノシシとぶつかったためしばらく電車が止まった。