2023年10月24日火曜日

KissBee ONE MAN LIVE『BoooooM!!!』 (2023-10-16)

昼休みにモカ・ブレンド(S)を買うために入った会社近くのファミリー・マートで店員氏の名札に目をやるとえちぜんやと書いてあった。漢字ならともかくひらがなでえちぜんやと書かれるとえちの部分が際だって見える。えちであることが宿命づけられているかのようだ。そしてエチゼーニャと書くとスペイン人っぽい。コンヴィニエンス・ストアや飲食店で移民労働者たちの発声をよく聞くと、Nとその後の母音を繋げて言う傾向がある。たとえば千円はセン・エンよりセネンに近い。ということはえちぜんや氏も同僚からエチゼーニャと呼ばれていても不思議ではない。今日は本来、在宅勤務にして午後半休を取得するつもりだった。だが出社して参加しなければならない会議が発生し、15時過ぎまで会社にいざるを得なくなった。まあ間に合うので問題なし。無事に退勤。渋谷駅に移動。左ポケットにセネン札を3-4枚入れ、コイン・ロッカーにバックパックを預ける。JPY500。セブン・イレブン渋谷道玄坂店でホット・コーヒー(R)と甘栗。店の前で胃に入れる。学生の頃はよく渋谷の街を歩いていた。この汚らしさが懐かしい。「早朝に響くカラスの鳴き声 見たところ夢、希望 何もねえ なぜかここに来るとクソ足留め 生きてきたこの都会の端っこで」(ラッパ我リヤ、『大東京feat. K DUB SHINE』よりK DUB SHINE)。時間的にはちょうどよかった。早すぎず、遅すぎず。16時半開場、17時開演。duo MUSIC EXCHANGE。Club asiaとか、昔で言うON AIR EAST(現Spotify O-EAST)とか、あの一帯。ラブホ街。東電OL殺人事件。

想像を超えるカス会場。紛れもなくカス会場。誰かの大切な思い出が詰まった場所かもしれないが、それでもカス会場。何がどうなってこんなつくりの会場が生まれるに至ったんだ。ステージの範囲内に超巨大な柱が二本。柱の前にでもいないとステージの全景は見えない。柱の前はVIP席(JPY30,000)やらSS席(JPY10,000)やらで既に埋まっている。そして柱の左右の比較的前方は撮影エリアで、キャメラを構えて撮影に専念する人たちが集まっている。一般席(JPY3,500)はその後ろ。私は左寄りの段差のある一番前に立つことが出来たから、比較的見晴らしはよかった。視界が大幅に遮られているものの、メンバーさんが見える位置にいるときは見えた。ゆいちゃんは相変わらず可愛く、ダンスにはドリブル中のエウベルさん並のキレがあった。それでも、たとえば曲と曲の間にメンバーさん8人が横並びになるときは、左の3人と右の1-2人が見えるという具合で、3-4人は見えなかった。序盤にメンバーさんが順番にソロ・ダンスを見せるくだりはまったく見えなかった。公演中に流れる映像はメンバーさんのれなぱん(大江れなさん)が作った。こういう工夫をしたんですけど気付いてくれましたか? なんて問いかけられても、知らねえよ。こっちは。見えてねえよ。そこはちょっとシラケた。置いてけぼり感があってさ。救いはドリンク代JPY600を払って手にしたラム・コーク。奴がいなけりゃやっていけなかった。うまかった。バーカンの姉ちゃんがちゃんとラムを入れてくれた。アルコールがほどよく回ってきた。ステージをじっくり鑑賞するというよりはラム・コークでいい気分になりつつ、身体を揺らし、声を出し、みんなが盛り上がっている場の雰囲気を味わうのが主だった。いいコンサートだったと思う。ヴァイブスはすげー良かった。私が楽しんだのは間違いない。労務を調整して来た甲斐はあった。ただ、会場に関して言えば、出来ればもう二度と来たくねえ。こんなトコ。後ろがスカスカだったらもう割り切って酒を追加しつつチルする楽しみ方もあっただろうけど、メンバーさんが毎日のようにチケットの手売りを頑張った成果なのか、まあまあ混んでいた。私よりも後ろにいた紳士淑女はキツかったと思う。

前も書いたがKissBee現場に来てのカルチャー・ショックとして、アンコールが自然発生ではない。おそらく仲間内でこの公演はこいつと決められたおまいつの呼びかけがないと始まらない。(たぶん勝手に始めたら揉めて村八分にあうのだろう。)後日、享平君に聞いたところ地下ではそれが普通らしい。コルリ(コール・リーダーと呼ばれるゴール裏の統率者)の指揮で集団が動く明治安田生命Jリーグのゴール裏文化に似たものを感じる。ちなみにフットボールの応援は国によって文化が異なる。最近観た動画によると英国プレミア・リーグではいわゆるコールを統率する人物が存在せず、誰かが思いついて始めたのが周りに受ければ広まっていってくらしい。

コンサートはたっぷり約90分。ダラダラとメンバーさん全員が今日の感想を述べないのが好印象。特典会をガッツリやるからお話をするのはそっちでという棲み分けが出来ているから、コンサートはコンサートをしっかりやってくれるんだと思う。現に今日も18時半頃に終演し、22時まで特典会をやっていたらしい。私は特典会には目もくれず、終演即退出。新大久保に移動してソルマリで夕食。最近ラトバレの味がやや落ちている。数ヶ月前に加入した二人の新メンバーさん(吉田琴音さん、森元あやのさん)が、この公演で本デビュー。そしてもう一人。オーディション等の文脈なしで唐突に加入が予告された14歳。謎に包まれていた。このステージでお披露目。鈴木美優さん。ジェネリックまなかん風。吉田さんと森元さんが霞むほどのイルなヴァイブス。ついつい目が行ってしまう。どうやってこんな子をリクルートしてきたんだろう。KissBee、面白いことになった。あ、でも安心して。ボクはゆいちゃんに一途だヨ。