2024年2月23日金曜日

BLUEGOATS東京公演〜投げ銭ライブ〜 (2024-02-18)

バキ童さんことバキバキ童貞さんことぐんぴぃさん属する春とヒコーキさんとのコラボ動画でBLUEGOATSさんという集団の存在を知ったのが1月16日(火)。面白かったので彼女たちのチャンネル(アオヤギチャンネル)の他の動画も観てみた。2週間で80本くらいの動画を視聴した。カラオケで喘ぎ声だけで歌い機械採点で90点以上を取るまで帰れない、かっぱ寿司に河童姿で行って店のパフェが売り切れるまでパフェだけを食べ続ける、鬼が河童姿になって全国規模の鬼ごっこをする、メンバーさんの一人が一週間のホームレス体験をする、メンバーさんが知らない人にいきなりバケツで水をかけられる、街で声をかけてきたファンがその場で嬉ションを漏らす、メンバーさんが寝ている間に家に合い鍵で忍び込み洗濯機を盗みメルカリに出品する(そして売約する)、目隠しをして知らないオジサンにキスされる、他社のプロデューサーに打ち合わせと称して居酒屋で二人っきりにされ執拗にラブ・ホテルに誘われる等々、素晴らしい完成度の企画が目白押し。最近の動画も本当に面白い。(私がこのチャンネルにハマったのは単純に動画がとても面白いからだが、一つ付け加えるなら池袋で撮影していることが多いからだ。BLUEGOATSさんの事務所は池袋にある。正午から終電の時間までそこに出勤するのが彼女たちの基本的な勤務形態らしい。動画には池袋の風景が頻繁に出てくる。事務所の詳しい住所は公開されていないが動画に出てくる風景で何となくエリアの察しはつく。)笑えない話もある。バキ童さんとのコラボ動画(+もう一つの動画)のURLを誰かがチャンチーさんが在籍していた大学のホームページのお問い合わせフォームに貼り付け、こんな奴と同級生なのはイヤだと書いて投稿した。このスニッチが原因でチャンチーさんは大学を退学させられたらしい。それを曲にしたのが『私は大学を辞めた、友達のせいで』。なんて言われたら興味をそそられる。聴いてみたら意外と(と言ったら失礼だが)エエ曲やん。同曲を含むEPをSpotifyで再生したら3曲ともよくて、そのまま何度も繰り返して聴いてしまった。BLUEGOATSさんの曲はリリックをすべてメンバーさんが自ら書いている。YouTubeでお人柄に親しんだ上で、彼女たちが自作したリリックだと知って聴く曲は鳴りが違う。YouTubeにせよSpotifyにせよこれだけ無料で楽しませてもらっているので一度は現場に行ってみたいし何なら特典会でチェキでも撮ってみたいなと思うようになった。3月10日(日)の下北沢公演のチケットは購入した。この週末(2月17日-18日)には青山と新宿で投げ銭ライブをやるとのこと。これといった予定がなかったので足を運んでみることにした。

昨日の青山は12時開演、今日の新宿は12時半開演。12時だと早すぎる。昼メシを食うタイミングを逃しかねない。新宿で12時半開始なら新大久保で昼メシを食ってから行っても間に合うだろう。そう考え11時半から淘湘記で高菜毛豆肉沫JPY880。歩いて向かう新宿Marble。12時20分頃に着く。入口の階段を下りようとするとこちらを向いて立っている紳士と目が合う。会釈してくるので何となく返す。BLUEGOATSですか? はい。あ、ありがとうございます。そこの階段を下りてドリンク代をお支払いいただきご入場ください。分かりました。あの紳士が事務所(株式会社TEAF)社長の三川氏だろうか? YouTubeで聞き覚えのある声な気がする。一瞬の対面だが人当たりのよい人物に見えた。JPY600。フロアはもう大方埋まっている。中央から右にかけては一番後ろまでほぼ入る余地はない。左側はまだ空間がある。最前の左側に長方形の中にバッテンの形でテープが貼られた場所がある。公式カメラ用の場所だった。その後ろに女性二人組(この二人以外、パッと見て女性客は見当たらなかった)、その女性たちの後ろに私が立つ。この公演はYouTubeで生配信される。昨日の公演も配信されていて、私は夜に観た。撮影担当者の紳士は、後ろにいる我々に向けて、邪魔だったら叩いて知らせてくれ的なことを開演前に言ってきた。腰が低く感じのいい人だった。最前中央付近に目をやると、昨日の配信で見覚えのある帽子を被った紳士がいた。昨日は最前中央、今日は二列目の中央。おそらく毎度、決まった面子が観に来るのだろう。「大体 毎回 いつも同じメンバーと再会」(RIZE, “Why I'm Me”)なのだろう。キャパ150人の会場で開演10分前にふらっと入れる動員能力なんだからそりゃそうなるわな。そういえば、2017年に特典会でファンとラップ越しにキスをして問題になったTHE BANANA MONKEYSという地下アイドルがいた。私は当時Twitterで騒ぎになっていたのを何となく覚えている。その集団が活動休止し、改名したのがBLUEGOATSらしい。もっともラップ越しキスをやっていた当時のメンバーさんは一人も残っていないようだ。今のBLUEGOATSは前身集団の炎上商法は引き継がず、真っ当な路線で売れるのを目標にしている。掲げているのが結成から3年以内の横浜アリーナ公演。その期限が今年いっぱい。(より正確に言うと、2021年8月7日にTHE BANANA MONKEYSが活動休止、2021年11月7日にBLUEGOATSのデビュー公演が行われた。デビュー公演を始点にすると3年後は2024年11月7日になる。)年内に横浜アリーナに立つだの、横浜アリーナを満員にするだのと、折に触れてメンバーさんたちは決意を口にする。私がこの集団を知って一ヶ月しか経っていないし、現場に来たのは今日が初めてだ。彼女たちのことを十分に知っている訳ではない。しかしそれを踏まえた上でも、現在地と横浜アリーナ満員との間には大きな隔たりがあるのは明らかだ。細かいスキルがどうのの前に、この新宿Marbleに集まった百人程度?の客の乗り方、乗せ方も定まっていないように思えた。先述の春とヒコーキさんとのコラボ動画でBLUEGOATSのコンサートではコールやミックスは出来ないと聞いていたが、かといってその代わりとなるノリが明確にあるわけではない。地下アイドル界では定番のオタクによるキモい絶叫がない。オタクからの発声自体がほとんどない。アンコールですら手拍子のみ。初心者でも取っつきやすい反面、熱狂もない。じゃあおとなしく聞き入っていればいいのかというと必ずしもそうではなさそうで、メンバーさんはどうやら盛り上げたがっている。一曲目でチャンチーさんが踊れー!と叫んでいた。それがフロアの雰囲気と何となく噛み合っていない。ウチらはカッコいいグループだから地下アイドル現場のギャーギャー騒ぐノリはノーセンキュー(苦笑)的なスタンスなのかと思ったが、そこに振り切れていない感がある。演者側も、ヘッズ側も、どうしたいのか、どうしたらいいのか、やや迷いがあるように思えた。

一般的な地上アイドルでも地下アイドル(ライヴ・アイドル)でもない何か。BLUEGOATSさんという集団を何の箱に入れればいいのかが私には分からない。アイドルを称してはいるが、私の知っているアイドルとはちょっと違う。掴みどころのなさ。誰か一人を決めて“推す”ような集団なのか? BLUEGOATSさんが参加しているのはその競技でいいのか? 違うような気もする。彼女たち、運営、ファンのそれぞれが何を求めているのか、現時点の私ではピンと来ていない。だが、それが悪いと言いたい訳ではない。それこそがこの集団の面白さ、魅力なのかもしれない。曲は真っ当で興味深い。メンバーさんたちが書いたリリックをミックスやコールでかき消すのはたしかにもったいない。昨日の青山公演を配信で観たときにも思ったが、歌唱面ではダイナマイト・マリンさんとほんま・かいなさんが引っ張っている。他の二人とは差がある。特にソン・ソナさんは音程が取れていなくて音がフラットに近いときがある。ダンスはチャンチーさんが目をひく。身体のしなやかさ、笑顔。チャンチーさんは目で追ってしまう。全員から、ステージで自己を表現することに対する情熱を感じた。その姿は清々しかった。体力的には向上の余地があるように感じた。30数分間のコンサートでだいぶ出し尽くした感、走り切った感が出ていた。コンサートは楽しかったし、また観たいと思った(実際に3月10日に行くことが決まっている)。でも、今年中に横浜アリーナ? 満員? そのヴィジョンには首を傾げてしまう。動員能力的にも、スキル的にも、距離が遠すぎる。単純に楽曲も足りない。Spotifyにある曲をすべて足しても約61分しかない(他にも曲はあるっぽいが)。(ただでさえ曲が少ないのに、昨日と今日で投げ銭がJPY300,000を超えなければ新曲をお蔵入りするという罰を設定していた。誰も得をしない。意味不明だった。結果として目標金額は達成したのでよかった。)実務的な話をすると、今年中に横浜アリーナで公演をする場合、現時点で日程の目星くらいはつけておかないと間に合わないのではないだろうか。それは実際にやっているのだろうか? 夢ではなく、具体的な計画として進めないと間に合わない段階に来ているはず。困惑を隠せない私。もちろんメンバーさんも運営もファンも分かっているはず。その認知的不協和を皆さんはどう解消しているのだろうか? 私の中でずっとそのモヤモヤが残っている。期間を区切って解散させるための口実だとしか思えない。期限を決め、儚い夢を見る。達成できなかったら散る。それはそれで美しいが。終演後、係員の若い女性たちが箱を持ってステージに立つ。来場者は各自が金額を判断し、思い思いの金額を箱に入れる。私はJPY2,000を入れ、会場を後にした。私は知らなかったのだが、どうやらこの後に特典会をやっていたらしい。