2017年6月3日土曜日

NEXT ONE SPECIAL (2017-05-27)

胸焼け、腹痛、不十分な睡眠。乳酸菌とサイリウム・ハスクのカプセルを毎日服用するようになってから胃腸が不調をきたすことはだいぶ減った。今日は久しぶりに本格的にお腹に来た。理由は分からない。寝る前に焼酎を注いだ炭酸水を飲んだのがまずかったのか? でも炭酸水は普段からよく飲むしな。まあいいや。気にせず朝食は摂った。茶碗にご飯をよそってですね、真ん中にくぼみを作ります。そこに生卵を落として、丸尾醸造所の「マルオ うま味しょうゆ 濃口」というのをね、適量かけましてね、かき混ぜて、いただくんですよ。要は卵かけご飯なんですけどね。これがうまい。この「マルオ うま味しょうゆ 濃口」というのがね、合うんですよ。皆さんもお試しください。昼になってもお腹は本調子じゃなかったけど、負けずにメシ屋に入った。池袋のピッツェリアでね、ランチを800円くらいで食えるところがあって。日替わりのピッツァを頼んだんだ。たしかマリナーラだったかな。自分、生のチーズは嫌いだけどピッツァは大好物なもんで、楽しみに待っていたわけ。そしたらね、運ばれてきたブツを見て、言葉を失った。まあ一人なんで、ブツブツ言う方が異常なんだけど。何とチーズが乗ってなかったんだ。平静を装ったが、内心ではやってしまったと思った。人生で最も失敗したと感じる瞬間の一つ、それは頼んだピッツァがチーズのないタイプだと実物を見て気が付いたとき。でもそれを写真付きでTwitterに投稿したらパソ・コンさんがリツイートしてくだすったので、報われた。最終的には16RT、68favまでいった。

江戸川総合文化センターに来るのは二度目。前回が2015年10月10日。Juice=Juiceの日。あのときはマチネだけだった。ソワレは落選した。今日はマチネもソワレも当選した。今日はNEXT ONE SPECIALと題したツアーの追加公演。最終日。だから今日のソワレが最終公演。え、知らないの? マチネが昼公演、ソワレが夜公演の意味だ。私はこの間の『minako-太陽になった歌姫-』で買ったボッタクリ写真(500円)にこれらの言葉が書いてあって、検索して意味を知った。新しく知った言葉は積極的に使っていきたい。今日は家を出る前に“Juice=Juice LIVE MISSION FINAL at 日本武道館[Blu-ray]”を観ていた。それが朝公演みたいなもんで、実質的にJuice=Juiceのコンサートを3回、観ることになる。今日はマチネが13時開場、14時開演。ソワレが16時30分開場、17時30分開演。13時10分にチケットをもぎられて、中のグッズ列に並んだ。5分後には宮崎由加さんと高木紗友希さんの日替わり写真を手にしていた。いつものルーティンだと宮崎由加さんと宮本佳林さんのを購入するんだけど、今日は高木紗友希さんが写真に描いている絵が興味深かった。あと宮本さんの写真の書き込みは代わり映えがしなさすぎてね。他の会場のときのとほとんど変わらへん。このツアーの宮本さんの日替わりは三郷、中野、名古屋のを持ってるから、今日はいいかなと。彼女の書き込みにはもっと変化があればな。

私の席はマチネもソワレも18列で、まったく同じ列という偶然。同じ列でもね、例えば両方とも5列だったらスゴいけど、いちばん後ろが24列なもんで、18列というのは、あんまりヴァイブスが高まる数字ではなかった。でも席に関しては名古屋でいい思いをさせてもらったし、最終日に二回とも入らせてもらえるだけでありがたいという気持ちがあった。とはいえ、もう5回も観させてもらっているこのコンサートをあと二回、観させてもらうにあたって気持ちの持って行き方が難しかったのは認めざるを得ない。まともに眠れていないので夜まで元気が持つんだろうかという不安もあった。実際にチケットに印字された席に来てみると、想像していた18列よりは近かった。双眼鏡を使えば迫力のある映像を目の当たりに出来る、そういう距離だった。それで少し気持ちが上向いた。江戸川総合文化センターは、規模的に三郷市文化会館、日本特殊陶業市民会館ビレッジ・ホールに近かった。前にも書いたけどこれくらいの大きさが私は好きだ。そういやPAっていうの? でかい機械が置いてある区画。そこにたいせい氏がいた。

最終日にして、Juice=Juiceはちょっとした変化を付けてきた。『アレコレしたい!』の途中で彼女たちは客席に降りてくるわけだけど、そのタイミングとルートがこれまでと異なっていた。私は石川と大阪の公演は観ていないけど、三郷、中野、名古屋ではバース2の「自分のお小遣いで…」のところからJuice=Juiceが通路を歩き始めていた。今日はその前のフックからステージの階段を降りて来られた。三郷、中野、名古屋では1階の真ん中を横切る通路で止まって、そこに設置されているお立ち台に乗っていたけど、今日はそうする前に1階の一番うしろまで突っ切っていた。これまでと違うから、どのメンバーがどこを歩いているのか誰も分からない。観客は私を含めてみんなキョロキョロしていた。金澤朋子さんが通路を通ると、私の近くの通路席にいた女性が口元を押さえて感激していた。最後にこういうちょっとした驚きを入れてくるのは粋だ。

その後のトーク・セグメントで、客席を歩いたときに外国人が多かったという話になった。どこから来たのという問いかけに、前方の左にいた紳士がドイツだと答えると、高木さんはダンケシェンと言った。ドイツと聞いて宮崎由加さんが、ぶんぶんぶんハチが飛ぶの歌のドイツ語版を知っていると興奮ぎみに言った。歌ってみてとメンバーが振ると「ズンズンズン…」から始まる歌を早口でまくしたてるように歌った。私には何となくドイツ語っぽく聞こえたが、ドイツ人の紳士は首を大きく横に振った。会場にドッと笑いが起きた。宮崎さん曰く、小学生の頃に教えられてノートに書いて覚えたのだが誰にも伝わらないのだという。植村あかりさんが「全然わからない感じですか?」と聞くとドイツ人の紳士は「え?」だか「はい?」と聞き返して、植村さんは笑った。外国人というだけでコンサート中にメンバーに注目されて会話をしてもらえるのは『羨んじゃう』と思う人が結構いるとは思う。Juice=Juiceの典型的なファン(40代の日本人男性)が何十回と現場に足を運んでもこんなことはあり得ないから。ただ、実際のところどうなんだろう。もしかするとだけど、あのドイツ人の紳士が抱いた感情は単に嬉しさだけではなかったかもしれない。私は何年か前にチケットをいただいてペクポセント(100%)という韓流の男アイドル集団のイベントに行ったことがあるんだけど、観客はほぼ全員が若い女性で、ほぼ私しか男がいなかった。イベント中、男性の方はいますか?という感じで司会が問いかけてきた。私は仕方なく手を挙げたんだけど、おー男性ファンもいますね!という感じになって周りの観客もすげー見てきた。あのとき私は嬉しいというよりは気まずかったし居心地はよくなかった。あのドイツ人の紳士だって、普通に無名の観客の一人として埋もれたかったかもしれない。いや、分からないよ。メンバーから認知されておいしすぎるとほくそ笑んでるかもしれないし。たださ、例えば毎回のようにああやっていじられたらおそらくしんどいよね。それはともかく、こうやって日本人以外の観客と積極的に交流を図ろうとするJuice=Juiceから、彼女たちが海外ツアーという次の目標を見据えているのが強く伝わってきた。

宮本佳林さん曰く、私(宮本)は面白いときに「おなか痛い」というのが口癖。昨日、新潟でイベントがあった。司会の金澤朋子は先に楽屋を出ていた。楽屋で書き物をしながら「おなか痛い」と言ったが誰も突っ込んでくれない。いつもだったらそこで朋子が「痛くないでしょ」と言ってくれる。タイミング遅れて由加ちゃんが「痛くないでしょ」と言ってくれたけど、朋子がいないのが寂しかった。一人いないだけで足りないって思う。五人いてこそJuice=Juiceだという感じで話を結んで、他のメンバーも同調していた。今日は「この五人でJuice=Juice」というのをメンバーたちが何度も言っていた。何かあったのかと勘ぐりたくなるほどに。例えば事務所がグループに新メンバーを加えようとしていて、それを牽制しているとか。後に宮崎由加さんが「Juice=Juiceファミリーの皆さんがいてくれなければJuice=Juiceは成立しない。だから五人でJuice=Juiceというのも違う」というようなことをおっしゃっていた。メンバー同士の絆の確認で終わるのではなく、ファンに目線を向けるのはさすがリーダー。

金澤朋子さんが「今年で22歳になるので『アレコレしたい!』とか言っている場合じゃないのではと思った。この年齢でキャピキャピしていて気持ち悪くないかと不安になることもある。でも客席で40代、50代やもっと上の方々がピョンピョン跳ねているのを見て自分もまだまだ頑張ろうと思った」的なことをおっしゃっていた。つまりオタクは高齢であればあるほどいいのである。それを受けて宮崎由加さんは「たしかに私も(『アレコレしたい!』の)『母が嫁いだ年齢』という歌詞の通りに追い越しちゃうんじゃないかなと思うときがある。でも皆さんとこうやって楽しい時間を過ごしたいという思いもある」としみじみ語っていた。

マチネはどういうわけか、高木紗友希さんがいつもよりも強く私の目を引いた。もちろん彼女の圧倒的な歌唱力にはいつも耳を奪われているんだけど、この公演では彼女の動きが大きいダンスと笑顔が輝いていた。高木さんの魅力を再発見した。このツアーは全部で12公演で、私が観させてもらったのは7公演。多いのか少ないのか、判断がつかない。7回も同じコンサートに入ったというと多いような気がするし、12公演のうちの7公演というと約半分だから少ないような気がする。一つのコンサート・ツアーに何回も入るのは極めて理にかなった、真っ当な行為である。なぜなら同じ演目のコンサートはあっても同じコンサート体験は二度とないからである。自分の体調と精神状態は毎回、異なる。演者たちもいくら人並みはずれているとはいえ人間であることに変わりはないから、そのときによって心身の状態は違う。我々の心身状態は天気、会場、土地、食事、そのほか数え切れない要素によって変わる。観客の視点でいえば、位置(席)によって見え方は変わる。遠征をして馴染みの薄い土地で観ると特別な経験になる。回数を重ねることでそれまで見えなかったところが見えることもある。私が今日のマチネで高木紗友希さんのダンスに引き付けられたように、同じ演目を何度も観ていくうちにそれまであまり目に入っていなかった部分に気が付くことがあるのだ。

体調といえば、マチネではどうしても睡眠不足の影響からは免れなかった。ソワレはツアーの締めくくりなので完全燃焼したい。開演前に会場内のソファに腰掛けて、10分間のマインドフルネス瞑想を行った。それが功を奏した。頭がシャキッとして、ソワレはマチネよりも良好な状態で挑むことが出来た。左隣が空席だった。とはいえその左の人が完全にはみ出てきて、その空席をほぼ占拠していた。彼の左隣の紳士がふくよかでチェック柄のシャツをお召しになっているという、いまどきたくさんは見ないクラシカルなオタクさんだったので、仕方ない。許す。はみ出てきた青年は激しめにフリコピをする宮崎オタクだった。私もスタイルは違えど、彼に負けじと声を出し、身体を動かし、熱くなった。

このツアーから高木紗友希さんはピアスを開けている。宮崎由加さん曰く、穴から向こう側が見えるのがそわそわする。金澤朋子さんと植村あかりさんは最初に会ったときからピアスを開けていたからそういう感覚にならないが、高木紗友希に関しては孫がピアスを開けたような心境。高木さんによると、重いピアスを付けて踊ると耳がちぎれることがあるとダンスの先生が言っていたらしい。

ソワレはアンコールがいつもと違った。いつもの「ジュース! もう一杯!」ではなく、何やらメンバーの名前のチャントだった。Juice=Juiceの現場でこんなアンコールは聞いたことがなかったのではじめは要領がつかめなかったが、何度か聞いたら分かった。メンバーの名前を年齢順に二回ずつ叫んでいるんだ。「ゆかにゃ! ゆかにゃ! ともこ! ともこ! さゆき! さゆき! かりん! かりん! あーりー! あーりー!」だった。私のように最初は分からなかった人が多数派だったと推測するが、短時間のうちに観客が認識し、当たり前のように会場全体がそのチャントで染まった。この適応能力。最後の方には裏方までもが、メンバーの名前に合わせてステージの光を切り替えていくという機転を見せた。

最後のコメントで高木紗友希さんが、握手会で「いま就活中なんです」って子がいて…と言ったあたりから感極まって泣きじゃくっていた。泣きながら何とか言葉を絞り出していたが、声援でかき消されて何を言っているのか私は聞き取れなかった。泣いている高木さんを母のように優しい笑顔で見守る植村さん。肩を揺らして笑う宮崎さん。

宮本佳林さんは、コンサート中に客席を通ることができるのは皆さんが温かいからだ。ニュースを見ると世の中では大変なことが起きている。いや笑い事じゃなくて。と言って我々への感謝を表していた。

宮崎由加さんが、客席でevelynの洋服を着ている女の子を探すのがこのツアーの密かな楽しみだったと明かした。そこにもいる!そこにもいる!と数名を指さしていた。私の何列か前にいた女性二人組もおそらくevelynの服を着ていたのだろう、宮崎さんのその発言のときには嬉し恥ずかしそうに顔を見合わせて笑っていた。ここで発表がありますと宮崎さんが切り出したときには、グループの今後に関する重大な発表があるのではないかと私は思った。マチネから五人じゃないとJuice=Juiceじゃない的なことをメンバーたちが言っていたし、金澤朋子さんは「ハロー!プロジェクトは色々な変化を経て今に至る。Juice=Juiceも何があるか分からないですよ」という思わせぶりなことを言っていた(「いや違います違います。次のホール・ツアーが決まるかもしれませんし、前向きな意味を込めて言いました」と金澤さんは付け加えた)。いつになくJuice=Juiceの皆さんがそわそわしているように見えた(ソワレだけに)。ところが宮崎さんの口から出た発表とは、9月8日かのメキシコ公演を皮切りに海外ツアーが始まりますという内容だった。海外ツアーをやること自体は前から周知の事実だったので拍子抜けはしたが、一方で変な発表がなくてよかったという安堵もあった。

宮崎由加さんの表情図鑑を作ってほしいと私は思った。写真集もいいが、ひたすら彼女の表情に特化して、大量の写真を感情別に分類して解説を加えた本があったら面白くないですか。時期毎の比較をしたりとか。装丁も本当に図鑑のようにしてさ。私は見たい。

最後の公演が終わった。私は観客の一人に過ぎないが四つの会場で7回の公演に参加したので、一杯やってうまいもんでも食って、自分なりに区切りを付けたくなった。店を探して池袋のストリートをさまよった。ガールズ・バー(和製英語)の客引きに遭遇した。誰がJuice=Juiceを見た後にブース=ブースを見たいねん。私が女性のことをブスなぞと書いたり口に出したりすることはまずないのだが、朝から6.5時間(Blu-rayで2.5時間、コンサートで計4時間)もJuice=Juiceをじっくりと鑑賞した後にガールズ・バー(和製英語)の従業員を見せられるとさすがに冗談じゃないよ、目が腐るよという気持ちになる。ブスという言葉を使うのにためらいがなくなる。ごめんなさいね(カントリー・ガールズ風)。しばらく西口近辺をうろつき回った結果、知音食堂に入ることができた。イカゲソの炒め物、四川冷麺、瓶ビール(アサヒ・スーパー・ドライ)。2,410円。四川ン料理は、最高なンだよ。