2020年1月24日金曜日

つばきファクトリー 6thシングル発売記念 ミニライブ&握手会イベント (2020-01-14)

三連休明けだろうが何だろうが、休暇を取るんだよ。12月12日(木)にアルビ兄さんが予告していた通り、シングル発売週につばきファクトリーさんがクラブ・チッタに戻ってきた。リリース・パーティの会場としてこれ以上の箱は望むべくもない。ショッピング・モールのイベント広場よりも音響がよくステージが高いのは言うまでもない。通常のコンサートをやる場所としてもライブハウス(和製英語)としては上位に属する。それにリリース・パーティはコンサートに比べて混雑しないので他の中年男性たちと密着しなくてよい。ストレスが少ない。つまり一公演6,500円くらいするライブハウス(和製英語)・ツアーよりも1,100円で入れる今日のパーティの方が(時間はもちろん短いが)鑑賞環境としては上なのだ。私はつばきファクトリーさんの春ツアーに18公演入るのだが、クラブ・チッタと張り合えるクオリティを備えた会場は新宿ReNYと岐阜のClub-Gくらいしかない。(と書いていて思ったけど何でツアーのコンサートをクラブ・チッタでやってくれないんだ?)

私が大学生の頃に聴いていたAFN(米軍関係者向けのAM放送)で、いつも同じ時間に同じ場所を通るとテロリストに狙われやすいから気を付けろという注意喚起が流れていたのを覚えている。川崎でつばきファクトリーさんのリリース・パーティがある日の私はまさにそれに当てはまる。行動パターンが固定化している。一日のスケジュールがほぼ同じだし、横浜まではいつも同じ電車に乗っている。

そう。まずはハングリー・タイガー。横浜モアーズ店。開店時間の11時1分に整理番号を発券。20番。11時34分、ダブル・ハンバーグ・ステーキ。11時53分、ホット・コーヒー。12時5分、会計。2,270円(平日は土日より数百円安い)。横浜駅から東海道線。プラットフォームで20分くらい待たされた。人身事故があったとかで。川崎駅。私と同じ電車に乗っていたのか、おまいつの中年男性二人組がすぐ前を歩いている。クラブ・チッタ。今日はコンパクト・ディスクを予約する必要がない。発売日の前日。いわゆるフラゲ日。昔から業界の慣習で、実物をゲトれるようになる。12時59分、列に並ぶ。穴の開いた箱に手を入れて、くじ引きのような感じで自分で参加券を取るんだけど、前にいたバーコード頭の紳士の取り方が乱暴で(わざと多く取ってその中からいい番号を選ぼうとしているような感じもした。それは私の憶測だが、いずれにしても動きが不審だった)、箱が壊れるんで…と売り場の青年に露骨にイヤがられていた。13時12分、何やら買い出しのビニール袋を手に下げたアルビ兄さんがクラブ・チッタに入る。ルイ・ヴィトンの財布、NIKEのhoodie(グレー)、NIKEのロング・パンツ(黒)、NIKEのスニーカーといういつもの、オラつき気味な地方の男性を体現したスタイリング。13時17分、私がコンパクト・ディスクを購入完了。ガッカリする番号。一部が272番、二部が483番。顔をしかめる。が、深追いはしない。列には並び直さない。そういえば前に並んでいた50代くらいの紳士が高校のときの担任の先生に似ていた。

13時27分、星乃珈琲店駅前店でウインナー珈琲。Jarett Kobekさんの“The Future Won't Be Long”を読む。面白いが、同じ著者の“I Hate the Internet”の方が私は好きだ。“I Hate the Internet”は小説ではあるが物語はおまけ。補足説明のような形で展開される実在のさまざまな人物、組織、大衆への辛辣な論評がメイン・ディッシュ。書きたいことを好きに書く喜びが伝わってくる。こういう文章を自分も書いてみたい。そう思える稀有な本。Slum Villageさんを聴きながらこの本を読むと、私の文化的な洗練度合いを追体験することが出来る。『くたばれインターネット』という題で日本語訳されている。2,860円とちょっと高いが、私のコアなファンは読んでみてほしい(翻訳の質は未確認)。支払いのときに私が出した10円玉の一つがピカピカだったので気になってめくったら令和元年と刻印されていた。店員さんが取る前に財布の中にある古い10円玉と替えようかという考えが頭をよぎった。製造が何年だろうと10円玉の価値には変わらないんだから…と思ってやめた(行動経済学の本を読んで身につけた合理的な思考)。少し後悔した。

① 16時集合、16時半開始

番号がどうであれ、この会場だと大体いつもこの辺になる。右端付近の6列目。コンパクト・ディスク売り場の列の長さからして前よりもヘッズの数は少ないんじゃないかと私は思っていたが、そうでもなかった。同じくらいかな。NIKEのhoodie(グレー)を脱いだアルビ兄さんが登場。黄色と緑のストライプ長袖Tシャツの上にBILLABONGの半袖Tシャツ(黒)、首には金色のネックレス。客入りの少なさにモチベーションの低下すら感じさせた前回に比べると士気は高め。今日から浅倉樹々が全部出ると言って我々を鼓舞する。ジャンプの禁止を強調。(ジャンプが禁止になってから)リリイベ初なんで、変な意味で注目されてますから、とアップフロントの社内事情を漏らす。残念ではございますが…、禁止禁止言うのは好きじゃないんですが…と現場の苦悩を匂わせた。盛り上がる準備できてますかと我々に発声を求めるいつもの流れ。半分くらいしか声が出てねえんだよなあ…とか、何か声が小さいなあ…的ないつもの煽りはなく、彼はあっさりと捌けた。(パーティ中、左の袖から腕を組んでフロアを睨みつけるアルビ兄さんの眼光があまりに鋭く、私はステージよりもそちらに注意を奪われることが何度もあった。)

ストリート(Twitter)の情報によると数日後のリリース・パーティで、優勝する準備は出来てますか!とアルビ兄さんがヘッズを煽ったらしい。横浜F・マリノスのファンである私はこう思ってしまう:我々は2019年の明治安田生命J1リーグで優勝しました。アルビレックス新潟さんはどうですか?(まだ2020年シーズン開幕前なので王者として調子に乗らせてください。)

薄々は気が付いているのだが、昔に比べて私の聴力は落ちている。いつからなのかは分からない。五年前なのか、十年前なのか。もっと前なのか。私は幼少期から生粋の音楽好きだったし、電車やバスに乗って片道一時間半くらいかけて学校や会社に行く生活を中学生の頃から続けている。通学・通勤ではずっとひとりきりイヤフォンで音楽聴いている。たしかどこかの国際機関がイヤフォンで音楽を聴くのは一日一時間以内にしろというガイドラインを出していた。私の場合、一時間で収まっている日はゼロに近い。その上、耳栓をつけるようになったとはいえ過剰なデシベル数に鼓膜が晒されるコンサートやイベントに年数十回も行っている。耳に負担の大きい生活。数年前に耳年齢を計測できるアプリをiPhoneにインストールはしたものの一度も開くことが出来ていない。結果を知るのが恐いからだ。

他人よりも早く耳が遠くなったとしても、私は仕方がないと思っている。この生活を自分の意思で選択したからだ。仮に大音量の環境にい続けるにいることが聴力に与えるリスクを私が知らなかったとしても、それは知らなかった私が悪い。大人なんだから。もちろん耳が悪くなるのをなるべく防ぐために自分で出来ることはしていきたい。コンサートでは必ず耳栓をつける。イヤフォンの音量を大きくしすぎない。あとは抗酸化サプリメントを摂取する(参考:難聴と栄養 ナカムラクリニック 院長ブログ)。もちろん私だけではない。今日クラブ・チッタにいた人たちがいくら鼓膜にダメージを受けてゆくゆく難聴に悩まされようとも、同情の余地は一切ない。二人を除いて。

最前に設置されたスピーカーのすぐ前。赤ん坊を連れた女性が二組。中年男性たちがヘッズの大半を占める中、赤ちゃんの存在はつばきファクトリーのメンバーさんにとって一服の清涼剤であったに違いない。母親とおぼしき女性二人は、連れてきた子供に耳栓をさせていたのだろうか? 耳栓のあるなしにかかわらずライブハウス(和製英語)のスピーカーの数メートル以内に三半規管が未発達な幼児を滞在させるのは賢明なのだろうか? 余計なお世話かもしれないが、私は心配になった。もし自分がいつか耳が悪くなって、それが幼児期に親の趣味でアイドルさんのリリース・パーティに何度も連れて来られたのが起因していると知ったら、やるせないだろう。自分の意思による行動の結果ならいざ知らず。

肌の露出が少ないドテラとマタニティ・ウェア風の衣装もあってつばきファクトリーさんの6thシングルに私はそれほど気乗りがしていなかったのだが、今日のパーティ一部で『意識高い乙女のジレンマ』が急にピンときた。あ、これいいじゃんって。小野田紗栞さん風に言えば好きってなった♪である。この瞬間に出くわすことは、音楽を聴く喜びの一つだ。(意識高い乙女もいいけど、つばきファクトリーさんには露出高い乙女になってほしいナ…。)『抱きしめられてみたい』はまだ何とも言えない。

トーク・セグメントは意識高い未成年の主張(最初、序盤でこのセグメントを始めかけていたが、もっと後にやることだと岸本ゆめのさんが気付いてメンバーさんに呼びかけ、取りやめていた)。浅倉樹々さんがご担当。皆さんは会社で上司への不満があっても言えないことがあると思うんです。そういったことを溜めこまず、週に一度、話し合う場を設けてはいかがでしょうかという、思いのほか真っ当な提案をなさっていた。自分の思いを真面目に伝えようとする浅倉さんが健気だった。

全員握手

山岸理子さん
小片リサさん
新沼希空さん
谷本安美さん
岸本ゆめのさん
浅倉樹々さん
小野瑞歩さん
小野田紗栞さん
秋山眞緒さん

―ツアーたくさん行きます、私は小野さんに言った。
―小野さんのお返事は、この野郎と聞こえた。

小野さん以外には無言で通したのだが、秋山眞緒さんが今年もよろしくお願いしますをエンドレスでリピートしているのを聞いて、そうか新年だからそれを言えばよかったのかと気が付いた。その発想が浮かばなかったのは、私にはもう新年がめでたいとか、新しい年だから心機一転するとか、抱負を立てるというような感覚がもうないからだ。労働生活という日常と、Hello! Projectや明治安田生命J1リーグといった非日常。その繰り返し。それ以上でも以下でもない。

無言で会釈するだけの気味の悪いオジサン(メンバーさんに言葉をかけたらそれはそれで気味が悪い)に対して、しっかり目を合わせてありがとうございますと言ってくださるつばきファクトリーのメンバーさん。プロフェッショナル。

この野郎と小野さんがおっしゃるわけがない。何だったんだ。クラブ・チッタを出たあたりで分かった。そうか、ことよろだ。

17時33分、観行雲で芝エビと卵の炒め物の定食とホッピー・セット(黒)。

② 18時半集合 19時開始

Hello! Projectの現場におけるジャンプの全面禁止は、会場の後方ならOKにどこかのタイミングで軟化させるべきなのではないだろうか? ライブハウス(和製英語)ならココから後ろはジャンプ可能だと床に線を引く(つばきファクトリーさんのリリース・パーティでアルビ兄さんが一時期やっていたように)。座席つきの会場では、一般席とジャンプ席でチケットを分けて販売し、売れ行き次第で境界線を設定する(たとえばFC先行で申し込みが半々なら後ろから半分をジャンプ可能にする)。私もかつてはジャンプを忌み嫌う側だったが(今でもさすがに最前で跳びまくる輩は頭がおかしいと思っている)、今のHello! Project現場の主流を占めるライブハウス(和製英語)で番号が悪いと跳ばずに楽しむのは難しい。後方の恵まれない位置にいる人々には、前方の人々にはない自由が与えられてもいいと思う。ジャンプ出来る後方席と出来ない前方席という区分けを作れば、従来の最前管理的な異常者たちが後方に流れる等の面白いことが起きるかもしれない。

『可能性のコンチェルト』では少しうずうずした。本来であればココではジャンプをしたいところなんだが…。フロア右端の後方からステージとの間にいるヘッズを眺めていると、2019年なら見えていたであろう光景が頭に映像化された。この曲のこのあたりで彼らは跳んでいたはずだ。

ハイライトは何と言っても最後にキックされた『帰ろう レッツゴー!』。私はこの曲に関しては初めて聴いたときから好きだった。浪漫ツアーで最後に歌われた曲だった。コンサートを締めくくるに相応しい、高揚感、一体感を作り出す曲。つばきファクトリーには欠かせない曲。リリース・パーティにはもったいないくらい。私は一部ではそこまで楽しいという感じではなかったが、二部ではスイッチが入って、『帰ろう レッツゴー!』で頂点に達した。

意識高い未成年の主張は小野瑞歩さんがご担当。(浅倉さんと小野さんの二人だったのは今年二十歳になるからだった。)
―大人の尊敬するところは落ち着いているところ。転ばないところ。つばきの年長組は落ち着いている。でも鬼ごっこをやってくれない。そんなに動きたくないの?(本気で拗ねている感じ。それを見て手を叩いて笑う新沼さん。)
―私もやってみたい。鬼ごっこは若い者たちがやることなので十代のうちにやってみたい、と浅倉さん。
―その言い方が既に若くないと突っ込む岸本ゆめのさん。
―もっとみんなが元気に楽しく過ごせたらいいという社会のヴィジョンを表明する小野さん。たとえばおはようのときにギャグを言ったり…でも私はそういうのが苦手で、苦手な人に強いるのもよくないと思うので、まおぴんとか、きしもんとか、関西人の方にやってもらって…。目標は自立する、皆勤賞(皆勤賞を目指すと小野さんは言ったようだが会計士を目指すと私には聞こえた。コレも加齢性難聴だろうか)、転ばない。(浅倉さんも同じテンプレートに沿って回答をしていたんだけど、詳しく覚えていない。)

全員握手

岸本ゆめのさん
小野瑞歩さん
新沼希空さん
小片リサさん
谷本安美さん
秋山眞緒さん
山岸理子さん
浅倉樹々さん
小野田紗栞さん

―さっきことよろって言ったの? 岸本さんを早めに切り上げて(ごめんなさい)私は小野さんに尋ねた。
―ことよろ、と小野さんは頷いた。
―この野郎って聞こえた、と言って私は次に流れた。
―この野郎じゃないよこの野郎!!! 新沼希空さんに対面しつつある私に向かってパンチのモーションをつけながら小野さんはおっしゃった。いい笑顔をいただいた。(私の後ろにいた紳士には悪いが、こうやって次の人との時間を犠牲にしてまで応対していただけると嬉しくなる。)

2020年1月14日(火)現在でも小野瑞歩さんは私の心を満たす。それを確認した。1月4日(土)にHello! Projectコンサートを3時間半(2公演)観ても得られなかった充足感がある。小野瑞歩さんがアイドルさんという道を進み続けるかぎり、私は最後までついていくつもりだ。

21時4分、帰りの電車。駆け込みで乗ってきた紳士の荒い息遣い。病的な口臭。本当に何かの病気だろう。