2021年10月30日土曜日

CAMELLIA〜日本武道館スッペシャル〜 (2021-10-18)

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目の前の交差点を女性向け高収入求人サイトの広告宣伝車(バニラ・カーと言うらしい)が左折する。やけに耳に残る替え歌。原曲の名前は知らない。フットボール日本代表の応援歌でも採用されたことがある。
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モリシのゴールが見たい ラララーラーラララー
かつてセレッソ大阪で活躍し、今は同クラブの代表を務める森島寛晃さん。彼が現役の頃は、まだ俺たちの日本代表と思えた。今の日本代表は、俺たちではない。彼らだ。この感覚は多くのフットボール・ファンが共有しているようである。海外でプレイする選手が殆どいなかった頃は日本の選手が世界にどれだけ通用するかを計る物差しが代表の試合しかなかった。普段Jリーグで観ている選手が代表の試合で名を売って、海外に移籍する。そういう夢があった。おらが村的な田舎根性に支えられた一体感。今では代表に選出される選手の殆どが海外のクラブでプレイしている。

バニラ・カーの動画を撮り始めたところで後ろから誰かに声をかけられた。振り返ると森川さん(仮名)。名古屋から新幹線で東上された。彼が秋葉原の店舗型リフレにつけているいいねがTwitterのタイムラインに毎日のように流れてくる。今日もコンサート前にお楽しみになるのかと思っていたが、品川経由で池袋に直行してくれた。タカセさんに入店。一度入ってみたかった。喫茶室、グリル、コーヒー・ラウンジ、コーヒー・サロンとそれぞれ店が分かれているらしい。グリルがレストランなのは分かるとしてそれ以外の三つの違いが分からない。2階の喫茶室へ。森川さんはロール・ケーキとレーコー。私は果物とビスケットのケーキとホット・コーヒー。各820円。来年の上半期には新沼希空さんと谷本安美さんは退団するのではないかという予想で見解が一致する。まあそう言いつつ、我々が支持するメンバーさん(森川さん:yumeちゃん、私:みずほちゃん)もいつどうなるか分からない。岸本ゆめのさんが昨晩だったかな、Instagramのストーリーで、今のメンバーで武道館に立つのは最後かもしれないと書いていた。

16時ちょい前にサテンを出る。タカセク? と店名に反応していた森川さんがレシートを記念に持ち帰る。入場前にアルコールを一杯入れておこうということで、九段下駅前のターリー屋さんに入る。ココは決してリアルなインド料理店ではない。アパ社長カレーとのコラボ・メニューを打ち出す見境のなさ。だが、武道館公演の前後にお手頃な価格でサクッと一、二杯やる店として価値がある。この区域はあんまり店がない。森川さんは生ビール350円を二杯。私は私はマンゴー・ビールとカシス・ビール各500円を一杯ずつ。それぞれがターリー屋コンボ。あとフライド・ポテトをシェアした。最近で注目のMCはいますかと聞く森川さんにIDKさん(Twitterに顔を見せなくなった某支配層のような芸名)の“USEE4YOURSELF”を勧めた。ラップではないがCola Boyyさんの“PROSTHETIC BOOMBOX”がとてもよかった。この場では言いそびれたがラップでいうとLittle Simzさんの“Sometimes I Might Be Introvert”も非常によい。もっとも私は今のヒップホップを熱心に追いかけてはいない。評価の高い新譜をつまみ食いする程度。あとは過去のクラシックをたまに聴き直すくらい。

いい感じにアルコールが回る。ターリー屋さんを出る。武道館に向かう。あの坂を上がる。人混み、サイリウム商人。アンオフィシャル・フォトグラフ・ディーラーさんの露店で立ち止まる。8枚1,000円なんですね、と驚いている様子の森川さん。名古屋では最近4枚500円になっているらしい。彼は小片リサさんの写真(B55)を買おうとしたが売り切れていたとのこと。私はみずほちゃんの34番を購入。Sapphire & Rubyのときの。その先を歩くとダフ屋。コロナ騒ぎの前の感覚を思い出してきた。これだよ、これ。ちょっとお酒を入れてさ。人混みの中、アンオフィとかダフ屋を通り抜けて。会場前に多数のオタクさんがたむろしていて。どこかうわついた雰囲気で。こういうのも含めてのコンサートなんだよ。喫煙所があったはずの区域に歩を進める。八木栞さんと豫風瑠乃さんに注目なさっている紳士と合流。もう喫煙所ではなくなったようだが、皆さんその辺で勝手にスモークしている。三人でしばし歓談。森川さんは黄色の岸本Tシャツ、私はエメラルド・グリーン(正確にはミント色)の小野(瑞)Tシャツを羽織る。

ヴァイブスは完全に仕上がった。気分は完全にコロナ・バカ騒ぎ前。これからのコンサートで声が出せないのが信じられない。アルコールを身体に入れたが、さっき放尿したばかりなので、そっちの心配もなし。私の席は北スタンド一階。対面の南スタンド二階にはHello! Projectメンバーさんが集まっている。最前にはこっちから見て左から譜久村聖さん、生田衣梨奈さん、小田さくらさん。研修生ユニットさん、BEYOOOOONDSさんの前座。北スタンドからだと彼女たちの背中を見る時間が長い。つばきファクトリーさんの本番(そっちの意味ではない)でもそうなるのだろう。ポジティヴに考えれば、お尻を見る機会が増えるということだ。(ちなみに機会という意味でチャンスという言葉を使う人が多いが、日本語でチャンスというときのチャンスは殆どの場合chanceではなくopportunityである。)

つばきファクトリーさんが姿を現し数分経ったところで、急激な尿意が私を襲った。入場直前にオシッコしたばかりなのに、なぜなんだ。何であのときに一気に出てくれなかったんだ。時間差で来るな。あのクソみたいな規制で、飲食店が久しくお酒の提供をしていなかった。私はそもそもそんなに飲む方ではないとはいえ、アルコールがほぼ入ってこない状態に身体が慣れていたのだろう。気持ちよくなるくらいのアルコール量が急に来て、うまく対応出来なかったのだろう。あるいは、常態的なアルコール摂取をしていたとしても同じ結果になっていたかもしれない。分からない。ともかく尿意でコンサートどころではなくなった。おそらくいいコンサートだったし、大成功と言えるつばきファクトリーさん初の武道館公演だったのだろう。尿意で判断が出来なかった。

抜け出して化粧室に駆け込むことはもちろん考えた。だが、タイミングを見つけられなかった。トークが始まって、どうせ大したことを言わないだろう、今しかないと思い腰を浮かせかけたが、いきなりみずほちゃんのターンだったので席を立つわけにはいかなかった。しばらく映像でも流れてメンバーさんが着替える時間でもあればその間に放尿出来ただろうが、そういう時間が一切なかった。常にメンバーさんの誰かしらが出ずっぱりだったし、トークもコンパクトで、ほぼずっと曲をパフォームしている感じだった。何とかしてオシッコをしたい、コンサートを見逃したくない、通路に出るには右の二人の前を通らないといけない、といった考えがグルグルとせめぎ合う。結局、尿意に終始支配されたまま、私にとってのつばきファクトリーさん日本武道館公演は幕を閉じた。

二着目の衣装が素晴らしかった。メンバーさん一人一人の体型を最大限に生かすためによく考えてデザインされている感じがした。メンバーさん全員が、この衣装はこのメンバーさんしか似合わないと思える衣装を着ていた。この点において私はコンサートを制作する側のつばきファクトリーさんへの愛を感じた。平時の武道館コンサートに比べて予算が限られているのは明らかだった。リハーサルのように簡素な演出と照明。ステージは剥き出しの台。映像効果は皆無。もちろん炎が出るとかの特殊効果もなし。最大で50%までしか客を入れられないというクソ規制は大きな打撃なのだろう。そんな中、二着目の衣装には制約の中でも何とかしてこの特別な日に花を添えようという意地を感じた。谷本安美さんがピタピタのロング・パンツで見せるお尻が物凄かった。私が双眼鏡から観ていた彼女の後ろ姿はそのままイメビとして通用する。岸本ゆめのさんが、この公演のためにジムに通っていた、この日のために私たちは体型を整えてきた、今日は私たちのスタイルも目で楽しんでくださいという旨のことを言っていた。お言葉に甘えさせてもらった。谷本さんについては数時間前のタカセで近々辞めるだろうと話していたが、あの唯一無二の身体を見せられてからは、あんみぃやめないで……という思いが強くなった。

大会場のコンサートでありがちな、ダンスを放棄してメンバーさんが各所に散らばってオイオイを煽る感じで拳を上下させて走り回る感じが殆どなかった。元のフォーメーションに忠実に曲をパフォームしていた。私はその方が好きだ。しかし北スタンドからでは反対側の客席に向けて行われているコンサートを後ろから観ているという感覚が何割か残り続け、消化不良感が残ったのは否めない。もし私の席が反対側だったらだいぶ違う体験を得ていただろう。早くBlu-rayで観たい。でも私は北スタンドから谷本安美さんのイメビ級絶景を目に焼き付けることが出来た。コレはコレでよし。『恋のUFOキャッチャー』のお尻を振る箇所が正面(南スタンド)向けだったのが歯痒かった。

私は今日のコンサートに臨むにあたり、みずほちゃんがつばきファクトリーさんに加入した当時(5年前)の画像やブログを少し振り返っていた。あどけなさが残る当時の写真。すっかり大人になった今までこうやって活動を続けていてくれている。Hello! Projectの、つばきファクトリーの、アイドルの小野瑞歩さんでいてくれている。感謝の気持ちがわいてきた。私がこの5年間なんとか生きて来られたのも何割かはみずほちゃんのおかげだ。もし彼女が日本武道館公演の前日や当日の夜に彼氏サンとエッチしていたとしても、私は彼女のことを悪く言うことは出来ない。

終演後、奴らは人を密集させないために規制退場をさせておきながら、駅に向かう道では我々をロープで囲って密集を作り出していた。アルバイトだか派遣だかの青年が、ロープをくぐらないでくださいと連呼していた。ロープの先にアンオフィシャル・フォトグラフ露店がある。そこに行きたかった。少し歩いてから私はロープを跨がって(くぐるなって言ってたからちゃんと従ったよ)踵を返した。世の中は本当に馬鹿ばっか。本を読まない、労働の外で何も物事を考えないような人たちが大半。みんながこうしているから自分もそうする。みんながやっているから正しい。誰かがこうしろって言ってきたから正しい。自分で決めて自分で結果を背負う覚悟もない。だからこのコロナ茶番でも国全体があの分科会とかいうキモ集団に牛耳られる。

アンオフィシャル・フォトグラフ露店前。森川さん、八木さんと豫風さんを観に来た紳士に加え、譜久村聖さん支持者(二日前は長崎、その前の週末は名古屋にハロ・コンを観に行って、今日も当たり前のように日本武道館に顔を出すキチガイじゃなかったナイス・ガイ)、初対面のローティーン愛好家と合流。ローティーン愛好家は最近撮ったという宮崎由加さんとのチェキを私に見せながら、ゆかにゃ老けましたよね。もう27歳ですから。27歳はババアですよ。Juice=Juice全員ババアですね、と笑いながら言った。コンビニで飲み物を調達し、コイン・パーキング・エリアで輪になって歓談。九段下サイファー。

譜久村聖さん支持者(以下「譜」):小野瑞歩さんスキルフルですよね
森川さん:熊井友梨奈さんを彷彿とさせる低音域が
私:そうすね。低音がね
譜:俺、シコッてるんで
私:はい?
譜:小野瑞歩さんでシコッてるんで
誇張なしでこの後、二十秒くらいは沈黙が続いた。沈黙が何周もするという感覚を初めて味わった。


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