2021年10月31日日曜日

つばきファクトリーANNEX ~岸本ゆめの×小野瑞歩×秋山眞緒=Smile♪~ (2021-06-21)

四ヶ月以上前のことなので書くのが難しいが、それ以上に思い出したくもない。イベントのことではなく、その時期の生活のことを。書くとどうしても思い出してしまう。クソ上司との関係悪化(元からよくはなかった)、詰め、業務量の増加と担当変更。ストレスで精神を壊した。私はちょっと困ったくらいでは他人に相談をするタイプの人間ではない。このときも自分で本でも読んで解決できるのではないかと思っていた。不安障害や鬱に有効だとされる認知行動療法(cognitive behavioral therapy)の本を買ってあったのを思い出し、読み始めた(David D.Burns, M.D., “Feeling Good”。G.Lukianoff and J.Haidt, “The Coddling of the American Mind”経由で知った)。認知行動療法を学べるというSPARKSというゲームをiPhoneにダウンロードしプレイした。ただ“Feeling Good”は700ページもある。鬱状態で読むのはかなり難しい。SPARKSは鬱でも最後までプレイ出来た。役に立つ部分もあったが、殴られて痛いのは痛いと思う自分がおかしいからだ的な論理は、苦しみもがいている私を救ってはくれなかった。“Feeling Good”内で出来る診断によると私は重めの鬱のようだった。専門家のアドバイスを受けるのは有効だと本かゲーム中に書いてあったのを見て「ストレス クリニック」で検索。上位に来たクリニックで光トポグラフィー検査というのを予約した。そこの医師曰く健常な脳の血流と比べ私のそれは双極性障害に近い。明確に鬱病とまでは言えないが、問診の内容も踏まえるとこのパターンは適応障害と診断することが多い。私はTMS (transcranial magnetic stimulation)治療を受けてみたかった。その医師からも勧められた。ただそのクリニックが相場に比べ異常に高い(安いところは一回四、五千円だがそこは二万円。三十回やるのが標準的)ため、もっと安いところを探してそっちに通った。五月末から八月くらいにかけては地獄のつらさだった。生きるか、死ぬかという状況だった。これを書いている今でもトンネルから完全に抜け出してはいない。波がある。でも光はだいぶ見えてきた。確実によくなってきている。TMS (transcranial magnetic stimulation)とカウンセリング(タッピング)がなければ私は休職していた可能性が高い。最近ではアシュワガンダで精神状態が改善している感じがするし、クリニックで出して貰った五苓散という漢方薬で頭痛が和らいでいるし、プロセス・ワークというカウンセリングも有益だと感じている。『つばきファクトリーANNEX〜岸本ゆめの×小野瑞歩×秋山眞緒=Smile♪〜』を私が観たのは、トンネルの真っ只中、真っ暗で何も見えない、人生でも五本の指に入る苦しい時期。イベントを観たから次の日から労働を頑張れたなんていう甘っちょろいもんではない。殺されかけていたので。ストレスはマジで人を殺す。

謎のイベントだった。開催が発表されたのは4月23日(金)の蒲田。キャメリア ファイッ! vol.12の最後。メンバーさんのチーム分け、あとは題名もスクリーンに出ていたかな? 情報としてその時点で出されたのはそれくらいで、日時も、会場も、詳しい内容も分からなかった。蓋を開けてみると、行ってよかった、行けてよかったと思える楽しいイベントだった。横浜のランドマーク・ホール。1回目が16時45分、2回目が18時50分開演。ファンクラブ・イベントは事前に謎であればあるほど楽しい傾向がある。最悪の精神状態と体調(鬱は気分だけでなく身体に症状として出る。精神と身体は繋がっている。精神=脳と考えると身体そのものだ)ではあったが、このイベントに関してはそれにはさほど邪魔されず楽しむことが出来た。イベントに占める小野瑞歩さんの濃度が高い。つばきファクトリー全体のイベントだと八人の中の一人、今日は三人中の一人。小野さんを観るのが私がイベントに足を運ぶ目的なので、トークにしても歌にしても彼女の出番が多い方が満足度が高い。あとはこの三人だからこそ生まれる空気感が新鮮で、面白かった。組み合わせの妙というかね。自分のことを考えてみても、たとえばとある三人で飲むのと、そこにさらに二人加わって五人で飲むのとでは会話の中身も変わるわけじゃないですか。共通の話題も違ってくるわけで。イベントの内容も結構盛りだくさんで。パントマイム、寸劇、箱から紙を引いてのトーク企画。衣装もよかった。制服衣装。眼福。小野さんはピンク。めっちゃ似合っていた。2回目で彼女が言っていたけど、つばきファクトリーだとピンク担当のメンバーが二人いるので(浅倉樹々さんと小野田紗栞さん)あまり着る機会がない。稀少だった。岸本ゆめのさんが、皆さん嬉しいんじゃないですか? と我々に問いかけていた。その通りである。しかもみーたんだけスカートを真面目に短くしていて、大好きになった。本当に可愛かったなみーたんは。特に2回目の公演は、4列(実質3列目)という、フェイス・ガードの着用が義務づけられていない一番前の列を与えられて。間近で彼女をたっぷり観ることが出来て幸せだった。
セーラー服とかブレザーとかを着てました。やっぱりマニアックなお客さんが多くて、正直気持ち悪かった。制服とかが好きな人は、みんな40代、50代くらいの方です。親と同じくらいの年齢ですね。[…]会ったばかりなのに何々ちゃん大好きだよ、みたいなことを本気で言ってくる人もいました。何を考えているの、おじさんて。父親くらいの年齢の知らないおじさんに、真剣に冗談ではなく、大好きだよとか、そういうのは精神的に来ます(中村惇彦、『女子大生風俗嬢』)
寸劇の台本は鈴木啓太が書いたという。岸本さん、小野さん、秋山さんはしきりに鈴木を賞賛していた。鈴木もまんざらでもなさそうだった。たしかに我々はところどころで笑ったが、それは彼女たちが演じるから可愛くて思わず相好を崩したのであって、鈴木がそれを自分の手柄のように思わないでほしい。アップフロントさんはよくも悪くも既存の人員や取引先を大事にする社風なのかもしれない。最高のものを作るよりも今いる人たちに仕事を回してメシを食わせるのを優先している。tiny tinyの司会者の人選にしても、手持ち無沙汰な社員に仕事を与えている感が強い。アップフロントさんがファンクラブ・イベントの寸劇の台本を鈴木に書かせているのにはイヤな予感がする。司会者としての出番が減ったとしても、自己顕示欲の強い出たがり作家として末永くHello! Projectに関わりつづけるのではないか。

三人でのイベントだけあってミニ・コンサートではそれぞれがソロ曲を拾う。小野さんは『夏ダカラ』。最後に三人で合流してからの『表面張力〜Surface Tension〜』、『元気者で行こう!』の流れが熱かった。最後の「よし!」をみーたんが担当していた。『元気者で行こう!』を改めて聴いて思ったが、この曲を聴いて励まされて元気を出せる人はちょっと悩んでいる程度の健康な人。鬱病患者ではない。大体、リアルな鬱に苦しんでいる人には、この曲で連呼される「がんばれー!」は禁句だとされている。

トーク企画には期待していなかったけど意外に面白かった。iPhoneの断片的な覚書を見ても話の流れが甦ってこない。何せ4ヶ月以上前なので。だからここの記録も断片的にせざるを得ないが、残しておく。1回目。箱からお題のようなものを引くのだが、小野さんが「イッちゃうよ」と言ってから引いていて、私は少しドキッとした。何かこう、引いた紙に書いてある嘘をつき通すみたいな企画だった気がする。私、実は双子なんです、と言い張る小野さん。二卵性……一卵性双生児、と言ったら秋山さんが「ソーセージ!」と大受けしていた。そういう言葉があるんだよと指摘され、本当に恥ずかしそうだった。これあんまり(SNS等で)言わないでくださいねと我々に懇願していた。毎日仕事だと疲れるので、双子が入れ替わっている。二人の瑞歩はみずいー、みずにーと呼び合っている。岸本さんは、世界一の大豪邸に住んでいる。二万平米。秋山さんは、未来から来た4,000年後。こんにちは(という言葉)も変わっている。日本語は変わっている。こんにちはにあたる言葉はアザマラ(アズマラ? マラが入っていたのは間違いない)。4,000年後の言葉で自己紹介(イントネイションがちょっとフランス語っぽかった)。流行っているのは靴飛ばし。でも靴が進化し、二万ヘイバー? 二万平米飛ぶ。2回目。秋山さんはギネス記録を保持している。何の記録かと問われ、タマネギを切るうまさと答える。小野さんは英語が喋れる。アメリカにいた(アメリカ出身?)。どの州? と聞かれ答えられない。一つくらいあるやろと突っ込む岸本さん。ロサンゼルス、ジャージージュー。ジャージージューがツボに入る秋山さん、メモっとくと言って笑う。岸本さんは占いができる。修行をした。どこで? アフ……アフガニスタン。小野さんに対して、あなたはチャプチェが好きですよね。秋山さんに対して、あなたは身内の恋人と親しく出来るタイプ。お兄さんの彼女とか。と、実話ネタをぶっ込んでいく。私たちつばきファクトリーっていうんですけど……と集団の将来を占って貰おうとする小野さんと秋山さん。売れるね、と即答する岸本さん。私はみなとみらいの母と呼ばれている、と会場の地域名を入れてくる岸本さんは流石。

私たちは今日のために準備してきた。皆さんも今日のために仕事や学校を頑張ってきてくれていたら嬉しい。そうやってお互いが今日のために頑張ってきて、この空間を作っている。皆さんと会ったり皆さんの前で歌ったりする機会は(コロナ禍で)限定されているが、私たちは皆さんの前で歌って踊るのが一番好き、的なことを最後のコメントで岸本さんがおっしゃっていた。小野さんと秋山さんのコメントは覚書を残していないので記すことは出来ないが、岸本さんと同じように真摯な思いが伝わってきたのは覚えている。