2022年10月10日月曜日

つばきファクトリー 小野瑞歩バースデーイベント2022 (2022-09-29)

制度上は私にも夏季休暇が取れる。権利を行使するよう上司も推奨してはくれる。しかし権利として休暇の枠があるのと、それを安心して使える精神的な余裕があるのとは別の話だ。私が転職して三ヶ月が経過しようとしている。新しい環境、新しい業務に慣れつつある面もあれば、まだまだ大変な面もある。基本的に常に気を張っている。休みの日でも、やり残したこと、休み明けに待ち受けている業務が頭から完全に離れることはない。休みの日を設けないで働き続けた方が楽なのではないかと思うこともある。私はつばきファクトリーが8月25日(木)に山梨県で開催した重要なコンサートの観覧を断念した。仕事を選んだ。そうせざるを得なかった。現実的な人生の選択として。転職したばかりの会社を休んでアイドルのコンサートを観るために山梨県に行っている場合ではなかった。しかしこの日だけは易々と諦めるわけにはいかない。夏季休暇を取得。

長袖Tシャツでちょうどよい天候。何を血迷ったのか横浜FCのスポンサーになるという一大失策を犯したハングリー・タイガーでダブル・ハンバーグのレギュラー・セット。プロント・イル・バールでレーコー。豊島ミホ、『ぽろぽろドール』を読む(田村芽実さんの推薦図書)。カプセルプラス横浜。湯→水→サウナ→水→サウナ→水→サウナ→水→湯→水→湯。平日で利用者が少ないため水風呂がキリッと16度に保たれている。休日だと保冷が追いつかず18度まで上がっている。ちんちんを洗う(身を清める)儀式を済ませ、万全の体制でみずほちゃんに会いに行く。ランドマーク・ホール。

1部。16時45分開演。アップフロントが私に割り振った席は2列。1列はなかったので最前だった。2017年、2018年、2019年、2020年、2021年、と9月29日(2018年だけは9月30日だったね)に彼女のバースデー・イベントを観覧して来て、6年目の2022年に初めて座る最前。長い時間をかけてようやくたどり着いたという、ちょっとした感慨があった。まあたどり着いたっていうか、単なる運だけど。Hello! ProjectのFCイベントは前日に公開されるグッズのページで衣装が分かるのだが、昨日公開されたみずほちゃんのそれは肌面積が広め。何かにつけて"大人っぽい"衣装を所望する最近の彼女の心意気を感じた。近距離で観られるのが楽しみだった。曲から始まるというこれまでに彼女がバースデー・イベントでやってこなかった登場の仕方。この曲は、ああJuice=Juiceの。えっと、『ペロリと』みたいな。違うな。何だっけ……。いいな、この衣装。みずほちゃんの身体の形が強調されて。今のみずほちゃんはちょっとムチッとしていていい具合だな〜。これくらいの感じで写真集を撮ってほしいな。小さくて生地の薄いビキニで。ああ、思い出した。『ポツリと』だ。なぞと思いながら呑気に聴いていたが、そういったしょうもない思考は見る見るかき消され、みずほちゃんの歌に引き込まれていった。最前なのもあって最初はとにかく肌面積の広い衣装を目に焼き付けるつもりだったが、思わず歌に聴き入ってしまった。

挑戦的なセットリスト。みずほちゃん曰く、1部と2部でガラッと変えている。1部はつばきファクトリーの歌詞に出てくる女性像をイメージして組んだ。つばきファクトリーの曲をひとつも入れずにそれを表現しようという試みが面白い。歌うときの感情の込め方には鬼気迫るものがあった。切なく重い曲が多く、好き、片思い、キス、といった言葉が続く。自身の去就に関するなんらかのメッセージが込められているのではないかという不安が私の頭をよぎった。田村芽実さんはHello! Project在籍時、2015年のバースデー・イベントで最後の曲に“Never Forget”を選んだ。1部では中盤にテレサ・テンの『別れの予感』を歌った。それが12月3日で、12月20日に彼女がHello! Projectから退団することが発表された。バースデー・イベントの選曲はファンに向けての事前予告だったのだ。私はいっさい気付かなかったが。今日のみずほちゃんの曲選びも、これまでファンの皆さんのことが好きでした、でももうさようなら、とかそういうことなのか? 胸騒ぎがしてきた。でもみずほちゃんはセットリストを解説する中で、私はアイドルなので、心配した人もいるかもしれませんが、そういうことではなく……と打ち消していた(ここでいうそういうこととは、恋愛に夢中になっているという意味だと思うが)。でも色々と勘ぐってしまうくらい、聞き手に訴えかける、力のある歌だった。曲そのものの強さも相まって(『抱いてHOLD ON ME』なんてまさにそう)。

1.『ポツリと』
2.『氷点下』
3.『ずっと好きでいいですか』
4.『抱いてHOLD ON ME』
5.『好きすぎてバカみたい』
6.『好きって言ってよ』
7.『Missラブ探偵』(feat. 秋山さん)
8.『アンラッキーの事情』
9.『今すぐ飛び込む勇気』
(出典:みずほちゃんのブログ)

同僚の秋山眞緒さんがトーク相手+一曲の共演者として部分的に出演。私、司会の方を呼ぶのは初めてなんです。これまでずっと一人でやってきて……と言ってから思い出したように、上々さんとかはいましたけど、と付け足すみずほちゃん。秋山さんはデニムの短パンから脚の大部分を見せてくれた。左に比べ右の生地が若干短く、こちらに背中を向けた際にはお尻の始まりくらいまで見せてくれた。生脚の質感。たまらなかった。私はみずほちゃんの歌に聴き入り、まおぴんの脚を性的に観るというゲーム・モデルを確立した。みずほちゃんと共演した『Missラブ探偵』だけでなく、あと何曲か彼女がステージで歌って踊るのを観たかった。実は最近の私は秋山さんのことをかなりいいなと思っていて、8月には個別お絵描き会に参加した。そのときに描いてもらったのが現在(2022年10月10日)のTwitterアイコンである。一対一で対面して接してみて、いい子だなと思った。トークではみずほちゃんとの仲の良さが存分に伝わってきて、楽しくない時間が一秒もなかった。これまでいかに鈴木啓太に無駄な時間を過ごさせられてきたかを痛感した。みずほちゃんの4年越しの願いだったという占いのセグメント。いかにも低予算で探してきた感の強い、泡沫感の漂う占い師。その人は登場すらせず、秋山さんが占い結果を読み上げる。曰く、コンサートやイベントの前に発声と滑舌の練習をするといい。(それは占いなのか?)みずほちゃんはバースデー・イベントでやりたいことに占いと催眠術を毎年書き続けてきたらしい。催眠術と聞いて私の頭にはあの伝説的なTVショウ『A女E女』が浮かんだ。スカ・パーでやっている『行く!つば』の番外編『イク!つば』として『A女E女』のオマージュをしてほしい。もちろん18歳以上のメンバーさんだけでいいから。あとはパワー・ストーンを部屋に置くといい。○○とか、ローズクォーツとか……という助言を聞いてみずほちゃんは「私はローズクォーツ」の例の踊りをやっていた。みずほちゃん曰く、占いで言われたことはそのまま信じない。頑固なので。いいことだけを受け入れる。1部だったか2部だったか忘れたが(2部だったかな)、もっと直した方がいいところを秋山さんが読み上げようとするのを、イヤだ! やめて! いいことしか聞きたくない! バースデー・ガールなんだよ!? と打ち切ろうとする姿に、みずほちゃんの占いに対するスタンスが表れていていた。

2部。19時開演。右端。7列(実6)。目の前がステージだった1部とは違い、他の観客が目に入る。背面にひらがなでみずほと印字した、エメラルド・グリーンとはかけ離れた濃い緑のTシャツを着用する紳士。なぜその緑にしたんだ。厄介だったのは、姿勢が無駄にいい上に、髪の毛がそういうスタイルなのか寝癖のようにふわっと持ち上がっている老紳士。遮られるステージ中央への視野。2部ではこの紳士に私は最後まで泣かされることになる。

1.『イマココカラ』
2.『The Vision』
3.『傘をさす先輩』
4.『100回のKiss』
5.『哀愁ロマンティック』(feat. 秋山さん)
6.『幸せビーム!好き好きビーム!』
7.『愛〜スイートルーム〜』
8.『世界はサマーパーティー!』
9.『お願い魅惑のターゲット』
(出典:みずほちゃんのブログ)

1部でのみずほちゃんの話しぶりからもしかして……と思っていたが、本当にセットリストを総入れ替えしてきた。1部、2部あわせると18曲。分量的にもうフルのソロ・コンサート。2部のハイライトは何と言っても『哀愁ロマンティック』。もう、何と言っていいのか……。激アツだった。曲が始まった瞬間に声が出た。この曲といえば、道重さゆみさんで、私は彼女がパフォームするのをリアル・タイムで観てきた。私の頭には道重さゆみさんの映像が流れてきた。みずほちゃんを双眼鏡で観ていると、自分が何を観ているのか分からなくなってきた。みずほちゃんとさゆちゃんが私の頭の中で重なった。2部では髪型をツイン・テールにしていたからなおさら、みずほちゃんがさゆちゃんに見えてきた。小野瑞歩さんと、過去に私が支持していた昔の道重さゆみさんとが、時間を超えて共演しているような、二人がひとつになっているような。夢の中にいるような。これまでに味わったことのない感覚。みずほちゃんもまおぴんも、衣装も含め見せ方がコケティッシュで、この曲にバッチリはまっていた! 素晴らしかった! しかしながら、私は秋山さんがデニム短パンで突き出すお尻を双眼鏡で捕らえることが出来なかった。何度もチャンスはあった。その度に、無駄に姿勢がよくて髪の毛の立ち上がった例の老紳士に阻まれた。それはこのバースデー・イベント1部と2部を通しての、唯一にして最大の心残りである。『哀愁ロマンティック』が終わって、感想を述べる秋山さん。この曲はあまり聴いたことがなかったけど、みずほに言われてやってみたら楽しかったので好きになった的なことを言っていた。一方のみずほちゃんは、Hello! Projectに入る前の14歳くらいのときに家で踊っていたという。左に捌けていく秋山さんの腿裏を双眼鏡で追いながら、行かないで……もっと見せて……と私は泣きたくなった。

2部は1部とは違って盛り上がれる曲が多かった。座って聴かないといけないという制限下においても私は楽しくなった。最後の『お願い魅惑のターゲット』ではだいぶ高揚して、もう身体が勝手に動いていた。みずほちゃんも、『お願い魅惑のターゲット』では動きすぎて息が上がってしまったことが悔しい。バースデー・イベントで失敗してもこれまでは仕方ない、切り替えようという感じだったけど、初めてバースデー・イベントで悔しいと思った的なことを言っていた。もちろんそんなことは些末なこと。1部、2部とセットリストを総入れ替えし、多彩な曲を表現し尽くし、最後には本人も息が上がるほど全力を出し切った。それが本当に素晴らしい。自分のイベントでもないのに回替わりの2曲を覚えてしっかりパフォームした秋山さんも見事。

公にしていい情報なのか少し迷いながら、メンバー・カラーが変わるかもしれないときがあったと言うみずほちゃん。新メンバーが入るタイミングで。そのときにみずほちゃんは、水色と青とエメ・グリと回答したという。2部にもあった占いのくだり。みずほちゃんのラッキー・カラーが青という占い結果を受けての話だったので、このエピソードを間接的に引き出した占い師の手柄と言えるかもしれない。

バースデー・イベントってこんなもんでしょとか、最低限これをこなしておけばいいとか、これまでと同じようにやればいいとか、そういう惰性がない。これまでに自分が出来なかったことを達成して新しい自分になりたいという意欲が強く感じられた。こういう姿を見せられた上で、これからも私を応援してくださいと言われると、ついて行かざるを得ない。