2024年7月13日土曜日

BOYS WITH RUN (2024-06-23)

ダメ元でD氏をお誘いしてみたら公演に入っていただけることに。後から気付いたが、水戸ホーリーホックの試合と時間が重なっている。愛するクラブの大切な明治安田J2リーグ残留争いをリアル・タイムで追うことよりも私のお誘いを優先してくださることに感謝、恐縮。下北沢でメシをご一緒することは既定路線だった。私が夜にBLUEGOATSを観に行くんで公演前にお会いしようということで。それで今日の公演は新規客が観覧無料、なおかつ新規客を招待した人はチェキ券を1枚もらえるというのがちょっと前に発表されて。タダならD氏も軽い気持ちで入ってくれるチャンスはあるかなと思って。D氏はカルト宗教としてのHello! Projectにどっぷりはまっているお方なので、んなもんタダでも観たくねえよ(笑)という反応が来たとしても不思議ではなかった。あの団体の支持者たちはそれくらい排他的なので。すみませんちょっと言い過ぎました。半分冗談ですよ。いずれにしてもD氏は私の申し出を快く受けてくださった。

横浜F・マリノスがアンデルソン・ロペスさんのペナルティ・キックによる1点で明治安田J1リーグ最下位の北海道コンサドーレ札幌相手に薄氷の勝利を収める試合をDAZNで観、家を出る。実のところ我々も水戸ホーリーホックのことを笑っていられない。今シーズンは明治安田J1リーグの残留争いに参加することが濃厚となっている。17時前に下北沢駅に到着。ゆったりとしたサイジングの厚手白teeを颯爽と着こなすD氏と合流。今日は18時半開場、19時開演。だから約一時間半ある。メシ食って、サテンの流れ。行ってみたかったザ・ピザ。前に下北沢でお会いしたときに通りがかって気になっていた。そういえば前回(行ってみたいって)言ってましたもんね。あの翌日に店に行き召し上がっていたというD氏。この店はピザをピース単位で販売している。1ピースがデカそう。店に向かう道すがら、聞いてみる。

私:二つだと多いですか?
D氏:いや、行けますよ。男なら
私:じゃあ男を証明しますね

結果:私2ピース、D氏1ピース。店にいた若いカップルの女2ピース。私はペパロニ、アンチョビ&ブラック・オリーヴ。ジン・トニック。D氏はミックス・ピザ、コロナ・ビール。ピース単位で頼んでから焼いてくれるので熱々。おいしい。食べ応えもある。満足度高い。私にとって数年ぶりのピザだった。量に関しては、私はもう中年なのでダイエット的な意味で自制心を働かせたけどお腹が空いていたら3枚はイケそう。また来たい。サテンに移動。前回利用した店はドアの外に入店待ちの列が出来ていた。プランBの店は運良く2席だけ空きがあった。アイリッシュ・コーヒーJPY900。18:25くらいに店を出る。今日の会場は下北沢近道。入場列を一瞥するD氏。

D氏:ハロプロよりは楽曲派っぽい人が多いですね
私:そうっすか?
D氏:New Jeansおじさんみたいな人が多いんですか?

ドリンク代JPY600。メニュウを見ていると自家製クラフト・コーラがあるようだ。ノン・アルがいいとおっしゃるD氏にそれを教える。メキシコークというのがそれっぽい。私もD氏もそれを注文。階段を降りてフロアで飲む。これってお酒ですか? とD氏。いや、コーラですと答える私。こういう味のコーラなのかと納得するD氏。今だから言うけどあれは完全にお酒だったね。いいじゃん別に。お酒で。そういえばメキシコークという名前で思い出したけど、この間YouTubeで面白い動画を観た。「世界で最もコカコーラ中毒で人が亡くなる街の闇の実体が恐ろしすぎた」。メキシコ。住民が平均して一人一日2リットルのコーラを飲む。水分補給が水ではなくコーラ。病人だらけ。それでも現地民はコーラは悪くないと思っている。コーラが宗教にも入り込んでいる。このBappaさんのチャンネルは本当に面白い。

D氏:BLUEGOATSでもシコッてるんですか?(でもって何? 前提として何でシコッてるんだ?)

最前はガチ勢が陣取っていたが、2列目、3列目くらいは割と直前まで入り込む余地があった。BLUEGOATSのヘッズは我先にと血眼で前に行きたがる感じではなく、あえてちょっと後ろの方で観たい人がそれなりにいる。開演前だが入場するとステージには既にチャンチーさんとソン・ソナさんがいる。いま、ほんま・かいなさんとダイナマイト・マリンさんが二人三脚でハーフ・マラソンを走っている。出発地点は横浜アリーナ。下北沢近道までの距離がちょうどハーフ・マラソンの距離らしい。その様子がYouTubeで配信されている。ステージのお二人がそれを観ながらトークしている。チャンチーさんの眩しいナマ脚。

D氏:(ソン・ソナさんを見て)小野田紗栞さんを思い起こさせる、リス系の顔立ちですね

私が着ているThe Karate Kidのtee(古着屋JAM公式オンライン・ショップで購入)がいたくお気に入りのD氏。ピザ屋、サテン、コンサート会場(BLUEGOATSは公演中でも静止画撮影可)と3-4回に渡り私を撮影する。

近づく開演時間。三川さん(事務所社長)の呼びかけで全体が左側に圧縮(右側が入口)。私はほぼ左端の何となく二列目にいたが三列目に後退。ほんま・かいなさんとダイナマイト・マリンさんの到着は予定されていた開演時間に間に合わず。ステージで待つチャンチーさんとソン・ソナさん。フロアで待つ我々。走っていた二人は19時半くらいにステージに合流。抱き合うメンバーさんたち。大団円。そこから始まる公演。特にほんま・かいなさんがスペシャルだった。やり切ったばかりの二人三脚ハーフ・マラソンがドーピングのように効いているのが明白。達成感。疲労。そしておそらくは空腹。彼女をちんちんにたとえるなら疲れマラのような状態だったのだろう。のっけから感情マックス。ステージとフロアを飲み込むほんま・かいなさん。今日は彼女の独壇場だったと言っても過言ではない。とにかくカッコよかった。だってさ。ステージに合流して開口一番、予定時間よりも遅くなったことを謝りつつ、ヒーローは遅れてやってくるんでって。これ以上のコメントがあるか? この人が抜けたらこの集団がこの集団たり得ないという存在。BLUEGOATSそしてBLUEGOATSの音楽にとってそれがほんま・かいなさんなのだろう。

魂を感じるコンサートだった。いつものように30-40分で終わるのかと思いきや、終演直後に時間を観たら21時を過ぎていた。アンコール後だけで3曲もやってくれた。そうだよ、私が観たかったのはコレなんだよ。BLUEGOATSを観るのはコレで4回目だけど、初めて心からいいと思った。これまでは正直、まあ言うてもこの程度かというのが頭のどこかにあった。その大きな要因の一つは単純な時間の短さだった。今日は掛け値なしに楽しかったし心を動かされた。公演中、メンバーさんが一人毎にトークをする時間が割り当てられていた。YouTubeとは違って終始シリアス。チャンチーさんが次にやる曲について、かいなチャンが私のために(歌詞を)書いてくれたかのような…と言うと背中を向けていたほんま・かいなさんが振り返り、あんたのために書いたよと言った場面。泣いてしまうチャンチーさん。ほんまさんがトーク中にステージに座り込み、そこから『東京タワー』のアカペラを始め、それをイントロとして同曲が始まる流れはドープだった。

フロアのノリは、私が観るようになったこの数ヶ月で急激に変わりつつある。最初に無銭コンサートを観に来たときはみんなおとなしく見ている感じだったけど、前回くらいからフロアのヘッズ同士で肩を組んだり飛んだり歌ったりと、徐々に我々サイドの能動的な参加の仕方が形になってきている。アイドル現場のノリとは差別化が出来ている。いい感じなんじゃないだろうか。まだ私にとって一緒に歌うのは難易度が高いが。

終演後、いやあめっちゃよかったっすね! と興奮醒めやらぬ私が話しかけるとD氏はやや引き気味で、温度差があった。あれ? 仕方ない。毎日アオヤギ・チャンネル(BLUEGOATSのYouTubeチャンネル)の動画を繰り返し観た結果、第11世代Fire HD 10の一ヶ月のデータ使用量が100GBを超えた私と、特に思い入れもない状態でふらっとコンサートを観てくださったD氏とで熱量が同じワケがない。

チェキ券には二種類あって、青(JPY2,500)が撮影後、それにサインやコメントを入れてもらいながら1分間お話をさせてもらえる。赤(JPY1,000)が撮ったらそれを受け取って終わり。D氏を招待したことでもらえた無料チェキは赤の方だった。D氏に進呈しようとするも頑なに受け取ってくれない。私は青を1枚買ってチャンチーさんと面会。今日スゴく楽しかった、BLUEGOATSを観るのは4回目だけど一番楽しかったとお伝えした。もらった赤でほんま・かいなさんと面会。今日めっちゃカッコ良かったっすとお伝えした。

チャンチーさんはツーケーがいいっすね、との所感を述べるD氏の導きで、かつてNasも訪れた(実際トイレにサイン入りのポスターが飾ってあった)というリトル・ソウル・カフェ。ランバリオン15年XOスパイス・ラム(イングランド)をロックで。店主氏曰くレアとのこと。D氏お気に入りのブロンコ20(横浜)を一口もらったらとてもおいしい。私も二杯目に選択。お酒を出してから店主がボトルを見せてくれる。いい音楽。いいお酒。ボッていない価格。気取りすぎない雰囲気。非常にイケている空間。45trio, “A Little Spice”。Monty Alexander, “Out of Many, One”。Quincy Jones, “Tell Me a Bedtime Story”。DJ Cam Quartet, “Saint Germain”。D氏からフットボールのルール上、ゴール・キックはオフサイドにならないという知識を得る。23時半頃、解散。

2024年6月30日日曜日

「C'mon Everybody !」 新沼希空卒業スッペシャル ~ Ready Go!Now! ~ (2024-06-10)

きそーら最高! パ・パン・パ・パン・パン!
きそーら最高! パ・パン・パ・パン・パン!
きそーら最高! パ・パン・パ・パン・パン!
きそーら最高! パ・パン・パ・パン・パン!

終演直後、沸き起こるチャント。果たしてそうだろうか? コンサート最終盤に噴射され床に落ちた銀テープをかき集める見苦しい中年男性を横目に、首を傾げて向かう出口。私にとっては、最高ではなく、最低でもなく、ほとんど心を動かされることのないコンサートだった。ある時期から私はHello! Projectの現場にいてもこれといった感情が沸いてこない。無の時間。この団体のコンサートを最後に観たのが2023年4月2日(日)。浅倉樹々さんのつばきファクトリー最終出勤。それ以降は、池袋のサンシャイン噴水広場で行われているリリース・パーティを無銭でちょこっと冷やかす程度のことを除けば、Hello! Projectのコンサートやイベントには一度も参加していない。参加したいとも思わない。心残りもない。今の私には別の楽しみがたくさんある。もはやHello! Projectを必要としていない。

1年と2ヶ月ぶりにつばきファクトリーのコンサートを観たら、自分はどう感じるのだろう。それには興味があった。インディー(KissBeeやBLUEGOATS)を観るようになった自分に、久し振りに観るつばきファクトリーはどう映るのか。やっぱりHello! Projectはモノが違う、こっちの方が楽しい、となる可能性もあるんじゃないか。Hello! Projectの世界に出戻りたくなるんじゃないか。もうインディーには戻れなくなるんじゃないか。それが少し恐くもあり、楽しみでもあった。『スカウト目線の現代サッカー事情』で田丸雄己さんが書いていたのだが、あらゆるカテゴリ(1部リーグ、2部リーグ、育成世代等々)の試合を観ることでその国のサッカーを深く理解できる。実際、私もたまに明治安田J2リーグの試合を観ると、横浜F・マリノスに出来ていてJ2のチームに出来ていないことが浮き彫りになって見えてくることがある。J2を観ることでJ1のJ1たる所以が分かる。同様のことはHello! Projectとインディー・アイドルの比較においても言える。メンバーさんの容姿や歌唱力の水準の高さ、長年積み上げてきた楽曲資産など、Hello! Projectが優れている点はたくさんある。イスラム教徒がハラル認証の飲食店を選ぶように、アイドルならHello! Projectを観ておけば大外しはしない。そういうブランドだ。

何でそもそも今日来たかっていうと、5月末をもってファン・クラブを退会するにあたりゴールド・カードに貯まっていたポイントを使い切る必要があった。結構貯まっていた。最後の数ヶ月に駆け込みで小片リサさんのコットン・クラブ公演、今日のつばきファクトリー、数日後のJuice=Juice(植村あかりさんの最終公演)のコンサート・チケットと交換し、いい具合にポイントをほぼ消費することが出来た。小片さんとJuiceのチケットはたまたま知人に譲ることになって、余ったのがつばきのチケット。積極的に買い手を探すのも面倒くさいので、自分で入ることにした。つまり、私は今日のチケットをお金を払って買ったわけではない。

月曜日の18時開演。Hello! Projectでは重要なコンサートを平日に開催するのがすっかり当たり前になっている。つくづくオタクはナメられているが、何の問題もなく人が集まる。今日に関してはチケットの売れ行きが芳しくはなかったようだが、恥ずかしくない程度には客席が埋まっていた。もちろんC'mon Everybodyと銘打ちながらもeverybodyが来ているとは言いがたかったが、ガラガラとか武道半とかの惨状ではなかった。久々に目の当たりにするHello! Projectそしてつばきファクトリー支持者の層の厚さ。圧倒される。日本武道館周辺を賑わす多種多様な異常者たち。異常者の玉手箱。平日のこの時間。数千人。9千円くらいするチケット。このスーツ率の低さ。どういう仕組み? 私はオフィスに出勤してそのままスーツ姿で行ったのだが、開演前に少しお話ししたF君は、スーツだと浮きますよ。関係者だと思われますよと笑っていた。ちなみにネクタイは赤。完全にまおぴんカラーです。セブン・イレブンで調達したプレミアム・エビス ジューシー・エール。甘栗。入場。

アリーナ。いい席。通路席。出禁だかファン・クラブ除名だかになっている某有名新沼支持者を観測。前座、名乗るまで誰だか分からなかった松原ユリヤさん。見違えるほどの成長(スキルがどうとかじゃなくて生物としての発育という意味で)。感じる月日の経過。リル・キャメ勢も大人への階段を着実に上がっている。八木栞さんが漂わせるいいオンナ感。処女でなくなった可能性がある。性的になった豫風瑠乃さんのからだつき。彼女たちの成長に合わせたかのようにダンスに取り入れられる、杭打ち騎乗位のような動き。少し見ない間にこんなに大人になって……という発想が既にジジイ。この1-2年は彼女たちにとっては少しの期間ではないのだろう。時間の尺度が異なる。

コンサートのほぼすべての時間を、私は無言で過ごした。私はいま喉の調子が良くない。大きな声を出すのも継続的に喋るのも少し難しい。そして、そもそも感情が高ぶらない。だが、新沼希空さんと谷本安美さんに特別ゲストの山岸理子さん、岸本ゆめのさん、小片リサさん、浅倉樹々さんを迎えてのオリジナル6による『気高く咲き誇れ!』、そこに小野田紗栞さん、小野瑞歩さん、秋山眞緒さん通称さにこ(なんだそれ? と思って数日前に検索したら太陽のようだからSunnyなのと3人という二つの意味を掛け合わせているらしい。イク!つばで命名されたとのこと。いやいや、太陽のようなというか、日が没しているだろう)を加えての『初恋サンライズ』で突如として感情を取り戻した。ちょっと泣きそうになった。小片リサさんと浅倉樹々さんが同じステージで曲をパフォームする奇跡のような時間に立ち会えるとは! 小片さんと浅倉さんが曲中に向き合って目を合わせる場面では武道館がどよめいた。オリジナル6と、さにこ(なんだそれ?)を加えた9人。この編成によるパフォーマンスを観られる機会は、おそらくもう二度とないだろう。本日をもって新沼希空さんは芸能界を引退するからだ。この2曲だけで、私にとっては仕事を早く上がってここまで観に来た価値があった。それ以外の時間はすべて私には無価値だった。山岸さん、岸本さん、小片さん、浅倉さんが抜け、現体制によるコンサートが再開したとき、私は夢から醒めたような気持ちになった。名称こそ引き継がれているが、私が追っていたのとは完全に別の集団になったんだなと改めて実感した。あの幻のような2曲。あのわずかな時間。浅倉さんと小片さんの共演。これで私の中でつばきファクトリーという集団が成仏し、正式に解散した。もちろん実際にはまだ集団が存続しているのは言うまでもない。しかし私にとってはあのオリジナル6、9、8の時代、あの面子がつばきファクトリーなのである。フットボール・クラブのように選手は入れ替わってもチームを愛し続けるというわけにはいかない。私にとってつばきファクトリーはそういうものではない。これだけメンバーが入れ替わると、つばきファクトリーと言われても、もはや別の集団がカヴァーしているのと変わらないのだ。もちろん、今のつばきファクトリーが好きな人々のことを否定するつもりは一切ない。あくまで私にとってはということに過ぎない。

2時間半、みっちりとコンサートをやり切るのはHello! Projectのスゴさ。当たり前のようにやっているけど、コレはインディーには望めない。インディー界は必死に営業をかけて客を集めようとする割に肝心のコンサートが拍子抜けするくらいの分量しかないことが多い。同じ2時間半を使うにしても、配分がコンサート30分で、特典会2時間みたいな。コンサートをしっかりと作り上げることに対しての愚直さ、実直さにかけてはHello! Projectは本当に素晴らしい。一方で、インディーの規模に慣れてしまうと、武道館のアリーナでもずいぶんと遠いなと思ってしまった。会場が大きくてステージとの距離が遠いのを補うほどの表現力や演出効果の迫力は感じなかったのが正直なところだ。

興味を失い、しばらく離れた今となっては、私はもうHello! Projectに前のような情熱を注ぐことは想像すら難しい。ファン・クラブを辞めるとき、事務所から届いた書類には脱会という言葉が使われていた。辞書的には間違ってはいないのだろうけど、普通、退会じゃない? 私の感覚では、脱会ってカルト宗教を脱出するときによく使う言葉だ。Hello! Projectはまさにカルト宗教であり、自足自給の村だったんだと今になって私は思う。村の中だけを見て、外を見ないことが幸せになるための秘訣。他の陣営や娯楽と比較、相対化したら終わり。目が醒めてしまう。閉じた世界。それが悪いとは言わない。きそーら最高! と叫んでいた紳士たちにしても、世の中のあらゆるアイドルと新沼さんを比較した上で、彼女こそが最高だという結論を出しているわけではない。たまたま好きになったから最高。自分が愛するのは彼女だと決めたから彼女が最高。それでいいのだ。おそらく幸せというのはそういうものだろう。

2024年6月22日土曜日

『私のもとへ還っておいで』上映会&コンサート (2024-05-24)

チケットが全然売れていない。まだ半分くらい。ちょっと前にInstagramの配信でめいめいがこぼしていた。彼女はInstagram配信の予告をしない。アーカイヴも残さない。偶然Instagramを開いたタイミングと重ならないと視聴する機会がない。たしかこの回では引っ越すにあたりモノを減らすため紙の本をすべて処分(NPO法人か何かに送付する)してKindleに移行するという話をしていたような気がする。(この話をしていたのは違う回だったかもしれない。)チケットの売れ行き(この時点ではファンクラブ先行受付の段階だったと思う)が芳しくないのはなぜだろうか? 開演時間が金曜日の14時と18時半。9時から18時くらいの一般的な就業時間であれば、半休なり全休なりフレックス・タイムで早く上がるなり、とにかく何かをしないと片方でも観に来るのは難しい。

Hello! Projectの現場なら曜日時間帯に関係なく人が集まる。それは観に来る人たちが狂っているからだ。狂っている人(異常者)がたくさんいないと平日昼間の興業なんて成り立たない。いまのめいめいに狂ったファンはそんなにいない。狂っていないから正常な判断をする。正常な判断をする人が多いから、平日の昼間には申し込みが少ないという正常な結果になる。接触で売っているかどうか。そこが分岐点だと思う。色恋的な意味で好きにさせるとか、レスを送るとか、そういった世界。そこにめいめいは住んでいない。魂を込めた作品を作って、表現を届ける。極めて誠実で真っ当な姿勢。素晴らしい。だがその活動スタンスに引き寄せられるファンたちが平日に何らかの無理をして現場に来るかというと……。もちろん来る人もいるけど、アイドル現場のようにはいかない。まともな人が多いから来るかどうかの判断もまともになる。酔っているか、素面かの違い。もうひとつ考えられる理由として、上映会&コンサートという、いまひとつピンと来ない演目。何をやるのか。どれくらいの時間やるのか。それも多少はあったと思うが、あくまで副次的だと思う。

実際どんな感じだったかというと、観に来ていたのは70-80人。フロアに配置されたパイプ椅子。A, B, C, D, E, F, G列までテープで席番号が貼ってある。その後ろにも1列ある。当日券用か、関係者席か。1列が10席。8列全部座って80人。前後左右に空間がある、余裕のある配置。コヴィッド騒ぎの最中にあった、ひとつ飛ばしの席配置という茶番。アレを思い出した。おそらく開催する側としてはもっとチケットを売って詰めた並びにしたかったのだろう。観る側としては見やすくて助かった。めいめいが昼公演の上映会で、客席側のキャスティングの選抜メンバーみが強い、私のことをスゴく好きでいてくれるコアな人たち、的な言い方で我々に触れてくれた。めいめいのことをとても好きな人たちが集まっているのは間違いないが、ここでいう好きとは分別を伴う好きであって、所謂ガチ恋的な感情を抱いている人はほぼ皆無であろう。めいめい自身が育ててきたファン層であり、それで活動が成り立っているのは素晴らしいことである。

ひとつの公演が二部に別れており、一部は『私のもとへ還っておいで』本編の上映会。これが70分程度。休憩を挟んでコンサートが50分程度。たっぷりと時間を取った豪華な内容だった。上映会は、ステージの横の方に座っているめいめいと一緒にみんなで映像を観ながら、めいめいの話を聞くという感じ。場面ごとにめいめいが教えてくれる裏話が面白かった。たとえばめいめい演じるショウ・パブの女が冒頭で客のことをおっさんと言うのだが、その言葉を使うことに葛藤があったという。なぜなら客席にはおっさんがたくさんいるから。でもそこでおっさんたちがたくさん笑ってくれて緊張が解けた。あと、ある場面では体感的にはもっと笑いがあったので編集で笑いを足したとか。最初の衣装は歌舞伎町にマネージャーの清水さんと二人で買いに行ったとか。劇中に女が殺害予告を受ける場面で、観に来ていた甥っ子がめいめいが本当に殺されると思って泣き出したとか。椎名林檎『本能』を入れたのはただナース服を着たかったから。ラムちゃんの曲を入れたのもあの衣装を着たかったから。最近コスプレに興味がある。綾波レイのコスプレ(本格的なやつ)をしてコミケに行ってみたい。(囲まれちゃうよ!という客席からの声。)囲まれたい。予算の制約が厳しく、マリリン・モンローのカツラもアマゾンで安いのを買ってメイクさんに加工してもらった。裏話以外にも、めいめいの創作に対する考え方を聞けたのがよかった。私が最も印象に残ったのが、『私のもとへ還っておいで』を通して伝えたいことは何ですかとインタビューで聞かれて困るという話。伝えたいことはない。一人芝居コンサートというフォーマットをどうやって成立させるかを考えて作った。(これは本当にそうだよな、と思う。映画にしても小説にしても劇にしても、すべての物語に何かしらの教訓やメッセージが秘められていると思っているタイプの人たちっているよね。あとは登場人物に共感できないからこの作品が好きじゃないとか。たとえば主人公の言動に不快感を覚えるなら、そのイヤな感覚を味わうことを含めて作品を楽しむということなのに。表現において大事なのは伝えたいことよりも表現したいこと。この二つをごっちゃにすべきではない。)

コンサートのセットリストは昼と夜で同じだった。
1.『舞台』
2.『優しい夢だけを見て』:今日来ているのはコアな人が多いからコアな曲を…。人前で歌うのは二回目、前回歌ったのは『めいめい白書』で今日と同じ会場とめいめいは言っていた(まったく記憶になかったが私はどうやらその公演を観ていたらしい)。ただ、私が知る限り名古屋のリリース・パーティでも歌っていたはず。森川さんのブログで読んだ記憶がある。なので少なくとも三回目である。事務所の社長が好きな曲とのこと。昼公演には来ていなかったが夜公演は観に来ていた様子。
3.『オシャレ』:Hello! Project時代にひなフェス2014でパシフィコ横浜でソロで歌った曲。自分で選んだ候補曲は『モーニングカレー』と『負けるなわっしょい』だったがつんくさんに却下された。当時はそれが不満でメンバーにも愚痴っていた。当時はファンからがなる歌い方が求められていたので先述の二曲なら喜んでもらえると思っていた。『オシャレ』じゃ普通じゃん!と思っていた。でも今となっては普通で等身大なのが一番可愛いと分かる。つんくさんには感謝している。
4.『夢やぶれて』:劇中に歌う候補のひとつだったが落選した曲。“I Have Nothing”の場面。
5.『無花果』:コロナの時期でリリ・イベがキャンセルになって皆さんの前で披露する機会を逸した曲。
6.“Over the Rainbow”
7.“MAY”:自分の名前がめいで、5月なので入れた。

私にとってのハイライトは『優しい夢だけを見て』と『オシャレ』の二曲だった。『オシャレ』は前半がジャジーなアレンジで、2014年の映像を改めて観てみると表現力の圧倒的成長を感じられた。来年、再来年あたりにはゼップ・ツアーをやりたいとめいめいは言っていた。このヴィジョンを示してくれたのは嬉しかった。というのが最近のめいめいは体調が万全ではない時期があったのもあり、イケイケドンドンという感じではなく、どこに向かっているのかがいまひとつ見えにくかったからだ。こうやって一年、二年先の具体的な計画を話してくれると、こっちもそれを糧にファンを続けることが出来る。ファンクラブが私に与えた席は昼公演がE列、夜公演はA列。もちろん昼のE列でも十分に楽しめたが、特に夜公演は最前でめいめいの姿を拝み、生演奏と共に彼女の歌に浸ることが出来、幸せな時間だった。

2024年6月8日土曜日

吉田琴音生誕祭2024 (2024-05-12)

AFCアジア・チャンピオンズ・リーグ決勝戦、1stレグの翌日。土曜日に試合、日曜日にこのコンサート。身が入るわけがない。集中できるわけがない。あらかじめ分かっていた。試合がどんな結果になろうとも、私は他のことを考えることが出来なくなっているに違いない。5月11日(土)の試合が終わってもまだ2ndレグがある。2試合目が終わるまでは気が気でないはずだ。吉田琴音さんのお誕生日? それがどうした。KissBee? それがどうした。藤井優衣チャン? それがどうした。アイドル? それがどうした。そういう精神状態になることは、この公演を申し込む前に分かっていた。横浜F・マリノスが蔚山現代を破って決勝進出を決めたのが4月24日(水)。今日のチケット販売が始まったのが4月29日(月)。コンサートに足を運んだとして、私のモチベーションが低いのは既に見えている。行かないのも手。というか賢明。しかし5月末が使用期限の特典券が2枚残っている。コレを逃すともう今月はKissBee現場に来ることはない。ということでチケットを購入。

アル・アインとの試合は、16時から横浜駅近くで整体を受け、そのまま先生と一緒に観に行った。試合前に瀬戸うどんにでも入るつもりだったが先生がお酒を飲みたがるので新横浜駅とスタジアムの間にある適当な居酒屋に入った。(居酒屋北海道という店。調理含めすべてを大学生アルバイトで回しているかのような居酒屋。安いようでいて結局まあまあ行く金額。二度と利用しない。)先生曰く中国の地元では毎日のように何かにかこつけた集まりがある。誰かの誕生日とかで。その度にお金を払わないといけない。自分がそういったパーティをやらなくても他人のには顔を出さないといけない。イヤでも一回目は出て、二回目から断るというような配慮をしないと人付き合いに影響が出る。給料では足りないくらいにお金が出て行く。自分も会を開いてお金を徴収しないとやっていけない。複数人で食事に行ったときはその中で稼ぎがいい人が全額を払わないといけない。それが当たり前。先生はそういった風習があまり好きではないのだという。

試合前、選手入場時に立ち上がってゴール裏有志が用意してくれた紙(スタジアム全体でトリコロールを表現。私のエリアは白だった)を両手で頭上に掲げながらアジアを勝ち穫ろうのチャントを歌う。物凄い雰囲気だった。ウルッと来てしまった。2022年W杯の日本対スペイン戦で試合終了前に泣いていた男性が中継に抜かれたときに本田圭佑さんが言ったように「まだ早い」のは百も承知。まだ早いどころか試合が始まってすらいない。だが横浜F・マリノスがこの大舞台にたどり着き、私はスタジアムでそれを応援できている。それが本当に幸せだった。2-1でマリノスの勝利。僕が引退した後も思い出す試合になるだろう、と試合後にヤン・マテウスさんは言った。2週間後の2ndレグでは色々あって1-5で負け。合計スコア6-3でアル・アインがアジア・チャンピオンになった。それでも私にとって5月11日(土)のあの経験が特別だったことに変わりはない。

私が生きていて健康なうちに横浜F・マリノスがAFCアジア・チャンピオンズ・リーグで決勝に行くことは、もしかするともうないかもしれない。それくらいの大きな試合。一晩寝て何事もなかったかのようにKissBeeのコンサートに没頭できるわけがない。上の空。無理もない。昨日の試合で使い果たした感情。会場も良くなかった。五反田のG4。見づらい。整理番号38番。チケット発売後1分で決済購入してこの番号。おそらく年間パス(というのがあるっぽい)で最初の20-30人は埋まっている。会場によってはこの番号でももっと見やすい位置に行けると思うけど、G4では私たちのような一般層は残飯のような位置しか得られない。何と言えばいいのか、最前付近以外はすべてカスみてえな作りの会場なんだ。当日券で入っても大差なかった。
The odds are stacked against us like a casino
Think about it, most of the army is black and latino
(Immortal Technique,“Harlem Streets”)
マジでコンサートがほとんど印象に残っていない。ショッピング・モールでやっている知らない集団のリリース・パーティを遠巻きに眺めているのに近い感覚。あー、なんかやってるんだねっていう。入り込めていない。藤井優衣チャンの美貌は相変わらずだった。崩れる瞬間がない。お人形さん。それでもずーっと頭から横浜F・マリノスのことが離れない。昨日の試合のこと、次の試合のこと。マリノスに夢中すぎて、意識にKissBeeが入り込む余地が残されていない。視界の中ではKissBeeのコンサートが開催されている。メンバーさんがステージにいる。好きな曲も流れている。見える。聞こえる。それでも私に今日のコンサートは見えていなかったし、聞こえていなかった。ただそこに居ただけだった。私はこのコンサートの一部ではなかった。終演後、期限切れが近い特典券2枚を使ってツー・ショットの写メを2枚。藤井優衣チャン。実物も写真でも氏が美しすぎて毎度ながら感心する。すぐ隣に立たせてもらって、一緒に写真を撮ってもらう。それに1枚千円を払うのも納得である。

2024年6月2日日曜日

TAKUYA KURODA featuring 9m88 (2024-05-08)

この淑女を一目見るためにJPY9,500の公演チケットを購入した。誰かって言われても何て読むのか分からない。安くないチケット代に加えさらにJPY2,000くらいを払う羽目になる。ブルーノート東京では飲み物か食べ物の注文が必須だからだ。でも何て読むのか分からない。私がSpotifyで2023年によく聴いたアーティストの3位くらいだったと思う。でも何て読むのか分からない。一回読み方を知ったことがある。もう忘れた。何て読むのか分からない。覚えづらいことこの上ない。9m88。どう読むのか分かるか? 正解は、きゅーえむはちはち。ではない。ジョーエムバーバー。分かるか。覚えられるか。もう覚えたけど。

2023年4月5日(金)にブルーノート東京のウェブサイトを眺めていて、何かめぼしい公演はないかなと思ったら9m88さんの名前が目に飛び込んできた。Spotifyでよく聴いているあの歌手! 曲の題名から漢字圏の方なのは分かっていたが、詳しい素性は分からない。おそらく活動拠点は日本ではない。生で観られる機会もそうないだろう。私にとっては最初で最後になるかもしれない。観に行くしかない。すぐにチケットを購入。

私が氏を知ったのがおそらく2023年2月22日(水)にドロップされた黒田卓也さんとの合同曲、『若我告訴你其實我愛的只是你-What If?』。たぶんSpotifyで先に黒田卓也さんをフォローしていた。黒田さんのニュー・リリースとして流れてきたこの曲で初めて9m88さんの歌声に触れた。それで9m88さんのアルバムを聴いたらめっちゃええなんってなった。そういう流れだったと思う。だから黒田卓也さん経由で知ったということになる。黒田卓也さんをフォローした経緯は定かではない。正直ちゃんと聴いたことがない。本当にちょっとしたきっかけで軽くフォローしたんだと思う。アマゾンで気になった本をとりあえずカートに入れるような感覚でさ。黒田卓也さんはトランペット奏者なんだけど、私はそこまでトランペットに興味がなくて、ジャズを聴くときはピアノありきなんだよね。

家を出て、表参道に向かう、せめてその間だけでも黒田さんの最新アルバムを聴こうと思ったんだけど、どうも気乗りしなくて。好きじゃないとかじゃなくて。気分的に。しっくり来ない。Arakezuriっていうインディー・ロック・バンド(BLUEGOATSさんの24時間ライブのチャンチーさんと三川さんのトーク・セッションで話題に挙がっていた)のプレイ・リストに切り替えた。青山のBALATON CAFEで時間調整。ホット・コーヒー。ブルーノート東京にあまり早く入っても開演前に飲み物のグラスを空にしてしまう。音を浴びつつちびちびやりたい。20時15分に入場。20時27分に届く紅菊水(梅酒)。ブルーノート東京とコットン・クラブはお酒をロックで頼むとチェイサーの水をつけてくれる。20時半開演。完璧なタイミング。

カウンター席という席種を初めて買ってみた。一番後ろの壁際。全体を見渡す位置。バスじゃもろ最高部な奴らが好みそうな席。悪くなかった。最大の利点は向かいに人がいないこと。ブルーノート東京の席は基本的に、誰かと一緒に観に来るのを前提につくられている。どの席を選んでも誰かと向かい合うか密接することになる。カウンター席だとその居心地の悪さがほとんどない。壁を背に座る。前に丸いテーブルがある。そのテーブルを二人でシェアする。(単騎で乗り込むかぎり)赤の他人と隣同士にはなるが、向き合うわけではないのでさほど気にならない。そして、見晴らしがいい。アリーナ席よりも一段上にある。ステージからは最も遠い席だが、視界が他のヘッズで遮られることはなかった。反面、前方席と比べるとどうしても臨場感、音の迫力は落ちる。周囲の雰囲気も落ち着いており、何となく声が出しづらい。コンサートを作り上げる当事者というよりは後方彼氏面的なスタンスに誘導される。軽い気持ちで観に来る分には最適な場所だとは思う。他の席と比べると値段が安いし。

バンドは5人編成。黒田卓也さん(トランペット)、Corey Kingさん(トロンボーン、ヴォーカル)、泉川貴広さん(ピアノ、キーボード)、Kyle Milesさん(ベース)、Zach Mullingsさん(ドラムス)。スペシャル・ゲストに9m88さん(ヴォーカル)。今の私では何がどう良かったかを具体的に語るのは難しい。というのが、先述したように私は黒田卓也さんの音楽を十分に(というかほとんど)聴いていない。それに加え、私はピアノがメインではないジャズのコンサートに来たことが一度もない。音源でも少ししか聴いたことがない。だが一つ言えるのは、来てよかったということ。今日のチケットを確保した後に会社のグループ・ディナーの誘いが入ったのだが、そんなものに行っている場合ではなかった。黒田さん曰く昨日のリハーサルを含めると15日連続でコンサートをやっているとのこと。毎日5時間ほどの移動を挟みながら。東京に来る前はアメリカの西海岸でツアーをやっていた。その興奮が醒めやらぬ感じが黒田さんの言葉から伝わってきた。ジョークのノリがアメリカっぽかった。今日も2万人の観衆が…いや、2万人は言い過ぎか(笑)とか、プレミア価格がついている過去作品のヴァイナル盤が物販で買えるから一人10枚買ってほしい、10年後に転売したら何かの足しに出来ますよとか。黒田氏は9m88さんと話すときなど、度々ステージ上で英語を話していたが、当然ながらこなれていた。いちいち日本語に訳さない。青山に吹く、心地よいアメリカの風。

何という曲かは分からないが、結構な長尺で(腕が限界になるくらい)私たちにさまざまなリズムで手拍子をさせる曲があって、それが楽しかった。単に曲に合わせて我々が手を叩くのではなく、我々の刻むリズムが曲に欠かせない構成要素になっていた。途中で男(と自分で思う人)と女(と自分で思う人)で叩くリズムを変えたりして。

私が9m88さんを知るきっかけになった『若我告訴你其實我愛的只是你-What If?』を生で堪能することが出来た。感激した。この曲を実際にステージで共演するのは今日が初めてだったらしい。(私が観たのは2nd setだったので正確には2回目。)9m88さんは本編に3曲、アンコール後に1曲と、たっぷり4曲に出演。彼女を目当てに来る価値が十分にあった。9m88さんを観ながらふと思ったのだが、日本で職業としてのいわゆるアイドルに従事している人々の中にも、やりようによっては9m88さんのような素晴らしいソロ・シンガーになれた人はいたんじゃないだろうか。だがそれは狭すぎる門というか、もはやそんな市場はないのだろう。お金の動くところにしか職はない。本日、黒田さんが披露した新曲の一つに、新幹線をテーマにしたものがあった。発車時刻まで時間があるからと余裕をぶっこいていたら車両が遠く、みんなで走ってギリギリで乗り込んだときのことを曲にしたという。JRに売り込むつもりです。お金のあるところからお金を取らないといけない。ジャズ界は厳しいですから、と冗談混じりに言っていた。

ブルーノート東京が和やかな雰囲気に包まれる中、ある観客が私の目に留まった。彼はまったく楽しそうではない。ステージを見るでもなく、どこか虚空を見つめている。拍手もしない。こわばって変わらない表情。見えない感情。コンサートにまったく入り込めていない。心ここにあらずを形にしたような存在。勝手な決めつけではあるが、私には彼がうつ状態にあるようにしか見えなかった。数年前の自分を思い出した。

2024年5月5日日曜日

Full Power 24 hours (2024-05-04)

BLUEGOATSさんを観に行くのは3月10日(日)以来、約2ヶ月ぶり。4月18日(日)だったかな。その辺に一度、観に行くつもりだったんだけど、見送った。対バンというのがどうにも。それも対バン相手が普通のバンドなのよ。男の。ちょっとね。BLUEGOATSさんを観に行きたいのにBLUEGOATSさん以外に割かれる時間の方が長くなる。そのバンドさんたちにも興味ない。もちろんBLUEGOATSさんの方向性としてコテコテのアイドル路線を拒絶し、音的にも精神性(社長の三川氏が口癖のように使う言葉)的にもロックを体現したい、そっちの土俵に行きたいというのは分かる。だけど私はあくまでBLUEGOATSさんを観たい。そもそも私は単独公演でさえコンサートの時間が短すぎると感じている。いわんや対バンをや、である。私が食べたいのは500gくらいのステーキであって、途中で100gくらいのステーキが申し訳程度に差し挟まれるコースじゃないんだよっていうさ。そんな感じよ。

昨日の20時から始まった24時間ライブ。最初の約20分にコンサートをやって、そこから特典会と休憩。という時間配分は昨日YouTubeの配信を観て知った。それを24回転。あと各メンバーさんと社長(プロデューサー)の三川氏とのトーク・ショウがあったりとか。休憩時間が全部細切れだからメンバーさんたちは寝ることが出来ない。それが許されてもいない。先日のダイナマイト・マリンさんのフル・マラソンと同様、メンバーさんたちが乗り越えないといけない試練を意図して作り出しているようである。娯楽として客を集めるというよりは、メンバーさんや運営側が精神的・肉体的な苦しさを乗り越えることで何かを手に入れる、そういう発想がBLUEGOATSさんの根本にある印象。寝ないとか食べないとかを一定時間続けることで得られる特殊な精神状態ってあると思う。ある種の宗教的な感覚っていうか。そういうのを狙っている感じがする。

第1部から5部まであって、通しチケットがJPY15,000。各部のチケットがJPY3,000。私は今日の9時から13時の部だけを購入。8時半開場。場所は大塚。8時には家を出ないといけない。となると7時起き。連休中にわざわざ。6時台に目が覚めたのはたまたま。洗濯などをしていたら家を出るのがギリギリになった。北池袋駅。プラットフォームのベンチにもたれかかって地面に座り込む、ふくよかなミニスカ茶髪婦人。飲み過ぎたホス狂か? 10メートルくらい離れたところからiPhone SE (2nd generation)で写真を撮っている私を尻目に、スタイルの良い長身ミニスカ美女が自販機で飲み物を買い、ホス狂に与えていた。私は自分が恥ずかしくなった。その場を離れたくなり、プラットフォームの先まで歩いた。池袋駅。山手線。一駅。大塚駅。初めて降りる。昨日YouTubeのオススメに出てきたザ・マミィさんの動画、ぶらり途中発射の旅が大塚駅の回だった。ピンサロがいくつもあるらしい。散策する時間はなく、会場に直行。Hearts+って会場名もちょっとメン・エスっぽく見えてくる。あと数分で開場。入口の階段手前に1-2人はみ出している入場列。感じの良い受付の淑女。JPY600。ラム・コーク。

朝は排泄の時間。人間の身体がそう設計されている。不本意ながら物販奥の洋式便所で用を足す。負い目。罪の意識が自分の脳内に作り出す、コイツさっきうんこしてた奴だという架空の他人の目。だが今から4時間は我慢出来ない。丁寧に手を洗う。いい感じに空いているフロア。お手洗いに行って戻ってきても同じ位置に立てる。みんなが前に行きたがっているわけではないようで、割と人が分散している。通しチケットの購入特典であるロング・ティー・シャツを着ている紳士淑女がパッと見、10名くらい。JPY15,000ってまあまあな値段ですよ。チェキ券はまた別で1枚JPY2,500する。BLUEGOATSの現場に来るのは若い人が多い。そんなにお金を持っているわけではなさそう。チェキをゼロってわけにも行かないだろうから、何枚か買って。控えめに買っても4枚は欲しいよね。JPY10,000でキリがいいし。となると合計JPY25,000。それこそ風俗にでも行ったほうがいいような金額になる。実際、券をアホみたいに買っている人は居なさそうだった。特典会が始まっても並ばずに後ろから見ている人も多く。

私はBLUEGOATSさんに関して、存在を知る、YouTubeが面白い、メンバーさんたちが魅力的、曲がいい、実際に現場に行ってみる、までは順調に進んできた。だが、その先にあるはずのコンサートが楽しくて仕方ないというところまでは到達できていない。まだ距離があるなと感じている。曲は本当にたくさん聴いている。私はSpotifyでBLUEGOATSさんの曲をまとめて一つのプレイ・リストにし、毎日のように聴いている。世界で一番BLUEGOATSさんを聴いているSpotify利用者の可能性すらある。そして私はBLUEGOATSさん現場のフロアの雰囲気が好きだ。とにかく治安がいい。ピンチケがいない。適度に空いている。一人でも疎外感がない。ただ疎外感がないというのは、馴染むことを求められる既存のノリが出来上がっていないということでもある。よく言えば平和、悪く言えば淡白。三川氏がTwitterで明確に書いていたのだが、BLUEGOATSさんとしてはアイドルノリをやりたくない。だからアイドル現場で定番のオタク側による様々な発声やキモい動きがない。代替のノリとして、我々には一緒に歌ってほしいようだ。ただステージ側もフロア側もどうすればいいのか探り探りで、ぎこちなさがあって、あるべきノリを作っている途中という感じ。(さすがに知らない曲を一緒に歌うことを求められるのには驚いた。まだSpotifyにもない新曲。そのリリックを前日とかにソーシャル・メディアに載せて、歌える人は歌ってくれと。何という難易度。)

メンバーさんたちが登壇し9時の回が始まったと思ったらラジオ体操の音が流れ、そこから全員で体操の第一をやった。写真を撮るヘッズ(BLUEGOATSさんの現場は静止画撮影可)を見たほんま・かいなさんが、ちゃんと体操をしろ、撮影するな的に叱っていたが、その後にどこかでツボに入ったらしく笑いを堪えられなくなっていた。チャンチーさんはずっとニコニコ。ダイナマイト・マリンさんとソン・ソナさんも楽しげ。フロアの我々は何の予告もなく始まったラジオ体操を黙ってこなす。シュールで平和な空間。20分ずつの細切れではあったが、BLUEGOATSさんのコンサートを約80分という長い時間、観られたのはよかった。4セットとも2列目で観ることが出来た。小難しいことは抜きにして、若い女が歌って踊るのを近くで観るのはいいものだ。『東京タワー』を3回もやったのには驚いた。ただ、好きな曲なので繰り返し聴けたのは嬉しかった。

人が人をちゃんと覚えるのには3回くらい会う・見る必要があるのかもしれない。もちろん個人差はあるだろうけど。前にKissBeeの優衣チャンが配信で、同じ日に特典会に3回来てくれたら確実にその人のことを覚えると言っていた。私にとってBLUEGOATSの現場はコレで3回目。無銭のときに三川氏かと思った紳士は別の方だった。どの紳士が三川氏なのかも分かった。見分けがつくようになってきた。そして、3月10日(日)の初対面に続き本日チャンチーさんと2回目、3回目の面会を果たし、3回目で完全に覚えてもらった。三川氏から購入したチェキ券2枚は9時~の回と11時~の回に行使した。両方チャンチーさん。3月10日(日)ぶりだったが最初に対面したら存在は覚えていてくれていた。名前を聞かれ、しいてきと答える。聞き返される。しいてきと答える。「どうやって書くの?」「アルファベットで、C-T-E-K-I…」「C…」「それSね」「アッ…(自身の頭を叩く)。えーC…C…(Cを出すのに数秒かかる)」/「近いんだっけ?」「家? 北池袋」「近い!」「デコ・チェキ買ったんだけど、(封筒に)事務所の住所が書いてあるじゃん」「うん」「調べたらうちから徒歩19分だった」「めっちゃ近!」。チャンチーさんは10時~の回に『スーパーヒーロー』でリリックの「君」のところで私を見て指さしてくれた。私はアイドル・オタクを引退済みなのでこういうのは久し振りだった。11時~の回では、チャンチーさんがInstagramのストーリーに上げていた小説などの話をした。「チャンチーさんが読んでた『希望のゆくえ』、読んだよ」「もう読んだ(読み終えた)の?」「うん」「どう思った?」「うーんあんまり記憶に残らないというか。ハッキリした展開がないから…」「たしかにね。でも最後は何となく上向きになるみたいな」「『百年と一日』も昨日読み始めたんだけど、どこかに置いて来ちゃって、なくしちゃった」「笑。うちのあげよっか?」/「何センチ?」「身長?」「うん」「173cmかな」「大きいね」「そう? 何センチ?」「うち?」「うん」「149cm」「そうなんだ。20cm違うんだね」「そう20cm違うよ」(ちなみにキモすぎるからもちろん言わなかったが、この身長の組み合わせだと子供の身長がどうなるのか気になった。インターネットのそういうサイトによると男169.5cm、女156.5cmになるらしい。)

高田馬場。バインミー★サンドイッチ。ココのが一番おいしい。ベトナムハム&レバーペーストJPY680。トッピング青唐辛子JPY50(大正解)。時給JPY1,150-(土日祝時給アップ! まかない付)。

渋谷。IKEA。Plant basedのソフト・クリーム。JPY50。渋谷名物。yumegiwa last girlさんが参加する対バンが開催されていた渋谷Milkywayから出てきた、上京中のE氏と合流。

新大久保。シュベール。アイス・コーヒーJPY550。お代わりアイス・コーヒーJPY250。テジョンデ。(ソルマリに行くことで一旦E氏と同意したが私が無性にテジョンデに行きたくなった。)韓国ざんまいサンナッチ。イイダコ炒め。カキチヂミ&イイダコチジミ。コムタン。私マッコリ。E氏ビール。JPY9,108。

2024年4月28日日曜日

KissBee 新体制お披露目ライブ (2024-04-22)

皆さん、元気ないんじゃないですかー? なんて優衣チャンが公演中に我々を煽っていたけれど、私に関して言えば本当に元気がなく、ただ弱々しい微笑みを浮かべてやり過ごすしかなかった。ここ数週間。抜けない疲労感。昨日、日曜の朝。うわ、仕事に行かないと…あのメールを送らないと…そして早く上がってKissBeeを観に行かないと…そんな追いつめられたような気持ちで目が覚めた。まだ日曜日だと気付いても安堵はなく、しんどさが消えなかった。私が仕事とKissBeeを同列に並べ、こなさなければならないタスクとして認識していることに気付き、自分で驚いた。KissBeeの公演を楽しみに思えていない。むしろ精神的負担になっている。一日が経過し、多少はマシになったが、公演を存分に楽しめる心身の状態ではなかった。なんでこうなったのか。スケジュール帳の3月を見ると答えが書いてあった。3月中旬に会社の行事で某所に強制連行された。3月15日(金)は4時起きで始発電車。そこから日曜の夕方まで拘束され、翌日から普通に働かないといけなかった。ちなみに潰れたその週末には16日(土)にゆいののの公演、16日(土)と17日(日)にはめいめいの秘密倶楽部が開催されていた。会社による強制連行でそれらを観に行くのが物理的に不可能となった。残念である。でもまあ、横浜F・マリノスのホーム・ゲームと被らなかったからよしとする。会社都合で土日が潰れるとしても年に一度か二度。今の私は平日夜にもフットボールを観に行けている。十分に恵まれている。

「白金高輪 ビリヤニ」で検索して出てきたのがサムラートという店。会場に入る前にココで夕食。私は最近、ビリヤニにハマっている。ハマっているというよりは、ビリヤニに対する探求心が芽生えている。私だけなのかもしれないが、ビリヤニに対する受け止め方には店と客とで温度差がある。特に普段ビリヤニを出していない店がたまに作ると、やたらとプッシュしてくるというか、なんだか鼻息が荒い。私にとっては何がそんなにいいのかよく分からない。(作るのが大変なんだろうというのは何となく察している。)その謎を解明したい。良さを理解できるようになりたい。良いビリヤニと悪いビリヤニを識別できるようになりたい。

私は4月6日(土)からこれを書いている4月28日(日)までの3週間強で7つのビリヤニを食した:
  • タイガー(東十条) ビーフ・ビリヤニ
  • キング・ケバブの2階(東十条) マトン・ビリヤニ
  • サディア・カレー&ビリヤニ・ハウス(十条) チキン・ビリヤニ
  • サルシーナ(新大久保) マトン・ビリヤニ
  • ゴレルシャッド(江戸川区。池袋のイベントで購入)
  • サムラート(白金高輪) チキン・ビリヤニ
  • マルハバ(池袋) マトン・ビリヤニ
ビリヤニ初心者の感想ではあるが、サムラートのビリヤニが一番おいしかった。パッと見、量が物足りなく見えるが、中に肉がゴロゴロ入っている。Very hotにしてもらったらガツンとからい。生ビールに合う。レシートについているクーポンで次は生ビール(小)が貰えるらしい。白金高輪にはめいめいを観に5月24日(金)にまた来る(それも今日と同じ会場)ので、そのときに再訪してもイイかもしれない。チキン・ビリヤニと生ビールでJPY1,600。

会場内のバー・カウンターでジン・トニックを注文すると提供されたのは炭酸が抜け、ぬるい、よく分からない代物だった。何だこのゴミはと思いつつ飲み干し、紙コップを捨て、フロアへ。後ろ半分はだいぶ空いていて、ストレスなく過ごすことが出来た。今日の公演について、私が書くことはほとんど何もない。とにかく気力が不足している。感情が高ぶらない。声を出す気になれない。KissBeeNextという下部組織から二名が昇格し、KissBeeは9人になった。増えた人数を生かし、集団を二つに分けてそれぞれが曲を披露する一幕があった。意外にも初めての試みだったらしい。色々と見所はあったはずなのだが、いかんせん私の心身が整っていなさすぎた。鈴木みゆさんが異常に可愛く、優衣チャンを見ているつもりがついつい鈴木さんに目が行ってしまうことが度々あった。今日の特典会では自撮り写メと動画があるとのこと。普通の写メと、折角なので自撮り写メを撮ることにした。(係員の婦人がスゴく感じよく対応してくれた。)優衣チャンが間近に現れたとき、ウワ…って小さく声が出た。直視するのに戸惑うくらい美しかった。私と面会すると優衣チャンは、久し振りだ! と言って驚いたような顔をしていた。係員の婦人に2ショット写メを撮ってもらい、自撮り写メを私が撮ろうとすると、出来る~? と優衣チャンからの懐疑的な声。最初にiPhoneを構えた位置を見るや否や、低すぎ、低すぎ!(笑)と注意され、撮影後も、低かったら盛れないじゃん!(笑)と叱られた。私は満面の笑みを浮かべながらペコペコと平謝りした。今日こんな笑顔になれたのはコレが初めてだな。心がほぐれた。それだけでココに来た意味はあったのかもしれない。
くたびれたスーツを纏う僕は
久しぶりにちゃんと笑ったな
「良く似合うね」と笑う君を前に
ひとつ 途切れたフィルム
(BLUEGOATS、『フィルムカメラ』)